思い出は胸の中に
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小笠原さんはね。
捜査室が無くなったら、元々所属していた、科学警察研究所に帰っちゃうんじゃないかなー、って心配だったけど、警視庁に残ってくれた。
小笠原さんのこと、冷たいとか、無愛想だとか言う人もいるけど、……まあ、そういうところも確かにあるけどさ。
ちゃんと正義感もあるし、周りの人をよく観察してるし、世の中から犯罪を無くしたいと思ってるのは、オレたちと一緒。
ただ、頭が良すぎるし、セレブで育ちもいいから、オレみたいな、すき焼きの肉は豚肉だと信じてたヤツとか、隙あらば男子校のお祭りみたいになっちゃう捜査室のノリとかには、付き合いきれない感じの時も多かったんじゃないかな。
「バカじゃないの?」なんて、よく言われたなぁ。
実は、照れ隠しの時にも、言うんだけどね。
飲み会や旅行にだって、なんだかんだ言いながら、必ず参加してくれたし。
冷たいんじゃないんだ、冷静で、意外と図太いだけ。
無愛想なのは、人との接し方が分からないから、相手を傷付けないようにしてるだけなんだ。
今?
情報処理の天才だから、捜査室が無くなってからは、サイバー…なんとか本部にいるよ。
サイバーセキュリティ対策本部?
それだ!冬子ちゃん正解!
サイビャーセキュイティ対策本部!
え?言えてない?あはは。
名前は難しいけど、大規模なサイビャー攻撃を防ぐだけじゃなくて、偽ショッピングサイトを摘発したり、スマホのセキュイティ…対策を呼び掛けたりもする、結構身近な部署なんだよ。
小笠原さんは、そこの難しい選考試験にパスして、上級捜査官になったんだ。
オレより1歳年上なだけなのに、スゴいよねえ。
ただ、コミュ力が不安なんだよなあ。
新しい部署で、人間関係作れてるのか、どうか、心配だよ。
まあ、捜査室であれだけ鍛えられたから、どこに行ってもなんとかなるよね、とは、思ってるけど。
小笠原さんの事は、小野瀬さんも気にしてたから、たぶん、大丈夫だと思うんだ。
小野瀬さんも、科学的警察研究所に戻らないで、警視庁に出向したままだし。
鑑識は激務だから、小野瀬さんみたいに有能な人、警視庁が手放すわけないよ。
でも、もし、小野瀬さんが警視庁を出ていくなんて事になったら、そりゃもう、大騒ぎになるよ!
なんたって、「警視庁の光源氏」でΓ魅惑の貴公子」で、恒例のアンケート「抱かれたい男No.1」では、10回選ばれて殿堂入りした、超イケメンだからね!
ファンクラブが黙ってないよ。
捜査室が無くなってからは、小野瀬さんと接する機会も減ったけど、そろそろ三十代も半ばなのに、いまだにモテてるもんなあ。
早く彼女作って、落ち着いてくれないかなあ。
そうしたら、小野瀬さんを諦めた女の子たちが、オレたち独身男の方に目を向けてくれるかも知れないのにさ。
あーあ、彼女欲しいなあ……
ん?
捜査室には、可愛い女の子がいる、って言ってたでしょ、って?
ああ、前に、そんな話もしたっけ?
エミさん、よく覚えててくれたね。
うん、いたよ。
いたんだけどね……