ユーカリ
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~小笠原vision~
俺の名前は小笠原諒。
科学警察研究所から警視庁に出向して、今は刑事部の緊急特命捜査室に所属しているよ。
主な仕事は情報処理、専門分野はプログラミング。
人間相手よりパソコンと向き合っている方が気楽。
だって、プログラミング通りに動くだけの機械と違って、人間の、特に犯罪者の行動なんて、支離滅裂で理解不能じゃない?
世の中全ての人間が、正しい情報と冷静な判断力、一般常識と少しの想像力という物差しを持てば、警察の業務は、現在よりも確実に65%は減ると思っている。
突発的な感情や非論理的な要素こそ人間らしさだと言う意見もあるけど、俺にはよく分からないな。
例えば、4日後に予定されている、室長の誕生日会。
現代の常識に当て嵌めてみれば、職場で上司の、それも三十路の男性の誕生日を祝うとか、ありえないと思うんだけど。
しかも命令で嫌々参加させられる訳ではなく、部下たちの方から自然発生的に誕生会を開こうって言うんだから、信じられないよね。
俺?
……誤解の無いよう補足しておくけど、俺、室長の誕生日を祝う事を否定しているわけじゃないよ。
行きたくないわけでもないし、誘われるだろうから行くし、プレゼントだって用意しようと思っているし。
室長だって、みんなだって、俺だけ宴会にいなかったら気にするだろうと思うし。
……
……何だろう。
まだ、直接誘われたわけでもないのに、もう、自分がその場にいる事が当たり前だと思ってるなんて。
科警研で働いてた頃なら、誰からだろうと何度誘われようと、断って無視して終わりだったのに。
他人と関わるなんて煩わしい、必要無いしそれでいいと思ってたのに。
どうせ職場関係なんて上辺だけ、俺も相手も本当はお互いに興味なんて無い。
そう思ってたのに。
……
……どうやら、俺、自分でも気付かないうちに、捜査室に染まってきたみたい。
強引で、お節介で、俺の事なんか放っておいてくれればいいのに、決してそうしない。
あの室長に、染められたみたい。
…………嫌な気分じゃないけど。
…………困ったなあ。
室長が喜びそうなプレゼントなんて、下品な物しか浮かんで来ないよ。