『アブナイ☆恋の共同生活』
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11/02(Mon) 16:55
間が空いてしまってすみません
小春
ジュンさんありがとうございます。
すっかり遅くなってすみません。m(__)m
季節外れ感満載ですが体育祭午後の部ですm(__)m。
応援席。
藤守家の応援席では、誠臣と翼が昨夜のうちから仕込んで今朝仕上げてきた豪華で大量のお弁当が、ものすごい速度で消化されていた。
なにしろ大所帯なのだ。
藤守兄弟だけでも七人。
それに翼と小春、飛び入りの櫻井父。
さらに、誠臣の近くにはなぜかともととも父。
諒の隣には紅花が、それぞれにこにこしながら座っておにぎりを頬張っている。
そこへ、「藤守先輩」と声がして、ジュンが近付いてきた。
賢史
「さっきはすまんかったな。兄弟そろって医務室とか、めっちゃ恥ずかしいわ」
ジュン
「真面目に頑張ってくれているからですよ。お兄さん、大丈夫ですか?」
泪が返事をする前に、葵がウインクした。
葵
「平気平気。泪は丈夫だからね。あんなケガ、翼ちゃんがほっぺにキスしてくれたらすぐ治っちゃうんだ」
一同がどっと笑う。
泪
「おい……」
葵の軽口に泪が反論しかけたその時、泪の右の頬に、柔らかいものが触れた。
泪
「?」
振り向いた泪の目の前には、真っ赤な顔で目を潤ませている、翼。
泪
「……」
ということは、今のは。
泪
「……!」
葵
「ほら、泪。痛みなんて、どっかいっちゃっただろう?」
笑う葵に肩を抱かれ、兄弟たちに冷やかされ、徐々に状況を把握していくにつれて、泪の顔もまた、赤く染まってゆく。
泪
「(勘弁してくれ、可愛すぎる…)」
そっと櫻井父を見れば、気付かぬふりを装って、視線を無人のグラウンドに向けていた。
泪はもう一度、翼を見る。
翼
「早く治ってくださいね」
恥じらいながら微笑んで見つめ返されたら、本当にもう痛くない。
見つめていると、翼の方が耐え切れずに立ち上がった。
翼
「…えっと、そうだ、私、午後の競技の準備があるからもう行かないと。あの、ごちそうさまでした」
葵
「こちらこそ、ごちそうさま」
茶化す葵を軽く叩きながら、走り去る翼の後ろ姿を見送る泪の目に、ふと、見覚えのある色が映った。
泪
「(……澪?)」
澪は、この学校の教師を務めている空間セツナの従妹だ。
だから、ここにいてもおかしくはないが…
首を傾げた泪だったが、すぐに葵や公平に引き戻されて、再び、昼食に戻った。
そろそろ体育祭切り上げたいですね。
しかしやや盛り上がりにかけていますか?
登場人物の皆さんお願いしますよ。←
ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
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11/03(Tue) 20:34
お願いされたので頑張ろうとは思ったんですよ(笑)
澪
翼
「(皆の前だったのに、つい……泪さんの頬に、キス、しちゃった )」
賑やかな応援席を離れ、未だに熱の残る頬を押さえながら、翼は体育倉庫に向かっていた。
倉庫の扉を開けると、午後一番の応援合戦で使用するポートボール台を二つ、重ねてなんとか持ち上げる。
倉庫を出てグラウンドまで戻り、他の準備係と確認しながら台を配置する。
まもなく始まる応援合戦の後、また片付ければ翼の役目は終わりだ。
その後には、体育祭の目玉のリレーが待っている。
翼
「(応援合戦が終わる頃に来ればいいし、一度皆の元に戻ってもいいけど……)」
グラウンド脇まで戻ってから、翼は応援席に視線をやった。
兄弟たちと楽しそうにしている泪の姿が、いや、泪の姿しか目に入らない。
翼
「(ダメ。今、どんな顔して戻っていいのかわからないよ)」
また赤くなりそうな頬を隠すように、翼が俯きかけた時だった。
視界となった足元にこちらを向いた運動靴が並んで、咄嗟に顔を上げる。
翼
「あ……」
顔を上げた先にいたのは、以前翼を夏祭りに誘った同級生の武井だ。
どちらかというと派手なタイプで、翼はあまり親しくない。
武井
「櫻井、準備係?」
翼
「あ、うん。武井くんもそうだったっけ?」
武井
「俺?違う違う。っていうか話あるんだけど、今いい?」
そう聞かれた正直な翼がつい頷くと、武井は「こっち、来て」と背を向けた。
体育倉庫の脇まで来た武井に、翼は距離を保って足を止めた。
今日は倉庫への人の出入りも多く、倉庫の脇も人目に触れないわけではない。
しかし同級生と言えどあまり親しくもない相手への、翼の無意識の緊張だった。
翼
「あの、話って何?」
翼の声に振り向いた武井は、思いがけず真剣な顔をしていた。
武井
「櫻井さ。さっきキスしてたの、彼氏?」
翼
「!」
さっきキスしてたの。
見られていたことに気付いて、翼の頬はみるみる赤くなった。
その様子を見る武井の表情に笑みが浮かぶ。
武井
「ははっバレバレだって。かっわいー。で、やっぱ彼氏?」
翼
「あの、えっと……」
藤守家で共同生活を始めて、約半年。
肝試し、家庭訪問、夏祭り……色んなことがあった。
そしてその度、泪と翼はお互いに歩み寄ってきた。
翼は思う。
私は、昔から泪さんが好き。
そして……きっと、泪さんも、想ってくれている。
だけど。
翼
「(彼氏って言って、いいのかな……)」
これまで泪と交わした言葉からも、行動からも。
応援席での葵の口ぶりからも、周囲の反応から見ても、泪と翼は恋人同士そのものだった。
それは翼にもよくわかっていた。
しかし、如何せん恋愛経験がない翼には、それで恋人と言っていいのか判断がつかない。
好き。付き合おう。
そういう言葉を交わしていないことが、翼を躊躇わせていた。
武井
「なに?あれ、彼氏じゃねーの?それならさあ、」
グラウンドから、午後の競技が始まるアナウンスが聞こえてくる。
翼
「ごめん、私戻らなきゃ」
それを機に言葉を濁したまま立ち去ろうとした翼の腕を、武井が捕まえる。
武井
「待てよ。なあ櫻井、どうなんだよ」
翼
「あのっ、離して……!」
翼は少し力を込めて、武井の腕を振り払う。
払いきった先に見えた武井の顔が怒りを含み、翼に再び手が伸びた時だった。
急に視界に入ってきた高い位置の金髪に、翼はどきりと顔を上げる。
翼
「……!」
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11/03(Tue) 20:36
思った止まりですすみません
澪
澪
『ワーオ、やっぱりこの前の!倉庫にいたら声がしたから誰かと思ったんだけど、どこかで聞いたことある声だなぁって思ったのよ!』
驚いた表情の翼と武井を前に、ジャージ姿の澪は感激した様子で翼に英語で捲し立てた。
翼
「え、あの、あの……澪さん、でしたよね?英語、よくわからない……」
武井
「おい、誰……櫻井、知り合い?」
戸惑う二人の前で、澪はにっこりと笑って翼の肩を抱く。
澪
『こんなとこで男の子と二人でいたら、泪がヤキモチ焼くよ?』
翼
「るっ、泪さん?」
落ち着いて聞けば、簡単な日常会話だ。
先ほどよりゆっくりと話した澪の言葉に出た泪の名前に、翼が焦った声を出す。
すると、それを耳敏く聞いた武井が翼を見つめる。
武井
「ルイ、っていうんだ?彼氏」
翼
「あ……」
再び戻った話題に翼が言葉を詰まらせると、澪が武井に顔を向ける。
澪
『正解!そう、それね、「カ・レ・シ」』
翼
「っ、澪さん!」
武井
「なーんだ、やっぱそうなんじゃん。つーかお姉さん、アンタ誰」
澪
『ボランティアに来た泪の友達。ほら、もうすぐリレーの時間だから。戻った戻った!』
途端につまらなそうな表情を見せる武井と、戸惑いを隠せない様子の翼。
二人を連れてグラウンド脇まで出た澪は、先に武井を戻してから翼に向き合った。
澪
「驚かせてごめんね。来年教育実習に来れるように、恩売りボランティアに来てるの。母校が遠いからねー」
日本語を話した澪に、翼は少しほっとしたように表情を緩ませた。
翼
「そう、なんですか。それで英語を?」
澪
「私はALTみたいな使われ方するから学校では英語で話すことって約束があるの。今度授業の手伝いに来る予定なんだけど、今日は強制参加みたいなもん。……それより」
泪と同じ澄んだ碧眼に見つめられ、翼は少し緊張した視線を返す。
澪
「前からあったの?ああいうこと」
翼
「いえ……、武井くんとはあまり親しくなくて。前に夏祭りに誘われて、断ったくらいしか」
夏祭り。
その言葉を聞いた澪の表情は一瞬強張ったものの、翼に優しく微笑む。
澪
「このこと、泪に言わなきゃだめだよ」
でも、と口を開いた翼に諭すように、澪の口調はより穏やかになった。
澪
「泪のことが好きなら、言わなきゃ。アイツああ見えて心配性なんだから。泪を不安にさせたい?」
その言葉にふるふると首を横に振った翼の頭を澪の手が撫でる。
澪
「言葉にしないと伝わらないからね。あなたは悪いこと何もしてないんだし、ちゃんと前向いて、胸張って」
翼
「──はい。あの、ありがとうございました」
翼が頭を下げると、応援合戦に参加していた生徒たちが退場してきた。
翼
「あ!ポートボール台、下げなきゃ」
澪
「よし、行ってき……やっば、私も倉庫整理の後校門の番交替行くんだった!」
じゃあね、気をつけなきゃダメだよ!と叫び、慌てて校門に駆けていった澪に思わず笑顔になった翼は、集まってきた他の準備係とともに片付けを始めた。
その頃。
澪
「(何やってんだろう……でもあの子見てたらもどかしいわアブナイわでつい……それに、あの子を見る泪の顔、悔しいけど……いやでもあの子、まだ彼氏って言い切れなかったみたいだし……いやでも見た感じ完全に……←延々と続く)」
校門番をしていた教師に平謝りして交替した澪は、帰路につく父兄に頭を下げながら密かに溜息を吐いていた。
*
盛り上がりに欠けるのかしら?と、とりあえずお決まりベタベタの展開(笑)
とりあえず体育祭は切り上げどころなので、今後は謎な感じでこっちも切り上げましたが、後はもうタリッキーですごめんなさい( ̄∇ ̄*)ゞ
翼ちゃんを助けるために澪使ったら少女漫画のヒーローのなり損ないみたいになっちゃった(笑)
しばらく悶々とさせちゃおう。
セツナ先生登場させたかった。うまくいかないもんですねぇ…。
はいっここでタリッキーパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒○
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11/09(Mon) 05:24
葵と澪とセツナ先生
小春
澪さんありがとうございます(´ 3`)ちゅー
~校門付近~
ふと、風に乗って、覚えのある香りが澪の鼻先を掠めた。
振り返ると、葵が、目の合った澪に向かって軽く手を挙げてから、優雅に歩いてくるのが見えた。
さっきまで走っていたのだから、汗の匂いが混じっていてもおかしくないはずなのに、この爽やかさはなんなのだろう。
既にグラウンドでは午後の種目が始まり、門を出入りする保護者の姿も減っている。
すぐそばまで来て足を止めた葵は、じっと視線を逸らさない澪に、いつも浮かべている笑顔を深くした。
葵
「空間先生、保健室からグラウンドに戻ったようだよ」
澪
「わざわざ様子を見に行ってくれたの?ありがとう」
葵
「例によって、俺のせいでオーバーヒートさせちゃったみたいだからね」
そう。
五人六脚で、泪が、ゴール直後で転倒した後。
トリンからバトンを受け取った葵は、クラス担任の空間セツナと、他の保護者三人と、足並みを揃えて走ったのだった。
空間は、葵と肩を組んで走りながら、すでにおかしかった。
それでも無事に走りきったのだが、ゴールしてから、チームメイトにせがまれる形で、全員とハグしていった。
しかしその途中で、笑顔の葵に抱き締められた途端、またしても気を失いかけたのだった。
さいわい、泪の怪我に注目が集まっていたのと、葵の巧みなフォローのおかげで、大きな騒ぎにはならずにすんだが、セツナは葵に抱かれて保健室に運ばれていた。
澪
「本当に、セツナ姉ったら。いつまでも仕方ないなあ。…あなたには迷惑かけてごめんなさい。ありがとう」
葵
「別に気にしないよ。それより、翼ちゃんを助けてくれた事に礼を言う」
…翼。
澪
「あの子…」
咄嗟に口をついて出た声の、続く言葉を考えていた澪に、葵は頷いた。
葵
「あの子は、たぶん、きみが想像してる通りの存在」
…やっぱり。
葵
「俺たち兄弟全員にとって、大事な妹なんだよ」
…
澪
「…妹?」
…それは、泪にとっても?
