『非公式Twitter』

番外編『二年目の強化合宿』より~如月編~

2016/09/12 08:59

初日の訓練を終えて道場へ向かうと、如月さんは一人で身体を動かしていた。

##IMGLU83##
「あれ?誰もいないの?」

##IMGU64##
「うん。みんな、もう風呂場に行ったからね」

如月さんと会えるだけで良かったのに、二人きりなんて嬉しい誤算。

「俺もひと風呂浴びたいけど、さっき組み手でちょっと膝を擦りむいちゃってさ」

「私、絆創膏持ってるよ」

如月さんの膝へ絆創膏を貼ると、彼は「気が利くなあ」と感心してくれた。

「ありがとう。これなら湯船にも入れそうだ」

「新しい絆創膏が欲しい時は……」

「こっそり翼ちゃんの部屋に行くから、その時はよろしく」

「うん、分かった。待ってるね」

口ではそう言ったけど、実際に一つの部屋で過ごしたりしたら絶対に怒られるだろう、という事は、二人とも分かってる。

「お部屋デートは合宿が終わって帰ってからだね」

「じゃあ、最終日にこの辺りを散歩しよう。翼ちゃんに見せたい、きれいな小川があるんだ」

「うん」

「約束」

小指を突き出した如月さんに笑いかけ、私は自分の小指をそっと絡める。

そのまま…引き寄せられるように、唇を合わせた。

***

2日目。

私は地下にある射撃場へ足を踏み入れた。

(射撃って、難しいんだよね)

苦手だけど、そのための訓練なんだから、と背筋を伸ばす。

##IMGU60##
「櫻井も、今日は射撃訓練か」

声を掛けてくれたのは、明智さん。

「明智さんもですか?でも、明智さんなら訓練しなくても…」

「腕があるからと言って、訓練を怠っていれば鈍ってしまう」

「明智さんは真面目ですね」

「手を抜きたくないだけだ」

「私も見習わないと…」

「お前は元交通課だから、あまり銃には慣れていないだろう」

「ええ、そうなんです。銃の衝撃に、身体がついてこれなくて…」

「そうすると、照準もズレてしまうだろう?そういう時は、こうやって構えれば安定する」

言いながら、明智さんはいつもと違う構え方をしてみせた。

「離れて、よく見ていろ」

パァン!すさまじい音と共に弾が飛び出し、的の真ん中へと命中。

「すごい、一発で…」

「今のは、全身を使って命中率を上げた撃ち方だ。怪我で銃が固定出来ない時に使う方法だが、筋力の無い初心者なら、このやり方から始めると良いと思うぞ」

「ありがとうございます」

「礼は良いから、撃ってみろ」

明智さんのやった通りに私も銃を構えて撃つと、さっきよりも明らかに命中率が高くなっている。

「良い腕してるじゃないか」

「いえ。明智さんの指導のお陰です」

「役に立てたなら良かった」

イヤーマフを外し、明智さんは満足げに頷いた。

「まあ出来れば、銃なんて実践で撃たない方が良いけどな」

「どうしてですか?」

「市民を危険な目に遭わせるかもしれないだろう?」

「あ……」

「俺は、銃なんてない社会を望んでるよ」

そこへ、明智さんを呼ぶ職員の声。どうやら、指導してもらいたい様子。

「悪い、ちょっと行く」

「はい。指導、ありがとうございました」

軽く頭を下げると、明智さんは手を上げて他の職員の指導へ行ってしまった。


***

最終日の訓練も無事に終わり、合宿所の廊下を歩いていると、向かいから来た男性に声をかけられた。

男性職員
「櫻井さん、毎日大変だったけど、最後までよくやりきったね」

「ありがとうございます。でも、それは皆さんも一緒ですから」

「ははは、だからこそ、女性の身で頑張ったきみは立派だと思うんだよ」

「恐れ入ります」

「控えめなんだね。きみみたいな人、好きだなあ。…ああ、人としてって尊敬する、って意味だよ」

「あ、ありがとうございます…」

尊敬だなんて恥ずかしくて、ちょっと困ってしまう。そこへ、突然肩を叩かれた。

「何してるの?」

「こ…如月さん!」

振り向くと、明らかに不機嫌そうな顔をして、如月さんが相手を睨みつけていた。

(どうしたんだろう、こーちゃん…)

