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番外編『二年目の強化合宿』より~プロローグ~

2016/08/23 09:41

ギラギラと照りつける太陽の下で、私は目の前の建物を見上げた。

(まさか、また来る事になるとは思わなかったな)

ここは、下田にある合宿所。

そう、去年も行われた署内の強化合宿に、今年も参加する事になったのだ。

「まさか、また合宿する羽目になるなんて…」

「良い経験にはなるんだし、そう嫌な顔ばかりするな」

明智さんが小笠原さんをなだめている。

「三日間、講義から実技までプログラムびっしりやからな」

「空気も美味しいし、いい場所なのになあ」

「まあ、旅行気分とはいかないね」

「それでも、他課の職員と話す機会もあるから、いろんな話が聞けるわよ」

藤守さんと如月さんをなだめている小野瀬さんと室長の言葉を聞いて、私は、拳をぎゅっと握って気合いをいれた。

「そうですね、頑張ります」

「その意気よ。みんなも櫻井を見習いなさい」

室長に褒められて、ちょっと嬉しくなりながら、私はみんなの後を追って合宿所の玄関をくぐった。

合宿所の中には空調が効いていて、外よりは断然涼しい。

「部屋割りするわよー」

室長の元に集まって、捜査室に割り振られた部屋の中から、それぞれの部屋を決めてゆく。

「櫻井さんは女性だし、一番奥の部屋が良いんじゃない?」

「ここなら非常階段も近いし、いざという時は逃げられる」

「いざって…」

小野瀬さんと明智さんは真顔。

「気をつけてね。今回もこの合宿、女性は翼ちゃんだけなんだからさ」

「如月さんまで…」

言われて辺りを見回すと、やけに男性職員がこちらを見ている事に気付いた。

男性職員A
「おい、あれ…特捜の櫻井さんだろ?」

男性職員B
「ああ。こうして見ると、やっぱり…」

(なんだろう、悪口でも言われてるのかな…)

首を傾げる私に、小笠原さんが大げさなため息をつく。

「櫻井さんは、署内じゃ有名人だ」

「え?どうして?」

「去年に引き続き、この辛い合宿に参加する強い女性だからな」

「別に強い訳では…」

「それに櫻井は可愛いしな」

「か、可愛いなんて…」

「こんなクセのある捜査室で、櫻井さんは頑張ってるしね」

「自然と有名になるよ」

みんなから口々に褒められ、気恥ずかしくなる。

「まあ、女性として魅力があるのは良い事だけど…櫻井は他の課に渡さないわよ」

「出た。穂積の、櫻井さん可愛がり発言」

「最近は、娘みたいな扱いですよね」

「でも、今回は室長の言う事も分かりますよー」

「ああ。櫻井は俺たちの大事な仲間や。他の奴らには渡せへん」

捜査室の仲間だと認められる喜びに、自然と頬が緩んだ。

「さて、そろそろ時間ね。部屋に荷物を置いたら、指定された場所へ向かって研修を受けてちょうだい。個々の日程は事前の通知で分かってるわね?」

「ビッシリ予定が組まれていましたね」

「これから二泊三日休みなしか。辛いわー」

「文句言ってないで、さっさと行動!」

「ハーイ」

私たちは荷物片手に、決まったばかりの部屋へ向かった。

(初日の訓練が終わった後、彼と待ち合わせしてるんだよね。それまでは頑張ろう)

私は微かな笑みを浮かべ、部屋へ向かう彼の姿を目で追いかけた。


***

続く……
追記
名前:ジュン
本文:
こんにちは。

あの強化合宿が再び!

今回は皆さんどんな活躍をしてくれるんでしょう。

そして、どんな甘い夜を過ごすんでしょう。

楽しみにしていまーす(^-^)

名前:24TH
本文:小春さんお久しぶりです
何だか色々と知らぬ間にご迷惑をおかけしていたようで……申し訳ありませんでした

アブ恋での合宿ですか……
……ダメだ、考えたくない

それはそうと、4周年おめでとうございます!

名前:小春
本文:
ジュンさんこんにちは。

二年目の強化合宿ではジェラシー彼氏とお約束の甘々タイムがお楽しみ頂ける予定です。

のんびりお待ちください。

24THさん、ありがとうございます。お祝いとお詫びの言葉を頂き、大変恐縮しています。

拍手返信にて言い訳させて頂きますので、こちらではメンバーとの夏合宿をお楽しみくださいませ。

名前:冬子
本文:
強化合宿!

この暑いのに……

お巡りさんも大変だ。

今回も長編更新ですか?

小春さんもがんばれーっ

応援してます☆

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