『アブナイ☆恋の捜査室feat.小春日和』
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07/14(Mon) 14:39
それはアニから始まった
小春
7月1日、午後7時。
緊急特命捜査室の入口が勢いよく開き、ドアが壁に当たるけたたましい音とともに、男の怒声が響き渡った。
「貴様ら、今日が何の日か忘れてるんじゃないだろうな!」
現れたのは藤守の兄で東京検察庁に勤める検察官、藤守慶史。
藤守
「うわ、アニキ」
腰を浮かせた弟を無視してずかずかと室内に入ってくるなり、アニは部屋の中央で仁王立ちになって、捜査室のメンバーたちを睥睨した。
騒々しい登場に全員が残業の手を止め、眉をひそめて振り返る。
アニ
「まあ、お前たちのお粗末な頭脳では、一年に一度のめでたくも特別な日を記憶していないとしても仕方あるまいがな。では改めて教えてやろう。7月1日、それは、法曹界の至宝、この藤守慶史の」
アニがそこまで言ったところで、捜査室メンバーの一員である弟、藤守賢史が立ち上がって、四方に頭を下げた。
藤守
「室長、明智さん、すんません!みんなも、すまん!相変わらずこんな兄で、ホンマにすまん!」
アニ
「くぉら愚弟!男が簡単に頭を下げるんやないわ、ボケぇ!」
藤守
「誰のせいで頭下げる羽目になってる思てんのや、クソ兄貴!」
たちまち取っ組み合いになる藤守兄弟、呆れて見守るメンバーたち。
そんな中、一人外れた席から静かな溜め息が聞こえ、アニ以外の全員に戦慄が走った。
穂積
「……小笠原」
小笠原
「いろいろあるけど、今日は『東京都政記念日』だよ。1943年、東京市と東京府が廃止されて、東京都が設置された」
穂積に促されて小笠原が即答すると、明智も続けた。
明智
「国民安全の日でもあるな。全国安全週間の初日だ」
アニに襟首を掴まれたまま、藤守が声を張り上げた。
藤守
「2007年に、東海道新幹線・山陽新幹線に新幹線N700系電車が営業運転を開始した日でもあるんやで」
アニ
「アホぅ!もっと、身近な人間の誕生日だろうが!」
如月
「分かった!明石家●んまさんの誕生日だ!」
アニ
「貴様ら!」
翼
「……あのぅ」
翼が、おずおずと手を挙げた。
アニ
「なんだ、見習い」
翼
「もしかして、藤守検察官のお誕生日……、ですか?」
一瞬の沈黙の後、藤守アニが翼を睨み付けた。
アニ
「……そうだ。だが、なぜボケんのだ?!お前と穂積と、まだボケが2枚残ってただろうが!」
穂積
「ワタシはそんなボケに付き合わないわよ!」
ついに穂積が、机を叩いて立ち上がった。
穂積
「アンタの誕生日を祝わなきゃいけない義理も無いし!」
翼
「えっと、えっと、かに座の男性の今日の運勢は中吉です」
穂積
「櫻井も、頑張ってボケなくていいから!」
穂積は席を立って、部屋の中央にいるアニの鼻先に、綺麗な顔を突きつけた。
穂積
「よく聞きなさい、アニ。我々は忙しいの。殺人、強盗、性犯罪。詐欺に麻薬にサイバー攻撃、飲酒ひき逃げ、痴漢に変態。毎日毎日残業で、今夜もたぶん帰れない。増員願いはなしのつぶてよ。そ、ん、な、と、き、に、三十路を過ぎたオッサンの誕生祝いとか、ありえなくない?」
アニの額を指先でつつきながら早口で捲し立てた穂積の舌鋒に、さすがの藤守兄も一瞬怯む。
桜田門の悪魔と呼ばれる穂積に噛みついたアニもアニだが、傲岸不遜の藤守兄に一歩も退かない穂積も穂積だ。
どちらもよく知る藤守弟は、ハラハラしながら様子を見ている。
穂積
「まあでも、アンタ友達いないもんねえ。誕生日を祝ってくれる彼女もいないし。可哀想だから、素直に頼めば、祝ってあげなくもないわよぅ」
アニ
「……ぐぐぐ」
穂積
「まずは、ひとつ訂正してもらおうかしら。ウチの娘は、捜査室に入って一年になる。頑張ってるし、もう、『見習い』じゃないわよ」
穂積にぐいと肩を抱かれて、翼が顔を赤くした。
室長である穂積に頑張りを認めてもらえて嬉しいが、抱き寄せられるのは恥ずかしいのだ。
アニ
「お前もう一年になるのか」
翼
「はい、おかげさまで」
アニ
「……それなら、まあ、『見習い』のレッテルは剥がしてやってもいいな」
翼
「本当ですか?ありがとうございます!」
胸の前で両手を組み、満面の笑顔を見せた翼を見て、今度はアニが赤くなる。
アニ
「うむ……次からは、『新米』と呼んでやろう」
翼
「……え」
肩を落とした翼に、穂積が囁く。
穂積
「アンタを名前で呼ぶのが照れ臭いだけだから。気にしなくていいから」
アニ
「穂積!余計な事を言うな!」
穂積
「はいはい」
穂積はアニの怒鳴り声を受け流した。
明智
「しかし、困りましたね。せめて昨日のうちに言っておいてくだされば、料理やケーキを準備して来たのに」
如月
「こんな時間からじゃ、市販の物だってなかなか揃えられませんよ。コンビニか、デパ地下の残り物買って来ましょうか?」
穂積
「如月や藤守が買い出しなんかに行ったら、月末の精算書が今夜中に出せなくなるでしょうが」
藤守
「重ね重ねすんません……」
小笠原
「俺は行きたくない」
穂積
「仕方ないわね。……明智」
明智
「いつものソバ屋ですか?」
言いながら早くも電話をかけ始めた明智の発言に、アニが怪訝な顔をした。
アニ
「誕生日にソバか?まあ、贅沢は言えんが……」
穂積
「黙って待ってなさい」
電話が繋がったらしく説明を始めた明智を見ながら、穂積がアニをたしなめた。
明智
「そうです、誕生日のパーティー仕様で。8人ですが、いつものように10人前で。……少しお待ちください」
通話口を押さえて、明智がアニと穂積を振り返った。
明智
「ワインは赤、白どうするかと」
アニ
「はあ?!」
穂積
「両方」
明智
「両方で」
アニ
「平然と注文するな!」
明智
「はい、はい。……結構です。よろしくお願いします」
明智が電話を切るのを待ち構えて、アニが怒鳴った。
アニ
「貴様ら、俺をからかってるのか?!」
明智
「シャンパンとクラッカーをサービスで付けてくれるそうです」
穂積
「さすがね」
アニ
「聞けーーー!」
穂積
「小野瀬も徹夜のはずだから、割り勘に加えてあげましょう。櫻井、呼んで来なさい」
翼
「はい」
アニ
「聞けーーー!」
07/14(Mon) 14:58
ソバ屋の娘、小春登場(笑)
小春
小野瀬
「お招きありがとうございまーす」
アニ
「来たな、エロ技官」
小野瀬
「はいプレゼント」
アニ
「缶コーヒー!しかもぬるい!これは明らかに、夕方お前が休憩所の自販機で買って飲み損なったやつだろうが!」
如月
「良かったですね、アニさん。『小野瀬さんからもらった』って言えば、検察でも高値で売れますよ」
小野瀬
「飲みかけにしてあげようか?」
藤守
「兄貴、やってもらえや」
アニ
「プライドを持てーー!」
小野瀬も加わって、捜査室内が一段と賑やかになってきた頃。
???
「こんばんは」
ノックの音がした。
???
「毎度ありがとうございます、ソバ屋の出前でーす」
穂積
「お、来た来た!」
翼
「はい、今開けますね」
翼が立って行って、大きく扉を開けた。
翼
「こんばんは、小春ちゃん。いつもありがとう!」
小春
「翼ちゃんこんばんはー。お待たせしました、お誕生日おめでとうございます!」
笑顔でぺこりとお辞儀をした後、いくつもの運搬ケースを積んだ台車を押して入って来たのは、捜査室御用達のソバ屋の一人娘、小春。
黒髪ショートカットの小柄な少女で、年齢は翼と同じくらいだろうか。
藤守
「小春、おおきに。今夜はな、うちの兄貴の誕生会やねん」
小春
「それはおめでとうございます」
小春はアニに深々とお辞儀をすると、てきぱきと辺りを片付けて、あっという間にミーティングテーブルにクロスを敷いた。
そこへ、サラダや色とりどりのカナッペを載せた皿やワインクーラーを並べ、フライドチキンやパスタ、温野菜やピラフなどを盛り付けたチェーフィングディッシュを次々にセットしてゆく。
翼
「小春ちゃん、私、取り皿やグラスを並べるね」
小春
「ありがとう。ケーキのろうそくはこれ、クラッカーはこれ。クラッカーは、パーンって音が出ないタイプのにしてあるからね」
中央にケーキを置いた後、チーズフォンデュの鍋を火にかけ、ローストビーフを切り始めた小春を眺めるうちに、アニはハッと我に返った。
アニ
「お前、ソバ屋じゃないのか?!」
小春
「駅の近くの『さくら庵』です。捜査室の皆さんには、出前だけじゃなく外回りの時にもお立ち寄りいただいて、大変お世話になってます。検察庁にも出前してるんですよ」
小春はニコニコと答えた。
アニ
「メニューの中に、ソバ屋の要素一個も無い!」
小春
「パーティー仕様のご注文でしたので」
穂積
「ほらアニ、いいから乾杯するわよ!」
それでは、ここでパースヽ(´∇`)/⌒◯
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07/14(Mon) 16:17
事務官、ジュン登場
ジュン
コンコン
ジュン
「失礼します」
穂積
「あら、ジュンじゃない。」
捜査室に入ってきたのは黒髪ロング、低身長の藤守ジュンであった。
ジュン
「あっ、穂積室長。慶史さんがすみません。目を離した隙に走って行っちゃいまして」
藤守兄
「俺は犬か!」
藤守
「おう、ジュン。ごくろうさん。」
ジュン
「賢史くんもお疲れさまです。」
ジュンは藤守兄弟とは親戚……でもなんでもない。たまたま苗字が同じだけだ。
ただ、藤守が3人もいるとややこしいという穂積の鶴の一声で皆からは名前で呼ばれている。
如月
「ジュンちゃんも毎度大変だね。」
ジュン
「そうなんです。慶史さん、目を離すとすぐにこちらに飛んできちゃうので。いつもすみません。」
ジュンは捜査室のメンバーに深々と頭を下げる。
藤守兄
「だから、俺は犬か!それに俺の事務官ともあろう者が簡単に頭を下げるな!」
藤守兄の言葉にジュンは柔らかい笑みを浮かべる。
ジュン
「慶史さん、誰のお陰で私や賢史くんが頭を下げることになってるか、わかってますか?慶史さんが、捜査室の皆さんに迷惑をかけるからでしょう?」
藤守兄
「迷惑なんぞかけとらん!」
ジュン
「どの口がそんにことを言うんですか?」
ジュンはあくまでも柔らかい笑みを浮かべたまま、藤守兄の頬を指でツンツンと押した。
藤守兄
「……」
藤守兄はジュンから目を逸らして顔を赤くする。
小笠原
「完全にジュンさんに操縦されてるね。」
穂積
「アニにはあれくらいで丁度いいのよ。」
小野瀬
「まあまあ、ジュンさん。せっかくだから一緒にどう?」
小野瀬がジュンをテーブルにエスコートする。
ジュン
「ありがとうございます。あっ、小春さん。いつもごくろうさまです。」
小春
「いえいえ。いつもお世話になってます。」
藤守兄
「ジュン、この蕎麦屋を知っているのか?」
ジュン
「うちの出前はいつもさくら庵さんですよ?」
藤守兄
「……」
ということで、パースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
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07/14(Mon) 19:27
紅花です。
くちびる
コンコン。
紅花 「お疲れ様です。櫻井さんはみえますか?」
ノックとともに捜査室に顔を出したのは、交通課の木崎紅花。目鼻立ちのはっきりした小柄な婦警。翼とは同期で同じ交通課にいた。
翼 「あっ!紅花ちゃん、ゴメンネ。連絡遅くなっちゃって。」
実は、翼と今夜飲みに行こうと約束していて、早く業務が片付いたから直接呼びに来たのだ。
紅花 「....って、なんかパーティーでもするの?」
穂積 「アラ?アンタ確か、櫻井の同期の子よねぇ。櫻井と約束してたの?丁度いいわ。アンタも一緒にそこにいる藤守検察官の誕生日を祝ってやってあげて。女の子が多い方が華やぐからねぇ~。」
皆さんこんばんは。私もパーティーに参加させていただきますね♪
室長に誘われたら、断る訳ないじゃないですか(笑)
続きパ-ス( ̄▽ ̄;)
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07/15(Tue) 06:12
クールビューティーな鑑識官、とも登場(笑)
とも
如月
「ところで、小野瀬さんのところに新しく鑑識官が入るって聞いたんですけど、いつからなんですか?」
小野瀬
「あれ、誰に聞いたの? 今日付で配属になったんだけど、出勤は明日からだよ」
藤守
「ええなぁ。ウチにも来たらええのに」
小野瀬
「はは、来たらちゃんとここにも挨拶に来させるよ。ちなみに女の子で、昔科捜研で一緒に仕事してたんだけど、すごく優秀だよ」
小笠原
「俺も知ってるけど、仕事は小野瀬さん並みに早いよ」
穂積
「へぇ、アンタがそこまで言うなら間違いないのかしらね」
その時、捜査室の扉がノックされた。
⁇?
