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~翼vision~
泪さんは、女性にモテる。
顔立ちは端正だし、背が高くて脚だって長くて、頭はいいし力は強いし仕事が出来るし男らしい。
乱暴で強引で、鬼だとか悪魔だとか噂されるけど、本当は誰よりも優しいって事、私は知ってる。
すごく近付くと微かにいい香りがする事も、広い胸に抱かれて髪を撫でてもらうと温かくて気持ち良い事も、囁く声がたまらなく甘い事も、私は知ってる。
あの人がどんなふうに女性を愛するのか……知ってるのは、私だけじゃないかもしれないけど。
でも、今は。
今は、私だけを愛してくれてるの。
……なんて。
グラビアに嫉妬するなんて、本当に、ばかみたい。
でも、聞いてみたい。
どうして、私なの?
……だって、泪さんは本当に素敵な男の人だもの。
世の中には、こんなにたくさんの女性がいるんだもの。
恋人が欲しいと思ったら、お相手はたくさんいたでしょう?
私よりも大人で、仕事が出来て、綺麗で、スタイルが良くて、聡明で……泪さんの隣が似合う女性が。
それなのに……
教えて欲しい。
どうして、私なの?
本当に、私でいいの?
……泣きたくなってきちゃった。
~穂積vision~
翼のやつ、給湯室に行ったきり戻ってこない。
しまったなあ、エロ本を大量に見せ過ぎて、不快にさせたか?
それとも、俺がグラビアを眺める姿に幻滅させたか?
ある程度は集中していたが、だらしなく顔に出るほど熱中してはいなかったと思うんだが。
……どっちにしても、俺が悪いよな。
俺だって、翼が、ボディービルダーや、爽やかなスポーツ選手に見惚れてたら、複雑な気持ちになるだろうと思うしな。
まあ……、謝っとくか。
穂積
「櫻井」
翼
「あっ……すみません」
穂積
「……びっくりした。何で、泣いてるの?」
翼
「……すみません……」
穂積
「とりあえず、捜査室に戻りましょ。…………ほら、こっち向いて。どうして、そんなに謝るの?」
翼
「……」
穂積
「……もしかして、ワタシのせいだったら、謝るわ。ごめんなさい」
翼
「室長のせいなんかじゃ、ありません」
穂積
「だけど……仕事とはいえ、見たくないものを見たせいで、アンタが不快に感じたなら」
翼
「違います!」
穂積
「……違う?じゃあ、どうして……」
翼
「……室長は、本当に、私でいいんですか?」
穂積
「は?」
翼
「……だって!グラビアの女の人たちは、みんな綺麗で、色っぽくて、……む、胸も、大きくて」
穂積
「……」
翼
「室長なら、どんな女の人でも選べるのに……って、どうして、笑うんですか?!」
穂積
「……ごめん、だって、そんな事考えてたなんて……ああもう」
翼
「笑い過ぎですよ!」
~翼vision~
二人きりになった窓際で、泪さんの指先が、私の頬をするりとなぞる。
初めて気持ちを交わした、あの日をなぞるように。
机の上に押し倒されて。
私の耳に唇を寄せて、泪さんが甘い声で睦言を囁いてくれる。
好きだよ、って。
そう、そんなふうに囁いて。
頬にキスして抱き締めて。
私が聞きたい言葉を聞かせて。
そう、そんなふうに私を見つめて。
魅力的な女性はたくさんいるのに、あなたは、私を選んでくれた。
その眼差しを、私以外には向けないで。
私を一番好きでいて。
ねえ、泪さん。
知っているけど、知りたいの。
分かっているけど、教えて欲しい。
あなたが私を愛してること。
確かめて、安心して、満足したいの。
私たち、両想いなんだってこと。
穂積
「……翼、抱きたい」
翼
「……み、耳元でそんな事、囁かないで……」
穂積
「他の女で昂って、お前で処理したいわけじゃないから安心しろ」
翼
「……私だから、欲しい?」
穂積
「そうだ。……俺はもう、お前じゃなきゃ満足できないカラダになっちまったんだよ」
翼
「……やらしい言い方しないで」
穂積
「お前が勝手に想像してるんだろうが」
翼
「……」
穂積
「早く、帰ろう。俺はもうここでもいいけど」
翼
「さすがにここではダメ!」