『非公式Twitter』
番外編『ステキなお返し』より~小野瀬編~
2016/03/08 07:56小野瀬さんと向かい合って、ちょっと遅めの夕飯。
##IMGU65##
「うん、美味い。きみ、また料理の腕を上げたんじゃない」
「頑張って練習してるの。少しでも、美味しいものを食べてほしいから」
「愛情を感じるよ」
「たくさん入れたからね」
「じゃあ、残さず食べないとね」
上機嫌でご飯を食べ進める、小野瀬さんの姿を見ていると……
「眠いの?」
急に声を掛けられて、ハッとした。
「ご、ごめんなさい」
どうやら、ウトウトしていたみたい。最近、仕事が忙しいからかな…
食後、小野瀬さんは洗い物を手伝ってくれる。
片付けが終わると、ソファに腰かけた彼が手招きをした。
「膝枕してあげる。おいで」
「ふふ、いつもと逆だね」
「いつも、きみの膝枕に癒されてるんだよ。だから、今日はそのお礼」
「足、痛くない?」
「その痛みも、愛せるよ。きみがくれたものだからね」
「もう……」
そういうセリフをサラリと言うから、聞いてる私の方が恥ずかしい。
「今度の休みは、きみを癒すようなデートをしようか」
「え?!いいよ。だって、葵も疲れてるのに……」
私は飛び起きて、小野瀬さんと正座で向き合った。
「俺がそうしてあげたいんだ」
「……私だって、癒してあげたいのに」
小野瀬さんの手が優しく頭を撫でて、そのままゆっくりと、頬に移動する。
「きみはいい子だね」
「そんな事ない」
「じゃあ、どこがどう悪い子なのか、教えてごらん」
優しくソファの上へ押し倒され、息が触れるほど顔が近付く。
「あ……」
言葉にする前に、小野瀬さんは私の唇を塞いだ。
その優しい口付けに、鼓動が早くなる。
「その顔、そそるよ」
小野瀬さんはネクタイを緩めながら、今度は深いキスを落とした。
***
数日後。
その日は朝から捜査室の電話が鳴りっぱなしだった。
「藤守!如月!次の現場に向かって!」
「え、また俺らの出番ですか?」
「やっと帰って来たと思ったのに!」
藤守さんと如月さんが捜査室を出ると、また電話。
「明智!出るわよ!」
「室長まで現場ですか?」
「面倒な事件で、小笠原や櫻井には生々し過ぎる現場らしいから」
「そういう事でしたら」
「櫻井は、小笠原と一緒に、今年度の提出書類をまとめておいてちょうだい」
「はい、了解です!」
ところが。
資料室から膨大な量の書類を捜査室に運んで来なければならないはずなのに、小笠原さんはパソコンに向かったまま、全く立とうとしない。
私は、重い書類を抱えて資料室と捜査室を往復する作業を繰り返した。
いつか小笠原さんも、運ぶのを手伝ってくれる、そう信じて。
けれど…
「小笠原さん、少しは、運んでくれませんか…」
「俺は俺の仕事をしてるよ」
「…」
結局、全部私が運んでしまった。
疲れて座り込んでいると、小笠原さんがコーヒーを入れてくれた。
「ご苦労様。おかげで仕事がはかどった」
「…え?もしかして、私が運んでいる間に、これを整理してまとめてくれてたんですか?」
「うん。聞かれなかったから言わなかったけど」
「…」
捜査室の中を、春なのに秋風が吹いた気がした。
***
小野瀬さんの運転する車の中。
「ははは、小笠原くんらしい話」
「おかげで仕事は早く終わったんだけど、肉体的にも精神的にも疲れちゃって…」
「マッサージしてあげてもいいよ」
「ありがとう。…でも、のんびり温泉、みたいなのがいいかな」
「じゃあ、それは今度ね」
約束が、またひとつ増える。
それはまた小野瀬さんと過ごす日が増えるという事で…私は自然と笑顔になる。
「今回は別の場所、俺のとっておきの場所だよ」
車を駐車場に入れて少し歩くと、そこは一面海が広がっていた。
「海だ!」
「手をつないで歩こうか」
「うん」
(こんなキレイな砂浜を、小野瀬さんと二人きりで歩きながら、波の音を聞いてるなんて……身も心も癒される感じ……)
「デートらしくなくて、ごめんね」
「ううん。都会の喧騒から離れて静かに過ごすなんて、最近の私にはなかったことだから」
「そうか。それは良かった」
満足げに頷く小野瀬さん。
