『アブナイ☆恋の学園物語』
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09/26(Thu) 16:58
おお、ジュンさんグッジョブ( ̄▽ ̄)b
小春
私のささやかな思い付きにフォローありがとうございます( ̄ー ̄)
ジュンさん応援しますよ。
☆生徒会室☆
空間
「では、ミスコンは前夜祭のイベントに入れればいいの?」
空間が、自分の手元の資料に「ミスコン」とシャープペンシルで書き込んでいく。
向かい側の席から、和音が空間に笑顔を向けた。
和音
「前夜祭だと、事前の校内審査がという形になるわよね。これらの投書や、今の話を総合すると、『桜祭』の期間内に、校内で見つけた魅力的な女性を投票してもらう方がいいんじゃないかしら」
これには空間も納得して頷く。
空間
「それもそうね。それなら、先入観の無い、一般の方々からの意見も入るし。だとすると、後夜祭での方がいいのかしら」
和音
「期間中だけ投票を受け付けて、後夜祭で『ミス・桜祭』を発表する、というコンテストにしたらどう?」
和音から視線を向けられて、翼は背筋を伸ばした。
翼
「はい。それなら、空間さんも心配してくださっているような、見た目品評会にはならないと思います」
空間
「ただ、それだと、発表するタイミングはかなり遅くなるわよ。果たして盛り上がるのかしら」
空間の心配はもっともだ。
一般の入場の無い後夜祭での発表という事になれば、観客は当然、教師と生徒だけになる。
そこで、水着審査もパフォーマンスも無いミスコンの結果発表だけでは、イベントとしてあまりにも地味過ぎはしないだろうか。
藤守
「ほな、やっぱり途中で水着審査やろか?」
空間
「却下」
藤守
「ううっ」
口を挟むタイミングを見計らっていた藤守だったが、あえなくバッサリ斬られてしまう。
如月
「ハイハーイ、アイディアあります!」
空間
「はい、如月くん」
いつのまにか空間が仕切っている。恐るべきオーラだった。
如月
「だったら、優勝者には、後夜祭で美味しい思いの出来る特典を与えたらいいと思います!」
空間の目がキラリと光る。
如月との裏取引を思い出したらしい。
空間
「それは、つまり……?」
如月
「ハイ!後夜祭で、希望する相手とダンス出来る権利です!」
[削除]
09/26(Thu) 17:33
とも
空間
「なるほどね、それなら後夜祭の最後のメインイベントになるダンスに繋がるわね」
今如月からの提案を聞いて納得したように見せた空間だったが、頭の中では既に小野瀬との甘いひとときを想像していた。
如月
「ノミネートされた女子は学校内でも一、二を争う人気の穂積先生と小野瀬先生にエスコートされてステージに上がるっていうのはどうですか?」
藤守
「え~、それは俺がやりたいわ。ただでさえ女子生徒たちの人気の的やのに、おいしいとこ全部持ってかれるやん」
とも
「藤守先輩は司会で盛り上げてもらわなアカンので却下ですよ~。あ、女子だけやなくて、男子もイケメンコンテストやりますか?先生方を入れたら勝負は決まってるから、男子生徒限定で?」
和音
「男女平等にってことね。体育祭で活躍したMVPも後夜祭で決めるっていうのはどうかしら?」
如月
「わ、それって俺にもチャンスが回ってくるかもじゃない?!」
和音・とも
「うーん、どうだ(や)ろ?」
勝手に繋げちゃいました~♪
あ、空間センパイが妄想の世界から戻ってきてない(笑)
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09/26(Thu) 18:56
ともさん(´∇`)ノシ
小春
☆生徒会室☆
和音
「実現するには先生方のご協力が必要だし、上位何人までの希望を叶えるのかとか、拒否権の問題とか、考えなければならない事はたくさんあるけれど、ミスコンについては、おおむねそんな感じでいいかしら?」
水着審査が受け入れられず、凹んでいる藤守をよそに、会議はどんどん進んでゆく。
藤守
「俺、ホンマにいらんのちゃうか……」
小笠原
「(小声)会長、しっかりしてよ。今、如月が言ったでしょ。体育祭で活躍すれば、好きな女子と踊るチャンスが手に入るよ」
藤守
「(小声)小笠原……お前の言う通りや!……って待てや!俺、体育祭で頑張らな選ばれへんの?生徒会長やのに?!」
うん、と頷き返されて、藤守は机に頭をぶつける。
藤守
「(小声)……ちなみに、お前は誰と踊りたいねん?」
小笠原
「(小声)何その無駄な質問。却下」
藤守
「『却下』って何や!お前は空間か!」
空間
「そこ、うるさいわよ!」
藤守・小笠原
「……すみません」
09/27(Fri) 15:30
こんにちは(  ̄ー ̄)ノ
小春
☆生徒会室・廊下☆
小野瀬
「妙な話になってきたね?」
生徒会室の中で行われている会議を片方の耳で聞きながら、小野瀬が穂積に笑いかけてきた。
小野瀬
「逆指名出来ないのは残念だけど、たまには可愛い女の子たちとダンスを踊るのも、まあ、いいかな?」
穂積
「……ああ……」
穂積は生返事をしていた。
ダンスパーティーなんて面倒臭いだけだが、考えようによっては、都合がいいかもしれない。
あの時、勢いで櫻井にダンスの練習相手を頼んでしまった。
後悔はしていないが、後から思えば軽率だったかもしれない。
自分は何を言われても構わない。
だが、自分とのダンス練習のせいで櫻井が誰かから責められるのは耐えられない。
後夜祭で、半ば強制的にミスコンとダンスに関わりを持たされる羽目になったのは予想外の展開だし、まだ自分が踊ると決まったわけでもないが、その為の練習だと言えば、万が一櫻井と踊っているのを誰かに見られたとしても、一応の言い訳は立つだろう。
それを思えば、パーティーの煩わしさなど、なんともなかった。
何故だろう。
穂積にとって、生徒は皆同じように可愛い。
クラス担任として言うなら、小春も、櫻井も、同じように可愛いのだ。
だが、気になるのは櫻井の方だった。
知人の娘さんだからだろうか。
転校してきたばかりだからだろうか。
心配で、だからこんなに気になるのだろうか。
そう、気になるのだ。
特別扱いするつもりは毛頭無い。
だが、気になって気になって仕方がない。
この気持ちは何だろう。
穂積にとって、それは初めての感情だった。
生徒会室の窓越しに複雑な面持ちで翼を見つめる穂積の横顔を、小野瀬は楽しそうに見つめていた。
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09/27(Fri) 21:30
まさかの?
くちびる
穂積先生と翼ちゃんのラブストーリー展開ですか?(笑)(*^^*)いやん!!!!
でも小春ちゃんも穂積先生LOVE(*^^*)....!!
どうなっちゃうの~??
壁からそっと様子を伺ってますねえ~。
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09/28(Sat) 07:36
おはようございます(  ̄ー ̄)ノ
小春
くちびるさん(´∇`)ノシ
見てないで小春の恋路も応援して(笑)まあ、小春は中身がまだ中学生ですから、恋路があるのかどうかも怪しいですけどね。←オイ
誰か続き書いてくれてるのかなあ。
どこへ話を繋げてくれてもいいんですが、
もしも穂積先生と翼ちゃんのダンス練習に話が飛ぶなら、その前に、翼ちゃんは、練習相手になった話を、ともちゃんにも打ち明けてありますのでよろしくね。
[削除]
09/28(Sat) 08:58
おはようございます~♪
とも
こんな感じでどうでしょ?
桜祭についての最初の打ち合わせから一週間。 生徒会の役員たちは自分のクラスや所属する部の出し物の準備に加え、各担当の部門の準備の進捗状況の把握や前夜祭、後夜祭の準備に毎日追われていた。
翼はあれから穂積からダンスの練習について何も言われておらず、本当に練習相手が務まるのかさえ不安になり始めていた。
(穂積先生も毎日補習や会議で忙しいから、練習してる暇なんてホントはないんだよね…。私もダンスとか苦手だし、一人で少しだけやってみようかな?)
生徒会室にあるプレーヤーで音楽をかけてみる。
(聞いたことがある曲なんだけど、どこから始めたらいいのかわかんないよ~。最初は右だっけ、左だっけ?)