「失礼します。こちらに小野瀬鑑識官がいらっしゃると聞いて伺ったのですが」
パンツスーツでスラっと背が高く、こげ茶色のゆるくパーマのかかったロングヘアーをなびかせて入ってきた女性を見て、小野瀬が声をかけた。
小野瀬
「やぁ、久しぶりだね、白河さん。 こっちには明日からだって聞いたけど? あぁ、皆に紹介するね、さっき話してたラボの新しい鑑識官の白河ともさん。 で、こっちが…」
一通りの挨拶が終わると、改めてともが自己紹介をした。
とも
「本日付で警視庁鑑識課、小野瀬ラボに配属になりました、白河ともです。勤務は明日からですが、その前に挨拶をと思いましてこちらに来ました。皆さん、これからよろしくお願いします」
ペコリとお辞儀をすると拍手が起こった。
藤守
「白河、白河…、どっかで聞いたなぁ…」
如月
「藤守さん、知ってるんですか?」
すると小野瀬のところにいたともが、藤守の元へやってきた。
とも
「藤守くんも久しぶりね。その様子だと私のこと忘れてるみたいね」
藤守がそれでもわからず首を傾げていると、ニッコリ笑って言った。
とも
「フジケン、ホンマに私のこと忘れてるんか? 同期やのにひどいわぁ」
如月
「えっ、同期ですか⁈」
如月の声に周りの皆も驚いて振り返ったが、ともはかまわず続ける。
とも
「そやで。 まぁ所属が違うからあんまり顔を合わすことはなかったけど、それでも研修とかで一緒の時はようゴハン行ったりしたな。 あ、あとしょっちゅう合コンしよ言うてしつこかったし、あとは…」
藤守
「わぁー、もうええ!わかった!思い出したから! それからいらんことしゃべらんでええねん!」
慌てて口を塞ぐ藤守ととものやりとりを見て笑っていると、穂積がパンっと手を叩いた。
穂積
「ハイハイ、感動の再会はこれくらいにして、とも、せっかくだからアンタも混ざりなさい。 ついでになって悪いけど、歓迎会も兼ねるわ」
ともの頭を撫でて微笑む穂積に、ともは頬を染めながらも笑顔を返した。
とも
「ありがとうございます! …ところで今日は何のパーティをしてはったんですか?」
アニの存在がすっかりないものに…∑(゚Д゚)
すいませ~んのパース( ´ ▽ ` )ノ⌒◯
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07/16(Wed) 00:35
少年課、泉登場
泉
コンコン
???
「失礼します。すみません、藤守先輩いますか?」
ドアの隙間からひょっこりと、天パの茶髪ショートの、大人しそうな小柄の女性が顔を覗かせる。少年課の御上泉だ。盛り上がっている室内を見て、驚いたような表情をする。
藤守
「おう、御上。どないした?」
一つ下の後輩の姿を見つけ、藤守は歩み寄る。泉は持っていた紙袋を差し出す。
泉
「あ、これ、少年課の先輩から預かって来ました」
藤守
「え、なんやろ?」
泉
「藤守先輩に貸す約束をしてたDVDって言ってましたけど」
紙袋の中身を出そうとしていた藤守は、慌てて紙袋から手を引き抜き、隠すように抱き締める。
藤守
「………中、見たか?」
泉
「いえ。絶対に見るなって言われましたし…。それ、なんのDVDなんですか?」
藤守
「え、えーと、れ、恋愛物、とか?」
髪と同じ茶色の瞳に見つめられ、藤守はしどろもどろになりながら答える。
その様子を見ていた穂積は呆れたように、
穂積
「後輩の前だからってなに格好つけてんのよ。正直にAVって答えなさい」
藤守
「し、室長!」
穂積
「御上、今日はもう仕事終わってるんでしょう?せっかくだから参加していきなさい」
泉
「良いんですか?」
穂積
「えぇ。藤守検察官の誕生日祝いと、小野瀬のラボの新入りの歓迎会中なの」
穂積の言葉に泉は首を傾げ、
泉
「小野瀬さんのところの歓迎会は分かりますけど、なんで検事さんの誕生日祝いを警視庁でするんですか?」
藤守
「皆さんホンマすみません」
ジュン
「慶史さんがいつもご迷惑おかけしています」
アニ
「だから、簡単に頭を下げるなと言っているだろうが!」
ちなみに名字の読みは「みかみ」です。
ここでパースヽ(´▽`)/⌒○
07/16(Wed) 16:12
経理にしますね~♪
桐子
人数も増えて、盛り上がってきた時、室長のデスクの電話が鳴った。
穂積
「何よ、こんな時に」
捜査室のメンバーに緊張が走る。
この電話が鳴るのは、大抵事件が発生した時だからだ。
穂積
「はい。穂積です」
??
