『非公式Twitter』
番外編『秘密のお花見大作戦』より~小笠原編~
2016/04/29 14:55データ室に入ると、小笠原さんはすでにパソコンの前でキーボードを打っていた。
##IMGLU83##
「お疲れ様です。えっと、この状況と過去に起きた事件を照らし合わせるんですよね?」
##IMGU63##
「そう。隣のパソコン、立ち上げてあるからそれを使って」
「はい、ありがとうございます」
笑みを向けたけど、小笠原さんの視線はパソコンに向いたまま。
膨大な情報が並ぶ画面に目を凝らしていると、隣の小笠原さんのキータッチの音に、妙な間が開いた。
気になって視線を向けた瞬間、小笠原さんの頭がカクン、と前に傾くのを見てしまった。
(今、カクンってしたよね)
「…諒くん、もしかして眠い?」
「…よく分かったね。でも大丈夫。仕事を続けよう」
「でも…少し仮眠室で休めば?」
「必要ない」
小笠原さんは言い切ると、また作業に戻った。
「…僕、きみを守れる男になりたいんだよ」
「私を?」
問い返すと、彼は小さく頷く。
「だから、眠いくらい我慢しないと」
「諒くん…」
「きみと、ずっと一緒にいたいからね」
小笠原さんの気持ちが嬉しくて、私も一緒にいたい、と頷く。
「でも、甘えてくれなくなるのはちょっと寂しい」
「翼ちゃん…」
「だから、辛い時は無理しないで」
小笠原さんは少し頬を染めると、私の傍へイスを寄せた。
「じゃあ、少し寝る。膝貸して」
「え?だ、誰か来ないかな?」
「大丈夫」
不安はあるけど、彼の重みが愛しくて、苦笑しながら仕事再開。
「…花見大会…参加したくないな…」
まだ言ってる。
強くなりたい、って言ったばかりなのに、可笑しい。
「それなら、諒くん…終わった後のデートの約束すれば、参加してくれる?」
小笠原さんは頷く代わりに、問いかけた私の頬へキスをくれた。
***
花見大会は、桜の綺麗な並木通りで行われた。
「桜、とっても綺麗ですね」
「そうだな。これで上司の固い話がなければ、最高なんだが……」
うんざりするほど長い話に、明智さんも疲れた顔をしている。
「気が重くなって、お酒やお弁当を食べるどころじゃないんですよね」
「そうなんだよな。お偉方の監視があると、緊張して喉を通らない。室長はよくあんなに飲み食い出来るな」
そうは言いながらも、捜査室のみんなとお弁当を食べていると、ゴミ袋が足りなくなってしまった。
明智さんが立ち上がる。
「事務の子たちの所に、もらいに行ってくる」
「…あの、明智さん。室長が、私も一緒に行けって」
「何でだろうな」
「さあ?」
ごみ袋をもらって戻ろうとすると、そこにいたはずの明智さんがいなくなっていた。
「あれ?」
明智さんはなぜか、女性に囲まれて、黄色い声援と熱い視線を浴びながら、困った顔で料理していた。
「…材料はあるのに誰も料理が出来ないと揉めていて…放っておけなかったんだ」
明智さんらしい。
(もしかして、室長はこれを予見してたのかな?)
「櫻井、助けてくれ」
「明智さんを連れて行かないで!」
「明智さん、私たちを見捨てないで!」
「せっかくだからお話しさせて!」
「助けてくれー!」
明智さんが戻ってきたのは、花見大会終了間際のことだった…。
***
花見大会が終わり、小笠原さんが連れてきてくれたのは、並木通りから程近い老舗旅館だった。
けれど、頑張って最後まで参加していたせいで小笠原さんはすっかり人酔いして体調を崩し、部屋に入った早々布団に横にならなければならなかった。
「…またきみに迷惑かけたね」
「迷惑だなんて!諒くんは頑張ったよ。無理させた私が悪いの」
「自分が嫌になる。きみのために強くなりたいのに」
「少しずつでいいよ。ずっと、そばにいるから」
私がキスすると、小笠原さんはようやく安堵した表情を浮かべた。
トントン、と不意に戸を叩く音が聞こえてきて、顔をそちらへ向けると、女将が入ってきた。
「失礼します。小笠原様、例の品をお届けにあがりました。…どうぞ」
言いながら、女将は小笠原さんではなく私へ、横長の木箱を差し出した。
「え?」
「実は、君にプレゼント。開けてみて」
困惑しながらも頷いて、私は箱を開けた。
「これ、着物!?」
そこには、白地に桜の花の柄をあしらった、綺麗な着物が収められていた。
「せっかくの花見だから、きみに着て欲しくて。僕が見立てたんだ。ねえ、着て見せて」
「では、こちらへどうぞ」
すでに準備万端整っているらしい。
女将は私を別室に案内すると、手際よく着物を着せてくれた。
「このお着物、有名な先生のデザインですね。着物も京都の西陣織ですし」
