『非公式Twitter』
番外編『ステキなお返し』~小笠原編~
2016/03/10 07:43##IMGU63##
「ごちそうさま」
小笠原さんの家で夕飯を食べ終え、洗い物をしていると、リビングへ行ったはずだった彼に、背中から抱きしめられた。
「どうしたの? 諒くん」
「…どうもしない」と答えた彼だけど、付き合うようになって、私は、小笠原さんは疲れると甘えてくるという事を覚えた。
「最近、忙しかったから、休みたい」
やっぱり。
「やらなきゃならない仕事だから、やるけど。でも、きみは、僕と一緒にいられなくても平気?」
「私だって、諒くんと一緒にいたいよ!…確かに、最近、あまり一緒の時間が取れてないね。…諒くん、もしかして、私と過ごす為に休みたいの?」
「前にきみが俺の家に来たのは、10日前だ」
「そっか。もうそんなになるんだ」
「ちなみに、デートしたのは18日前」
「2週間……あ!もう3週間目か」
首を傾げると、小笠原さんは私の身体を振り向かせた。
「前にキスしたのは、27時間前」
「そ、それも覚えてたんだね…」
「全部覚えてるよ。だから…」
待ちきれない、とばかりに小笠原さんはキスを迫った。
いつもと違う少し強引な口付けに、ときめいてしまう。
「もっと一緒にいたい。休みがとれたら、前に行った旅館に行きたい」
「うん」
「じゃあ、それまで頑張るために、きみを充電させて」
「もう、諒くん……」
微笑みながら、私も甘えるように身体を寄せる。
久しぶりだから、今はたくさん感じていたい。
「デートの日は、特別なプレゼントを用意するからね」
小笠原さんはそっと囁いて、深いキスを落とした。
***
##IMGU61##
「盗難に、書類整理に、空き巣…。みんな出払っちゃったわね」
(おかげで、私が室長と組んで繁華街に出動だなんて…)
「あら、その顔。私とじゃ嫌?」
「いえ、そんなことありません!」
「ふぅん、まあいいわ。ほら、さっさと行くわよ」
室長の後に続いて、向かった先は、きらびやかなネオンが並ぶ、夜の店の多い通り。
被害届にあった店を見つけると、室長はさっさと中へ入っていった。
「警察です」
店長
「あら~、やっと来てくれたのねぇ」
(こ、これは!この人たち、どう見ても…ということは、この店は、おかまバー…!)
ごっついお姉様たちに心の中で衝撃を覚えつつも、表面上は隠して対応する。
室長は、私以上の塩対応だ。
「それで、盗まれたものは?」
「金庫の中に入れてた売上げ、100万ぐらいかしら。あと、棚にあったお酒。ヘネシーとドンペリと、マッカラン…」
「防犯カメラの位置と、進入経路を確認させて下さい」
「ええ、どうぞ」
すると、店長の後ろにいた二人のおかまさんが、「カワイイ刑事さん」「化粧水なに使ってるの?」などと、私に話し掛けてきた。
困惑しながら相手をしていると、室長に叱られた。
「櫻井、仕事しなさい」
「いいじゃない、少しぐらい遊んでも」
「この子で遊んでいいのは、ワタシだけなの!」
なぜか私を巡って、店長さんと室長が火花を散らし始めた。
「…やっぱり、おかま同士だとソリが合わないのかな」
思わずポツリと呟くと、店長と室長は一斉にこっちを向いた。
「「同士じゃない!」」
***
おかまバーでの盗難事件は、喧嘩するうちに店長と意気投合した室長と、救援に来てくれたメンバーのみんなのおかげで、無事に犯人を捕まえる事が出来た。
そして、待ちに待った、旅行の日。
私は、小笠原さんの家にいた。
「すごい熱だ」
「ごめ……なさ……」
昨日の夜遅くから高熱が出て、咳が止まらない。
