女心は秋の空
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小日向さんは、初日からよく働いた。
私の身長は、日本人女性の平均値とほぼ一緒。
小日向さんは、それより4~5cm低く、手足のサイズも小さい。
一度、手の平を合わせさせてもらったら、私より爪半分ほども小さな手だった。
その小さな身体で、目をきらきら輝かせて、いかにも楽しそうに私の後ろを付いて来て、どんな仕事でも喜んで手伝ってくれる小日向さんは、可愛かった。
休憩時間に、こっそりクッキーを割って半分をあげたら、次の日はチョコレートを持ってきて、半分、分けてくれた。
穂積
「櫻井~、小日向~、二人だけで、イイモノ食べてるじゃない?」
翼
「あ!あはは、あの……室長も、チョコ、召し上がりますか?」
穂積
「ありがとう、甘いものは遠慮するわ。小日向、櫻井先輩に、つまみ食いばっかり教わったら、駄、目、よ?」
と、 二人揃ってデコピンされてしまい、顔を見合わせて笑ったりもした。
小日向さんは、実際、私の後輩、という位置付けになっていた。
如月さんは早速、私にそうしたのと同じように、親しみを込めて「小春ちゃん!」なんて、呼び始めている。
翼
「小日向さん、私も、小春ちゃん、って呼んでもいいかな?」
小日向
「もちろんです!」
物覚えも良くて、明智さんに一度教わっただけなのに、絶妙なタイミングで、美味しいお茶を淹れてくれる。
鉄道警察隊からの異動という事で、ときに、電車好きの藤守さんから質問攻めにされていたり。
逆に、次に着任する通信指令センターの情報伝達について、小笠原さんを質問攻めにしたり。
そんな時でも、私と小春ちゃんはいつも一緒にいて、3日目には、私の方から終業後に食事に誘うほど、気のおけない相手になっていた。
翼
「すみません、では、私たち、お先に失礼します」
小日向
「失礼します」
如月
「翼ちゃん、小春ちゃんを独り占めなんてズルいなあ。オレも一緒にゴハン行きたーい!」
小笠原
「如月は、報告書が書き終わってないだろ?」
如月
「それは、そうなんですけどぉ!」
穂積
「櫻井は、初めて後輩が出来て嬉しいんでしょ。行かせてあげなさい、お姉さん風吹かさせてあげなさい」
如月
「はぁーい。小春ちゃん、今度はオレとも遊んでよね!」
小日向
「はい、ぜひ」
藤守
「安心せえ、如月。俺も書き終わるまで居残りや!」
明智
「胸を張ることでもないがな……」
穂積
「じゃあね、二人とも。気を付けてお帰りなさい」
小日向
「はい。ありがとうございます」
翼
「お疲れ様でした!」
こうして、みんなに見送られて、私と小春ちゃんは、捜査室を後にした。