『非公式Twitter』
番外編『雨の日は家デート』より~藤守編~
2016/07/01 12:24藤守さんと一緒にレストランへ入ると、奥の席へ通された。
窓からは、最近出来上がったばかりのタワーが一望できる。
##IMGLU83##
「今、話題なんだよね。行ってみたいな」
##IMGU62##
「半年くらい経って混雑が落ち着いたら、俺が連れてったるよ」
「うん。楽しみにしてる」
来年の約束に笑みを浮かべていると、丁度料理がやってきた。
「ごめんな。本当やったら、デートで連れてってやりたいんやけど…最近、長いこと休みが合わなくて」
「ううん、良いの」
「いや、俺が良くない。こうして傍におって、それがつまらないってわけやない。けど、もっと、お前を楽しませてやりたいんや」
藤守さんの優しさに、胸がふんわりあったかくなった。
「賢史くん、休みの日って何してるの?」
「最近は、ツーリングやな」
「バイク?」
「うん。休みの日にはちょっと遠くまで走らせるんや。すっげー気持ち良い!」
満面の笑みを浮かべるので、その気持ち良さまで伝わってくる。
「お前、バイク乗ったことないんか?」
「うん。だから、ちょっと興味あるんだ」
「じゃあ、今度のデートはバイクで行こうか。お前が俺の後ろに乗って…そうやな、房総半島とか?」
「ステキだね。うん、行きたい」
「決まりやな」
バイクに乗ってデートなんて、わくわくする。
自然と笑みが浮ぶけど、それ以上に楽しそうなのは藤守さん。
「メットを用意して、ルートも調べて…なんたって、久しぶりのデートなんだから」
「ふふっ、そうだね」
「お前をあっと驚かせるような場所に連れてってやるよ」
「驚くような場所? どこかな」
「それは当日のお楽しみや」
藤守さんは、内緒、と言うように指を唇に押し当てた。
***
数日後、私は穂積室長と共に車でパトロールに出た。
##IMGU61##
「相変わらず、酷い雨ね」
##IMGLU83##
「そうですね。交通課も音を上げるはずです」
「アンタも元交通課だから、その辺りの事情は良く知ってるわね」
「元って言っても、もう捜査室にいる期間の方が長いですよ」
「そういえば、そうね」
室長は肩を竦め、ハンドルを切った。
「でも、どうして雨の時期になるとパトロールが多くなるんでしょうね?」
「雨で気が滅入って、憂鬱になったあげく、無茶やらかす。交通事故だけじゃなく、ストーカーや強盗も増えるわね」
納得していると、車が赤信号で停まる。
「室長は、雨で気が滅入ったりしないんですか?」
「このワタシが?雨ごときで?」
「…しないですよね、すみません」
「大体、雨が降らないと、米が出来ないでしょ。雨は米にとって恵みの水なのよ」
「そうですね」
私の返事に満足したようで、室長の首が何度か縦に振られた。
「滅入る気持ちも分かるけど、見方を変えればいいだけ。さっき言った米もそうだけど、キレイな雷が見られるとか」
「か、雷はちょっと」
「あら、嫌いなの?」
「すみません、苦手です」
「じゃあ、あれは?」
いつの間に雨が止んだのか、室長が顎で指し示した窓の外には、大きな虹が広がっていた。
「悪くないでしょう?」
室長は私の表情を確かめると、口角を上げてアクセルを踏み込んだ。
***
藤守さんの家から見上げる空は残念ながら一面雲に覆われて、どんよりと重たいその曇り空から、大粒の雨が降り注いでいた。
「はぁ…せっかくいろいろ考えとったのに、全部パァや…」
二人でのツーリングデートの為に準備をしてくれていた藤守さんの落ち込みようはかなりのものだった。
「私はこうして賢史くんの傍にいれるだけで、充分だよ」
