『非公式Twitter』
番外編から零れたふたり~アニ編~
2016/02/14 09:462月13日。
勤務時間が終わって外へ出ると、雪が降り始めていた。
空の暗さと凍てつく寒さが身にしみる。
室長や小笠原さんが天気図を見ながら心配していたけど、本当に、大雪になるのかも。
空を見上げながらいろいろ考えていると、背中越しに、私の名前を呼ぶ声がした。
それは、誰のものでもない、愛しい彼の声。
私は胸が高鳴るのを感じながら、ゆっくりと振り返った。
そこにいたのは……。
*****
##IMGU75##
「今日はもう帰れるのか」
駐車場の方から、慶史さんが、すたすたと足早に歩み寄って来るところだった。
「はい。室長から、雪で電車が止まる前に帰れと言われまして」
「そうか、なら乗れ」
「えっ」
慶史さんの車で着いたのは、彼の家。
一時は片付けられていたロボットのプラモデルも、最近は再び少しずつ部屋に戻ってきている。
ひた隠しにしてきた秘密を見せてくれるのは、私に心を許してくれるようになったしるしなのかな、なんて。
*****
「明日は休みだと言ったな」
インスタントだが、と前置きをして、慶史さんがコーヒーをカップに入れてくれた。
「はい。でも、この雪の影響で交通機関がマヒしたら、交通整理や事故処理に呼び出されるかも」
「ふむ。穂積雑用対処室が任されそうな仕事だ」
「緊急特命捜査室ですよ」
「分かってる」
唇を尖らせる私の横に腰を下ろした慶史さんは、携帯でピッピッとどこかへ電話をかけ始めた。
「穂積か?待て切るな!忙しい?切るな聞け!お前の所のひよっこだがな、無事に俺の家に着いたからもう呼び出すなよ、怒鳴るな耳が痛い!とにかくそういう事だ、切るぞ!」
慶史さんが通話を切ると同時に着信音が鳴った。
「穂積め!」
発信者の名前を見て慶史さんは顔をしかめたけれど、律儀な彼は電話に出る。
「何、だ…」
ところが、さっきとは逆で、今度は一方的に室長が喋ったらしく、電話はそのまま切れた。
「…」
「慶史さん、室長、何ですって?」
慶史さんは立ち上がって窓に近付き、カーテンを開けた。
「大雪で信号が止まったり、交通事故が相次いでいるそうだ」
「大変じゃないですか、行かなきゃ!」
私も立ち上がって、慶史さんの隣から窓の外を見下ろした。
そこはもう、一面の銀世界だ。
「待て、お前を止めるための電話だ。だからこそ、安全な場所にいるなら、もう外に出るなと穂積が念を押してきた」
「…」
私以外のみんなが忙しく働いている、そう考えると胸が苦しくなったけど、室長の言う事は分かる。
「お前だって、行って働けば何かの足しにはなるだろう。穂積だって、今、手元にいれば、お前を現場に向かわせるだろう」
ぽん、と、私の頭に慶史さんの温かい掌が載った。
「だが、交通機関がマヒするほどの状況の中を、既に帰宅しているお前が、無理して出直す必要はないということだ。分かるか?」
分かる。
「…はい。…雪が止んで、出勤したら、私、疲れてる皆さんの分まで頑張ります」
「それでいい」
慶史さんの手が、頭を撫でてくれた。
「元気を出せ。そうだ、プレゼントをやろう」
「プレゼント?」
急に出てきた意外な単語に、私は目を瞬いた。
慶史さんが、鞄から紙袋を取り出して、私に差し出す。
「?」
その時私は、今日が何日だったかを思い出した。
もしかして、と思いながらプレゼントを開くと、有名なチョコレート専門店のラッピングから、キラキラ輝くシルバーの、華やかなハート型のケースが現れた。
小さなネコのチャームが揺れている。
「わあ……!」
慶史さんを見上げると、彼は、顔を赤くしてそっぽを向いた。
「義理チョコだ」
私は思わず噴き出してしまった。
「ありがとうございます」
お礼を言って抱きつくと、慶史さんが分かりやすく狼狽える。
