『非公式Twitter』

番外編『ステキなお返し』より~如月編~

2016/03/12 22:14

如月さんの家で夕飯を食べた後、二人並んで後片付け。

今日の交通安全講習、如月さんは女装して舞台に立ってくれた。

以前キャバクラで披露してくれた「ベッキー」以来だったけど、今回も女性そのもの。

##IMGU64##

「まあ、変装は得意技だから。誰にも見抜かれない自信あるよ」

「うん、確かに。でも、私よりキレイすぎて…むしろ、こーちゃんの方が可愛いんじゃ」

見合わせた顔がふっと緩むと、同時に笑い声を上げた。

「翼ちゃんは、彼氏のこと可愛いって言いすぎだよ」

「そう?でも、みんな男だって気付いてなかったし…」

「なら、今度女装したまま外に出てみようかな」

「きっとそれでも気付かれないんじゃない?」

「その時は、翼ちゃんも一緒にね。翼ちゃんが言いだしたんだから」

「女装でデート…」

想像したら、友だちとショッピングしてるような映像になってしまう。

それって、デート?

「さすがにそれは…」

「冗談だよ。俺だって、久しぶりのデートに女装なんてしたくない」

「そっか、そうだよね」

「じゃあ、今度の休みは、『普通に』デートしよう」

嬉しそうに言ったのも束の間、如月さんは顔を曇らせた。

「でも、書類の提出がな…休みの前の日って、年度末の事件書類提出だろ。俺、溜めに溜めたから、終わりそうにないんだよね」

「ダメだよ、ちゃんと月ごとに提出しないと」

「分かってるんだけど」

食器を洗い終わった如月さんの手が、私に伸びる。

「じゃあさ、これから苦手なデスクワークを頑張るオレに、キスでエールをちょうだい」

顔が近付いて、キスを迫られる。

何度如月さんとキスをしても、唇が重なるまでのこの瞬間が、一番ドキドキする……。

「んー、ありがと。でも、まだ足りないな」

如月さんはイタズラっぽく笑い、私の顔を包み込む。

苦笑しながらも、私は目を閉じた。


***


夕方、捜査室の中は、胃が痛くなりそうなほど重い空気になっていた。

予想通り、二人の提出書類が終わらないのだ。

提出済のメンバーも手伝っているんだけどなかなか進まない。

私は意を決して「ジュース買ってきます」と立ち上がった。

廊下に出てすぐ、小野瀬さんに声を掛けられた。

「やあ、仕事終わりかな?」

「実は、藤守さんと如月さんの年度末調整の書類がまだで…室長は怒鳴るし、みんなピリピリしちゃって」

室内のことを話すと、小野瀬さんは苦笑い。

「だから私、気分転換してもらおうかと思って、ジュースを買いに」

「きみは優しいね。ならいっそ、スイーツを差し入れするのはどう?」

こうして、小野瀬さんと一緒に繁華街へと向かった。

「穂積には煎餅でも買おうか。明智くんは厳しいから…どこかオススメのケーキ屋さんない?」

小野瀬さんと並んで歩いていると、私自身の気持ちもほぐれてきた。

(甘いもので休憩すれば、みんなの気持ちも落ち着くかも)

そう思った時。

「どこまでジュース買いに行くのさ」

如月さんの声に驚いて振り向くと、なんと、全員が揃っていた。

「心配させるんじゃないわよ、もう。しかも、小野瀬なんかと一緒だし」

室長がホッとした顔で呟くと、みんなも笑った。

「さあ、気分転換したら、もうひと頑張りよ!」

***

結局残業になったけど、提出書類は完成し、私と如月さんは、翌日、ショッピングモールへ向かった。

「翼ちゃんのおかげで、予定通り休めてよかったよ。連れて行きたかった可愛い系のお店があるんだ」

「こーちゃんって、ファッションにこだわってるよね。だから私、一緒にショッピングするの楽しい」

そんな話をしながら、彼のおすすめの店に入る。

如月さんに「絶対似合う」と押し切られて着てみたら、あまり着ないタイプの服なのに、意外と似合うのでびっくり。

「ほらね。俺、いつも、翼ちゃんに似合いそうな服を探してるんだから。自信あったんだ」

如月さんの一言に、嬉しさが募っていった。

当たり前のようなショッピングも、如月さんと一緒だとすごく楽しい。

だから、つい時間が経つのも忘れてしまって…気付けば、外はもう暗い。

如月さんは私が買った荷物も全部持って、車の方へ歩き出した。

「そうだ。もう1件寄りたいところがあるんだけど」

……そう言って着いたのは、如月さんの家。

如月さんは首を傾げる私の背中を押して、寝室へと連れていった。

「これに着替えて」

渡されたのは、大きな紙袋。

「着替えたら、リビングに来てね」

「う、うん」

(一体、何が入ってるんだろう……?)

