『非公式Twitter』

番外編「ムーンライトセレナーデ」より~藤守編~

2016/10/26 17:50
藤守さんの家に着くと、ソファへ通された。

##IMGU62##
「やっぱり休みの日は、翼と一緒が落ち着くなあ」

「うん、私も」

藤守さんは手を伸ばし、優しく抱きしめてくれる。

その感触が心地良くて、私はうっとりと目を閉じた。

彼は、昨日、犯人を追って駆け回ったから疲れているはず。

「マッサージしようか?」

すると、藤守さんは大袈裟に手を振って、私から離れた。

「い、いや!ええよ、翼も疲れてるやろ」

「賢史くんほどじゃ…」

「大丈夫や!」

藤守さんは私の肩を優しく叩いて、ソファから立ち上がった。

(久し振りに二人きりなのに、なんだか寂しいな)

藤守さんは私から離れて、屈伸運動を始めた。

(気のせい、かな?賢史くん、私と距離を取っているような…まさか、これがマンネリ?賢史くん、私に飽きたの…?)

考えてもなかった事実に、戸惑いを隠しきれない。

そんな時、藤守さんのケータイが鳴り響いた。

「捜査室からや。休みの俺にかけるってことは、緊急招集か」



呼び出されて向かったのは、とある遊園地。

穂積
「これで全員集合したわね。実は、この遊園地内で、置き引き、盗撮、爆破予告という3つの事件が同時に発生したため園を閉鎖し客を退出させ…(以下略)」

藤守
「ほな、いっちょ犯人を探しますか!」

早速、私は、明智さん、小笠原さんと共に爆発物を探す。

その名も、チームM。

「紙袋とか、小さな箱とか…爆発物らしきものに注意して探していこう」

「放置されているバッグも、怪しそうですね」

「…了解」

公衆トイレや遊具の中など、奥の奥まで探していく。

さらに奥へ向かおうとした時、ふいに袖を引っ張られた。

何事かと振り返ると、足元に小さな女の子が佇んでいた。

「あれ?」

「おねえちゃんあのね、あたしのペットが、ゆうえんちから帰るとき、逃げちゃったの。ずっとさがしてるけど、見当たらないの」

「そっか…じゃあ、私が探してあげる。その代わり、ここは危ないから出てた方が良いよ」

「分かったー!」

女の子は元気良く返事をして、出口へと向かった。

小笠原
「あんな約束して……」

「爆弾と一緒に探せば、きっと見つかりますよ」

明智
「そうだな。逆にペットが迷い込んでいたら、この遊園地自体にも迷惑になる」

「じゃあ、あれは?」

小笠原さんが指差した方向へ目を向けると、ロングコートにサングラスをした男。

その男は従業員室のドアを開け、中に入った。

「挙動不審ではあるが、従業員か…?」

「いや、違うよ。今、ドアをピンキングツールで開けた」

そんな事をする従業員はいない。

男の目的は分からないけど、少なくとも、不法侵入の現行犯になる。

私たちは、従業員室へ乗り込んだ。

明智
「動くな! 警察だ!」

踏み込んだまさにその時、男は従業員の荷物の中からサイフを抜き取っているところだった。

「窃盗の現行犯だね」

小笠原さんが男に手錠をかけた。

室長に電話で報告すると、お手柄だと誉めてくれた。

さらに、偽物だったけど爆弾を見つけたと聞いて、私たちは顔を見合わせると、ホッと胸をなで下ろしたのだった。

***

すべての事件が解決し、捜査自体は終了。

ただ、園内にまだ爆弾が残っているかもしれないので、念のため、藤守さんと見回る事に。

二人並んで、無言で薄暗い園内の中を歩いていく。

(賢史くん、さっきから一言も喋らない)

ちらりと視線を向けると…。

「ここはグッと我慢、我慢…」

何かを呟きながら、そわそわしている。

(どうしてなんだろう?ここは、ちゃんと聞くべき?だけど、失礼かもしれないし…もしも、マンネリのせいだったら…)

