『非公式Twitter』
番外編『GW秘密のデート』より~明智編~
2016/05/07 14:39私が彼にメールを送ってから30分ほど経って、返信が来た。
##IMGU60##(メール)
《会って話したい相談って何だ…?明日の昼、いつもの公園で待ち合わせしよう。昼飯は俺が用意する》
***
二人でベンチに並んで座り、ヒヨコの形をしたお弁当箱のフタを開けると、そこには、お稲荷さんと薫染うずらで作られたクマがいた。
明智さんのお弁当のクマの耳は、ミートボール。
「わあ、可愛い!」
(…そして、どんどん腕が上がってる気がする…)
「昨日、深夜に粛々と作ってしまったんだ。…相談、というのが気になって」
「す、すみません、たいした事じゃないの。あの…明智さんは、GWに休んだ事、ありますか?」
「就職してからは一度もないな」
「休んで出掛けたいと思った事は…」
「別に。どこも混むしな」
「…ですよね」
私が俯くと、コツンと軽く拳骨で額を小突かれた。
「だが、どこかに行きたいんだろう?」
「…うん…」
明智さんは微笑んだ。
「交通教室が終われば、定時で帰れるだろう。だから、夜ならいいんじゃないか」
「本当?!」
私は嬉しくて、思わず叫んでしまった。
「あまり混まない所で頼む」
「嬉しい!」
私は急いで、買ってきた情報誌を取り出した。
「ええと、ケーキバイキングとか映画とか、あと、夜もやっている水族館とか」
「付箋がいっぱいだな」
明智さんは笑いながら、私の手の情報誌を取った。
「…翼は、普通の会社員と付き合ったほうがいいと思う事はないか?」
「どうして?」
「刑事に土日はない、あるのは深夜勤務に早朝勤務、おまけに危険。思うように会うことも出来なくて…」
「私たち、毎日会ってますよ」
「仕事で、だろ?それに俺は、仕事中は素っ気無いし」
明智さんは自分で言って苦笑いした。
「私、何も不満ありません」
「そうか」
明智さんは私の頭を撫でた。
「もし、嫌になったら、いつでも言ってくれ」
「嫌になんかならない!」
私は思わず大きな声で言ってから、ハッとして自分の口を押さえた。
「ごめんなさい。大きな声を出して」
「…いや。悪い、おかしなことを言ったよな」
明智さんはもう一度、私の頭を撫でた。
なんとなくだけど、もしも、私が「別れたい」と言ったら、明智さんは理由すら聞かずに1秒で「分かった」と答えて去っていく気がする。
きっと私を引き止めたり、追いすがったりしない。
(そして、きっと同じ職場にいても態度を全く変えないだろうな)
でも、逆だったら。
私が明智さんに別れようと言われたら、みっともなく泣くし、引きとめようとするだろう。
それどころか、別れないと叫んで、ダダをこねるかもしれない。
「どうした?箸が止まってるぞ。美味しくないか?」
「ううん!すごく美味しい」
私は慌てて笑顔を作った。
「明智さんは、どこに行きたいですか?」
「…ホテル」
「え?」
「あ?!違う!そういうホテルじゃない!」
明智さんは赤くなって、首を振った。
「都内のちょっと良いホテルの屋内プールに入って、食事して、と思っただけだ」
「あ、そ、そうか、ですよね」
「…でも、泊まるけど」
明智さんは、小さな声でボソリと呟いた。
そして、GW。
私と室長は幼稚園に来ていた。
「あの、室長」
「アァ?」
室長は凶悪な目で私を見た。
「もう交通指導、終わりましたけど」
「それはこのガキどもに言いなさいよっ!」
指導の時間は終わったのに、室長の足には5~6人の幼稚園児が引っ付いていた。
「オカマだ!オカマ!」
「オカマのおまわりさん、遊んで!」
「遊んで~!」
「離れなさいよっ!このガキども!」
お母さんたちがクスクス笑っている。
ひとりの男の子が、室長の体を這い登った。
「人の体を遊具にするな!」
…室長が子供にこんなに好かれるなんて、知らなかった。
「櫻井!笑ってないで助けなさいよ!」
「室長、この備品は私が返却しておきますね。お先に失礼しまーす」
「櫻井ー!」
私は段ボールを抱えて、車に向かった。
(良かった…。室長が園児の頭をはたいた時にはどうなるかと思ったけど。無事に帰れそう…)
一度だけ振り返ると、子供たちにズルズルと砂場のほうへ引きずられていく穂積室長の姿が見えた。
(室長すみません!早くしないと誠臣さんとの待ち合わせに遅れちゃうんです!あなたの尊い犠牲に感謝します!)
