『非公式Twitter』

番外編『雨の日は家デート』より~穂積編~

2016/07/07 12:18
私は室長と共に、少し遠くのレストランに来ていた(もちろんただ食事をするだけじゃなく、きっちり仕事付き)。

##IMGU61##
「食後は現場へ向かうからな」

##IMGLU83##
「了解です」

「じゃあ、それまでは仕事の話は無し」

パン、と両手を叩いて、室長はプライベートモードへ切り替えた。

「別に雨が嫌いってわけじゃないが、続くと少し鬱陶しいな」

「うん。髪のセットが決まらないの、気になる」

「それより、最近、俺とデートしてないのは気にならないのか?」

「あ、…それは、確かに…でも、私は、泪さんと一緒にいれるだけでも充分楽しい」

室長はふっと息を吐き出し、ちょっと乱暴に私の頭を撫でた。

「やっぱりお前は、世界一の女だな。俺が思ってる以上に、良い女だ」

私は彼の思いがけない言葉と行動に、驚いてしまう。

「だけど、たまにはわがまま言って良いんだぞ…今度の休みは、雨が降らなかったらどこかへ連れて行ってやる」

「え?本当?すごく嬉しい!」

「久し振りだから、遠出するか」

デートしなくて良いと言ったばかりなのに、いざ連れていってもらえると分かったら、胸が弾んだ。

「ただのデートじゃつまらないから、何か、お前を楽しませてやらないとな」

「私を楽しませる?」

「何かは秘密だが、まあ、期待しとけ」

私が食事を終えるのを待って、彼は伝票を持って立ち上がった。

「だから今日は、しっかり働けよ」

「はい!」

(泪さんとデート…ふふっ、楽しみ。晴れるといいな)

さっきまで殊勝な事を言ってたくせに、我ながら現金。

「俺とデートするのが嬉しいんだろ?」

「その通りです」

「なら、はじめからもっと甘えろ。お前の事なら、簡単に受け止めてやるよ」

その自信満々な態度に、室長からの愛の深さを感じて…。

私の頬は自然と緩み、笑みが浮んでいた。

***

数日後、私は小笠原さんが運転する車に乗り込み、パトロールに出ていた。

##IMGU63##
「…」

小笠原さんは、見るからに不機嫌そう。

その理由は、室長がかなり強引に小笠原さんをパトロールに引っ張り出したから。

完全に拗ねちゃってるけど、小笠原さんだって、刑事としてやる時はやると私は知っている。

「…今日もすごい雨ですね」

私がぽつりと呟くと、小笠原さんはあっさり「まだ続く」と言った。

「梅雨前線は消えたけど、ハワイ沖にあった低気圧が日本へ近付いてきている」

「そうなんですか…」

(泪さんとデートの日は晴れて欲しいな…)

心配になっていると、小笠原さんが軽く咳払いした。

「雨の日、家にいるからこそ出来る楽しみもあるよ」

「?」

「のんびり音楽を聞いたり、本を読んだり…お茶を楽しんだり。外に出れなくても、時間は有意義に使える」

「小笠原さんのおかげで、雨が好きになりそうです」

「そう?雨だと湿気が多いし、俺はあまり好きじゃないな」

(…どっちなんだろう…)