「いや、その…気に入ったか?」
「はい!私、男の人から、義理チョコもらったの、生まれて初めてです」
広い胸に顔を擦りつけると、胸の鼓動と、彼らしくない、不安そうな声が聞こえてきた。
「では、あ、明日は…俺に、生まれて初めての、本命からのチョコをくれるか?」
「はい」
「…これからも、二人で、初めての事、増やしていこうな」
「はい」
私が頷くと、慶史さんは私の身体を抱き締めて、優しくてぎこちないキスをくれた。
~終わり~
勤務時間が終わって外へ出ると、雪が降り始めていた。
空の暗さと凍てつく寒さが身にしみる。
室長や小笠原さんが天気図を見ながら心配していたけど、本当に、大雪になるのかも。
空を見上げながらいろいろ考えていると、背中越しに、私の名前を呼ぶ声がした。
それは、誰のものでもない、愛しい彼の声。
私は胸が高鳴るのを感じながら、ゆっくりと振り返った。
そこにいたのは……。
*****
##IMGU75##
「今日はもう帰れるのか」
駐車場の方から、慶史さんが、すたすたと足早に歩み寄って来るところだった。
「はい。室長から、雪で電車が止まる前に帰れと言われまして」
「そうか、なら乗れ」
「えっ」
慶史さんの車で着いたのは、彼の家。
一時は片付けられていたロボットのプラモデルも、最近は再び少しずつ部屋に戻ってきている。
ひた隠しにしてきた秘密を見せてくれるのは、私に心を許してくれるようになったしるしなのかな、なんて。
*****
「明日は休みだと言ったな」
インスタントだが、と前置きをして、慶史さんがコーヒーをカップに入れてくれた。
「はい。でも、この雪の影響で交通機関がマヒしたら、交通整理や事故処理に呼び出されるかも」
「ふむ。穂積雑用対処室が任されそうな仕事だ」
「緊急特命捜査室ですよ」
「分かってる」
唇を尖らせる私の横に腰を下ろした慶史さんは、携帯でピッピッとどこかへ電話をかけ始めた。
「穂積か?待て切るな!忙しい?切るな聞け!お前の所のひよっこだがな、無事に俺の家に着いたからもう呼び出すなよ、怒鳴るな耳が痛い!とにかくそういう事だ、切るぞ!」
慶史さんが通話を切ると同時に着信音が鳴った。
「穂積め!」
発信者の名前を見て慶史さんは顔をしかめたけれど、律儀な彼は電話に出る。
「何、だ…」
ところが、さっきとは逆で、今度は一方的に室長が喋ったらしく、電話はそのまま切れた。
「…」
「慶史さん、室長、何ですって?」
慶史さんは立ち上がって窓に近付き、カーテンを開けた。
「大雪で信号が止まったり、交通事故が相次いでいるそうだ」
「大変じゃないですか、行かなきゃ!」
私も立ち上がって、慶史さんの隣から窓の外を見下ろした。
そこはもう、一面の銀世界だ。
「待て、お前を止めるための電話だ。だからこそ、安全な場所にいるなら、もう外に出るなと穂積が念を押してきた」
「…」
私以外のみんなが忙しく働いている、そう考えると胸が苦しくなったけど、室長の言う事は分かる。
「お前だって、行って働けば何かの足しにはなるだろう。穂積だって、今、手元にいれば、お前を現場に向かわせるだろう」
ぽん、と、私の頭に慶史さんの温かい掌が載った。
「だが、交通機関がマヒするほどの状況の中を、既に帰宅しているお前が、無理して出直す必要はないということだ。分かるか?」
分かる。
「…はい。…雪が止んで、出勤したら、私、疲れてる皆さんの分まで頑張ります」
「それでいい」
慶史さんの手が、頭を撫でてくれた。
「元気を出せ。そうだ、プレゼントをやろう」
「プレゼント?」
急に出てきた意外な単語に、私は目を瞬いた。
慶史さんが、鞄から紙袋を取り出して、私に差し出す。
「?」
その時私は、今日が何日だったかを思い出した。
