ユーカリ
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~藤守vision~
俺の名前は藤守賢史。
名前はケンジやけど、警視庁緊急特命捜査室の刑事や。
捜査室の仕事は下着泥棒さんを張り込んだり、変態さんを追っかけたりして毎日キツいけど、俺頑張ってるで!
今の悩みはクリスマスを一緒に過ごしてくれる彼女がおらん事と、5日後の室長の誕生日のプレゼントがまだ決められへん事や。
室長はうちの兄貴より一つ年下なんやけど、俺にとっては頼れる職場の兄貴、って感じ。
少年課で取り返しのつかんような失敗をやらかして、胃潰瘍で入院するほど神経すり減らしてた俺を、最初の部下として捜査室に入れてくれた。
少年課の課長から100円のコーヒーと引き換えにもらい受けたのよ、なんて言うてはるけど、それが事実でも冗談でも、今となってはそうしてくれた事に感謝してる。
室長の部下になったからこそ、入院のきっかけになった事件とも再び向き合うて、気持ちの整理がついて、立ち直る事が出来たんやから。
俺はまあそんな感じで神経質やねんけど、室長もああ見えて、繊細で部下思いなんやで。
捜査室が発足して間もない頃やったと思うけど、俺と如月がちょっと口論になった時、その当時は俺らとまだぎこちない関係だった明智さんが、一旦俺らを部屋の外に出した後、しばらくしてから事情を聴きに来てくれはった事があった。
ずっと後になって、明智さんから、実は俺らのところに来たんは室長に促されたからで、明智さん自身、もっと視野を広げて、後輩たちの関係にも目を配れと諭されたからだった、と苦笑混じりで明かされた。
当時の俺たちは、仲裁して話を聞いてくれた明智さんには感謝したものの、その行動の裏に室長がおったなんて考えもせんかったから、本当の事を知った時はぐっと来たわ。
そんな室長へのプレゼント。
せっかくやから、ずっと使ってもらえる物とか、思い出に残るような物をプレゼントしたいやんか。
俺、あの人大好きやねんから。
しょっちゅうムチャ言う暴君で、しょっちゅう悪魔で妖怪で、しょっちゅうプロレス技かけられたりたまに水鉄砲で水かけられたりするんやけど。
俺は陸上部やったから、前を走る背中を見ると追い抜きたくなるはずやのに、あの人の背中だけは、ずっと後ろをついて行きたいと思うてしまうねん。
俺からのプレゼントを受け取って、あの人が返してくれる笑顔を見たいと思うてしまうねん。
何がええやろか……。