『アブナイ☆恋の学園物語』
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
09/15(Sun) 20:37
台風が近づいてますね~:-<
くちびる
やっとの思いで帰って来ました!
話がどんどん進んでますねえ~!
私も混ざりたいけどどんなシチュエーションで登場していいのか浮かびません:-(
え~ん(泣)
[削除]
09/15(Sun) 21:12
くちびるさん、お帰りなさい(´∇`)ノシ
小春
お疲れさまです。
混ざりたいと言って頂けて嬉しいです。
どんなタイミングでどんなキャラで登場しても構わないのですが、思い付かなかったら、とりあえずストーリー展開の方でご参加されてはどうでしょうか?
書いているうちに、場面転換やイベント発生など、登場するタイミングが作れますよ。
飛び入り歓迎、書き逃げOK、行き当たりばったりの他力本願リレーです。気楽にご参加下さい。
[削除]
09/15(Sun) 22:44
ばれちゃってるし( ゚Д゚)
せつな
「音楽室のピアノ」って言ったら小野瀬さんでしょって決めつけてましたが、ジュンさんのピアノも魅力的で、素敵な展開w
・・・と、うっとりしてましたわ。
あ、あれれ?バッハの目玉が動くのはワタクシのせい??
イカンイカン;
私は、ストーカーだったwwww
☆音楽室☆
空間 「・・・」
私は、目だけを動かし、冷や汗を流す。
パタン。
ドアが閉まったその瞬間。
空間 「どおおおおおおおおおおして、ばれちゃってるのよ~~~~!!!?」
私は、心の中で絶叫する。
バッハの肖像画の、目の部分だけをくりぬいて、普段は裏から画用紙をはりつけている。
こっそり取り外せるように細工してあって、誰にも気づかれてないはずだったのに。
穂積先生ったら!
穂積先生ったら!!
まさか、小野瀬先生に告げ口したりしないわよね?
数か月に一回しかない、小野瀬先生の秘密のリサイタルを愛でることができる大事な時間なのに!!
・・・だいたい、何なの?
あの連中。
小野瀬先生だって迷惑してたじゃない。
あの、2年生ったら、いきなり藤守先生とやってきてピアノを弾き始めるからびっくりしたわ。
しかも、まぁまぁ聴けるくらいには上手だったわね。
はっっ!
いーえ!そんなことで、罪は消せないわ!
小野瀬先生・・・ピアノを弾けるせっかくのチャンスを潰されて、なんて可哀想なのかしら。
あんなに、ピアノが大好きなのに・・・。
私が、小野瀬先生のピアノを初めて聞いたのは、丁度2年前、1年生の秋だった。
うっかり忘れ物をしてしまったある日。
この私が、宿題を忘れるなんてそんな汚点を刻むわけにはいかなかったから・・・とても怖かったのだけど、夜の校舎に黙って入り込んだのだ。
その時。
ピアノの音色が聞こえてきた。
誰もいないはずの音楽室から、ピアノが聞こえてくるなんて!
驚いた私は、一瞬恐怖に固まったけれど。
何故か、切なく甘い旋律に、聞き惚れてしまった。
これは・・・ショパン?
たしか『別れの曲』よね。
私は、このピアノを弾いているのが幽霊だとしても、誰なのかを確かめずにはいられなかった。
こわかったので、頭から白いコートを被り、そっと音楽室を覗けば。
ピアノを弾いていたのは、なんと、小野瀬先生だった!
そうか。
今日は、小野瀬先生が当直なんだ。
小野瀬先生がピアノを弾くなんて初めて知った。
あの、いつも優しい笑顔が・・・どことなく寂しそうで。
でも、とっても愛おしそうにピアノを弾く姿に、私の瞳は釘付けになった。
夜の学校だという恐怖感は欠片もなくなり、うっとりと見とれて・・・それ以来、私は小野瀬先生の当直の夜をチェックしては忍び込んでくるようになった。
小野瀬先生・・・。
がさつで知性もデリカシーの欠片もない同級生の男子なんかと、比べようもないくらい素敵。
いつも、ニッコリ笑って女子や女教師に囲まれているけど、タラシなんて噂は僻んだ男子が撒いた嘘よね。←
あぁ・・・やっぱり、私が守ってあげなくちゃいけないのよ。
でも、穂積先生にばれちゃ仕方ないわ。
バッハはやめて、今度はベートーベンの目を細工しておこう。←
09/16(Mon) 12:21
空間センパイは面白いなあ。
小春
☆生徒会室☆
如月
「あれ、小野瀬先生?」
一足遅れで生徒会室に帰って来た穂積と翼が連れてきた人物を見て、如月が首を傾げた。
穂積
「当直で見回りに来たのよ。途中でバッタリ出会ったの」
如月
「あっ、そうか。お疲れ様です」
如月が何も疑わなかったことで、小野瀬の疑惑はあっさり消えた。
小野瀬
「きみたち、今夜ここに泊まるつもりなの?藤守さんまで?」
使い方を知らない小春やジュンに、寝袋を広げて見せていた藤守が振り返った。
藤守
「ジュンは生徒会やないんですけどね。まあ、ノリで。俺が面倒見ますから」
ジュン
「生徒会がこんなに楽しそうな事してるなんて知らなかった。私も入りたいなあ」
藤守アニ
「お前はコンクールが近いだろうが!だからこそ、こんな深夜まで練習を…」
小笠原
「声が大きいよ、メガネ」
藤守アニ
「貴様もメガネだろうが!ジュン!こんな連中に惑わされるんじゃない!!」
こんな連中、と言われて、生徒会室の中の雰囲気が一気に悪くなる。
如月
「あーあ」
藤守アニ
「なっ……事実だろうが!そもそも、なぜ貴様らはここに泊まる事になっているのだ!しかも、なぜ男女同室なのだ!!」
穂積
「同室なわけないでしょ」
藤守
「何のために、今こうして寝袋の使い方を教えてると思てんねん」
小野瀬
「まあまあ、みんな。藤守アニ先生の頭の中には、若い男女が清らかに眠るという発想がないんだよ」
藤守アニ
「貴様にだけは言われたないわ、ボケェ!!」
明智
「なんでも、学園の七不思議を解明したいんだそうですよ」
藤守アニ
「夜の七不思議というと…12時ちょうどに合わせ鏡をすると何かが現れるとか、プールを誰かが泳ぐとか、人体模型が歩いて来るとか、夜中の2時に校内放送とかいう類のアレか。くだらん」
穂積
「アニ詳しいわね」
藤守
「怖がりですねん」
藤守の小声のツッコミは、幸い、アニには聞こえなかったようだ。
[削除]
09/16(Mon) 23:43
関西人やから
とも
小声のツッコミを聞き逃さなかったともがニヤリと笑ったのを翼は見てしまった。
とも
「アニ先生、せっかくなんで、残りの七不思議の謎解き、一緒にやってもらえませんか?いろいろ知ってはりそうやし、ぜひ!」
穂積
「あら、それはムリよ、とも。アニはこうみえてビビりなんだから、やめときなさい」
小野瀬
「そうそう。それに生徒会の仕事は守備範囲外だからね」
とも
「ええ~、アニ先生は頼りになりそうやと思ったのに残念やなぁ」
如月
「しょうがないよ、ともちゃん。先生には校門の見張り番っていう大事な仕事があるんだし」
藤守
「みんな、うちの兄貴がスマンなぁ」
小笠原
「……俺は別にどうでもいい」
アニ
「………」
翼と小春とジュンがハラハラして様子を見ていると、アニが勢いよく立ち上がった。
アニ
「貴様ら!さっきから言わせておけばなんだ!好き勝手に言いやがって!七不思議など単なる噂だろう?」
穂積
「生徒たちの不安を取り除くのが生徒会の仕事なの。それとも、アニは生徒たちが怖い思いしてるのをずっと知らん顔で放っておくつもり?」
生徒たちの為、と言われてしまえばアニも何も言えなかった。
アニ
「…よかろう。そこまで言うなら手伝ってやらなくもない」
小野瀬
「ともさん、グッジョブ」
してやったりの顔をしているともの頭を小野瀬がポンと撫でた。
[削除]
09/17(Tue) 02:06
結局引きこもってました。
清香
音楽室のピアノを弾いていたのは空間さんだと思ってました。篠崎先生に向けてモーツァルトの『レクイエム』弾いてそう(爆笑)
でも、篠崎先生が本当は誰を狙っているのか、まだ分かりませんよ?(ニヤリ)
☆生徒会室☆
『コンコンッ』っという軽やかのノックの音の後、ドアから顔を覗かせたのは養護教諭の篠崎だった。
篠崎
「お疲れ様。音楽室の謎は解けたのかしら?」
藤守
「もちろんや!単なる俺の従妹の深夜レッスンでしたわ。」
篠崎
「そう、それは良かったわ。」
ニコニコと微笑むメンバーの顔を見渡しながら入室すると、『ね?』と言いながら小野瀬の肩をポンっと叩いた。
苦笑いする小野瀬をよそに、篠崎が片手に下げていた紙袋を会議用のテーブルに乗せる。
篠崎
「コレは明智先生が用意しておいてくれた夜食よ。預かってたの。」
と言った瞬間、藤守や如月が『わぁっ!』っと飛びついた。つられる様に、女子たちも手を叩いて喜んでいる。
小さなおにぎりがいくつも入った重箱を囲むように、生徒達が我先にと手を伸ばしているのを苦笑いしながら見ていると。
穂積
「小野瀬だって知ってたのか?」
ごく小さな声でぼそりと話しかけてきたのは、穂積だった。
篠崎
「まぁ、なんとなくね。何度か聞いたことあるから。」
そう答えていると、バツが悪そうな顔で小野瀬も小声で話に加わってくる。
小野瀬
「お前もいただろ。バーで何度か弾いたじゃないか。」
穂積
「…覚えてねぇ。」
篠崎
「あの時は酔っていたからねぇ。もう寝てたんじゃない?」
穂積
「そうだったか?」
生徒達に聞こえないよう長身を曲げて小柄な篠崎とぼそぼそとやりあう姿は、はたから見ればなかなか滑稽だ。
明智
「……どうなさったんですか?」
いつの間にかお茶を淹れてくれたのだろう。明智がお盆に湯呑を乗せて運んで来てくれていた。
穂積
「い、いや、何でもない。」
小野瀬
「お茶淹れてくれたんだ、ありがとう。」
明智
「あなたのためでは無いです。」
小野瀬
「……。」
キッパリと言い切った明智に、小野瀬は押し黙ることしかできない。
しかし『ピリッ』と張りつめそうになる空気を自ら壊すように、明智は篠崎へ頭を下げた。
明智
「篠崎先生、夜食を持って来て下さってありがとうございました。」
篠崎
「いいえ、どういたしまして。お役にたてて良かったですよ?」
何事かと首を傾げる穂積と小野瀬に、篠崎がかいつまんで説明をすると。
明智は、泊まり込みの調査になるだろうと終業後に一旦自宅へ戻り、夜食と姉達の夕食の支度をしてから学校へと戻ってきたのだった。
職員室に重箱を置いて生徒会室へ行こうにも、蒸し暑い夏の終わりの夜に閉め切った部屋へ食べ物を置きっぱなしにするのは少し心配だ。
かと言ってそのまま生徒会室へ持っていけば調査が始まる前にきれいさっぱり無くなってしまうだろう。
家庭科室の冷蔵庫に入れるか、いや、まだほんのり温かいおにぎりを冷蔵庫に入れるなんて…!!と重箱を抱えたまま廊下で悩みあぐねていた所に通りがかったのが篠崎だったのだ。
篠崎
「私は仕事もあったし、保健室で待機してるからお預かりしていたってわけ。」
明智
「本当に助かりました。ありがとうございます。」
『なるほど』と頷く人の輪の中に、いつの間にか小春も混ざっていたようだった。
お茶はすでに配り終えたのか、お盆を胸に抱えながら兄である明智のシャツの裾を掴んでいる。
小春
「お姉ちゃん達のご飯をすっかり忘れてて、ごめんなさい…。」
明智
「お前も部活に生徒会に忙しいんだ、気にするな。」
ポンポンっと小春の頭を撫で、そのまま背中を押して女子生徒らの方へと合流させた。
しょんぼりする小春を慰めるともと翼の姿を横目に見ながら、穂積が皆の視線を集めるように『パンッ』と手を叩いた。
穂積
「さぁ、篠崎も来た事だし、就寝の時間よ。男子はアニと明智と柔道場へ、女子は篠崎と私とで茶道部の部室へ行くわよ。」
アニ
「な、なんで俺まで!!」
穂積
「藤守、キッチリ面倒見なさいよ?」
同じ名字で呼ばれたものの、穂積の人差し指は弟の賢史を指していた。
藤守
「も、もちろんです!!」
アニ
「逆やろ!なんで俺が愚弟なんぞに…ッ!!もがっ!!」
後ろから賢史に羽交い絞めにされ、如月によって口におにぎりを突っ込まれたままアニは引きずられ生徒会室を後にした。
面倒くさそうにしながらも、小笠原もノートパソコンを抱えながらしっかりと後について行き、それを追いかけるように、明智も「妹を、よろしくお願いします」と律儀に篠崎と穂積へお辞儀をして去って行く。
穂積
「静かになった所で、私達も行きましょうか。」
篠崎
「そうね、みんな忘れ物しないように、ね?」
寝袋は穂積と小野瀬が、後はそれぞれの荷物を持ちながら生徒会室を出ると、翼がぽつりと疑問を投げかける。
翼
「あ、あの、もしかして穂積先生も一緒に茶道部の部室で泊まるんですか?」
穂積
「んなわけないでしょ。何のために篠崎に来てもらったと思ってるの。私はドアの外で見張りよ。」
小さく『残念…。』と呟かれた言葉は、小春と翼の『なるほど―。』と納得する声にかき消されていた。
篠崎
「そう。アホな男子がどこからか侵入してこないように、私も強制参加よ。全く人使いが荒いんだから。…でも。」
立ち止まってくるりと振り返り、後ろを歩く少女達へウインクをする。
篠崎
「せっかくだから、久し振りに特別授業しようかな?」
小野瀬
「なんか楽しそうでいいなぁ。俺も交ぜて?」
クスクス笑う二人の頭をぺしりと叩きながら穂積は慣れた手つきで茶道部の部室の鍵を開けた。
穂積
「アホなこと言ってないでとっとと寝ろ!小野瀬は当直なんだから見回りして来い!あの馬鹿どもがこのブロックに足を一歩でも踏み入れたらすぐに連絡をしろ!」
『いいな?』と釘を刺すと、部室に寝袋を人数分放りこんで外から鍵をかけてしまう。
篠崎
「怒りんぼねぇ。仕方ないから寝ますか。」
『はーい』と寝袋を広げながらも、修学旅行よろしく顔を突き合わせるように並べた寝袋の中で、外にいる穂積に聞こえないよう小さな声でぽそぽそ話をするのだった。
→
さぁ、無事に朝は迎えられるのでしょうか?