四苦八苦しながらステップを踏んでいると、後ろからクスクス笑う声が聞こえてきた。
穂積
「櫻井?アンタ一人で何してるの?そんな踊りじゃあお子ちゃまのお遊戯の方がよっぽど上手ね」
翼
「穂積先生!?」
声の主に気づき、後ろを振り返ると、生徒会室のドアに身体を預けて穂積が立っていた。
穂積
「ワタシが練習相手をしろって頼んだのに、ほったらかしにして悪かったわね」
すまなそう首を傾げる穂積に翼はうつむきながら話した。
翼
「先生も毎日お忙しいから仕方ないです。私も練習相手を引き受けたんですけど、ちゃんと踊れるか不安だったんで、試しに踊ってみようとしてたらわからなくなっちゃって」
そう話す翼の耳は真っ赤になっていたが、それを見つめる穂積の目はどこか嬉しそうだった。
穂積
「当たり前でしょ。後夜祭で踊るダンスは男女ペアで踊るダンスなんだから。ホラ、ちょうどいいから今からみっちり特訓してあげるわ」
翼
「えー?私の特訓ですか?!」
こうして二人のダンスの練習はしばらく続いた。
一方生徒会室の外では。
小野瀬
「…まったく、穂積は素直じゃないな」
とも
「ホンマですよね~」
小野瀬
「あれ、ともさんいつからいたの?」
とも
「えーと、小野瀬先生が中に入ろうとしたのをやめて、そこでず~っと中を覗いてる時あたりから?」
小野瀬
「俺としたことが全然気づかなかったよ。それよりいいの?穂積と櫻井さん、いい感じになってるけど」
小野瀬はがっかりしているだろうとともを見ると、以外にも彼女はニコニコしていた。
とも
「私は穂積先生のコト好きですけど、恋人にはなれへんなぁて思ってるんで平気ですよ。むしろ二人を応援します」
小野瀬
「へぇそうなの?」
とも
「そうやなかったら野球部のマネージャーやらせてもろてないですよ」
ともは翼から穂積のダンスの練習相手を引き受けた事を聞いていたらしい。二人きりのところを誰かに見られたら自分と同じ目にあうかもしれないと心配して様子を見に来たのだった。
ともも野球部のマネージャーになった時に穂積のファンたちから嫌がらせを受けていたっていう設定です。
続きはお願いします♪
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09/28(Sat) 11:22
同じく繋いでみる。
清香
誰が一位になるのかな(わくわく)
桜祭まで一カ月を切り、準備で慌ただしくなり始めた校内に後夜祭にてミス&ミスター桜祭を選出するという話はあ
っという間に学校内へと広まって行った。
『一般の方からの投票も受け付ける』とはなっているが、やはり生徒からの投票をどれだけ確保できるかが重要だ。
普段はこういった行事に無縁の運動部などは、組織票を集めるか躍起になっているようで。
藤守
「陸上部は全員俺に投票するってことで…お前も俺に投票しとけや?」
如月
「なんでですか、俺は陸上部じゃなくて柔道部ですよ?ウチは自由投票することに決まったんです~。」
藤守
「ならより一層ええやろ!お願いやから俺に投票したって?な?たこ焼き奢ったるから~。」
如月
「嫌ですよ!賄賂は受け取りませんからね!!」
藤守
「そんなぁ、如月くぅーん…。」
『体育祭でMVPを取る方が早いんじゃないですかー?』と言いながら部活に向かう如月の背中を藤守も追いかける。
それでも周りでクスクス笑う生徒に『清き一票を頼むな!』と言うのを忘れない所が明るい彼らしかった。
その頃。
☆理科準備室☆
篠崎
「教師は関係ないんじゃない?」
小野瀬
「本当はね。でも、エスコートしたりダンスの相手に選ばれたら断るわけにいかないでしょ?お互い。」
篠崎は小野瀬に呼ばれて久し振りに理科準備室へ訪れていた。
ガタガタと机をどかし、スペースを確保すると『ふぅっ』っと一息つく。
篠崎
「まぁねー。しかしダンスなんて何年ぶりかしら?足踏んだらごめんね。」
小野瀬
「ケガしたら優しい養護教諭の先生が治療してくれるんでしょう?」
篠崎
「ふふっ、いいわよ。でもわざわざ練習するなんてずいぶんやる気あるじゃない?」
小野瀬
「穂積が練習しているのを見たら負けてられないと思ってね。」
篠崎
「へぇ、あの穂積君が練習してるの?」
『信じられない』と言いたげに篠崎は目を瞬かせる。
小野瀬
「アイツも色々と思うところがあるんだろうな。」
傍らに置いた音楽プレイヤーのスイッチを押すと、柔らかなワルツのリズムが流れる。
慣れた手つきで構える小野瀬に、渋々といった様子で篠崎が手を重ねた。
篠崎
「それなら穂積君と練習したかったなぁ。」
小野瀬
「文句言わないの。」
篠崎
「はぁい。」
リズムに乗せて二つの靴音が同じタイミングで音を鳴らす。
互いにステップを確認しあうのに気を取られ、じっと見つめる視線がある事に気がつく事が出来ないでいた。
空間(天井裏)
「…………(ギリギリ)」
09/28(Sat) 11:25
ともさん(´∇`)ノシ
小春
話の流れ的にはともちゃんの嫌がらせの回想シーンが入るところだけどそれは書かない。
それよりも小野瀬先生と二人で話をしたりして!現在進行形で空間センパイの意地悪リストに載せられちゃうよΣ(゜ロ゜;
☆再び生徒会室☆
小野瀬
「穂積」
コツコツ、と扉が外からノックされた。
小野瀬
「そろそろ皆が来るよ?」
小野瀬から合図を受けた穂積は翼と顔を見合わせてから、身体を離した。
翼はすっかり恐縮している。
翼
「す、すみません。何度も足を踏んでしまって」
穂積
「気にしない気にしない。それより相手をしてくれてありがとう、助かったわ。またお願いね」
頃合いを見計らって、小野瀬とともが生徒会室に入ってきた。
二人とも、穂積と翼にそれぞれ目で合図を送っただけで、ダンスの話題には触れない。
唯一ともが、「こっそり私と練習しとこか?」と翼の耳元で笑っただけ。
見守ってくれる味方がいてくれる事にほっとしながら、穂積は小野瀬と上座に、翼はともと下座の壁際に別れ、他のメンバーの到着を待つのだった。
15分後。
文化祭・体育祭それぞれの実行委員会が話し合って煮詰めてきた行事内容を持ち寄り、概要を発表する会議が開かれていた。
参加者は、生徒会メンバーのほか、文化祭実行委員長の空間と体育祭実行委員長の和音。
そして今日は、そこに明智と篠崎、穂積と小野瀬が加わっている。
心なしか空間は挙動不審だ。
前回とは打ってかわって大人しい空間に代わり、今日は藤守が仕切っていた。
藤守
「懸案になってたミスコンの件やけど、和音。詳細は決まったか?」
藤守に指名されて、和音が、いつものように颯爽と立ち上がった。
後夜祭は、体育祭に引き続き体育祭実行委員会が担当することになっているのだ。
ちなみに、生徒会からは総括として前夜祭・後夜祭共に藤守が加わるほか、如月と、とも、小春が後夜祭担当だ。
和音
「イベントの正式名称は『ミス桜祭&ミスター桜祭コンテスト』にしました。投票期間は前夜祭の日の正午から後夜祭の日の正午まで。集計後、後夜祭のパーティーの前に発表します」
投票箱の設置場所などを見取り図で説明した後、和音はさらに内容の説明をした。
和音
「投票用紙には名前と選んだ理由を書いてもらいますが、名前が分からない場合を想定して、見かけた場所や特徴などでも投票出来るようにします。ただし、特定出来ない場合は、残念ですが無効です」
一同は、和音の話を頭の中で咀嚼しながら頷く。
今は個人情報保護の面から、桜田門学園でも名札は採用していない。
その中で、全校生徒が投票の対象であり、一般のお客様からも投票してもらうのであれば、和音の言うような方法を取るしか無いだろうと思われた。
和音
「で、問題の特典ですが」
和音がにっこり笑うと、一同からも笑いが漏れた。
ミスコンの開催が決まってから、みんな、各々のクラスメイトたちからさんざん質問攻めに遭ってきている。
それが一番の懸案なのだ。
和音
「男女とも、コンテストで上位5人までの入賞者には、後夜祭のダンスパーティーで踊るパートナーを指名出来る権利を与える事にしました。指名された方も、1曲だけは拒否権無し。必ず踊ってもらいます」
「上位5人?!」
あちこちから、大きな声が上がった。
[削除]
09/28(Sat) 11:28
おおっと被った。
小春
清香さんありがとう。
微妙にずれてるからそのままにします(笑)
空間センパイ忙しいな。
[削除]
09/28(Sat) 12:31
だって。
清香
空間センパイ面白いんだもん(笑)
[削除]
09/29(Sun) 08:59
おはようございます(´∇`)ノシ
小春
ひとまず補足しておきます。
☆生徒会室☆
藤守
「5人とはまた、大盤振る舞いやな?!」
和音の発言に驚きながらも、チャンスが増えた藤守の声と顔は明るい。
和音
「元々、お祭りを盛り上げる為のイベントだからね。私の独断じゃなくて、実行委員会が手分けしてリサーチした結果だよ」
和音の口調が、藤守に合わせて、普段通りのくだけた物言いに変わってきていた。
和音
「『もしも選ばれたら、片想いの相手にダンスを申し込んでみたい』って生徒が結構いたんだ。本当は10人にしたかったぐらいだけど、そうなると、コンテストの意味が薄れちゃうから」
なるほど、と翼は思った。
確かに、ダンスパーティーは先生方と踊れる貴重な機会だけど、本来、『桜祭』の慰労会であり、学年や所属を越えた、生徒同士の交流の場でもあるのだ。
和音
「もちろん、指名出来る権利は優勝者から優先的に与えられるから、意中の相手が、上位の人に先に指名されたら、他の相手を選ばなくちゃならないけどね」
会議に参加しているメンバーも、和音の話から、なんとなく「自分なら誰を選ぶか」という事を考えずにはいられないようだ。
如月
「会長、そんな顔しなくても大丈夫ですよ。まだ選ばれてませんから!」
如月が、真剣な藤守の顔を見て茶茶を入れ、全員がどっと笑った。
[削除]
09/29(Sun) 22:15
絶賛自画自賛中!
