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番外編『雨の日は家デート』~プロローグ~

2016/06/19 12:35

「今日も雨ですねえ」

「梅雨やからな」

今日は朝から全員で内勤。

窓を叩く雨音が捜査室に響く中、如月さんと藤守さんの会話を聞きながら、私たちは、それぞれの机に向かって、必要な書類を作っていた。

「お疲れー」

そこへ、よれた白衣を羽織った小野瀬さんが入ってきた。

「穂積、これ、お前に急かされてた調査報告書」

室長は小野瀬さんが持って来た書類に目を通した後、納得したように頷いた。

「うん、これなら、一気に事件に解決出来そうね」

「そうですか!」

「良かった」

明智さんや小野瀬さんのホッとした顔を見て、私たちも安堵する。

ところが、トントンと書類の端を揃えると、室長は意外な事を言い出した。

「こちらは一件落着…だけど、この雨続きのせいで、交通事故が多発してるそうなの」

「データによると、昨年の件数より大よそ3割増えた」

素早い小笠原さんの補足に、室長は頷く。

「それで、交通課から、手が足りないから助けてほしいって泣きつかれてるの」

「具体的には、危険な箇所や車がないかのパトロールだね。鑑識の俺まで駆り出されそうだよ」

「まあ近々正式に頼まれると思うから、その時はよろしく」

室長が言葉を切り、皆が頷いたところで、また雨音が響いてきた。

「雨、強くなってきましたね」

私が呟くと、藤守さんが唸った。

「やっぱり雨ってのは、嫌な気持ちになるな。俺は苦手や」

「雨の日に嫌気が差すのは、低気圧が身体の副交感神経に影響を…」

「副交感なんたらはともかく、雨って、湿気で髪がペッタリするのが俺は嫌なんですよねー」

「切実やな如月」

「俺は気にならない」

「小笠原は外に出ないからだ」

「出たくない」

明智さんに言い返す小笠原さんに、相変わらず頑固だねえ、と、小野瀬さんが笑う。

「まあ、こう雨続きじゃ、どのみち外には出れないよね」

「鬱陶しいわね」

「外出できないなら室内スポーツはどうですか?柔道とか」

「いや汗でベタつくのが嫌だよ」

「DVD鑑賞やったらどうです?」

「思い切って外出してみれば、雨もなかなか風情があるぞ」

「出たくない」

…などと、いつしか雨の日の過ごし方について話し込んでいるうちに、捜査室の時計がお昼を告げた。

「報告書を書き終わったら、昼休みに出て良いわよ」

室長に言われて皆が返事をする中で、私も報告書に最後のサインを書く。

(今日は、彼とランチの約束してるんだよね…楽しみだなあ)

自然と頬が緩んで、笑みが浮かぶ。

「室長、終わりました。確認お願いします」

「俺も出来た」

「私も終わりました」

明智さん、小笠原さんに続いて、私も立ち上がった。

「えー?!みんな早過ぎ!」

終わりそうもないのか、藤守さんと如月さんが揃って泣きそうな声を出すけれど。

(そうだ。ついでに、今度のデートの話でもしようかな)

今度の休みは久々のデート。

重なった休みはとても貴重だから、胸が弾む。

「じゃあ、お先にお昼行ってきます」

にやけそうな顔を必死に抑えながら挨拶して、私は、捜査室を出た。


***

続く……
追記
名前:ジュン
本文:
こんにちは。

番外編スタートですね。

楽しみです\(^^)/

雨の日は気分が滅入っちゃうことありますよね。

でも、そんな気分も大好きな彼とのデートで吹っ飛んじゃいますよね。

でも、翼ちゃんがニヤついちゃってるのは室長は気づいてると思う(笑)

名前:櫻井翼
本文:
ジュンさん、楽しみにしていただいてありがとうございます。

……って、えっ?!

にやけてたの、室長には気付かれちゃいましたか?

……うう、またからかわれちゃう……
 

この番外編はご存知の通りかなり際どいので、小春ちゃんヒヤヒヤしながら編集してます。

のんびりお待ちくださいませ。

名前:冬子
本文:
室長だけでなく、おがさーらさんも小野瀬さんも目ざとく気づいてそう

なんなら如月さんも、ってみんな翼ちゃんのことはよく見てそう

きわどいんですか

まあ、大変( ´艸`)

楽しみにしてま~す

名前:24TH
本文:翼ちゃんのニヤケですか…………
うん、絶対室長気付いてますね
そして如月さん……!
わかりますよその気持ち!!
私も雨の日は髪の毛に苦労する人種ですから!!

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