ホワイトデーの夜に
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穂積
「あの野郎、どさくさ紛れに、お前にキスしやがって」
小野瀬さんにかけられたリボンを外そうとしながら、泪さんがぶつぶつ言っている。
穂積
「くっそう。美味しいところを全部、小野瀬に持ってかれた」
私は笑いながら手を伸ばして、そっと、絡んでしまった泪さんのリボンをほどいた。
翼
「……でも、最高のプレゼントだよ」
泪さんの肩を抱くようにしながら言うと、泪さんが、私を見上げた。
翼
「だって、私が、一番、欲しかったものだから」
穂積
「……」
泪さんの指先が、私の髪を梳いてくれる。
穂積
「ごめんな」
私は、泪さんの首に抱きついた。
翼
「私こそ、意地を張って、泪さんに迷惑をかけて、ごめんなさい」
微笑む泪さんの目が、また私を見つめてくれるのが嬉しい。
翼
「もう絶対に、喧嘩なんて嫌」
穂積
「……翼」
泪さんの声が、私の名前を呼んでくれるのが嬉しい。
穂積
「俺もだ。でも、これからも、言いたい事は言えよ」
翼
「泪さん……」
うん、と頷いて、私は、泪さんの唇に自分の唇を重ねていた。
ぎこちないキスに、泪さんが笑ったのが分かった。
恥ずかしくて離れようとした途端、今度は泪さんが、私を求めて来た。
甘くて、優しくて、しだいに深くなる口付けに、気が遠くなりそう。
限界を感じて息を継ぐと、抱き寄せられて、背中が床についた。
今度は泪さんが、私を見下ろしている。
穂積
「今回ばかりは、小野瀬に感謝しないとな」
翼
「あ、あの要請書……、もしかして、泪さんと私に、丸一日お休みがもらえたって事?」
穂積
「そうだ。覚悟しろよ、翼。今夜は眠れると思うな」
泪さんはそう言うと、不敵な笑みを浮かべた。
穂積
「三倍返しで愛してやるよ」
……私のホワイトデーは、これから始まるみたい。
~END~
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