[削除]
09/17(Tue) 09:01
やっぱり...!!
くちびる
おはようございます!
藤守アニはすっかりいじられキャラが定着してますねえ~(笑)
イケメンなのに中身が三枚目すぎるから.....!!
これからの展開楽しみです。
今から仕事なんでまたのちほ~(笑)(*^^*)
[削除]
09/17(Tue) 14:16
こんにちは(  ̄ー ̄)ノ
小春
皆様、台風は大丈夫でしたでしょうか。
ともさんグッジョブ( ̄▽ ̄)b
清香さんは報復にご用心を(笑)
くちびるさん、お仕事ガンバ!
☆夜・茶道部部室☆
小春
「ともちゃん、もう少しくっついてもいい?」
とも
「ええよ。怖い?」
小春
「……もうすぐ12時だもん」
小春の寝袋は、顔を除いた全身が入るツタンカーメン式(本人命名)。
しかも小柄なのでぶかぶか。
その姿でともと篠崎の間をもぞもぞと動く光景はかなり可笑しいが、小春は至って真面目な顔をしている。
ジュン
「ごめんね小春さん。慶史兄さんが変な事言ったから」
すまなそうに言うジュンに、小春はツタンカーメンの顔を左右に振った。
小春
「アニ先生のせいじゃないです。……私、夜、こんなに静かだと落ち着かないんです」
えっ、と全員。
翼
「小春ちゃん、今、この部屋には五人いるよ?けっこう喋ってるし、扉の外には穂積先生もいるし、……静かではないと思うけどな」
同意を求めるように篠崎、ジュン、ともと順に顔を見合わせ、全員が頷くのを確かめた翼が、再び小春に視線を戻した。
小春
「すごく静か。うちは六人家族だけど、もっと、動物園みたいって言うか……あっそうか、穂積先生が扉の外で不寝番してるなら、私、一緒にいようかな」
寝袋のままの小春が、腹筋を使ってぴょこんと半身を起こす。
ユーモラスな動きにみんなと一緒に笑いながらも、翼はその発言にドキリとした。
たぶん、小春は、もしも一人だけ眠れずにいると、みんなに迷惑をかけるから、というぐらいの意味で言っただけだと思うのだが。
とも
「心配しなくてもええよ。私も、楽しくてなかなか寝られへんと思うし。一晩くらい徹夜しても平気やし」
翼
「わ、私も。私は一人っ子だから、小春ちゃんとは逆の意味で落ち着かないかもしれないな」
篠崎
「大丈夫。本当に眠くなるまで、みんなでガールズトークしましょ」
ジュン
「賛成。でも、篠崎先生も、ガールズトーク、ですかぁ?」
篠崎
「どういう意味かしら?」
みんながどっと笑い、ともに引っ張られて、小春にも笑顔が戻る。
小春
「みんな、ありがとう」
ともに引っ張られて、小春は寝袋を戻した。
改めてともにくっつく小春を見て、翼もホッとする。
扉の外では穂積が、漏れ聞こえてくる談笑に頬を緩める。
こうして、女子部屋では、楽しい夜更かしが始まっていた。
☆夜・柔道場☆
一方こちらは、男ばかりの柔道場。
藤守
「うっわ、何や蒸し暑いな」
如月
「そうかなあ」
小笠原
「帰りたい」
明智
「こらっ、お前たち。道場に入る時はちゃんと一礼しろ」
アニ
「全く……何で俺まで」
風を通すために道場の窓を開けながら、藤守が、校舎を見上げる。
ひとつだけ明かりが点いているのは茶道部の部室だ。
藤守
「あっちは楽しそうやなあ……」
如月
「後で、こっそり覗きに行きましょうか」
藤守
「アホ!ルイルイに殺されるで!」
小笠原
「穂積先生に辿り着く前に、こっちに殺されると思うよ」
振り向いた先では、阿吽の仁王像のように藤守アニ、明智の二人が藤守たちを睨み付けている。
明智
「先に言っておくが、邪な事を企むんじゃないぞ」
アニ
「不純異性交遊は断じて許さんからな!」
藤守
「……とほほ」
その時。
小笠原
「そう言えば、この柔道場の立っている場所、ずっと昔は墓地だったらしいよ」
如月
「え、マジで?」
小笠原
「近くにお寺があるだろ?大昔は、ここも、あのお寺の敷地の中だったらしい」
アニ
「おいメガネ!何故貴様は、わざわざ、今、そんな話を持ち出すのだ!」
小笠原
「自然な流れでしょ」
明智
「それは本当だぞ。俺も聞いた事がある。戦国時代の話だがな」
アニ
「やめろ明智!貴様の声は説得力がありすぎる!」
すみません、と言いながらも、明智は静かに続けた。
明智
「しかし、厳密には墓地ではない」
アニ
「おお」
明智
「その昔、戦に敗けた武士たちの、斬られた首がこの場所に」
アニ
「明智ー!」
如月
「待ってました!」
青くなるアニをよそに、如月は大喜びだ。
明智
「大正時代に入って、本堂のすぐ横に『首塚』が造られたがそれまでは」
アニ
「やめろー!」
明智
「だからこの道場の近くでは、時おり首の無い鎧武者や」
アニ
「やめろ!やめろー!」
明智
「……」
如月
「もう!アニ先生がうるさいから、よく聴こえないところがあったじゃないですか!」
アニ
「そんな話は聴こえんでいい!」
小笠原
「はあ……くだらない」
その時。
窓の外の暗がりから、……ガシャリ、……ガシャリ、という、何かがゆっくりと近付いて来るような、幽かな音が聴こえてきた。
09/17(Tue) 17:36
☆夜・茶道部前☆
小春
暗い廊下に懐中電灯の光が現れ、静かに近付いて来た。
小野瀬
「(小声)ほーづみ♪」
小さなコンビニ袋を提げて笑顔で穂積に声を掛けてきたのは、小野瀬。
穂積
「(小声)おっ、気が利くなあ」
小野瀬
「(小声)小さい缶だけどね。時間外だけど、一応勤務中だから」
穂積
「(小声)上等、上等」
小声で囁きあいながら、二人は拳を突き合わす。
差し出された缶のプルトップを、プシュッと音をたてて開ける穂積の横に並んで座りながら、小野瀬は烏龍茶の缶を開けた。。
小野瀬
「乾杯」
穂積
「おう」
二人は互いの缶をカチンと音を立てて合わせると、ごくごくと喉を鳴らした。
穂積
「美味い」
小野瀬
「校内だと余計に美味いだろ」
満足そうな穂積に、小野瀬も嬉しそう。
茶道部の部室から時々、壁越しに聴こえてくる談笑にも、小野瀬は目を細めた。
小野瀬
「楽しそうだね」
穂積
「俺たちにも、こんな頃があったよなあ」
小野瀬
「ついこの間のような気がするけど、懐かしいね」
ひとしきり昔話をするうち、「少し暑いかな」と言って、小野瀬が立ち上がった。
ところが、窓を開けた小野瀬が、不意に、穂積を振り返って手招きした。
小野瀬
「穂積、あれ」
穂積
「?」
すぐに、穂積も隣に立って、同じように下を覗いてみる。
誘蛾灯の灯りの下を、藤守たち男子とアニ、明智がいるはずの柔道場に向かって、甲冑を着た武者がゆっくり、ゆっくりと近付いて行くのが見えた。
耳を澄ますと、ガシャリ、ガシャリという幽かな足音まで聴こえてくる。
穂積
「……あれは……」
小野瀬
「……どうする?」
尋ねる小野瀬の顔が、笑っている。
穂積も同じ顔をして、窓から顔を上げた。
穂積
「面白そうだから、放っとけ」
小野瀬
「……相変わらず、悪戯好きというか、サービス精神旺盛な人だね。悪趣味だけど」
穂積
「まあ、俺らも人の事は言えないけどな」
二人は笑いながら元通り座り直すと、ニ本目の缶を開けたのだった。
[削除]
09/18(Wed) 08:44
おはようございます
とも
ガールズトークも気になるけどこっちも面白そう。
ということで。
☆柔道場☆
ガシャリ、ガシャリという音は少しずつ、確実にこちらに向かって来ているようだった。
全員
「………」
無関心な小笠原をよそに、その場にいた男たちが息をのんで扉の方向を見つめ近づく。
音が止まると同時に扉がガラッと開いた。そこにいたのは先程まで話していた甲冑姿の武士のようだが、顔は兜で見えない。
明智
「誰だ?!」
そばにいた明智と如月がすかさず両腕を抱え投げ飛ばすと。
如月
「え?」
投げ飛ばされ畳に突っ伏した甲冑に近づいてみると、中には人の姿はなかった。
藤守
「な、何なん、コレ?」
明智
「俺が腕を掴んだ時には確かに人間の腕の感触があったんだが…」
如月
「俺もですよ。でも投げた瞬間、急に軽くなってビックリして見てみたら…」
アニ
「ほほほほほら、き、貴様らがへ、ヘンな話をし出すからだな、ゆ、幽霊が出てきたんだ!」
藤守
「んなアホな。それより兄貴、腰抜けたんか?身体が震えてるで」
アニ
「うるさいぞ、愚弟!俺はもう帰るからな!くだらんことに付き合ってられん!」
如月
「あー、アニ先生、ビビったんだ」
アニ
「そんなことはない!」
小笠原
「…くだらない。もう寝る」
[削除]
09/18(Wed) 10:43
阿鼻叫喚の夜は続く……
小春
☆夜・柔道場☆
藤守
「とにかくこれはカラッポや。表に投げとくで」
明智や如月とともに甲冑を検分していた藤守が、結論を出した。
アニ
「愚弟、貴様よくそんな怪しい物に触る事が出来るな……」
藤守
「動いてる時は、正直ビビったけどな。今はただの甲冑やで」
外まで抱えて出て行った藤守が、ガシャンガシャン、とそれを暗闇の隅に置いた。
アニ
「……もっと遠くに置け、愚弟」
窓から顔だけ出して、藤守アニが命令する。
藤守
「やかましいなあ、文句があるなら自分でやれや!」
ダーン!