葵の最初の言葉に納得しかけていた澪は、「妹」だという言葉に、再び微かな期待を抱いていいのか、また逡巡し始める。
葵はじっと、そんな澪の表情の変化を見ていた。
葵
「…ねえ」
澪
「何?」
葵
「俺、きみに興味が出てきたよ」
澪
「は?」
セツナさんまた倒れてました(笑)。
そして葵ロックオン。
続きをお願いしますパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒◯
11/09(Mon) 08:52
リレーならではの超展開(笑)
小春
それから、6年以上の歳月が流れて…。
翼
「よしっ、今日も頑張るぞ!」
翼は、藤守家の自室に置いた姿見の前で、拳をぎゅっと握り締めて気合いを入れていた。
そのドアがノックされる。
翼が返事をすると、ドアが開いて、誠臣が顔を出した。
誠臣
「翼、支度出来たか?一緒に出勤しよう」
翼
「はい!」
すると、階下から騒々しい声が聞こえてくる。
賢史
「誠兄貴、俺も乗せてってや!」
公平
「俺もお願い!待ってて、もう少しで前髪決まるから!」
諒
「…」
賢史
「お前も少しは慌てろや!早よパジャマ脱げや!」
翼は誠臣と顔を見合わせてくすくす笑ってから、部屋を出て階段を降りていった。
翼
「おはようございまーす!」
警視庁。
緊急特命捜査室の扉を開けると、部屋の中には室長の泪と、同じ霞ヶ関の検察庁に勤める慶史が談笑していた。
翼の後からぞろぞろ入って来る兄弟たちに目を細めてから、側に来た翼を軽く睨む。
泪
「挨拶の語尾は伸ばさない」
翼
「あっ、はい!」
泪
「ここは家じゃないんだからな」
言いながらも泪の手は翼の頭を撫でかけていて、泪は慌てた顔でその手を引っ込めた。
葵
「イチャイチャするのは家でやってよね」
続けて入って来たのは、現在は鑑識課に籍を置く葵。
泪
「家にはお前らがいるからイチャイチャ出来ねえだろうが」
葵
「だからって、いつまでも高校生の頃と同じ関係じゃ、ねえ?」
葵に肩を抱かれて、翼が赤面する。
「触るな」と葵を翼から引き離す泪の顔も赤いのは、どうやら図星だからか。
葵
「好きな女と一つ屋根の下に居て、しかも毎晩壁を挟んで寝ていて、よく何年も我慢出来るよねえ」
泪
「うるさい!」
慶史
「えっ?泪、翼、お前ら、好き合ってるのか?!」
全員
「気付くの遅っ!!」
泪が、翼を引き寄せた。
泪
「とにかくお前ら、こいつに触るなよ!」
賢史
「俺らはまあ知ってるから、そんな野暮はせえへんけど。泪兄貴、しっかり掴まえておかんと、そのうち、ひょっこり現れた男前にさらわれてしまうで」
「藤守家の皆さん、おっはよーございまーす」
ひょっこり顔を出したのは、ジョンスミス。
JS
「僕の愛しのマルガレーテ、今朝も想いを届けに来たよ」
差し出したのは赤い薔薇一輪。
誠臣
「毎朝よくやるな…」
公平
「泪兄さんにあのマメさが半分あればいいのに」
泪
「うるさい。こら、部外者は出てけ!」
いつものようにJSを摘まみ出そうと歩み寄った泪に、黒髪の青年はふと、笑顔を消した。
JS
「最近、小春さんがお付き合いしている輩について、ご相談に来たんですよ」
翼
「え?小春が?あの、小春が誰と?」
妹の名前を聞いて、翼の顔色が変わった。
JS
「やっぱりお気付きになってませんでしたか」
慶史
「詳しく話せ」
JS
「先に言っておきますが、これはまだ事件ではないので警察の管轄ではありません」
葵
「いいから」
JS
「じつは」
葵に促されて、JSは厳かに話し始めた。
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11/09(Mon) 09:44
皆さん(&登場人物の皆さん)ついてきてね(^人^)
小春
JS
「小春さんが、高校でも例の『そうさしつ』なんて同好会に入ってるのはご存知ですよね」
翼
「ええ。女の子は小春と紅花ちゃんだけだけど、小学生の頃からお友達の男の子達と一緒だし、太郎くんもいてくれてるから、何も心配していなかったんですけど」
JS
「僕もそう思ってました」
JSは、ミーティングテーブルに肘をついて、身を乗り出した。
JS
「『そうさしつ』なんて名前ですが、実際は、その時に興味のある事柄を研究して楽しむのが趣旨の同好会です。グループのメンバーは仲良しです。そこは心配ない」
それなら何だと言うのだろう。
慶史
「早く結論を言え」
JS
「『そうさしつ』は、現在、神奈川にあるスーツアクターの集団に接触しています」
公平
「すうつあくたー?」
慶史
「いわゆるヒーローショーなどを行う集団だと思えばいいのか」
JS
「ええ。そこは一応、正式なプロ集団ではあります。責任者は、エミという名の女性。さらに、諏訪野というエースアクターの男性がいる事が分かっています」
泪
「…アンタが心配しているのは、その、エミと諏訪野?」
葵
「ちょっと待って。神奈川で諏訪野って言ったら、有名な暴走族のリーダーだった男じゃない?」
慶史
「葵、お前はなぜそんな奴を知ってる?」
翼
「ジョンスミスさん、小春たちはそこで何を?」
ざわつく藤守兄弟たちを、JSはまあまあと静めた。
JS
「落ち着いてください。先に言ったでしょう?まだ事件ではない」
翼
「…」
JS
「スーツアクターは、夢を与える素晴らしい職業です。高校生が興味を持っても全く不思議じゃない。が、僕はまだ、エミと諏訪野の人物を知らない。それがひとつ」
JSは人差し指を立てた。
JS
「ふたつ、エミの経営するスーツアクター集団『スーパー☆エミーズ』には、その二人の他にも大勢のアクターが所属しています。が、ほとんどが副業として参加しているうえに、スーツアクターは外では素顔をさらさない。ゆえに正体不明」
JSは二本目の指を立てる。
JS
「みっつ、最近東京では、ヒーローに扮した露出狂が頻繁に出没している。この件に関しては、あなた方が担当されているから、よくご存知でしょう」
JSが立てた三本目の指を見ながら、泪が眉をひそめた。
泪
「分かったわ」
仕事の口調に戻った泪の声に、JSの話に集中していた全員が、一斉に泪の方を向いた。
泪
「非番の時に交代で、『スーパー☆エミーズ』を調べてみましょう」
いやもうこれ別の話になってないか?
というところで、パースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒◯
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11/11(Wed) 13:43
賢史の場合
ジュン
公休日、賢史はとある駅前で人を待っていた。
ジュン
「ごめんなさい、遅くなって。」
小走りで走りよってきたのは玉木ジュン。
賢史が高校を卒業するときにジュンから告白されて付き合っている。
二人で電車に乗り行き着いたのはとある遊園地。
ここで行われるヒーローショーに「エミーズ」が出るのだ。
ジュンを連れてきたのは賢史ひとりだと目立ってしまうためのカモフラージュ。
しかし、本音は久々のデートをしたかったためである。
とはいえ、ジュンは警視庁の事務として働いているので毎日顔は合わせているのだが……。
園内を歩きヒーローショーの場所にたどり着いた。
ショーはすでに始まっていて、なかなか本格的なアクションに引き込まれていく。
ショーが終わり、舞台袖に目をやると一人の女性に目が止まった。
どこかミステリアスな感じがするが、とても綺麗な女性……エミだと賢史は瞬時に感じた。
主役のヒーローと話をしているエミをこっそり写真に撮り、声をかけようとする。
小春
「あー、賢史お兄ちゃん!」
太郎
「ジュンさん、こんにちは。デートですか?」
あえなく小春たちに見つかりエミに声をかけることもできなくなった賢史だった。
賢史くん、作戦失敗!