先にリビングに戻った如月さんの行動を不思議に思いながら、紙袋の中を覗き込むと…。

「こーちゃん!」

「あ、着てくれたんだね」

「こ、このドレス、何?」

それは、前に事件で着たものよりも、もっと胸や背中が開いてるドレス。

しかも、リビングのテーブルの上には、たくさんのご馳走が並んでいた。

「わぁ……!どうしたの?これ」

「ケータリング。ふたりきりのパーティーをしようと思ったんだ」

如月さんが、私の腰に手を回して引き寄せる。

「これが、オレからのホワイトデーだよ」

「あ……!」

「翼ちゃん、ダンスしよう。せっかくのパーティーなんだからさ」

「でも、私踊れないよ」

「そんなの適当でいいって。だって、俺と翼ちゃんしかいないんだから」

言われるまま、如月さんにリードしてもらいリビングでチークダンス。

微かに流れるクラシック音楽と、絶妙に合っていて不思議な気分。

「俺、翼ちゃんに、気付いて欲しかったんだ」

「気付くって、何を…?」

「翼ちゃんが、俺よりもずっと可愛いってこと」

気付いた時には、如月さんの唇が、私の開いた首元に。

「翼ちゃんはいつだって、俺だけのお姫様だよ」

私が声を上げるのを楽しむように、如月さんの唇はゆっくりと首筋を刺激し、そのまま耳の裏へ。

「可愛い声だね。もっと聞かせて」

キスは耳の裏から、うなじまで続いた。

その間も、如月さんの右手は私の腰を撫で続ける。

「翼ちゃんがこんな声出すなんて、きっとみんな知らないんだよ。それってすごい特権だよね」

「…ん…っ」

「こうして俺の前でだけ乱れるのも、俺だけの特権だ」

「だって、私は……」

「俺だけの翼ちゃん……だもんね」

小さく頷くと、如月さんは唇を耳に寄せた。

「ねえ、もっと声聞かせて」

鼓膜を震わせる如月さんの声に、私の身体は熱く火照っていく。

それに気付いたのか、如月さんはドレスを脱がせながら、胸元へキスをした。


~終わり~
追記
名前:穂積&小野瀬
本文:
小野瀬
「なかなかやるねえ如月くん」

穂積
「仕事もこのぐらいやれよ…」

名前:澪
本文:
こんばんは。

如月さんとのデートは女子目線で見てリアルに楽しそう(^∇^)

いつも似合う服を探してくれてるなんて嬉しいですね!

そしてまさかのサプライズ~!!

バッチリ決めててびっくりしました。

ほんと、やる時はやるってやつですね*\(^o^)/*

甘くて素敵なホワイトデーでいいなあ。

でも、いくら遅くても仕事置いて全員で警視庁出てきちゃうほど心配する捜査室の皆さん…さすがです(笑)

名前:ジュン
本文:
おはようございます。

こーちゃんはちゃんとお家の中だったのね。←ソコ!?

こーちゃんとのお買い物は本当に楽しそう。

服だけじゃなくて化粧品とかも似合うのを見つけてくれそう。

でも、皆で迎えに来ちゃうなんて翼ちゃんは愛されてるね。

名前:冬子
本文:
こーちゃーん、すごいセンサーがついてて、翼ちゃんが小野瀬さんと外に行ったってピピピってくるんでしょうね。

それにしても、こーちゃんとのホワイトデーは若い二人の青春!って感じで素敵。

ファッションのこととか、こーちゃんじゃないとわかんないしね。



今、こーちゃんって打ってたら、こーたん ってなって、一人で爆笑。

こーたんっ

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