「喋らなくていいから、横になってて。旅館はキャンセルしたから」
「ううっ」
「そんな悲しい顔しないで。旅行は、また今度行けばいい」
約束、と言って、小笠原さんは小指を絡めてくれた。
「何だか、いつもと立場が逆だね」
「僕だって成長してるんだ。それに、こうして一緒にいるだけで楽しいよ」
小笠原さんはベッドの縁へ腰かけ、横になってる私にキスをくれた。
今日は僕がお世話するから、と、小笠原さんは張り切っている。
「汗かいてるね、身体拭いてあげる。新しいパジャマに着替えよう」
「スポーツドリンクはどう?フルーツがいい?おかゆ食べる?ふーふーしてあげる」
「薬が効いてきたかな?そのまま眠るといい」
小笠原さんに看病してもらって、私は眠りに落ちた。
目を覚ますと、すでに部屋は真っ暗。
「もう、夜なんだ…」
「起きた?」
すぐそばで、小笠原さんの声がした。
部屋の明かりが灯される。
「ずっとここにいてくれたの?」
「まあね。謝らなくていいよ、僕は、好きでここにいたんだ」
小笠原さんは持っていたタオルで、私のおでこを拭いた。
「熱も引いたみたいだね。少し新鮮な空気を吸えば、楽になるかも」
「うん」
「おいで、僕が抱えてあげる」
小笠原さんにお姫様抱っこしてもらって、ベランダのウッドチェアーへ。
「わあ…!キレイな夜空。星がたくさん見えるね」
「うん。ねえ、僕の指の先を見て。…きみに、あの星をあげるよ」
「星?」
「そう。ホワイトデーにはちょっと早いけどね」
「?」
小笠原さんは一旦部屋に戻ると、手に何かの紙を持って戻ってきた。
「これは…」
「あの星に、名前をつける権利書」
「え!?」
「今日からあの星は、きみと同じ名前だよ」
「ありがとう、諒くん!すごく嬉しいよ。でも、高かったんじゃ…」
「大丈夫。それから、これもプレゼント」
差し出されたミルク缶を開けてみると、星型のキャンディーが詰まっていた。
「この前、フランスで見つけたんだ」
キャンディーをひとつ取り出して、私の名前がついた星と重ねてみる。
ジッと見ていると、その横で小さく輝く星を見つけた。
「私の星の横にあるのは、諒くんって名前だね。星になっても、私たち、ずっと一緒だよ」
「そうだね」
小笠原さんは私の上に覆い被さり、そのまま口付けを交わした。
何度もキスを繰り返し、熱を伝え合う。
それだけなのに、身体が別の意味で火照っていった。
「ねえ…いい?」
耳元で囁くから、背筋が震えて…声には出さず、うなずいてみせる。
小笠原さんの手が、するりとパジャマの中へ滑り込んだ。
「知ってる?風邪って、たくさん汗かくといいんだ」
慣れた手つきで身体のラインをなぞり、私を導く。
「僕が、治してあげる」
深いキスを交わしながら、小笠原さんの全部が私を包み込んだ。
~終わり~
「ごちそうさま」
小笠原さんの家で夕飯を食べ終え、洗い物をしていると、リビングへ行ったはずだった彼に、背中から抱きしめられた。
「どうしたの? 諒くん」
「…どうもしない」と答えた彼だけど、付き合うようになって、私は、小笠原さんは疲れると甘えてくるという事を覚えた。
「最近、忙しかったから、休みたい」
やっぱり。
「やらなきゃならない仕事だから、やるけど。でも、きみは、僕と一緒にいられなくても平気?」
「私だって、諒くんと一緒にいたいよ!…確かに、最近、あまり一緒の時間が取れてないね。…諒くん、もしかして、私と過ごす為に休みたいの?」
「前にきみが俺の家に来たのは、10日前だ」
「そっか。もうそんなになるんだ」
「ちなみに、デートしたのは18日前」
