『アブナイ☆恋の共同生活』

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07/14(Tue) 14:37
肝試しは無事終了(;´Д`)=3←怖いの苦手
せつな


家庭訪問・準備トーク


空間セツナ
『では、家庭訪問の仮日程表を配ります。場所を優先に作成してあるので、保護者の方の都合がつかない生徒は、学校での三者面談もしくは、第三希望まで別日時を書いて再提出してください』


賢史
「ってことなんやけど、ウチって大丈夫なん?」

アニ
「俺がその日は丁度午前中で講義が終了だ。午後は空いているから対応しよう」

公平
「アニで本当に大丈夫かなー?」

アニ
「何をいうか!長男として、お前らの担任教諭が、大事なお前たちのことを任せられる人物かどうか査定してやらないといけないからな。更に!お前たちが学校で真面目に学業に励んでいるか、悪事を働いていたりしないか聞き出してやる。ま、まぁ、翼に対しては、心配など必要ないがな」


「・・・かえって心証が悪くなる可能性120%」

賢史
「それだけはカンベンしてや~。たのむで、アニキ。」

誠臣
「大丈夫だ。俺が菓子を焼いておいてやろう。少しはお前の助けになるかもしれない」


「まぁまぁ。俺も都合がついたら早く帰ってきてあげるよ」

賢史
「葵兄ぃ、先生に色仕掛けはマズイて」


「担任って女の先生なの?それなら尚更俺がいた方がいいんじゃない?」

賢史
「・・・アカン、完全におもしろがっとる」


「おい、翼の家庭訪問も兼ねてるんだ。真面目にやれよ」


「あれー?泪は聞かなくていいの?翼ちゃんの学校生活とか」


「おっ、俺は!翼の・・・なんて、別に」


「何焦ってるの。もう2年なんだから、進路とかそういうことも話にでるんじゃないかってこと。もしかして、異性交遊関係なんか想像しちゃった?」


「葵・・・、てめえ!」

賢史
「さ、櫻井の異性交遊関係なら、俺が見張っとくから!大丈夫だから!!」


「おい、賢史。見張っとくって、それ、どういう意味だ?見張らなければならないような不埒な輩がいるってことか?あぁん?」

アニ
「何だと?!それは聞き捨てならん!!ここここ高校生のくせにけしからんぞ!!」

賢史
「お願い、もうヤメテー!俺の平穏な学校生活が~~」

誠臣
「・・・賢史、なんなら、夕飯も用意しておくぞ?」


「どっちにしても、波瀾の予感」

公平
「おもしろそうだから、俺も部活サボって帰って来ちゃおっかなー」

賢史
「公平、諒、お前らの家庭訪問のときも同じ目に合うんやで。覚えてろよ」





というわけで、翼c不在の居間での兄弟小話でした。

家庭訪問が高校で行われるか?の疑問ですが、普通はありませんよね(笑)
しかし、某イナカではあったりする・・・;
最初はワタクシも驚いたんですが、慣れとは恐ろしい(-_-;)
というわけでこんな予防線を張ってみた。

一応、いっぱいフラグ立てちゃったけど、全回収できるのかな@@;
ご協力頂ければ幸いです(∩´∀`)∩←他力本願か!

次回、
セツナ先生、イケメソ兄弟に囲まれる!?  キャーもうイヤーンっっ(*ノωノ)

的なお話を、どなたかよろしく!!!b←誰得www

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07/14(Tue) 20:44
*他力展開を祈願しておきながら、ちょっとぶっこんで見るΣ(・ω・ノ)ノ!オイオイ
せつな


家庭訪問・準備モノローグ


澪が先に寝てしまった後、
セツナは、久しぶりに家宝ともいえる秘蔵アルバムを開いた。


笑顔を向ける小野瀬先生
ウィンクしている小野瀬先生
気障なポーズをとる小野瀬先生

どのページにも、小野瀬先生がいっぱいだ。

一人のものから、集合写真、数人のスナップ写真まで様々。
中には、隠し撮りだとはっきり分かる物も少なくない。

高校時代に、何枚も何枚も集めるうちに、小野瀬先生の些細な表情の変化に気付いた。

もちろん、その意味が分かるようになった・・・というか、考えられるようになったのは、
大学を卒業してからだけど。


穂積先生と肩を組んでいたり、穂積先生にキスしようとふざけて(穂積先生は心底嫌そうな顔で引きはがそうとしているけど)いたりする写真は、小野瀬先生の表情が違う。

同じ笑顔でも、見ている自分まで笑顔になってしまいそうなくらい楽しそうだ。

反面、女子に囲まれ腕を獲られて、色っぽい微笑を浮かべている小野瀬先生は、
顔は笑っているのに、どことなく冷めた眼をしている感じ。


隠し撮りの写真に至っては、数ある中のほんの数枚だけど、寂しそうな苦しそううな表情をしていた。


「やっぱり、そっくりだ」

名前も知らない、小野瀬先生とうり二つの彼。
私の記憶の中の小野瀬先生より、当然だけど若い。

なのに、表情まで小野瀬先生と同じだ。

初めてスマホの画面で見た時は気付かなかった。
写真を見て驚いたのだ。

どうして、この子はこんな眼をしているのだろう。

澪の話だと、いつも優しくて、人気者で、たくさんの女子に囲まれているようなのに。

この子も、小野瀬先生と同じような想いを抱えているのだろうか?