私たちは、なかなか会えない隙間を埋めるようにお互いの話をし、笑い合いながら歩いた。
少しだけ歩き疲れて、岩に腰掛ける。
「そのまま座ると汚れるから、ハンカチ敷いてあげるよ」
「ありがとう」
小野瀬さんに促されて座ると、足元にキレイな色の貝がらを見つけた。
「見て、色とりどりの貝がらが、こんなにたくさん」
「じゃあ、持って帰る?」
「でも、入れ物が…」
「そう言うと思って、用意してきた」
小野瀬さんは胸ポケットから、小さな瓶を取り出した。
「これに、こうして貝がらを入れて…息を吹きかける。そうすると、特別なものになるんだよ」
「特別なもの?」
「俺からきみへ、少し早めのホワイトデー」
小野瀬さんから受け取った瓶には、ネックレスが入っていた。
「あれ?!」
「俺が貝がらから変えておいた」
「またマジックだ」
「大したマジックじゃないけどね。練習した甲斐があったかな」
首を少し下げると、小野瀬さんの手がネックレスをつけてくれた。
ピンク色の宝石がついたそれは、首元でキラキラと輝いている。
「うん。良く似合ってるよ」
「ありがとう。でも、私、いつも貰ってばかり」
「いいんだよ。俺も、きみから、たくさんのものを貰ってる。たとえばきみが笑ってると、俺も楽しくなる。泣いてると、悲しくなる」
小野瀬さんは空の瓶に砂浜の砂を半分注ぎ、そこに、桜貝を入れた。
「きみはいつもそうやって、俺の空っぽの心を、たくさんの気持ちで満たしてくれているんだ」
「…葵…」
「俺の気持ちは他人には見えない。けどね、きみには見せてあげたい。俺はきみのおかげで、毎日がこんなに幸せなんだよって」
「私こそ、葵のおかげで幸せだよ」
小野瀬さんは私の手を握ると、唇を塞いだ。
息も出来ない激しいキスが、何度も、何度も繰り返される。
「歯止めがきかない…」
小野瀬さんはキスを止めない。
「今日は帰すつもりだったのに」
「……帰らなくて、いいよ」
「それは誘われてると思っていいね?今夜は離さないよ」
我慢の限界とばかりに、小野瀬さんは私を抱え上げた。
「ホテルに着いたら覚悟するように」
私が頷くと、小野瀬さんはもう一度、優しいキスを落としてくれた。
~終わり~
##IMGU65##
「うん、美味い。きみ、また料理の腕を上げたんじゃない」
「頑張って練習してるの。少しでも、美味しいものを食べてほしいから」
「愛情を感じるよ」
「たくさん入れたからね」
「じゃあ、残さず食べないとね」
上機嫌でご飯を食べ進める、小野瀬さんの姿を見ていると……
「眠いの?」
急に声を掛けられて、ハッとした。
「ご、ごめんなさい」
どうやら、ウトウトしていたみたい。最近、仕事が忙しいからかな…
食後、小野瀬さんは洗い物を手伝ってくれる。
片付けが終わると、ソファに腰かけた彼が手招きをした。
「膝枕してあげる。おいで」
「ふふ、いつもと逆だね」
「いつも、きみの膝枕に癒されてるんだよ。だから、今日はそのお礼」
「足、痛くない?」
「その痛みも、愛せるよ。きみがくれたものだからね」
「もう……」
そういうセリフをサラリと言うから、聞いてる私の方が恥ずかしい。
「今度の休みは、きみを癒すようなデートをしようか」
「え?!いいよ。だって、葵も疲れてるのに……」
私は飛び起きて、小野瀬さんと正座で向き合った。
「俺がそうしてあげたいんだ」
「……私だって、癒してあげたいのに」
小野瀬さんの手が優しく頭を撫でて、そのままゆっくりと、頬に移動する。
「きみはいい子だね」
「そんな事ない」
「じゃあ、どこがどう悪い子なのか、教えてごらん」
優しくソファの上へ押し倒され、息が触れるほど顔が近付く。
「あ……」
言葉にする前に、小野瀬さんは私の唇を塞いだ。
その優しい口付けに、鼓動が早くなる。
「その顔、そそるよ」
小野瀬さんはネクタイを緩めながら、今度は深いキスを落とした。
***
数日後。
その日は朝から捜査室の電話が鳴りっぱなしだった。
「藤守!如月!次の現場に向かって!」
「え、また俺らの出番ですか?」
「やっと帰って来たと思ったのに!」
藤守さんと如月さんが捜査室を出ると、また電話。
「明智!出るわよ!」
「室長まで現場ですか?」