続きをお願いしまーす。ヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
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11/12(Thu) 17:51
中の人なんかいない
小春
ジュンさんありがとうございます。
ちなみに、小春と太郎は高2、担任はセツナ先生でお願いします。
ジュン
「小春ちゃん、太郎くん、こんにちは。最近はあのヒーローにハマってるの?」
ジュンが優しく尋ねると、小春はニコニコ笑って頷いた。
小春
「ジュンお姉ちゃん、こんにちは。『湘南☆ライフセイバーズ』は5人組の神奈川県ご当地ヒーローで、今すごい人気なんだよ」
ジュン
「そうなんだ」
小春
「私は、敵役のスワノドルフィンのファンなの」
スワノ、という響きに、賢史はピンとくるものがあった。
賢史
「小春は昔から二枚目のクールな脇役が好きやからなあ」
小春
「うちのお兄ちゃんたちもみんなかっこいいけど、そういうタイプはいないでしょ。誠臣お兄ちゃんは半分お母さんだし」
誠臣が聞いたらがっかりしそうな事を言う小春の隣で、太郎が唇を尖らせる。
太郎
「僕、そのタイプを目指してるんですけどね」
小春
「太郎くんは脇役じゃないよ。子供の頃から、私のヒーローだもん」
小春がけろりとした顔で言うと、太郎の顔が赤くなった。
太郎
「こ、小春さん。向こうで、ソフトクリームでも食べませんか」
小春
「うん行く。じゃあね、ジュンお姉ちゃん、賢史お兄ちゃん。デート、楽しんでね!」
賢史
「な、なにを言うてんねんお前は!こら小春、おーい!」
そうこうしているうちに、エミもどこかに行ってしまい、ヒーロー役の『レッド☆セイバー』だけが残った。
賢史
「(とりあえずアイツに、エミや、他のメンバーの素顔について聞いてみよう。
全部教えてくれるかどうかはわからんけど、
うまくいけば、露出狂の事も聞けるかもしれん)」
だが、目立たぬようにレッドに近付いた賢史は、声を掛ける直前、逆に、後ろから誰かに声を掛けられた。
???
「うちのヒーローに、何か御用ですか?」
誰?(笑)
ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
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11/22(Sun) 17:29
小春
振り返った賢史の前にいたのは、髪も肌も真っ白な、背の高い男性だった。
薄い色の入った眼鏡の奥の表情までは読み取れないが、口元には穏やかな微笑みを浮かべている。
端正な顔立ち、シルバーグレーのコートに引き締まった身体を包んだ、優雅な身のこなし。
諏訪野だ、と、賢史は直感した。
賢史
「あ、す、すんません。さっきヒーローショー見て、彼女がすっかりファンになってしもて。握手だけでもお願いできひんやろかと思って」
賢史は、とっさにジュンを引き合いに出した。
ジュンも、機転を利かせてすぐに頷く。
ジュン
「そ、そうなんです」
賢史とジュンの咄嗟の演技は完璧とは言えなかったが、レッドに声を掛けようとしていたのは本当なので、全くの嘘でもない。
諏訪野は一拍おいて、そうですか、と目を細めた。
諏訪野
「それなら、俺からそう伝えましょう」
ジュン
「あの、ご迷惑では?」
諏訪野
「とんでもない。ファンの皆さんからの応援あってこそのヒーローですからね」
にこりと笑った諏訪野は、本当にレッドを呼んで来てくれた。
真っ赤になって握手してもらっているジュンを横目に、賢史は、立ち去ろうとした諏訪野を慌てて引き留めていた。
賢史
「あの!あなたは、『スワノドルフィン』の方ですよね?」
賢史が言うと、諏訪野は自然な動きで周りに人目が無い事を確かめてから、賢史に向かって苦笑した。
自分の失敗を察し、賢史は口を押さえてぺこぺこと頭を下げる。
賢史
「すんません」
諏訪野
「いいんですよ」
特に気に障った様子もなく微笑んだ諏訪野にほっとした、次の瞬間。
諏訪野
「それは職務質問ですか?」
逆に諏訪野から返された質問に、賢史の背中を冷たいものが伝った。
諏訪野
「失礼ですが、藤守葵くんの弟さんでしょう。警察官の」
賢史
「…は、あの、俺…はい。確かに、葵の弟です」
嘘を言えるタイミングではなかった。
諏訪野は穏やかな表情のまま、頷いた。
諏訪野
「来週の週末も、ここでヒーローショーをやりますよ。ぜひ、お越しください。今度は、皆さんでね」
立ち尽くす賢史をそのままに、諏訪野は、駐車場に停めてあった大型バイクに跨ると、排気音だけを残して走り去って行ってしまった。
ジュン
「…すごく綺麗な男の人だけど、なんだか、怖いね…」
レッドのサイン色紙を手に戻ってきたジュンの呟きに、賢史は、冷や汗を拭いながら頷いていた。
賢史
「葵兄貴と、どんな知り合いなんやろ…」
次の週、同じ場所に、藤守兄弟とジュン、そして、櫻井姉妹の姿があった。
ここでパース。
よろしくお願いしまーす。
11/23(Mon) 09:35
書き直しましたm(__)m
ジュン
慶史
「皆で見に来いなんてどういうつもりだ?」
公平
「怪しいところなんてないっていうアピールかも。」
誠臣
「そうかもしれないが……」
ショーが始まると小春は真剣にステージを見つめている。
しかし、藤守兄弟たちは諏訪野の意図が解らず悩んでいた。
ショーが終わり泪と葵が代表して舞台裏へといくことになった。
翼
「じゃあ、その間に私は小春とジュンちゃんとお手洗いに行ってきます。」
興奮気味にショーの話をする小春に耳を傾けながら女子3人はお手洗いに向かった。
泪
「俺たちも行くか。今日は責任者のエミがいるはずだ。」
葵
「そうだね。」
化粧を直し、お手洗いから出てステージに戻ろうとしたところでジュンに声をかけた人物がいた。
諏訪野
「やっぱり、来ていたんだね。藤守くんたちも一緒かな?」
声をかけてきたのは諏訪野。
優しげな語り方だが、やはりジュンはなんとなく怖い人という印象を拭いきれない。
ジュンがシドロモドロの返答をする間、諏訪野が翼を見ていたことに3人は気づかなかった。
書き直してみましたがどうでしょう?
こここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
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11/23(Mon) 10:36
ジュンさん大丈夫ですよ
小春
これもまたリレーの醍醐味です。
ちょっとメンバーの配置が変わったので書き直し(笑)
それからしばらくして。
遊び足りない小春と太郎の高校生コンビを遊園地に残し、
エミを探して舞台裏に向かった葵と泪を除く捜査室の一行と諏訪野は、園内に設えられたファストフード店の中にある、飲食スペースの一角にいた。
同じ店内の、少し離れた別のテーブル席には片付けを終えた『エミーズ』のスタッフやキャストたちもいて、談笑しながら食事している。
エミの姿が見えないのは、泪と葵が接触に成功したのか、逃げられたのか。
一方、誠臣以下の藤守兄弟に諏訪野を加えたテーブルを仕切っているのは、初対面の相手でも物怖じしない、公平だ。
公平
「まさか、葵兄さんに、特撮ヒーローのお友達がいたなんて知らなかったなあ!」
公平はニコニコしながら、諏訪野の方に身を乗り出す。
公平
「ねえ、葵兄さんと諏訪野さんは、どういう関係なんですか?」
諏訪野は公平に微笑みを返してから、コーヒーカップに口をつけた。
諏訪野
「隠すほどの話じゃないけど、葵は思い出すのを嫌がるかも」
誠臣
「お話を伺ってみて、葵兄さんが俺たちに知られたくないような話だったら、聞かなかった事にしますから。ぜひ」
誠臣が食い下がるのを見ながら、翼も他の兄弟たちと同様、諏訪野に頷いて見せていた。
いつも笑顔を絶やさず、誰からのどんな質問もそつなくこなすタイプの葵が、どういうわけか、諏訪野の話になると、急に歯切れが悪くなる事が、翼も気になっていた。
葵には悪いが、今は、諏訪野と直接会話できる貴重な機会なのだ。どんな小さな情報でも、聞き逃すのは惜しい。
賢史が真剣な顔で、諏訪野に向き直った。
賢史
「諏訪野さん、お願いします」
諏訪野
「そこまで言うなら」
諏訪野は頷いて、話し始めた。
諏訪野
「葵とは、大学時代の合コンで知り合った。
俺は経済学部だから葵とは専攻が違うけれど、藤守兄弟は、二人揃って頭脳明晰な美形の双子だと学内で有名だったからね。
葵の噂は会う前から知っていた」
賢史
「光源氏の噂ですか?」
諏訪野
「そう。たくさんの女性から好かれている、スマートで優しい男…
ところが、合コンの席で会った葵は、噂とは違っていたね」
そう前置きをして、諏訪野は、柔らかい声で、ゆっくりと話し始めた。
諏訪野
「合コンの前に、何か気に入らない事でもあったのかな。
葵は、最初から機嫌が良くなかった。
その日は、ひとり、積極的な女性がいてね。
豊満な胸を触らせようとしたり葵のスマホを覗こうとしたりして、葵にひどくベタついていた。
手を握ったら離さない。隣の席を離れない。どころか、トイレに行くにも後を追う始末。
とうとう、優しい藤守葵にも我慢の限界が来たんだろうね。
トイレから戻って来たと思ったら、いきなり、座っていた俺の腕を掴んで引き寄せた。
そして…、
キスしたんだ。
びっくりするぐらい濃厚なやつをね」
全員
「えっ!!」
その時。
葵
「…あの時はどうかしてたんだ…」
全員の驚きの声に被せるように呻いたのは、いつからそこに立っていたのか、当の葵だった。
葵が話を遮る様子がないと見たのか、視線を戻した諏訪野が、再び口を開いた。
諏訪野
「葵は、びっくりしてる皆に向かって、『悪いけど、今日はもう帰らせてもらう』『こいつ連れて行くけど、いいよね?』って。
……おかげで、翌日から俺は『藤守葵にお持ち帰りされた男』だ」
[削除]
11/23(Mon) 11:25
繋がったかな?