けれど、自分にはその想いが分からない。

この子が、必死に隠そうとしているものが写っていたような気がして、思わず写真を破ってしまった。

理解してあげることも、助けてあげることもできない自分には、
この写真を持っている資格はない。


小野瀬先生のアルバムの間に、二つに破った写真を挟み、それを閉じて元の場所に戻す。

ため息を一つつき、ベッドに入って、灯りを消した。
明日も仕事だ。家庭訪問が始まる。


なにをするために教師になったのか・・・。

日々の仕事に忙殺されるうちに、目標さえ見失っているような気がするセツナだった。




あ、暗いわ・・・。ごめんなさいm(__)m
これはこれで、ちょっと必要なので、さらっと読み流してください。

誠臣さんの焼き菓子とかー、つまみ食いするこーちゃんとかー、ネクタイ締めちゃうアニとかー・・・萌える。
家庭訪問はドタバタしたいですね(V)o¥o(V)ノ⌒○パース

07/15(Wed) 11:22
せつなさんありがとうございます。
小春


刻んで繋ぎますね。


~家庭訪問当日~

藤守家と櫻井家の間にある、櫻井家の小さな庭。

今までは主の趣味である盆栽が場所を塞いでいたが、そのほとんどを転勤先に連れて行ったために、設置されていた棚も外され、今は、そこそこ広い芝生の庭だけが残っている。

当然、現在は、小春たちの格好の遊び場になっていた。

今日も、学校から帰って来た小春と太郎が、物置から持ち出した簡易テーブルと椅子を並べて、スケッチブックやら絵の具やらを広げている。

どうやら写生の宿題らしい。

小春
「太郎くん、もう描けたの?相変わらず、早くて上手いねえ」

太郎
「小春さんも、集中して描けばすぐ終わるのに。何を描いてるんです」

小春
「私の家と、太郎くんの家」

太郎
「ぼくらの家の背景に、こんな大きな山はありませんよ」

小春
「こんな山じゃないよ。富士山だよ。空だけじゃ寂しいから描いてみた」

太郎
「静岡県民みたいな事を言わないでください」

小春
「じゃあ、今日これから来る、お姉ちゃんと賢兄ちゃんの担任の先生の想像図も描く」

太郎
「想像図って…もう、真面目に写生してくださいよ」


真面目にやれ。
ここでパース!

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07/16(Thu) 09:16
おはようございます( ´ ▽ ` )ノ
とも



~桜中学・放課後~

長かった授業がようやく終わり、帰り仕度を始める者、部活動に向かう者と次々に教室を出て行くなか、公平はひとりそわそわしていた。

公平
(今日は賢史兄さんと翼ちゃんの家庭訪問の日なんだよなぁ…。絶対面白そうなのになんで今日は部活があるんだろ)

とも
「そんなん、大会が近いからに決まってるやん。…まぁ、試合前にケガしたらアカンからそこまで練習メニューも多くないけど、顔も出さずに帰るのは、主将としてはどうかと思うけど」

気配も感じさせず、後ろで立っていたともに公平は心底驚いた。

公平「うわ、ともちゃんか、ビックリさせないでよ~。 ちゃんと部活には行くって、っていうかいつからそこにいたの⁈」

とも
「ん?お兄さんの家庭訪問がどうとか言うてる時からおるけど? なぁ、藤守のとこは両親しょっちゅうおらんけど、誰が先生の応対するの?」

公平
「今回は慶史兄さんがするって言ってたけど、泪兄さんも葵兄さんも午後から授業ないから家にいるんだよね。誠臣兄さんがお菓子作るって言ってたし、みんながいるなら俺も、とか思っちゃったりして…」

誠臣、と聞いてわずかに反応したとも。

とも
「ふ、ふーん。私も練習ならうちの道場でできるし、誠臣先輩に最近会ってへんから、ついて行こっかな…?」

公平
「そう? それなら早く家に帰らなきゃだね!(ニヤリ)」



お久しぶりでー
ちょっとつないでみました~。
私も家庭訪問は中学はあったけど、高校は三者面談で学校に行ってたような気がします。藤守家の家庭訪問、いよいよですね!面白そうなので覗いてまーす!
で、続きはお願いしますのパース( ´ ▽ ` )ノ⌒○

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07/16(Thu) 09:34
ともさん!(≧∇≦)ノシ
小春


公平
「たっだいまー」

とも
「こんにちはー」

けいじ
「写生か。『身近な風景を書こう』懐かしいな」

自分達が同じ課題を美術(図工)で体験してから、既に四年近くが経っている。

結局、早目に部活を切り上げて帰宅してきた中学生たちは、太郎の絵を褒め、小春の絵にツッコミを入れ、思い出話をしながら庭先の芝生に座り込み、ついでに自分たちもそれぞれの宿題を広げ始めた。

しばらくすると、藤守家から、小春たちの様子を見にか、誠臣が出てきた。

隣の庭先に五人がいるのを確かめると、笑いながら、パラソルやら冷たい紅茶やら、作法通りの三段ケーキスタンドやら、アフタヌーンティーの準備を整えて持ってきてくれる。

ともが率先して手伝うのを見ても公平やけいじは何も感じないようだったが、太郎と小春は、ぎこちなく会話を交わすともと誠臣を見ながら、ふうん、と、楽しそうに笑顔を見合わせるのであった。



ともさんと被ったけど、奇跡的に繋がったのでそのまま出しちゃう(笑)
これが阿吽の呼吸というものかしら。
ともさんありがとう大好き。
ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒○