藤守の語尾に被って道場に響き渡った大きな物音に、アニが飛び上がった。
アニ
「紛らわしい音を出すな!」
アニが怒鳴る先では、たった今投げられて畳に押さえつけられている明智と、投げた方の如月が、双方涼しい顔のまま稽古を続けている。
明智
「如月、左手をもっと速く引くと良くなるぞ」
如月
「こうですか?」
ダーン!
明智
「その調子だ」
アニ
「やめんか馬鹿ども!真夜中に心臓に悪い!」
藤守
「ビビりすぎや、兄貴」
中の様子を眺めて笑っていた藤守だったが。
……ガシャリ、……ガシャリ。
藤守
「ん?」
聞き覚えのある音が、再び聞こえてきた。
藤守
「……」
まさか、と思いながら闇の中に目を凝らすと、さっきよりも大きな鎧武者が近付いて来るのが見えるではないか。
……しかも、今度は二人。
藤守
「……!」
藤守の背中を戦慄が走った。
何故だろう、さっきの甲冑には感じなかった妖気を感じる。
あいつらに捕まってはいけない、と、本能が恐怖を訴えてくる。
藤守
「うわあっ!」
一声叫んだ藤守は、脱兎の如く道場に逃げ込んだ。
藤守
「みんな!新手の敵や!窓閉めろ!入って来るで!」
明智
「敵?」
閉めろ、と言われて反射的に窓に飛びついた明智が、外を見て鳥肌を立てた。
ガシャリガシャリと速度を上げながら、確かに、ニ体の大柄な鎧武者がこちらに近付いてくる。
藤守と同じ恐怖を、明智も感じた。
明智
「如月、扉も全部鍵をかけろ、急げ!」
如月
「うわあっ!」
如月が道場の端まで走って、開け放してあった裏戸を閉めようとした時、一歩遅く、別の甲冑が襲いかかってきた。
如月
「あれ?!」
すかさず巴投げで道場の中央まで投げ飛ばした甲冑は、またしてもカラッポな手応え。
如月
「あれ?!……わっ!」
如月が一瞬戸惑ったその隙に、続いて鎧武者の一人が侵入してきた。
ガシャンガシャンと甲冑を鳴らしながら、倒れている如月の脇をすり抜けて、明智に向かって突進してゆく。
鎧武者R
「AKE☆◎※∬♂ー♪!」
正面入口では、藤守兄弟が必死で扉を押さえていたが、背後で聞こえた鎧武者Pの雄叫びに、震え上がった藤守の手が緩んでしまった。
その刹那、扉と壁の間に出来た隙間に大きな手が差し込まれ、こじ開けられてゆく。
侵入しようとする鎧武者と、藤守アニの目が合った。
その瞬間、鎧武者の目がハートになった事など、もちろんアニは気付かない。
ばーん、と扉が全開に開け放たれ、鎧武者が物凄い勢いで入って来た。
鎧武者P
「♂★∵*◎!」
アニ
「ぎゃー!」
抱きつかれそうになったアニは間一髪巨漢の腕をすり抜け、そのまま外へ逃げ出した。
鎧武者はアニを追いかけようか、明智や如月と戦っているもう一体の鎧武者に加勢しようか迷ったようだった。
しかし、次の瞬間、横からの藤守の強烈な体当たりによろめき、結局、明智、如月、藤守の連合軍と、ニ体の鎧武者の攻防が始まってしまった。
明智
「こ、こいつら強いぞ!」
☆夜・茶道部前☆
眼下を眺めていた小野瀬と穂積は、声が出ないほど笑い転げていた。
穂積
「……校長、最高……」
小野瀬
「……明智くんたち、気の毒に……」
腹を抱えたまま、壁に掴まって穂積が立ち上がった。
穂積
「あの騒ぎじゃ、あいつらここへは来ないだろ。俺らも参加しようぜ」
小野瀬
「お前、悪魔みたいだね」
穂積
「あそこにまだ最初の甲冑が置いてある。俺、顔を隠して、あれ着てアニを追い掛け回してやる」
小野瀬
「ひどいなあ。じゃあ俺は、剣道部の防具を拝借して、面を被って、竹刀を振り回してやろうかな」
穂積
「お前、鬼だな」
暗がりで額を付き合わせ、下から懐中電灯を当てた二人は、陰影のついた世にも美しい笑顔を浮かべた……。
[削除]
09/18(Wed) 17:07
只今帰宅中
とも
謎の鎧武者RとP。すっかり忘れてましたけど、遠い異国の地からやってきたクマさんみたいな人たちですよね(笑)
アニは面識ないから襲われたらエライことになりそうやな~。
[削除]
09/18(Wed) 17:21
ともさんお仕事お疲れさまです(^-^ゞ
小春
鎧武者P&R。
小野瀬先生と穂積先生は気付いているようですが、今回の襲撃はおそらくY田の入れ知恵でしょう。
アニは初対面でしたよね。
NYベアーズ(←:笑)の目に、彼はどう映るんでしょうか。
柔道場の男性陣の運命やいかに。
そして女子たちのガールズトークの行方は?
では続きをよろしくー( ̄▽ ̄)ゞ←オイ
09/18(Wed) 18:54
私も只今帰宅中....
くちびる
おっとR&Pの登場だあ♪
アニがどんな反応を示すのかが見物ですね♪
私もガ-ルズト-クが気になります~(笑)
恋バナに花が咲くのかしら♪
[削除]
09/18(Wed) 19:13
くちびるさん、お仕事お疲れさまです(^-^ゞ
小春
私としてはR&Pはガールズトークにも参加させたいところ。
アニをからかって気が済んだら、穂積先生に引っ張って来てもらおうかしら。
それにしても私、入力ミス多くてすみません(--;)
掲示板は直せないですからね、出来るだけ気を付けます。
ミスを見つけた時には愛で読み流して下さいませね♪てへ(反省しろ)
[削除]
09/18(Wed) 22:05
逃げたアニが出くわしたのは……
エミ
アニは柔道場から一目散に逃げた。始めこそ走ったが、今は早足だ。
校舎の角を曲がろうとしたところで、向かい側から何か来た。
アニは驚いて足が止まり、おまけに腰が抜けたようにその場に座り込んでしまった。
ふと目に映ったのは、白い足袋と着物の裾。瞬時に脳裏に浮かんだのは、古典的な幽霊。
アニ
「ヒイィィィィィッッッ!南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…」
固く目を瞑り激しく手を摺り合わせ念仏を唱え始めた。
?
「アニ先生、どうされました?」
頭上から聞こえたのは、幽霊らしくないノンビリした声。
顔を上げると、目の前に居たのは和服を着た小柄な女性。懐中電灯を下から照らして、ニッコリ笑っている。お約束の芸当なのに、アニの情報処理能力は完全にOFFになってしまったのか、口をパクパクするだけで反応が薄い。
?