私はもう振り返らなかった。
***
3時間後。
私と明智さんは、都内の有名ホテルのスパにいた。
「あろまてらぴー…こういう所、初めて来た」
明智さんはちょっと居心地が悪そうだった。
「私も、こんな高級な感じの所は初めてです。でもカップルプランだから、一緒に受けられますよ」
部屋中にとてもリラックスできる香りが漂っていて、白い清潔な服装をしたエステシャンの女性が個室で待ってくれている。
バスローブに着替えて、まずはゆったりと足をフットバスにつけてもらった。
「これ、うちにもあるぞ」
「お姉さんたちのですか?」
「意外と気持ちいいな」
足が温まってきて、明智さんは気分がリラックスしてきたみたい。
ふと、明智さんの足裏マッサージを担当している女性エステシャンが不思議そうに言った。
「お客様の足、すごく綺麗に筋肉ついてらっしゃいますね」
エステシャンは首をひねった。
「何のお仕事してらっしゃる方なのかしら…?ちょっと見当がつかないですね…」
現役の刑事ですよ。
噴き出しそうになる私を、明智さんは「言うなよ」と軽く睨んだ。
「どうする?レストランに行くか?少し休むか?」
エステが終わると私は明智さんに支えられて部屋に到着し、ベッドに倒れ込んだ。
「す、少し休ませて…身体がふにゃふにゃ…プロのエステって凄いね…」
明智さんは、備え付けのパンフレットを眺めながら笑っている。
「…明智さん、本当はエステなんて苦手だったでしょう?それなのに、付き合ってくれてありがとう」
私は心から言った。
「まるでもうデートが終わったみたいな言い方だな」
「え?」
「こっちに来てみろ」
明智さんに手招きされて近付いてみると、そこには驚くほど広いバスルームがあった。
「一緒に入るか?」
「え?」
「プロじゃないけど、俺の技も試してみるとか」
後退りしかけた私の腕を、明智さんが掴んだ。
「今度は俺に付き合ってくれる…よな?」
明智さんが微笑んだ。
~終わり~
追記
名前:ジュン
本文:
こんにちは。
明智さんのお弁当食べたい!
熊さんなんですね。キャラ弁まで作るとは流石です。
エステいいなぁ。
カップルプランなんてあるんですね。
そして、明智さんとお風呂プレイ……明智さんは意外と大胆なんですよね(〃∇〃)
名前:澪
本文:
こんばんは。
秘密のお花見大作戦、すべて読ませていただきました!
どれもとても楽しく読ませていただきましたが、小春さんオリジナルのアニさんとJSは特に楽しかったです。
翼ちゃんを焼酎で買って、意外と大胆なキスをしちゃうアニさんにも、意外としっかりやきもち焼きなJSも、それに小悪魔な翼ちゃんも素敵で、読んでてにやにやしちゃいました。
そして、小春さん、冬子さん、ジュンさん、エミさん、誕生日を祝っていただいていたことに今更気付きました(._.)
遅い御礼になってしまって恐縮ですが、本当に嬉しいです!
すっかり小春日和の仲間にしていただけているんだなあ…と胸があたたかくなりました。ありがとうございます(/ _ ; )
さてさて、明智さんとのGWはホテルでデートですね。
最初、明智さんがなんだか寂しいことを仰ってたのでドキッとしましたが…よかった(^_^)
室長を放置して帰る翼ちゃん、強くなったなあと感慨深いです(笑)
キャラ弁も、苦手?なエステも、翼ちゃんのために尽くしてくれる明智さんの愛ですね。
しっかり見返りが求められたみたいですが( ´ ▽ ` )♪
本文:
こんにちは。
明智さんのお弁当食べたい!
熊さんなんですね。キャラ弁まで作るとは流石です。
エステいいなぁ。
カップルプランなんてあるんですね。
そして、明智さんとお風呂プレイ……明智さんは意外と大胆なんですよね(〃∇〃)
名前:澪
本文:
こんばんは。
秘密のお花見大作戦、すべて読ませていただきました!
どれもとても楽しく読ませていただきましたが、小春さんオリジナルのアニさんとJSは特に楽しかったです。
翼ちゃんを焼酎で買って、意外と大胆なキスをしちゃうアニさんにも、意外としっかりやきもち焼きなJSも、それに小悪魔な翼ちゃんも素敵で、読んでてにやにやしちゃいました。
そして、小春さん、冬子さん、ジュンさん、エミさん、誕生日を祝っていただいていたことに今更気付きました(._.)
遅い御礼になってしまって恐縮ですが、本当に嬉しいです!
すっかり小春日和の仲間にしていただけているんだなあ…と胸があたたかくなりました。ありがとうございます(/ _ ; )
さてさて、明智さんとのGWはホテルでデートですね。
最初、明智さんがなんだか寂しいことを仰ってたのでドキッとしましたが…よかった(^_^)
室長を放置して帰る翼ちゃん、強くなったなあと感慨深いです(笑)
キャラ弁も、苦手?なエステも、翼ちゃんのために尽くしてくれる明智さんの愛ですね。
しっかり見返りが求められたみたいですが( ´ ▽ ` )♪