小春
両手で顔を覆う諏訪野に、弱りきった顔で葵が謝り続ける。
葵
「悪かった。何でもいいから合コンを抜け出す口実が欲しかったんだ。本当に、悪かったよ」
それを見て、ようやく、全員の緊張が解けた。
諏訪野
「…まあ、きっかけはそんな風だったけど、二人とも剣道をやってた事とか、共通の話題がいくつかあってね。
その後は時々連絡を取り合って、遊ぶようになった。
葵が就職してからは、なかなか時間が合わなくなって、遠ざかってしまっていたんだけど。
だから、偶然だけどこうして会えて、俺は嬉しいよ」
諏訪野の話を聞くうちに、翼にも、葵の不可解な態度の理由がわかってきた。
葵にしてみれば、諏訪野に対して、初対面以来の引け目があるのだろう。
友人なのにしばらく会えずにいたのも、葵の方の都合が大きいようだし…。
肩を並べて座る二人を見ながらそんな事を考えていると、不意に、諏訪野と目が合った。
にこりと微笑まれて、突然の事に、翼の胸がどきりと鳴った。
諏訪野
「ところで、こちらは、ずいぶんと可愛いお嬢さんだね。
失礼だけど、葵の想い人かな?」
すると、翼が否定するより早く、泪が口を開くより早く…つまり、すごい速さで反応した葵が、勢いよくそれを否定した。
葵
「違うよ!」
葵にしては珍しく、焦っているように思えたのは気のせいだろうか。
諏訪野
「はは、そんなに赤い顔で否定しなくても。
葵の彼女ではないなら、俺はそれでいいんだ」
諏訪野は笑って葵の肩を叩くと、立ち上がって、翼に向き直った。
諏訪野
「さっき、櫻井翼さん、って、自己紹介してくれたよね。
どうだろう、櫻井さん。
俺と、付き合ってくれないかな?」
全員が息を飲む。
爽やかすぎる交際の申し込みに、翼は対応に困ってしまった。
諏訪野の口調も表情も、あくまでも穏やかで、自然だ。
いかにも大人な感じの男性だし、きっと、今、この場で申し出を断ったとしても、気分を害したりはしないだろう。
けれど、翼が困ってしまった最大の理由は、泪が、何も言わない事だった。
泪は自分を好いてくれている。その事は疑いようがない。
けれど、今、開いて何かを言いかけた口を閉ざしたという事は、泪は、警察官としての感情を優先させて、藤守泪個人としての感情を押し殺したという事だ。
もしかして、そこまで考えて、諏訪野は、今、みんなの前で翼に交際を申し込んだのか……
葵の想いも、諏訪野の行動の意味も、泪の気持ちも…
なんだか一時に押し寄せてきて、どう処理すればいいか分からない。
でも、とにかく、この場で、今、自分がするべき事は……、
翼は立ち上がると、微笑んで返事を待っている諏訪野に向かって、深々と頭を下げた。
翼
「…諏訪野さん、ありがとうございます。
せっかくのお申込みですから、私、お受けしたいと思います。
最初はお友達の関係から…どうぞ、よろしくお願いします」
ここでパース。
ジュンさんと私の書き直し前の分は、後ほど消させていただきます。
ごたごたしましたが、続きをお願いしまーす。m(__)m
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11/23(Mon) 14:29
急展開に読み専になってました( ̄∇ ̄*)ゞ
澪
翼の返事が意外だったのか、つい小さく「えっ」と漏らした公平を、誠臣が肘で突く。
しかし諏訪野は気に留める様子もなく、浮かべている微笑みをより深いものにした。
諏訪野
「ありがとう。それじゃあ、友達から、よろしくね」
翼
「はい。こちらこそ、お願いします」
穏やかな微笑みを浮かべる諏訪野に、翼も少しぎこちないものの、微笑みを返す。
それを見ながら誠臣は、咄嗟に、それでもさりげなく、泪に目をやった。
誠臣
「……」
泪は、二人──翼と諏訪野を見ていなかった。
諏訪野の隣にいる葵もまた同様で、双子は揃ってじっとテーブルの上を見つめている。
泪も葵も、一見普段と変わらないように見えた。
けれど、何か堪えるような雰囲気が確かにある。
誠臣が口を開きかけた時、公平がハイ!と急に元気良く手を挙げた。
公平
「ねえねえ、葵兄さんも翼ちゃんも友達なら、オレとも友達になってくれます!?」
再び諏訪野の方へ身を乗り出して問い掛けた公平の頭を、賢史が叩く。
賢史
「アホッ、何言うてんねん」
公平
「ちょっ、頭は叩かないで!」
そのやり取りを見ながら、一瞬驚いた表情に微笑みを戻すと、諏訪野は頷いた。
諏訪野
「…そうだね。もちろん」
公平
「うっわあ、やったあ!俺、ああいう特撮のアクションとかしてみたくって!諏訪野さん、今度教えてください!」
諏訪野
「はは、レッドじゃなくていいなら、ぜひ」
空気が変わりつつあるのを見て、誠臣は立ち上がった。
誠臣
「そ、それじゃあ、そろそろ小春と太郎と合流するか」
慶史
「そうだな。あいつらもそろそろ、遊び疲れただろう」
賢史
「いや~、あいつら元気やからなあ…」
其々が席を立つと、賢史とジュンがトレーを纏めて返却口へと持っていく。
その光景を横目に、諏訪野は翼に声を掛けた。
諏訪野
「ああ、そうそう、連絡先」
翼
「えっ、あっ、そうですね!」
慌ててバッグを取る翼を見て、諏訪野はフッと微笑む。
諏訪野
「そんなに慌てないで。…そうだ、葵」
葵
「え?」
突然声をかけられた葵が諏訪野に顔を向けると、諏訪野が口を開く。
諏訪野
「櫻井さんに俺の連絡先、送っておいてくれないか」
葵
「…ああ、うん」
葵の返事を聞くと、諏訪野は礼を言ってから翼に向き直る。
諏訪野
「それじゃあ、葵に頼んだから。連絡、待ってるね」
*
結局エミと接触できたのかできなかったのか触れず(笑)←タリッキー
まさか諏訪野と葵さんがキスしてたとは楽しい展開(〃∇〃)
ええと…泪さん翼ちゃんは兄弟も公認の好き合ってる仲、
なもののそれ以上の進展はなく、まだきちんと付き合ってないってことでしょうか?
6年も経ってるのに~泪さん、しっかり(≧△≦)ハラハラ!
そして翼ちゃんを囲んで、双子と諏訪野の恋の大三角形か!?(≧▽≦)ドキドキ!
澪のことも考えるのでちょっと放置でお願いします(笑)
せつなさんともさんも気になりますね。
ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
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11/23(Mon) 22:40
澪さんありがとうございます(´ 3`)ちゅー
小春
泪さんと翼ちゃんの関係は6年前からほとんど進展なしでいいです(笑)。
ちょっと今回は分かりづらく書いてしまったかもしれませんが、葵さんは翼ちゃんも好きだけど、何よりも泪さんの幸せを願っています。
諏訪野は誰の気持ちも企みも全部お見通し。
その上で何を考えているのかは今後の展開次第…という感じでしょうか。
澪さんが来てくれたのでついでに補足…蛇足しておきますが、諏訪野が巻き込まれた大学時代の「葵が機嫌悪かった日」は、「澪さんが葵さんにちょっかい出した日」だと思ってください。
葵さんはずっと、泪さんに絡んでくる澪さんを、気に入らない気に入らないと思いながら意識してきてるわけですよ。
そして、運動会で翼ちゃんを庇ってくれた場面に居合わせて、ちょっと見直したりなんかしてるわけですよ。
私がリレー澪さんをどうしたいか、そろそろ見えてきましたか?ニヤリ(* ̄ー ̄)
他の皆さんもジュンさんのように頑張ってくれないと、私の好きにされちゃいますよ!
では、改めて、パースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒○
11/26(Thu) 21:21
続けます
小春
諏訪野の行動は速かった。
デートの誘いは翌日のうちに、葵を通して翼に伝えられた。
葵
「…きみの番号、まだ、あいつには教えてないから」
そう言って差し出されたのは、諏訪野の電話番号と、待ち合わせ場所のメモ。
葵の字で、今週末の日時と、昨日とはまた違う遊園地の名前が書かれている。
翼
「ありがとうございます、お手数をおかけしてすみません。
電話番号は……もう一度、諏訪野さんに聞かれたら、私から直接お教えしようと思います」
礼を言って紙片を受け取る翼を、葵は、心配そうに見つめた。
葵
「……デート、俺も付いて行こうか?
一緒で構わない、って、諏訪野も言ってたし」
翼
「えっ、葵さんも、ですか?」
諏訪野の所属するスーツアクター集団「スーパー☆エミーズ」と、都内に出没しているヒーローに仮装した露出狂との関係は、いまだ明らかになっていなかった。
諏訪野やレッドとは実際に会って話をする事が出来たが、その時の印象では、どちらにも、特におかしなところは無かった。
いやむしろ、好感の持てる人物だったと言ってもいい。
でも、人は見かけによらないというし、犯人が捕まらない以上、疑いは消えない。
だから、翼にしてみれば、葵の提案は、正直有り難かったけれど。
確かに諏訪野は「友達から始めよう」と言った。
でも、普通、初めてのデートに、他の男性を連れてきていいと言うものだろうか?
また、そう言われたからと言って、正直に葵を連れて行っていいものだろうか?