「理事長を幽霊だと思うなんて…」
女性の背後に、これまた懐中電灯を下から照らした何者かが低ーい声で呟いた。その声に女性は振り向くと
理事長
「あら、穂積先生、こんばんは。(小声で)なにやら楽しそうですね。さっき校長がウッキウキしてたわよ」
穂積
「こんばんは、理事長。(小声で)お騒がせしてすみません」
お互いに懐中電灯を下から照らしたまま深々とお辞儀をして、コソコソくすくす笑っている。
アニ
「な、なにっ?理事長だとぉ?!…ぐわっ!」
ようやく言葉を発したアニに、穂積の空手チョップが落とされた。
理事長
「はい。私が理事長の黒柳エミです」
そこに、車に積んである竹刀を取りに行っていた小野瀬がやって来た。
理事長
「小野瀬先生、こんばんは。当直よろしくお願いしますね」
小野瀬
「こんばんは。ああ、綺麗な女性が居ると思ったら、理事長でしたか」
理事長
「ふふふ。褒めても何も出ませんよ。じゃあ、私はこれで。……あ、今度、七不思議の噂と真相教えてくださいね」
ひらひらと手を振って立ち去る理事長を見送り、空手チョップを喰らった脳天をさすっていたアニがハッと我に返って口を開く。
アニ
「お、おい、理事長ってあの人だったか?もっと婆さんだっただろう?」
穂積
「ああ、その方なら『普通のお婆さんに戻りたい!』って突然辞められたよな?で、姪である彼女が今の理事長」
小野瀬
「前理事長なら、馬術で東京オリンピック出場を目指す、って言ってらしたよ」
アニ
「はぁ?!」
小野瀬
「ああ、たしかアニはその時、研修で出張中だったかな?ま、今の理事長はオモテに出ないし、校長と同様に神出鬼没。いろいろとナゾの多い美女だね。さてと、穂積、行こうか」
穂積
「おう。じゃあな、ヘタレでビビりのアニ。気をつけて帰れよ」
アニ
「誰がヘタレでビビりじゃボケェ!帰るわけなかろうが!外の空気を吸いに出ただけだ!」
すたすたと柔道場へ戻るアニの背後で、穂積と小野瀬は笑いを堪えていた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
私も出たーい!と、いろいろ考えた挙げ句、ナゾの女で登場(笑)
ご自由に扱ってくださーい(笑)
[削除]
09/18(Wed) 23:55
エミさんいらっしゃーい(´∇`)ノシ
小春
☆柔道場☆
暗闇の中、懐中電灯で前方を照らしながら道場に近付くにつれ、中で大騒ぎしている声が、徐々にはっきりと聞き取れるようになってきた。
理事長と別れた時には先に立って歩いていたはずのアニは、いつの間にか、穂積と小野瀬の後ろを、大人しく付いて来ている。
穂積
「やってるやってる」
小野瀬
「盛り上がってるなあ」
閉め損なった窓から中を覗き込んだ穂積と小野瀬は、楽しそうに笑った。
アニ
「……お、おい貴様ら、あまり近付くと危険だぞ」
アニは小野瀬が貸してくれた竹刀を握り締め、二人の後ろから精一杯のアドバイスを送る。
穂積
「任せなさい」
小野瀬
「アニはここにいてもいいよ」
小野瀬の言葉に、アニは、引けていた腰をシャキッと伸ばした。
アニ
「ば、ばば馬鹿を言え。さっきは咄嗟に逃げてしまったが、中には生徒が残っているのだぞ。見捨てておけるか!」
アニの声は震えていたが、穂積と小野瀬は、感心した様子で、へえ、と振り返った。
穂積
「見直したわ、アニ」
小野瀬
「教師の鑑だね」
アニ
「はあ?当然だろうが……あっ?おい、何だ?お前ら、何をする気だ?!」
穂積
「生徒の貞操を守るためよ」
小野瀬
「大丈夫、アニならきっと乗り越えられる」
二人は口々にアニを褒め称えながら、最前面に押し出して、柔道場の扉に手をかける。
小野瀬
「じゃあ、よろしく」
穂積
「『慶史、行っきまーす!』……だっけ?」
そう言って扉を開けるが速いか、二人はアニを道場の中に向かって突き飛ばした。
アニ
「うわあぁっ?!」
いきなりの事にバランスを崩したアニは、道場の畳の上で転びそうになる。
何とか踏みとどまったそこにいたのは、ジャージ姿の大柄な外国人二人。
その二人、ロバートとポールは、藤守たち三人に手伝ってもらいながら、ようやく鎧兜を脱ぎ終わるところだった。
ポール
『あっ!さっきのイケメン!』
ロバート
『いやん、クールなインテリタイプね!』
藤守
「違うと思うで」
ポール
『職員会議でチラッと会ってるはずだけど!改めまして!ポールでえすっ!』
ロバート
『私はロバート!よ、ろ、し、く!』
藤守の小声でのツッコミを挟んで、ロバートとポールの猛烈なアピールが始まってしまった。
アニ
「ま、待て!状況が理解できない!」
経験者の明智は苦笑い。
藤守と如月は標的から外されてひと安心。
穂積と小野瀬は大笑い。
小笠原は寝ている。
アニの叫びだけが、道場に、そして、夜空に長く尾を引いた。
穂積
「アニ、宇宙(そら)に散る……」
アニ
「散らすな!助けろー!」
☆夜・茶道部前☆
穂積
「あー、面白かった」
小野瀬
「あれ……、女の子たちの部屋、まだ声がしてるみたい」
ロバート
『ガールズトークね』
ポール
『交ざりたいわ』
柔道場の騒ぎの後、当然と言えば当然なのだが、ロバートとポールは男性陣から追い出され、穂積と小野瀬に付いてここまで来ていた。
穂積
『交ざりたいって……お前ら、心は乙女かもしれないけど、外見はおっさんだからな。言っておくけど』
ロバート
『ルイ、ひどいわっ!』
小野瀬
『茶道部の部室って、中はいちおう二部屋あるけど、そんなに広くはないんだよ』
ポール
『じゃあ、私たち、この廊下で寝るの?体育座りで?』
小野瀬
『俺は当直だから、宿直室で寝るよ』
穂積
「あっ、お前ズルいぞ!こいつらも連れていけ!」
小野瀬
「嫌だよ。俺だって我が身は可愛い。本物の女性以外はお断り」
ロバート
『もしかして、ルイとアオイが私たちを奪い合っているの?』
穂積
『押し付け合ってるんだよ!』
ポール
『喧嘩はやめて!私はルイもアオイも両方好きよ!』
小野瀬
『ありがとうポール。でも嬉しくないから!』
小声で言い合っていたはずが、段々ボリュームが上がっていたらしい。
茶道部の部室の入口の引き戸がすうっと開いて、眉を潜めた篠崎が顔を出し、「しーっ」と、唇に指を当てた。
[削除]
09/19(Thu) 02:22
こんばんは
とも
寝落ちしてこんな時間に目が覚めてしまったので、ぶっこんでみます。
謎の美人理事長、エミさんもステキです♪
☆茶道部室☆
篠崎
「ちょっと、穂積くん、どこ行ってたのよ?こっちは大変だったのよー」
穂積
「あー、わりぃわりぃ。柔道場の方が面白そ…じゃなかった、危なっかしいから小野瀬と見に行ってたんだ。それより、何で部屋の鍵開いてるんだ?俺が外から掛けてただろ?」
篠崎
「それが…ね」
首を傾げながらも部屋の中を覗いてみると、女子生徒たちが隅っこで固まって震えていた。
穂積
「おい、どうした?」
とも
「あっ、穂積先生!どうしたやないですよー。外の見張りはどないしてたんですか?! 」
~時間は少し遡る・茶道部室~
小春
「なんか外が騒がしいね」
ジュン
「男子たちがワイワイやってるんじゃない?」
翼
「でも悲鳴みたいなのが聞こえてこない? ……っ!」
翼が廊下の方を見ると、暗い廊下にぼんやりと白い物体が行ったり来たりしているのが見えた。
小春
「ひぃぃっ、何あれ?」
篠崎
「きっと穂積くんのイタズラでしょ?ちょっと、穂積くん、女の子たちが怖がってるじゃない。ヘンな事しないでよ」
篠崎が穂積を咎めるも、やめる様子はない。
その白い物体は時々中にいるこちらを窺っているようだった。
とも
「部屋の鍵は外から掛けてあるし、中には入ってこないやろ?大丈夫やで」
怖がる小春と翼を宥めるように背中をさすっていると、今度はガチャガチャと鍵が開けられる音が聞こえてきた。
ジュン
「中に入ってこようとしてる?!」
とも
「みんな、私の後ろに下がっとき!声はなるべく出さんように!」
ともはそっと扉に近づき、謎の白い物体が侵入してくるのを阻止すべく中腰で身構える。
ガチャッ、ガラガラッ。
扉はいとも簡単に開け放たれ、白い物体の姿が見えた瞬間、ともはそれにめがけて飛びつき、蹴りを入れようとした。
とも
「誰や?! …ってあれ?」
ともが繰り出した蹴りは空を切り、白い物体は姿かたちもなく床に落ちた。
とも
「篠崎先生、電気付けてください!」
パチッとついた明かりの下には白い布。
正体がわかり、安心したのか、翼、小春、ジュンはその場に座り込んだ。
篠崎
「(またアイツね…)」
とも
「もう大丈夫やで。みんな平気?」
~現在・茶道部~
篠崎
「…というわけよ」
穂積
「まったく、人騒がせだな」
篠崎
「自分の持ち場を離れて楽しんでた人が言うセリフじゃないわよ」
小野瀬
「まあ、ともさんのおかげで誰もケガなくてよかったんじゃない?彼女はすごく頼もしいね」
穂積
「アイツは空手の段持ちだよ。なんでも、ケガでやめてしまったとか言ってたけどな」
篠崎
「ああ、それで。物怖じせずに一人で立ち向かっていくからスゴいと思ったわ。彼女が男の子ならスキになっちゃうかも」
小野瀬
「ホントだね」
大人たちの視線の先には、すっかり元気を取り戻し、小野瀬が買ってきたアイスを食べながら、生徒たちとロバート、ポールが楽しそうに話をしていた。
ガールズトークの内容はどなたかお願いします♪
09/19(Thu) 10:10
ともさんカッコイイ(´∇`)ノシ
小春
☆茶道部部室☆
穂積
『あっ!こら!いつの間に女子たちと馴染んでるのよ!』
ロバート
『だって、アオイがアイスをくれたんですもの』
ポール
『色んな種類があったから、「どれにする?」みたいなー』
小野瀬
「小春さん、翼さん、これ美味しいよ。え?そっちもくれるの?嬉しいな。じゃあ、食べさせっこしようか?あーん」
穂積
「お前も馴染むな!」
とも
「穂積先生もどうぞ」
ジュン
「あ、じゃあ私のもひとくちあげます」
篠崎
「穂積くん、私のもあげるわ。はい、あーん」
穂積
「……」
ロバートとポールが女子生徒たちの中にちゃっかり座り、アイスを食べ始めてしまったので、穂積と小野瀬もなし崩しに室内に入ってしまった。
とは言うものの、まさか同じ部屋に泊まる訳にはいかない。
とにかく早く食べ終えて部室の外に出なくては。
これまたすぐに馴染んでしまう小野瀬を横目に、穂積は渋々、篠崎やとも、ジュンのカップに自分のスプーンを伸ばすのだった。
私もガールズトークは得意じゃないかも。誰か書いてくれないかしら。
[削除]
09/20(Fri) 11:28
こんにちは(  ̄ー ̄)ノ
小春
☆茶道部部室☆
ロバート
『ねえ、コハル』
全員がアイスを食べ終える頃。
ぶかぶかの寝袋に入って顔面だけ出るツタンカーメン姿で上半身を起こし、隣の翼にジェスチャークイズを出題していた小春に、ロバートが声を掛けた。
小春
「はい?」
英語はさっぱりの小春だが、さすがに自分の名前を呼ばれれば分かる。
「それは、おいといてー」のポーズをしたまま、小春はロバートを振り返った。
小春に見つめられたロバートは、もじもじしながらも、思い切ったように言葉を発した。
ロバート
『……アケチには、今、ガールフレンドがいるかしら?』
小春の近くにいたともが反射的に通訳しようとするのを、穂積が、自分の口に指を当てる仕草と眼差しで制した。
見ていた全員が会話を止め、ロバートと小春に注目する。
ともも穂積の意図を察して口を閉じ、代わりに小春が唇を開いた。
小春
「いないと思います」
穂積
「日本語?!」
思わずツッコむ穂積。全員がどっと笑った。
ロバート
『本当に?あんなにステキなのに?』
小春
「はい。少なくとも、家に連れてきた事は無いです」
穂積
「英語で返せってば」
小春
「お兄ちゃん、忙しいから。お休みの日でも一日中家事だし」
穂積
「……」
小春は少し、表情を曇らせた。
小春
「私がもっとお手伝い出来れば、きっとお兄ちゃんも彼女作れると思うんですけど」
小野瀬が、ロバートの耳に小春の言葉を通訳してから、静かに立ち上がる。
小春
「でも、お兄ちゃん、結婚したら家を出るって言ってるから……私、お兄ちゃんに彼女が出来るの、あまり嬉しくないかもしれません」
小野瀬
「小春さんがやきもちやきなのは、明智くんが離れてしまうのが寂しいからなんだね」
小春の隣に腰を下ろし、寝袋に覆われた頭を撫でながら、小野瀬が優しく微笑みかけた。
小春
「私、やきもちやきですか」
ツタンカーメン小春が、潤んだ目で小野瀬を見上げる。
小野瀬
「きみにも好きな人が出来れば、寂しくなくなるよ」
小春の後ろから肩を抱こうとした手を、腕を伸ばした穂積と篠崎が無言でつねり上げた。
小野瀬
「……!」
小野瀬は痛みを訴えたい声を殺して手を引く。
ジュン
「小春さんはやっぱり、明智先生みたいな、真面目で優しいタイプが好き?」
穂積に襟首を掴まれて引き離された小野瀬のいた場所に、ジュンが代わりに入って来た。
教師たちの攻防に全く気付かないまま、小春がジュンの問い掛けに「えっ」と頬を染める。
返事を聞くより分かりやすい反応に、ジュンは童顔を綻ばせた。
ジュン
「うふふ」
とも
「そう言うジュン先輩は、やっぱり藤守アニ先生?」
ジュン
「うーん、どっちかと言うと賢史くんかな?ともさんは穂積ファンを公言してるもんね。じゃあ、翼さんは?」
台風が近づいてますね~:-<
くちびる
やっとの思いで帰って来ました!
