Tokyo☆アブナイ☆week
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翼
「……ッ、し、室長」
穂積
「黙ってろ」
首筋から鎖骨に沿って唇と舌を這わせながら、室長が、抱き上げていた私を会議用の長机の上に降ろして押し倒す。
翼
「だって……っ、んんっ!」
手早く背中のファスナーが下ろされ、ベアトップが開いて露わになった胸の頂に室長の吐息ととろりとした熱い舌を感じると、室長の頭を抱き抱えたくなるのを理性で食い止めた。
それでも、裸の背中に男の人の指が触れると、思考がショートしそう。
翼
「やっ、ぁあん……!」
穂積
「俺に声を聞かせるな、って言ってるだろ」
だったらそんな事しなきゃいいのに!
室長が顔を埋めているその胸の内で訴えながらも、私は、室長が、低い声で何かを早口に呟いている事に気付いて、耳を澄ませた。
穂積
「……第七十七条から第七十九条まで(内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助)の罪、第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)、第八十七条(未遂罪)及び第八十八条(予備及び陰謀)の罪、第百四十八条(通貨偽造及び行使等)の罪及びその未遂罪、第百五十四条(詔書偽造等)、第百五十五条(公文書偽造等)……」
翼
「……なんで、刑法第2条を暗唱してるんですか?」
穂積
「理性を総動員してるんだよ!」
胸から唇を離した室長が、身体を起こして私に怒鳴ってから、両手で顔を覆った。
穂積
「ああ、やべえ可愛い。このままだとここでお前を◎※★♂*∞◆しちまいそう。ていうかキスしていいか。駄目だよな」
室長、もう支離滅裂です。
翼
「今、明らかにキスより先に進もうとしてたくせに……」
穂積
「馬鹿。特別なんだろうが」
翼
「何がですか?」
室長が、顔を覆った指の隙間から私を見る。
穂積
「その……ウェディングドレスでの、キスは、だよ」
翼
「!」
私は、はだけたドレスを押さえて身体を起こしながら、しげしげと室長を見た。
翼
「それって、結婚式での、誓いのキスの事ですか」
穂積
「……だから!……本番まで、とっておきたいだろ?」
室長は耳まで真っ赤だ。
胸の奥が温かくなって、私は、思わず室長に抱きついた。
翼
「室長っ」
穂積
「馬鹿、そんな格好でくっつくな!せめて胸を隠せ!」
翼
「あ、きゃあっ!」
私は、手を離したせいで再びはだけ、腰まで落ちかけたドレスを引き上げながら、真っ赤になって叫んだ。
翼
「室長が脱がせたんじゃないですか!」
穂積
「お前がノーブラだから悪い」
私は情けない自分の姿に泣きそうになりながら、引き上げたドレスの胸元を両手で押さえると、ぶつぶつ言う室長に背中を向けた。
翼
「もう!早く、背中のファスナー上げて下さい!」
穂積
「えー?俺は、下げる方が得意なんだよ」
その時、ドアにコンコンとノックの音がして、笑いを含んだ小野瀬さんの声がした。
小野瀬の声
「ほーずーみ。刑法第3条まで暗唱するつもりー?カーテンコールが鳴り止まないよ。早く出て来てー」
再登場を促す呼び掛けに、私と室長は顔を見合わせた。
私はこの機を逃してはならないと思って、室長をちょっとだけ睨みつける。
翼
「早くしてくれないと、小野瀬さんにファスナー上げてもらいますよ」
あの人も下ろす方が得意そうだけど。
穂積
「あいつも下ろす方が得意だと思うけどなー」
同じ事を考えている室長が、ようやくファスナーを上げてくれる。
その途中、不意に、背中にちゅ、とキスされて、私の身体は跳ね上がった。
穂積
「翼、約束を忘れてないだろうな?」
翼
「……約、束……?」
ファスナーを上げ、私を背中から抱き寄せた室長が、肩越しに囁く。
穂積
「《Tokyo☆Week》が終わったら、嫌、って言われても抱いてやる、って言った、約束だ」
翼
「あ」
どきん、と胸が鳴った。
きっと、私を腕の中に抱えている室長には、その音が聴こえたはず。
穂積
「覚悟は出来てるか?」
ああ、どうして、この人の声はこんなに甘いの。
穂積
「愛してるぞ、翼」
耳元で囁かれて、身体を抱く腕に力が込められる。
振り返れば、ちょん、と鼻が触れ合う。
それなのに、もっと触れたいと思った途端に彼は私から離れて、「室長」に戻って先に歩いて行く。
私も急ごう。
この人と一緒に行きたいから。
翼
「私も、愛してます」
室長は振り返って、妖艶に笑った。
穂積
「知ってる」
室長が扉を開けると、この物語は終わる。
そしてまた、新しい物語が始まるのだ。
きっと、もっと、ドキドキするような出来事が、これからも私たちを待っている。
~《Tokyo☆アブナイ☆Week》END~
→おまけ♪