『非公式Twitter』

番外編から零れたふたり~JS編~

2016/01/17 11:50
##IMGLU78##

「年末年始を、僕と一緒に?」

##IMGLU83##

「うん。…ダメかな?」

クリスマスを過ぎた、年末のある夜。

私は華やかな夜景を見下ろすホテルのスイートルームで、JSとシャンパングラスを合わせていた。

JS
「マルガレーテからのそんな魅力的なお誘いを、僕が断るとでも思う?」

JSはそう言って微笑むと、ベッドサイドのテーブルに、乾杯した二人分のグラスを置いた。

「じゃあ、いいの?」

JS
「もちろん。どこへ行きたい?

ニューヨークで、大騒ぎしながらカウントダウン?

スペインで、時報の鐘の音を聴きながら12粒のブドウを食べる?

オランダなら、寒中水泳だね。

それとも、新年とともにハンサムな男性が扉を叩いてくれる、スコットランドがいいかな?

エジンバラの松明パレードも、綺麗だよ。

パレードといえば、本物の熊の毛皮をかぶって街中を歩く、ルーマニアの伝統行事に参加してみるのはどう?」

次から次へ、ベッドの中でJSが語る外国のお祭りの話は、どれも面白くて興味深くて、まるで、おとぎ話や夢物語のよう。

「素敵だね」

優しく髪を撫でてくれていたJSの手が、私の肩を抱いて引き寄せる。

JS
「きみと一緒なら、きっと、どこで迎えても、忘れられない新年になると思うよ」

「うーん、外国もいいけど、やっぱり、日本での伝統的な年越しの行事を、一緒に体験してみたいかも」

JS
「それなら、僕、きみの、キモノ姿が見たいな」

「キモノ?…和服で、初詣?」

JS
「うん」

「じゃあ、母に着付けしてもらおうかな」

JS
「楽しみにしてる」

約束だよ、と笑って、JSは私の唇に、シャンパンの香りのするキスをした。


*****


大晦日。

濃紺の羽織に着流しと、自分も和服姿で現れたJSは、振り袖を着た私の後ろに居並ぶ捜査室のメンバーたちを見て、がっくりと肩を落とした。

JS
「まさか、この僕が初詣の警備をさせられる羽目になるとは…」

「ごめんなさい。私も、騙すつもりじゃなかったんですけど」

穂積
「上からの急な命令で、人手不足なの。一人でも多い方がいいわ。でかしたわよ、櫻井」

室長に命じられて、私とJSは、本殿近くの参拝客がスムーズに流れるよう、誘導する事になった。

人の流れから少しだけ離れた位置に待機していて、参拝の済んだ人たちを脇へ逃がしてゆく。

すると。

JS
「すみません、あなた。ちょっとこちらへ。それから、あなたも」

人混みの中、JSが別々の中年男性に声を掛けると、一方はきょとんとして従い、もう一方は、舌打ちして逃げようとした。

すかさず、逃げようとした男性の腕を掴むと、その手から財布が落ちる。

男性
「あ、私の財布?!」

JS
「スリですよ。現行犯ですね」

さすが、蛇の道は蛇…

その後も、JSは何度かスリや痴漢を見抜き、私も、人混みの中にいた窃盗の常習犯に職務質問したりして、未明までに、7人を警備本部に送ったのだった。


「お疲れ様」

「きみこそ」

初日の出とともに警備が解散になり、私たちも恋人に戻った。

刑事も怪盗も、元日はお休み。

互いの労を労いながら交わしたキスは、ほんのり御神酒の香りがした。


~終わり~
 
追記
名前:ジュン
本文:
こんにちは。

JSも初詣警備させられちゃったんだね(笑)

でも、大活躍だったね。

警備が終わったらお着物デートして、日本のお正月を楽しんでね。

名前:週末の女・せつな
本文:
こんにちは~~(*‘ω‘ *)

濃紺の羽織に着流し姿のJSと振り袖着た翼ちゃんが、恋人同士で雑踏警備してるなんて、それだけでドラマのワンシーンみたいで(≧◇≦)素敵w

海外のお正月も、いつかきっと一緒に体験できるはず!

さすが小春さん(≧▽≦)
アニといいJSといい、二人の『らしさ』溢れるお話を堪能させて頂き、ありがとうございました!!

名前:澪
本文:
こんばんは。

さすがJS、世界各国のお正月を体験済み?

和装で初詣警備とは斬新ですね!

しかもJSにもさせちゃうなんて、捜査室はすごい。

その上JSも大活躍だったんですね*\(^o^)/*

うーん、やっぱり、番外編から零れても痛くも痒くもないですね(*´艸`)

さすが小春さん!

名前:冬子
本文:
冬子、個人的には新年とともにハンサムな男性が扉を叩いてくれる、スコットランドが希望ですけど、

彼氏と一緒にいるのに、そんなこと言えないかなー

それにしても、JSはスリにもあなたって、さすが上品ですねー

冬子も今年はお上品になりたいわ、おほほ

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