「2週間……あ!もう3週間目か」
首を傾げると、小笠原さんは私の身体を振り向かせた。
「前にキスしたのは、27時間前」
「そ、それも覚えてたんだね…」
「全部覚えてるよ。だから…」
待ちきれない、とばかりに小笠原さんはキスを迫った。
いつもと違う少し強引な口付けに、ときめいてしまう。
「もっと一緒にいたい。休みがとれたら、前に行った旅館に行きたい」
「うん」
「じゃあ、それまで頑張るために、きみを充電させて」
「もう、諒くん……」
微笑みながら、私も甘えるように身体を寄せる。
久しぶりだから、今はたくさん感じていたい。
「デートの日は、特別なプレゼントを用意するからね」
小笠原さんはそっと囁いて、深いキスを落とした。
***
##IMGU61##
「盗難に、書類整理に、空き巣…。みんな出払っちゃったわね」
(おかげで、私が室長と組んで繁華街に出動だなんて…)
「あら、その顔。私とじゃ嫌?」
「いえ、そんなことありません!」
「ふぅん、まあいいわ。ほら、さっさと行くわよ」
室長の後に続いて、向かった先は、きらびやかなネオンが並ぶ、夜の店の多い通り。
被害届にあった店を見つけると、室長はさっさと中へ入っていった。
「警察です」
店長
「あら~、やっと来てくれたのねぇ」
(こ、これは!この人たち、どう見ても…ということは、この店は、おかまバー…!)
ごっついお姉様たちに心の中で衝撃を覚えつつも、表面上は隠して対応する。
室長は、私以上の塩対応だ。
「それで、盗まれたものは?」
「金庫の中に入れてた売上げ、100万ぐらいかしら。あと、棚にあったお酒。ヘネシーとドンペリと、マッカラン…」
「防犯カメラの位置と、進入経路を確認させて下さい」
「ええ、どうぞ」
すると、店長の後ろにいた二人のおかまさんが、「カワイイ刑事さん」「化粧水なに使ってるの?」などと、私に話し掛けてきた。
困惑しながら相手をしていると、室長に叱られた。
「櫻井、仕事しなさい」
「いいじゃない、少しぐらい遊んでも」
「この子で遊んでいいのは、ワタシだけなの!」
なぜか私を巡って、店長さんと室長が火花を散らし始めた。
「…やっぱり、おかま同士だとソリが合わないのかな」
思わずポツリと呟くと、店長と室長は一斉にこっちを向いた。
「「同士じゃない!」」
***
おかまバーでの盗難事件は、喧嘩するうちに店長と意気投合した室長と、救援に来てくれたメンバーのみんなのおかげで、無事に犯人を捕まえる事が出来た。
そして、待ちに待った、旅行の日。
私は、小笠原さんの家にいた。
「すごい熱だ」
「ごめ……なさ……」
昨日の夜遅くから高熱が出て、咳が止まらない。
「喋らなくていいから、横になってて。旅館はキャンセルしたから」
「ううっ」
「そんな悲しい顔しないで。旅行は、また今度行けばいい」
約束、と言って、小笠原さんは小指を絡めてくれた。
「何だか、いつもと立場が逆だね」
「僕だって成長してるんだ。それに、こうして一緒にいるだけで楽しいよ」
小笠原さんはベッドの縁へ腰かけ、横になってる私にキスをくれた。
今日は僕がお世話するから、と、小笠原さんは張り切っている。
「汗かいてるね、身体拭いてあげる。新しいパジャマに着替えよう」
「スポーツドリンクはどう?フルーツがいい?おかゆ食べる?ふーふーしてあげる」
「薬が効いてきたかな?そのまま眠るといい」
小笠原さんに看病してもらって、私は眠りに落ちた。
目を覚ますと、すでに部屋は真っ暗。
「もう、夜なんだ…」
「起きた?」
すぐそばで、小笠原さんの声がした。
部屋の明かりが灯される。