話がどんどん進んでますねえ~!
私も混ざりたいけどどんなシチュエーションで登場していいのか浮かびません:-(
え~ん(泣)
[削除]
09/15(Sun) 21:12
くちびるさん、お帰りなさい(´∇`)ノシ
小春
お疲れさまです。
混ざりたいと言って頂けて嬉しいです。
どんなタイミングでどんなキャラで登場しても構わないのですが、思い付かなかったら、とりあえずストーリー展開の方でご参加されてはどうでしょうか?
書いているうちに、場面転換やイベント発生など、登場するタイミングが作れますよ。
飛び入り歓迎、書き逃げOK、行き当たりばったりの他力本願リレーです。気楽にご参加下さい。
[削除]
09/15(Sun) 22:44
ばれちゃってるし( ゚Д゚)
せつな
「音楽室のピアノ」って言ったら小野瀬さんでしょって決めつけてましたが、ジュンさんのピアノも魅力的で、素敵な展開w
・・・と、うっとりしてましたわ。
あ、あれれ?バッハの目玉が動くのはワタクシのせい??
イカンイカン;
私は、ストーカーだったwwww
☆音楽室☆
空間 「・・・」
私は、目だけを動かし、冷や汗を流す。
パタン。
ドアが閉まったその瞬間。
空間 「どおおおおおおおおおおして、ばれちゃってるのよ~~~~!!!?」
私は、心の中で絶叫する。
バッハの肖像画の、目の部分だけをくりぬいて、普段は裏から画用紙をはりつけている。
こっそり取り外せるように細工してあって、誰にも気づかれてないはずだったのに。
穂積先生ったら!
穂積先生ったら!!
まさか、小野瀬先生に告げ口したりしないわよね?
数か月に一回しかない、小野瀬先生の秘密のリサイタルを愛でることができる大事な時間なのに!!
・・・だいたい、何なの?
あの連中。
小野瀬先生だって迷惑してたじゃない。
あの、2年生ったら、いきなり藤守先生とやってきてピアノを弾き始めるからびっくりしたわ。
しかも、まぁまぁ聴けるくらいには上手だったわね。
はっっ!
いーえ!そんなことで、罪は消せないわ!
小野瀬先生・・・ピアノを弾けるせっかくのチャンスを潰されて、なんて可哀想なのかしら。
あんなに、ピアノが大好きなのに・・・。
私が、小野瀬先生のピアノを初めて聞いたのは、丁度2年前、1年生の秋だった。
うっかり忘れ物をしてしまったある日。
この私が、宿題を忘れるなんてそんな汚点を刻むわけにはいかなかったから・・・とても怖かったのだけど、夜の校舎に黙って入り込んだのだ。
その時。
ピアノの音色が聞こえてきた。
誰もいないはずの音楽室から、ピアノが聞こえてくるなんて!
驚いた私は、一瞬恐怖に固まったけれど。
何故か、切なく甘い旋律に、聞き惚れてしまった。
これは・・・ショパン?
たしか『別れの曲』よね。
私は、このピアノを弾いているのが幽霊だとしても、誰なのかを確かめずにはいられなかった。
こわかったので、頭から白いコートを被り、そっと音楽室を覗けば。
ピアノを弾いていたのは、なんと、小野瀬先生だった!
そうか。
今日は、小野瀬先生が当直なんだ。
小野瀬先生がピアノを弾くなんて初めて知った。
あの、いつも優しい笑顔が・・・どことなく寂しそうで。
でも、とっても愛おしそうにピアノを弾く姿に、私の瞳は釘付けになった。
夜の学校だという恐怖感は欠片もなくなり、うっとりと見とれて・・・それ以来、私は小野瀬先生の当直の夜をチェックしては忍び込んでくるようになった。
小野瀬先生・・・。
がさつで知性もデリカシーの欠片もない同級生の男子なんかと、比べようもないくらい素敵。
いつも、ニッコリ笑って女子や女教師に囲まれているけど、タラシなんて噂は僻んだ男子が撒いた嘘よね。←
あぁ・・・やっぱり、私が守ってあげなくちゃいけないのよ。
でも、穂積先生にばれちゃ仕方ないわ。
バッハはやめて、今度はベートーベンの目を細工しておこう。←
09/16(Mon) 12:21
空間センパイは面白いなあ。
小春
☆生徒会室☆
如月
「あれ、小野瀬先生?」
一足遅れで生徒会室に帰って来た穂積と翼が連れてきた人物を見て、如月が首を傾げた。
穂積
「当直で見回りに来たのよ。途中でバッタリ出会ったの」
如月
「あっ、そうか。お疲れ様です」
如月が何も疑わなかったことで、小野瀬の疑惑はあっさり消えた。
小野瀬
「きみたち、今夜ここに泊まるつもりなの?藤守さんまで?」
使い方を知らない小春やジュンに、寝袋を広げて見せていた藤守が振り返った。
藤守
「ジュンは生徒会やないんですけどね。まあ、ノリで。俺が面倒見ますから」
ジュン
「生徒会がこんなに楽しそうな事してるなんて知らなかった。私も入りたいなあ」
藤守アニ
「お前はコンクールが近いだろうが!だからこそ、こんな深夜まで練習を…」
小笠原
「声が大きいよ、メガネ」
藤守アニ
「貴様もメガネだろうが!ジュン!こんな連中に惑わされるんじゃない!!」
こんな連中、と言われて、生徒会室の中の雰囲気が一気に悪くなる。
如月
「あーあ」
藤守アニ
「なっ……事実だろうが!そもそも、なぜ貴様らはここに泊まる事になっているのだ!しかも、なぜ男女同室なのだ!!」
穂積
「同室なわけないでしょ」
藤守
「何のために、今こうして寝袋の使い方を教えてると思てんねん」
小野瀬
「まあまあ、みんな。藤守アニ先生の頭の中には、若い男女が清らかに眠るという発想がないんだよ」
藤守アニ
「貴様にだけは言われたないわ、ボケェ!!」
明智
「なんでも、学園の七不思議を解明したいんだそうですよ」
藤守アニ
「夜の七不思議というと…12時ちょうどに合わせ鏡をすると何かが現れるとか、プールを誰かが泳ぐとか、人体模型が歩いて来るとか、夜中の2時に校内放送とかいう類のアレか。くだらん」
穂積
「アニ詳しいわね」
藤守
「怖がりですねん」
藤守の小声のツッコミは、幸い、アニには聞こえなかったようだ。
[削除]
09/16(Mon) 23:43
関西人やから
とも
小声のツッコミを聞き逃さなかったともがニヤリと笑ったのを翼は見てしまった。
とも
「アニ先生、せっかくなんで、残りの七不思議の謎解き、一緒にやってもらえませんか?いろいろ知ってはりそうやし、ぜひ!」
穂積
「あら、それはムリよ、とも。アニはこうみえてビビりなんだから、やめときなさい」
小野瀬
「そうそう。それに生徒会の仕事は守備範囲外だからね」
とも
「ええ~、アニ先生は頼りになりそうやと思ったのに残念やなぁ」
如月
「しょうがないよ、ともちゃん。先生には校門の見張り番っていう大事な仕事があるんだし」
藤守
「みんな、うちの兄貴がスマンなぁ」
小笠原
「……俺は別にどうでもいい」
アニ
「………」
翼と小春とジュンがハラハラして様子を見ていると、アニが勢いよく立ち上がった。
アニ
「貴様ら!さっきから言わせておけばなんだ!好き勝手に言いやがって!七不思議など単なる噂だろう?」
穂積
「生徒たちの不安を取り除くのが生徒会の仕事なの。それとも、アニは生徒たちが怖い思いしてるのをずっと知らん顔で放っておくつもり?」
生徒たちの為、と言われてしまえばアニも何も言えなかった。
アニ
「…よかろう。そこまで言うなら手伝ってやらなくもない」
小野瀬
「ともさん、グッジョブ」
してやったりの顔をしているともの頭を小野瀬がポンと撫でた。
[削除]
09/17(Tue) 02:06
結局引きこもってました。
清香
音楽室のピアノを弾いていたのは空間さんだと思ってました。篠崎先生に向けてモーツァルトの『レクイエム』弾いてそう(爆笑)
でも、篠崎先生が本当は誰を狙っているのか、まだ分かりませんよ?(ニヤリ)
☆生徒会室☆
『コンコンッ』っという軽やかのノックの音の後、ドアから顔を覗かせたのは養護教諭の篠崎だった。
篠崎
「お疲れ様。音楽室の謎は解けたのかしら?」
藤守
「もちろんや!単なる俺の従妹の深夜レッスンでしたわ。」
篠崎
「そう、それは良かったわ。」
ニコニコと微笑むメンバーの顔を見渡しながら入室すると、『ね?』と言いながら小野瀬の肩をポンっと叩いた。
苦笑いする小野瀬をよそに、篠崎が片手に下げていた紙袋を会議用のテーブルに乗せる。
篠崎
「コレは明智先生が用意しておいてくれた夜食よ。預かってたの。」
と言った瞬間、藤守や如月が『わぁっ!』っと飛びついた。つられる様に、女子たちも手を叩いて喜んでいる。
小さなおにぎりがいくつも入った重箱を囲むように、生徒達が我先にと手を伸ばしているのを苦笑いしながら見ていると。
穂積
「小野瀬だって知ってたのか?」
ごく小さな声でぼそりと話しかけてきたのは、穂積だった。
篠崎
「まぁ、なんとなくね。何度か聞いたことあるから。」
そう答えていると、バツが悪そうな顔で小野瀬も小声で話に加わってくる。
小野瀬
「お前もいただろ。バーで何度か弾いたじゃないか。」
穂積
「…覚えてねぇ。」
篠崎
「あの時は酔っていたからねぇ。もう寝てたんじゃない?」
穂積
「そうだったか?」
生徒達に聞こえないよう長身を曲げて小柄な篠崎とぼそぼそとやりあう姿は、はたから見ればなかなか滑稽だ。
明智
「……どうなさったんですか?」
いつの間にかお茶を淹れてくれたのだろう。明智がお盆に湯呑を乗せて運んで来てくれていた。
穂積
「い、いや、何でもない。」
小野瀬
「お茶淹れてくれたんだ、ありがとう。」
明智
「あなたのためでは無いです。」
小野瀬
「……。」
キッパリと言い切った明智に、小野瀬は押し黙ることしかできない。
しかし『ピリッ』と張りつめそうになる空気を自ら壊すように、明智は篠崎へ頭を下げた。
明智
「篠崎先生、夜食を持って来て下さってありがとうございました。」
篠崎
「いいえ、どういたしまして。お役にたてて良かったですよ?」
何事かと首を傾げる穂積と小野瀬に、篠崎がかいつまんで説明をすると。
明智は、泊まり込みの調査になるだろうと終業後に一旦自宅へ戻り、夜食と姉達の夕食の支度をしてから学校へと戻ってきたのだった。
職員室に重箱を置いて生徒会室へ行こうにも、蒸し暑い夏の終わりの夜に閉め切った部屋へ食べ物を置きっぱなしにするのは少し心配だ。
かと言ってそのまま生徒会室へ持っていけば調査が始まる前にきれいさっぱり無くなってしまうだろう。
家庭科室の冷蔵庫に入れるか、いや、まだほんのり温かいおにぎりを冷蔵庫に入れるなんて…!!と重箱を抱えたまま廊下で悩みあぐねていた所に通りがかったのが篠崎だったのだ。
篠崎
「私は仕事もあったし、保健室で待機してるからお預かりしていたってわけ。」
明智
「本当に助かりました。ありがとうございます。」
『なるほど』と頷く人の輪の中に、いつの間にか小春も混ざっていたようだった。
お茶はすでに配り終えたのか、お盆を胸に抱えながら兄である明智のシャツの裾を掴んでいる。
小春
「お姉ちゃん達のご飯をすっかり忘れてて、ごめんなさい…。」
明智
「お前も部活に生徒会に忙しいんだ、気にするな。」
ポンポンっと小春の頭を撫で、そのまま背中を押して女子生徒らの方へと合流させた。
しょんぼりする小春を慰めるともと翼の姿を横目に見ながら、穂積が皆の視線を集めるように『パンッ』と手を叩いた。
穂積
「さぁ、篠崎も来た事だし、就寝の時間よ。男子はアニと明智と柔道場へ、女子は篠崎と私とで茶道部の部室へ行くわよ。」
アニ
「な、なんで俺まで!!」
穂積
「藤守、キッチリ面倒見なさいよ?」
同じ名字で呼ばれたものの、穂積の人差し指は弟の賢史を指していた。
藤守
「も、もちろんです!!」
アニ
「逆やろ!なんで俺が愚弟なんぞに…ッ!!もがっ!!」
後ろから賢史に羽交い絞めにされ、如月によって口におにぎりを突っ込まれたままアニは引きずられ生徒会室を後にした。
面倒くさそうにしながらも、小笠原もノートパソコンを抱えながらしっかりと後について行き、それを追いかけるように、明智も「妹を、よろしくお願いします」と律儀に篠崎と穂積へお辞儀をして去って行く。
穂積
「静かになった所で、私達も行きましょうか。」
篠崎
「そうね、みんな忘れ物しないように、ね?」
寝袋は穂積と小野瀬が、後はそれぞれの荷物を持ちながら生徒会室を出ると、翼がぽつりと疑問を投げかける。
翼
「あ、あの、もしかして穂積先生も一緒に茶道部の部室で泊まるんですか?」
穂積
「んなわけないでしょ。何のために篠崎に来てもらったと思ってるの。私はドアの外で見張りよ。」
小さく『残念…。』と呟かれた言葉は、小春と翼の『なるほど―。』と納得する声にかき消されていた。
篠崎
「そう。アホな男子がどこからか侵入してこないように、私も強制参加よ。全く人使いが荒いんだから。…でも。」
立ち止まってくるりと振り返り、後ろを歩く少女達へウインクをする。
篠崎
「せっかくだから、久し振りに特別授業しようかな?」
小野瀬
「なんか楽しそうでいいなぁ。俺も交ぜて?」
クスクス笑う二人の頭をぺしりと叩きながら穂積は慣れた手つきで茶道部の部室の鍵を開けた。
穂積
「アホなこと言ってないでとっとと寝ろ!小野瀬は当直なんだから見回りして来い!あの馬鹿どもがこのブロックに足を一歩でも踏み入れたらすぐに連絡をしろ!」
『いいな?』と釘を刺すと、部室に寝袋を人数分放りこんで外から鍵をかけてしまう。
篠崎
「怒りんぼねぇ。仕方ないから寝ますか。」
『はーい』と寝袋を広げながらも、修学旅行よろしく顔を突き合わせるように並べた寝袋の中で、外にいる穂積に聞こえないよう小さな声でぽそぽそ話をするのだった。
→
さぁ、無事に朝は迎えられるのでしょうか?