「お前は優しいな。そういうところが大好きなんや!」
満足げに笑う藤守さんと並んで、私もソファに腰かけた。
藤守さんが立ててくれた計画は次回のデートでのお楽しみになってしまったけど、こうして身体を引き寄せられ、肩を抱かれているだけで、私は幸せ。
他にする事もないので、目に入った電車のDVDを鑑賞することにした。
映し出される内容は車窓からの景色が主だったけれど、私にとっては、隣で目を輝かせてる藤守さんを見ることが楽しい。
それに、電車のガタン、ゴトンという響きは心地良くて、聞いているだけで、穏やかな気分になっていく。
…どころか、居眠りしてしまいそう。
「寝てもええよ」
「でも、せっかく賢史くんと一緒にいるのに、寝るなんて、勿体無くて…」
「じゃあ、俺が起こしたる」
「?」
首を傾げていると、藤守さんは私の後ろに回って、背中越しにぎゅっと抱きしめた。
「まあ俺に任せとけ。絶対に眠くなくなる」
「うん…?」
「ちゃんと前見とけよ」
言われるままに、DVDの画面に視線を戻す。
すると、藤守さんの唇が、私の耳たぶ軽く咥えた。
「け、賢史くん!?」
「起きてたいんだろ?」
藤守さんは小さな声で笑いながら、私を指でつついたり、頬にキスしたり…
徐々にエスカレートする行為に耐え切れずに身悶えすると、藤守さんは抱きしめる腕に力を込めた。
「ベッド行こか?」
「うん…でも、DVD…」
「今は電車より、お前の反応の方が面白い」
私はちょっとムッとして、抱きしめられながら藤守さんをソファへ押し倒す。
藤守さんを見下ろして、そっと彼の頬に触れると、その手を彼が掴んだ。
「ベッド行くんやなかった?」
「そのつもりだったんだけど…」
「仕方のないお姫様やな…じゃあ、お姫様の望むままに…最高の快楽を与えたる」
唇を舌で舐め、そのまま深くキスをされる。
絡み合う熱、ひとつになる息…
全部が藤守さんと重なり、溶けていく。
私は身体を預ける代わりに、彼のシャツのボタンをひとつ外した。
数時間後、眠い目を擦りながら上半身を起こすと、時刻は夕方で、隣には藤守さん。
(そうか…あれから結局、寝室で…)
色々と思い出してはにかんでいると、藤守さんが薄目を開いた。
「俺の抱き枕…」
彼は眠そうな顔をしながらも、私の腕を掴んで自分の方へと引っ張った。
布団に包まれ、抱きしめ合ったまま、触れるだけのキスを何度も交わす。
「…また、するの?」
「そういう日があってもええやろ?」
「せっかく雨が上がったのに……」
「なら、後で外に飯食いに行くか。でもそれまでは……」
藤守さんは肩口に顔を埋め、私の弱い部分を刺激した。
その度に身体を震わせ、身悶える。
藤守さんはそんな私を抱きしめ、再び快楽を与えてくれた。
~終わり~
窓からは、最近出来上がったばかりのタワーが一望できる。
##IMGLU83##
「今、話題なんだよね。行ってみたいな」
##IMGU62##
「半年くらい経って混雑が落ち着いたら、俺が連れてったるよ」
「うん。楽しみにしてる」
来年の約束に笑みを浮かべていると、丁度料理がやってきた。
「ごめんな。本当やったら、デートで連れてってやりたいんやけど…最近、長いこと休みが合わなくて」
「ううん、良いの」
「いや、俺が良くない。こうして傍におって、それがつまらないってわけやない。けど、もっと、お前を楽しませてやりたいんや」
藤守さんの優しさに、胸がふんわりあったかくなった。
「賢史くん、休みの日って何してるの?」
「最近は、ツーリングやな」
「バイク?」
「うん。休みの日にはちょっと遠くまで走らせるんや。すっげー気持ち良い!」