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07/16(Thu) 15:12
アニは……
ジュン

その頃の藤守家の中は……

慶史
「おい!お、おかしくないか!?ネクタイは曲がってはいないか!?」


「大丈夫だけど、なんでスーツ着てるの?」


「家庭訪問にスーツってやりすぎじゃないのか?」

長男である慶史がスーツを着込みバタバタと準備をするのを葵と泪は呆れながら見ていた。

慶史
「馬鹿者!賢史と翼の担任がくるんだぞ!(しかも女性!)長男としてキチンとした格好で出迎えなくてはならないではないか!やり過ぎなどと言うことはないのだ!」

葵と泪は完全に舞い上がってしまっているアニをため息をついて見守るしかなかった。


ちょっとだけ書いてみました。
家庭訪問楽しみだなぁ(*≧∀≦*)

ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇

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07/16(Thu) 16:51
小春さん(*≧▽≦)ノシ))
とも

被っても話が繋がるなんてさすがです(σ´∀`)σ

白河家に道場があると書いてみたので、そこの主にも機会があれば出てもらいたいと思ってますが… ←リレーになると出てくるあの人です(笑)

07/16(Thu) 17:03
ジュンさんともさんありがとう
小春


アニが予想を裏切らない舞い上がりっぷりで素晴らしいですね、さすが、藤守兄弟と言えばジュンさん。

そしてともさん、今回もアノ人に期待していいんですね?やったー!

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07/19(Sun) 22:07
藤守家へ到着
せつな

4月○日金曜日

家庭訪問3日目にして最終日。最後の訪問先は、藤守家だ。

高校生にもなると保護者から希望する家庭訪問自体は少ないが、
学校側にとって家庭訪問が必要な生徒はやはり存在する。
この機会に、とかなんとか理由をつけて、必要な生徒の家庭状況を把握するのだ。

現在の時刻は17時。20分程押していた。

セツナ
「あ、藤守君?今地下鉄の駅を出たわ。遅くなってごめんなさいね」

スマホを握りしめ、焦りつつ訪問先の生徒に連絡する。

藤守家は、両親が不在がちだ。兄弟が多く、三者面談も大学生の長兄が代理で来校することもある。
今回は、隣家の櫻井さんも保護者不在で藤守家に半同居状態だという報告があった。
いわゆる、本年度家庭訪問の最重要案件だ。
3年に兄の藤守誠臣が在籍しているため、今回誠臣君の担任からも、様子の報告だけしてほしいと依頼されている。

『気を引き締め直して頑張らないと』

拳を握り込んだセツナが角を二つ曲がったところで、藤守くんの姿が見えた。

賢史
「あ、空間先生!こっちです」

迎えに来てくれたらしい。笑顔にほっとする。

セツナ
「ありがとう。お家の方は大丈夫だったかしら?」

賢史
「ああ、はい。っていうか、センセーこそ、びっくりせんでくださいね」

セツナ
「びっくり?カエルでも飛び出したりするのかしら?」

賢史
「さすがに小学生じゃないから!いや、アニキや弟が結構いてるんで、なんちゅーか、その、うるさいし・・・」

たしかに、17時すぎれば、他の兄弟も帰宅しているだろう。
そんな心配をしてくれるなんて、藤守賢史は優しい男子だ。

セツナ
「櫻井さんとあなたの家庭環境を知るのが目的なんだから、構わないわよ。時間も過ぎてるし、お話が済んだらすぐにお暇するわ」

先を歩く賢史の表情はなぜか晴れない。
まあ、思春期の男子生徒の気持ちとしては理解できるので、セツナも逆なでしないよう気をつけながら玄関をくぐった。

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07/19(Sun) 22:41
家庭訪問 その2
せつな


「空間先生!どうぞよろしくお願いします」

入口で丁寧に案内してれたのは、櫻井さんだ。
可愛い笑顔。
本当に優しく物腰の柔らかい生徒で、成績も問題なく、学年の先生方の評判もいい。
男子生徒との半同居状態というものが、この子に悪影響を与える可能性があるのかどうか、それを見定めなければならない。

和室の客間に案内されて座布団を勧められる。

セツナ
「ありがとう。お邪魔しますね」

櫻井さんと藤守君も座り、それと同時に、長身の男子がコーヒーを持ってきてくれた。

誠臣
「先生、どうぞ」


セツナ
「あ、ごめんなさいね。気を使わないで、ね・・・って、もしかして、あなたが、3年の誠臣君?」

誠臣
「はい。学年が違うので、学校ではあまり顔を合わせることがありませんが、賢史の4番目の兄です」

はにかんだ笑顔を向けられる。

あれ?どこかで見たような顔。もちろん、学校だろうが、なんとなくそれとは違うような気がする。
もしかして、テレビかなと思うくらいの和風イケメンだ。

セツナ
「そう。今年受験よね?ふじ・・・賢史君や櫻井さんも一緒の生活はどうかしら?」

誠臣
「元々兄弟が多くて、俺の生活リズムに変化はありません。賢史が迷惑をかけてはいませんか?」

賢史
「何ゆうてんの!俺は真面目なイイ生徒やで!?」

セツナ
「ふふふ、賢史君はいいお兄さんを持って幸せね」


「先生、このケーキは、誠臣さんの手作りなんですよ」

セツナ
「え!?これ、お店で買ったものじゃなくて?」

誠臣
「恐縮です。良かったらどうぞ食べてみてください」

ワンプレートに小さなケーキが5種類色とりどりに並べてあって、見た目も美しくおいしそうだ。
普通は訪問先で食べてはいけないのだが、これは断る方が悪いような出来栄えだ。そのうえ、生徒(私のクラスじゃないけど)の手作り。

セツナ
「お、お話が終わったら、頂くわね。ありがとう」

返事をすると、誠臣君は正座して一礼し、退室して行った。

この落ち着き。逆に弟を気遣う優しさ。家庭的な姿。高校3年生とは思えない。
担任教諭には、花丸だったと伝えておこう。

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07/19(Sun) 23:12
家庭訪問 その3
せつな