「経理の堺ですが、先日ご提出頂きました書類について2、3確認させて頂きたい事がございまして」
穂積
「書類?」
堺
「はい。如月さんの経費についてです。今から伺ってよろしいでしょうか?」
穂積
「如月の?」
如月
「へ?俺?!」
突然名前を呼ばれた如月が、すっとんきょうな声を出す。
穂積
「構わないわ。来て頂戴」
言って通話を終える。
穂積
「経理の堺が来るそうよ」
その一言に警視庁組が固まった。
藤守弟
「経理の堺って、あの!?」
しばらくして、捜査室のドアがノックされる。
翼
「はい」
ドアを開けて入って来たのは、ロングの黒髪をひっつめてメガネをかけた小柄な女性だった。
堺
「如月さん、居られますか?」
如月
「は、はい!」
如月が慌てて戸口に向かう。
堺
「この経費なんですが…ドレス代とは何でしょうか?」
如月
「あのですね。潜入捜査で…」
如月がしどろもどろで答えている。
堺
「解りました。では今後は衣裳代と表記して下さい」
そう言うと、中にチラリと視線を投げて帰って行った。
一同
「はあ~」
藤守弟
「あの人やろ?警視庁の情報屋て」
如月
「何でも庁内の事なら知らない事はないらしいですよ。弱味を握られてる人は数知れず、だそうです」
藤守弟
「うわ~おっかな」
あ、しまった。パーティに参加し損ねた(゜ロ゜;ノ)ノ
ここでパ~ス(^-^)/⌒○
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07/16(Wed) 16:25
すみません
桐子
経理にしましたが、総務にして下さい(^_^;)
[削除]
07/17(Thu) 11:03
そろそろ動かしましょうか
小春
午後八時半。
穂積の「さ、仕事に戻りましょ。では、一本締めで。よーぉ、パン。はい解散」という素っ気ない閉会宣言から、きっかり三分後。
捜査室メンバーと小野瀬、アニだけになった捜査室に、再びノックの音がして、パーティーの間、一旦店に帰っていた小春が戻って来た。
小春
「ありがとうございましたー、器を下げに参りました」
翼
「小春ちゃん、ごめん。食器を洗うどころか、まだ全然片付けてないの」
翼がすまなそうに謝るが、小春は相変わらずニコニコしている。
小春
「いいのいいの。お皿を洗うのは私の仕事。翼ちゃんたちは、警察のお仕事をしててくれればいいの」
持って来た時と同じ、小学校の給食の配膳車のような台車に、小春はてきぱき食器を戻してゆく。
小春
「捜査室の皆さんはいつも残さずキレイに食べてくれるから、片付けも洗い物だけだし。簡単で助かるの。どうもありがとうございます」
明智
「そう言ってくれると助かる。しかし、さくら庵の料理はどれも美味いな」
小春
「明智さんに褒めてもらえたら、父も母も喜びます」
そんな話をしながらも小春は小さな身体でちょこちょこ動き回って、ささっと床まで掃除して片付けを終えた。
それから穂積の前に来て、ぺこりと頭を下げる。
小春
「室長さん、お邪魔しました」
穂積
「ご馳走さまでした」
小春
「それと、さっき、通用口で会った人から、室長と、小野瀬さんあてに、これをお預かりしてきました」
小春が穂積に差し出したのは、色褪せた洋封筒、二通。
宛名は書かれていないが、裏返して見れば、どちらも封蝋で閉じられている。
穂積あてのものには紅い蝋に桜の印、小野瀬のものには、蒼い蝋の封に、龍を象った印が押されていた。
穂積
「……?」
穂積が目配せをすると、すかさず小野瀬が手袋を嵌めて、それを二通とも受け取る。
穂積
「小春、どんな相手だった?」
小春
「きれいな女の人でしたよ。ほんのり女優の柴崎コ●さんに似てるかな。背はこのくらい、胸はこのくらい」
小春が身振り手振りで説明する傍らで、ペーパーナイフを使って小野瀬が手紙の封を開けた。
そして一通目は中をちらりと覗いただけで穂積に渡し、小野瀬あてだという二通目の中身を引き出す。
何となくミステリアスな展開に、アニ以下全員の視線が集まった。
小野瀬
「手紙と……絵だ。何かの文献の写しかな……?」
アニ
「勿体つけずに言え。何が書かれているのだ?!」
小野瀬
「う、ん、そうだな……」
小野瀬がちらりと小春に目を向けた。
一瞬きょとんとした小春だが、すぐに察して頭を下げる。
小春
「あの、私はこれで失礼します。ありがとうございました!藤守検察官、お誕生日おめでとうございました!」
飛び出した小春が台車を押して去ってゆく足音が消えるのを待って、翼が振り向いた。
翼
「小野瀬さん、小春ちゃんは口が堅いから、捜査の事を口外したりはしないと思います」
友達を追い出したようで気が引けるのか、珍しく翼が悲しそうな顔をした。
アニ
「そうだぞ」
これまた珍しく、アニが翼と、小春の肩を持つ。
アニ
「あのちびっこは、今日、俺に『誕生日おめでとうございます』と言ってくれた唯一の人物なのだぞ!」
全員が記憶を辿る顔をする。
「そうだっけ?」
小野瀬が苦笑いした。
小野瀬
「翼さん、ごめんね。小春さんを信じないわけじゃないんだ。実は、手紙の内容が、ちょっと、ね」
翼
「?」
小野瀬
「みんな、集まって」
小野瀬は翼の肩を抱くようにして、全員をミーティングテーブルに集めた。
集まったところで、手紙をテーブルに乗せる。
小野瀬
「これは、挑戦状だ」
藤守
「挑戦状?」
[削除]
07/17(Thu) 11:06
エミさん、こんな感じでどうですか
小春
小野瀬
「ここに描かれている、二本の香水瓶のようなものに入った液体」
小野瀬が指で示した紙には、二本の瓶の絵が描かれていて、それぞれには、赤というより赤紫、青というより青緑……色鉛筆のような画材で描かれた、何ともいえない色の液体が入っている。
小野瀬
「これは、『メフィストフェレスの媚薬』という液体だそうだ」
穂積、翼、小笠原
「メフィストフェレス?」
明智、藤守、如月
「媚薬?」
二極化した反応に、アニだけは参加せず、腕組みをして何か考え込んでいる。
アニ
「……」
小野瀬
「『催淫剤』と訳する事も出来るかな。つまり、まあ、そういうクスリだって事」
よく分からないらしく難しい表情をしていた翼の耳に、穂積が手を添えて小声で囁く。
たちまち、翼が真っ赤になった。
小野瀬
「手紙にはこう書かれている。『この、赤と青の媚薬は、どちらもつい最近、日本の国内にいる別々の好事家が手に入れた事が分かっています。必ず、周辺で血生臭い事件が起きるでしょう。その前に、あなた方が手に入れる事をおすすめします』」
全員
「……」
その時。
アニ
「差出人は山田太郎だな」
如月
「それって、検察が追い掛けている、国際的な泥棒ですよね?」
藤守
「そいつがどうして手紙……いや、待って。小野瀬さん、『挑戦状』て言いましたよね」
小野瀬
「そうだよ」
全員
「……」
短い沈黙の後、口を開いたのは小笠原だった。
小笠原
「つまり、山田太郎もこの『メフィストフェレスの媚薬』を手に入れたい。けれど、まだ、その二人の好事家が誰なのか分からない。そこで、事件を匂わせる事で、『小野瀬さんとその仲間たち』に、このお宝を探す手伝いをさせたいんだと思う」
小野瀬が目を細めた。
小野瀬
「小笠原くん、ご明察」
アニ
「ふざけやがって!」
アニが憤慨するのを受け流しながら、小野瀬は、穂積に目を向けた。
小野瀬
「穂積の方の封筒には何が入っていた?」
今度は全員が、穂積に顔を向ける。
穂積は封筒に手を入れると、一枚のカードを抜き出して見て、眉をひそめた。
どうやら、他には何も入っていないらしい。
穂積
「……」
穂積は、全員に向かって、無言でカードをかざして見せた。
「」
穂積あてのカードには、控え目なピンク色の可愛らしいハートマークがひとつだけ、手書きで描かれていた。
ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒◯
[削除]
07/17(Thu) 16:24
難しい~(;>_<;)
ジュン
穂積
「こんなの無視よ、無視」
穂積はあっさりとそう言ってみせた。
藤守兄
「な、何を言ってるんだ!山田太郎だぞ!捕まえるチャンスだろうが!」
如月
「そうですよ、相手は国際的な窃盗犯なんですよね?だったら……」
アニの言葉に如月が同意する。
穂積
「何いってるのよ。うちは忙しいのよ!それなのにこんなわけわからないヤツの相手なんてするわけないでしょ!」
小笠原
「確かにね」
穂積
「さっさと仕事の続きするわよ!」
藤守兄
「穂積!貴様というやつは……」
穂積
「藤守、アニにはご退場願いなさい。」
穂積の言葉に藤守は直ぐ様反応する。
藤守
「ほら、兄貴はもう帰り~」
藤守兄
「こら!賢史!追い出すな!」
藤守兄弟のやり取りを見ながら小野瀬は複雑な思いを抱いていた。
こんなんでいいでしょうか?方向性間違ってる?パースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
07/17(Thu) 23:42
何やら怪しい展開に....(O.O;)
くちびる
小野瀬は何やら神妙な顔つきで考え込んでいた。
....俺と穂積宛ての挑戦状、どうも引っ掛かるんだよな。小春さんが預かって持って来たけど、そもそもセキュリティの高いこの場所に全く関係ない人物がうろうろ出来るとは考えにくい。
まさかとは思うが、アニの誕生日会に次々訪れた人物の中に変装した山田太郎が紛れ込んでいた可能性も否定出来ないな。....
小野瀬「穂積、もう一度小春さんにこの2通の挑戦状を渡された状況を確めたいんだが。」
穂積 「お前も同じ事、考えていたのか。」
穂積はニヤリと笑うと、自分宛ての手書きのハ-トをグシャリと握り潰した。
穂積 「全く、ただでさえ忙しいってのに、やんなっちゃうわねぇ~。面倒な事はさっさと片付けるとしましょうか!アンタたちも分かったわねっ!」
全員 「イェッサ-!ボス」
藤守兄 「俺の存在無視すんな~!」
こんな感じで捜査開始にしちゃいました(;´д`)
続きパ-ス( ̄▽ ̄;) /◯
[削除]
07/18(Fri) 07:52
まさかの。
小春
翌朝。
小野瀬と穂積が訪れたのは……
交通課だった。
婦警A
「紅花!紅花!」
出勤してきたばかりの紅花の元に、待ち構えていた交通課の先輩たちが数人、掴みかからんばかりの勢いで迫ってきた。
紅花
「お、おはようございます。どっ、どうしたんですか、先輩たち?」
婦警B
「どうしたのか聞きたいのはこっちよ!」
婦警C
「朝から、警視庁ツートップがあんたの事を待ってるのよ!」
婦警D
「あんた何したの?!」
紅花
「ひぇっ?」
小野瀬
「やあ、木崎さん、おはよう」
朝の陽差しを浴びながら、交通課の窓口にあるイスからにっこりと微笑んだのは、小野瀬。
隣には穂積が座っているが、彼らの前には普段置かれていないテーブルが出され、その上にはコーヒーやら紅茶やらクッキーやらが、所狭しと並んでいる。
きっと、婦警たちが取っ替え引っ替え献上したのだろう。
紅花
「おは、おはようございます」
穂積
「おはよう。昨夜は悪かったわね」
立ち上がった穂積が、軽く頭を下げる。
紅花
「えっ、な、何がですか?」
紅花は驚いて飛び上がった。
懸命に昨夜の事を思い出すが、穂積に謝られるような事も、まして、早朝から穂積と小野瀬が揃って自分の元に現れる理由も思い浮かばない。
穂積
「櫻井に、約束をすっぽかさせた事よ」
穂積はまだすまなそうな顔をしていたが、その言葉で、ようやく紅花にも納得がいく。
紅花
「……ああ!」
紅花はホッとため息をついた。
紅花
「そんな事……刑事課の皆さんに、急な仕事が入るのはよくある事だし、特に特命捜査室はそうですよね。だから、たとえ連絡無しに約束を反故にされても気にしません」
笑顔で話していた紅花だったが、そこで、あ、と声を上げて穂積を見た。
紅花
「……それとも、翼ちゃんが気にしてるんですか?昨日、会えなかった事」
その瞬間に小野瀬が穂積に目で合図を送ったことに、紅花が気付いたか、どうか。
穂積
「もちろんよ。大事な友達じゃないの。……とにかく、ワタシにも責任のある事だから。今後は、約束がある時には緊急の時でも極力早目に連絡させるから、許してくれるかしら」
紅花
「わ、分かりましたから、もう頭を下げないでください!」
穂積
「ありがとう」
小野瀬
「……じゃあ、行こうか穂積。木崎さん、今度は俺との食事にも付き合ってね」
紅花
「え、ぇっ?」
二人がその場を離れた後、他の婦警たちから質問攻めでもみくちゃにされている紅花を置いて、穂積と小野瀬は交通課を出た。
穂積
「やっぱりか」
歩きながら、穂積が神妙な顔をしている。
小野瀬
「捜査室のあるフロアは、交通課二年目の木崎さんが、ふらりと入って来られるような場所にはなってないからね」
穂積
「昨夜はうちの連中はみんな室内にいたし、アニのパーティーだったから全員受け入れたが、こうなるとセキュリティレベルを上げなきゃならねえな」
小野瀬
「だね……」
え、紅花ちゃんJSだったの?(笑)
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07/18(Fri) 08:53
初仕事☆
とも
ホンマにまさかの紅花ちゃんがJS? エミさんもミステリアスですね(≧∇≦)
~小野瀬ラボ~
穂積と別れた小野瀬がラボに戻ると、中は普段と違う雰囲気でなんだか騒がしい。
小野瀬
「朝から賑やかだね、何かあったの?」
いつもなら小野瀬が現れると途端にピリピリした空気が流れるのだが、今日はそれがない。
太田
「あっ、御大、おはようございます!」
小野瀬に気づいた太田が挨拶すると、他の連中も揃って挨拶をする。
すると奥の人だかりが崩れて、その先にいたのはともだった。
とも
「小野瀬さん、おはようございます。今日からよろしくお願いします」
ペコリと頭を下げたともに小野瀬がニッコリ笑って返す。
小野瀬
「そっか、ともさんもおはよう。ここは科警研とは違って勤務も不規則だし初めはキツイかもしれないけど、キミなら大丈夫だと思ってるから、遠慮なく仕事を回すからそのつもりでよろしくね」
とも
「はい!」
顔見知りが多いのもあって、小野瀬がいない間に一通りの挨拶は済んでいたらしく、ラボのメンバーはそれぞれ持ち場に戻って作業に入った。
小野瀬
「ともさん、さっそくなんだけどお手並み拝見、させてもらえる?」
小野瀬はともにビニール袋に入った、昨夜小春から受け取った封筒2通を手渡した。
とも
「…封筒? 指紋採取ですか?」
小野瀬
「そう、ともさんにしたら簡単かもしれないけど。後で結果が出たら報告して」
とも
「わかりました。…って、小野瀬さんは、どちらに行かはるんですか?」
手を休めず顔だけ向けたともに、小野瀬はヒラヒラと手を振りながらラボの入り口へと向かった。
続きをパース( ´ ▽ ` )ノ⌒◯
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07/18(Fri) 09:02
朝から出前。
小春
ともと別れた小野瀬が通用口に向かって歩いていると、小野瀬の前の廊下を、岡持ちを提げた小春が横切った。
と、小野瀬に気付いたのか、小春はぴたりと止まって、こちらに顔を向けてにっこり笑う。
小春
「おはようございます、小野瀬さん。昨夜はありがとうございました!」
挨拶して通り過ぎようとした小春を、小野瀬が引き留める。
小野瀬
「小春さん、ちょうど良かった。きみに、ちょっと聞きたい事があるんだけど」
小春
「はい。でも、警備室にラーメン届けて来ていいですか?」
小野瀬
「もちろん。じゃ、刑事部の休憩所で待ってるから」
小春
「はい」
小走りに消えていく小春を見送って、小野瀬は、愛だの恋だの言わない、貴重な存在であるソバ屋の娘までをも疑わなければならない事に、溜め息をついた。
私、ここでパスすればいいのかしら?ヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒◯
知ーらない。
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07/18(Fri) 09:06
チッばれたか!