もしかして、と思いながらプレゼントを開くと、有名なチョコレート専門店のラッピングから、キラキラ輝くシルバーの、華やかなハート型のケースが現れた。
小さなネコのチャームが揺れている。
「わあ……!」
慶史さんを見上げると、彼は、顔を赤くしてそっぽを向いた。
「義理チョコだ」
私は思わず噴き出してしまった。
「ありがとうございます」
お礼を言って抱きつくと、慶史さんが分かりやすく狼狽える。
「いや、その…気に入ったか?」
「はい!私、男の人から、義理チョコもらったの、生まれて初めてです」
広い胸に顔を擦りつけると、胸の鼓動と、彼らしくない、不安そうな声が聞こえてきた。
「では、あ、明日は…俺に、生まれて初めての、本命からのチョコをくれるか?」
「はい」
「…これからも、二人で、初めての事、増やしていこうな」
「はい」
私が頷くと、慶史さんは私の身体を抱き締めて、優しくてぎこちないキスをくれた。
~終わり~
追記
名前:澪
本文:
こんにちは。
わーい、番外編から零れたふたり*\(^o^)/*
これ大好きです!いつもありがとうございます!
読みながらつい室長にほだされそうになりましたが(笑)
大人なアニさん、かっこいいし頼もしいですね。
しかも義理チョコ(笑)までくれるなんて。
チョコはバレンタイン限定のゴデ○バですね(((o(*゚▽゚*)o)))←チョコ好き
こんな可愛いのを女性に混じって買ってくれたかと思うと倍嬉しい!
そして本命のおねだりにぎこちないキス…
アニさん可愛いです*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*
名前:エミ
本文:
んふふ(*´艸`*)
室長優しい~!!←お約束(笑)
名前:ジュン
本文:
こんにちは。
いつも番外編の番外編まで書いてくださるなんて(。>д<)小春さんは凄いわ!
慶史さんも室長も優しいですね。
そして、慶史さんからの義理チョコ。
すごく微笑ましかったです。
ところで、賢史くんに本命のチョコケーキを持ってきたんですけど、どこかなぁ?
名前:冬子
本文:
ロボットのプラモデル………
翼ちゃん、ロボットじゃないよ、ガンダ○だよ!
そこ重要だから!
はっ、取り乱してしまった。
いけないいけない。
なんか、小春さんが書いた方が番外編安定してる……
なーんて言いません。
いやいや、心の声です。口に出してませんから。
本文:
こんにちは。
わーい、番外編から零れたふたり*\(^o^)/*
これ大好きです!いつもありがとうございます!
読みながらつい室長にほだされそうになりましたが(笑)
大人なアニさん、かっこいいし頼もしいですね。
しかも義理チョコ(笑)までくれるなんて。
チョコはバレンタイン限定のゴデ○バですね(((o(*゚▽゚*)o)))←チョコ好き
こんな可愛いのを女性に混じって買ってくれたかと思うと倍嬉しい!
そして本命のおねだりにぎこちないキス…
アニさん可愛いです*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*
名前:エミ
本文:
んふふ(*´艸`*)
室長優しい~!!←お約束(笑)
名前:ジュン
本文:
こんにちは。
いつも番外編の番外編まで書いてくださるなんて(。>д<)小春さんは凄いわ!
慶史さんも室長も優しいですね。
そして、慶史さんからの義理チョコ。
すごく微笑ましかったです。
ところで、賢史くんに本命のチョコケーキを持ってきたんですけど、どこかなぁ?
名前:冬子
本文:
ロボットのプラモデル………
翼ちゃん、ロボットじゃないよ、ガンダ○だよ!
そこ重要だから!
はっ、取り乱してしまった。
いけないいけない。
なんか、小春さんが書いた方が番外編安定してる……
なーんて言いません。
いやいや、心の声です。口に出してませんから。