分からない。
ただ、それでもやっぱり、翼には、諏訪野が悪い人間だとは思えなかった。
葵
「……泪も心配してるしね」
ぽつりと付け足した葵の言葉に、翼の胸は疼いた。
結局、最初のデートには、葵と公平が同行した。
諏訪野は言葉通り翼たちを歓迎してくれ、三人を楽屋に案内したり、食事をご馳走してくれたり、特撮の仕事での面白いエピソードを披露してくれたりした。
最初は警戒していた翼も公平も、しだいに打ち解けて、気付けば翼はまた来週も諏訪野と会う約束をし、公平に至っては、次の公演へのゲスト出演まで決めていた。
葵
「どうやら杞憂だったかな。
でも、気をつけて。諏訪野に本気で恋しちゃだめだよ」
帰宅した後で葵に言われて、翼は不安になった。
泪も、そう思ってるだろうか。
翼が、自分以外の男を好きになるかもしれない、だなんて。
そんなこと、あるはずがない。
でも、それなら、自分の今のこの行動は何なのだろう。
諏訪野にも、泪にも、ひどく失礼な事をしているような気がして、翼の心は沈んでゆくのだった。
間が空いてしまってすみません
小春
ジュンさんありがとうございます。
すっかり遅くなってすみません。m(__)m
季節外れ感満載ですが体育祭午後の部ですm(__)m。
応援席。
藤守家の応援席では、誠臣と翼が昨夜のうちから仕込んで今朝仕上げてきた豪華で大量のお弁当が、ものすごい速度で消化されていた。
なにしろ大所帯なのだ。
藤守兄弟だけでも七人。
それに翼と小春、飛び入りの櫻井父。
さらに、誠臣の近くにはなぜかともととも父。
諒の隣には紅花が、それぞれにこにこしながら座っておにぎりを頬張っている。
そこへ、「藤守先輩」と声がして、ジュンが近付いてきた。
賢史
「さっきはすまんかったな。兄弟そろって医務室とか、めっちゃ恥ずかしいわ」
ジュン
「真面目に頑張ってくれているからですよ。お兄さん、大丈夫ですか?」
泪が返事をする前に、葵がウインクした。
葵
「平気平気。泪は丈夫だからね。あんなケガ、翼ちゃんがほっぺにキスしてくれたらすぐ治っちゃうんだ」
一同がどっと笑う。
泪
「おい……」
葵の軽口に泪が反論しかけたその時、泪の右の頬に、柔らかいものが触れた。
泪
「?」
振り向いた泪の目の前には、真っ赤な顔で目を潤ませている、翼。
泪
「……」
ということは、今のは。
泪
「……!」
葵
「ほら、泪。痛みなんて、どっかいっちゃっただろう?」
笑う葵に肩を抱かれ、兄弟たちに冷やかされ、徐々に状況を把握していくにつれて、泪の顔もまた、赤く染まってゆく。
泪
「(勘弁してくれ、可愛すぎる…)」
そっと櫻井父を見れば、気付かぬふりを装って、視線を無人のグラウンドに向けていた。
泪はもう一度、翼を見る。
翼
「早く治ってくださいね」
恥じらいながら微笑んで見つめ返されたら、本当にもう痛くない。
見つめていると、翼の方が耐え切れずに立ち上がった。
翼
「…えっと、そうだ、私、午後の競技の準備があるからもう行かないと。あの、ごちそうさまでした」
葵
「こちらこそ、ごちそうさま」
茶化す葵を軽く叩きながら、走り去る翼の後ろ姿を見送る泪の目に、ふと、見覚えのある色が映った。
泪
「(……澪?)」
澪は、この学校の教師を務めている空間セツナの従妹だ。
だから、ここにいてもおかしくはないが…
首を傾げた泪だったが、すぐに葵や公平に引き戻されて、再び、昼食に戻った。
そろそろ体育祭切り上げたいですね。
しかしやや盛り上がりにかけていますか?
登場人物の皆さんお願いしますよ。←
ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
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11/03(Tue) 20:34
お願いされたので頑張ろうとは思ったんですよ(笑)
澪
翼
「(皆の前だったのに、つい……泪さんの頬に、キス、しちゃった )」
賑やかな応援席を離れ、未だに熱の残る頬を押さえながら、翼は体育倉庫に向かっていた。
倉庫の扉を開けると、午後一番の応援合戦で使用するポートボール台を二つ、重ねてなんとか持ち上げる。
倉庫を出てグラウンドまで戻り、他の準備係と確認しながら台を配置する。
まもなく始まる応援合戦の後、また片付ければ翼の役目は終わりだ。
その後には、体育祭の目玉のリレーが待っている。
翼
「(応援合戦が終わる頃に来ればいいし、一度皆の元に戻ってもいいけど……)」
グラウンド脇まで戻ってから、翼は応援席に視線をやった。
兄弟たちと楽しそうにしている泪の姿が、いや、泪の姿しか目に入らない。
翼
「(ダメ。今、どんな顔して戻っていいのかわからないよ)」
また赤くなりそうな頬を隠すように、翼が俯きかけた時だった。
視界となった足元にこちらを向いた運動靴が並んで、咄嗟に顔を上げる。
翼
「あ……」
顔を上げた先にいたのは、以前翼を夏祭りに誘った同級生の武井だ。
どちらかというと派手なタイプで、翼はあまり親しくない。
武井
「櫻井、準備係?」
翼
「あ、うん。武井くんもそうだったっけ?」
武井
「俺?違う違う。っていうか話あるんだけど、今いい?」
そう聞かれた正直な翼がつい頷くと、武井は「こっち、来て」と背を向けた。
体育倉庫の脇まで来た武井に、翼は距離を保って足を止めた。
今日は倉庫への人の出入りも多く、倉庫の脇も人目に触れないわけではない。
しかし同級生と言えどあまり親しくもない相手への、翼の無意識の緊張だった。
翼
「あの、話って何?」
翼の声に振り向いた武井は、思いがけず真剣な顔をしていた。
武井
「櫻井さ。さっきキスしてたの、彼氏?」
翼
「!」
さっきキスしてたの。
見られていたことに気付いて、翼の頬はみるみる赤くなった。
その様子を見る武井の表情に笑みが浮かぶ。
武井
「ははっバレバレだって。かっわいー。で、やっぱ彼氏?」
翼
「あの、えっと……」
藤守家で共同生活を始めて、約半年。
肝試し、家庭訪問、夏祭り……色んなことがあった。
そしてその度、泪と翼はお互いに歩み寄ってきた。
翼は思う。
私は、昔から泪さんが好き。
そして……きっと、泪さんも、想ってくれている。
だけど。
翼
「(彼氏って言って、いいのかな……)」
これまで泪と交わした言葉からも、行動からも。
応援席での葵の口ぶりからも、周囲の反応から見ても、泪と翼は恋人同士そのものだった。
それは翼にもよくわかっていた。
しかし、如何せん恋愛経験がない翼には、それで恋人と言っていいのか判断がつかない。
好き。付き合おう。
そういう言葉を交わしていないことが、翼を躊躇わせていた。
武井
「なに?あれ、彼氏じゃねーの?それならさあ、」
グラウンドから、午後の競技が始まるアナウンスが聞こえてくる。
翼
「ごめん、私戻らなきゃ」
それを機に言葉を濁したまま立ち去ろうとした翼の腕を、武井が捕まえる。
武井
「待てよ。なあ櫻井、どうなんだよ」
翼
「あのっ、離して……!」
翼は少し力を込めて、武井の腕を振り払う。
払いきった先に見えた武井の顔が怒りを含み、翼に再び手が伸びた時だった。
急に視界に入ってきた高い位置の金髪に、翼はどきりと顔を上げる。
翼
「……!」
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11/03(Tue) 20:36
思った止まりですすみません
澪
澪
『ワーオ、やっぱりこの前の!倉庫にいたら声がしたから誰かと思ったんだけど、どこかで聞いたことある声だなぁって思ったのよ!』
驚いた表情の翼と武井を前に、ジャージ姿の澪は感激した様子で翼に英語で捲し立てた。
翼
「え、あの、あの……澪さん、でしたよね?英語、よくわからない……」
武井
「おい、誰……櫻井、知り合い?」
戸惑う二人の前で、澪はにっこりと笑って翼の肩を抱く。
澪
『こんなとこで男の子と二人でいたら、泪がヤキモチ焼くよ?』
翼
「るっ、泪さん?」
落ち着いて聞けば、簡単な日常会話だ。
先ほどよりゆっくりと話した澪の言葉に出た泪の名前に、翼が焦った声を出す。
すると、それを耳敏く聞いた武井が翼を見つめる。
武井
「ルイ、っていうんだ?彼氏」
翼
「あ……」
再び戻った話題に翼が言葉を詰まらせると、澪が武井に顔を向ける。
澪
『正解!そう、それね、「カ・レ・シ」』
翼
「っ、澪さん!」
武井
「なーんだ、やっぱそうなんじゃん。つーかお姉さん、アンタ誰」
澪
『ボランティアに来た泪の友達。ほら、もうすぐリレーの時間だから。戻った戻った!』
途端につまらなそうな表情を見せる武井と、戸惑いを隠せない様子の翼。
二人を連れてグラウンド脇まで出た澪は、先に武井を戻してから翼に向き合った。
澪
「驚かせてごめんね。来年教育実習に来れるように、恩売りボランティアに来てるの。母校が遠いからねー」
日本語を話した澪に、翼は少しほっとしたように表情を緩ませた。
翼
「そう、なんですか。それで英語を?」
澪
「私はALTみたいな使われ方するから学校では英語で話すことって約束があるの。今度授業の手伝いに来る予定なんだけど、今日は強制参加みたいなもん。……それより」
泪と同じ澄んだ碧眼に見つめられ、翼は少し緊張した視線を返す。
澪
「前からあったの?ああいうこと」
翼
「いえ……、武井くんとはあまり親しくなくて。前に夏祭りに誘われて、断ったくらいしか」
夏祭り。
その言葉を聞いた澪の表情は一瞬強張ったものの、翼に優しく微笑む。
澪
「このこと、泪に言わなきゃだめだよ」
でも、と口を開いた翼に諭すように、澪の口調はより穏やかになった。
澪
「泪のことが好きなら、言わなきゃ。アイツああ見えて心配性なんだから。泪を不安にさせたい?」
その言葉にふるふると首を横に振った翼の頭を澪の手が撫でる。
澪
「言葉にしないと伝わらないからね。あなたは悪いこと何もしてないんだし、ちゃんと前向いて、胸張って」
翼
「──はい。あの、ありがとうございました」
翼が頭を下げると、応援合戦に参加していた生徒たちが退場してきた。
翼
「あ!ポートボール台、下げなきゃ」
澪
「よし、行ってき……やっば、私も倉庫整理の後校門の番交替行くんだった!」
じゃあね、気をつけなきゃダメだよ!と叫び、慌てて校門に駆けていった澪に思わず笑顔になった翼は、集まってきた他の準備係とともに片付けを始めた。
その頃。
澪
「(何やってんだろう……でもあの子見てたらもどかしいわアブナイわでつい……それに、あの子を見る泪の顔、悔しいけど……いやでもあの子、まだ彼氏って言い切れなかったみたいだし……いやでも見た感じ完全に……←延々と続く)」
校門番をしていた教師に平謝りして交替した澪は、帰路につく父兄に頭を下げながら密かに溜息を吐いていた。
*
盛り上がりに欠けるのかしら?と、とりあえずお決まりベタベタの展開(笑)
とりあえず体育祭は切り上げどころなので、今後は謎な感じでこっちも切り上げましたが、後はもうタリッキーですごめんなさい( ̄∇ ̄*)ゞ
翼ちゃんを助けるために澪使ったら少女漫画のヒーローのなり損ないみたいになっちゃった(笑)
しばらく悶々とさせちゃおう。
セツナ先生登場させたかった。うまくいかないもんですねぇ…。
はいっここでタリッキーパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒○
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11/09(Mon) 05:24
葵と澪とセツナ先生
小春
澪さんありがとうございます(´ 3`)ちゅー
~校門付近~
ふと、風に乗って、覚えのある香りが澪の鼻先を掠めた。
振り返ると、葵が、目の合った澪に向かって軽く手を挙げてから、優雅に歩いてくるのが見えた。
さっきまで走っていたのだから、汗の匂いが混じっていてもおかしくないはずなのに、この爽やかさはなんなのだろう。
既にグラウンドでは午後の種目が始まり、門を出入りする保護者の姿も減っている。
すぐそばまで来て足を止めた葵は、じっと視線を逸らさない澪に、いつも浮かべている笑顔を深くした。
葵
「空間先生、保健室からグラウンドに戻ったようだよ」
澪
「わざわざ様子を見に行ってくれたの?ありがとう」
葵
「例によって、俺のせいでオーバーヒートさせちゃったみたいだからね」
そう。
五人六脚で、泪が、ゴール直後で転倒した後。
トリンからバトンを受け取った葵は、クラス担任の空間セツナと、他の保護者三人と、足並みを揃えて走ったのだった。
空間は、葵と肩を組んで走りながら、すでにおかしかった。
それでも無事に走りきったのだが、ゴールしてから、チームメイトにせがまれる形で、全員とハグしていった。
しかしその途中で、笑顔の葵に抱き締められた途端、またしても気を失いかけたのだった。
さいわい、泪の怪我に注目が集まっていたのと、葵の巧みなフォローのおかげで、大きな騒ぎにはならずにすんだが、セツナは葵に抱かれて保健室に運ばれていた。
澪
「本当に、セツナ姉ったら。いつまでも仕方ないなあ。…あなたには迷惑かけてごめんなさい。ありがとう」
葵
「別に気にしないよ。それより、翼ちゃんを助けてくれた事に礼を言う」
…翼。
澪
「あの子…」
咄嗟に口をついて出た声の、続く言葉を考えていた澪に、葵は頷いた。
葵
「あの子は、たぶん、きみが想像してる通りの存在」
…やっぱり。
葵
「俺たち兄弟全員にとって、大事な妹なんだよ」
…
澪
「…妹?」
…それは、泪にとっても?