くちびる
紅花は困惑していた。
翼と約束していたが、お流れになったのは初めてではない。特捜にいるから急なキャンセルは仕方ないと思っていたし....。
警視庁のツ-トップが自分を訪ねてきて、昨日の約束を守れなかった事をわざわざお詫びに来るなんて、これまでは無かった。
翼から謝りのメ-ルはあったが、直接あの2人が交通課に来るとは想定外だ。
そもそもどうして昨日の約束を知っているの?
翼が言ったとは思えない。
紅花は背筋が震えた。
えっ私、JSに変装されてたの?( ̄▽ ̄;)
イケメン2人を直に見れたからまあいいかぁ♪
続きパ-ス!/◯
07/18(Fri) 09:49
おはようございます
ジュン
翼
「……昨夜の紅花ちゃんがJS……」
穂積は捜査室に戻り、全員を集めて紅花のことを説明した。
明智
「では、ヤツは堂々とあの場にいたと言うわけですか?」
藤守
「ふざけおって!」
如月
「全然気付かなかった……」
如月と同様、翼も青い顔をしていた。
穂積
「あの場にいた誰にも違和感を持たせないなんて、見事な化けっぷりね。」
穂積も忌々しそうな顔をしながらため息をつく。
小笠原
「それで、これからどうするの?」
穂積
「それは今……」
バーン!
藤守兄
「お前ら、何だかんだ言ってもやはり山田太郎のことを調べているようだな!」
穂積の言葉を遮るように扉が勢いよく開き、藤守兄がズカズカと捜査室に入ってきた。
藤守
「あ、アニキ……」
困惑するメンバーを余所に藤守兄はふんぞり返って言葉を続ける。
藤守兄
「やはり、お前らも俺の手伝いがしたくて堪らないのだな。……ぬおっ!」
藤守兄が変な声を出し、つんのめった。
ジュン
「慶史さん、朝から何ワケわかんないことを言ってるんですか!皆さん、おはようございます。朝から申し訳ございません。」
藤守兄の後ろにいて見えなかったジュンがひょっこりと顔を出し、メンバーに挨拶と謝罪をする。藤守兄が変な声を出したのはジュンが後ろから突き飛ばしたからだ。
藤守兄
「貴様!何をする!?」
憤慨する藤守兄にジュンは柔らかい笑みを浮かべる。
ジュン
「ダメでしょう?今、皆さんは会議中なんですよ?」
穂積
「アンタも朝から大変ね。」
ジュン
「事務官としての仕事ですから。それより、本当にすみません。」
穂積
「まっ、いいわ。今、小野瀬に昨日の封筒の鑑定を頼んでいるから。何か分かれば連絡があるわ。」
藤守兄
「俺の存在を無視するな!」
繋がるかな?ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
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07/19(Sat) 02:15
小春疑われる(笑)
小春
紅花(本物)ちゃん、あなたは昨夜の事を何も知らないはずなので、あまり深読みしてはダ・メ・よ♪(^▽^)bウフフ
一方、こちらは刑事部フロアの休憩所。
ベンチに座った小春に、小野瀬は冷たいストレートティーの入った紙コップを差し出した。
小野瀬
「はいどうぞ」
小春
「ありがとうございます」
缶コーヒーを持った小野瀬が隣に腰掛けるのを待って、小春はコップに口を付けた。
小春
「美味しいです」
小野瀬
「そう、良かった」
こくこくと喉を鳴らす小春を見て目を細めながら、小野瀬もプルトップを開けた。
小野瀬は、およそ八年前、警視庁に入った時から、小春を知っている。
その頃小春はまだ中学生だったが、繁忙期や夏休みには出前の親について来て手伝いをする姿をよく見かけたものだ。
高校を出てからは父親の店で実務経験を積み、調理師免許を取った現在は、店舗と出前の両方で、さくら庵の戦力になっている。
小春の父親は、まだよちよち歩きの頃から小春を警視庁の出前に連れて来ていたそうだ。
だから、庁内で小春を知らない者はいないし、年輩の署員の中には、小春を自分の娘のように可愛がっている者も多い。
だが、だからこそ、昨日集まったメンバーの中で、最もJSにつけ入られる隙があるのは、実は小春だ。
小野瀬
「小春さんは、警視庁の全部の部署に出前してるの?」
小春
「そうですね」
小春は、首から提げているIDカードを小野瀬に見せた。
小春
「ほとんどはこれと、それぞれの受付にいる警備員さんへの挨拶で入れます。中には、捜査室みたいに、指紋や顔認識を登録されてる部署もあります」
小野瀬
「そうだよね」
いつもの笑顔で話しながら、小野瀬の頭の中は忙しかった。
小野瀬
「ちょっと、ごめんね」
小野瀬は、いきなり小春の両方の頬を摘まんで、横に引っ張ってみた。
柔らかい頬はむにーと伸びて、手を離すとぷるんと戻る。
小春の白い頬が、小野瀬の指の形に赤くなった。
小春は小野瀬の突然の行動に驚いたらしく、固まったまま、目をぱちくりさせている。
小春
「?!」
……本物か。
小野瀬
「ごめん、ごめん。マシュマロみたいで可愛くて、柔らかそうだったから、つい。やっぱり、ふわふわだね」
笑顔でそうごまかして、今度は掌で包むように、優しくほぐしてやる。
木崎紅花さんや、総務の堺桐子さんや少年課の御上泉さんのような、庁内内部の人間であれば、すぐに本人の所在を確認する事も出来る。
だが、小春は外部の人間だ。行動を全て把握するのは不可能だ……。
この子には、いろんな意味で注意が必要だな、とも、小野瀬は感じていた。
小野瀬
「ねえ、ところで、小春さん。昨日、手紙を預かった時の事、詳しく思い出してくれるかな?」
小春
「あの時の女の人の事ですか?きれいな人で、身長はこのぐらい、胸はこのぐらい」
小春は、昨夜の説明を繰り返した。
小春
「あとは……そうだ、右手に、少し大振りの指環を付けてました」
小野瀬
「指環?」
小春
「桜の花が浮き彫りになった指環です」
小野瀬の脳裏に、穂積あての手紙の、紅い封蝋に押されていた桜の模様が浮かんだ。
この辺でパースヽ(* ̄▽ ̄*)ノ⌒◯←小野瀬さんのせいで顔が腫れてる
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07/19(Sat) 07:49
小春ちゃん、なぜ胸にこだわる?(笑)
エミ
~小春と小野瀬逢瀬中の頃の捜査室~
翼
「小春ちゃんに封筒を渡した人物も紅花ちゃんに化けたJSだったのでしょうか?」
明智
「たしかに、小春が食器を片付けに来る前に紅花たちは帰ったが…」
穂積
「小春の昨夜の説明だと某女優に似ていたらしいから、少なくとも紅花じゃないわね。庁内の人間であれば、出前で毎日出入りしている小春なら見覚えがあってもいいはずだけど」
如月
「紅花ちゃんからまた違う人に化けたってことですか?」
藤守アニ
「面倒くさいヤツだな!」
(お前もな!)とその場に居た全員が内心でツッコミを入れる。
穂積
「アンタ、まだいたの?」
ジュン
「ホラ、慶史さんじゃなきゃ進まない仕事が待ってますから、帰りましょう。ねっ?」
腕をぎゅっと抱いてにっこり微笑みかけるジュンから不自然に視線を逸らし、メガネのブリッジを押し上げた指を捜査室の面々へ向ける。
藤守アニ
「それもそうだな。いいか、愚民ども…」
ジュン
「はいはい」
藤守
「ホンマ、すんません」
半ば強制退去の形でジュンと藤守に引きずられるようにアニが捜査室を出るのと入れ替えに、小野瀬が顔を出した。
穂積
「桜の花が浮き彫りされた指輪?」
小野瀬
「そう。JSに仲間がいる可能性も考えられるね」
翼
「仲間…ですか?」
小野瀬
「うん。仲間、もしくは協力者…かな?穂積宛ての封筒の中身がね、JSらしくないというか、なんか引っ掛かるんだよね」
穂積
「小笠原」
小笠原
「……今、調べてる」
まだ見ぬ謎の女に、小野瀬さんの穂積LOVEセンサー反応(笑)
ということで、パース!