「掴みはOK。イイ感じだ」

客間を出て、ダイニングへの廊下を曲がったところで、
泪と誠臣がハイタッチする。


「やっぱり、誠臣がトップバッターで正解だったでしょ?」

具体的な作戦を立てた葵が微笑を浮かべる。

慶史
「なぜ、俺が一番ではいけないのだ?」


「一番でいいと思う根拠を知りたいくらいだ。おら、アニ、行くぞ」

次はアニを担任のいる客間へ連れて行き、余計なことを言わさず無事に面談を済ますことができれば、任務完了だ。

何しろ、翼と小春の生活がかかっている。
何がきっかけで、学校側から『やはり保護者が不在なのは問題がある』といった横やりが入るとも限らない。

翼も小春もしっかりした子だ。
両親のことや自分たちのことを真剣に考えて決断し、この生活を維持しようと努力している。

それなら、自分は、すべての困難を排除してそれを守るだけだ。

慶史
「ええい!弟の分際で俺に指図するな」

誠臣
「・・・大きな声を出さないでくれ。ネクタイも曲がってる。バタバタ音を立てて歩くと失礼だぞ」

誠臣はいい右腕だ。頼もしく成長したな。

慶史
「お前はオカンか!俺は大丈夫だ!」

長兄にはその役割を果たしてもらわねばならない。
泪は背後から碧い眼を鋭く光らせるのだった。





モグモグ「・・・そう思っているのは本人だけ。ヨーグルトムース美味しい」

公平
モグモグ「・・・あれは、きっとテーブルの角で躓くね。イチゴミルフィーユ激ウマ!」

とも
モグモグ「・・・オモロイから見物してよ。ザッハトルテも最高!!」

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07/20(Mon) 14:00
家庭訪問 その4 再々UP;
せつな

*勢いで書きすぎて、所々おかしなトコがあったため、訂正しました;
少しはマシになったかな?



アニ
「失礼する」

慇懃無礼に襖を開け、スーツ姿のアニが入って来た。

セツナが立ち上がり、挨拶する。

セツナ
「はじめまして。お邪魔しています。私、お二人の担任で空間セツナと申します」


・・・若い!!

女性教諭と聞いてはいたが、ここここの教員は自分と大して年齢が変わらないのではないか?!

賢史
「アニキ、さっさと座れや。先生も忙しいんやで」

たちまち動揺して挙動不審になるアニにいち早く気付いた賢史が声をかける。

慶史
「あ、ああ、そうだな。・・・っっぉわっ!!」ガターーーーーーン

テーブルの角に躓き、盛大に転倒するアニ。
客間の外で控えていた泪が、すぐに客間に飛び込んで来る。


「アニ!!」


慶史が躓いたはずみで、テーブルの上のコーヒーカップが倒れ、熱いコーヒーがこぼれた。

セツナ
「あっ」


「先生!慶史さん!大丈夫ですか?」

賢史
「コーヒーかからんかったか??」

賢史と翼が、横に置かれたティッシュボックスから数枚取り出したもので辺りを押さえる。

セツナ
「あ、大丈夫よ。カップも割れなくて良かったわ」


「すみません。おい、アニ、立てるか?」

慶史
「だ、大丈夫だ。お騒がせして申し訳ない。す、少し待ってもらっていいだろうか」

騒ぎを聞きつけて、誠臣もやって来た。

誠臣
「すごい音がしたぞ。一旦部屋を出て、足をみてみよう」

言わんこっちゃねぇ・・・。

アニに手を貸す泪は、舌打ちでもしそうな表情をしているが、
金髪碧眼で、見る者を魅了せずにはいられないほどインパクトのある美形だ。

そんな泪をセツナが凝視している。

『あの顔、あの姿・・・まさか、まさか、穂積先生?そんなわけは無いけど、よく似ている、っていうか、そっくりだわ』

そう思った瞬間、気付いた。
誠臣を見た時感じたデジャヴュは、コレに近い。

『誠臣君は明智先生に似ているんだ・・・!立ち振る舞いといい、話し方といい記憶の中の先生と同じ』

そこまで考えて、よく見れば、藤守君・・・賢史君も『同級生の藤守君』に面影がそっくりで。
櫻井さんもだ。2学年下の下級生にあんな子がいたような・・・。

なんという偶然だろう。こんなことがあるなんて。
まさか、自分の目がおかしくなってしまったのだろうか?
家庭訪問先で自分の高校時代にタイムスリップしたなんてこと、ドラ○もんじゃあるまいし・・・そんなはずは無い。

澪から、小野瀬先生によく似た男子の写真をみせられて(しかも上半身裸壁ドン仕様)、
あの当時のことを思い出したせいかも・・・。


「あの・・・、先生、ごめんなさい。私、慶史さんの様子を見て来ますね」

セツナ
「そ、そうね。あの方が一番上のお兄さんなのよね?」

きっと疲れのせいだわ。
セツナは混乱する頭をなんとか立ち直らせるために笑顔を作ってみせる。


そこへ、また一人のイケメンが入って来た。


「そうなんですよ。失礼しました」

セツナ
「いえ、気にしないでください。私ならだいじょ・・・ぶ・・・」

会釈を返し顔を上げたところで、セツナは固まった。


「賢史の2番目の兄で、葵と言います。よろしく。空間セツナ先生」

目の前のイケメンが、ホスト顔負けの笑顔で自分の名前を呼ぶ。

紅い髪に、柑橘系の香りを纏う長身。

青春を捧げ、追いかけ続けた憧れの王子様と同じ姿が、そこにあった。


穂積先生や明智先生にそっくりな彼ら兄弟を見た時。
『上半身裸壁ドン仕様(偽)小野瀬』の写真を思い浮かべた不埒な自分がいけなかったのか。



バターーーーーーーーーン


今度は、セツナが昏倒した。




4連投でスタート(笑)
おなじみ失神シーンで、一旦止め。

少々補足を。

ワタクシの脳内では勝手にお話が展開されているため、読み手さまには分かりづらい表現になっている箇所があるかと思います。
リレーなんだから、より一層気をつけないとと反省しています;;