悩んでばかりのせいか、頭の中で不安が渦を巻く。

そんな時、何かに引っ張られた気がして振り返ると、足元に、小さな小さな白いサル。

「キキー!」

「サルや!しかもこれ、ピグミーマーモセットっていう、珍しいサルやで」

「…あ!もしかして、さっき女の子が探していた、ペットって…」

藤守さんに事情を説明すると、彼は腕まくりをした。

「よーし!じゃあその女の子のためにも、捕まえてやるか!あっ、こら、待て!」

くるりと身をかわして逃げるサルの後ろを、勢い良く追いかける藤守さんと私。

必死にサルを追いかけると、サルはバイキングの方へ向かっていった。

停止している遊具に乗り込み、前後からサルを挟み込んで、呼吸を合わせる。

「いくぞ。せーの!」

同時に飛びかかるけど、サルはスルリと抜け出してしまった。

そして、勢い良く飛び出した私たちは、当然…

 ゴツン!

「痛ー!」

頭をぶつけてしまった。

お互い自分の頭をさすっていると、ふと、間近で目が合う。

すると…

藤守さんは突然私の肩を掴んで、バイキングの座席へ押しつけた。

「翼、俺、もう…!」

藤守さんが何か言いかけた、その時。

 ガコン!

「何や?!」

見れば、機械を作動させる場所に例のサルがいて…ボタンを押した。

声を上げる間もなく、バイキングが動き出す。

降りるのは危ないから、じっとしているしかない。

バイキングが、ゆっくりと左右に動き始めた。

「わ…!」

思わず声を上げてしまうと、藤守さんが手を握ってくれて安心する。

「何や、楽しくなってきたな!」

「そうだね」

「…って、もう終わりか。もっぺん乗りたいな」

「うん。でも、ほら。従業員さんが助けに来てくれたよ」

機械を無事に止めてもらい、私たちは再び見回りとサル探しへ…。

すると。

どこからか現れたサルが、自ら私の腕の中へ。

「こいつ…追い掛けた時は逃げたくせに」

「ふふ、でも、良かったですね」

「よくない」

突然抱き締められて、少し強引に、藤守さんにキスされる。

「あ、あの…」

少し恥ずかしそうにしながら、藤守さんが顔を近づけた。

「俺、最近ベタベタしすぎたやろ?だから、翼に嫌われるんやないかと思うて我慢してたんや」

(そうだったんだ…)

「けど、俺は今……翼の事、めちゃくちゃにしてやりたい衝動にかられてる」

藤守さんの言葉に、顔が赤くなっていく。

そんな私に、藤守さんが更に顔を近づけた。

「翼は、こんな俺でもええ?」

「もちろん。どんな賢史くんでも、大好きだよ」

藤守さんは微笑み、もう一度、優しいキスを落としてくれる。

そんな私たちを、夜空に輝く月だけが見つめていた。

~終わり~
追記
名前:小春&藤守
本文:
小春
「藤守さんは最初から最後までムラムラモヤモヤしてて、もう困った人です!」

めちゃくちゃ発言の前にはこんなやりとりも。


藤守
「翼のそういうところ、大好きや」

藤守さんは私を抱きしめ、おでこをくっつけた。

そして、今度はお互い目を閉じて……唇を重ね合わせる。

藤守
「今日は覚悟しとけよ、翼」


「ほ、ほどほどにね?」

藤守
「それはどうやろ」

藤守さんがイジワルな顔をすると、腕の中にいたサルが声を上げた。



小春
「ほら、サルにもツッコミ入れられてるじゃないですか」

藤守
「ケダモノからケダモノてツッコまれるとか、さすがにどないやねん俺」

如月
「小春ちゃん、陳情書!」

名前:ジュン
本文:
賢史くん、賢史くん、賢史くーん。ぎゅっ←抱きついた

ベタベタしすぎなんて!

そこが賢史くんのいいところでしょ。

めちゃくちゃにしたいとか、覚悟しとけとか…いや~んケダモノ発言(*ノ▽ノ)

もう賢史くん素敵すぎ!

本当に賢史くんは私のツボすぎて困っちゃいます(笑)

名前:冬子
本文:
サル、いえ、ケダモノ祭りですね ←なにが?(笑)

サルにもツッコミ入れられるって半端ない

ジュンさん、いえ、翼ちゃん大丈夫かしらん。

次の日仕事休んじゃったりして

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