『非公式Twitter』
如月さんと年末年始~番外編「新年も彼といっしょ」より~
2016/01/13 12:01終業後、私は如月さんと待ち合わせをして、二人でよく行くレストランで食事をする事にした。
##IMGU64##
「初詣警備がなけりゃ、オレ休みだったのになあ」
##IMGLU83##
「そういえばそうだったね」
先に着いていた如月さんは、初詣警備のせいで休みの予定が潰れたと不満顔。
如月
「……じゃあさ、警備の後、一緒に初日の出見ない!?」
「うん、構わないけど」
如月
「やった! 約束だよ」
「うん」
如月
「翼ちゃんとの約束があれば、オレも仕事頑張れそうだよ」
如月さんは私の手を愛しそうに見つめ、指先にそっと唇を寄せた。
「こ、こーちゃん……っ」
如月
「大丈夫。ここは、他の客から見えないようになってるから」
「そういう問題じゃ……」
如月
「小春ちゃんの困った顔も、照れた顔も好きだから。ついからかいたくなるんだ」
「もう…」
すっかり機嫌が直った如月さんは、笑みを浮かべてワインを一気に飲み干した。
*****
そして、時は過ぎ……12月31日。
初詣警備で私と組むのは、藤守さんだ。
藤守
「あまり俺と離れるなよ。ごちゃごちゃしてて歩きにくいからな」
「はい。確かに……すごい人ですよね」
軽く話しながら歩いていると、遠くから何やら声が聞こえてきた。
藤守
「ん? 向こうが騒がしいな」
「本当ですね。何かあったんでしょうか」
藤守さん先導で駆けつけると、境内の脇で数名の若者が酒を飲んで暴れていた。
藤守
「……おい、お前ら!」
若者
「あれ、……もしかして、藤守さん?」
若者たちは、藤守さんの顔を見て態度を一変。
若者
「藤守さん!」
「その節は、大変お世話になりました!」
全員整列して、深々と頭を下げた。
藤守さんが私を振り返る。
藤守
「こいつら、俺が少年課にいた時に補導した連中や。十分反省してたし、鑑別所送りはやめといたんやが……」
藤守さんの鋭い視線が、若者たちに向けられる。
藤守
「今度は、しっかりと痛い目見た方がええみたいやな」
若者
「ひっ!そ、そんなこと言わないで下さいよ~」
「あ、謝ります! もうしませんから!」
藤守
「俺に謝っても意味ない。……まずは、お前らが汚したところの掃除。あと、神主さんに謝れ」
若者
「はい!」
藤守
「それから……櫻井、何かあるか?」
「でしたら、私たちの仕事を手伝ってもらいましょうか?」
藤守
「それはええな!人手不足って室長もボヤいてたしな」
若者
「でも、何を?」
「酔っ払いの人を見つけたら、救護室まで連れていって下さい」
藤守
「後、ケンカしそうなヤツらを仲裁する」
「ちょっと危ないですけど、大丈夫ですか?」
若者
「了解です! 姐さん!」
「あ、あね、さん?」
その後、若者たちは、それぞれ散らばっていき、そして、しっかり働いてくれた。
藤守さんの解散の声がかかると、若者たちは頭を下げて去っていった。
藤守
「俺たちもそろそろ戻るか」
「そうですね」
藤守
「早く戻って、あったかーい甘酒飲みたいわ~」
寒そうに身体を震わせ、私たちは待機所へと戻った。
*****
初詣警備が解散になって間もなく、みんなと別れた私と如月さんは神社の境内から、初日の出を拝んでいた。
如月
「……ねえ、翼ちゃん。誓わせてほしいことがあるんだけど」
「何?」
如月
「オレ、頼りなく見えるかもしれないけど……これからも、翼ちゃんのことを守っていく」
「こーちゃん……」
如月
「寂しい思いはさせない。幸せにしてみせる。だから、来年も、再来年も…毎年一緒に、初日の出を見てくれないかな?」