満面の笑みを浮かべるので、その気持ち良さまで伝わってくる。
「お前、バイク乗ったことないんか?」
「うん。だから、ちょっと興味あるんだ」
「じゃあ、今度のデートはバイクで行こうか。お前が俺の後ろに乗って…そうやな、房総半島とか?」
「ステキだね。うん、行きたい」
「決まりやな」
バイクに乗ってデートなんて、わくわくする。
自然と笑みが浮ぶけど、それ以上に楽しそうなのは藤守さん。
「メットを用意して、ルートも調べて…なんたって、久しぶりのデートなんだから」
「ふふっ、そうだね」
「お前をあっと驚かせるような場所に連れてってやるよ」
「驚くような場所? どこかな」
「それは当日のお楽しみや」
藤守さんは、内緒、と言うように指を唇に押し当てた。
***
数日後、私は穂積室長と共に車でパトロールに出た。
##IMGU61##
「相変わらず、酷い雨ね」
##IMGLU83##
「そうですね。交通課も音を上げるはずです」
「アンタも元交通課だから、その辺りの事情は良く知ってるわね」
「元って言っても、もう捜査室にいる期間の方が長いですよ」
「そういえば、そうね」
室長は肩を竦め、ハンドルを切った。
「でも、どうして雨の時期になるとパトロールが多くなるんでしょうね?」
「雨で気が滅入って、憂鬱になったあげく、無茶やらかす。交通事故だけじゃなく、ストーカーや強盗も増えるわね」
納得していると、車が赤信号で停まる。
「室長は、雨で気が滅入ったりしないんですか?」
「このワタシが?雨ごときで?」
「…しないですよね、すみません」
「大体、雨が降らないと、米が出来ないでしょ。雨は米にとって恵みの水なのよ」
「そうですね」
私の返事に満足したようで、室長の首が何度か縦に振られた。
「滅入る気持ちも分かるけど、見方を変えればいいだけ。さっき言った米もそうだけど、キレイな雷が見られるとか」
「か、雷はちょっと」
「あら、嫌いなの?」
「すみません、苦手です」
「じゃあ、あれは?」
いつの間に雨が止んだのか、室長が顎で指し示した窓の外には、大きな虹が広がっていた。
「悪くないでしょう?」
室長は私の表情を確かめると、口角を上げてアクセルを踏み込んだ。
***
藤守さんの家から見上げる空は残念ながら一面雲に覆われて、どんよりと重たいその曇り空から、大粒の雨が降り注いでいた。
「はぁ…せっかくいろいろ考えとったのに、全部パァや…」
二人でのツーリングデートの為に準備をしてくれていた藤守さんの落ち込みようはかなりのものだった。
「私はこうして賢史くんの傍にいれるだけで、充分だよ」
「お前は優しいな。そういうところが大好きなんや!」
満足げに笑う藤守さんと並んで、私もソファに腰かけた。
藤守さんが立ててくれた計画は次回のデートでのお楽しみになってしまったけど、こうして身体を引き寄せられ、肩を抱かれているだけで、私は幸せ。
他にする事もないので、目に入った電車のDVDを鑑賞することにした。
映し出される内容は車窓からの景色が主だったけれど、私にとっては、隣で目を輝かせてる藤守さんを見ることが楽しい。
それに、電車のガタン、ゴトンという響きは心地良くて、聞いているだけで、穏やかな気分になっていく。
…どころか、居眠りしてしまいそう。
「寝てもええよ」
「でも、せっかく賢史くんと一緒にいるのに、寝るなんて、勿体無くて…」
「じゃあ、俺が起こしたる」
「?」
首を傾げていると、藤守さんは私の後ろに回って、背中越しにぎゅっと抱きしめた。
「まあ俺に任せとけ。絶対に眠くなくなる」
「うん…?」
「ちゃんと前見とけよ」
言われるままに、DVDの画面に視線を戻す。