(*^∀^)ノ⌒○
それはアニから始まった
小春
7月1日、午後7時。
緊急特命捜査室の入口が勢いよく開き、ドアが壁に当たるけたたましい音とともに、男の怒声が響き渡った。
「貴様ら、今日が何の日か忘れてるんじゃないだろうな!」
現れたのは藤守の兄で東京検察庁に勤める検察官、藤守慶史。
藤守
「うわ、アニキ」
腰を浮かせた弟を無視してずかずかと室内に入ってくるなり、アニは部屋の中央で仁王立ちになって、捜査室のメンバーたちを睥睨した。
騒々しい登場に全員が残業の手を止め、眉をひそめて振り返る。
アニ
「まあ、お前たちのお粗末な頭脳では、一年に一度のめでたくも特別な日を記憶していないとしても仕方あるまいがな。では改めて教えてやろう。7月1日、それは、法曹界の至宝、この藤守慶史の」
アニがそこまで言ったところで、捜査室メンバーの一員である弟、藤守賢史が立ち上がって、四方に頭を下げた。
藤守
「室長、明智さん、すんません!みんなも、すまん!相変わらずこんな兄で、ホンマにすまん!」
アニ
「くぉら愚弟!男が簡単に頭を下げるんやないわ、ボケぇ!」
藤守
「誰のせいで頭下げる羽目になってる思てんのや、クソ兄貴!」
たちまち取っ組み合いになる藤守兄弟、呆れて見守るメンバーたち。
そんな中、一人外れた席から静かな溜め息が聞こえ、アニ以外の全員に戦慄が走った。
穂積
「……小笠原」
小笠原
「いろいろあるけど、今日は『東京都政記念日』だよ。1943年、東京市と東京府が廃止されて、東京都が設置された」
穂積に促されて小笠原が即答すると、明智も続けた。
明智
「国民安全の日でもあるな。全国安全週間の初日だ」
アニに襟首を掴まれたまま、藤守が声を張り上げた。
藤守
「2007年に、東海道新幹線・山陽新幹線に新幹線N700系電車が営業運転を開始した日でもあるんやで」
アニ
「アホぅ!もっと、身近な人間の誕生日だろうが!」
如月
「分かった!明石家●んまさんの誕生日だ!」
アニ
「貴様ら!」
翼
「……あのぅ」
翼が、おずおずと手を挙げた。
アニ
「なんだ、見習い」
翼
「もしかして、藤守検察官のお誕生日……、ですか?」
一瞬の沈黙の後、藤守アニが翼を睨み付けた。
アニ
「……そうだ。だが、なぜボケんのだ?!お前と穂積と、まだボケが2枚残ってただろうが!」
穂積
「ワタシはそんなボケに付き合わないわよ!」
ついに穂積が、机を叩いて立ち上がった。
穂積
「アンタの誕生日を祝わなきゃいけない義理も無いし!」
翼
「えっと、えっと、かに座の男性の今日の運勢は中吉です」
穂積
「櫻井も、頑張ってボケなくていいから!」
穂積は席を立って、部屋の中央にいるアニの鼻先に、綺麗な顔を突きつけた。
穂積
「よく聞きなさい、アニ。我々は忙しいの。殺人、強盗、性犯罪。詐欺に麻薬にサイバー攻撃、飲酒ひき逃げ、痴漢に変態。毎日毎日残業で、今夜もたぶん帰れない。増員願いはなしのつぶてよ。そ、ん、な、と、き、に、三十路を過ぎたオッサンの誕生祝いとか、ありえなくない?」
アニの額を指先でつつきながら早口で捲し立てた穂積の舌鋒に、さすがの藤守兄も一瞬怯む。
桜田門の悪魔と呼ばれる穂積に噛みついたアニもアニだが、傲岸不遜の藤守兄に一歩も退かない穂積も穂積だ。
どちらもよく知る藤守弟は、ハラハラしながら様子を見ている。
穂積
「まあでも、アンタ友達いないもんねえ。誕生日を祝ってくれる彼女もいないし。可哀想だから、素直に頼めば、祝ってあげなくもないわよぅ」
アニ
「……ぐぐぐ」
穂積
「まずは、ひとつ訂正してもらおうかしら。ウチの娘は、捜査室に入って一年になる。頑張ってるし、もう、『見習い』じゃないわよ」
穂積にぐいと肩を抱かれて、翼が顔を赤くした。
室長である穂積に頑張りを認めてもらえて嬉しいが、抱き寄せられるのは恥ずかしいのだ。
アニ
「お前もう一年になるのか」
翼
「はい、おかげさまで」
アニ
「……それなら、まあ、『見習い』のレッテルは剥がしてやってもいいな」
翼
「本当ですか?ありがとうございます!」
胸の前で両手を組み、満面の笑顔を見せた翼を見て、今度はアニが赤くなる。
アニ
「うむ……次からは、『新米』と呼んでやろう」
翼
「……え」
肩を落とした翼に、穂積が囁く。
穂積
「アンタを名前で呼ぶのが照れ臭いだけだから。気にしなくていいから」
アニ
「穂積!余計な事を言うな!」
穂積
「はいはい」
穂積はアニの怒鳴り声を受け流した。
明智
「しかし、困りましたね。せめて昨日のうちに言っておいてくだされば、料理やケーキを準備して来たのに」
如月
「こんな時間からじゃ、市販の物だってなかなか揃えられませんよ。コンビニか、デパ地下の残り物買って来ましょうか?」
穂積
「如月や藤守が買い出しなんかに行ったら、月末の精算書が今夜中に出せなくなるでしょうが」
藤守
「重ね重ねすんません……」
小笠原
「俺は行きたくない」
穂積
「仕方ないわね。……明智」
明智
「いつものソバ屋ですか?」
言いながら早くも電話をかけ始めた明智の発言に、アニが怪訝な顔をした。
アニ
「誕生日にソバか?まあ、贅沢は言えんが……」
穂積
「黙って待ってなさい」
電話が繋がったらしく説明を始めた明智を見ながら、穂積がアニをたしなめた。
明智
「そうです、誕生日のパーティー仕様で。8人ですが、いつものように10人前で。……少しお待ちください」
通話口を押さえて、明智がアニと穂積を振り返った。
明智
「ワインは赤、白どうするかと」
アニ
「はあ?!」
穂積
「両方」
明智
「両方で」
アニ
「平然と注文するな!」
明智
「はい、はい。……結構です。よろしくお願いします」
明智が電話を切るのを待ち構えて、アニが怒鳴った。
アニ
「貴様ら、俺をからかってるのか?!」
明智
「シャンパンとクラッカーをサービスで付けてくれるそうです」
穂積
「さすがね」
アニ
「聞けーーー!」
穂積
「小野瀬も徹夜のはずだから、割り勘に加えてあげましょう。櫻井、呼んで来なさい」
翼
「はい」
アニ
「聞けーーー!」
07/14(Mon) 14:58
ソバ屋の娘、小春登場(笑)
小春
小野瀬
「お招きありがとうございまーす」
アニ
「来たな、エロ技官」
小野瀬
「はいプレゼント」
アニ
「缶コーヒー!しかもぬるい!これは明らかに、夕方お前が休憩所の自販機で買って飲み損なったやつだろうが!」
如月
「良かったですね、アニさん。『小野瀬さんからもらった』って言えば、検察でも高値で売れますよ」
小野瀬
「飲みかけにしてあげようか?」
藤守
「兄貴、やってもらえや」
アニ
「プライドを持てーー!」
小野瀬も加わって、捜査室内が一段と賑やかになってきた頃。
???
「こんばんは」
ノックの音がした。
???
「毎度ありがとうございます、ソバ屋の出前でーす」
穂積
「お、来た来た!」
翼
「はい、今開けますね」
翼が立って行って、大きく扉を開けた。
翼
「こんばんは、小春ちゃん。いつもありがとう!」
小春
「翼ちゃんこんばんはー。お待たせしました、お誕生日おめでとうございます!」
笑顔でぺこりとお辞儀をした後、いくつもの運搬ケースを積んだ台車を押して入って来たのは、捜査室御用達のソバ屋の一人娘、小春。
黒髪ショートカットの小柄な少女で、年齢は翼と同じくらいだろうか。
藤守
「小春、おおきに。今夜はな、うちの兄貴の誕生会やねん」
小春
「それはおめでとうございます」
小春はアニに深々とお辞儀をすると、てきぱきと辺りを片付けて、あっという間にミーティングテーブルにクロスを敷いた。
そこへ、サラダや色とりどりのカナッペを載せた皿やワインクーラーを並べ、フライドチキンやパスタ、温野菜やピラフなどを盛り付けたチェーフィングディッシュを次々にセットしてゆく。
翼
「小春ちゃん、私、取り皿やグラスを並べるね」
小春
「ありがとう。ケーキのろうそくはこれ、クラッカーはこれ。クラッカーは、パーンって音が出ないタイプのにしてあるからね」
中央にケーキを置いた後、チーズフォンデュの鍋を火にかけ、ローストビーフを切り始めた小春を眺めるうちに、アニはハッと我に返った。
アニ
「お前、ソバ屋じゃないのか?!」
小春
「駅の近くの『さくら庵』です。捜査室の皆さんには、出前だけじゃなく外回りの時にもお立ち寄りいただいて、大変お世話になってます。検察庁にも出前してるんですよ」
小春はニコニコと答えた。
アニ
「メニューの中に、ソバ屋の要素一個も無い!」
小春
「パーティー仕様のご注文でしたので」
穂積
「ほらアニ、いいから乾杯するわよ!」
それでは、ここでパースヽ(´∇`)/⌒◯
[削除]
07/14(Mon) 16:17
事務官、ジュン登場
ジュン
コンコン
ジュン
「失礼します」
穂積
「あら、ジュンじゃない。」
捜査室に入ってきたのは黒髪ロング、低身長の藤守ジュンであった。
ジュン
「あっ、穂積室長。慶史さんがすみません。目を離した隙に走って行っちゃいまして」
藤守兄
「俺は犬か!」
藤守
「おう、ジュン。ごくろうさん。」
ジュン
「賢史くんもお疲れさまです。」
ジュンは藤守兄弟とは親戚……でもなんでもない。たまたま苗字が同じだけだ。
ただ、藤守が3人もいるとややこしいという穂積の鶴の一声で皆からは名前で呼ばれている。
如月
「ジュンちゃんも毎度大変だね。」
ジュン
「そうなんです。慶史さん、目を離すとすぐにこちらに飛んできちゃうので。いつもすみません。」
ジュンは捜査室のメンバーに深々と頭を下げる。
藤守兄
「だから、俺は犬か!それに俺の事務官ともあろう者が簡単に頭を下げるな!」
藤守兄の言葉にジュンは柔らかい笑みを浮かべる。
ジュン
「慶史さん、誰のお陰で私や賢史くんが頭を下げることになってるか、わかってますか?慶史さんが、捜査室の皆さんに迷惑をかけるからでしょう?」
藤守兄
「迷惑なんぞかけとらん!」
ジュン
「どの口がそんにことを言うんですか?」
ジュンはあくまでも柔らかい笑みを浮かべたまま、藤守兄の頬を指でツンツンと押した。
藤守兄
「……」
藤守兄はジュンから目を逸らして顔を赤くする。
小笠原
「完全にジュンさんに操縦されてるね。」
穂積
「アニにはあれくらいで丁度いいのよ。」
小野瀬
「まあまあ、ジュンさん。せっかくだから一緒にどう?」
小野瀬がジュンをテーブルにエスコートする。
ジュン
「ありがとうございます。あっ、小春さん。いつもごくろうさまです。」
小春
「いえいえ。いつもお世話になってます。」
藤守兄
「ジュン、この蕎麦屋を知っているのか?」
ジュン
「うちの出前はいつもさくら庵さんですよ?」
藤守兄
「……」
ということで、パースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
[削除]
07/14(Mon) 19:27
紅花です。
くちびる
コンコン。
紅花 「お疲れ様です。櫻井さんはみえますか?」
ノックとともに捜査室に顔を出したのは、交通課の木崎紅花。目鼻立ちのはっきりした小柄な婦警。翼とは同期で同じ交通課にいた。
翼 「あっ!紅花ちゃん、ゴメンネ。連絡遅くなっちゃって。」
実は、翼と今夜飲みに行こうと約束していて、早く業務が片付いたから直接呼びに来たのだ。
紅花 「....って、なんかパーティーでもするの?」
穂積 「アラ?アンタ確か、櫻井の同期の子よねぇ。櫻井と約束してたの?丁度いいわ。アンタも一緒にそこにいる藤守検察官の誕生日を祝ってやってあげて。女の子が多い方が華やぐからねぇ~。」
皆さんこんばんは。私もパーティーに参加させていただきますね♪
室長に誘われたら、断る訳ないじゃないですか(笑)
続きパ-ス( ̄▽ ̄;)
[削除]
07/15(Tue) 06:12
クールビューティーな鑑識官、とも登場(笑)
とも
如月
「ところで、小野瀬さんのところに新しく鑑識官が入るって聞いたんですけど、いつからなんですか?」
小野瀬
「あれ、誰に聞いたの? 今日付で配属になったんだけど、出勤は明日からだよ」
藤守
「ええなぁ。ウチにも来たらええのに」
小野瀬
「はは、来たらちゃんとここにも挨拶に来させるよ。ちなみに女の子で、昔科捜研で一緒に仕事してたんだけど、すごく優秀だよ」
小笠原
「俺も知ってるけど、仕事は小野瀬さん並みに早いよ」
穂積
「へぇ、アンタがそこまで言うなら間違いないのかしらね」
その時、捜査室の扉がノックされた。
⁇?