ジュン
コンコンっ
ジュン
「2年の藤守です。今よろしいですか?」
会議が一段落し、明智と小春からの差し入れを食べながら談笑しているメンバーに響いたのは藤守の従妹ジュンの声だった。
藤守
「ジュンか?入ってもええで?」
その瞬間、バンっと勢い良く扉が開き、メンバーの目に飛び込んできたのは艶やかな振り袖姿の熊……もとい、ロバートとポールだった。
ロバート
『マーサ、どうかしら?』
ポール
『ルイ、アオイ、似合う?』
二人は距離を詰め、3人に詰め寄る。誉めてほしくて仕方ないらしいが、はっきり言って恐怖しか感じない。
女子たちも体を寄せあい、ただただ絶句していた。
ジュン
『ロバート先生、ポール先生、着物で大股歩きは良くないですよ?』
小さなジュンが、ロバートとポールの後ろからヒョコっと顔を出した。
小野瀬
「藤守さん、これはどういうことかな?」
ジュン
「ロバート先生とポール先生が茶道をしてみたいと部室に来られて、何故か着物も着てみたいと言う話になりまして。」
小野瀬の動揺を余所にさらっと答えるジュン。
穂積
「この着物はどうしたんだ!?」
普通であればロバートとポールのような男性が着られる着物などないように思うが……
ジュン
「たまたま居合わせた校長先生が貸して下さいました。」
これまたサラリと答えるジュンを余所に大男二人に押し倒されそうな3人は必死の攻防を繰り広げていた。
翼
「ジュン先輩は茶道部なんですか?」
ジュン
「うん。」
小笠原
「今年はお茶会じゃないんだね?」
騒ぎを遠くに見ていた小笠原が声をかけた。
ジュン
「うん。お茶会だと、お作法とか気にして敬遠する人がいるから今年はお抹茶とお茶菓子を提供するお茶屋さん。皆も良かったら来てね?」
翼たちにニコリと微笑むとジュンは大男二人を連れて出ていった。
穂積
「な、なんだったんだ?」
小野瀬
「彼女、猛獣使いになれそうだね?」
フゥと溜め息の漏れる中、如月が楽しげに切り出した。
如月
「ジュンちゃんと言えば、彼女もミスコンはいいとこいくんじゃないですか?」
空間
「そうね。彼女は見た目は幼い感じがするけど、茶道や華道、着付けといったこともこなすし。」
空間が女子を誉めるなんて!?とは皆が一瞬思ったが、明らかにアオイストではないジュンは空間の敵にはならないのだろう。
小笠原
「確かに藤守さんは2年の間でも人気があるよね。」
童顔ではあるが藤守兄弟と似た整った顔立ちにスタイルのよさ。特に胸……。確かに需要……もとい魅力的ではある。
一同が納得する中、一人だけ異論を唱えた。
藤守
「はぁ?ジュンが?それはないやろ。」
ケラケラと笑う藤守だが、周りの視線は冷たい。
小野瀬
「藤守くんが女性にいまいち人気がない理由がわかった気がするよ。」
和音
「鈍感ね~」
藤守
「は?」
1人訳がわからないと言う顔をした藤守に一年女子は揃ってため息をついた。
ミスコンに絡みたい~ということで、ごめんなさいm(__)m
09/30(Mon) 02:50
あら、ステキ。
清香
コレは本当に誰が一位になるか分からなくなりましたね。
みんな、頑張れ!(←傍観者)
☆生徒会室☆
和音
「あと、体育祭のプログラムの原稿が出来あがりましたので確認をして下さい。」
一同に配られたのは、各学年や部活対抗の競技を順に並べただけのそっけないものではあったが、藤守や如月などはいかにアピールを出来るかと真剣な面持ちで見つめていた。
藤守
「今回は100m走にクラス対抗リレー、部活対抗のリレーに騎馬戦ってとこやなぁ。応援団もやっとけば良かったなぁ…。」
如月
「でも会長は騎馬戦でも下の馬役ですよね?俺の学年は棒倒しがありますからね!」
藤守
「そんなん人ごみに紛れたら目立たへんやん!」
如月
「棒の先にしがみついて倒せば目立ちますよーだッ!」
藤守
「くっそ―ッ!」
小笠原
「…ホント、この二人バカじゃないの?」
何とも低レベルな争いを繰り広げる二人はさておき、全員でプログラムの確認をする。
空間
「例年通りでいいんじゃないかしら?」
和音
「今年は大きな変更点が無いですからね。できるだけ時間厳守で、プログラムの予定通りに競技が進めば良いんですけれど。」
空間
「そうね、終了時間が後ろにずれ込むと近隣の方々にもご迷惑になるから、その点だけ注意するとして…、何か分からない点はあるかしら?」
初めて参加する1年生組にチラリと視線を向け、空間が微笑みを浮かべた。
もちろんその笑みは一年生女子たちへのものではない。穂積の隣でプログラムを覗きこむ小野瀬へ向けたものだ。
空間
(…俯く横顔もステキだわ……。)
視界の端に小野瀬を捉えながらも笑みを絶やさないでいると、ともが手を挙げた。
とも
「空間先輩、いいでしょうか?」
空間
(…チッ)
心の中で舌打ちをしながらも空間がともへ顔を向けると。
とも
「このPTA参加競技とは何でしょうか?」
空間
「その名の通りPTAの方々に参加していただくものよ。」
和音
「毎年教職員とPTAで綱引きをやるのよ。勝ち負けを競うものではないからそこまで真剣にやりはしないけれどね。ご家族の方で参加していただける人がいたら、教えてね。」
『へぇー。』っと納得する女子に比べて、教師たちは苦い顔だ。
穂積
「こっちは結構真剣にやってるんだぞ?」
小野瀬
「そうそう。生徒達にカッコ悪いところ見せられないからね。」
篠崎
「そもそもPTAの参加人数が多いから、教職員には不利なのよね…。」
明智
「それでも勝負は勝負ですから。」
根は負けず嫌いなのだろう。真剣に取り組む姿勢を崩さない明智に穂積と小野瀬と篠崎がそっと溜息をついた。
翼
「…じゃあ、お父さんに出るか聞いてみようかな。」
ぽそりと呟いた翼の声に、穂積はピクリと眉を動かした。
何か言いかけようとした、その時。
アニ
「おい、お前らっ、なんで俺を呼ばないんだッ!」
『バーンッ』大きな音を立てて開いたドアに全員気を取られ、言葉を発する事が出来なかった。
篠崎
「じゃあ、こんな感じで…。」
小野瀬
「決まりだね。」
明智
「よし、部活に行くぞ。小春。」
アニ
「オ、オイっ。」
『用は済んだ』と生徒会室を後にする人々の背に、小さな手が添えられる。
ジュン
「ドンマイ☆」
アニ
「~~~~~~-。」
小刻みに震えていたアニの背中をジュンは優しく撫でたのだった。
[削除]
09/30(Mon) 10:28
エミ
お久しぶりです。少々忙しくしております。
ちゃんと毎日読んでますよ。
明智兄妹が可愛い!ツタンカーメン小春ちゃん、私のツボです。
(*´∀`*)
☆校長室☆
♪ルールル ルルル ルールル♪
「徹●の部屋」のオープニングテーマを口ずさみながら、エミ理事長は校長室の応接セットで『桜祭』についての書類に目を通していた。
エミ
「さっきのロバ子とポル美、可愛らしかったわね」
山田校長
「……勝手に変な名前を付けないでください」
エミ
「ほんのり頬を染めてキラキラの瞳で『似合うかしら?』って、立派な乙女。それにしても、特大サイズの振袖なんて、いつの間に用意したの?」
山田校長
「理事長の和服姿を見るたびに『着てみたいわー』って言ってましたから」
そう。エミ理事長はほぼ毎日和服。江戸時代に興味があるという理由だけで、若い頃に着付けを習ったらしい。本人曰わく、小柄で手足が短い昔体型のためイマイチ洋服がしっくりせず、祖母のおさがりやリサイクル品の和服がピッタリなのだとか。
山田校長
「それに、茶道もしてみたいと言うので茶道部に連れて行きました。あとは藤守さんにお願いしましたけど」
エミ
「ロバ子とポル美を上手く手懐けてたし、彼女に任せておけば安心ね」
山田校長
「だから、勝手に変な名前を付けないでくださ…」
エミ
「ね、今年はアレ、無いの?」
山田校長
「過去にアノ二人がベルばらのオス●ルとア●ドレになったり、篠崎養護教諭がマリ●ン・モンローになったりしたアレですか?」
エミ
「そう、ソレ。私、楽しみにしてたんだけど」
校長の呟きに被せ気味に訊ねたのは、後夜祭恒例の教職員による仮装の事だった。
山田校長
「さすがにネタ切れでしょう。今年は『ミス桜祭&ミスター桜祭コンテスト』が注目です」
エミ
「それもそうね。あっ!家庭科部、伝説のカレー!明智先生にレシピ教えてもらおうかなぁ…。うーん、教えてくださるかしら…。体育祭と言えば、やっぱりリレーで盛り上がって…。あぁ、楽しみ!(ブツブツ)」
山田校長
「……やれやれ」
みんな楽しみ『桜祭』
私は常にマイペース☆
[削除]
09/30(Mon) 11:29
皆さんありがとうございます(´∇`)ノシ
小春
ジュンさん、アピール大歓迎ですよ。
言った者勝ちです。
文化祭ではお茶屋さんですね。お茶と和菓子と和装ウェイトレスさんですね。
わたくし大好物です。
となると家庭科部の喫茶店はメイド服ですね、必然的に(笑)。
そしてジュンさんの狙いは賢史くんでしょうか。
清香さんはPTAの綱引きですね。
どう展開するんでしょう。楽しみですね。
もちろん養護教諭の出番アリですね。
エミさん、仮装の話は誰かしてましたね。
ハロウィンでもいいんですが、私は前夜祭の演目のつもりでおりました。
今年は前夜祭仮装、後夜祭ミスコンでよろしくです。
前夜祭の仕切りは空間センパイ、藤守、小笠原、そして翼ちゃんでーす。
ぜひオープニングで盛り上げて頂きたい。ロバ子とポル美で阿鼻叫喚(爆笑)
エミさんのお相手は校長先生なのかしら。
いやー、思惑が見え隠れして面白くなってきましたねー。
明智兄妹、ツタンカーメン小春へのラブコールもありがとうございます。
小春の寝袋姿は、少し前のタ●コキューピーのCMを思い出して頂くとイメージしやすいかと。
♪たーらこーたーらこー……♪と歌いつつ私は去る。( ̄▽ ̄)ノ~~ ♪
[削除]
09/30(Mon) 15:26
賢史くん狙いで
ジュン
和装ウェイトレスいいですね!
ところで家庭科部のメイドさんは猫耳でしょうか?うさみみでしょうか?(←そこ!?)
仮装は楽しそうですねo(^o^)o
先生たちだけでしょうか?篠崎先生には是非不二子ちゃんで!!
どこかで執事喫茶してくれないかなぁ~(←妄想が止まらなくなってきました汗)
[削除]
09/30(Mon) 16:00
みみ?!
小春
耳は考えてなかったなあ……私としたことが(笑)
エプロンとお揃いの、白いフリルのついたカチューシャまではイメージしてたんですが。
可愛い服でご機嫌なウェイトレスのはずが、当然のように明智カレーの担当にさせられてしまい、真っ白なエプロンにカレーが飛んで半泣きの小春とか(笑)
相変わらず残念な子Σ(ノд<)
耳は藤守兄弟からのリクエストがあれば考えます。茶道部優先でいいですよ(´∇`)
09/30(Mon) 17:23
桜祭♪
とも
だいぶ内容が固まってきましたね!
前夜祭ではNYベアーズに前座でなんかやってほしいわ~。
仮装も楽しそうですよね。教職員と前夜祭担当の4人は必ずして、あとはやりたい人がするみたいな。
エミ理事長が言ってたベル○ら、見てみたい!
もちろんオ○カルは穂積先生で、ア○ドレは小野瀬先生ですよね?!
アカン、ハマりすぎる…… ←激しく妄想中
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09/30(Mon) 18:47
壁|∀´)ニヤリ
エミ
ともさん、その通りです。
前夜祭で仮装ですね。楽しみです←他力本願(笑)
エミ理事長は一歩下がってアレコレ青春模様を眺めて楽しんでます。
山田は狙っていません!ただの茶飲み仲間です。
筋金入りの隠れ穂積ファンですが、立場上おおっぴらにしていません。あくまでもファンなので、ひっそり見守ります。
やっぱり、ロバ子とポル美は熊耳?