男性職員
「いえ、ちょっとご挨拶を」

「挨拶してるだけ?じゃあ、もう行こう」

如月さんは短く言うと、私の手を掴んで、足早に合宿所を後にした。

小川の近くまで来て、やっと手を離してくれる。

「…こーちゃん、怒ってるの?」

「怒ってるよ」

そのまま、ぎゅっと抱きしめられた。

「俺、わがままだから…翼ちゃんが他の男と仲良くしてるのを見るのは嫌なんだ」

嫉妬されたんだと分かったら、如月さんの事が愛しくなった。

「愛されてるって感じがして嬉しい」

「愛してるよ。誰よりもね」

如月さんは私の顔を覗き込み、そっと唇を合わせた。

それで少し落ち着いた彼と、小川で水遊び。

はしゃぎすぎて濡れてしまい、芝生に寝そべる。

「翼ちゃん…服、透けてる」

「え…!?」

慌てて視線を向けると、確かに少しだけ下着が透けていた。

「ここに誰もいなくて良かったよ。翼ちゃんのセクシーな姿なんて、他の誰にも見せたくない」

グッと体重をかけられ、芝生の上に押し倒される。

戸惑っていると、如月さんが上に乗ってきた。

「俺って、本当にわがままだな」

「こーちゃん……」

「こんなに人を好きになったのは、翼ちゃんがはじめてだ」

如月さんの唇が、首筋に触れる。

「付き合いが深くなるほど、好きだって想いが募っていく」

「私も、前よりもずっとこーちゃんが好き」

「俺も。昨日より、今日の翼ちゃんが好きだ。だから、明日はもっと好きになる」

如月さんが顔を上げると、そこには彼だけが見せる明るい笑みが浮かんでいた。

太陽よりも眩しいその笑顔は、私の胸を甘く締めつける。

「ねえ、翼ちゃん。キスしていい?」

「…うん」

小さく頷くと、如月さんの唇が触れた。

そのまま、如月さんの指が私の身体をなぞっていく。

「翼ちゃんの顔、赤くなってる」

「もう…こーちゃんのせいだよ」

「青空の下で見る翼ちゃんの照れた顔って、余計そそられるな」

どこかいたずらめかして、如月さんが笑う。

その表情は、ベッドの上で見せる時で…だから、妙にどぎまぎしてしまう。

(青空の下で、こんな事をしているから?)

「翼ちゃん、目を閉じて。もっといいことしてあげるから」

「で、でも…」

「少しだけだよ。もちろん続きは、家でじっくりと…ね?」

耳元で囁く声に身体を震わせながら、私はもう一度頷いた。


~終わり~
追記
名前:ジュン
本文:
おはようございます!

明智さんは格好いいですね。

出来るからって怠けちゃいけないですよね。

こーちゃんは相変わらずのヤキモチ妬きさんですね(笑)

でも誰だって好きな人が他の異性と仲良くしてたら妬いちゃいますよね。

しかし、こーちゃんも外ピーだなんて(途中までだけど)……

捜査室の皆は大胆ですね(*^^*)

名前:如月&穂積
本文:
穂積
「如月の外ピーの凄いところは、完全にまだ空が明るい時間だってところよね」

如月
「えへへ!やっぱり若いからですかね?」

穂積
「えーと、スナイパー明智とハンター藤守はどこに行ったかしら?」

如月
「すみませんごめんなさい!」

名前:冬子
本文:
まあー、皆して外ピーなんですか?と思っていたら

こーちゃんは明るい時間帯からですか。

若さゆえの~~ですね


皆外ピーばっかりなら、Twitter部屋に蚊取りグッズを差し入れてあげたら喜ばれるかしら。

今いろいろありますよね。

昔ながらの蚊取り線香とか電池式とか。

いずれにしても『寄贈 藤原冬子』と書いておかなければ。


こーちゃんには特別に、浮気封じのお守りをつけてあげましょう。

そういう神社があるらしいですよ。

まあ、主に女性がいくことが多い神社みたいですけど、

こーちゃんなら大丈夫!

どうですか?冬子ったら気がきくでしょう?

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