「失礼します。こちらに小野瀬鑑識官がいらっしゃると聞いて伺ったのですが」
パンツスーツでスラっと背が高く、こげ茶色のゆるくパーマのかかったロングヘアーをなびかせて入ってきた女性を見て、小野瀬が声をかけた。
小野瀬
「やぁ、久しぶりだね、白河さん。 こっちには明日からだって聞いたけど? あぁ、皆に紹介するね、さっき話してたラボの新しい鑑識官の白河ともさん。 で、こっちが…」
一通りの挨拶が終わると、改めてともが自己紹介をした。
とも
「本日付で警視庁鑑識課、小野瀬ラボに配属になりました、白河ともです。勤務は明日からですが、その前に挨拶をと思いましてこちらに来ました。皆さん、これからよろしくお願いします」
ペコリとお辞儀をすると拍手が起こった。
藤守
「白河、白河…、どっかで聞いたなぁ…」
如月
「藤守さん、知ってるんですか?」
すると小野瀬のところにいたともが、藤守の元へやってきた。
とも
「藤守くんも久しぶりね。その様子だと私のこと忘れてるみたいね」
藤守がそれでもわからず首を傾げていると、ニッコリ笑って言った。
とも
「フジケン、ホンマに私のこと忘れてるんか? 同期やのにひどいわぁ」
如月
「えっ、同期ですか⁈」
如月の声に周りの皆も驚いて振り返ったが、ともはかまわず続ける。
とも
「そやで。 まぁ所属が違うからあんまり顔を合わすことはなかったけど、それでも研修とかで一緒の時はようゴハン行ったりしたな。 あ、あとしょっちゅう合コンしよ言うてしつこかったし、あとは…」
藤守
「わぁー、もうええ!わかった!思い出したから! それからいらんことしゃべらんでええねん!」
慌てて口を塞ぐ藤守ととものやりとりを見て笑っていると、穂積がパンっと手を叩いた。
穂積
「ハイハイ、感動の再会はこれくらいにして、とも、せっかくだからアンタも混ざりなさい。 ついでになって悪いけど、歓迎会も兼ねるわ」
ともの頭を撫でて微笑む穂積に、ともは頬を染めながらも笑顔を返した。
とも
「ありがとうございます! …ところで今日は何のパーティをしてはったんですか?」
アニの存在がすっかりないものに…∑(゚Д゚)
すいませ~んのパース( ´ ▽ ` )ノ⌒◯
[削除]
07/16(Wed) 00:35
少年課、泉登場
泉
コンコン
???
「失礼します。すみません、藤守先輩いますか?」
ドアの隙間からひょっこりと、天パの茶髪ショートの、大人しそうな小柄の女性が顔を覗かせる。少年課の御上泉だ。盛り上がっている室内を見て、驚いたような表情をする。
藤守
「おう、御上。どないした?」
一つ下の後輩の姿を見つけ、藤守は歩み寄る。泉は持っていた紙袋を差し出す。
泉
「あ、これ、少年課の先輩から預かって来ました」
藤守
「え、なんやろ?」
泉
「藤守先輩に貸す約束をしてたDVDって言ってましたけど」
紙袋の中身を出そうとしていた藤守は、慌てて紙袋から手を引き抜き、隠すように抱き締める。
藤守
「………中、見たか?」
泉
「いえ。絶対に見るなって言われましたし…。それ、なんのDVDなんですか?」
藤守
「え、えーと、れ、恋愛物、とか?」
髪と同じ茶色の瞳に見つめられ、藤守はしどろもどろになりながら答える。
その様子を見ていた穂積は呆れたように、
穂積
「後輩の前だからってなに格好つけてんのよ。正直にAVって答えなさい」
藤守
「し、室長!」
穂積
「御上、今日はもう仕事終わってるんでしょう?せっかくだから参加していきなさい」
泉
「良いんですか?」
穂積
「えぇ。藤守検察官の誕生日祝いと、小野瀬のラボの新入りの歓迎会中なの」
穂積の言葉に泉は首を傾げ、
泉
「小野瀬さんのところの歓迎会は分かりますけど、なんで検事さんの誕生日祝いを警視庁でするんですか?」
藤守
「皆さんホンマすみません」
ジュン
「慶史さんがいつもご迷惑おかけしています」
アニ
「だから、簡単に頭を下げるなと言っているだろうが!」
ちなみに名字の読みは「みかみ」です。
ここでパースヽ(´▽`)/⌒○
07/16(Wed) 16:12
経理にしますね~♪
桐子
人数も増えて、盛り上がってきた時、室長のデスクの電話が鳴った。
穂積
「何よ、こんな時に」
捜査室のメンバーに緊張が走る。
この電話が鳴るのは、大抵事件が発生した時だからだ。
穂積
「はい。穂積です」
??