葵の最初の言葉に納得しかけていた澪は、「妹」だという言葉に、再び微かな期待を抱いていいのか、また逡巡し始める。
葵はじっと、そんな澪の表情の変化を見ていた。
葵
「…ねえ」
澪
「何?」
葵
「俺、きみに興味が出てきたよ」
澪
「は?」
セツナさんまた倒れてました(笑)。
そして葵ロックオン。
続きをお願いしますパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒◯
11/09(Mon) 08:52
リレーならではの超展開(笑)
小春
それから、6年以上の歳月が流れて…。
翼
「よしっ、今日も頑張るぞ!」
翼は、藤守家の自室に置いた姿見の前で、拳をぎゅっと握り締めて気合いを入れていた。
そのドアがノックされる。
翼が返事をすると、ドアが開いて、誠臣が顔を出した。
誠臣
「翼、支度出来たか?一緒に出勤しよう」
翼
「はい!」
すると、階下から騒々しい声が聞こえてくる。
賢史
「誠兄貴、俺も乗せてってや!」
公平
「俺もお願い!待ってて、もう少しで前髪決まるから!」
諒
「…」
賢史
「お前も少しは慌てろや!早よパジャマ脱げや!」
翼は誠臣と顔を見合わせてくすくす笑ってから、部屋を出て階段を降りていった。
翼
「おはようございまーす!」
警視庁。
緊急特命捜査室の扉を開けると、部屋の中には室長の泪と、同じ霞ヶ関の検察庁に勤める慶史が談笑していた。
翼の後からぞろぞろ入って来る兄弟たちに目を細めてから、側に来た翼を軽く睨む。
泪
「挨拶の語尾は伸ばさない」
翼
「あっ、はい!」
泪
「ここは家じゃないんだからな」
言いながらも泪の手は翼の頭を撫でかけていて、泪は慌てた顔でその手を引っ込めた。
葵
「イチャイチャするのは家でやってよね」
続けて入って来たのは、現在は鑑識課に籍を置く葵。
泪
「家にはお前らがいるからイチャイチャ出来ねえだろうが」
葵
「だからって、いつまでも高校生の頃と同じ関係じゃ、ねえ?」
葵に肩を抱かれて、翼が赤面する。
「触るな」と葵を翼から引き離す泪の顔も赤いのは、どうやら図星だからか。
葵
「好きな女と一つ屋根の下に居て、しかも毎晩壁を挟んで寝ていて、よく何年も我慢出来るよねえ」
泪
「うるさい!」
慶史
「えっ?泪、翼、お前ら、好き合ってるのか?!」
全員
「気付くの遅っ!!」
泪が、翼を引き寄せた。
泪
「とにかくお前ら、こいつに触るなよ!」
賢史
「俺らはまあ知ってるから、そんな野暮はせえへんけど。泪兄貴、しっかり掴まえておかんと、そのうち、ひょっこり現れた男前にさらわれてしまうで」
「藤守家の皆さん、おっはよーございまーす」
ひょっこり顔を出したのは、ジョンスミス。
JS
「僕の愛しのマルガレーテ、今朝も想いを届けに来たよ」
差し出したのは赤い薔薇一輪。
誠臣
「毎朝よくやるな…」
公平
「泪兄さんにあのマメさが半分あればいいのに」
泪
「うるさい。こら、部外者は出てけ!」
いつものようにJSを摘まみ出そうと歩み寄った泪に、黒髪の青年はふと、笑顔を消した。
JS
「最近、小春さんがお付き合いしている輩について、ご相談に来たんですよ」
翼
「え?小春が?あの、小春が誰と?」
妹の名前を聞いて、翼の顔色が変わった。
JS
「やっぱりお気付きになってませんでしたか」
慶史
「詳しく話せ」
JS
「先に言っておきますが、これはまだ事件ではないので警察の管轄ではありません」
葵
「いいから」
JS
「じつは」
葵に促されて、JSは厳かに話し始めた。
[削除]
11/09(Mon) 09:44
皆さん(&登場人物の皆さん)ついてきてね(^人^)
小春
JS
「小春さんが、高校でも例の『そうさしつ』なんて同好会に入ってるのはご存知ですよね」
翼
「ええ。女の子は小春と紅花ちゃんだけだけど、小学生の頃からお友達の男の子達と一緒だし、太郎くんもいてくれてるから、何も心配していなかったんですけど」
JS
「僕もそう思ってました」
JSは、ミーティングテーブルに肘をついて、身を乗り出した。
JS
「『そうさしつ』なんて名前ですが、実際は、その時に興味のある事柄を研究して楽しむのが趣旨の同好会です。グループのメンバーは仲良しです。そこは心配ない」
それなら何だと言うのだろう。
慶史
「早く結論を言え」
JS
「『そうさしつ』は、現在、神奈川にあるスーツアクターの集団に接触しています」
公平
「すうつあくたー?」
慶史
「いわゆるヒーローショーなどを行う集団だと思えばいいのか」
JS
「ええ。そこは一応、正式なプロ集団ではあります。責任者は、エミという名の女性。さらに、諏訪野というエースアクターの男性がいる事が分かっています」
泪
「…アンタが心配しているのは、その、エミと諏訪野?」
葵
「ちょっと待って。神奈川で諏訪野って言ったら、有名な暴走族のリーダーだった男じゃない?」
慶史
「葵、お前はなぜそんな奴を知ってる?」
翼
「ジョンスミスさん、小春たちはそこで何を?」
ざわつく藤守兄弟たちを、JSはまあまあと静めた。
JS
「落ち着いてください。先に言ったでしょう?まだ事件ではない」
翼
「…」
JS
「スーツアクターは、夢を与える素晴らしい職業です。高校生が興味を持っても全く不思議じゃない。が、僕はまだ、エミと諏訪野の人物を知らない。それがひとつ」
JSは人差し指を立てた。
JS
「ふたつ、エミの経営するスーツアクター集団『スーパー☆エミーズ』には、その二人の他にも大勢のアクターが所属しています。が、ほとんどが副業として参加しているうえに、スーツアクターは外では素顔をさらさない。ゆえに正体不明」
JSは二本目の指を立てる。
JS
「みっつ、最近東京では、ヒーローに扮した露出狂が頻繁に出没している。この件に関しては、あなた方が担当されているから、よくご存知でしょう」
JSが立てた三本目の指を見ながら、泪が眉をひそめた。
泪
「分かったわ」
仕事の口調に戻った泪の声に、JSの話に集中していた全員が、一斉に泪の方を向いた。
泪
「非番の時に交代で、『スーパー☆エミーズ』を調べてみましょう」
いやもうこれ別の話になってないか?
というところで、パースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒◯
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11/11(Wed) 13:43
賢史の場合
ジュン
公休日、賢史はとある駅前で人を待っていた。
ジュン
「ごめんなさい、遅くなって。」
小走りで走りよってきたのは玉木ジュン。
賢史が高校を卒業するときにジュンから告白されて付き合っている。
二人で電車に乗り行き着いたのはとある遊園地。
ここで行われるヒーローショーに「エミーズ」が出るのだ。
ジュンを連れてきたのは賢史ひとりだと目立ってしまうためのカモフラージュ。
しかし、本音は久々のデートをしたかったためである。
とはいえ、ジュンは警視庁の事務として働いているので毎日顔は合わせているのだが……。
園内を歩きヒーローショーの場所にたどり着いた。
ショーはすでに始まっていて、なかなか本格的なアクションに引き込まれていく。
ショーが終わり、舞台袖に目をやると一人の女性に目が止まった。
どこかミステリアスな感じがするが、とても綺麗な女性……エミだと賢史は瞬時に感じた。
主役のヒーローと話をしているエミをこっそり写真に撮り、声をかけようとする。
小春
「あー、賢史お兄ちゃん!」
太郎
「ジュンさん、こんにちは。デートですか?」
あえなく小春たちに見つかりエミに声をかけることもできなくなった賢史だった。
賢史くん、作戦失敗!