ここに集うお嬢様方でご存知ない方はいらっしゃらないと思いますが、作中、セツナが思い出しているのは、過去リレー第1弾「アブナイ☆恋の学園物語」で登場した先生・同級生のことです。小春さん、皆さん、勝手にリンクさせてごめんなさい。

始めから、ハッキリここに出ている「空間セツナ」は、第1弾「アブナイ☆恋の学園物語」で登場した、高校3年生の「空間セツナ」が成長した姿です!って、但し書きしておくべきでした;
心よりお詫び申し上げます。


さてさて!小春さんはじめ、ジュンさん、ともさん、フラグ回収のお手伝い、ありがとうございます(*^-^*)
モチロンこれからもお付き合いご協力のほどよろしくお願いします~~!
裏で覗いているともちゃんもこーちゃんも巻き込んで大騒動しちゃうとおもしろいなーw一旦ダイニングに戻ったアニの怪我やテンパった様子、泪さんと翼ちゃんも気になる~~←

失神したセツナと葵さんはほっといていいからΣ(・ω・ノ)ノエ!

( `ー´)ノということで、次は、「澪参上!」でお会いしましょう!
07/21(Tue) 16:32
人口密度が高過ぎる(笑)
小春


何か冷たく柔らかいものが額に当てられた、ひやり、とした感触で、セツナはうっすらと薄目を開いた。

そこには、正座して小さな膝を並べた、二人の子供がいた。

小春
「先生、大丈夫ですか?」

太郎
「ああ駄目です、動かないで」

……

セツナは、ここに来る前に何度も読み込んできた、藤守家と櫻井家の家族リストを脳裏に開いた。

長い黒髪の、綺麗な顔をした男の子。

この子は、藤守家に預けられているという遠縁の子だろう。

名前は、山田太郎くん。

同姓同名のかつての校長の顔が頭をよぎるが、目の前の『山田太郎』は如何にせよ幼く、面影は重ならない。

女の子の方は、櫻井さんの妹の小春さん。

セツナの知る同名の子は、明智先生の妹だった。

だから明智先生にそっくりだったのだけれど、この小春さんの顔立ちは、むしろ櫻井さんに似ている。

ようやく、学生時代の記憶と食い違う存在が現れて、セツナは少しだけ、冷静さを取り戻した。

二人に制されるままにじっとしながら、セツナは視線だけを動かして室内を見た。

葵さんと賢史くんが、何やら立ち話で相談している。

襖が半分開いていて、その向こうに、椅子に座らされた慶史さんがいた。

痛めた足元には誠臣さんと翼さんがいて、救急箱を開いて手当てをしているようだ。

泪さんはどこかに電話をしたり、周りの兄弟たちに話し掛けたりと忙しそう。

襖に半ば隠れた廊下に、諒くんと、中学生くらいの二人の男女。

口がもぐもぐしているのは、何かを食べているのだろうか。

この騒ぎの中で、まるで他人事のような、楽しんでいるような顔をしている事が、何故かセツナを可笑しくさせた。

しばらく眺めていると、見えてきたものがある。

それは、泪さんと、翼さんが、別々の事をしていながら、しょっちゅう相手の方を見ること。

おそらく意識はしていないのだろう、その視線が交わる回数は少ないのだけれど。

年頃の二人でありながら、いかがわしい目線ではない。好意を持ちながら、節度のある眼差しだ。

その事もまた、セツナの唇を緩ませた。

あの顔と名前の二人は、いつでも惹かれあう運命なのかしら。

ところが、少し思考が動き始めると、澪の事、そもそも自分は家庭訪問に来たのだという事、現在のこの状況、これからの事などが一気に押し寄せてきて、セツナは頭痛を覚えた。

眉をひそめたことにめざとく気付いたのか、小春と太郎が、「先生、頭痛い?」、「まだ寝ていないとだめですよ」を繰り返す。

セツナは一旦、目を閉じた。

そしてまた、ゆるゆると眠りに落ちてしまったのだった……



藤守家の現在はこんな様子でしょうか。
ストーリーは進展してませんが、ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒○

[削除]
07/27(Mon) 21:44
こんばんは( ´ ▽ ` )ノ
とも

セツナ先生はあの桜田門学園出身やったんですかΣ(゚艸゚*)

小野瀬先生とのその後も気になりますが、家庭訪問の方もきになる~(*≧▽≦)ノシ))

[削除]
07/28(Tue) 08:45
ともちゃんと如月くん(学園version)のパンツ見せあったカップルはどうなったんでしょうね?(´∇`)
小春

セツナ先生=セツナ先輩だったの楽しいですよね。

これからの展開が楽しみです。

ともちゃんと誠臣さんの関係も気になります。

応援しちゃっていいのかしらー?