「経理の堺ですが、先日ご提出頂きました書類について2、3確認させて頂きたい事がございまして」
穂積
「書類?」
堺
「はい。如月さんの経費についてです。今から伺ってよろしいでしょうか?」
穂積
「如月の?」
如月
「へ?俺?!」
突然名前を呼ばれた如月が、すっとんきょうな声を出す。
穂積
「構わないわ。来て頂戴」
言って通話を終える。
穂積
「経理の堺が来るそうよ」
その一言に警視庁組が固まった。
藤守弟
「経理の堺って、あの!?」
しばらくして、捜査室のドアがノックされる。
翼
「はい」
ドアを開けて入って来たのは、ロングの黒髪をひっつめてメガネをかけた小柄な女性だった。
堺
「如月さん、居られますか?」
如月
「は、はい!」
如月が慌てて戸口に向かう。
堺
「この経費なんですが…ドレス代とは何でしょうか?」
如月
「あのですね。潜入捜査で…」
如月がしどろもどろで答えている。
堺
「解りました。では今後は衣裳代と表記して下さい」
そう言うと、中にチラリと視線を投げて帰って行った。
一同
「はあ~」
藤守弟
「あの人やろ?警視庁の情報屋て」
如月
「何でも庁内の事なら知らない事はないらしいですよ。弱味を握られてる人は数知れず、だそうです」
藤守弟
「うわ~おっかな」
あ、しまった。パーティに参加し損ねた(゜ロ゜;ノ)ノ
ここでパ~ス(^-^)/⌒○
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07/16(Wed) 16:25
すみません
桐子
経理にしましたが、総務にして下さい(^_^;)
[削除]
07/17(Thu) 11:03
そろそろ動かしましょうか
小春
午後八時半。
穂積の「さ、仕事に戻りましょ。では、一本締めで。よーぉ、パン。はい解散」という素っ気ない閉会宣言から、きっかり三分後。
捜査室メンバーと小野瀬、アニだけになった捜査室に、再びノックの音がして、パーティーの間、一旦店に帰っていた小春が戻って来た。
小春
「ありがとうございましたー、器を下げに参りました」
翼
「小春ちゃん、ごめん。食器を洗うどころか、まだ全然片付けてないの」
翼がすまなそうに謝るが、小春は相変わらずニコニコしている。
小春
「いいのいいの。お皿を洗うのは私の仕事。翼ちゃんたちは、警察のお仕事をしててくれればいいの」
持って来た時と同じ、小学校の給食の配膳車のような台車に、小春はてきぱき食器を戻してゆく。
小春
「捜査室の皆さんはいつも残さずキレイに食べてくれるから、片付けも洗い物だけだし。簡単で助かるの。どうもありがとうございます」
明智
「そう言ってくれると助かる。しかし、さくら庵の料理はどれも美味いな」
小春
「明智さんに褒めてもらえたら、父も母も喜びます」
そんな話をしながらも小春は小さな身体でちょこちょこ動き回って、ささっと床まで掃除して片付けを終えた。
それから穂積の前に来て、ぺこりと頭を下げる。
小春
「室長さん、お邪魔しました」
穂積
「ご馳走さまでした」
小春
「それと、さっき、通用口で会った人から、室長と、小野瀬さんあてに、これをお預かりしてきました」
小春が穂積に差し出したのは、色褪せた洋封筒、二通。
宛名は書かれていないが、裏返して見れば、どちらも封蝋で閉じられている。
穂積あてのものには紅い蝋に桜の印、小野瀬のものには、蒼い蝋の封に、龍を象った印が押されていた。
穂積
「……?」
穂積が目配せをすると、すかさず小野瀬が手袋を嵌めて、それを二通とも受け取る。
穂積
「小春、どんな相手だった?」
小春
「きれいな女の人でしたよ。ほんのり女優の柴崎コ●さんに似てるかな。背はこのくらい、胸はこのくらい」
小春が身振り手振りで説明する傍らで、ペーパーナイフを使って小野瀬が手紙の封を開けた。
そして一通目は中をちらりと覗いただけで穂積に渡し、小野瀬あてだという二通目の中身を引き出す。
何となくミステリアスな展開に、アニ以下全員の視線が集まった。
小野瀬
「手紙と……絵だ。何かの文献の写しかな……?」
アニ
「勿体つけずに言え。何が書かれているのだ?!」
小野瀬
「う、ん、そうだな……」
小野瀬がちらりと小春に目を向けた。
一瞬きょとんとした小春だが、すぐに察して頭を下げる。
小春
「あの、私はこれで失礼します。ありがとうございました!藤守検察官、お誕生日おめでとうございました!」
飛び出した小春が台車を押して去ってゆく足音が消えるのを待って、翼が振り向いた。
翼
「小野瀬さん、小春ちゃんは口が堅いから、捜査の事を口外したりはしないと思います」
友達を追い出したようで気が引けるのか、珍しく翼が悲しそうな顔をした。
アニ
「そうだぞ」
これまた珍しく、アニが翼と、小春の肩を持つ。
アニ
「あのちびっこは、今日、俺に『誕生日おめでとうございます』と言ってくれた唯一の人物なのだぞ!」
全員が記憶を辿る顔をする。
「そうだっけ?」
小野瀬が苦笑いした。
小野瀬
「翼さん、ごめんね。小春さんを信じないわけじゃないんだ。実は、手紙の内容が、ちょっと、ね」
翼
「?」
小野瀬
「みんな、集まって」
小野瀬は翼の肩を抱くようにして、全員をミーティングテーブルに集めた。
集まったところで、手紙をテーブルに乗せる。
小野瀬
「これは、挑戦状だ」
藤守
「挑戦状?」
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07/17(Thu) 11:06
エミさん、こんな感じでどうですか
小春
小野瀬
「ここに描かれている、二本の香水瓶のようなものに入った液体」
小野瀬が指で示した紙には、二本の瓶の絵が描かれていて、それぞれには、赤というより赤紫、青というより青緑……色鉛筆のような画材で描かれた、何ともいえない色の液体が入っている。
小野瀬
「これは、『メフィストフェレスの媚薬』という液体だそうだ」
穂積、翼、小笠原
「メフィストフェレス?」
明智、藤守、如月
「媚薬?」
二極化した反応に、アニだけは参加せず、腕組みをして何か考え込んでいる。
アニ
「……」
小野瀬
「『催淫剤』と訳する事も出来るかな。つまり、まあ、そういうクスリだって事」
よく分からないらしく難しい表情をしていた翼の耳に、穂積が手を添えて小声で囁く。
たちまち、翼が真っ赤になった。
小野瀬
「手紙にはこう書かれている。『この、赤と青の媚薬は、どちらもつい最近、日本の国内にいる別々の好事家が手に入れた事が分かっています。必ず、周辺で血生臭い事件が起きるでしょう。その前に、あなた方が手に入れる事をおすすめします』」
全員
「……」
その時。
アニ
「差出人は山田太郎だな」
如月
「それって、検察が追い掛けている、国際的な泥棒ですよね?」
藤守
「そいつがどうして手紙……いや、待って。小野瀬さん、『挑戦状』て言いましたよね」
小野瀬
「そうだよ」
全員
「……」
短い沈黙の後、口を開いたのは小笠原だった。
小笠原
「つまり、山田太郎もこの『メフィストフェレスの媚薬』を手に入れたい。けれど、まだ、その二人の好事家が誰なのか分からない。そこで、事件を匂わせる事で、『小野瀬さんとその仲間たち』に、このお宝を探す手伝いをさせたいんだと思う」
小野瀬が目を細めた。
小野瀬
「小笠原くん、ご明察」
アニ
「ふざけやがって!」
アニが憤慨するのを受け流しながら、小野瀬は、穂積に目を向けた。
小野瀬
「穂積の方の封筒には何が入っていた?」
今度は全員が、穂積に顔を向ける。
穂積は封筒に手を入れると、一枚のカードを抜き出して見て、眉をひそめた。
どうやら、他には何も入っていないらしい。
穂積
「……」
穂積は、全員に向かって、無言でカードをかざして見せた。
「」
穂積あてのカードには、控え目なピンク色の可愛らしいハートマークがひとつだけ、手書きで描かれていた。
ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒◯
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07/17(Thu) 16:24
難しい~(;>_<;)
ジュン
穂積
「こんなの無視よ、無視」
穂積はあっさりとそう言ってみせた。
藤守兄
「な、何を言ってるんだ!山田太郎だぞ!捕まえるチャンスだろうが!」
如月
「そうですよ、相手は国際的な窃盗犯なんですよね?だったら……」
アニの言葉に如月が同意する。
穂積
「何いってるのよ。うちは忙しいのよ!それなのにこんなわけわからないヤツの相手なんてするわけないでしょ!」
小笠原
「確かにね」
穂積
「さっさと仕事の続きするわよ!」
藤守兄
「穂積!貴様というやつは……」
穂積
「藤守、アニにはご退場願いなさい。」
穂積の言葉に藤守は直ぐ様反応する。
藤守
「ほら、兄貴はもう帰り~」
藤守兄
「こら!賢史!追い出すな!」
藤守兄弟のやり取りを見ながら小野瀬は複雑な思いを抱いていた。
こんなんでいいでしょうか?方向性間違ってる?パースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
07/17(Thu) 23:42
何やら怪しい展開に....(O.O;)
くちびる
小野瀬は何やら神妙な顔つきで考え込んでいた。
....俺と穂積宛ての挑戦状、どうも引っ掛かるんだよな。小春さんが預かって持って来たけど、そもそもセキュリティの高いこの場所に全く関係ない人物がうろうろ出来るとは考えにくい。
まさかとは思うが、アニの誕生日会に次々訪れた人物の中に変装した山田太郎が紛れ込んでいた可能性も否定出来ないな。....
小野瀬「穂積、もう一度小春さんにこの2通の挑戦状を渡された状況を確めたいんだが。」
穂積 「お前も同じ事、考えていたのか。」
穂積はニヤリと笑うと、自分宛ての手書きのハ-トをグシャリと握り潰した。
穂積 「全く、ただでさえ忙しいってのに、やんなっちゃうわねぇ~。面倒な事はさっさと片付けるとしましょうか!アンタたちも分かったわねっ!」
全員 「イェッサ-!ボス」
藤守兄 「俺の存在無視すんな~!」
こんな感じで捜査開始にしちゃいました(;´д`)
続きパ-ス( ̄▽ ̄;) /◯
[削除]
07/18(Fri) 07:52
まさかの。
小春
翌朝。
小野瀬と穂積が訪れたのは……
交通課だった。
婦警A
「紅花!紅花!」
出勤してきたばかりの紅花の元に、待ち構えていた交通課の先輩たちが数人、掴みかからんばかりの勢いで迫ってきた。
紅花
「お、おはようございます。どっ、どうしたんですか、先輩たち?」
婦警B
「どうしたのか聞きたいのはこっちよ!」
婦警C
「朝から、警視庁ツートップがあんたの事を待ってるのよ!」
婦警D
「あんた何したの?!」
紅花
「ひぇっ?」
小野瀬
「やあ、木崎さん、おはよう」
朝の陽差しを浴びながら、交通課の窓口にあるイスからにっこりと微笑んだのは、小野瀬。
隣には穂積が座っているが、彼らの前には普段置かれていないテーブルが出され、その上にはコーヒーやら紅茶やらクッキーやらが、所狭しと並んでいる。
きっと、婦警たちが取っ替え引っ替え献上したのだろう。
紅花
「おは、おはようございます」
穂積
「おはよう。昨夜は悪かったわね」
立ち上がった穂積が、軽く頭を下げる。
紅花
「えっ、な、何がですか?」
紅花は驚いて飛び上がった。
懸命に昨夜の事を思い出すが、穂積に謝られるような事も、まして、早朝から穂積と小野瀬が揃って自分の元に現れる理由も思い浮かばない。
穂積
「櫻井に、約束をすっぽかさせた事よ」
穂積はまだすまなそうな顔をしていたが、その言葉で、ようやく紅花にも納得がいく。
紅花
「……ああ!」
紅花はホッとため息をついた。
紅花
「そんな事……刑事課の皆さんに、急な仕事が入るのはよくある事だし、特に特命捜査室はそうですよね。だから、たとえ連絡無しに約束を反故にされても気にしません」
笑顔で話していた紅花だったが、そこで、あ、と声を上げて穂積を見た。
紅花
「……それとも、翼ちゃんが気にしてるんですか?昨日、会えなかった事」
その瞬間に小野瀬が穂積に目で合図を送ったことに、紅花が気付いたか、どうか。
穂積
「もちろんよ。大事な友達じゃないの。……とにかく、ワタシにも責任のある事だから。今後は、約束がある時には緊急の時でも極力早目に連絡させるから、許してくれるかしら」
紅花
「わ、分かりましたから、もう頭を下げないでください!」
穂積
「ありがとう」
小野瀬
「……じゃあ、行こうか穂積。木崎さん、今度は俺との食事にも付き合ってね」
紅花
「え、ぇっ?」
二人がその場を離れた後、他の婦警たちから質問攻めでもみくちゃにされている紅花を置いて、穂積と小野瀬は交通課を出た。
穂積
「やっぱりか」
歩きながら、穂積が神妙な顔をしている。
小野瀬
「捜査室のあるフロアは、交通課二年目の木崎さんが、ふらりと入って来られるような場所にはなってないからね」
穂積
「昨夜はうちの連中はみんな室内にいたし、アニのパーティーだったから全員受け入れたが、こうなるとセキュリティレベルを上げなきゃならねえな」
小野瀬
「だね……」
え、紅花ちゃんJSだったの?(笑)
[削除]
07/18(Fri) 08:53
初仕事☆
とも
ホンマにまさかの紅花ちゃんがJS? エミさんもミステリアスですね(≧∇≦)
~小野瀬ラボ~
穂積と別れた小野瀬がラボに戻ると、中は普段と違う雰囲気でなんだか騒がしい。
小野瀬
「朝から賑やかだね、何かあったの?」
いつもなら小野瀬が現れると途端にピリピリした空気が流れるのだが、今日はそれがない。
太田
「あっ、御大、おはようございます!」
小野瀬に気づいた太田が挨拶すると、他の連中も揃って挨拶をする。
すると奥の人だかりが崩れて、その先にいたのはともだった。
とも
「小野瀬さん、おはようございます。今日からよろしくお願いします」
ペコリと頭を下げたともに小野瀬がニッコリ笑って返す。
小野瀬
「そっか、ともさんもおはよう。ここは科警研とは違って勤務も不規則だし初めはキツイかもしれないけど、キミなら大丈夫だと思ってるから、遠慮なく仕事を回すからそのつもりでよろしくね」
とも
「はい!」
顔見知りが多いのもあって、小野瀬がいない間に一通りの挨拶は済んでいたらしく、ラボのメンバーはそれぞれ持ち場に戻って作業に入った。
小野瀬
「ともさん、さっそくなんだけどお手並み拝見、させてもらえる?」
小野瀬はともにビニール袋に入った、昨夜小春から受け取った封筒2通を手渡した。
とも
「…封筒? 指紋採取ですか?」
小野瀬
「そう、ともさんにしたら簡単かもしれないけど。後で結果が出たら報告して」
とも
「わかりました。…って、小野瀬さんは、どちらに行かはるんですか?」
手を休めず顔だけ向けたともに、小野瀬はヒラヒラと手を振りながらラボの入り口へと向かった。
続きをパース( ´ ▽ ` )ノ⌒◯
[削除]
07/18(Fri) 09:02
朝から出前。
小春
ともと別れた小野瀬が通用口に向かって歩いていると、小野瀬の前の廊下を、岡持ちを提げた小春が横切った。
と、小野瀬に気付いたのか、小春はぴたりと止まって、こちらに顔を向けてにっこり笑う。
小春
「おはようございます、小野瀬さん。昨夜はありがとうございました!」
挨拶して通り過ぎようとした小春を、小野瀬が引き留める。
小野瀬
「小春さん、ちょうど良かった。きみに、ちょっと聞きたい事があるんだけど」
小春
「はい。でも、警備室にラーメン届けて来ていいですか?」
小野瀬
「もちろん。じゃ、刑事部の休憩所で待ってるから」
小春
「はい」
小走りに消えていく小春を見送って、小野瀬は、愛だの恋だの言わない、貴重な存在であるソバ屋の娘までをも疑わなければならない事に、溜め息をついた。
私、ここでパスすればいいのかしら?ヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒◯
知ーらない。
[削除]
07/18(Fri) 09:06
チッばれたか!