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09/30(Mon) 20:42
~前夜祭チーム~
小春
☆別の日・生徒会室☆
『桜祭』に向けて、生徒会室では担当部署が時間をずらして入れ替わり立ち替わり、連日のように会合が開かれるようになってきていた。
本日は昼休みを利用して、前夜祭担当のメンバーたちの会合だ。
最後に飛び込んできたのは、前の時間が体育で、もはや着替えを諦めて、体育着にジャージのまま、丸めた制服を抱えてきた藤守。
藤守
「うっわ、俺待ちやったか?すまん!」
空間
「悪いけど待ってないわ。先に始めてたわよ」
会議机を二つ向かい合わせ、それぞれに椅子を二つずつ並べている小笠原の横で、机の上に四枚のプリントを配りながら、空間が声だけを藤守に向ける。
藤守
「……あ、ああ、構へんよ。みんな、忙しいからな……」
翼
「ふ、藤守先輩、これ!」
肩を落としかけた藤守に、駆け寄った翼が、マザーバッグのような大きな包みを差し出した。
藤守
「何やこれ」
翼
「小春ちゃんからです。『桜祭』が終わるまで毎日、お昼と放課後の食事は、明智兄妹が差し入れしてくれるそうですよ」
藤守
「え、マジか?!」
がばっ、と、藤守がバッグを覗き込んだ。
小笠原
「喫茶店に出す軽食の試作だそうだけど。あの兄妹の作る料理なら、まあ絶対にハズレはないね」
美食家の小笠原も太鼓判を押す。
翼
「今日はサラダとクラブハウスサンドだそうです」
空間
「有り難く頂きましょう。本当に忙しいから、正直、助かるわ。……小春さん、加点5ね」
メモ帳に「+5」と書き込みながら呟いた空間の独り言を、翼が聞き咎めて首を傾げた。
翼
「加点?」
空間
「何でもないわ」
空間はメモ帳をパタンと閉じると、咳払いをひとつして席についた。
空間にならって全員が座り、プリントを見ながら、机の中央に置かれたサンドイッチを頬張る。
空間
「では、前夜祭の内容について。今年は、例年後夜祭で行っていた『仮装寸劇』を、前夜祭で行う事になりましたが、その内容を……」
空間がそこまで言った時。
穂積
「やってるわね」
小野瀬
「お邪魔するよー?」
ノックと同時に扉が開いた。
空間
「あっ、せっ、先生方?!」
空間の声が裏返る。
穂積と小野瀬は、立ち上がりかけた生徒たちを「そのまま、そのまま」と笑顔で制しながら、入ってきた。
穂積
「気にしないで、続けて」
小野瀬
「小春さんと明智くんに、今日から毎日、生徒会室でお昼と放課後に試食してくれと頼まれてね」
穂積と小野瀬は自分たちで椅子を引いてきて、藤守と小笠原の隣にそれぞれ座った。
穂積
「へえ、美味しそうじゃない?さすがね」
小野瀬
「話の腰を折っちゃってごめんね。空間さん、俺たちもご相伴にあずかっていいかな?」
空間
「はい!あ、あの、今、前夜祭の内容についてう、打ち合わせを始めた所だったのです。よよよろしかったら、先生方もぜひご意見をお願いします」
小野瀬
「分かった」
穂積
「いただきまーす」
サンドイッチをパクつく小野瀬と穂積を眺めながら、「……小春さん、加点100」と空間が呟く。
それを聞き逃さなかった翼だが、残念ながら、彼女に、空間の言葉と密かなガッツポーズの意味は理解できなかった……。
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09/30(Mon) 21:17
こんばんは♪
くちびる
忙しくて書き込みが出来なかったです。でもずっと読んでましたよ~(*^^*)
登場キャラがどんどん増えてますねえ~!
続き楽しみです(笑)
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10/01(Tue) 05:34
すみませんが版権モノは勘弁して下さい(^^;)
小春
ル●ンもいいけど全部伏せ字で寸劇やるわけにはいきませんからね……m(__)m
そしてともさん、エミさん、NYベアーズ出演決定的ですか?!(´▽`;)
ツートップもいいけどアニと明智先生という手も……あ、明智先生は大根役者でしたわΣ(´□`;)
10/01(Tue) 08:28
おはようございます
とも
確かに伏せ字だらけじゃ何かわかりませんね(-_-;)
それぞれ頭の中で妄想しとくってコトで。
アニが登場するなら藤守兄弟で漫才かな? ロバ子とポル美も隣で見よう見まねでやってみて、『イヤ~ン、日本のマンザイって難しいわ~』とか言いつつアニを襲う(笑)
あ、これじゃ生徒たちがドン引きか(爆)
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10/01(Tue) 08:35
Σ(T▽T;)
ジュン
す、すみません~Σ(ノд<)
伏せ字ばっかの寸劇は駄目ですよねm(__)m
そして、明智先生は大根具合が逆に良いと思います!
10/01(Tue) 09:13
☆昼休みの生徒会室☆
小春
ともさん、ジュンさん(´∇`)ノシ
皆さんすみません。
絶対面白いけど残念ながら。
●○伏せ字と「ピー」だけでやったら逆に画期的ですけどね( ̄ー ̄)ノ
~前夜祭会議・続き~
小野瀬が来た事で誤作動を始めた空間に代わり、藤守が仕切り始めた。
翼が手を挙げる。
翼
「そもそも、仮装寸劇って何ですか?」
藤守
「前夜祭のオープニング宣言をする前に、教師と実行委員たちでちょっとした劇をするんや。盛り上がったところで、生徒会長が開会を宣言する、と」
小笠原
「資料を見ると、過去には少女漫画や少年漫画のキャラに仮装した事もあるようだけど、昔話や童話のネタも多い。時間にしたら30分前後の、まあ、コントだね」
空間
「……小野瀬先生の、ア●ドレ、素敵でした……」
小さな声で、ようやくそれだけ言った空間に、小野瀬は複雑な笑顔。
小野瀬
「あはは、ありがとう。穂積がオ●カルだったあれだよね。俺も楽しかったよ」
小笠原
「その前は海賊、白雪姫……西遊記の年もあったみたいだね。30分間でどうやってまとめたんだろう?」
穂積
「毎年バカな事やらされるのよねえ。今年はミスコンだっていうから油断してたら、まさか前夜祭に持ってくるとは」
翼
「でも楽しそう」
穂積の言葉に、翼が笑った。穂積も目を細める。
穂積
「観客が飛び入りするのも自由なの。だから、大混乱の年もあるわよ」
苦笑いしながら、半分は面白がっている様子。
すると。
バーン!
けたたましい音を立てて、扉が開いた。
アニ
「今年はあんな大混乱の幕開けは許さんぞ!」
怒声とともに踏み込んで来たのは、藤守兄。
その後ろで、心配そうに扉を撫でている明智。
明智
「藤守先生、扉が傷みます」
アニ
「今は扉より前夜祭だ!いいか、それでなくても、夜遅くまで学校にいる事で、生徒たちは浮かれているのだ!毎年、不純異性交遊の問題も発生しているのだ!俺はそれを防ぐためにもだ。仮装寸劇は『岩窟王』のようなシリアス劇!前夜祭は夕方5時まで!夜間の校舎への立ち入り禁止を提言する!」
全員
「……」
明智
「藤守先生、楽しい学園祭の幕開けに、エドモン・ダンテスの復讐劇は無いでしょう」
溜め息混じりで静かに諭す明智に、会議を凍りつかせたアニが気まずさを隠すように凄い勢いで振り返った。
アニ
「明智!貴様まで学園祭に浮かれているのか!生徒たちが、たとえばお前の妹が、誰かの毒牙にかかったらどうするのだ?!」
明智
「それは許しませんけどね」
小野瀬
「どうして俺を睨むの」
穂積
「……」
穂積が立ち上がった。
穂積
「……アニ、ちょっと」
有無を言わさずアニの襟首を掴んだ穂積が、生徒会室の外へ連れ出すなり、どこからか出したガムテープでアニの口を塞ぎ、手足をぐるぐる巻きにして廊下に転がした。
アニ
「ー!ーーー!」
穂積はアニを置き去りにして室内に戻り、後ろ手にぴしゃりと扉を閉めた。
穂積
「はい、続けて」
空間
「ええと、では、アンケートでの仮装のリクエスト結果ですが、定番の漫画やアニメ、物語に加えて、ハロウィン、応援団、戦隊モノ、漫才、新米刑事がイケメンだらけの捜査室に配属されて恋に事件に奮闘するラブコメ、スポ根、大喜利、ミュージカル……」
翼
「バラバラですね」
穂積
「しかも何か混ざってたし」
小笠原
「明智先生、これ美味しい」
明智
「小春も腕を上げたな。こっちも食べてみろ」
空間が溜め息をつく。
空間
「……もう、少数意見だけど、『穂積シェフと小野瀬シェフのお料理対決』にしちゃおうかしら……?」
藤守
「『明智先生と藤守アニ先生の噛み合わない漫才』いうのもあるで。俺は見たないけど」
???