セツナさんもともちゃんも、幸せになれるよう引き続きよろしくですー(´∇`)ノシ

[削除]
07/31(Fri) 08:55
~セツナ失神中~
せつな



賢史
「だから言うたんや!もう、家庭訪問めちゃくちゃやんか!!」

慶史
「・・・すまん。転んだ俺が悪かった・・・。と言うか、俺は自損事故だったような気がするんだが・・・」

誠臣
「確かに、そうだな。アニは、勝手に転んで脚を客間のテーブルにぶつけ、勝手にコーヒーカップを倒し、勝手に去って行っただけだ」


「誠臣、お前、結構容赦ないな・・・。俺も見ていたが、アニが客間を出て行く時は、先生は笑顔だった。ひきつってはいたがな。そうなると、失神した原因は・・・」

公平
「葵兄さんじゃないの?いつもの、ふぇろもんってヤツ?で、攻撃しちゃったんだ、あははは・・・、あイテっっ!なんで殴るんだよ、とも」


「ド○クエとかじゃないから。でも、葵兄さんが原因の可能性90%」


「えええ?俺?だって、まだ、挨拶しただけだよ?」


「あのー、とにかく、学校か、空間先生のご家族か、病院か・・・、連絡したほうがいいと思うんですけど・・・」

慶史
「翼の言うとおりだ。持病があったら大変だ。救急車を・・・」


「待って。この歳で重大な持病持ちなら、教師に採用されてないよ。何もないのに、救急車呼んで大事になったら先生も困るでしょ。先に、学校に聞いてみたら?」

賢史
「あー、副担任も家庭訪問や。二人別々で回ってるから」


「・・・先生の名前、空間セツナって言ったよな?さっきから、どっかで聞いた気がするんだけど。珍しい名前だなーと・・・。葵を見て失神する空間セツナ・・・」


「セツナ・・・。確かに、俺も、つい最近聞いたような・・・、あっっ!」

泪・葵
「空間、・・・澪だ!」

全員
「??????」



救急車呼んじゃったらお話にならないのでわざと却下。葵さんが悪いんじゃありません。
通常、意識を失って転倒した人がいたら、速やかに救急車を呼びましょう(笑)

澪の苗字も、イトコなので、解りやすく同じ「空間」にしちゃった。澪さん、勝手にごめんなさい。
とりま、つづく。

[削除]
07/31(Fri) 09:01
せつなさんありがとうございます。
小春


私、すでに前回、泪さんが澪さんに電話してる体の描写がありますね、すみません。

読者の皆さま、読み流してください・゜・(つД`)・゜・

そしてせつなさんの続きをお待ちしております。 (´∇`)ノシ
08/02(Sun) 19:11
長い~~;ご迷惑をおかけします;;
遅筆せつな


小春さん、大丈夫!
セツナ先生が失神してたときの周囲の会話なので、アレは同じ時間軸の別視点からお話でした。

ということで、つづき。


~澪登場~



「おう、ここだ!」

表で澪を待っていた泪が、その姿を見つけて手を上げる。


「ルーーーイ!迎えに来てくれたの?うれしい!」

ブロンドの髪をなびかせ、泪に抱き付く澪。


「お前、家わかんねえだろうが。それだけだ!おい、毎回抱き付くのはやめろっって言ってるだろうが!!」


「うーん、照れない照れない!で、ウチの姉は?」


玄関の辺りが騒がしい・・・。
どうやら澪が藤守家へ到着したようだ。


「セツナ姉!」

客間に寝かされていたセツナの元へ、澪がやって来た。
セツナは覚醒していたものの、恥ずかしさと居たたまれなさのせいで、どうやって目を開けようか途方にくれていた。
だが、いつまでも寝たふりをしているわけにもいかない。

セツナ
「・・・ご迷惑をおかけしてすみませんでした」

セツナはゆっくりと身を起こした。


「先生、大丈夫ですか?吐き気とかありませんか?」

セツナ
「ええ、大丈夫。ごめんなさいね、櫻井さん。藤守君も、迷惑かけて」


「全くだわ!泪から連絡貰って、驚いたわよ!まさか、家庭訪問先で発作を起こすなんて!」

賢史
「発作って、先生は、病気なでんですか?」


「そりゃあもう、はた迷惑なほど重症な、王子様シンドロ・・・モガモガ」

きゃーと悲鳴を上げながら、セツナが慌てて澪の口を塞ぐが。


「王子様シンドロームぅ?」

セツナ
「う・・・。やっぱり、聞こえてたのね」

賢史
「なんやそれ」

澪が向いた方向は、客間の入り口。
中の会話を気にするように、葵が立っている。


「その前に、セツナ姉、葵と話したの?」

セツナ
「う、うん」


「で、失神したのね?」

セツナ
「・・・」


「はぁ。まぁ、何も知らずに、いきなり葵を見ちゃったら、気が動転するのも仕方ないわよねぇ。あ、私、空間澪っていうの。空間セツナ先生のイトコで、現在同居人です。ウチのイトコがご迷惑をおかけしてすみませんでした」

何が何だかよくわからないといった顔をする生徒二人に向かって、ニッコリ微笑み、澪は自己紹介をする。


「あ、いえ」

賢史
「どうも・・・」

慶史
「ついでに、俺たち三人と同じ大学の学生だがな。泪と同じゼミ生だとは、偶然だが、幸運だった」

慶史と葵が連れだって客間に入って来た。
慶史は葵に支えられ、右脚をヒョコヒョコさせて歩いているのが痛々しい。


「ホント、セツナ姉が、泪の弟の家に家庭訪問に行ってるなんて。倒れたと聞いて、すぐ理由が分かったわ。
この人ったら、特定の王子様にのみ反応するセンサーが脳内にあって、刺激が強すぎるとショートしちゃうという残念なイトコなの」

