『アブナイ☆恋の学園物語』
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11/24(Sun) 06:22
4回戦終了
ジュン
4回戦が終わり教員チーム、保護者チームともに2勝ずつ。勝敗は最終5選目に持ち越された。
穂積
「ふぅ~」
とも父
「さすがにきついなぁ」
体力に自信があってもさすがに1回戦からで続けているメンバーには疲労の色が浮かぶ。
応援席ではラスト1選に向け否応なしに応援が盛り上がっていた。
とも
「おとん!頑張って~」
如月
「お父さん、ファイト!」
空
「がんばれ~!がんばれ~!」
翼
(穂積先生、頑張って)
小春
(小野瀬先生、頑張って。お兄ちゃんも、お姉ちゃんも頑張れ)
それぞれが応援席で自分を応援してくれる声に答えようと気合いを入れ直す。
最後の1選が始まろうとしていた。
[削除]
11/24(Sun) 09:23
☆綱引き☆
小春
~最終戦~
係員
「レディ」
双方、均衡を崩す策の無いままに、緊張感が最大まで高まった、その時。
???
「遅くなってごめ~ん」
まるで緊張感の無い声とともにニコニコしながら走って来たのは、校長の山田。
今までどこにいたのか。
山田
「ごめんごめん、知り合いを見送ってたら遅くなっちゃってさ」
H2の事だろうか。
何はともあれ、新戦力の加入は、疲れた教員チームには有り難い事で。
歓迎ムードの中、すかさず年配の教員が抜け、代わりに山田がロバートの前、つまり先頭に入る。
顔色の変わったのは、明智三姉妹だ。
明智姉1、2、3
「……げ、山田……」
もちろん、それを見逃す穂積たちではない。
穂積
「……校長が来たら、明智の姉ちゃんたちが怯んだぞ」
小野瀬
「……確かに」
小声で言葉を交わすと、山田が、涼しい笑顔で振り返った。
山田
「別に大した事じゃない。学生時代、お付き合いしてただけ」
明智
「えっ?!(どれと?)」
明智姉1、2、3
「きゃーーー!!!」
係員
「レディ・ゴー!」
[削除]
11/24(Sun) 13:32
щ(`皿´щ;)ギリギリ
セ☆ナ
☆いつもの木陰より☆
小春ったら
小春ったら
小春ったら!!
デ●ノートに百回名前書いたって
ゆ・る・せ・な・~~~・い!!!
はっっ!!
小野瀬先生が←
保護者チームに引っ張られてる!
大変だわ!!!
あああぁぁっっ、アブナイ!!!
そこっ! そこよっっ!!
もう少し!!
そこで一気に
穂積先生に倒れ込んじゃって!!!!
はっっ!!
ワタクシったら。
小野瀬先生は、あんなに必死に頑張っていらっしゃるというのに。
・・・
紅花さん、龍鬼さん。
シャッターチャンスはOKかしら。
小春 「な、なんか、いきなり寒気がしてきたんだけど」
翼 「小春ちゃん、風邪?大丈夫?」
ジュン 「・・・木陰に立ってる空間先輩から、ものすごーくどす黒いオーラが出てるような・・・」
とも 「応援してるのか呪ってるのかどっちやねん?」
★リアルせつな★
こんにちは♪
明智先生のお姉さんズと山田校長の関係が、とっても気になるせつなですww
気になりすぎて、傍観者(邪魔者とも)の立ち位置で楽しみに待ってます|д゚)
あ、小春はH2とのアメリカ行きを心から応援しています。←セツナが乗り移ってるらしい(-_-メ)
[削除]
11/24(Sun) 14:29
こんにちは(´∇`)ノシ
小春
~最終戦~
山田の爆弾発言が巻き起こした波紋で、両方に動揺の走る中。
それを鎮めたのは、両方のアンカーだった。
とも父
「相手方、息が乱れとる!今や、引けえっ!」
ポール
『……!』
とも父の声で、保護者チームが綱を引く。
だが、それよりも一瞬速く、力を込めたポールが、綱を運ばれるのを踏みとどまらせた。
ポール
『みんな、引いてえっ!』
教員チームが呼吸を揃えた。
教員チーム
「せーの!」
びいん、と綱が伸び、再び、力が拮抗する。
明智
「校長、あいつらと付き合ってた、って本当、ですか?!」
勝負が膠着したのを見計らって、明智が、山田に、訊きたくてたまらない事を訊いた。
山田
「本当だよ」
明智姉1
「やめて!」
懸命に綱を引きながら、亜衣が悲鳴のような声を出した。
山田
「心配無用だよ、明智くん。完全に、プラトニックな関係、だったからね」
明智姉2
「言わないでー!」
真衣の顔が真っ赤なのは、綱引きに力を込めているせいばかりではないようだ。
山田
「未衣さん、あの頃もらったラブレター、まだ取ってあるよ」
明智姉3
「いやー!」
未衣はもう半泣きだ。
山田
「三人とも、今の小春さんみたいにピュアで可愛かった」
小野瀬
「えっ」
小野瀬に続いて全員がどよめく。
明智
「嘘だ!」
アニ
「そこから今までの間に何があったんだ?」
明智姉1、2、3
「うるさいわよ!」
明智三姉妹が赤い顔で怒鳴るが、もはやさっきまでとは形勢逆転。
攻撃力は半減し、ようやく、力と力、互角の戦いになったのだった。
ジュンさんともさん、繋いで下さってありがとうございます。
そして、いらっしゃいませせ☆なさん。
お預かりしていた書き込みのタイミングをはかっていましたが、来て下さって嬉しいですわ。
そろそろ倒れ込んで頂きますわよ。
さあ、綱引き決着はどちらに?
