溺愛
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~穂積vision~
分かってる。
いつだって俺が悪いんだって事は。
微笑んで頬を染め、甘えるように身を寄せて見上げてくる翼の潤んだ瞳に、俺自身が映る。
職場を離れ、男女になる事を許される時刻と場所で、愛してやまない女の手が吐息が髪が、遠慮がちに俺に触れてくる。
いつも受け身の翼が、あくまでも控えめに、けれど誘うように、訴えるように、
俺を、俺に愛される事を、求めている熱が伝わってくる。
その瞬間に、どこかで何かが外れる音がするんだ。
こいつを感じたい、こいつに俺を感じさせたい。
服なんか脱ぎ捨てて、邪魔な物を全て剥ぎ取って、形ばかりの抵抗なんか唇で抑え込んで、
舌と指で溢れさせて、蕩かして追い込んで突き立てて、背中に爪を立てさせて、
抱き締めて抱き合って、結ばれて絡み合って、離れては繋がって何度も昇りつめて、
俺を受け入れて緩やかにうねる身体に打ち込んで吸い込まれて締め付けられて、何度も果ててはまた高め合ってくちづけて。
掠れた声で俺の名を叫びながら、汗ばんだ裸体を、濡れた頬を、懸命な唇を擦りつけてくる翼が愛おしい。
獣の行為の最中でも翼は可憐で、けなげで、そして淫らで、
たまらない。
だから、
達した瞬間に見せる白い喉笛に、牙を剥いて喰らいつきたくなってしまうのも、
誰の目にも留まるだろうそこに、所有の証として紅い痕跡を残してしまいたくなるのも、
卑猥な言葉を囁いて、もう桜色の翼の肌が、羞恥でさらに紅く染まるのを笑いながら組み敷いて、また意地悪をしてしまうのも、
俺が悪い。
分かってるんだ、
俺が悪いんだって事は。
それでも、
疲れて微睡みかける翼を揺り起こしてしまうのは、瞼が閉じて、その目に俺が映らなくなる事が惜しくて我慢できないから。
片時も離さずに腕の中で眠らせて、翼に一枚の布切れさえ身に纏うのを許さないのは、素肌が隔てられてしまう事が寂しくてたまらないから。
目の下にうっすらと浮かぶ隈と、くっきりと残る涙の跡を見れば、いつも後悔に胸が疼くけど、
やめられないんだ。
愛してる、翼。
悪いとは思っていても、拗ねたように赤い顔で睨まれても、半ば本気で困らせていると分かっていても、泣かれても叱られてもたまには蹴飛ばされても。
俺には、こんな愛し方しか出来ない。
~END~