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初めてのクリスマス*番外編『幸福のジングルベル』より~穂積編~

2015/12/15 13:31

##IMGLU83##
「お疲れ様です…」

メールで呼び戻され、こっそり捜査室に戻ってくると、室長は一人でパソコンに向かっていた。

##IMGU61##
「戻ってきたな」


(あ、口調が……)

「泪さん」になってくれているのが嬉しくて思わずにやけてしまうけど、ここはまだ職場だ。

穂積
「残務処理だが、もう終わる。お疲れだと思うなら、肩でも揉んでくれ」


「すごく凝ってますね」

穂積
「ああ……いい力加減だ。こうして肩を揉んでもらってると、なんか癒されるな」

褒められると嬉しくなって、つい力が入ってしまう。

気を付けながら揉みほぐしているうちに、室長は作業を終えた。

穂積
「さて、肩凝りもほぐれたし、今日はここまでにして、帰るか」

室長は立ち上がり、パソコンの電源を落とした。

穂積
「家、来るだろ?」


「あ……は、はい」

穂積
「行くぞ」

室長の後に続いて、私は再度、捜査室を出た。


泪さんの部屋で夕食を終えた後、私たちは食後のワインを堪能しながら、テレビを見ていた。


「あ!この番組、見たかったの」

穂積
「ふーん、『クリスマス定番スポット』か。お前らしいな。ガキっぽい」


「うっ」

穂積
「だが、クルージングディナーやイルミネーションも、たまにはいいな」


「えっ?…本当に?」

穂積
「ああ。遊園地はもう嫌だが、夜景の見える展望レストランも、悪くないと思うぞ」


「ですよね!」

穂積
「まあ、俺とは無理だけど」


「……え……」

ノッてくれたかと思っていたのに、いきなり地に落とされた。

管理職である泪さんの事務作業は、提出物を受け取らないと始まらない。

交通費の精算書もまだ藤守さんと如月さんが未提出で、チェックさえ出来ない。

23日は忘年会の世話係だし、他にも仕事は山積していて、クリスマスの予定など立てられない……という状態だそうだ。


「そっか……」

落ち込みかけたところへ泪さんの手が伸びてきて、私の頬をつねった。

穂積
「俺とクリスマスが過ごせなくて嫌だな、って顔だ」


(ううっ、全部バレてる)

穂積
「安心しろ。一緒に過ごせないとは言ってない」


「えっ」

穂積
「少し遅くなるかもしれないが、必ず家に帰ってくる。だから、ここで、料理作って待ってろ」


「うん、任せて。これでも、だいぶ上達してきたんだから」

泪さんはようやく私の頬から手を離して、私の肩を撫で、そのまま、腕へと指先を滑らせた。

穂積
「くだらないと思ってたが…楽しみになってきた」

泪さんの声と、私の肌を撫でる手のその感触が気持ちよくて……イタズラな指先に、身体が熱くなってくる。

穂積
「どうした?顔が真っ赤だぞ」


「……泪さんのせいだよ」

穂積
「俺が、何をしたんだ?」

そう囁いたすぐ後に、泪さんは私と唇を重ねた。

そのまま、息も出来ないほどの激しいキスをされる。


(身体の力が、抜けそう……)

