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あなたの散らかった部屋が好き。
あなたの腕の中で眠りから覚めて、もう一度微睡む休日の朝が好き。
眠るあなたの温かい胸に耳をあてて、あなたの鼓動を聴くのが好き。
傍らに頬杖をついて、あなたの寝顔を見つめるのが好き。
私の頬をくすぐる、あなたの髪のやわらかさが好き。
金色の長い睫毛が好き。
差し込む光に揺れた瞼がうっすら開いて、あなたの瞳に私が映る瞬間が好き。
目覚めたあなたがまだ眠そうにおはよう、と目を擦りながら、私に微笑んでくれるのを待つのが好き。
ゆっくりと私を引き寄せたあなたが、そっと額にくれる口付けが好き。
昨夜の余韻を確かめるように、緩やかに私の頬を包むあなたの温かい掌が好き。
あなたと交わすキスが好き。
少し強引に奪われるのも、こんなふうに優しく求められるのも、好き。
耳元に吹き込まれるように、熱を帯びた低い声で誘われるのが好き。
指を絡めると力強く握り返してくれる、あなたの大きな手が好き。
あなたと触れ合うのが好き。
優しく囁かれるのも、いたずらな指先にくすぐられるのも、あなたの逞しい腕に抱き寄せられるのも、好き。
あなたに包まれるのが好き。
甘い吐息も、私の名前を呼ぶ声も、しっとりと滑らかな肌も、頼もしい胸も広い背中も、大好き。
私を見下ろして、濡れた髪を煩そうに掻き上げる艶かしい仕草が、好き。
私だけを見詰めている時の、切なくなるほど悩ましい真顔が好き。
あなたの重みと体温と、私への想いを感じるのが好き。
慈しむような優しい眼差しの合間に、垣間見せる荒々しい男の人の眼が、好き。
自信満々で余裕綽々ないつものあなたが好き、でも、汗に光る身体で息を弾ませるあなたも大好き。
求め合って、与え合って、呼び合って、応え合って、抱き合って溶け合って、爪の先まであなたで満たされて、その爪であなたに私の証を刻んでまた高まってゆく感覚が好き。
あなたしか見えなくて、あなたの声しか聞き取れなくて、あなたの事しか考えられなくなる瞬間が、好き。
そんな幸せな忘我の後の余韻が、たまらなく、好き。
あなたと出会えた、女に生まれた自分の身体が、好き。
私、子供っぽくて頑固で無鉄砲で、独り善がりで甘えたがりな自分が、好きじゃない。
だからって、遠慮して、我慢して、聞き分けの良い子になろうとして、意地を張ってしまう自分も、好きじゃない。
でも、あなたといる時の私は、自分を好きでいられるの。
それは、あなたが、今のままの私を好きだと言ってくれるから。
私ね、散らかっているあなたの部屋が好きなの。
だって、そこに足を踏み入れていいのは、私だけだと思えるから。
あなたの香りがするベッドが好きなの。
そこは私だけの場所だから。
完璧に見えるのに、完璧じゃないあなたが好き。
たとえオカマでも悪魔でも邪智暴虐の王でも、好き。
やきもちやきで暴君だけど私だけに優しいあなたが、好き。
言葉にしなくても、すべてを包み込んで抱き締めてくれるあなたが、好き。
……ううん。
大好き。
「……何を笑ってるんだ?」
「何でもない」
泪さん、私、あなたの全部が、大好き。
~END~