「あのう……」
そこへ、大きな体を小さくして、もじもじしながら入ってきたのは、アニを抱えたロバートとポールだった……
続きよろしくです。←オイ
10/02(Wed) 08:47
おはようございます
とも
ちょいとだけつなぎます。
ロバート
『ワタシたちも何かお手伝いできることはないかしら?』
ポール
『アメリカ人はパーティーとかイベント大好きだから、お役に立てるかもしれないと思ってるんだけど…』
日本での思い出作りにぜひ!と巨漢の二人が詰めよってくる。
藤守
「そ、そうやなぁ、なんかやってくれた方がその分寸劇の時間が短くなってええかもな。なんなら、ウチの兄貴使ってくれてもええで」
藤守の言葉をロバートとポールのそばにいた小野瀬が素早く通訳すると、二人の顔がぱぁっと輝いた。
ロバート
『そうと決まればさっそく考えなくっちゃ!』
ポール
『彼は借りていくわね♪みんな、楽しみにしてて!』
アニ
「おいっ、待て!俺は何も聞いてないぞ!」
穂積
「オープニングが盛り上がるようにしっかり頼んだわよ、アニせ・ん・せ・い♪」
女子生徒
「…………」
キーンコーンカーンコーン。
嵐の後の静けさの中、昼休み終了のチャイムが鳴った。
藤守
「結局ウチの兄貴のせいで何も決まらんかったな…」
小野瀬
「お昼ごはん食べただけだったね。美味しかったけど」
空間
「私も小野瀬先生とお昼をご一緒できてよかったです…」
藤守
「ま、前夜祭の出し物が一つ決まったからええとしよ。次の会議までに寸劇は何がいいか、みんなそれぞれ考えておこか?」
話が思ったより進まんかった~(-_-;)
スミマセン(◎-◎;)
[削除]
10/02(Wed) 17:06
ともさんありがとう(´∇`)ノシ
小春
アニの無事を祈ります。
仮装寸劇どうしましょう。
まだ思い付かないので他力本願♪
おお、ジュンさんグッジョブ( ̄▽ ̄)b
小春
私のささやかな思い付きにフォローありがとうございます( ̄ー ̄)
ジュンさん応援しますよ。
☆生徒会室☆
空間
「では、ミスコンは前夜祭のイベントに入れればいいの?」
空間が、自分の手元の資料に「ミスコン」とシャープペンシルで書き込んでいく。
向かい側の席から、和音が空間に笑顔を向けた。
和音
「前夜祭だと、事前の校内審査がという形になるわよね。これらの投書や、今の話を総合すると、『桜祭』の期間内に、校内で見つけた魅力的な女性を投票してもらう方がいいんじゃないかしら」
これには空間も納得して頷く。
空間
「それもそうね。それなら、先入観の無い、一般の方々からの意見も入るし。だとすると、後夜祭での方がいいのかしら」
和音
「期間中だけ投票を受け付けて、後夜祭で『ミス・桜祭』を発表する、というコンテストにしたらどう?」
和音から視線を向けられて、翼は背筋を伸ばした。
翼
「はい。それなら、空間さんも心配してくださっているような、見た目品評会にはならないと思います」
空間
「ただ、それだと、発表するタイミングはかなり遅くなるわよ。果たして盛り上がるのかしら」
空間の心配はもっともだ。
一般の入場の無い後夜祭での発表という事になれば、観客は当然、教師と生徒だけになる。
そこで、水着審査もパフォーマンスも無いミスコンの結果発表だけでは、イベントとしてあまりにも地味過ぎはしないだろうか。
藤守
「ほな、やっぱり途中で水着審査やろか?」
空間
「却下」
藤守
「ううっ」
口を挟むタイミングを見計らっていた藤守だったが、あえなくバッサリ斬られてしまう。
如月
「ハイハーイ、アイディアあります!」
空間
「はい、如月くん」
いつのまにか空間が仕切っている。恐るべきオーラだった。
如月
「だったら、優勝者には、後夜祭で美味しい思いの出来る特典を与えたらいいと思います!」
空間の目がキラリと光る。
如月との裏取引を思い出したらしい。
空間
「それは、つまり……?」
如月
「ハイ!後夜祭で、希望する相手とダンス出来る権利です!」
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09/26(Thu) 17:33
とも
空間
「なるほどね、それなら後夜祭の最後のメインイベントになるダンスに繋がるわね」
今如月からの提案を聞いて納得したように見せた空間だったが、頭の中では既に小野瀬との甘いひとときを想像していた。
如月
「ノミネートされた女子は学校内でも一、二を争う人気の穂積先生と小野瀬先生にエスコートされてステージに上がるっていうのはどうですか?」
藤守
「え~、それは俺がやりたいわ。ただでさえ女子生徒たちの人気の的やのに、おいしいとこ全部持ってかれるやん」
とも
「藤守先輩は司会で盛り上げてもらわなアカンので却下ですよ~。あ、女子だけやなくて、男子もイケメンコンテストやりますか?先生方を入れたら勝負は決まってるから、男子生徒限定で?」
和音
「男女平等にってことね。体育祭で活躍したMVPも後夜祭で決めるっていうのはどうかしら?」
如月
「わ、それって俺にもチャンスが回ってくるかもじゃない?!」
和音・とも
「うーん、どうだ(や)ろ?」
勝手に繋げちゃいました~♪
あ、空間センパイが妄想の世界から戻ってきてない(笑)
[削除]
09/26(Thu) 18:56
ともさん(´∇`)ノシ
小春
☆生徒会室☆
和音
「実現するには先生方のご協力が必要だし、上位何人までの希望を叶えるのかとか、拒否権の問題とか、考えなければならない事はたくさんあるけれど、ミスコンについては、おおむねそんな感じでいいかしら?」
水着審査が受け入れられず、凹んでいる藤守をよそに、会議はどんどん進んでゆく。
藤守
「俺、ホンマにいらんのちゃうか……」
小笠原
「(小声)会長、しっかりしてよ。今、如月が言ったでしょ。体育祭で活躍すれば、好きな女子と踊るチャンスが手に入るよ」
藤守
「(小声)小笠原……お前の言う通りや!……って待てや!俺、体育祭で頑張らな選ばれへんの?生徒会長やのに?!」
うん、と頷き返されて、藤守は机に頭をぶつける。
藤守
「(小声)……ちなみに、お前は誰と踊りたいねん?」
小笠原
「(小声)何その無駄な質問。却下」
藤守
「『却下』って何や!お前は空間か!」
空間
「そこ、うるさいわよ!」
藤守・小笠原
「……すみません」
09/27(Fri) 15:30
こんにちは(  ̄ー ̄)ノ
小春
☆生徒会室・廊下☆
小野瀬
「妙な話になってきたね?」
生徒会室の中で行われている会議を片方の耳で聞きながら、小野瀬が穂積に笑いかけてきた。
小野瀬
「逆指名出来ないのは残念だけど、たまには可愛い女の子たちとダンスを踊るのも、まあ、いいかな?」
穂積
「……ああ……」
穂積は生返事をしていた。
ダンスパーティーなんて面倒臭いだけだが、考えようによっては、都合がいいかもしれない。
あの時、勢いで櫻井にダンスの練習相手を頼んでしまった。
後悔はしていないが、後から思えば軽率だったかもしれない。
自分は何を言われても構わない。
だが、自分とのダンス練習のせいで櫻井が誰かから責められるのは耐えられない。
後夜祭で、半ば強制的にミスコンとダンスに関わりを持たされる羽目になったのは予想外の展開だし、まだ自分が踊ると決まったわけでもないが、その為の練習だと言えば、万が一櫻井と踊っているのを誰かに見られたとしても、一応の言い訳は立つだろう。
それを思えば、パーティーの煩わしさなど、なんともなかった。
何故だろう。
穂積にとって、生徒は皆同じように可愛い。
クラス担任として言うなら、小春も、櫻井も、同じように可愛いのだ。
だが、気になるのは櫻井の方だった。
知人の娘さんだからだろうか。
転校してきたばかりだからだろうか。
心配で、だからこんなに気になるのだろうか。
そう、気になるのだ。
特別扱いするつもりは毛頭無い。
だが、気になって気になって仕方がない。
この気持ちは何だろう。
穂積にとって、それは初めての感情だった。
生徒会室の窓越しに複雑な面持ちで翼を見つめる穂積の横顔を、小野瀬は楽しそうに見つめていた。
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09/27(Fri) 21:30
まさかの?
くちびる
穂積先生と翼ちゃんのラブストーリー展開ですか?(笑)(*^^*)いやん!!!!
でも小春ちゃんも穂積先生LOVE(*^^*)....!!
どうなっちゃうの~??
壁からそっと様子を伺ってますねえ~。
[削除]
09/28(Sat) 07:36
おはようございます(  ̄ー ̄)ノ
小春
くちびるさん(´∇`)ノシ
見てないで小春の恋路も応援して(笑)まあ、小春は中身がまだ中学生ですから、恋路があるのかどうかも怪しいですけどね。←オイ
誰か続き書いてくれてるのかなあ。
どこへ話を繋げてくれてもいいんですが、
もしも穂積先生と翼ちゃんのダンス練習に話が飛ぶなら、その前に、翼ちゃんは、練習相手になった話を、ともちゃんにも打ち明けてありますのでよろしくね。
[削除]
09/28(Sat) 08:58
おはようございます~♪
とも
こんな感じでどうでしょ?
桜祭についての最初の打ち合わせから一週間。 生徒会の役員たちは自分のクラスや所属する部の出し物の準備に加え、各担当の部門の準備の進捗状況の把握や前夜祭、後夜祭の準備に毎日追われていた。
翼はあれから穂積からダンスの練習について何も言われておらず、本当に練習相手が務まるのかさえ不安になり始めていた。
(穂積先生も毎日補習や会議で忙しいから、練習してる暇なんてホントはないんだよね…。私もダンスとか苦手だし、一人で少しだけやってみようかな?)
生徒会室にあるプレーヤーで音楽をかけてみる。
(聞いたことがある曲なんだけど、どこから始めたらいいのかわかんないよ~。最初は右だっけ、左だっけ?)