「面倒な事件で、小笠原や櫻井には生々し過ぎる現場らしいから」
「そういう事でしたら」
「櫻井は、小笠原と一緒に、今年度の提出書類をまとめておいてちょうだい」
「はい、了解です!」
ところが。
資料室から膨大な量の書類を捜査室に運んで来なければならないはずなのに、小笠原さんはパソコンに向かったまま、全く立とうとしない。
私は、重い書類を抱えて資料室と捜査室を往復する作業を繰り返した。
いつか小笠原さんも、運ぶのを手伝ってくれる、そう信じて。
けれど…
「小笠原さん、少しは、運んでくれませんか…」
「俺は俺の仕事をしてるよ」
「…」
結局、全部私が運んでしまった。
疲れて座り込んでいると、小笠原さんがコーヒーを入れてくれた。
「ご苦労様。おかげで仕事がはかどった」
「…え?もしかして、私が運んでいる間に、これを整理してまとめてくれてたんですか?」
「うん。聞かれなかったから言わなかったけど」
「…」
捜査室の中を、春なのに秋風が吹いた気がした。
***
小野瀬さんの運転する車の中。
「ははは、小笠原くんらしい話」
「おかげで仕事は早く終わったんだけど、肉体的にも精神的にも疲れちゃって…」
「マッサージしてあげてもいいよ」
「ありがとう。…でも、のんびり温泉、みたいなのがいいかな」
「じゃあ、それは今度ね」
約束が、またひとつ増える。
それはまた小野瀬さんと過ごす日が増えるという事で…私は自然と笑顔になる。
「今回は別の場所、俺のとっておきの場所だよ」
車を駐車場に入れて少し歩くと、そこは一面海が広がっていた。
「海だ!」
「手をつないで歩こうか」
「うん」
(こんなキレイな砂浜を、小野瀬さんと二人きりで歩きながら、波の音を聞いてるなんて……身も心も癒される感じ……)
「デートらしくなくて、ごめんね」
「ううん。都会の喧騒から離れて静かに過ごすなんて、最近の私にはなかったことだから」
「そうか。それは良かった」
満足げに頷く小野瀬さん。
私たちは、なかなか会えない隙間を埋めるようにお互いの話をし、笑い合いながら歩いた。
少しだけ歩き疲れて、岩に腰掛ける。
「そのまま座ると汚れるから、ハンカチ敷いてあげるよ」
「ありがとう」
小野瀬さんに促されて座ると、足元にキレイな色の貝がらを見つけた。
「見て、色とりどりの貝がらが、こんなにたくさん」
「じゃあ、持って帰る?」
「でも、入れ物が…」
「そう言うと思って、用意してきた」
小野瀬さんは胸ポケットから、小さな瓶を取り出した。
「これに、こうして貝がらを入れて…息を吹きかける。そうすると、特別なものになるんだよ」
「特別なもの?」
「俺からきみへ、少し早めのホワイトデー」
小野瀬さんから受け取った瓶には、ネックレスが入っていた。
「あれ?!」
「俺が貝がらから変えておいた」
「またマジックだ」
「大したマジックじゃないけどね。練習した甲斐があったかな」
首を少し下げると、小野瀬さんの手がネックレスをつけてくれた。
ピンク色の宝石がついたそれは、首元でキラキラと輝いている。
「うん。良く似合ってるよ」
「ありがとう。でも、私、いつも貰ってばかり」
「いいんだよ。俺も、きみから、たくさんのものを貰ってる。たとえばきみが笑ってると、俺も楽しくなる。泣いてると、悲しくなる」
小野瀬さんは空の瓶に砂浜の砂を半分注ぎ、そこに、桜貝を入れた。
「きみはいつもそうやって、俺の空っぽの心を、たくさんの気持ちで満たしてくれているんだ」
「…葵…」
「俺の気持ちは他人には見えない。けどね、きみには見せてあげたい。俺はきみのおかげで、毎日がこんなに幸せなんだよって」
「私こそ、葵のおかげで幸せだよ」
小野瀬さんは私の手を握ると、唇を塞いだ。
息も出来ない激しいキスが、何度も、何度も繰り返される。
「歯止めがきかない…」
小野瀬さんはキスを止めない。
「今日は帰すつもりだったのに」
「……帰らなくて、いいよ」
「それは誘われてると思っていいね?今夜は離さないよ」
我慢の限界とばかりに、小野瀬さんは私を抱え上げた。
「ホテルに着いたら覚悟するように」
私が頷くと、小野瀬さんはもう一度、優しいキスを落としてくれた。
~終わり~