続く!←人任せ
11/21(Thu) 16:03
☆ごあいさつ☆
小春
おかげさまでスレッドもはや12です。
こちらのスレッドでは、ただいまリレーSS『アブナイ☆恋の学園物語』を開催中です。
桜田門学園高校に転校してきた櫻井翼が、イケメンな先生方や個性的な生徒たちと繰り広げる、参加型学園ラブコメディ!
皆さまふるってご参加ください(´∇`)
《ここまでのあらすじ》
学園祭『桜祭』。体育祭も午後の部に突入。
緑、白、青、赤の4色のチームに分かれ、借り物競走や徒競走などで盛り上がりながらプログラムは進んで行く。
午後は団体競技が目白押し。さらに白熱する競技と、後夜祭にむけて、それぞれの恋の行方はどうなる?
☆午後の種目(予定、順序未定)☆
・綱引き(PTA参加競技)
・徒競走100m(3年)
・棒倒し(2年)
・騎馬戦
・部活対抗リレー
・色別対抗リレー
などです。
※あくまでも予定です。
~主なメンバーと組分け~
☆緑(A組)……穂積
1A……翼、小春
3A……アンドロメダ、パープルドラゴン、ibu
☆白(B組)……藤守アニ
1B……とも、紅花
2B……如月、ジュン
3B……藤守、千春
☆青(C組)……明智
2C……細野、太田
3C……和音
☆赤(D組)……小野瀬
2D……小笠原
3D……空間
体育祭もいよいよ佳境?のスレッド12、スタート!
[削除]
11/24(Sun) 16:12
☆綱引き☆
小春
~最終戦~
時間が長引くにつれて、徐々に選手たちが無言になってゆく。
体力の消耗を最小限にし、そして、集中力を高めるために。
明智三姉妹も、山田の登場以来すっかり黙り込んでしまった。
その張りつめた雰囲気が伝染して、観客たちも、生徒たちも声を押し殺し、息を詰めて見守っている。
息遣いと、滲んで滴り落ちてゆく汗。
係員がちらりと時計を見た。
もうあと数秒この状態が続けば、両チーム全員が一旦手を離し、場所を交代し、仕切り直しとなる。
全員がそれを覚悟し、係員の動きに気をとられた、その時。
穂積
「今だ!!」
とも父
「今や!!」
それまで、じっと黙っていた穂積ととも父が、ほぼ同時に叫んだ。
一瞬速かったのは穂積。
その声に、教員チームが素早く反応した。
渾身の力を込めて、一気に綱を引き寄せる。
グラウンドじゅうの注目が、一本の綱に集中した時。
出遅れた保護者チームが大きく前方によろめくのと時を同じくして、勢い余った教員チームが、後方になだれをうって倒れ込んだ。
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11/24(Sun) 16:15
綱引き決着!
小春(せつな)
『小野瀬先生~~~!!!
キャーーーーーーー!!!
いやああーーーーーーーーーーん!!
ステキーーーーー!!!
穂積先生ーーー!!』
辺りは女子高生のみならず観客席からも黄色い嬌声が響き渡り、阿鼻叫喚の様相を呈していた。
二人が倒れた所に駆け寄ろうとする女子生徒を抑えようと、篠崎先生と明智先生を中心に救護担当の保健係がバリケードを作っている。
あまりの興奮ぶりに競技が進行できず、周囲は一時騒然となった。
(穂積先生ったら!!