「長風呂も良いよ」

「え?」

「雨を見るのも鬱陶しいなら、風呂に入れば気が紛れる」

「なるほど…雨の楽しみ方って、いろいろあるんですね。ありがとうございます」

「俺は別に、何も…」

照れくさいのか、小笠原さんの横顔は、少し赤くなっていた。

***
泪さんとの、久し振りのデート。

楽しみにし過ぎて、顔が笑ってしまうのが抑えきれないけれど、私の気持ちに反して、空は灰色の雲が全体を覆って、今にも雨が降り出しそう。

待ち合わせ場所で不安と戦っていると、見慣れた車が私の傍へ横付けされた。

「待ったか?」

「ううん。今来たから」

嘘ですとっくに来てました。

自販機で飲み物を買って来る、と言って、室長は一時駐車場に停車して車を離れた。

もちろん私も付いて行く。

不意に、室長が空を見上げた。

「今、確かに…」

言い切る前に空から一気に大粒の雨が落ちてきて、アスファルトを塗り潰した。

室長に守られながら、急いで彼の車へと駆け戻る。

「これは豪雨になるぞ」

「そんな…」

どうにか車に乗り込んだけど、大雨で全身靴までびしょ濡れ。

「とにかく、一旦俺の家へ行くぞ。そのままだと風邪引くだろう」

室長は有無を言わせず、車を発進させた。

私を守ってくれたおかげで、彼の方がたくさん濡れている。

それでも文句ひとつ言わない姿に、申し訳なさが込み上げる。

「お前のせいじゃない。お互い様だ」

私の思考を室長は正確に察して、私が謝る前に、そう、言ってくれた。


室長の部屋へ着くと、彼は突然、私の手首を掴んだ。

何事かと思っていたら、シャワー室へと連れて行かれ、そのまま冷たい壁に押しつけられる。

問答無用のままに激しく口付けされて、息が出来なくなってしまうほど。

「急にどう、したの?」

「シャツが透けてる」

ハッとして胸元に視線を向ければ、言葉の通り、下着がくっきりと透けて見えている。

恥ずかしくて顔が火照っていく。

何とか前を隠そうともがくけど、室長が両腕を掴んで、離してくれない。

「もっと恥ずかしい姿、何度もさらしてるだろ?」

「それとこれとは…ぁっ、る、泪さんっ!」

声を吐き出す度に、シャワー室の中で響き渡った。

「相変わらず、良い声で鳴くな」

抵抗しようとすると、唇を塞がれる。

「俺の事しか考えられないほど、気持ち良くさせてやる」

室長に身体を撫であげられて、私は喉の奥で声を上げた。


その後、室長が満足するまで翻弄された私は、濡れた身体と汗をシャワーで流し、髪をタオルで乾かしながらリビングへ。

室長が私の好みに合いそうなワインを買ってくれてあって、私が、ワインに合いそうなおつまみを作る。

二人きりで過ごす時間はとても甘くて心地良くて…少し、飲みすぎてしまった。

室長に寝室へ運ばれて、ベッドへ寝かせられる。

「ゆっくり寝てろ」

「せっかく二人きりなのに…離れちゃうの?」

酔ったせいなのか、思わず甘えた声でねだってしまった。

「…お前、今日は何度俺を誘えば気が済むんだ?」

唇を合わせながら、シャツのボタンを外された。

シャワー室でのキスよりも、熱いのは…お酒のせい?

「今日はどこにも連れて行ってやれなくて、悪かったな」

「私、こうしてるだけで幸せ」

「そんな事言っても良いのか?朝まで離さないぞ?」

耳元で囁く彼の声に、少し間を空けて小さく頷くと、優しいキスが落ちてきた。

何度となく繰り返される口付けに、胸がときめく。

彼が私の胸元へ顔を埋めるその感触に身体を捩りながら、私は、何度目かの甘い声を上げた。

~終わり~
追記
名前:ジュン
本文:
こんにちは。

せっかくのデートなのに大雨に降られちゃって残念でしたね。

雨じゃなかったら室長はどこに連れていってくれだんだろう?

気になります。

しかし、有無を言わせずお風呂場で……なんて、さすが室長ですね。

そして、室長も相変わらずのケダモノ具合ですね(笑)

名前:小春&穂積&翼
本文:
小春
「室長、ちなみに今日は七夕ですよ」

穂積
「お、そうか。7月7日に一年振りで会うとなれば、当然7回(ピー)だよな。よし翼、あと5回せ」


「そんなだからジュンさんにケダモノ呼ばわりされるんです!」

穂積
「翼、ジュンのあれは『室長は賢史くんばりにエロいですね』という誉め言葉だぞ」

小春
(室長、『エロいですね』は誉め言葉じゃないですから…)

名前:冬子
本文:
いやーん、室長ったら大人ですねー。

ほんと、雨じゃなかったらどこに行くつもりだったのか?

それにしても、雨に濡れないように気をつけないといけませんね。

風邪はひくし、下着は透けるし……

室長、ちゃんとお風呂に入れてあげないと、ダメですよ!

夏風邪はしんどいですからね。

名前:澪
本文:
おはようございまーす。

予感はしていたんですが、朝から読むには少々刺激的すぎるお話でしたさすが室長。

室長と一緒の翼ちゃんはエロ可愛いですね( ´ ▽ ` )♪

晴れてても雨が降ってもすることは同じですけど(笑)、雨から庇ってくれる室長かっこいい。

相合傘もいいけどこういう突然の雨もいいなあ。風邪引いちゃ大変ですけど^_^;

コメント

コメントを受け付けていません。