続きをお願いしまーす。ヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
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11/12(Thu) 17:51
中の人なんかいない
小春
ジュンさんありがとうございます。
ちなみに、小春と太郎は高2、担任はセツナ先生でお願いします。
ジュン
「小春ちゃん、太郎くん、こんにちは。最近はあのヒーローにハマってるの?」
ジュンが優しく尋ねると、小春はニコニコ笑って頷いた。
小春
「ジュンお姉ちゃん、こんにちは。『湘南☆ライフセイバーズ』は5人組の神奈川県ご当地ヒーローで、今すごい人気なんだよ」
ジュン
「そうなんだ」
小春
「私は、敵役のスワノドルフィンのファンなの」
スワノ、という響きに、賢史はピンとくるものがあった。
賢史
「小春は昔から二枚目のクールな脇役が好きやからなあ」
小春
「うちのお兄ちゃんたちもみんなかっこいいけど、そういうタイプはいないでしょ。誠臣お兄ちゃんは半分お母さんだし」
誠臣が聞いたらがっかりしそうな事を言う小春の隣で、太郎が唇を尖らせる。
太郎
「僕、そのタイプを目指してるんですけどね」
小春
「太郎くんは脇役じゃないよ。子供の頃から、私のヒーローだもん」
小春がけろりとした顔で言うと、太郎の顔が赤くなった。
太郎
「こ、小春さん。向こうで、ソフトクリームでも食べませんか」
小春
「うん行く。じゃあね、ジュンお姉ちゃん、賢史お兄ちゃん。デート、楽しんでね!」
賢史
「な、なにを言うてんねんお前は!こら小春、おーい!」
そうこうしているうちに、エミもどこかに行ってしまい、ヒーロー役の『レッド☆セイバー』だけが残った。
賢史
「(とりあえずアイツに、エミや、他のメンバーの素顔について聞いてみよう。
全部教えてくれるかどうかはわからんけど、
うまくいけば、露出狂の事も聞けるかもしれん)」
だが、目立たぬようにレッドに近付いた賢史は、声を掛ける直前、逆に、後ろから誰かに声を掛けられた。
???
「うちのヒーローに、何か御用ですか?」
誰?(笑)
ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
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11/22(Sun) 17:29
小春
振り返った賢史の前にいたのは、髪も肌も真っ白な、背の高い男性だった。
薄い色の入った眼鏡の奥の表情までは読み取れないが、口元には穏やかな微笑みを浮かべている。
端正な顔立ち、シルバーグレーのコートに引き締まった身体を包んだ、優雅な身のこなし。
諏訪野だ、と、賢史は直感した。
賢史
「あ、す、すんません。さっきヒーローショー見て、彼女がすっかりファンになってしもて。握手だけでもお願いできひんやろかと思って」
賢史は、とっさにジュンを引き合いに出した。
ジュンも、機転を利かせてすぐに頷く。
ジュン
「そ、そうなんです」
賢史とジュンの咄嗟の演技は完璧とは言えなかったが、レッドに声を掛けようとしていたのは本当なので、全くの嘘でもない。
諏訪野は一拍おいて、そうですか、と目を細めた。
諏訪野
「それなら、俺からそう伝えましょう」
ジュン
「あの、ご迷惑では?」
諏訪野
「とんでもない。ファンの皆さんからの応援あってこそのヒーローですからね」
にこりと笑った諏訪野は、本当にレッドを呼んで来てくれた。
真っ赤になって握手してもらっているジュンを横目に、賢史は、立ち去ろうとした諏訪野を慌てて引き留めていた。
賢史
「あの!あなたは、『スワノドルフィン』の方ですよね?」
賢史が言うと、諏訪野は自然な動きで周りに人目が無い事を確かめてから、賢史に向かって苦笑した。
自分の失敗を察し、賢史は口を押さえてぺこぺこと頭を下げる。
賢史
「すんません」
諏訪野
「いいんですよ」
特に気に障った様子もなく微笑んだ諏訪野にほっとした、次の瞬間。
諏訪野
「それは職務質問ですか?」
逆に諏訪野から返された質問に、賢史の背中を冷たいものが伝った。
諏訪野
「失礼ですが、藤守葵くんの弟さんでしょう。警察官の」
賢史
「…は、あの、俺…はい。確かに、葵の弟です」
嘘を言えるタイミングではなかった。
諏訪野は穏やかな表情のまま、頷いた。
諏訪野
「来週の週末も、ここでヒーローショーをやりますよ。ぜひ、お越しください。今度は、皆さんでね」
立ち尽くす賢史をそのままに、諏訪野は、駐車場に停めてあった大型バイクに跨ると、排気音だけを残して走り去って行ってしまった。
ジュン
「…すごく綺麗な男の人だけど、なんだか、怖いね…」
レッドのサイン色紙を手に戻ってきたジュンの呟きに、賢史は、冷や汗を拭いながら頷いていた。
賢史
「葵兄貴と、どんな知り合いなんやろ…」
次の週、同じ場所に、藤守兄弟とジュン、そして、櫻井姉妹の姿があった。
ここでパース。
よろしくお願いしまーす。
11/23(Mon) 09:35
書き直しましたm(__)m
ジュン
慶史
「皆で見に来いなんてどういうつもりだ?」
公平
「怪しいところなんてないっていうアピールかも。」
誠臣
「そうかもしれないが……」
ショーが始まると小春は真剣にステージを見つめている。
しかし、藤守兄弟たちは諏訪野の意図が解らず悩んでいた。
ショーが終わり泪と葵が代表して舞台裏へといくことになった。
翼
「じゃあ、その間に私は小春とジュンちゃんとお手洗いに行ってきます。」
興奮気味にショーの話をする小春に耳を傾けながら女子3人はお手洗いに向かった。
泪
「俺たちも行くか。今日は責任者のエミがいるはずだ。」
葵
「そうだね。」
化粧を直し、お手洗いから出てステージに戻ろうとしたところでジュンに声をかけた人物がいた。
諏訪野
「やっぱり、来ていたんだね。藤守くんたちも一緒かな?」
声をかけてきたのは諏訪野。
優しげな語り方だが、やはりジュンはなんとなく怖い人という印象を拭いきれない。
ジュンがシドロモドロの返答をする間、諏訪野が翼を見ていたことに3人は気づかなかった。
書き直してみましたがどうでしょう?
こここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
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11/23(Mon) 10:36
ジュンさん大丈夫ですよ
小春
これもまたリレーの醍醐味です。
ちょっとメンバーの配置が変わったので書き直し(笑)
それからしばらくして。
遊び足りない小春と太郎の高校生コンビを遊園地に残し、
エミを探して舞台裏に向かった葵と泪を除く捜査室の一行と諏訪野は、園内に設えられたファストフード店の中にある、飲食スペースの一角にいた。
同じ店内の、少し離れた別のテーブル席には片付けを終えた『エミーズ』のスタッフやキャストたちもいて、談笑しながら食事している。
エミの姿が見えないのは、泪と葵が接触に成功したのか、逃げられたのか。
一方、誠臣以下の藤守兄弟に諏訪野を加えたテーブルを仕切っているのは、初対面の相手でも物怖じしない、公平だ。
公平
「まさか、葵兄さんに、特撮ヒーローのお友達がいたなんて知らなかったなあ!」
公平はニコニコしながら、諏訪野の方に身を乗り出す。
公平
「ねえ、葵兄さんと諏訪野さんは、どういう関係なんですか?」
諏訪野は公平に微笑みを返してから、コーヒーカップに口をつけた。
諏訪野
「隠すほどの話じゃないけど、葵は思い出すのを嫌がるかも」
誠臣
「お話を伺ってみて、葵兄さんが俺たちに知られたくないような話だったら、聞かなかった事にしますから。ぜひ」
誠臣が食い下がるのを見ながら、翼も他の兄弟たちと同様、諏訪野に頷いて見せていた。
いつも笑顔を絶やさず、誰からのどんな質問もそつなくこなすタイプの葵が、どういうわけか、諏訪野の話になると、急に歯切れが悪くなる事が、翼も気になっていた。
葵には悪いが、今は、諏訪野と直接会話できる貴重な機会なのだ。どんな小さな情報でも、聞き逃すのは惜しい。
賢史が真剣な顔で、諏訪野に向き直った。
賢史
「諏訪野さん、お願いします」
諏訪野
「そこまで言うなら」
諏訪野は頷いて、話し始めた。
諏訪野
「葵とは、大学時代の合コンで知り合った。
俺は経済学部だから葵とは専攻が違うけれど、藤守兄弟は、二人揃って頭脳明晰な美形の双子だと学内で有名だったからね。
葵の噂は会う前から知っていた」
賢史
「光源氏の噂ですか?」
諏訪野
「そう。たくさんの女性から好かれている、スマートで優しい男…
ところが、合コンの席で会った葵は、噂とは違っていたね」
そう前置きをして、諏訪野は、柔らかい声で、ゆっくりと話し始めた。
諏訪野
「合コンの前に、何か気に入らない事でもあったのかな。
葵は、最初から機嫌が良くなかった。
その日は、ひとり、積極的な女性がいてね。
豊満な胸を触らせようとしたり葵のスマホを覗こうとしたりして、葵にひどくベタついていた。
手を握ったら離さない。隣の席を離れない。どころか、トイレに行くにも後を追う始末。
とうとう、優しい藤守葵にも我慢の限界が来たんだろうね。
トイレから戻って来たと思ったら、いきなり、座っていた俺の腕を掴んで引き寄せた。
そして…、
キスしたんだ。
びっくりするぐらい濃厚なやつをね」
全員
「えっ!!」
その時。
葵
「…あの時はどうかしてたんだ…」
全員の驚きの声に被せるように呻いたのは、いつからそこに立っていたのか、当の葵だった。
葵が話を遮る様子がないと見たのか、視線を戻した諏訪野が、再び口を開いた。
諏訪野
「葵は、びっくりしてる皆に向かって、『悪いけど、今日はもう帰らせてもらう』『こいつ連れて行くけど、いいよね?』って。
……おかげで、翌日から俺は『藤守葵にお持ち帰りされた男』だ」
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11/23(Mon) 11:25
繋がったかな?