くちびる
紅花は困惑していた。
翼と約束していたが、お流れになったのは初めてではない。特捜にいるから急なキャンセルは仕方ないと思っていたし....。
警視庁のツ-トップが自分を訪ねてきて、昨日の約束を守れなかった事をわざわざお詫びに来るなんて、これまでは無かった。
翼から謝りのメ-ルはあったが、直接あの2人が交通課に来るとは想定外だ。
そもそもどうして昨日の約束を知っているの?
翼が言ったとは思えない。
紅花は背筋が震えた。
えっ私、JSに変装されてたの?( ̄▽ ̄;)
イケメン2人を直に見れたからまあいいかぁ♪
続きパ-ス!/◯
07/18(Fri) 09:49
おはようございます
ジュン
翼
「……昨夜の紅花ちゃんがJS……」
穂積は捜査室に戻り、全員を集めて紅花のことを説明した。
明智
「では、ヤツは堂々とあの場にいたと言うわけですか?」
藤守
「ふざけおって!」
如月
「全然気付かなかった……」
如月と同様、翼も青い顔をしていた。
穂積
「あの場にいた誰にも違和感を持たせないなんて、見事な化けっぷりね。」
穂積も忌々しそうな顔をしながらため息をつく。
小笠原
「それで、これからどうするの?」
穂積
「それは今……」
バーン!
藤守兄
「お前ら、何だかんだ言ってもやはり山田太郎のことを調べているようだな!」
穂積の言葉を遮るように扉が勢いよく開き、藤守兄がズカズカと捜査室に入ってきた。
藤守
「あ、アニキ……」
困惑するメンバーを余所に藤守兄はふんぞり返って言葉を続ける。
藤守兄
「やはり、お前らも俺の手伝いがしたくて堪らないのだな。……ぬおっ!」
藤守兄が変な声を出し、つんのめった。
ジュン
「慶史さん、朝から何ワケわかんないことを言ってるんですか!皆さん、おはようございます。朝から申し訳ございません。」
藤守兄の後ろにいて見えなかったジュンがひょっこりと顔を出し、メンバーに挨拶と謝罪をする。藤守兄が変な声を出したのはジュンが後ろから突き飛ばしたからだ。
藤守兄
「貴様!何をする!?」
憤慨する藤守兄にジュンは柔らかい笑みを浮かべる。
ジュン
「ダメでしょう?今、皆さんは会議中なんですよ?」
穂積
「アンタも朝から大変ね。」
ジュン
「事務官としての仕事ですから。それより、本当にすみません。」
穂積
「まっ、いいわ。今、小野瀬に昨日の封筒の鑑定を頼んでいるから。何か分かれば連絡があるわ。」
藤守兄
「俺の存在を無視するな!」
繋がるかな?ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇
[削除]
07/19(Sat) 02:15
小春疑われる(笑)
小春
紅花(本物)ちゃん、あなたは昨夜の事を何も知らないはずなので、あまり深読みしてはダ・メ・よ♪(^▽^)bウフフ
一方、こちらは刑事部フロアの休憩所。
ベンチに座った小春に、小野瀬は冷たいストレートティーの入った紙コップを差し出した。
小野瀬
「はいどうぞ」
小春
「ありがとうございます」
缶コーヒーを持った小野瀬が隣に腰掛けるのを待って、小春はコップに口を付けた。
小春
「美味しいです」
小野瀬
「そう、良かった」
こくこくと喉を鳴らす小春を見て目を細めながら、小野瀬もプルトップを開けた。
小野瀬は、およそ八年前、警視庁に入った時から、小春を知っている。
その頃小春はまだ中学生だったが、繁忙期や夏休みには出前の親について来て手伝いをする姿をよく見かけたものだ。
高校を出てからは父親の店で実務経験を積み、調理師免許を取った現在は、店舗と出前の両方で、さくら庵の戦力になっている。
小春の父親は、まだよちよち歩きの頃から小春を警視庁の出前に連れて来ていたそうだ。
だから、庁内で小春を知らない者はいないし、年輩の署員の中には、小春を自分の娘のように可愛がっている者も多い。
だが、だからこそ、昨日集まったメンバーの中で、最もJSにつけ入られる隙があるのは、実は小春だ。
小野瀬
「小春さんは、警視庁の全部の部署に出前してるの?」
小春
「そうですね」
小春は、首から提げているIDカードを小野瀬に見せた。
小春
「ほとんどはこれと、それぞれの受付にいる警備員さんへの挨拶で入れます。中には、捜査室みたいに、指紋や顔認識を登録されてる部署もあります」
小野瀬
「そうだよね」
いつもの笑顔で話しながら、小野瀬の頭の中は忙しかった。
小野瀬
「ちょっと、ごめんね」
小野瀬は、いきなり小春の両方の頬を摘まんで、横に引っ張ってみた。
柔らかい頬はむにーと伸びて、手を離すとぷるんと戻る。
小春の白い頬が、小野瀬の指の形に赤くなった。
小春は小野瀬の突然の行動に驚いたらしく、固まったまま、目をぱちくりさせている。
小春
「?!」
……本物か。
小野瀬
「ごめん、ごめん。マシュマロみたいで可愛くて、柔らかそうだったから、つい。やっぱり、ふわふわだね」
笑顔でそうごまかして、今度は掌で包むように、優しくほぐしてやる。
木崎紅花さんや、総務の堺桐子さんや少年課の御上泉さんのような、庁内内部の人間であれば、すぐに本人の所在を確認する事も出来る。
だが、小春は外部の人間だ。行動を全て把握するのは不可能だ……。
この子には、いろんな意味で注意が必要だな、とも、小野瀬は感じていた。
小野瀬
「ねえ、ところで、小春さん。昨日、手紙を預かった時の事、詳しく思い出してくれるかな?」
小春
「あの時の女の人の事ですか?きれいな人で、身長はこのぐらい、胸はこのぐらい」
小春は、昨夜の説明を繰り返した。
小春
「あとは……そうだ、右手に、少し大振りの指環を付けてました」
小野瀬
「指環?」
小春
「桜の花が浮き彫りになった指環です」
小野瀬の脳裏に、穂積あての手紙の、紅い封蝋に押されていた桜の模様が浮かんだ。
この辺でパースヽ(* ̄▽ ̄*)ノ⌒◯←小野瀬さんのせいで顔が腫れてる
[削除]
07/19(Sat) 07:49
小春ちゃん、なぜ胸にこだわる?(笑)
エミ
~小春と小野瀬逢瀬中の頃の捜査室~
翼
「小春ちゃんに封筒を渡した人物も紅花ちゃんに化けたJSだったのでしょうか?」
明智
「たしかに、小春が食器を片付けに来る前に紅花たちは帰ったが…」
穂積
「小春の昨夜の説明だと某女優に似ていたらしいから、少なくとも紅花じゃないわね。庁内の人間であれば、出前で毎日出入りしている小春なら見覚えがあってもいいはずだけど」
如月
「紅花ちゃんからまた違う人に化けたってことですか?」
藤守アニ
「面倒くさいヤツだな!」
(お前もな!)とその場に居た全員が内心でツッコミを入れる。
穂積
「アンタ、まだいたの?」
ジュン
「ホラ、慶史さんじゃなきゃ進まない仕事が待ってますから、帰りましょう。ねっ?」
腕をぎゅっと抱いてにっこり微笑みかけるジュンから不自然に視線を逸らし、メガネのブリッジを押し上げた指を捜査室の面々へ向ける。
藤守アニ
「それもそうだな。いいか、愚民ども…」
ジュン
「はいはい」
藤守
「ホンマ、すんません」
半ば強制退去の形でジュンと藤守に引きずられるようにアニが捜査室を出るのと入れ替えに、小野瀬が顔を出した。
穂積
「桜の花が浮き彫りされた指輪?」
小野瀬
「そう。JSに仲間がいる可能性も考えられるね」
翼
「仲間…ですか?」
小野瀬
「うん。仲間、もしくは協力者…かな?穂積宛ての封筒の中身がね、JSらしくないというか、なんか引っ掛かるんだよね」
穂積
「小笠原」
小笠原
「……今、調べてる」
まだ見ぬ謎の女に、小野瀬さんの穂積LOVEセンサー反応(笑)
ということで、パース!
(*^∀^)ノ⌒○
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