[削除]
09/17(Tue) 09:01
やっぱり...!!
くちびる
おはようございます!
藤守アニはすっかりいじられキャラが定着してますねえ~(笑)
イケメンなのに中身が三枚目すぎるから.....!!
これからの展開楽しみです。
今から仕事なんでまたのちほ~(笑)(*^^*)
[削除]
09/17(Tue) 14:16
こんにちは(  ̄ー ̄)ノ
小春
皆様、台風は大丈夫でしたでしょうか。
ともさんグッジョブ( ̄▽ ̄)b
清香さんは報復にご用心を(笑)
くちびるさん、お仕事ガンバ!
☆夜・茶道部部室☆
小春
「ともちゃん、もう少しくっついてもいい?」
とも
「ええよ。怖い?」
小春
「……もうすぐ12時だもん」
小春の寝袋は、顔を除いた全身が入るツタンカーメン式(本人命名)。
しかも小柄なのでぶかぶか。
その姿でともと篠崎の間をもぞもぞと動く光景はかなり可笑しいが、小春は至って真面目な顔をしている。
ジュン
「ごめんね小春さん。慶史兄さんが変な事言ったから」
すまなそうに言うジュンに、小春はツタンカーメンの顔を左右に振った。
小春
「アニ先生のせいじゃないです。……私、夜、こんなに静かだと落ち着かないんです」
えっ、と全員。
翼
「小春ちゃん、今、この部屋には五人いるよ?けっこう喋ってるし、扉の外には穂積先生もいるし、……静かではないと思うけどな」
同意を求めるように篠崎、ジュン、ともと順に顔を見合わせ、全員が頷くのを確かめた翼が、再び小春に視線を戻した。
小春
「すごく静か。うちは六人家族だけど、もっと、動物園みたいって言うか……あっそうか、穂積先生が扉の外で不寝番してるなら、私、一緒にいようかな」
寝袋のままの小春が、腹筋を使ってぴょこんと半身を起こす。
ユーモラスな動きにみんなと一緒に笑いながらも、翼はその発言にドキリとした。
たぶん、小春は、もしも一人だけ眠れずにいると、みんなに迷惑をかけるから、というぐらいの意味で言っただけだと思うのだが。
とも
「心配しなくてもええよ。私も、楽しくてなかなか寝られへんと思うし。一晩くらい徹夜しても平気やし」
翼
「わ、私も。私は一人っ子だから、小春ちゃんとは逆の意味で落ち着かないかもしれないな」
篠崎
「大丈夫。本当に眠くなるまで、みんなでガールズトークしましょ」
ジュン
「賛成。でも、篠崎先生も、ガールズトーク、ですかぁ?」
篠崎
「どういう意味かしら?」
みんながどっと笑い、ともに引っ張られて、小春にも笑顔が戻る。
小春
「みんな、ありがとう」
ともに引っ張られて、小春は寝袋を戻した。
改めてともにくっつく小春を見て、翼もホッとする。
扉の外では穂積が、漏れ聞こえてくる談笑に頬を緩める。
こうして、女子部屋では、楽しい夜更かしが始まっていた。
☆夜・柔道場☆
一方こちらは、男ばかりの柔道場。
藤守
「うっわ、何や蒸し暑いな」
如月
「そうかなあ」
小笠原
「帰りたい」
明智
「こらっ、お前たち。道場に入る時はちゃんと一礼しろ」
アニ
「全く……何で俺まで」
風を通すために道場の窓を開けながら、藤守が、校舎を見上げる。
ひとつだけ明かりが点いているのは茶道部の部室だ。
藤守
「あっちは楽しそうやなあ……」
如月
「後で、こっそり覗きに行きましょうか」
藤守
「アホ!ルイルイに殺されるで!」
小笠原
「穂積先生に辿り着く前に、こっちに殺されると思うよ」
振り向いた先では、阿吽の仁王像のように藤守アニ、明智の二人が藤守たちを睨み付けている。
明智
「先に言っておくが、邪な事を企むんじゃないぞ」
アニ
「不純異性交遊は断じて許さんからな!」
藤守
「……とほほ」
その時。
小笠原
「そう言えば、この柔道場の立っている場所、ずっと昔は墓地だったらしいよ」
如月
「え、マジで?」
小笠原
「近くにお寺があるだろ?大昔は、ここも、あのお寺の敷地の中だったらしい」
アニ
「おいメガネ!何故貴様は、わざわざ、今、そんな話を持ち出すのだ!」
小笠原
「自然な流れでしょ」
明智
「それは本当だぞ。俺も聞いた事がある。戦国時代の話だがな」
アニ
「やめろ明智!貴様の声は説得力がありすぎる!」
すみません、と言いながらも、明智は静かに続けた。
明智
「しかし、厳密には墓地ではない」
アニ
「おお」
明智
「その昔、戦に敗けた武士たちの、斬られた首がこの場所に」
アニ
「明智ー!」
如月
「待ってました!」
青くなるアニをよそに、如月は大喜びだ。
明智
「大正時代に入って、本堂のすぐ横に『首塚』が造られたがそれまでは」
アニ
「やめろー!」
明智
「だからこの道場の近くでは、時おり首の無い鎧武者や」
アニ
「やめろ!やめろー!」
明智
「……」
如月
「もう!アニ先生がうるさいから、よく聴こえないところがあったじゃないですか!」
アニ
「そんな話は聴こえんでいい!」
小笠原
「はあ……くだらない」
その時。
窓の外の暗がりから、……ガシャリ、……ガシャリ、という、何かがゆっくりと近付いて来るような、幽かな音が聴こえてきた。
09/17(Tue) 17:36
☆夜・茶道部前☆
小春
暗い廊下に懐中電灯の光が現れ、静かに近付いて来た。
小野瀬
「(小声)ほーづみ♪」
小さなコンビニ袋を提げて笑顔で穂積に声を掛けてきたのは、小野瀬。
穂積
「(小声)おっ、気が利くなあ」
小野瀬
「(小声)小さい缶だけどね。時間外だけど、一応勤務中だから」
穂積
「(小声)上等、上等」
小声で囁きあいながら、二人は拳を突き合わす。
差し出された缶のプルトップを、プシュッと音をたてて開ける穂積の横に並んで座りながら、小野瀬は烏龍茶の缶を開けた。。
小野瀬
「乾杯」
穂積
「おう」
二人は互いの缶をカチンと音を立てて合わせると、ごくごくと喉を鳴らした。
穂積
「美味い」
小野瀬
「校内だと余計に美味いだろ」
満足そうな穂積に、小野瀬も嬉しそう。
茶道部の部室から時々、壁越しに聴こえてくる談笑にも、小野瀬は目を細めた。
小野瀬
「楽しそうだね」
穂積
「俺たちにも、こんな頃があったよなあ」
小野瀬
「ついこの間のような気がするけど、懐かしいね」
ひとしきり昔話をするうち、「少し暑いかな」と言って、小野瀬が立ち上がった。
ところが、窓を開けた小野瀬が、不意に、穂積を振り返って手招きした。
小野瀬
「穂積、あれ」
穂積
「?」
すぐに、穂積も隣に立って、同じように下を覗いてみる。
誘蛾灯の灯りの下を、藤守たち男子とアニ、明智がいるはずの柔道場に向かって、甲冑を着た武者がゆっくり、ゆっくりと近付いて行くのが見えた。
耳を澄ますと、ガシャリ、ガシャリという幽かな足音まで聴こえてくる。
穂積
「……あれは……」
小野瀬
「……どうする?」
尋ねる小野瀬の顔が、笑っている。
穂積も同じ顔をして、窓から顔を上げた。
穂積
「面白そうだから、放っとけ」
小野瀬
「……相変わらず、悪戯好きというか、サービス精神旺盛な人だね。悪趣味だけど」
穂積
「まあ、俺らも人の事は言えないけどな」
二人は笑いながら元通り座り直すと、ニ本目の缶を開けたのだった。
[削除]
09/18(Wed) 08:44
おはようございます
とも
ガールズトークも気になるけどこっちも面白そう。
ということで。
☆柔道場☆
ガシャリ、ガシャリという音は少しずつ、確実にこちらに向かって来ているようだった。
全員
「………」
無関心な小笠原をよそに、その場にいた男たちが息をのんで扉の方向を見つめ近づく。
音が止まると同時に扉がガラッと開いた。そこにいたのは先程まで話していた甲冑姿の武士のようだが、顔は兜で見えない。
明智
「誰だ?!」
そばにいた明智と如月がすかさず両腕を抱え投げ飛ばすと。
如月
「え?」
投げ飛ばされ畳に突っ伏した甲冑に近づいてみると、中には人の姿はなかった。
藤守
「な、何なん、コレ?」
明智
「俺が腕を掴んだ時には確かに人間の腕の感触があったんだが…」
如月
「俺もですよ。でも投げた瞬間、急に軽くなってビックリして見てみたら…」
アニ
「ほほほほほら、き、貴様らがへ、ヘンな話をし出すからだな、ゆ、幽霊が出てきたんだ!」
藤守
「んなアホな。それより兄貴、腰抜けたんか?身体が震えてるで」
アニ
「うるさいぞ、愚弟!俺はもう帰るからな!くだらんことに付き合ってられん!」
如月
「あー、アニ先生、ビビったんだ」
アニ
「そんなことはない!」
小笠原
「…くだらない。もう寝る」
[削除]
09/18(Wed) 10:43
阿鼻叫喚の夜は続く……
小春
☆夜・柔道場☆
藤守
「とにかくこれはカラッポや。表に投げとくで」
明智や如月とともに甲冑を検分していた藤守が、結論を出した。
アニ
「愚弟、貴様よくそんな怪しい物に触る事が出来るな……」
藤守
「動いてる時は、正直ビビったけどな。今はただの甲冑やで」
外まで抱えて出て行った藤守が、ガシャンガシャン、とそれを暗闇の隅に置いた。
アニ
「……もっと遠くに置け、愚弟」
窓から顔だけ出して、藤守アニが命令する。
藤守
「やかましいなあ、文句があるなら自分でやれや!」
ダーン!
