ピンクゴールド・バースデー
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観覧車を降りた後、泪さんとハイタッチした係員さんの「おめでとうございます!」という声援に耳を塞ぎつつ、私は泪さんの手を引っ張って、逃げるように遊園地を後にしてきた。
翼
「……泪さん、誕生日のプレゼントだけど」
穂積
「ん?この後、帰ってからお前を食わせてくれるんだろう?」
繋いだ手を振りながら、火照った身体を冷ますように、灯りの落ち始めた街を歩く。
翼
「帰ったら、捜査室のみんなが待ってるよ」
穂積
「え?!」
泪さんは目を瞠った。
サプライズ、成功!
翼
「明智さんがお料理を作って、小笠原さんとモノマネを披露してくれて、藤守さん兄弟が漫才してくれて、小野瀬さんと如月さんがおもちゃピアノ演奏と歌を聴かせてくれる事になってるの。それに、私も、昼間、泪さんの好きなおつまみや煮物をたくさん作っておいたし」
穂積
「そこまで準備してくれてたのか……それは有り難いが、これからだと日付が変わるぞ。そしたらお前、また掃除が」
翼
「……あのね、その事だけど、泪さん。もう、ハウスクリーニングを頼むのは、やめてね」
穂積
「ん?気に障ったか?」
私は、首を横に振った。
翼
「泪さんの気遣いは、嬉しかった。でも、私じゃない誰かがあの部屋を掃除した事が、寂しかったの」
穂積
「……そうか」
泪さんは頭を下げた。こつん、と、私の額に額を当てる。
穂積
「俺とした事が、女心を分かってなかったな」
私は、傍に来た泪さんの肩に腕をまわして、抱きつくように引き寄せた。
翼
「泪さんの事は、ずっとずっと私がお世話してあげる。毎日お掃除して、お料理して食べさせてあげる」
穂積
「洗濯もな」
ちゅ、と鼻先にキスをくれた泪さんの唇に、私はキスを返した。
翼
「後でまたみんなと言うけれど、泪さん、お誕生日おめでとう」
穂積
「ありがとう」
泪さんの腕が私を抱き寄せ、そのまま抱え上げる。
穂積
「お前は最高の恋人だ」
泪さんの金色の睫毛が月明かりに煌めくのを見ながら、私も、私の最高の恋人を、思い切り抱き締めていた。
~END~