追記
名前:澪
本文:
こんばんは。
小野瀬さん(* ´ д ` *)(* ´ д ` *)(* ´ д ` *)
癒し癒されの素敵なふたりでうっとりほっこりしました。
しかも番外編設定の小野瀬さんってばネクタイ着用(* ´ д ` *)
あの(おそらく)全女子の好物・ネクタイを緩める仕草をする小野瀬さんから深いキス(* ´ д ` *)はぁ
温泉の約束をして、ふたりで砂浜を歩いて、ハンカチを敷いてもらった岩に座って…
幸せてんこ盛り(* ´ д ` *)
からの、番外編常連のマジシャン小野瀬さん(* ´ д ` *)
一人で練習してたかと思うと可愛すぎます(* ´ д ` *)
何よりお互いを思って伝え合う言葉が素敵(* ´ д ` *)
小春さんありがとうございますご馳走様です(* ´ д ` *)
名前:冬子
本文:
おがさーらさんは誤解されやすいけど、仕事はちゃんとやる人なんですよー
冬子なら頑張った仕事は聞かれなくても吹聴して歩きますけど、そういうところがダメダメですね。
あ、今日は小野瀬さんのお話ですね、ごめんなさいねー小野瀬さん♪
鑑識のお仕事って嫌なものばっかり見るし、よっぽど自分をしっかり持たないとつぶれそう…
そんな小野瀬さんが冬子で癒されてくれるんでしたら、冬子、こんな嬉しいことはありません。
ところで、小野瀬さんが小瓶を取り出した時は、まさか検体を入れる小瓶?とか思ってしまった。
小瓶でマジックの練習をする小野瀬さんをみて、ラボの太田さん、細野さんは
「仕事熱心だなー、あんなに瓶をふって…」
なーんて思ってたら面白い。
色々想像して、癒されました。ありがとうございました。
名前:穂積&小野瀬
本文:
穂積
「ネクタイは俺もツッコもうと思った」
小野瀬
「こういう時の為に用意してあるんだ」
穂積
「職場では締めてないのに、家の中で、女の前で緩める為にだけネクタイを……さすがプロは違うな」
名前:冬子
本文:
私もネクタイ??って思った!
でも、えらーい人と会議があったとか色々考えて脳内補完しました(笑)
本文:
こんばんは。
小野瀬さん(* ´ д ` *)(* ´ д ` *)(* ´ д ` *)
癒し癒されの素敵なふたりでうっとりほっこりしました。
しかも番外編設定の小野瀬さんってばネクタイ着用(* ´ д ` *)
あの(おそらく)全女子の好物・ネクタイを緩める仕草をする小野瀬さんから深いキス(* ´ д ` *)はぁ
温泉の約束をして、ふたりで砂浜を歩いて、ハンカチを敷いてもらった岩に座って…
幸せてんこ盛り(* ´ д ` *)
からの、番外編常連のマジシャン小野瀬さん(* ´ д ` *)
一人で練習してたかと思うと可愛すぎます(* ´ д ` *)
何よりお互いを思って伝え合う言葉が素敵(* ´ д ` *)
小春さんありがとうございますご馳走様です(* ´ д ` *)
名前:冬子
本文:
おがさーらさんは誤解されやすいけど、仕事はちゃんとやる人なんですよー
冬子なら頑張った仕事は聞かれなくても吹聴して歩きますけど、そういうところがダメダメですね。
あ、今日は小野瀬さんのお話ですね、ごめんなさいねー小野瀬さん♪
鑑識のお仕事って嫌なものばっかり見るし、よっぽど自分をしっかり持たないとつぶれそう…
そんな小野瀬さんが冬子で癒されてくれるんでしたら、冬子、こんな嬉しいことはありません。
ところで、小野瀬さんが小瓶を取り出した時は、まさか検体を入れる小瓶?とか思ってしまった。
小瓶でマジックの練習をする小野瀬さんをみて、ラボの太田さん、細野さんは
「仕事熱心だなー、あんなに瓶をふって…」
なーんて思ってたら面白い。
色々想像して、癒されました。ありがとうございました。
名前:穂積&小野瀬
本文:
穂積
「ネクタイは俺もツッコもうと思った」
小野瀬
「こういう時の為に用意してあるんだ」
穂積
「職場では締めてないのに、家の中で、女の前で緩める為にだけネクタイを……さすがプロは違うな」
名前:冬子
本文:
私もネクタイ??って思った!
でも、えらーい人と会議があったとか色々考えて脳内補完しました(笑)