藤守の語尾に被って道場に響き渡った大きな物音に、アニが飛び上がった。
アニ
「紛らわしい音を出すな!」
アニが怒鳴る先では、たった今投げられて畳に押さえつけられている明智と、投げた方の如月が、双方涼しい顔のまま稽古を続けている。
明智
「如月、左手をもっと速く引くと良くなるぞ」
如月
「こうですか?」
ダーン!
明智
「その調子だ」
アニ
「やめんか馬鹿ども!真夜中に心臓に悪い!」
藤守
「ビビりすぎや、兄貴」
中の様子を眺めて笑っていた藤守だったが。
……ガシャリ、……ガシャリ。
藤守
「ん?」
聞き覚えのある音が、再び聞こえてきた。
藤守
「……」
まさか、と思いながら闇の中に目を凝らすと、さっきよりも大きな鎧武者が近付いて来るのが見えるではないか。
……しかも、今度は二人。
藤守
「……!」
藤守の背中を戦慄が走った。
何故だろう、さっきの甲冑には感じなかった妖気を感じる。
あいつらに捕まってはいけない、と、本能が恐怖を訴えてくる。
藤守
「うわあっ!」
一声叫んだ藤守は、脱兎の如く道場に逃げ込んだ。
藤守
「みんな!新手の敵や!窓閉めろ!入って来るで!」
明智
「敵?」
閉めろ、と言われて反射的に窓に飛びついた明智が、外を見て鳥肌を立てた。
ガシャリガシャリと速度を上げながら、確かに、ニ体の大柄な鎧武者がこちらに近付いてくる。
藤守と同じ恐怖を、明智も感じた。
明智
「如月、扉も全部鍵をかけろ、急げ!」
如月
「うわあっ!」
如月が道場の端まで走って、開け放してあった裏戸を閉めようとした時、一歩遅く、別の甲冑が襲いかかってきた。
如月
「あれ?!」
すかさず巴投げで道場の中央まで投げ飛ばした甲冑は、またしてもカラッポな手応え。
如月
「あれ?!……わっ!」
如月が一瞬戸惑ったその隙に、続いて鎧武者の一人が侵入してきた。
ガシャンガシャンと甲冑を鳴らしながら、倒れている如月の脇をすり抜けて、明智に向かって突進してゆく。
鎧武者R
「AKE☆◎※∬♂ー♪!」
正面入口では、藤守兄弟が必死で扉を押さえていたが、背後で聞こえた鎧武者Pの雄叫びに、震え上がった藤守の手が緩んでしまった。
その刹那、扉と壁の間に出来た隙間に大きな手が差し込まれ、こじ開けられてゆく。
侵入しようとする鎧武者と、藤守アニの目が合った。
その瞬間、鎧武者の目がハートになった事など、もちろんアニは気付かない。
ばーん、と扉が全開に開け放たれ、鎧武者が物凄い勢いで入って来た。
鎧武者P
「♂★∵*◎!」
アニ
「ぎゃー!」
抱きつかれそうになったアニは間一髪巨漢の腕をすり抜け、そのまま外へ逃げ出した。
鎧武者はアニを追いかけようか、明智や如月と戦っているもう一体の鎧武者に加勢しようか迷ったようだった。
しかし、次の瞬間、横からの藤守の強烈な体当たりによろめき、結局、明智、如月、藤守の連合軍と、ニ体の鎧武者の攻防が始まってしまった。
明智
「こ、こいつら強いぞ!」
☆夜・茶道部前☆
眼下を眺めていた小野瀬と穂積は、声が出ないほど笑い転げていた。
穂積
「……校長、最高……」
小野瀬
「……明智くんたち、気の毒に……」
腹を抱えたまま、壁に掴まって穂積が立ち上がった。
穂積
「あの騒ぎじゃ、あいつらここへは来ないだろ。俺らも参加しようぜ」
小野瀬
「お前、悪魔みたいだね」
穂積
「あそこにまだ最初の甲冑が置いてある。俺、顔を隠して、あれ着てアニを追い掛け回してやる」
小野瀬
「ひどいなあ。じゃあ俺は、剣道部の防具を拝借して、面を被って、竹刀を振り回してやろうかな」
穂積
「お前、鬼だな」
暗がりで額を付き合わせ、下から懐中電灯を当てた二人は、陰影のついた世にも美しい笑顔を浮かべた……。
[削除]
09/18(Wed) 17:07
只今帰宅中
とも
謎の鎧武者RとP。すっかり忘れてましたけど、遠い異国の地からやってきたクマさんみたいな人たちですよね(笑)
アニは面識ないから襲われたらエライことになりそうやな~。
[削除]
09/18(Wed) 17:21
ともさんお仕事お疲れさまです(^-^ゞ
小春
鎧武者P&R。
小野瀬先生と穂積先生は気付いているようですが、今回の襲撃はおそらくY田の入れ知恵でしょう。
アニは初対面でしたよね。
NYベアーズ(←:笑)の目に、彼はどう映るんでしょうか。
柔道場の男性陣の運命やいかに。
そして女子たちのガールズトークの行方は?
では続きをよろしくー( ̄▽ ̄)ゞ←オイ
09/18(Wed) 18:54
私も只今帰宅中....
くちびる
おっとR&Pの登場だあ♪
アニがどんな反応を示すのかが見物ですね♪
私もガ-ルズト-クが気になります~(笑)
恋バナに花が咲くのかしら♪
[削除]
09/18(Wed) 19:13
くちびるさん、お仕事お疲れさまです(^-^ゞ
小春
私としてはR&Pはガールズトークにも参加させたいところ。
アニをからかって気が済んだら、穂積先生に引っ張って来てもらおうかしら。
それにしても私、入力ミス多くてすみません(--;)
掲示板は直せないですからね、出来るだけ気を付けます。
ミスを見つけた時には愛で読み流して下さいませね♪てへ(反省しろ)
[削除]
09/18(Wed) 22:05
逃げたアニが出くわしたのは……
エミ
アニは柔道場から一目散に逃げた。始めこそ走ったが、今は早足だ。
校舎の角を曲がろうとしたところで、向かい側から何か来た。
アニは驚いて足が止まり、おまけに腰が抜けたようにその場に座り込んでしまった。
ふと目に映ったのは、白い足袋と着物の裾。瞬時に脳裏に浮かんだのは、古典的な幽霊。
アニ
「ヒイィィィィィッッッ!南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…」
固く目を瞑り激しく手を摺り合わせ念仏を唱え始めた。
?
「アニ先生、どうされました?」
頭上から聞こえたのは、幽霊らしくないノンビリした声。
顔を上げると、目の前に居たのは和服を着た小柄な女性。懐中電灯を下から照らして、ニッコリ笑っている。お約束の芸当なのに、アニの情報処理能力は完全にOFFになってしまったのか、口をパクパクするだけで反応が薄い。
?
