思い出は胸の中に
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穂積
「よーう、如月。久し振り」
如月
「ぅわ、室長?!あ、もう室長じゃなかった、え、えっと、警視正!」
って、何で?!
なんで、ここで、突然、この人が登場するの?!
小野瀬
「おやおや、如月くん。可愛い女の子達に囲まれて、ご満悦だね?羨ましいな」
小野瀬さんまで!
如月
「何ですか、お二人揃って?!」
ほら!もう!
女の子たちが、「イケメン登場!大歓迎です!」みたいな顔して、二人の為に席を空けようとしてるじゃん!
穂積
「何って、お前たちが呼んだんだろ?このホテルのレストランで、俺の誕生日を祝ってくれるって」
如月
「あー、いえ、それは、そうですけど!まだ、全然、開始時間には早いですよ?!」
穂積
「仕事が早く終わったんだよ」
小野瀬
「俺たちは、ほら、優秀だからね。まさか、如月くんが、集合時間の前に、同じ場所で、合コンを開催してたとは知らなかったけど。おや、隣を空けてくれたの?どうもありがとう」
穂積
「じゃあ、せっかくだから、少しだけ邪魔をするかな。如月、温くていいから、そこにあるビール注げ」
小野瀬
「うん、これが美味しいの?ありがとう、頂くよ。ああ、でも、フォークが無いな……きみ、あーん、してくれる?」
あああああああ。
穂積
「おっと、自己紹介を忘れてたな、失礼。俺は穂積、この如月の、前の部署での上司だ。こっちのスカした男は、小野瀬。覚えなくていいけど」
小野瀬
「よろしくね」
みんな揃って、はーい、じゃないよ!
特に男子!
なんで拒否しないの!
たった五秒で、男子まで、三十路コンビの圧倒的フェロモンにやられちゃったの?!
小野瀬
「それにしても、如月くん。こんな素敵なレディーたちと会っていながら、お茶だけで散会して、穂積の誕生日会に切り替えるつもりだったの?俺なら無理だな。ねえ?」
穂積
「時間の有効活用だろ。如月にはタイムリミットがあるから、毎日、せっせと恋活しないとなぁ」
室長!
あ、元・室長だ……じゃなくて!
タイムリミットの話とかしないで!
実際、最近、だんだん髪が細くなってきたような気がしてるんだからさ……!
穂積
「ん、おかわり注いでくれるのか?ありがとう。……俺?ああ、悪いな。合コンには興味がないんだ。第一、ほら、妻帯者だから」
ああ、室長、じゃない、元・室長の左手の薬指に、燦然と輝く、結婚指輪が……
穂積
「去年、結婚したばかりなんだ」
小野瀬
「嬉しそうな顔しちゃって」
穂積
「妬くな、妬くな。新妻が、翼って言うんだが、これが可愛いんだ。なあ如月」
如月
「そうですね」
そうですね!
あの、捜査室のアイドルで、オレの可愛い可愛い後輩だった翼ちゃんが、この、悪魔の花嫁になっちゃったなんて、ああ、いまだに悔しい!
翼ちゃんは、捜査室が無くなる時には、小野瀬さんの部下として、鑑識に配属される予定だったらしいんだ。
でも、「直接的に人と関わって、役に立つ警察官になりたい」っていう本人の意向もあって、生活安全部の中にある、生活安全特別捜査隊、子ども・女性安全対策班に異動したんだ。
「さくらポリス」って言う方が、分かるかな?
今は、目の前のこの悪魔のせいで、もうすぐ産休に入る為の準備中。
でも、今日は来てくれる、って言ってたから、会えるのが楽しみ!
穂積
「妊婦って、どうしてあんなに美しいのかな。ここだけの話だが、大きくなっていくお腹を見るたびに、尊敬する。毎日、惚れ直してるんだ」
ああハイそうですか!
いいですよ、そうやって、周りの女の子達からの好感度も、どんどん上げてっちゃえば、いいですよ!
仕事の方も、捜査室が無くなった後は警察庁に戻るのかと思ってたら、再出向して、おまけに昇進して、今は、警務部の人事課様ですもんね!
鬼に金棒、穂積に個人情報。
ますます無敵になって、また一歩「桜田門の魔王」に近付いた、って噂、聞いてますよ!
30代前半で警視正とか、もう、キャリアの出世コース、まっしぐらじゃん!
穂積
「なあ、如月」
如月
「なんですかっ?!」
穂積
「お前、また、俺の下で働く気はあるか?」
…………
如月
「……人事で?」
穂積
「そっちじゃない。後で、揃ってからにしようかとも思ったんだが、お前にだけ、先に話しておく」
ヤバい。
……胸が、ドキドキしてきた。
何を言い出すんだろう?!
……そんな顔して見つめられたら、オレ、期待しちゃうよ。
本当に、また、この人の下で働けるのかも、って。
本当に、あの頃みたいに、また、毎日一緒にいられるって意味なのかも、って!
穂積
「来年の春だ。警察庁の刑事局に、『刑事警察・犯罪鑑識・犯罪統計・緊急特命捜査室』が創設される。室長は俺だ」