ワルプルギスの夜
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~翼vision~
翼
「……あれ?」
明智
「どうした、櫻井」
声を掛けてくれた明智さんに顔だけを向けて、私は、ぱたぱたと自分の服に付いているポケットを叩いた。
翼
「携帯が……」
明智
「無いのか?」
机、ロッカー、コートのポケット、バッグの中。どこにも見当たらない。
明智
「呼び出してみようか」
明智さんはそう言うと、自分の携帯を取り出した。
明智
「どっちだ?」
翼
「あ、私用の携帯の方なんです。今日は実家に帰る事になってるんですが、残業になりそうだから、連絡しておこうと思ったのに……」
明智さんは頷き、アドレス帳から私の名前を探して、電話を掛けてくれた。
明智
「……」
翼
「……」
二人して耳を澄ましたけれど、静かな捜査室の中で、私の携帯の着信音が鳴っている気配は無い。
明智
「近くには無いようだな」
呼び出しを切った後、今度は明智さんも一緒に探してくれたにもかかわらず、携帯は見つからなかった。
明智
「とりあえず、遺失物届けを出しておけ。出勤途中で落としたのかもしれない」
翼
「はい。もしかしたら今朝、自宅に忘れて出て来たのかもしれませんし」
明智
「帰って探してみるしかないな」
……朝、確かに通勤バッグに入れたはずなんだけどなあ。
何となく気持ち悪いけど、とりあえず、今は他に方法が無い。
私は遺失物届けを出し、明智さんと共に、今日の分の報告書の作成に取り掛かった。