「理事長を幽霊だと思うなんて…」
女性の背後に、これまた懐中電灯を下から照らした何者かが低ーい声で呟いた。その声に女性は振り向くと
理事長
「あら、穂積先生、こんばんは。(小声で)なにやら楽しそうですね。さっき校長がウッキウキしてたわよ」
穂積
「こんばんは、理事長。(小声で)お騒がせしてすみません」
お互いに懐中電灯を下から照らしたまま深々とお辞儀をして、コソコソくすくす笑っている。
アニ
「な、なにっ?理事長だとぉ?!…ぐわっ!」
ようやく言葉を発したアニに、穂積の空手チョップが落とされた。
理事長
「はい。私が理事長の黒柳エミです」
そこに、車に積んである竹刀を取りに行っていた小野瀬がやって来た。
理事長
「小野瀬先生、こんばんは。当直よろしくお願いしますね」
小野瀬
「こんばんは。ああ、綺麗な女性が居ると思ったら、理事長でしたか」
理事長
「ふふふ。褒めても何も出ませんよ。じゃあ、私はこれで。……あ、今度、七不思議の噂と真相教えてくださいね」
ひらひらと手を振って立ち去る理事長を見送り、空手チョップを喰らった脳天をさすっていたアニがハッと我に返って口を開く。
アニ
「お、おい、理事長ってあの人だったか?もっと婆さんだっただろう?」
穂積
「ああ、その方なら『普通のお婆さんに戻りたい!』って突然辞められたよな?で、姪である彼女が今の理事長」
小野瀬
「前理事長なら、馬術で東京オリンピック出場を目指す、って言ってらしたよ」
アニ
「はぁ?!」
小野瀬
「ああ、たしかアニはその時、研修で出張中だったかな?ま、今の理事長はオモテに出ないし、校長と同様に神出鬼没。いろいろとナゾの多い美女だね。さてと、穂積、行こうか」
穂積
「おう。じゃあな、ヘタレでビビりのアニ。気をつけて帰れよ」
アニ
「誰がヘタレでビビりじゃボケェ!帰るわけなかろうが!外の空気を吸いに出ただけだ!」
すたすたと柔道場へ戻るアニの背後で、穂積と小野瀬は笑いを堪えていた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
私も出たーい!と、いろいろ考えた挙げ句、ナゾの女で登場(笑)
ご自由に扱ってくださーい(笑)
[削除]
09/18(Wed) 23:55
エミさんいらっしゃーい(´∇`)ノシ
小春
☆柔道場☆
暗闇の中、懐中電灯で前方を照らしながら道場に近付くにつれ、中で大騒ぎしている声が、徐々にはっきりと聞き取れるようになってきた。
理事長と別れた時には先に立って歩いていたはずのアニは、いつの間にか、穂積と小野瀬の後ろを、大人しく付いて来ている。
穂積
「やってるやってる」
小野瀬
「盛り上がってるなあ」
閉め損なった窓から中を覗き込んだ穂積と小野瀬は、楽しそうに笑った。
アニ
「……お、おい貴様ら、あまり近付くと危険だぞ」
アニは小野瀬が貸してくれた竹刀を握り締め、二人の後ろから精一杯のアドバイスを送る。
穂積
「任せなさい」
小野瀬
「アニはここにいてもいいよ」
小野瀬の言葉に、アニは、引けていた腰をシャキッと伸ばした。
アニ
「ば、ばば馬鹿を言え。さっきは咄嗟に逃げてしまったが、中には生徒が残っているのだぞ。見捨てておけるか!」
アニの声は震えていたが、穂積と小野瀬は、感心した様子で、へえ、と振り返った。
穂積
「見直したわ、アニ」
小野瀬
「教師の鑑だね」
アニ
「はあ?当然だろうが……あっ?おい、何だ?お前ら、何をする気だ?!」
穂積
「生徒の貞操を守るためよ」
小野瀬
「大丈夫、アニならきっと乗り越えられる」
二人は口々にアニを褒め称えながら、最前面に押し出して、柔道場の扉に手をかける。
小野瀬
「じゃあ、よろしく」
穂積
「『慶史、行っきまーす!』……だっけ?」
そう言って扉を開けるが速いか、二人はアニを道場の中に向かって突き飛ばした。
アニ
「うわあぁっ?!」
いきなりの事にバランスを崩したアニは、道場の畳の上で転びそうになる。
何とか踏みとどまったそこにいたのは、ジャージ姿の大柄な外国人二人。
その二人、ロバートとポールは、藤守たち三人に手伝ってもらいながら、ようやく鎧兜を脱ぎ終わるところだった。
ポール
『あっ!さっきのイケメン!』
ロバート
『いやん、クールなインテリタイプね!』
藤守
「違うと思うで」
ポール
『職員会議でチラッと会ってるはずだけど!改めまして!ポールでえすっ!』
ロバート
『私はロバート!よ、ろ、し、く!』
藤守の小声でのツッコミを挟んで、ロバートとポールの猛烈なアピールが始まってしまった。
アニ
「ま、待て!状況が理解できない!」
経験者の明智は苦笑い。
藤守と如月は標的から外されてひと安心。
穂積と小野瀬は大笑い。
小笠原は寝ている。
アニの叫びだけが、道場に、そして、夜空に長く尾を引いた。
穂積
「アニ、宇宙(そら)に散る……」
アニ
「散らすな!助けろー!」
☆夜・茶道部前☆
穂積
「あー、面白かった」
小野瀬
「あれ……、女の子たちの部屋、まだ声がしてるみたい」
ロバート
『ガールズトークね』
ポール
『交ざりたいわ』
柔道場の騒ぎの後、当然と言えば当然なのだが、ロバートとポールは男性陣から追い出され、穂積と小野瀬に付いてここまで来ていた。
穂積
『交ざりたいって……お前ら、心は乙女かもしれないけど、外見はおっさんだからな。言っておくけど』
ロバート
『ルイ、ひどいわっ!』
小野瀬
『茶道部の部室って、中はいちおう二部屋あるけど、そんなに広くはないんだよ』
ポール
『じゃあ、私たち、この廊下で寝るの?体育座りで?』
小野瀬
『俺は当直だから、宿直室で寝るよ』
穂積
「あっ、お前ズルいぞ!こいつらも連れていけ!」
小野瀬
「嫌だよ。俺だって我が身は可愛い。本物の女性以外はお断り」
ロバート
『もしかして、ルイとアオイが私たちを奪い合っているの?』
穂積
『押し付け合ってるんだよ!』
ポール
『喧嘩はやめて!私はルイもアオイも両方好きよ!』
小野瀬
『ありがとうポール。でも嬉しくないから!』
小声で言い合っていたはずが、段々ボリュームが上がっていたらしい。
茶道部の部室の入口の引き戸がすうっと開いて、眉を潜めた篠崎が顔を出し、「しーっ」と、唇に指を当てた。
[削除]
09/19(Thu) 02:22
こんばんは
とも
寝落ちしてこんな時間に目が覚めてしまったので、ぶっこんでみます。
謎の美人理事長、エミさんもステキです♪
☆茶道部室☆
篠崎
「ちょっと、穂積くん、どこ行ってたのよ?こっちは大変だったのよー」
穂積
「あー、わりぃわりぃ。柔道場の方が面白そ…じゃなかった、危なっかしいから小野瀬と見に行ってたんだ。それより、何で部屋の鍵開いてるんだ?俺が外から掛けてただろ?」
篠崎
「それが…ね」
首を傾げながらも部屋の中を覗いてみると、女子生徒たちが隅っこで固まって震えていた。
穂積
「おい、どうした?」
とも
「あっ、穂積先生!どうしたやないですよー。外の見張りはどないしてたんですか?! 」
~時間は少し遡る・茶道部室~
小春
「なんか外が騒がしいね」
ジュン
「男子たちがワイワイやってるんじゃない?」
翼
「でも悲鳴みたいなのが聞こえてこない? ……っ!」
翼が廊下の方を見ると、暗い廊下にぼんやりと白い物体が行ったり来たりしているのが見えた。
小春
「ひぃぃっ、何あれ?」
篠崎
「きっと穂積くんのイタズラでしょ?ちょっと、穂積くん、女の子たちが怖がってるじゃない。ヘンな事しないでよ」
篠崎が穂積を咎めるも、やめる様子はない。
その白い物体は時々中にいるこちらを窺っているようだった。
とも
「部屋の鍵は外から掛けてあるし、中には入ってこないやろ?大丈夫やで」
怖がる小春と翼を宥めるように背中をさすっていると、今度はガチャガチャと鍵が開けられる音が聞こえてきた。
ジュン
「中に入ってこようとしてる?!」
とも
「みんな、私の後ろに下がっとき!声はなるべく出さんように!」
ともはそっと扉に近づき、謎の白い物体が侵入してくるのを阻止すべく中腰で身構える。
ガチャッ、ガラガラッ。
扉はいとも簡単に開け放たれ、白い物体の姿が見えた瞬間、ともはそれにめがけて飛びつき、蹴りを入れようとした。
とも
「誰や?! …ってあれ?」
ともが繰り出した蹴りは空を切り、白い物体は姿かたちもなく床に落ちた。
とも
「篠崎先生、電気付けてください!」
パチッとついた明かりの下には白い布。
正体がわかり、安心したのか、翼、小春、ジュンはその場に座り込んだ。
篠崎
「(またアイツね…)」
とも
「もう大丈夫やで。みんな平気?」
~現在・茶道部~
篠崎
「…というわけよ」
穂積
「まったく、人騒がせだな」
篠崎
「自分の持ち場を離れて楽しんでた人が言うセリフじゃないわよ」
小野瀬
「まあ、ともさんのおかげで誰もケガなくてよかったんじゃない?彼女はすごく頼もしいね」
穂積
「アイツは空手の段持ちだよ。なんでも、ケガでやめてしまったとか言ってたけどな」
篠崎
「ああ、それで。物怖じせずに一人で立ち向かっていくからスゴいと思ったわ。彼女が男の子ならスキになっちゃうかも」
小野瀬
「ホントだね」
大人たちの視線の先には、すっかり元気を取り戻し、小野瀬が買ってきたアイスを食べながら、生徒たちとロバート、ポールが楽しそうに話をしていた。
ガールズトークの内容はどなたかお願いします♪
09/19(Thu) 10:10
ともさんカッコイイ(´∇`)ノシ
小春
☆茶道部部室☆
穂積
『あっ!こら!いつの間に女子たちと馴染んでるのよ!』
ロバート
『だって、アオイがアイスをくれたんですもの』
ポール
『色んな種類があったから、「どれにする?」みたいなー』
小野瀬
「小春さん、翼さん、これ美味しいよ。え?そっちもくれるの?嬉しいな。じゃあ、食べさせっこしようか?あーん」
穂積
「お前も馴染むな!」
とも
「穂積先生もどうぞ」
ジュン
「あ、じゃあ私のもひとくちあげます」
篠崎
「穂積くん、私のもあげるわ。はい、あーん」
穂積
「……」
ロバートとポールが女子生徒たちの中にちゃっかり座り、アイスを食べ始めてしまったので、穂積と小野瀬もなし崩しに室内に入ってしまった。
とは言うものの、まさか同じ部屋に泊まる訳にはいかない。
とにかく早く食べ終えて部室の外に出なくては。
これまたすぐに馴染んでしまう小野瀬を横目に、穂積は渋々、篠崎やとも、ジュンのカップに自分のスプーンを伸ばすのだった。
私もガールズトークは得意じゃないかも。誰か書いてくれないかしら。
[削除]
09/20(Fri) 11:28
こんにちは(  ̄ー ̄)ノ
小春
☆茶道部部室☆
ロバート
『ねえ、コハル』
全員がアイスを食べ終える頃。
ぶかぶかの寝袋に入って顔面だけ出るツタンカーメン姿で上半身を起こし、隣の翼にジェスチャークイズを出題していた小春に、ロバートが声を掛けた。
小春
「はい?」
英語はさっぱりの小春だが、さすがに自分の名前を呼ばれれば分かる。
「それは、おいといてー」のポーズをしたまま、小春はロバートを振り返った。
小春に見つめられたロバートは、もじもじしながらも、思い切ったように言葉を発した。
ロバート
『……アケチには、今、ガールフレンドがいるかしら?』
小春の近くにいたともが反射的に通訳しようとするのを、穂積が、自分の口に指を当てる仕草と眼差しで制した。
見ていた全員が会話を止め、ロバートと小春に注目する。
ともも穂積の意図を察して口を閉じ、代わりに小春が唇を開いた。
小春
「いないと思います」
穂積
「日本語?!」
思わずツッコむ穂積。全員がどっと笑った。
ロバート
『本当に?あんなにステキなのに?』
小春
「はい。少なくとも、家に連れてきた事は無いです」
穂積
「英語で返せってば」
小春
「お兄ちゃん、忙しいから。お休みの日でも一日中家事だし」
穂積
「……」
小春は少し、表情を曇らせた。
小春
「私がもっとお手伝い出来れば、きっとお兄ちゃんも彼女作れると思うんですけど」
小野瀬が、ロバートの耳に小春の言葉を通訳してから、静かに立ち上がる。
小春
「でも、お兄ちゃん、結婚したら家を出るって言ってるから……私、お兄ちゃんに彼女が出来るの、あまり嬉しくないかもしれません」
小野瀬
「小春さんがやきもちやきなのは、明智くんが離れてしまうのが寂しいからなんだね」
小春の隣に腰を下ろし、寝袋に覆われた頭を撫でながら、小野瀬が優しく微笑みかけた。
小春
「私、やきもちやきですか」
ツタンカーメン小春が、潤んだ目で小野瀬を見上げる。
小野瀬
「きみにも好きな人が出来れば、寂しくなくなるよ」
小春の後ろから肩を抱こうとした手を、腕を伸ばした穂積と篠崎が無言でつねり上げた。
小野瀬
「……!」
小野瀬は痛みを訴えたい声を殺して手を引く。
ジュン
「小春さんはやっぱり、明智先生みたいな、真面目で優しいタイプが好き?」
穂積に襟首を掴まれて引き離された小野瀬のいた場所に、ジュンが代わりに入って来た。
教師たちの攻防に全く気付かないまま、小春がジュンの問い掛けに「えっ」と頬を染める。
返事を聞くより分かりやすい反応に、ジュンは童顔を綻ばせた。
ジュン
「うふふ」
とも
「そう言うジュン先輩は、やっぱり藤守アニ先生?」
ジュン
「うーん、どっちかと言うと賢史くんかな?ともさんは穂積ファンを公言してるもんね。じゃあ、翼さんは?」