四苦八苦しながらステップを踏んでいると、後ろからクスクス笑う声が聞こえてきた。
穂積
「櫻井?アンタ一人で何してるの?そんな踊りじゃあお子ちゃまのお遊戯の方がよっぽど上手ね」
翼
「穂積先生!?」
声の主に気づき、後ろを振り返ると、生徒会室のドアに身体を預けて穂積が立っていた。
穂積
「ワタシが練習相手をしろって頼んだのに、ほったらかしにして悪かったわね」
すまなそう首を傾げる穂積に翼はうつむきながら話した。
翼
「先生も毎日お忙しいから仕方ないです。私も練習相手を引き受けたんですけど、ちゃんと踊れるか不安だったんで、試しに踊ってみようとしてたらわからなくなっちゃって」
そう話す翼の耳は真っ赤になっていたが、それを見つめる穂積の目はどこか嬉しそうだった。
穂積
「当たり前でしょ。後夜祭で踊るダンスは男女ペアで踊るダンスなんだから。ホラ、ちょうどいいから今からみっちり特訓してあげるわ」
翼
「えー?私の特訓ですか?!」
こうして二人のダンスの練習はしばらく続いた。
一方生徒会室の外では。
小野瀬
「…まったく、穂積は素直じゃないな」
とも
「ホンマですよね~」
小野瀬
「あれ、ともさんいつからいたの?」
とも
「えーと、小野瀬先生が中に入ろうとしたのをやめて、そこでず~っと中を覗いてる時あたりから?」
小野瀬
「俺としたことが全然気づかなかったよ。それよりいいの?穂積と櫻井さん、いい感じになってるけど」
小野瀬はがっかりしているだろうとともを見ると、以外にも彼女はニコニコしていた。
とも
「私は穂積先生のコト好きですけど、恋人にはなれへんなぁて思ってるんで平気ですよ。むしろ二人を応援します」
小野瀬
「へぇそうなの?」
とも
「そうやなかったら野球部のマネージャーやらせてもろてないですよ」
ともは翼から穂積のダンスの練習相手を引き受けた事を聞いていたらしい。二人きりのところを誰かに見られたら自分と同じ目にあうかもしれないと心配して様子を見に来たのだった。
ともも野球部のマネージャーになった時に穂積のファンたちから嫌がらせを受けていたっていう設定です。
続きはお願いします♪
[削除]
09/28(Sat) 11:22
同じく繋いでみる。
清香
誰が一位になるのかな(わくわく)
桜祭まで一カ月を切り、準備で慌ただしくなり始めた校内に後夜祭にてミス&ミスター桜祭を選出するという話はあ
っという間に学校内へと広まって行った。
『一般の方からの投票も受け付ける』とはなっているが、やはり生徒からの投票をどれだけ確保できるかが重要だ。
普段はこういった行事に無縁の運動部などは、組織票を集めるか躍起になっているようで。
藤守
「陸上部は全員俺に投票するってことで…お前も俺に投票しとけや?」
如月
「なんでですか、俺は陸上部じゃなくて柔道部ですよ?ウチは自由投票することに決まったんです~。」
藤守
「ならより一層ええやろ!お願いやから俺に投票したって?な?たこ焼き奢ったるから~。」
如月
「嫌ですよ!賄賂は受け取りませんからね!!」
藤守
「そんなぁ、如月くぅーん…。」
『体育祭でMVPを取る方が早いんじゃないですかー?』と言いながら部活に向かう如月の背中を藤守も追いかける。
それでも周りでクスクス笑う生徒に『清き一票を頼むな!』と言うのを忘れない所が明るい彼らしかった。
その頃。
☆理科準備室☆
篠崎
「教師は関係ないんじゃない?」
小野瀬
「本当はね。でも、エスコートしたりダンスの相手に選ばれたら断るわけにいかないでしょ?お互い。」
篠崎は小野瀬に呼ばれて久し振りに理科準備室へ訪れていた。
ガタガタと机をどかし、スペースを確保すると『ふぅっ』っと一息つく。
篠崎
「まぁねー。しかしダンスなんて何年ぶりかしら?足踏んだらごめんね。」
小野瀬
「ケガしたら優しい養護教諭の先生が治療してくれるんでしょう?」
篠崎
「ふふっ、いいわよ。でもわざわざ練習するなんてずいぶんやる気あるじゃない?」
小野瀬
「穂積が練習しているのを見たら負けてられないと思ってね。」
篠崎
「へぇ、あの穂積君が練習してるの?」
『信じられない』と言いたげに篠崎は目を瞬かせる。
小野瀬
「アイツも色々と思うところがあるんだろうな。」
傍らに置いた音楽プレイヤーのスイッチを押すと、柔らかなワルツのリズムが流れる。
慣れた手つきで構える小野瀬に、渋々といった様子で篠崎が手を重ねた。
篠崎
「それなら穂積君と練習したかったなぁ。」
小野瀬
「文句言わないの。」
篠崎
「はぁい。」
リズムに乗せて二つの靴音が同じタイミングで音を鳴らす。
互いにステップを確認しあうのに気を取られ、じっと見つめる視線がある事に気がつく事が出来ないでいた。
空間(天井裏)
「…………(ギリギリ)」
09/28(Sat) 11:25
ともさん(´∇`)ノシ
小春
話の流れ的にはともちゃんの嫌がらせの回想シーンが入るところだけどそれは書かない。
それよりも小野瀬先生と二人で話をしたりして!現在進行形で空間センパイの意地悪リストに載せられちゃうよΣ(゜ロ゜;
☆再び生徒会室☆
小野瀬
「穂積」
コツコツ、と扉が外からノックされた。
小野瀬
「そろそろ皆が来るよ?」
小野瀬から合図を受けた穂積は翼と顔を見合わせてから、身体を離した。
翼はすっかり恐縮している。
翼
「す、すみません。何度も足を踏んでしまって」
穂積
「気にしない気にしない。それより相手をしてくれてありがとう、助かったわ。またお願いね」
頃合いを見計らって、小野瀬とともが生徒会室に入ってきた。
二人とも、穂積と翼にそれぞれ目で合図を送っただけで、ダンスの話題には触れない。
唯一ともが、「こっそり私と練習しとこか?」と翼の耳元で笑っただけ。
見守ってくれる味方がいてくれる事にほっとしながら、穂積は小野瀬と上座に、翼はともと下座の壁際に別れ、他のメンバーの到着を待つのだった。
15分後。
文化祭・体育祭それぞれの実行委員会が話し合って煮詰めてきた行事内容を持ち寄り、概要を発表する会議が開かれていた。
参加者は、生徒会メンバーのほか、文化祭実行委員長の空間と体育祭実行委員長の和音。
そして今日は、そこに明智と篠崎、穂積と小野瀬が加わっている。
心なしか空間は挙動不審だ。
前回とは打ってかわって大人しい空間に代わり、今日は藤守が仕切っていた。
藤守
「懸案になってたミスコンの件やけど、和音。詳細は決まったか?」
藤守に指名されて、和音が、いつものように颯爽と立ち上がった。
後夜祭は、体育祭に引き続き体育祭実行委員会が担当することになっているのだ。
ちなみに、生徒会からは総括として前夜祭・後夜祭共に藤守が加わるほか、如月と、とも、小春が後夜祭担当だ。
和音
「イベントの正式名称は『ミス桜祭&ミスター桜祭コンテスト』にしました。投票期間は前夜祭の日の正午から後夜祭の日の正午まで。集計後、後夜祭のパーティーの前に発表します」
投票箱の設置場所などを見取り図で説明した後、和音はさらに内容の説明をした。
和音
「投票用紙には名前と選んだ理由を書いてもらいますが、名前が分からない場合を想定して、見かけた場所や特徴などでも投票出来るようにします。ただし、特定出来ない場合は、残念ですが無効です」
一同は、和音の話を頭の中で咀嚼しながら頷く。
今は個人情報保護の面から、桜田門学園でも名札は採用していない。
その中で、全校生徒が投票の対象であり、一般のお客様からも投票してもらうのであれば、和音の言うような方法を取るしか無いだろうと思われた。
和音
「で、問題の特典ですが」
和音がにっこり笑うと、一同からも笑いが漏れた。
ミスコンの開催が決まってから、みんな、各々のクラスメイトたちからさんざん質問攻めに遭ってきている。
それが一番の懸案なのだ。
和音
「男女とも、コンテストで上位5人までの入賞者には、後夜祭のダンスパーティーで踊るパートナーを指名出来る権利を与える事にしました。指名された方も、1曲だけは拒否権無し。必ず踊ってもらいます」
「上位5人?!」
あちこちから、大きな声が上がった。
[削除]
09/28(Sat) 11:28
おおっと被った。
小春
清香さんありがとう。
微妙にずれてるからそのままにします(笑)
空間センパイ忙しいな。
[削除]
09/28(Sat) 12:31
だって。
清香
空間センパイ面白いんだもん(笑)
[削除]
09/29(Sun) 08:59
おはようございます(´∇`)ノシ
小春
ひとまず補足しておきます。
☆生徒会室☆
藤守
「5人とはまた、大盤振る舞いやな?!」
和音の発言に驚きながらも、チャンスが増えた藤守の声と顔は明るい。
和音
「元々、お祭りを盛り上げる為のイベントだからね。私の独断じゃなくて、実行委員会が手分けしてリサーチした結果だよ」
和音の口調が、藤守に合わせて、普段通りのくだけた物言いに変わってきていた。
和音
「『もしも選ばれたら、片想いの相手にダンスを申し込んでみたい』って生徒が結構いたんだ。本当は10人にしたかったぐらいだけど、そうなると、コンテストの意味が薄れちゃうから」
なるほど、と翼は思った。
確かに、ダンスパーティーは先生方と踊れる貴重な機会だけど、本来、『桜祭』の慰労会であり、学年や所属を越えた、生徒同士の交流の場でもあるのだ。
和音
「もちろん、指名出来る権利は優勝者から優先的に与えられるから、意中の相手が、上位の人に先に指名されたら、他の相手を選ばなくちゃならないけどね」
会議に参加しているメンバーも、和音の話から、なんとなく「自分なら誰を選ぶか」という事を考えずにはいられないようだ。
如月
「会長、そんな顔しなくても大丈夫ですよ。まだ選ばれてませんから!」
如月が、真剣な藤守の顔を見て茶茶を入れ、全員がどっと笑った。
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09/29(Sun) 22:15
絶賛自画自賛中!
