思い出は胸の中に
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如月
「……は?」
穂積
「だから。『刑事警察・犯罪鑑識・犯罪統計・緊急特命捜査室』だ」
如月
「……あのー、オレの記憶が確かなら、刑事警察と、犯罪鑑識と、犯罪統計は、警察庁刑事局の、所掌事務三ヶ条なんですけど?」
穂積
「おっ。お前、賢くなったな。捜査第三課長に、厳しく仕込んで下さい、とお願いした甲斐があった」
如月
「は?!マジですか?!そのせいで、課長はオレに厳しいんですか?!」
穂積
「厳しくされるのは、お前の方にも問題があるんだろうが、まあ、多分な」
ちょっと!
みんな!笑い事じゃないよ!
穂積
「それはそれとして、どうだ?」
如月
「どうだと言われましても……」
ネーミングに不安しかない。
穂積
「いい顔だ。考えてる顔だな」
アンタこそ、なんで、そんな、いい顔でオレを見るんですか。
まるで、もう、オレが、これから言う答えが、最初から分かってるみたいじゃないですか。
そんな顔で見つめられたら、どうしたって、こう、答えるしかないじゃないですか!
如月
「そりゃ、決まってますよ!室長の下で働きたいです!」
穂積
「よし!」
パン!と、レストランじゅうに響き渡るような音で、室長が……
ああ、もう、『元・室長なんだ』なんて、思わなくていいんだよね……?
室長が、高らかに手を叩いた。
穂積
「決まりだ。前は『警視庁刑事部・緊急特命捜査室』だったが、来年の春からは『警察庁刑事局・緊急特命捜査室』だぞ如月!」
如月
「『警視庁の雑用室』が、『警察庁の雑用室』に昇格しただけじゃないんですか?」
穂積
「お前、本当に賢くなったな!そうだ。明智の身体能力と勤勉さ、実直さ、藤守の機動力と人一倍の優しさ、小笠原の明晰な頭脳と最新の技術、翼の記憶力と直感と弱者に寄り添う姿勢、そして、お前の明るさ、強かさ、捜査員としての天性の素質。現在の職場でのスキルもノウハウも、必ず役に立つ。そういう部署にするつもりだ。小野瀬にも手伝わせる」
小野瀬
「俺、聞いてないよ?」
穂積
「今言った」
強かさと天性の素質、って……室長に褒められるのは嬉しいけど、悪い予感が当たってしまったのは、嬉しいような、嬉しくないような。
穂積
「前回は藤守だったが、今回は、お前が、俺の、最初の部下だ」
ぽん、とオレの肩に温かい手を置いて、本当に嬉しそうに、にっこりと笑いかけてくる室長。
ああ、もうダメだ。
オレは、もう逃げられない。
わかるよ藤守さん。
藤守さんも、きっと、こうして、この人に魅了されちゃったんだね。
穂積
「4thシーズンはお前が主役だな」
如月
「えっ、マジですか?……4thシーズン、って意味分かんないですけど」
穂積
「新しいヒロインも用意してやる」
如月
「マジですか?!」
小野瀬
「前回のヒロインは穂積が獲っちゃったからねえ」
穂積
「可愛いぞ、俺の嫁は。写真見るか?待ち受けにしてるんだ」
小野瀬
「お前、結婚してオネエキャラを返上したと思ったら、まさか、こんな嫁バカキャラになるとは思わなかったよ」
穂積
「何とでも」
まるで明智さんみたいな事を言って室長が目を細めた時、レストランの窓の外に、その明智さんの歩く姿が見えた。
いつの間にか、室長の誕生日を祝う会の、集合時間が近付いてきたみたいだ。
合コンの仲間たちは、室長に、「お前たちも、一緒に祝ってくれ」なんて誘われて、その気になってるみたい。
オレは、こちらに気付いた明智さんに向かって、大きく手を振った。
明智さん、早く来て。
藤守さんも、小笠原さんも、翼ちゃんも。
みんなに、オレから伝えたいんだ。
信じられますか?
また、室長と一緒に働けるんですよ、って。
ああ、そうじゃない。
これから、また、新しい捜査室が始まるんですよ、って。
室長と、オレたちとで、もう一度、最初から始められるんです。
きっと、前よりもずっと大変だけど、必ず、前よりも、もっと楽しくなるはずですよ!って!
~END~
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