すると、藤守さんの唇が、私の耳たぶ軽く咥えた。
「け、賢史くん!?」
「起きてたいんだろ?」
藤守さんは小さな声で笑いながら、私を指でつついたり、頬にキスしたり…
徐々にエスカレートする行為に耐え切れずに身悶えすると、藤守さんは抱きしめる腕に力を込めた。
「ベッド行こか?」
「うん…でも、DVD…」
「今は電車より、お前の反応の方が面白い」
私はちょっとムッとして、抱きしめられながら藤守さんをソファへ押し倒す。
藤守さんを見下ろして、そっと彼の頬に触れると、その手を彼が掴んだ。
「ベッド行くんやなかった?」
「そのつもりだったんだけど…」
「仕方のないお姫様やな…じゃあ、お姫様の望むままに…最高の快楽を与えたる」
唇を舌で舐め、そのまま深くキスをされる。
絡み合う熱、ひとつになる息…
全部が藤守さんと重なり、溶けていく。
私は身体を預ける代わりに、彼のシャツのボタンをひとつ外した。
数時間後、眠い目を擦りながら上半身を起こすと、時刻は夕方で、隣には藤守さん。
(そうか…あれから結局、寝室で…)
色々と思い出してはにかんでいると、藤守さんが薄目を開いた。
「俺の抱き枕…」
彼は眠そうな顔をしながらも、私の腕を掴んで自分の方へと引っ張った。
布団に包まれ、抱きしめ合ったまま、触れるだけのキスを何度も交わす。
「…また、するの?」
「そういう日があってもええやろ?」
「せっかく雨が上がったのに……」
「なら、後で外に飯食いに行くか。でもそれまでは……」
藤守さんは肩口に顔を埋め、私の弱い部分を刺激した。
その度に身体を震わせ、身悶える。
藤守さんはそんな私を抱きしめ、再び快楽を与えてくれた。
~終わり~
追記
名前:ジュン
本文:
賢史くん、賢史くん、賢史くーん。ぎゅっ←抱きついた
賢史くんと言えばバイクだよね。
ツーリングデート楽しそう。
それにしても今回は翼ちゃんが押し倒したり、ボタン外したり、大胆ですね。
賢史くんはそれにきっちり答えるんだろうな。
賢史くんとならツーリングでも、お家デートでも満足させてくれそう。
名前:小春&穂積
本文:
穂積
「『最高の快楽を与えたる』って、なんかVシネマのセリフみたいね」
小春
「さすがケダモノさんですね」
穂積
「でも藤守が下なのね」
小春
「さすがジュンさんですね、おっと失礼、翼ちゃんでした(^-^ゞ」
名前:冬子
本文:
まあ、藤守さんってば、さすがケダモノですね。
漢字で書くと獣なんですね。
素敵。なんか夏っぽい感じですね。←ちょっと違うか?
ツーリングデート、色々準備してたのに、残念でしたね。
でも、大丈夫。
お家デートも二人でいればとっても幸せですよ♪
本文:
賢史くん、賢史くん、賢史くーん。ぎゅっ←抱きついた
賢史くんと言えばバイクだよね。
ツーリングデート楽しそう。
それにしても今回は翼ちゃんが押し倒したり、ボタン外したり、大胆ですね。
賢史くんはそれにきっちり答えるんだろうな。
賢史くんとならツーリングでも、お家デートでも満足させてくれそう。
名前:小春&穂積
本文:
穂積
「『最高の快楽を与えたる』って、なんかVシネマのセリフみたいね」
小春
「さすがケダモノさんですね」
穂積
「でも藤守が下なのね」
小春
「さすがジュンさんですね、おっと失礼、翼ちゃんでした(^-^ゞ」
名前:冬子
本文:
まあ、藤守さんってば、さすがケダモノですね。
漢字で書くと獣なんですね。
素敵。なんか夏っぽい感じですね。←ちょっと違うか?
ツーリングデート、色々準備してたのに、残念でしたね。
でも、大丈夫。
お家デートも二人でいればとっても幸せですよ♪