翼
「うん。もちろん!」
如月
「よかった!」
照れ笑いを浮かべる如月さん。
その笑みにつられて、私も笑顔になる。
如月さんは、私の手を引っ張り、そのまま唇を寄せた。
如月
「翼ちゃんの唇、冷たくなってるね」
「ずっと外にいたから……こーちゃんもだよ」
如月
「そっか。そうだよね」
熱を分け合うように、キスを繰り返す。
軽く、時に深く。
初日の出を浴びながら、私たちは何度もキスを交わした。
如月
「これ、初キスだね」
「そうだね」
如月
「じゃあ次は、2回目のキス、しよっか」
「もう……」
身体が火照り、吐き出す吐息にも、熱が帯びる。
如月
「翼ちゃんの目、すごくやらしい」
「え!? み、見ないで……」
如月
「嫌だ。もっと見たい」
「こーちゃん。もっ、ダメ……っ!」
明るくなってきたので、今度は初詣に向かう。
並んで境内まで行き、それぞれお金を投げ、チャリン、という音を聞いてから、手を合わせた。
(願い事は……)
いろんなことを浮かべ、1番大切なお願いをした。
誰にも言えない、私だけの願い事。
如月
「翼ちゃん、ずいぶん長いこと手を合わせてたけど、どんな願い事したの?」
「それは、秘密。言ったら効果がなくなるって言うでしょ」
如月
「それもそうだね。じゃあ、オレも言わない」
「叶うといいね。こーちゃんの願い事」
如月
「うん。あっ、せっかくだし、おみくじやってみる?」
「うん、やりたい」
如月
「こういうの得意なんだよね。オレ、いっつも大吉引けるんだ」
「いつも!? それは、すごいかも」
如月
「でしょ」
嬉しそうに笑みを浮かべ、如月さんが先におみくじを引いた。
如月
「ほら見て! 大吉!」
「本当だ。すごい、こーちゃん。…私、末吉…」
力なく笑う私の手から、如月さんが突然おみくじを奪って、自分の分と重ね合わせる。
如月
「半分」
「え?」
如月
「ほら、これで丁度いい運勢になる」
ふたつを合わせたおみくじを見せ、笑みを浮かべる如月さんの姿に、胸がキュッと痛いくらいに締めつけられる。
大きくうなずいた私に、如月さんは満面の笑みを浮かべた。
如月
「あれ?でも大吉のおみくじって、自分で持ってるんだっけ?」
「そういえば……」
如月
「うーん……じゃあ、こうしよう!」
如月さんは、重ねた二つのおみくじをを、半分に破った。
「おみくじって、破っちゃっていいの?」
如月
「大丈夫だよ。ようは気持ちの問題。オレと翼ちゃん、半分ずつ持っていよう」
「ふふっ。そうだね」
如月さんはおみくじをポケットにしまい、また私の手を取った。
~終わり~
##IMGU64##
「初詣警備がなけりゃ、オレ休みだったのになあ」
##IMGLU83##
「そういえばそうだったね」
先に着いていた如月さんは、初詣警備のせいで休みの予定が潰れたと不満顔。
如月
「……じゃあさ、警備の後、一緒に初日の出見ない!?」
「うん、構わないけど」
如月
「やった! 約束だよ」
「うん」
如月
「翼ちゃんとの約束があれば、オレも仕事頑張れそうだよ」
如月さんは私の手を愛しそうに見つめ、指先にそっと唇を寄せた。
「こ、こーちゃん……っ」
如月
「大丈夫。ここは、他の客から見えないようになってるから」
「そういう問題じゃ……」
如月
「小春ちゃんの困った顔も、照れた顔も好きだから。ついからかいたくなるんだ」
「もう…」
すっかり機嫌が直った如月さんは、笑みを浮かべてワインを一気に飲み干した。
*****
そして、時は過ぎ……12月31日。
初詣警備で私と組むのは、藤守さんだ。
藤守