(そんなにすごいものなんだ……)
女将の説明に恐縮してしまう。
着付けを終えて小笠原さんのいる部屋に戻ると、彼は満足そうに頷いた。
顔色もだいぶ良くなっていて、小笠原さんは布団から出ると、大きく伸びをした。
「ああ、もう外は暗いね。でも、夜桜見物も、悪くないよね?」
小笠原さんが窓を開けると、庭に咲く満開の桜を見下ろせる、素晴らしい景色が広がっていた。
うっとりと見惚れていると、小笠原さんが、おぼつかない手つきで、お茶を点ててくれた。
私に飲ませる為に、花見が決まってから、知り合いの茶道家に作法を習ったのだという。
小笠原さんの差し出してくれたお茶の味に、自分が癒されてゆくのがわかる。
「来年は、諒くんの着物姿を見たいな」
「きみが見たいなら、いいよ」
約束、と指切りを交わす。
来年も、再来年も、毎年、二人でお花見が出来ますように。
「翼ちゃん…今日は、ここへ泊まって、ずっと一緒にいてくれる?」
「もちろん」
小笠原さんが微笑んで、私にキスをした。
「大好きだよ、翼ちゃん」
「私も」
何度もお互いの名前を呼び、キスを繰り返していく。
触れるだけのキスを、何度も。
「はぁっ……身体、熱くなってきた…」
「本当だ。顔が赤いよ」
楽しそうに笑う小笠原さんにゆっくりと押し倒され、首筋にキスをされると、身体が反応してしまう。
激しいキスに目まいを覚えながら、彼の背中に手を回す。
「…ぁ…っ、諒くん…」
「声、出して」
耳元で囁き、優しい笑みを向けてくる。
「こういう時、かっこよく帯を解けるといいのに」
「ゆっくりでいいよ…」
諒くんは照れ臭そうにしながら私の帯を解き、確かめるように、手で私の肌を撫でる。
「もっと君を感じさせて」
はだけた着物の隙間から滑り込んだ諒くんの指先が、私の身体を大きく仰け反らせた。
~終わり~
##IMGLU83##
「お疲れ様です。えっと、この状況と過去に起きた事件を照らし合わせるんですよね?」
##IMGU63##
「そう。隣のパソコン、立ち上げてあるからそれを使って」
「はい、ありがとうございます」
笑みを向けたけど、小笠原さんの視線はパソコンに向いたまま。
膨大な情報が並ぶ画面に目を凝らしていると、隣の小笠原さんのキータッチの音に、妙な間が開いた。
気になって視線を向けた瞬間、小笠原さんの頭がカクン、と前に傾くのを見てしまった。
(今、カクンってしたよね)
「…諒くん、もしかして眠い?」
「…よく分かったね。でも大丈夫。仕事を続けよう」
「でも…少し仮眠室で休めば?」
「必要ない」
小笠原さんは言い切ると、また作業に戻った。
「…僕、きみを守れる男になりたいんだよ」
「私を?」
問い返すと、彼は小さく頷く。
「だから、眠いくらい我慢しないと」
「諒くん…」
「きみと、ずっと一緒にいたいからね」
小笠原さんの気持ちが嬉しくて、私も一緒にいたい、と頷く。
「でも、甘えてくれなくなるのはちょっと寂しい」
「翼ちゃん…」
「だから、辛い時は無理しないで」
小笠原さんは少し頬を染めると、私の傍へイスを寄せた。
「じゃあ、少し寝る。膝貸して」
「え?だ、誰か来ないかな?」
「大丈夫」
不安はあるけど、彼の重みが愛しくて、苦笑しながら仕事再開。
「…花見大会…参加したくないな…」
まだ言ってる。
強くなりたい、って言ったばかりなのに、可笑しい。
「それなら、諒くん…終わった後のデートの約束すれば、参加してくれる?」
小笠原さんは頷く代わりに、問いかけた私の頬へキスをくれた。
***
花見大会は、桜の綺麗な並木通りで行われた。
「桜、とっても綺麗ですね」
「そうだな。これで上司の固い話がなければ、最高なんだが……」
うんざりするほど長い話に、明智さんも疲れた顔をしている。
「気が重くなって、お酒やお弁当を食べるどころじゃないんですよね」
「そうなんだよな。お偉方の監視があると、緊張して喉を通らない。室長はよくあんなに飲み食い出来るな」
そうは言いながらも、捜査室のみんなとお弁当を食べていると、ゴミ袋が足りなくなってしまった。
明智さんが立ち上がる。
「事務の子たちの所に、もらいに行ってくる」
「…あの、明智さん。室長が、私も一緒に行けって」
「何でだろうな」
「さあ?」
ごみ袋をもらって戻ろうとすると、そこにいたはずの明智さんがいなくなっていた。
「あれ?」
明智さんはなぜか、女性に囲まれて、黄色い声援と熱い視線を浴びながら、困った顔で料理していた。
「…材料はあるのに誰も料理が出来ないと揉めていて…放っておけなかったんだ」
明智さんらしい。
(もしかして、室長はこれを予見してたのかな?)
