ユーカリ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
~明智vision~
俺の名前は明智誠臣。
警視庁刑事部、緊急特命捜査室に所属する捜査員、まあ、いわゆる刑事だ。
現在、俺は、一つの悩みを抱えている。
6日後に予定されている、職場の上司の誕生日会に持参するプレゼントについてだ。
上司の名前は穂積泪警視。
緊急特命捜査室の室長だから、俺たちは普段、階級ではなく『室長』と呼んでいる。
俺は彼を尊敬しているので、誕生日をお祝いする会を開くと言われれば、出席するのはもちろん吝かでない。
むしろ積極的に参加したい。
『桜田門の悪魔』などと陰口をたたかれ、恐れられている室長だが、任務で受けたトラウマを抱え、使えない狙撃手となってSATでくすぶっていた最悪の時期に、捜査室に誘ってくれた恩を、俺は忘れてはいない。
あの時の室長のおかげで、今、俺は、警察官として生き続けていられるのだから。
しかし、参加するからには、手ぶらで、というわけにはいかないだろう?
室長は、仕事以外では大雑把……いや寛容で男らしいから、プレゼントを強要したりはしない。
何を贈ってもきちんとお礼を言ってくれるし喜んでくれるし、逆に何も準備していかなかったとしても、怒ったり、根に持ったりしない。
もしかしたらその場のノリでプロレス技をかけられたりはするかもしれないが、それはきっと他の参加者からの非難やこちらの後ろめたさを消す為にしてくれるだけで、実際、そういう時の技は、かけられても痛くない。
俺の趣味は、ケーキを焼くことだ。
だから、メンバーの誕生日に俺がバースデーケーキを作って持っていく事はもはや暗黙の了解、予定調和のひとつにさえなっている。
今回ももちろん、新作のオレンジタルトを披露するつもりで準備しているのだが、しかし、室長は甘いものが好きではないから、これは室長個人と言うより、会の為に提供するようなものだ。
となると、バースデーケーキをプレゼントの代わりにするという、いつものパターンは使えない。
俺は贈り物のセンスなど皆無なので、正直ケーキで済ませられれば大助かりだったのだが……
ううむ。
どうしたものかな……。