『非公式Twitter』

番外編『雨の日は家デート』より~小笠原編~

2016/06/26 12:28

午後からの会議の資料を作るよう命じられ、私と小笠原さんは、お弁当を会議室で広げていた。

##IMGU63##
「今日のきみのお弁当、手作り?」

##IMGLU83##
「うん。たまには自分で作らないとね」

「ゴボウのキンピラと…これは?」

「ブロッコリーの白身あんかけ。食べる?」

うん、と頷く小笠原さんの口元に、自分のお箸で、はい、と差し出す。

素直にぱくりと口に入れた小笠原さんは、無表情のままもぐもぐと口を動かした。

「すごく美味しいよ」

「本当に!?良かった」

栄養素のバランスやカロリー計算などの行き届いたお弁当を自作する小笠原さんは、私にとってはダイエットの先生のような存在。

「きみの料理の腕、もう僕を追い越しちゃってるね」

「そんなことないよ。もっと上手になりたいなって思ってるんだ」

「それはちょっと困るな。きみの料理が美味しいと、僕が食べ過ぎるから。……最近、ちょっと太ってきたかもしれないんだ」

(どこが!?)

思わず心の中でツッコんだけど、体調に人一倍気を使ってる小笠原さんだから気になるのかもしれない。

「カロリーは制限してるんだけどな…」

「梅雨で運動不足なのかな?」

私が問いかけると、小笠原さんの口から大きなため息が漏れた。

「そっか、運動不足か……もう昼ご飯食べない」

「そ、それは極端だよ。身体を壊しちゃう!」

「じゃあ、ダイエット手伝ってくれる?」

「諒くんの手助けなら何でもしてあげる」

「ありがとう。じゃあ、ちゃんとトレーニングジムに行くよう心掛けるから、その時はお弁当作ってくれる?」

「うん」

「ありがとう」

小笠原さんはお礼を述べて、はにかむように微笑んだ。

***

数日後、交通課から要請があったパトロールに、私は、鑑識なのに駆り出された小野瀬さんとペアになって出動していた。

##IMGU65##
「この辺りは道路が狭いから、車と人がすれ違う時に事故を起こしやすいな」

##IMGLU83##
「しかも傘を差して歩いてると、周りが見えにくくなりますよね」

「ああ。こういうところに、ひとつ標識があると良いんだけど…無いな」

「要請しておいた方が良いですね」

地図に記して、また路地裏を歩く。

「それにしても、すごい雨だね。こうなると、如月くんや藤守くんじゃないけど、気が滅入るな」

「憂鬱になっちゃいますよね」

「湿気で不快指数は上がるし、お気に入りの服は濡れるし…だけど、こうして傘を差さないと見えない世界ってのもあるから、梅雨って嫌いになれないんだよ」

「傘を差さないと、見えない世界?」

「たとえば…ほら、アジサイにいるかたつむりとか」

「わあ、可愛い。梅雨ならではですね」

「それに…ああ、あそこ。夏椿が咲いてる」

小野瀬さんが指差したところには、真っ白な花びらの椿が咲いていた。

「昔の人は、この花を沙羅双樹だと勘違いしていたんだ。それほど、梅雨に咲くこの白い椿が美しい証拠だね」

「そんな花が梅雨にしか見られないって思うと、梅雨に外へ出かけたくなっちゃいますね」

「そうだろう。だから、梅雨も悪くない」

雨に濡れた夏椿はとても美しく、その気高さには息を飲む。

小野瀬さんの言う通り、雨も悪くないかも。


***

朝方はやんでいた雨だったけど、私が小笠原さんの家へ着いた途端に大雨が降りだした。

「天気予想図を確認した時は、今日は降らないはずだったのに」

外で運動出来ない事がショックなのか、それとも予想が外れて悔しいのか、彼は肩をガックリと落としている。

失意の彼を励ましたくて、私は記憶を総動員した。

「…ねえ、諒くんの家、バランスボールあったよね。あれなら、室内でも運動出来るんじゃないかな」

「バランスボールか…」

小笠原さんは押入れからバランスボールをひとつ出してきた。

まずは、二人で組んでストレッチをしてから、いよいよバランスボールでの運動だ。

「横に寝て、ボールを両足で挟んで…持ち上げる」

説明書を読む小笠原さんの指示に従いながら、実践してみる。

「簡単だけど…でもこれ、結構足に…お腹の筋肉も使うね」

「本当だ……地味に鍛えられるな」

私と交代してボールに向かった小笠原さんも、納得の表情。