「櫻井、助けてくれ」
「明智さんを連れて行かないで!」
「明智さん、私たちを見捨てないで!」
「せっかくだからお話しさせて!」
「助けてくれー!」
明智さんが戻ってきたのは、花見大会終了間際のことだった…。
***
花見大会が終わり、小笠原さんが連れてきてくれたのは、並木通りから程近い老舗旅館だった。
けれど、頑張って最後まで参加していたせいで小笠原さんはすっかり人酔いして体調を崩し、部屋に入った早々布団に横にならなければならなかった。
「…またきみに迷惑かけたね」
「迷惑だなんて!諒くんは頑張ったよ。無理させた私が悪いの」
「自分が嫌になる。きみのために強くなりたいのに」
「少しずつでいいよ。ずっと、そばにいるから」
私がキスすると、小笠原さんはようやく安堵した表情を浮かべた。
トントン、と不意に戸を叩く音が聞こえてきて、顔をそちらへ向けると、女将が入ってきた。
「失礼します。小笠原様、例の品をお届けにあがりました。…どうぞ」
言いながら、女将は小笠原さんではなく私へ、横長の木箱を差し出した。
「え?」
「実は、君にプレゼント。開けてみて」
困惑しながらも頷いて、私は箱を開けた。
「これ、着物!?」
そこには、白地に桜の花の柄をあしらった、綺麗な着物が収められていた。
「せっかくの花見だから、きみに着て欲しくて。僕が見立てたんだ。ねえ、着て見せて」
「では、こちらへどうぞ」
すでに準備万端整っているらしい。
女将は私を別室に案内すると、手際よく着物を着せてくれた。
「このお着物、有名な先生のデザインですね。着物も京都の西陣織ですし」
(そんなにすごいものなんだ……)
女将の説明に恐縮してしまう。
着付けを終えて小笠原さんのいる部屋に戻ると、彼は満足そうに頷いた。
顔色もだいぶ良くなっていて、小笠原さんは布団から出ると、大きく伸びをした。
「ああ、もう外は暗いね。でも、夜桜見物も、悪くないよね?」
小笠原さんが窓を開けると、庭に咲く満開の桜を見下ろせる、素晴らしい景色が広がっていた。
うっとりと見惚れていると、小笠原さんが、おぼつかない手つきで、お茶を点ててくれた。
私に飲ませる為に、花見が決まってから、知り合いの茶道家に作法を習ったのだという。
小笠原さんの差し出してくれたお茶の味に、自分が癒されてゆくのがわかる。
「来年は、諒くんの着物姿を見たいな」
「きみが見たいなら、いいよ」
約束、と指切りを交わす。
来年も、再来年も、毎年、二人でお花見が出来ますように。
「翼ちゃん…今日は、ここへ泊まって、ずっと一緒にいてくれる?」
「もちろん」
小笠原さんが微笑んで、私にキスをした。
「大好きだよ、翼ちゃん」
「私も」
何度もお互いの名前を呼び、キスを繰り返していく。
触れるだけのキスを、何度も。
「はぁっ……身体、熱くなってきた…」
「本当だ。顔が赤いよ」
楽しそうに笑う小笠原さんにゆっくりと押し倒され、首筋にキスをされると、身体が反応してしまう。
激しいキスに目まいを覚えながら、彼の背中に手を回す。
「…ぁ…っ、諒くん…」
「声、出して」
耳元で囁き、優しい笑みを向けてくる。
「こういう時、かっこよく帯を解けるといいのに」
「ゆっくりでいいよ…」
諒くんは照れ臭そうにしながら私の帯を解き、確かめるように、手で私の肌を撫でる。
「もっと君を感じさせて」
はだけた着物の隙間から滑り込んだ諒くんの指先が、私の身体を大きく仰け反らせた。
~終わり~
追記
名前:冬子
本文:
そうそう、おがさーらさんは頼れる男ですよね
(^_^)ヾ(^^ )ヨシヨシ
おがさーらさんったら何気に情熱的ですよね。
ワタクシ鼻血でそう……
来年再来年にそなえて、着物の着付けをならいますっ えへへ
ところで、今日は藤守さんが酔っ払ってないのね。
名前:ジュン
本文:
一日遅れのこんにちは。
小笠原さんたら着物のプレゼントなんて豪華すぎる!
でも、嬉しいだろうなぁ。
最近の小笠原さんはなんでも頑張るようになりましたね。
本文:
そうそう、おがさーらさんは頼れる男ですよね
(^_^)ヾ(^^ )ヨシヨシ
おがさーらさんったら何気に情熱的ですよね。
ワタクシ鼻血でそう……
来年再来年にそなえて、着物の着付けをならいますっ えへへ
ところで、今日は藤守さんが酔っ払ってないのね。
名前:ジュン
本文:
一日遅れのこんにちは。
小笠原さんたら着物のプレゼントなんて豪華すぎる!
でも、嬉しいだろうなぁ。
最近の小笠原さんはなんでも頑張るようになりましたね。