「あまり俺と離れるなよ。ごちゃごちゃしてて歩きにくいからな」
「はい。確かに……すごい人ですよね」
軽く話しながら歩いていると、遠くから何やら声が聞こえてきた。
藤守
「ん? 向こうが騒がしいな」
「本当ですね。何かあったんでしょうか」
藤守さん先導で駆けつけると、境内の脇で数名の若者が酒を飲んで暴れていた。
藤守
「……おい、お前ら!」
若者
「あれ、……もしかして、藤守さん?」
若者たちは、藤守さんの顔を見て態度を一変。
若者
「藤守さん!」
「その節は、大変お世話になりました!」
全員整列して、深々と頭を下げた。
藤守さんが私を振り返る。
藤守
「こいつら、俺が少年課にいた時に補導した連中や。十分反省してたし、鑑別所送りはやめといたんやが……」
藤守さんの鋭い視線が、若者たちに向けられる。
藤守
「今度は、しっかりと痛い目見た方がええみたいやな」
若者
「ひっ!そ、そんなこと言わないで下さいよ~」
「あ、謝ります! もうしませんから!」
藤守
「俺に謝っても意味ない。……まずは、お前らが汚したところの掃除。あと、神主さんに謝れ」
若者
「はい!」
藤守
「それから……櫻井、何かあるか?」
「でしたら、私たちの仕事を手伝ってもらいましょうか?」
藤守
「それはええな!人手不足って室長もボヤいてたしな」
若者
「でも、何を?」
「酔っ払いの人を見つけたら、救護室まで連れていって下さい」
藤守
「後、ケンカしそうなヤツらを仲裁する」
「ちょっと危ないですけど、大丈夫ですか?」
若者
「了解です! 姐さん!」
「あ、あね、さん?」
その後、若者たちは、それぞれ散らばっていき、そして、しっかり働いてくれた。
藤守さんの解散の声がかかると、若者たちは頭を下げて去っていった。
藤守
「俺たちもそろそろ戻るか」
「そうですね」
藤守
「早く戻って、あったかーい甘酒飲みたいわ~」
寒そうに身体を震わせ、私たちは待機所へと戻った。
*****
初詣警備が解散になって間もなく、みんなと別れた私と如月さんは神社の境内から、初日の出を拝んでいた。
如月
「……ねえ、翼ちゃん。誓わせてほしいことがあるんだけど」
「何?」
如月
「オレ、頼りなく見えるかもしれないけど……これからも、翼ちゃんのことを守っていく」
「こーちゃん……」
如月
「寂しい思いはさせない。幸せにしてみせる。だから、来年も、再来年も…毎年一緒に、初日の出を見てくれないかな?」
翼
「うん。もちろん!」
如月
「よかった!」
照れ笑いを浮かべる如月さん。
その笑みにつられて、私も笑顔になる。
如月さんは、私の手を引っ張り、そのまま唇を寄せた。
如月
「翼ちゃんの唇、冷たくなってるね」
「ずっと外にいたから……こーちゃんもだよ」
如月
「そっか。そうだよね」
熱を分け合うように、キスを繰り返す。
軽く、時に深く。
初日の出を浴びながら、私たちは何度もキスを交わした。
如月
「これ、初キスだね」
「そうだね」
如月
「じゃあ次は、2回目のキス、しよっか」
「もう……」
身体が火照り、吐き出す吐息にも、熱が帯びる。
如月
「翼ちゃんの目、すごくやらしい」
「え!? み、見ないで……」
如月
「嫌だ。もっと見たい」
「こーちゃん。もっ、ダメ……っ!」
明るくなってきたので、今度は初詣に向かう。
並んで境内まで行き、それぞれお金を投げ、チャリン、という音を聞いてから、手を合わせた。
(願い事は……)
いろんなことを浮かべ、1番大切なお願いをした。
誰にも言えない、私だけの願い事。
如月
「翼ちゃん、ずいぶん長いこと手を合わせてたけど、どんな願い事したの?」
「それは、秘密。言ったら効果がなくなるって言うでしょ」