「ずっとここにいてくれたの?」
「まあね。謝らなくていいよ、僕は、好きでここにいたんだ」
小笠原さんは持っていたタオルで、私のおでこを拭いた。
「熱も引いたみたいだね。少し新鮮な空気を吸えば、楽になるかも」
「うん」
「おいで、僕が抱えてあげる」
小笠原さんにお姫様抱っこしてもらって、ベランダのウッドチェアーへ。
「わあ…!キレイな夜空。星がたくさん見えるね」
「うん。ねえ、僕の指の先を見て。…きみに、あの星をあげるよ」
「星?」
「そう。ホワイトデーにはちょっと早いけどね」
「?」
小笠原さんは一旦部屋に戻ると、手に何かの紙を持って戻ってきた。
「これは…」
「あの星に、名前をつける権利書」
「え!?」
「今日からあの星は、きみと同じ名前だよ」
「ありがとう、諒くん!すごく嬉しいよ。でも、高かったんじゃ…」
「大丈夫。それから、これもプレゼント」
差し出されたミルク缶を開けてみると、星型のキャンディーが詰まっていた。
「この前、フランスで見つけたんだ」
キャンディーをひとつ取り出して、私の名前がついた星と重ねてみる。
ジッと見ていると、その横で小さく輝く星を見つけた。
「私の星の横にあるのは、諒くんって名前だね。星になっても、私たち、ずっと一緒だよ」
「そうだね」
小笠原さんは私の上に覆い被さり、そのまま口付けを交わした。
何度もキスを繰り返し、熱を伝え合う。
それだけなのに、身体が別の意味で火照っていった。
「ねえ…いい?」
耳元で囁くから、背筋が震えて…声には出さず、うなずいてみせる。
小笠原さんの手が、するりとパジャマの中へ滑り込んだ。
「知ってる?風邪って、たくさん汗かくといいんだ」
慣れた手つきで身体のラインをなぞり、私を導く。
「僕が、治してあげる」
深いキスを交わしながら、小笠原さんの全部が私を包み込んだ。
~終わり~
追記
名前:穂積&小野瀬
本文:
穂積
「小笠原、TPO考えろ!」
小野瀬
「さすが、穂積の弟子だね」
名前:ジュン
本文:
こんばんは。
ベランダで……なんて(〃∇〃)
この間の明智さんといい小笠原さんといい、大胆!!
室長の影響を受けてるからですかねぇ。
それにしても星に名前をつけてくれるなんて小笠原さんらしいですね。
翼ちゃんは風邪を引いちゃって残念だったね。
でも、献身的な小笠原さんが見れて良かったですね。
名前:冬子
本文:
おがさーらさんったら、なんてかっこいいの
すっかり立派になって、冬子涙が…
( ;ᴗ; )
おがさーらさんなら、あの星をあげるとか言うかな?と思ったらやっぱりーでしたね。
それにしてもベランダで…かあ。
最高級ベランダストーブをつけてあるから、寒くはないんですよ、きっと。
冬子はそう思うなあ。
本文:
穂積
「小笠原、TPO考えろ!」
小野瀬
「さすが、穂積の弟子だね」
名前:ジュン
本文:
こんばんは。
ベランダで……なんて(〃∇〃)
この間の明智さんといい小笠原さんといい、大胆!!
室長の影響を受けてるからですかねぇ。
それにしても星に名前をつけてくれるなんて小笠原さんらしいですね。
翼ちゃんは風邪を引いちゃって残念だったね。
でも、献身的な小笠原さんが見れて良かったですね。
名前:冬子
本文:
おがさーらさんったら、なんてかっこいいの
すっかり立派になって、冬子涙が…
( ;ᴗ; )
おがさーらさんなら、あの星をあげるとか言うかな?と思ったらやっぱりーでしたね。
それにしてもベランダで…かあ。
最高級ベランダストーブをつけてあるから、寒くはないんですよ、きっと。
冬子はそう思うなあ。