小春
両手で顔を覆う諏訪野に、弱りきった顔で葵が謝り続ける。
葵
「悪かった。何でもいいから合コンを抜け出す口実が欲しかったんだ。本当に、悪かったよ」
それを見て、ようやく、全員の緊張が解けた。
諏訪野
「…まあ、きっかけはそんな風だったけど、二人とも剣道をやってた事とか、共通の話題がいくつかあってね。
その後は時々連絡を取り合って、遊ぶようになった。
葵が就職してからは、なかなか時間が合わなくなって、遠ざかってしまっていたんだけど。
だから、偶然だけどこうして会えて、俺は嬉しいよ」
諏訪野の話を聞くうちに、翼にも、葵の不可解な態度の理由がわかってきた。
葵にしてみれば、諏訪野に対して、初対面以来の引け目があるのだろう。
友人なのにしばらく会えずにいたのも、葵の方の都合が大きいようだし…。
肩を並べて座る二人を見ながらそんな事を考えていると、不意に、諏訪野と目が合った。
にこりと微笑まれて、突然の事に、翼の胸がどきりと鳴った。
諏訪野
「ところで、こちらは、ずいぶんと可愛いお嬢さんだね。
失礼だけど、葵の想い人かな?」
すると、翼が否定するより早く、泪が口を開くより早く…つまり、すごい速さで反応した葵が、勢いよくそれを否定した。
葵
「違うよ!」
葵にしては珍しく、焦っているように思えたのは気のせいだろうか。
諏訪野
「はは、そんなに赤い顔で否定しなくても。
葵の彼女ではないなら、俺はそれでいいんだ」
諏訪野は笑って葵の肩を叩くと、立ち上がって、翼に向き直った。
諏訪野
「さっき、櫻井翼さん、って、自己紹介してくれたよね。
どうだろう、櫻井さん。
俺と、付き合ってくれないかな?」
全員が息を飲む。
爽やかすぎる交際の申し込みに、翼は対応に困ってしまった。
諏訪野の口調も表情も、あくまでも穏やかで、自然だ。
いかにも大人な感じの男性だし、きっと、今、この場で申し出を断ったとしても、気分を害したりはしないだろう。
けれど、翼が困ってしまった最大の理由は、泪が、何も言わない事だった。
泪は自分を好いてくれている。その事は疑いようがない。
けれど、今、開いて何かを言いかけた口を閉ざしたという事は、泪は、警察官としての感情を優先させて、藤守泪個人としての感情を押し殺したという事だ。
もしかして、そこまで考えて、諏訪野は、今、みんなの前で翼に交際を申し込んだのか……
葵の想いも、諏訪野の行動の意味も、泪の気持ちも…
なんだか一時に押し寄せてきて、どう処理すればいいか分からない。
でも、とにかく、この場で、今、自分がするべき事は……、
翼は立ち上がると、微笑んで返事を待っている諏訪野に向かって、深々と頭を下げた。
翼
「…諏訪野さん、ありがとうございます。
せっかくのお申込みですから、私、お受けしたいと思います。
最初はお友達の関係から…どうぞ、よろしくお願いします」
ここでパース。
ジュンさんと私の書き直し前の分は、後ほど消させていただきます。
ごたごたしましたが、続きをお願いしまーす。m(__)m
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11/23(Mon) 14:29
急展開に読み専になってました( ̄∇ ̄*)ゞ
澪
翼の返事が意外だったのか、つい小さく「えっ」と漏らした公平を、誠臣が肘で突く。
しかし諏訪野は気に留める様子もなく、浮かべている微笑みをより深いものにした。
諏訪野
「ありがとう。それじゃあ、友達から、よろしくね」
翼
「はい。こちらこそ、お願いします」
穏やかな微笑みを浮かべる諏訪野に、翼も少しぎこちないものの、微笑みを返す。
それを見ながら誠臣は、咄嗟に、それでもさりげなく、泪に目をやった。
誠臣
「……」
泪は、二人──翼と諏訪野を見ていなかった。
諏訪野の隣にいる葵もまた同様で、双子は揃ってじっとテーブルの上を見つめている。
泪も葵も、一見普段と変わらないように見えた。
けれど、何か堪えるような雰囲気が確かにある。
誠臣が口を開きかけた時、公平がハイ!と急に元気良く手を挙げた。
公平
「ねえねえ、葵兄さんも翼ちゃんも友達なら、オレとも友達になってくれます!?」
再び諏訪野の方へ身を乗り出して問い掛けた公平の頭を、賢史が叩く。
賢史
「アホッ、何言うてんねん」
公平
「ちょっ、頭は叩かないで!」
そのやり取りを見ながら、一瞬驚いた表情に微笑みを戻すと、諏訪野は頷いた。
諏訪野
「…そうだね。もちろん」
公平
「うっわあ、やったあ!俺、ああいう特撮のアクションとかしてみたくって!諏訪野さん、今度教えてください!」
諏訪野
「はは、レッドじゃなくていいなら、ぜひ」
空気が変わりつつあるのを見て、誠臣は立ち上がった。
誠臣
「そ、それじゃあ、そろそろ小春と太郎と合流するか」
慶史
「そうだな。あいつらもそろそろ、遊び疲れただろう」
賢史
「いや~、あいつら元気やからなあ…」
其々が席を立つと、賢史とジュンがトレーを纏めて返却口へと持っていく。
その光景を横目に、諏訪野は翼に声を掛けた。
諏訪野
「ああ、そうそう、連絡先」
翼
「えっ、あっ、そうですね!」
慌ててバッグを取る翼を見て、諏訪野はフッと微笑む。
諏訪野
「そんなに慌てないで。…そうだ、葵」
葵
「え?」
突然声をかけられた葵が諏訪野に顔を向けると、諏訪野が口を開く。
諏訪野
「櫻井さんに俺の連絡先、送っておいてくれないか」
葵
「…ああ、うん」
葵の返事を聞くと、諏訪野は礼を言ってから翼に向き直る。
諏訪野
「それじゃあ、葵に頼んだから。連絡、待ってるね」
*
結局エミと接触できたのかできなかったのか触れず(笑)←タリッキー
まさか諏訪野と葵さんがキスしてたとは楽しい展開(〃∇〃)
ええと…泪さん翼ちゃんは兄弟も公認の好き合ってる仲、
なもののそれ以上の進展はなく、まだきちんと付き合ってないってことでしょうか?
6年も経ってるのに~泪さん、しっかり(≧△≦)ハラハラ!
そして翼ちゃんを囲んで、双子と諏訪野の恋の大三角形か!?(≧▽≦)ドキドキ!
澪のことも考えるのでちょっと放置でお願いします(笑)
せつなさんともさんも気になりますね。
ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
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11/23(Mon) 22:40
澪さんありがとうございます(´ 3`)ちゅー
小春
泪さんと翼ちゃんの関係は6年前からほとんど進展なしでいいです(笑)。
ちょっと今回は分かりづらく書いてしまったかもしれませんが、葵さんは翼ちゃんも好きだけど、何よりも泪さんの幸せを願っています。
諏訪野は誰の気持ちも企みも全部お見通し。
その上で何を考えているのかは今後の展開次第…という感じでしょうか。
澪さんが来てくれたのでついでに補足…蛇足しておきますが、諏訪野が巻き込まれた大学時代の「葵が機嫌悪かった日」は、「澪さんが葵さんにちょっかい出した日」だと思ってください。
葵さんはずっと、泪さんに絡んでくる澪さんを、気に入らない気に入らないと思いながら意識してきてるわけですよ。
そして、運動会で翼ちゃんを庇ってくれた場面に居合わせて、ちょっと見直したりなんかしてるわけですよ。
私がリレー澪さんをどうしたいか、そろそろ見えてきましたか?ニヤリ(* ̄ー ̄)
他の皆さんもジュンさんのように頑張ってくれないと、私の好きにされちゃいますよ!
では、改めて、パースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒○
11/26(Thu) 21:21
続けます
小春
諏訪野の行動は速かった。
デートの誘いは翌日のうちに、葵を通して翼に伝えられた。
葵
「…きみの番号、まだ、あいつには教えてないから」
そう言って差し出されたのは、諏訪野の電話番号と、待ち合わせ場所のメモ。
葵の字で、今週末の日時と、昨日とはまた違う遊園地の名前が書かれている。
翼
「ありがとうございます、お手数をおかけしてすみません。
電話番号は……もう一度、諏訪野さんに聞かれたら、私から直接お教えしようと思います」
礼を言って紙片を受け取る翼を、葵は、心配そうに見つめた。
葵
「……デート、俺も付いて行こうか?
一緒で構わない、って、諏訪野も言ってたし」
翼
「えっ、葵さんも、ですか?」
諏訪野の所属するスーツアクター集団「スーパー☆エミーズ」と、都内に出没しているヒーローに仮装した露出狂との関係は、いまだ明らかになっていなかった。
諏訪野やレッドとは実際に会って話をする事が出来たが、その時の印象では、どちらにも、特におかしなところは無かった。
いやむしろ、好感の持てる人物だったと言ってもいい。
でも、人は見かけによらないというし、犯人が捕まらない以上、疑いは消えない。
だから、翼にしてみれば、葵の提案は、正直有り難かったけれど。
確かに諏訪野は「友達から始めよう」と言った。
でも、普通、初めてのデートに、他の男性を連れてきていいと言うものだろうか?
また、そう言われたからと言って、正直に葵を連れて行っていいものだろうか?
分からない。
ただ、それでもやっぱり、翼には、諏訪野が悪い人間だとは思えなかった。
葵
「……泪も心配してるしね」
ぽつりと付け足した葵の言葉に、翼の胸は疼いた。
結局、最初のデートには、葵と公平が同行した。
諏訪野は言葉通り翼たちを歓迎してくれ、三人を楽屋に案内したり、食事をご馳走してくれたり、特撮の仕事での面白いエピソードを披露してくれたりした。
最初は警戒していた翼も公平も、しだいに打ち解けて、気付けば翼はまた来週も諏訪野と会う約束をし、公平に至っては、次の公演へのゲスト出演まで決めていた。
葵
「どうやら杞憂だったかな。
でも、気をつけて。諏訪野に本気で恋しちゃだめだよ」
帰宅した後で葵に言われて、翼は不安になった。
泪も、そう思ってるだろうか。
翼が、自分以外の男を好きになるかもしれない、だなんて。
そんなこと、あるはずがない。
でも、それなら、自分の今のこの行動は何なのだろう。
諏訪野にも、泪にも、ひどく失礼な事をしているような気がして、翼の心は沈んでゆくのだった。