ジュン
コンコンっ
ジュン
「2年の藤守です。今よろしいですか?」
会議が一段落し、明智と小春からの差し入れを食べながら談笑しているメンバーに響いたのは藤守の従妹ジュンの声だった。
藤守
「ジュンか?入ってもええで?」
その瞬間、バンっと勢い良く扉が開き、メンバーの目に飛び込んできたのは艶やかな振り袖姿の熊……もとい、ロバートとポールだった。
ロバート
『マーサ、どうかしら?』
ポール
『ルイ、アオイ、似合う?』
二人は距離を詰め、3人に詰め寄る。誉めてほしくて仕方ないらしいが、はっきり言って恐怖しか感じない。
女子たちも体を寄せあい、ただただ絶句していた。
ジュン
『ロバート先生、ポール先生、着物で大股歩きは良くないですよ?』
小さなジュンが、ロバートとポールの後ろからヒョコっと顔を出した。
小野瀬
「藤守さん、これはどういうことかな?」
ジュン
「ロバート先生とポール先生が茶道をしてみたいと部室に来られて、何故か着物も着てみたいと言う話になりまして。」
小野瀬の動揺を余所にさらっと答えるジュン。
穂積
「この着物はどうしたんだ!?」
普通であればロバートとポールのような男性が着られる着物などないように思うが……
ジュン
「たまたま居合わせた校長先生が貸して下さいました。」
これまたサラリと答えるジュンを余所に大男二人に押し倒されそうな3人は必死の攻防を繰り広げていた。
翼
「ジュン先輩は茶道部なんですか?」
ジュン
「うん。」
小笠原
「今年はお茶会じゃないんだね?」
騒ぎを遠くに見ていた小笠原が声をかけた。
ジュン
「うん。お茶会だと、お作法とか気にして敬遠する人がいるから今年はお抹茶とお茶菓子を提供するお茶屋さん。皆も良かったら来てね?」
翼たちにニコリと微笑むとジュンは大男二人を連れて出ていった。
穂積
「な、なんだったんだ?」
小野瀬
「彼女、猛獣使いになれそうだね?」
フゥと溜め息の漏れる中、如月が楽しげに切り出した。
如月
「ジュンちゃんと言えば、彼女もミスコンはいいとこいくんじゃないですか?」
空間
「そうね。彼女は見た目は幼い感じがするけど、茶道や華道、着付けといったこともこなすし。」
空間が女子を誉めるなんて!?とは皆が一瞬思ったが、明らかにアオイストではないジュンは空間の敵にはならないのだろう。
小笠原
「確かに藤守さんは2年の間でも人気があるよね。」
童顔ではあるが藤守兄弟と似た整った顔立ちにスタイルのよさ。特に胸……。確かに需要……もとい魅力的ではある。
一同が納得する中、一人だけ異論を唱えた。
藤守
「はぁ?ジュンが?それはないやろ。」
ケラケラと笑う藤守だが、周りの視線は冷たい。
小野瀬
「藤守くんが女性にいまいち人気がない理由がわかった気がするよ。」
和音
「鈍感ね~」
藤守
「は?」
1人訳がわからないと言う顔をした藤守に一年女子は揃ってため息をついた。
ミスコンに絡みたい~ということで、ごめんなさいm(__)m
09/30(Mon) 02:50
あら、ステキ。
清香
コレは本当に誰が一位になるか分からなくなりましたね。
みんな、頑張れ!(←傍観者)
☆生徒会室☆
和音
「あと、体育祭のプログラムの原稿が出来あがりましたので確認をして下さい。」
一同に配られたのは、各学年や部活対抗の競技を順に並べただけのそっけないものではあったが、藤守や如月などはいかにアピールを出来るかと真剣な面持ちで見つめていた。
藤守
「今回は100m走にクラス対抗リレー、部活対抗のリレーに騎馬戦ってとこやなぁ。応援団もやっとけば良かったなぁ…。」
如月
「でも会長は騎馬戦でも下の馬役ですよね?俺の学年は棒倒しがありますからね!」
藤守
「そんなん人ごみに紛れたら目立たへんやん!」
如月
「棒の先にしがみついて倒せば目立ちますよーだッ!」
藤守
「くっそ―ッ!」
小笠原
「…ホント、この二人バカじゃないの?」
何とも低レベルな争いを繰り広げる二人はさておき、全員でプログラムの確認をする。
空間
「例年通りでいいんじゃないかしら?」
和音
「今年は大きな変更点が無いですからね。できるだけ時間厳守で、プログラムの予定通りに競技が進めば良いんですけれど。」
空間
「そうね、終了時間が後ろにずれ込むと近隣の方々にもご迷惑になるから、その点だけ注意するとして…、何か分からない点はあるかしら?」
初めて参加する1年生組にチラリと視線を向け、空間が微笑みを浮かべた。
もちろんその笑みは一年生女子たちへのものではない。穂積の隣でプログラムを覗きこむ小野瀬へ向けたものだ。
空間
(…俯く横顔もステキだわ……。)
視界の端に小野瀬を捉えながらも笑みを絶やさないでいると、ともが手を挙げた。
とも
「空間先輩、いいでしょうか?」
空間
(…チッ)
心の中で舌打ちをしながらも空間がともへ顔を向けると。
とも
「このPTA参加競技とは何でしょうか?」
空間
「その名の通りPTAの方々に参加していただくものよ。」
和音
「毎年教職員とPTAで綱引きをやるのよ。勝ち負けを競うものではないからそこまで真剣にやりはしないけれどね。ご家族の方で参加していただける人がいたら、教えてね。」
『へぇー。』っと納得する女子に比べて、教師たちは苦い顔だ。
穂積
「こっちは結構真剣にやってるんだぞ?」
小野瀬
「そうそう。生徒達にカッコ悪いところ見せられないからね。」
篠崎
「そもそもPTAの参加人数が多いから、教職員には不利なのよね…。」
明智
「それでも勝負は勝負ですから。」
根は負けず嫌いなのだろう。真剣に取り組む姿勢を崩さない明智に穂積と小野瀬と篠崎がそっと溜息をついた。
翼
「…じゃあ、お父さんに出るか聞いてみようかな。」
ぽそりと呟いた翼の声に、穂積はピクリと眉を動かした。
何か言いかけようとした、その時。
アニ
「おい、お前らっ、なんで俺を呼ばないんだッ!」
『バーンッ』大きな音を立てて開いたドアに全員気を取られ、言葉を発する事が出来なかった。
篠崎
「じゃあ、こんな感じで…。」
小野瀬
「決まりだね。」
明智
「よし、部活に行くぞ。小春。」
アニ
「オ、オイっ。」
『用は済んだ』と生徒会室を後にする人々の背に、小さな手が添えられる。
ジュン
「ドンマイ☆」
アニ
「~~~~~~-。」
小刻みに震えていたアニの背中をジュンは優しく撫でたのだった。
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09/30(Mon) 10:28
エミ
お久しぶりです。少々忙しくしております。
ちゃんと毎日読んでますよ。
明智兄妹が可愛い!ツタンカーメン小春ちゃん、私のツボです。
(*´∀`*)
☆校長室☆
♪ルールル ルルル ルールル♪
「徹●の部屋」のオープニングテーマを口ずさみながら、エミ理事長は校長室の応接セットで『桜祭』についての書類に目を通していた。
エミ
「さっきのロバ子とポル美、可愛らしかったわね」
山田校長
「……勝手に変な名前を付けないでください」
エミ
「ほんのり頬を染めてキラキラの瞳で『似合うかしら?』って、立派な乙女。それにしても、特大サイズの振袖なんて、いつの間に用意したの?」
山田校長
「理事長の和服姿を見るたびに『着てみたいわー』って言ってましたから」
そう。エミ理事長はほぼ毎日和服。江戸時代に興味があるという理由だけで、若い頃に着付けを習ったらしい。本人曰わく、小柄で手足が短い昔体型のためイマイチ洋服がしっくりせず、祖母のおさがりやリサイクル品の和服がピッタリなのだとか。
山田校長
「それに、茶道もしてみたいと言うので茶道部に連れて行きました。あとは藤守さんにお願いしましたけど」
エミ
「ロバ子とポル美を上手く手懐けてたし、彼女に任せておけば安心ね」
山田校長
「だから、勝手に変な名前を付けないでくださ…」
エミ
「ね、今年はアレ、無いの?」
山田校長
「過去にアノ二人がベルばらのオス●ルとア●ドレになったり、篠崎養護教諭がマリ●ン・モンローになったりしたアレですか?」
エミ
「そう、ソレ。私、楽しみにしてたんだけど」
校長の呟きに被せ気味に訊ねたのは、後夜祭恒例の教職員による仮装の事だった。
山田校長
「さすがにネタ切れでしょう。今年は『ミス桜祭&ミスター桜祭コンテスト』が注目です」
エミ
「それもそうね。あっ!家庭科部、伝説のカレー!明智先生にレシピ教えてもらおうかなぁ…。うーん、教えてくださるかしら…。体育祭と言えば、やっぱりリレーで盛り上がって…。あぁ、楽しみ!(ブツブツ)」
山田校長
「……やれやれ」
みんな楽しみ『桜祭』
私は常にマイペース☆
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09/30(Mon) 11:29
皆さんありがとうございます(´∇`)ノシ
小春
ジュンさん、アピール大歓迎ですよ。
言った者勝ちです。
文化祭ではお茶屋さんですね。お茶と和菓子と和装ウェイトレスさんですね。
わたくし大好物です。
となると家庭科部の喫茶店はメイド服ですね、必然的に(笑)。
そしてジュンさんの狙いは賢史くんでしょうか。
清香さんはPTAの綱引きですね。
どう展開するんでしょう。楽しみですね。
もちろん養護教諭の出番アリですね。
エミさん、仮装の話は誰かしてましたね。
ハロウィンでもいいんですが、私は前夜祭の演目のつもりでおりました。
今年は前夜祭仮装、後夜祭ミスコンでよろしくです。
前夜祭の仕切りは空間センパイ、藤守、小笠原、そして翼ちゃんでーす。
ぜひオープニングで盛り上げて頂きたい。ロバ子とポル美で阿鼻叫喚(爆笑)
エミさんのお相手は校長先生なのかしら。
いやー、思惑が見え隠れして面白くなってきましたねー。
明智兄妹、ツタンカーメン小春へのラブコールもありがとうございます。
小春の寝袋姿は、少し前のタ●コキューピーのCMを思い出して頂くとイメージしやすいかと。
♪たーらこーたーらこー……♪と歌いつつ私は去る。( ̄▽ ̄)ノ~~ ♪
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09/30(Mon) 15:26
賢史くん狙いで
ジュン
和装ウェイトレスいいですね!
ところで家庭科部のメイドさんは猫耳でしょうか?うさみみでしょうか?(←そこ!?)
仮装は楽しそうですねo(^o^)o
先生たちだけでしょうか?篠崎先生には是非不二子ちゃんで!!
どこかで執事喫茶してくれないかなぁ~(←妄想が止まらなくなってきました汗)
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09/30(Mon) 16:00
みみ?!
小春
耳は考えてなかったなあ……私としたことが(笑)
エプロンとお揃いの、白いフリルのついたカチューシャまではイメージしてたんですが。
可愛い服でご機嫌なウェイトレスのはずが、当然のように明智カレーの担当にさせられてしまい、真っ白なエプロンにカレーが飛んで半泣きの小春とか(笑)
相変わらず残念な子Σ(ノд<)
耳は藤守兄弟からのリクエストがあれば考えます。茶道部優先でいいですよ(´∇`)
09/30(Mon) 17:23
桜祭♪
とも
だいぶ内容が固まってきましたね!
前夜祭ではNYベアーズに前座でなんかやってほしいわ~。
仮装も楽しそうですよね。教職員と前夜祭担当の4人は必ずして、あとはやりたい人がするみたいな。
エミ理事長が言ってたベル○ら、見てみたい!
もちろんオ○カルは穂積先生で、ア○ドレは小野瀬先生ですよね?!
アカン、ハマりすぎる…… ←激しく妄想中
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09/30(Mon) 18:47
壁|∀´)ニヤリ
エミ
ともさん、その通りです。
前夜祭で仮装ですね。楽しみです←他力本願(笑)
エミ理事長は一歩下がってアレコレ青春模様を眺めて楽しんでます。
山田は狙っていません!ただの茶飲み仲間です。
筋金入りの隠れ穂積ファンですが、立場上おおっぴらにしていません。あくまでもファンなので、ひっそり見守ります。
やっぱり、ロバ子とポル美は熊耳?