如月
「それもそうだね。じゃあ、オレも言わない」
「叶うといいね。こーちゃんの願い事」
如月
「うん。あっ、せっかくだし、おみくじやってみる?」
「うん、やりたい」
如月
「こういうの得意なんだよね。オレ、いっつも大吉引けるんだ」
「いつも!? それは、すごいかも」
如月
「でしょ」
嬉しそうに笑みを浮かべ、如月さんが先におみくじを引いた。
如月
「ほら見て! 大吉!」
「本当だ。すごい、こーちゃん。…私、末吉…」
力なく笑う私の手から、如月さんが突然おみくじを奪って、自分の分と重ね合わせる。
如月
「半分」
「え?」
如月
「ほら、これで丁度いい運勢になる」
ふたつを合わせたおみくじを見せ、笑みを浮かべる如月さんの姿に、胸がキュッと痛いくらいに締めつけられる。
大きくうなずいた私に、如月さんは満面の笑みを浮かべた。
如月
「あれ?でも大吉のおみくじって、自分で持ってるんだっけ?」
「そういえば……」
如月
「うーん……じゃあ、こうしよう!」
如月さんは、重ねた二つのおみくじをを、半分に破った。
「おみくじって、破っちゃっていいの?」
如月
「大丈夫だよ。ようは気持ちの問題。オレと翼ちゃん、半分ずつ持っていよう」
「ふふっ。そうだね」
如月さんはおみくじをポケットにしまい、また私の手を取った。
~終わり~
追記
名前:小春
本文:
しまった、この話すっかり忘れてて1月6日のtwitterでおみくじネタやってしまいました。
しかも如月さんに末吉引かせてしまいましたm(__)m
ごめんねこーちゃん。てへぺろ。
名前:ジュン
本文:
こんばんは。
うーん、賢史くん、格好いいなぁ。
「俺と離れるなよ。」言われてみたい(〃∇〃)
ちょいワルの若者たちにも信頼が厚いし、素敵(*≧∀≦*)
こーちゃんは一緒にいてホッとするなぁ。
おみくじを半分こなんてこーちゃんらしい。
小悪魔だけど優しいんだよね。
名前:澪
本文:
こんばんは。
藤守さんはやっぱり情に厚いですね。
翼ちゃんを姐さんって(*´艸`)
おみくじを半分こって斬新だけど素敵ですね。
そんな風に言ってくれると嬉しいだろうなぁ。
如月さんと翼ちゃんとの同年代カップルらしい空気が可愛いです。
名前:冬子
本文:
藤守さんの格好よさ、こーちゃんの優しくって可愛らしいとこが伝わりますね
お願い事はなにをしたのかな?
まさか、かみ‥
イヤイヤ、大吉だから大丈夫だよ!
冬子なんて大凶連続だけど雄々しく生きてるよ!
本文:
しまった、この話すっかり忘れてて1月6日のtwitterでおみくじネタやってしまいました。
しかも如月さんに末吉引かせてしまいましたm(__)m
ごめんねこーちゃん。てへぺろ。
名前:ジュン
本文:
こんばんは。
うーん、賢史くん、格好いいなぁ。
「俺と離れるなよ。」言われてみたい(〃∇〃)
ちょいワルの若者たちにも信頼が厚いし、素敵(*≧∀≦*)
こーちゃんは一緒にいてホッとするなぁ。
おみくじを半分こなんてこーちゃんらしい。
小悪魔だけど優しいんだよね。
名前:澪
本文:
こんばんは。
藤守さんはやっぱり情に厚いですね。
翼ちゃんを姐さんって(*´艸`)
おみくじを半分こって斬新だけど素敵ですね。
そんな風に言ってくれると嬉しいだろうなぁ。
如月さんと翼ちゃんとの同年代カップルらしい空気が可愛いです。
名前:冬子
本文:
藤守さんの格好よさ、こーちゃんの優しくって可愛らしいとこが伝わりますね
お願い事はなにをしたのかな?
まさか、かみ‥
イヤイヤ、大吉だから大丈夫だよ!
冬子なんて大凶連続だけど雄々しく生きてるよ!