スポットライト*穂積編~番外編~
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
昨夜の余韻が隅々に
気怠い甘さを残してる
翌早朝。
出勤の支度をしながら、私はふと、クローゼットの前でネクタイを結んでいる泪さんに訊いてみた。
翼
「そう言えば、泪さん」
穂積
「何だ?」
翼
「あの衣装、今はどこにあるんですか?この家で見た事が無いですけど」
穂積
「あれか」
泪さんは、にやりと笑った。
穂積
「あれなら藤守にくれてやった」
翼
「えっ?!」
穂積
「捜査室に配属された後、刑事部の女装カラオケで悩んでたからな」
支度を終えた泪さんは、ソファーにどっかりと座った。
穂積
「身長も俺とそう変わらないから衣装の直しもいらん。小野瀬と二人で演技指導して、大会に送り出してやった」
翼
「……」
その光景が目に浮かぶようだ。
泪さんも思い出したのか、くっくっと楽しそうに笑っている。
穂積
「あいつの『魅せられて』は素晴らしいぞ。小野瀬に見せてもらえ」
泪さんの「素晴らしい」は「大爆笑」と同義語。
……今日、どんな顔をして藤守さんに会えばいいんだろう。
私の支度が終わったのを確かめて、泪さんは車のキーを手に立ち上がった。
穂積
「さあ、今日も張り切って仕事するわよ!」
泪さんが仕事モードに切り替わる。
オカマ口調だけど頼もしい、いつもの「室長」に。
それだけの事が、なんだか嬉しい。
翼
「はいっ!」
私は元気よく返事をして、その背中を追った。
~END~