すごく疲れる、というわけじゃないけど、いくつかのプログラムを実践するうち、二人とも、うっすらと汗をかいてきた。

「それだけ、鍛えられてる証拠だな」

「そうだよね」

「次は…脇腹の運動。ボールの上に上半身を仰向けになって乗せるんだ。やってみて」

「んっ…これ、結構苦しいかも…!」

不意に、身体のバランスが崩れた。

「え!?ちょっ…やだ…!」

「危ない!」

横へ倒れそうになった瞬間、小笠原さんが咄嗟に支えてくれた。

よほど心配したのか、小笠原さんはそのまま私を抱きしめ、安堵の息を吐き出す。

「大丈夫?」

「ありがとう、諒くん」

顔を上げると、すぐ傍に彼の顔。

はからずも見つめあう形になり、私たちは、惹かれるままに唇を合わせた。

運動していたせいか、触れた箇所がいつもより熱い…。

深く口付けをすると、お互いの熱が絡まり合い、ひとつになっていくみたい。

荒い息を吐いていると、小笠原さんの手が服の中に滑り込んできた。

「…ここで?」

「我慢出来ない」

甘えるような口調で、小笠原さんは胸元に顔を埋める。

その熱に抗いきれずに、私たちは、汗ばんだ身体のまま、お互いを求めあった。


それから、数時間後…シャワーで汗を流して、私たちはソファへ腰を下ろした。

「運動はもう良いの?」

「もう充分したから、大丈夫」

(あれも運動に入れちゃうんだ…)

「今は、きみとこうしていたいんだ」

いつも以上にべったりとくっついて、甘えてくるその姿が愛しくて、胸が締めつけられる。

甘えついでに、と耳掻きをねだられて膝枕してあげていると、小笠原さんはいつの間にやら寝息を立てていた。

(疲れちゃったんだね)

そっと頬へキスをし、柔らかな髪の感触を指に感じながら、私も、目を閉じた…。

目が覚めたら、いつの間にかもう夕方で、私は、小笠原さんの腕枕で寝ていた。

「おはよう」

もう夕方なのにあいさつして、そのままキスをする。

何度かキスを繰り返した後、小笠原さんは私を押し倒した。

「また、きみの事が欲しくなってる。これって変かな?」

「ううん」

「じゃあ…ちゃんときみの声で、良いよ、って言って」

期待の眼差しを向ける小笠原さんの耳元で、私は、私と彼だけの秘密の言葉を囁いた…。


~終わり~
追記
名前:ジュン
本文:
こんにちは。

バランスボールで運動ですか。

やったことないんですけど、ボールの上に座ってる人とか見ると凄いなぁって思っちゃいます。

私は片足立ちもフラフラするくらいバランス悪いのです。

でも、アレも運動に入っちゃうんですね(*^^*)

小笠原さん、可愛いなぁ。

膝枕で寝ちゃうなんて幸せでしょうね。

名前:小笠原&小春&翼
本文:
小笠原
「小春ちゃん、俺の「ダイエットに1番最適なのは有酸素運動だ。更に下半身を鍛える事で効率が上がる』ってセリフがカットされてるんだけど」

小春
「そのセリフを踏まえて後半を読むと小笠原さんの発言が下ネタにしか聞こえなくなるからですよ。ブランドイメージを守るための私なりの愛です」
 

「小春ちゃん、結局言っちゃってるし…」

名前:冬子
本文:
ブランドイメージ、大事ですよね~

おがさーらさんは下ネタなんてとんでもないですからね


ダイエットか……

普通に生きてるだけなのに、むくむくと大きくなるのはどうしてでしょう

日本ぽっちゃり党の党員だからかしら

おがさーらさんも頑張ってるし、私もお家でできる運動してみようかな

運動系のDVDいっぱいあるしな……

おがさーらさん、一緒に踊りますか?

踊りはダメ?ブランドイメージにかかわる?

名前:小笠原&小春
本文:
小笠原
「雨じゃなければ外でジョギングかサイクリング、屋内ならプールで運動するつもりだったんだ」

小春
「素晴らしいです。小笠原さんのブランドイメージはそうでなくちゃ」

小笠原
「冬子ちゃん、ヒップアップにはバランスボールの上に両足を乗せて、そのままお尻を持ち上げる運動が効果的だそうだよ。肩で身体を支える感じで…」

小春
「冬子さん、小笠原さんのお尻に注目し過ぎですよ」

名前:冬子
本文:
だってー

ものすごいプリケツなんだもん

( ´艸`)

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