続いて、わらわらと中学生たちも顔を覗かせる。


「やっぱり、葵兄さんが犯人だったね」


「人聞きの悪い」


「あはは、間違っちゃいないけど。厳密に言うと、葵と、セツナ姉の王子様がそっくりなんだよねー。葵を見て、驚いたんでしょ。倒れたのって、3年ぶりくらいじゃない?」

公平
「そんなに、葵兄さんに似てる人がいるんだ?芸能人?写真ないの?」

賢史
「おー、見てみたいわ。興味ある」


「そう?ハイ、コレ。セツナ姉のスマホの待ち受けは常に王子様コレクション。ちなみに、芸能人では無く、セツナ姉の高校時代の元教師で、初恋の人」

セツナの鞄からいつの間に出したのやら、澪の手には、セツナのスマホが握られていた。
ピピツと操作して、写真を表示したものを掲げる。

公平
「見せて見せて!!」

セツナ
「あーーーーーっっ、私のスマホ!!澪!!あなた、どうやって暗証番号をっっ」


「だって、王子様の誕生日でしょ?」

セツナ
「~~~~~」

誠臣
「まるで、泪兄さんの女性版のような、悪魔の所業だ・・・」

人の弱点を容赦なく抉る澪に、口をハクハクさせて為すすべもないセツナを見ていた誠臣が、思わず呟くいた。

公平
「うっわ~~~!マジで激似!!」


「誠臣、コイツと一緒にするな。でも、こりゃすげえな・・・」

泪が、公平からスマホを取り上げ、葵と見比べるようにスマホの画面を眺める。
その横から、覗き込むように顔を寄せ、画面を見た慶史も葵も驚いたようだ。

慶史
「こ、これは、なんと」


「うーん、自分でも、ちょっとびっくりだ」

子供たち
「これ、葵兄ちゃんじゃないの?」

賢史
「歳はちょっと上なんやろうけど、パッと見うり二つやね」


「本当だ・・・」

それに、子供たち、生徒二人が続く。


「あ、二人とも、これはここだけの秘密にしてやってね~」


「ハ、ハイ」

賢史
「ウス」


「イイコたち」ナデナデ

セツナ
「澪~~~~!!!」

そう言いながら、二人の頭を撫でる澪に、ブチ切れ寸前のセツナだった。



まだ続くよ;;

[削除]
08/04(Tue) 21:52
~家庭訪問?~
せつな


続きです




誠臣
「ま、まあまあ。夕飯ができたので、良かったら先生も、その、澪さんもいかがですか?」


誠臣君が大きなお盆を抱えてやって来る。
客間の大きなテーブルの上に、料理を並べ始めた。


「えーー!ラッキー!」

セツナ
「澪!なに喜んでるのよ!これ以上迷惑かけられないわ」


「いいじゃん、良い匂い!」

セツナ
「ダメ!家庭訪問先では、原則飲食禁止なの」


「あー、大丈夫。泪と葵と、えっと、慶史は大学のトモダチだから。友人宅で私と私のイトコが夕飯に招かれたのよう!それならいいでしょ?」


「ブッッ!お前、そういうところは頭が回るな」


「俺、トモダチなの?」

慶史
「・・・俺もか。・・・そ、そうかそうなのか」


「うっわー、すごい!美味しそ~~!!つか、君もツインズの弟クンだけあって、すごいイケメンだね。もしかして、この料理・・・」

とも
「これも、ど・う・ぞ!!」

誠臣に手を出すな、といわんばかりのオーラを纏わせて、中学生くらいの女子生徒が澪の前に大皿をドンと置いた。

誠臣
「・・・とも。すまんが、子供たちを頼む。ダイニングで食わせてやってくれ。お前も一緒に食えよ」

とも
「・・・わかった。任せてください。ほら、小春ちゃん、太郎君、おいで。こーちゃん!諒さんも」

ともと呼ばれた少女の頬が、ポッと赤らむ。
しかし、すぐに誠臣の意図を汲み取った返事をして、周囲で騒ぐ小学生たちを連れ出て行く。

公平
「え~、俺も?」


「当たり前だよ、結局、まだ家庭訪問の目的である保護者面談は終わってない。俺も公平も中学生以下は用無し」

ようやく、部屋の人口密度が少なくなった。
とは言え、襖一枚挟んだ隣のダイニングからは、『すげーうまそー』とか、『葵兄ちゃんのそっくりさんって、先生のカレシなのかな~』とか、『しー!聞こえるよ』とか。

・・・ハッキリ言って、会話が丸聞こえだ。

慶史
「ゴホン。あー、なんだ、その・・・」

誠臣
「どうぞ、召し上がってください」


「じゃ、遠慮なく!いただきまーす!!」

慶史
「おい、俺の話を聞け!!」


「食べながらでいいじゃない。先生、二人の学校での様子はどうなんですか?」

葵が、語り掛けてくる。
思わず、顔が赤くなるが、仕事だ仕事。
しっかりしなくちゃと自分に言い聞かせながら、セツナは皆に向かって話をした。

セツナ
「え、ええ、特に問題になるようなことはありません。2年生は進路を考える大事な時期なので、櫻井さんの事情が気になったのですが、・・・こうやって、ご兄弟皆さんのしっかりした対応を見て、安心しました」

賢史
「いや~、どうなることかと思ったけど、これで一安心や。な?櫻井」

セツナ
「あ、賢史君は、もう少しお勉強に力を入れた方がいいわね。部活と両立するようにしていかないと、希望の大学進学は厳しくなってしまうわよ?」

慶史
「ほらみろ!お前が、せっかくの塾を三日で辞めてしまうからじゃ!」





*送信したら、『長すぎ』と注意されました;;