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09/30(Mon) 20:42
~前夜祭チーム~
小春
☆別の日・生徒会室☆
『桜祭』に向けて、生徒会室では担当部署が時間をずらして入れ替わり立ち替わり、連日のように会合が開かれるようになってきていた。
本日は昼休みを利用して、前夜祭担当のメンバーたちの会合だ。
最後に飛び込んできたのは、前の時間が体育で、もはや着替えを諦めて、体育着にジャージのまま、丸めた制服を抱えてきた藤守。
藤守
「うっわ、俺待ちやったか?すまん!」
空間
「悪いけど待ってないわ。先に始めてたわよ」
会議机を二つ向かい合わせ、それぞれに椅子を二つずつ並べている小笠原の横で、机の上に四枚のプリントを配りながら、空間が声だけを藤守に向ける。
藤守
「……あ、ああ、構へんよ。みんな、忙しいからな……」
翼
「ふ、藤守先輩、これ!」
肩を落としかけた藤守に、駆け寄った翼が、マザーバッグのような大きな包みを差し出した。
藤守
「何やこれ」
翼
「小春ちゃんからです。『桜祭』が終わるまで毎日、お昼と放課後の食事は、明智兄妹が差し入れしてくれるそうですよ」
藤守
「え、マジか?!」
がばっ、と、藤守がバッグを覗き込んだ。
小笠原
「喫茶店に出す軽食の試作だそうだけど。あの兄妹の作る料理なら、まあ絶対にハズレはないね」
美食家の小笠原も太鼓判を押す。
翼
「今日はサラダとクラブハウスサンドだそうです」
空間
「有り難く頂きましょう。本当に忙しいから、正直、助かるわ。……小春さん、加点5ね」
メモ帳に「+5」と書き込みながら呟いた空間の独り言を、翼が聞き咎めて首を傾げた。
翼
「加点?」
空間
「何でもないわ」
空間はメモ帳をパタンと閉じると、咳払いをひとつして席についた。
空間にならって全員が座り、プリントを見ながら、机の中央に置かれたサンドイッチを頬張る。
空間
「では、前夜祭の内容について。今年は、例年後夜祭で行っていた『仮装寸劇』を、前夜祭で行う事になりましたが、その内容を……」
空間がそこまで言った時。
穂積
「やってるわね」
小野瀬
「お邪魔するよー?」
ノックと同時に扉が開いた。
空間
「あっ、せっ、先生方?!」
空間の声が裏返る。
穂積と小野瀬は、立ち上がりかけた生徒たちを「そのまま、そのまま」と笑顔で制しながら、入ってきた。
穂積
「気にしないで、続けて」
小野瀬
「小春さんと明智くんに、今日から毎日、生徒会室でお昼と放課後に試食してくれと頼まれてね」
穂積と小野瀬は自分たちで椅子を引いてきて、藤守と小笠原の隣にそれぞれ座った。
穂積
「へえ、美味しそうじゃない?さすがね」
小野瀬
「話の腰を折っちゃってごめんね。空間さん、俺たちもご相伴にあずかっていいかな?」
空間
「はい!あ、あの、今、前夜祭の内容についてう、打ち合わせを始めた所だったのです。よよよろしかったら、先生方もぜひご意見をお願いします」
小野瀬
「分かった」
穂積
「いただきまーす」
サンドイッチをパクつく小野瀬と穂積を眺めながら、「……小春さん、加点100」と空間が呟く。
それを聞き逃さなかった翼だが、残念ながら、彼女に、空間の言葉と密かなガッツポーズの意味は理解できなかった……。
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09/30(Mon) 21:17
こんばんは♪
くちびる
忙しくて書き込みが出来なかったです。でもずっと読んでましたよ~(*^^*)
登場キャラがどんどん増えてますねえ~!
続き楽しみです(笑)
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10/01(Tue) 05:34
すみませんが版権モノは勘弁して下さい(^^;)
小春
ル●ンもいいけど全部伏せ字で寸劇やるわけにはいきませんからね……m(__)m
そしてともさん、エミさん、NYベアーズ出演決定的ですか?!(´▽`;)
ツートップもいいけどアニと明智先生という手も……あ、明智先生は大根役者でしたわΣ(´□`;)
10/01(Tue) 08:28
おはようございます
とも
確かに伏せ字だらけじゃ何かわかりませんね(-_-;)
それぞれ頭の中で妄想しとくってコトで。
アニが登場するなら藤守兄弟で漫才かな? ロバ子とポル美も隣で見よう見まねでやってみて、『イヤ~ン、日本のマンザイって難しいわ~』とか言いつつアニを襲う(笑)
あ、これじゃ生徒たちがドン引きか(爆)
[削除]
10/01(Tue) 08:35
Σ(T▽T;)
ジュン
す、すみません~Σ(ノд<)
伏せ字ばっかの寸劇は駄目ですよねm(__)m
そして、明智先生は大根具合が逆に良いと思います!
10/01(Tue) 09:13
☆昼休みの生徒会室☆
小春
ともさん、ジュンさん(´∇`)ノシ
皆さんすみません。
絶対面白いけど残念ながら。
●○伏せ字と「ピー」だけでやったら逆に画期的ですけどね( ̄ー ̄)ノ
~前夜祭会議・続き~
小野瀬が来た事で誤作動を始めた空間に代わり、藤守が仕切り始めた。
翼が手を挙げる。
翼
「そもそも、仮装寸劇って何ですか?」
藤守
「前夜祭のオープニング宣言をする前に、教師と実行委員たちでちょっとした劇をするんや。盛り上がったところで、生徒会長が開会を宣言する、と」
小笠原
「資料を見ると、過去には少女漫画や少年漫画のキャラに仮装した事もあるようだけど、昔話や童話のネタも多い。時間にしたら30分前後の、まあ、コントだね」
空間
「……小野瀬先生の、ア●ドレ、素敵でした……」
小さな声で、ようやくそれだけ言った空間に、小野瀬は複雑な笑顔。
小野瀬
「あはは、ありがとう。穂積がオ●カルだったあれだよね。俺も楽しかったよ」
小笠原
「その前は海賊、白雪姫……西遊記の年もあったみたいだね。30分間でどうやってまとめたんだろう?」
穂積
「毎年バカな事やらされるのよねえ。今年はミスコンだっていうから油断してたら、まさか前夜祭に持ってくるとは」
翼
「でも楽しそう」
穂積の言葉に、翼が笑った。穂積も目を細める。
穂積
「観客が飛び入りするのも自由なの。だから、大混乱の年もあるわよ」
苦笑いしながら、半分は面白がっている様子。
すると。
バーン!
けたたましい音を立てて、扉が開いた。
アニ
「今年はあんな大混乱の幕開けは許さんぞ!」
怒声とともに踏み込んで来たのは、藤守兄。
その後ろで、心配そうに扉を撫でている明智。
明智
「藤守先生、扉が傷みます」
アニ
「今は扉より前夜祭だ!いいか、それでなくても、夜遅くまで学校にいる事で、生徒たちは浮かれているのだ!毎年、不純異性交遊の問題も発生しているのだ!俺はそれを防ぐためにもだ。仮装寸劇は『岩窟王』のようなシリアス劇!前夜祭は夕方5時まで!夜間の校舎への立ち入り禁止を提言する!」
全員
「……」
明智
「藤守先生、楽しい学園祭の幕開けに、エドモン・ダンテスの復讐劇は無いでしょう」
溜め息混じりで静かに諭す明智に、会議を凍りつかせたアニが気まずさを隠すように凄い勢いで振り返った。
アニ
「明智!貴様まで学園祭に浮かれているのか!生徒たちが、たとえばお前の妹が、誰かの毒牙にかかったらどうするのだ?!」
明智
「それは許しませんけどね」
小野瀬
「どうして俺を睨むの」
穂積
「……」
穂積が立ち上がった。
穂積
「……アニ、ちょっと」
有無を言わさずアニの襟首を掴んだ穂積が、生徒会室の外へ連れ出すなり、どこからか出したガムテープでアニの口を塞ぎ、手足をぐるぐる巻きにして廊下に転がした。
アニ
「ー!ーーー!」
穂積はアニを置き去りにして室内に戻り、後ろ手にぴしゃりと扉を閉めた。
穂積
「はい、続けて」
空間
「ええと、では、アンケートでの仮装のリクエスト結果ですが、定番の漫画やアニメ、物語に加えて、ハロウィン、応援団、戦隊モノ、漫才、新米刑事がイケメンだらけの捜査室に配属されて恋に事件に奮闘するラブコメ、スポ根、大喜利、ミュージカル……」
翼
「バラバラですね」
穂積
「しかも何か混ざってたし」
小笠原
「明智先生、これ美味しい」
明智
「小春も腕を上げたな。こっちも食べてみろ」
空間が溜め息をつく。
空間
「……もう、少数意見だけど、『穂積シェフと小野瀬シェフのお料理対決』にしちゃおうかしら……?」
藤守
「『明智先生と藤守アニ先生の噛み合わない漫才』いうのもあるで。俺は見たないけど」
???
「あのう……」
そこへ、大きな体を小さくして、もじもじしながら入ってきたのは、アニを抱えたロバートとポールだった……
続きよろしくです。←オイ
10/02(Wed) 08:47
おはようございます
とも
ちょいとだけつなぎます。
ロバート
『ワタシたちも何かお手伝いできることはないかしら?』
ポール
『アメリカ人はパーティーとかイベント大好きだから、お役に立てるかもしれないと思ってるんだけど…』
日本での思い出作りにぜひ!と巨漢の二人が詰めよってくる。
藤守
「そ、そうやなぁ、なんかやってくれた方がその分寸劇の時間が短くなってええかもな。なんなら、ウチの兄貴使ってくれてもええで」
藤守の言葉をロバートとポールのそばにいた小野瀬が素早く通訳すると、二人の顔がぱぁっと輝いた。
ロバート
『そうと決まればさっそく考えなくっちゃ!』
ポール
『彼は借りていくわね♪みんな、楽しみにしてて!』
アニ
「おいっ、待て!俺は何も聞いてないぞ!」
穂積
「オープニングが盛り上がるようにしっかり頼んだわよ、アニせ・ん・せ・い♪」
女子生徒
「…………」
キーンコーンカーンコーン。
嵐の後の静けさの中、昼休み終了のチャイムが鳴った。
藤守
「結局ウチの兄貴のせいで何も決まらんかったな…」
小野瀬
「お昼ごはん食べただけだったね。美味しかったけど」
空間
「私も小野瀬先生とお昼をご一緒できてよかったです…」
藤守
「ま、前夜祭の出し物が一つ決まったからええとしよ。次の会議までに寸劇は何がいいか、みんなそれぞれ考えておこか?」
話が思ったより進まんかった~(-_-;)
スミマセン(◎-◎;)
[削除]
10/02(Wed) 17:06
ともさんありがとう(´∇`)ノシ
小春
アニの無事を祈ります。
仮装寸劇どうしましょう。
まだ思い付かないので他力本願♪