穂積
「ほら、俺が何をしたか、言ってみろよ」

男性口調で命令する、私との時だけに見せる顔。

私はそれに逆らえず、全てを奪われていった……。


*****

今日はクリスマスイブ。

泪さんは仕事、私は休み。

「いいねえ新婚かな?メロンあげちゃう」なんて果物屋で冷やかされながら買い物をし、泪さんの部屋をクリスマスらしく飾り付けする。

レシピを見ながら頑張って何種類もの料理を作り終えれば、後はケーキを作るだけだ。

スポンジに生クリームを乗せ、その上に頂いたメロンやフルーツを乗せ、さらにスポンジを乗せて、丁寧にコーティング……

すると、玄関の開く音が聞こえた。

「泪さん!」

絞り袋に生クリームを入れようとした手を止め、玄関へ走る。

「お帰りなさい!」

「クリスマスに部屋を飾って、料理を作って待っててくれて…なんか、いいな」

泪さんは口元に笑みを浮かべると、私の頭を優しくポン、と叩いた。

そのまま引き寄せ、キスしてくれる。

「新婚なら、お帰りのキスの場面だろ?」

労ってあげるつもりだったのに、私の方が労ってもらっているみたい。

料理とワインをテーブルに並べると、私たちは隣り合って座り、そっとグラスを傾けた。

「まだイブだけど……メリークリスマス」

「メリークリスマス」

グラスの合わさる涼しげな音が、部屋に響き渡る。

「本当に料理上達したな。どれも美味いし、ワインに合う。お前ももっと飲め」

「飲んでるよ。泪さんは、ちょっと飲み過ぎです」

「普通だろ。まだ2本目だぞ」

泪さんはワインをテーブルに置くと、私に身を寄せた。

首元にキスをされ、身体がビクリと反応する。

「あの、な、何を……」

「聞かなくても分かるだろう」

泪さんの手が、身体のラインを撫でていく。

「今夜は帰らせない。朝まで一緒だ」

瞼に、頬に、唇に…泪さんにキスされるたびに、身体の奥が熱く疼く。

「る、泪さん。あの、まだケーキが……」

「お前、俺よりケーキか?」

「そうじゃないけど……」

「なら、黙ってこのまま……」

「泪さんは、私の作ったケーキ、食べたくないの?」

泪さんの動きが止まった一瞬に、腕からスルリと抜け出す。

不機嫌そうな泪さんを見ないふりしてキッチンへ。

生クリームのデコレーションを再開すると、泪さんが覗き込んでくる。

集中していると、突然後ろから抱きしめられた。

「え?」

戸惑っていると、そのまま勢いよく抱え上げられる。

「あっ!」

「やっぱり我慢出来ない」

「ええ!?」

そのまま、寝室のベッドの上に押し倒された。

「ケーキよりも、お前がいい」

「泪さん、ちょっ……」

「黙ってろ」

それ以上喋るな、とキスで唇を塞がれてしまう。

濃密で、激しい口づけに、思考回路が乱れていく。

「る、い……さん……」

私の手から、生クリームの絞り袋が泪さんの手に渡った。

頬にクリームを乗せられ、次にそれを舐め取られると、ぞくりとする。

泪さんの強引さと、生クリームの冷たさと、熱い舌の感触に、めまいを起こしそう。

泪さんは舌先に生クリームを乗せ、そのまま私に口づけた。

クリームが口の中で溶け合い、混ざり合って甘い香りに包まれる。

「甘いな」

「はい……」

「けど、たまにはこういう甘さも、悪くない」

泪さんは口端に笑みを浮かべると、今度は生クリームなんかよりもよっぽど甘くて、優しいキスをくれた……。


~終わり~
追記
名前:ジュン
本文:
室長、こんにちは。

な、生クリームプレイですか……さすがは室長、上級者ですね。

忙しくても時間を作ってくれる室長が好きです。

名前:澪
本文:こんばんは。

メロンといえば小野瀬さんですが、小野瀬さんにならメロンをいただくのでなく食べさせてもら…あら脱線( ̄∇ ̄*)ゞ

忙しい室長ですが、アットホームなクリスマス素敵ですね。

と思ったのに…想定内のような気もしますけど…(笑)

さすが室長。

皆さん素敵なクリスマスデートですが、

やっぱりエロさは室長が持っていきますねえ。

甘い、そして室長らしいクリスマスイブですね(〃∇〃)

名前:冬子
本文:
まあ、ルイちゃんったらやるときゃやるわね!

さすが永遠の少年!クリスマスははりきらないとね


ところで冬子、事務処理は得意なのでルイちゃんのお仕事のお手伝いしてあげてもいいですよ

あー、どちらかと言えばルイちゃんの部下のお手伝いか!

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