変なとこですが、ここで続く。
08/04(Tue) 21:54
~家庭訪問? 続きですよ(。-`ω-)~
せつな



「・・・翼、お前の進路はもう決めたのか?」


「う、うん。一応、このまま桜大学へ進学しようと思ってるんだけど・・・」

セツナ
「櫻井さんなら、今のペースで学習を進めていけばいいと思います。頑張りましょうね」


「は、はい!ありがとうございます」

よかったなと、泪と翼が目線だけで頷き合う。

やっぱりだ・・・。
さっきも感じたが、どうやらこの二人には、家族以上の親密な信頼関係というか愛情のこもった雰囲気を感じる。

二人の纏う空気感が柔らかくて、見ているこっちが微笑んでしまいそうだ。


「ふーん・・・」

澪のつぶやきが聞こえた。

『私の狙いはコッチの金髪碧眼のほう』
確か、そんなことを言っていたような気がする。

澪の心情を思うと、イトコとして複雑な気分になった。



「セツナ姉の、先生らしい姿を始めて見たわ。海の向こうで王子様先生も喜んでるんじゃない?」

セツナ
「もう、澪ったら・・・」


「・・・セツナ先生、俺の写真は、役に立ちましたか?」

顔を上げると、葵君が澪の反対側の隣にやって来て座っていた。
考え事をしていたせいで、気付くのが遅れたのだ。

ちっ、近い近い近い!!
別人だと分かっていても、心臓に悪い。

おまけに、写真のセミヌード姿を思い出して、一気に頭に血が上った。

セツナ
「み、澪ったら、はしたないお願いをしたみたいで、ご、ご、ごめんなさいね。おまけに、他人の空似で失神されて、あなたも驚いたでしょう?」

ぐるぐるする頭をなんとか押し留めて、必死に答える。
澪が横から、私のせいにしないでと騒ぐけど、構う余裕がない。


「・・・いいんですよ。センセイ、その人のこと今でも好きなんですね。一途で可愛いな」

セツナ
「えっっ?」

私の瞳を覗き込み、甘い声で囁く小野瀬先生、・・・じゃなかった!
別人!別人!!別人だから~~~~~!!!

ふら~~~っっと、再び気が遠くなりそうなセツナの背中を、隣から澪がバシンと叩く。

セツナ
「い、いっった~~」

・・・助かった。
けど、そんなに強くたたかなくったっていいのに。
さっき、澪に半分責任を擦り付けた報復かしら。


「葵、失神の原因を確認したいのは分かるけど、担いで帰るのは私なんだからやめてよね」


「あっはっは!ごめん。でも、本当なんだね。その人といい泪といい、ちょっと羨ましいかも」


「は?何が羨ましいって??」

何でもないよと、葵君は誤魔化したけれど。


・・・もしかして葵君は、澪の意識を、櫻井さんと泪君からそらした?


葵君は知っているのか。
櫻井さんたちの関係と、澪の気持ちを・・・。


ひとつ深呼吸をしてみた。

この子たちは、
ほとんど兄弟だけで暮らしているだけあって、
兄弟それぞれが思いやりと責任感を持ち、助け合って生活しているのだ。


家庭訪問をして、それが分かって本当によかった。

私は、今、この子たちを預かる立場なのだから、
姿形が似ているからと言って、いつまでも高校時代の感傷に浸っている場合じゃない。
しっかりしなくては。


さて、今日の保護者代行である慶史さんに挨拶して帰ろう。

そう思って立ち上がったところで、隣のダイニングルームからの会話が聞こえて来た。


小春
『あの先生、葵兄さんのそっくりさんのこと、気絶するくらい大好きなら、結婚すればいいのにね』

公平
『好きだからって、全員、結婚できるわけじゃないよ』

小春
『あ、もう、フラれて、別の人と結婚してるとか』

太郎
『大人の事情があるんじゃないですか』



子供の声は、高い。

一瞬にして客間が静まり返る。


ませたことを考える年頃なのだ。なんだけど・・・。

襖越しに、良く通る声で、ぐっさりと致命傷を与えられ、立ち上がりかけた膝がガックリと折れた。





「こっ、こはるーーーーーーーっっ!!!」


櫻井さんが真っ赤になって大きな声を出す。

ああ・・・、大人びて見えるけど、この子も普通の女子高校生だったんだなー。よかったなー。あははは・・・。




慶史
「・・・あ、あの、何というか・・・」

セツナ
「き、今日はありがとう。かえって迷惑をかけてしまってごめんなさいね」

一同が見送りに出てきてくれた玄関先。
澪に支えられながら、ふらつく足取りで藤守家を後にする。


私の方が教えてもらうことの多かった家庭訪問は、こうして幕を閉じたのだった。





というわけで、一旦〆(V)o¥o(V)

こはるちゃんに鋭い指摘を頂きましたありがとう。
コレ、セツナにとっては大事なフラグなので、わざとです。
小春さん、こはるちゃんを勝手に使ってごめんなさい~~(∩´∀`)∩

澪さん、どんどんワタクシのキャラとして活躍いただいてますが、このままだと、また、ワタクシにいいように書かれてしまいますわよ~~|д゚)ウフフフv


では、では、長々引っ張りましたが、家庭訪問編終了。次回、大学生編は、~澪の恋~へと進む(のか?)


皆様の、小・中・高校生の恋路も、楽しみにしてますね!!!


ここで、パース( ΘωΘ)ノ⌒○~*
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