穂積先生ったら!!
穂積先生ったら!!
私の小野瀬先生と密着して、まるで重なるように倒れ込んじゃうなんて!!!
・・・素敵すぎるのは何故?!
いいなぁ・・・
おのせせんせい・・・・クスン
はっっ!!
イケナイ。涎が出てたわ。
ワタクシとしたことが;; フキフキ( ̄ノA ̄)
龍鬼さん&紅花さん
写真!!
ちゃんと撮れてるでしょうね?!
商売させるわけにはいかないわ。
おいしくいただくのは、ワタクシ一人!!
・・・そうじゃなくて。
風紀が乱れては大変なことになるでしょう?
早速、手を打たないと。)
校舎はグラウンドより高い位置にあるので、校舎横のクスノキの木陰に立っていると、グラウンド全体が良く見渡せるのだ。
空間の本日の定位置。
・・・しかし、見渡せるということは、向こうからも丸見えということに本人は気付いていなかった・・・。
ジュン
「あーーーーーっっ!空間センパイ、あんなとこにいた!さっきから、次の3年生徒競走に出る選手の集合かけてるのに」
翼
「なんだか、魂がどこか飛んじゃってるみたいな顔してるよね・・・?大丈夫かな?」
小笠原
「障害物リレーで使ったボール、2,3こぶつけちゃえば元に戻るんじゃない?」
とも
「小笠原先輩、デ●ノートに名前書かれるで?」
[削除]
11/24(Sun) 18:49
色々オイシイ……か?
小春
篠崎
「痛たた……きゃあっ、明智先生!大丈夫ですか?」
明智
「大丈夫、このぐらい平気です」
篠崎
「でも血が!」
後方に倒れた勢いで後ろにひっくり返ってしまった篠崎が顔を上げると、間近に明智の端正な顔があってビックリした。
けれど、すぐに、自分の後頭部と地面の間にある感触に気付いて、青ざめる。
倒れかけた瞬間、明智が、篠崎の頭を守る為に、咄嗟に左手で庇ったのだ。
その為に、明智は不自然な体勢で倒れ、左肩から落ちるような形で、手の甲と肘をしたたかに擦りむいていた。
篠崎
「すぐ、洗って手当てしないと!」
明智
「大丈夫。それより、観客が興奮し過ぎてます」
明智は篠崎を押し返すようにして制すると、立ち上がって、グラウンドに詰め掛けようとしている観客たちを防ぎ始めた。
篠崎もそれに気付いて、急いで後を追った。
穂積
「くっそう……勝負はどうなった?」
ずきずき痛む頭を振りながら身体を起こそうとして、穂積は、自分の身体を包む感触にぎくりとした。
穂積
「小野瀬!」
小野瀬
「……穂積……」
地面に寝そべったまま、小野瀬が頭を押さえている。
その姿に、穂積は、自分が倒れた弾みで、後ろにいた小野瀬と頭がぶつかり、しかも、今の体勢は、小野瀬の身体の上に半ば重なるように乗っかってしまっているのだと気付く。
小野瀬
「……」
穂積
「すまん、小野瀬!大丈夫か?」
膝をついたまま小野瀬の上半身を抱き起こせば、痛みに顔を歪めながら、小野瀬が微笑んでくれた。
小野瀬
「……お互い石頭で良かったな」
笑顔の小野瀬だが、生理的なものなのか、目には涙が浮かんでいる。
思わず、赤く腫れ始めた小野瀬の額に手を当てると、期せずして、周りから悲鳴のような声が上がった。
アニ
『ロバート!重い!重い!!』
ロバート
『あーん、ケイジ、ワタシったらよろめいちゃってごめんなさーい!』
アニ
『いいから早く俺の上から下りろ!そもそも、何故、お前は俺と向かい合って抱きついているのだ?!』
ロバート
『何故なのかしらー?』
アニ
『痛い痛い!ヒゲが痛い!顔を擦り付けるな!』
ポール
『ロバート!抜け駆けはずるいわよ!』
アニ
『ぎゃー!またこのパターンかー!(涙)』
とも父
「小春ちゃんのお姉ちゃんたち、大丈夫かいな?」
明智姉1
「大丈夫、でも、すみません。力及ばず……」
とも父
「構へん構へん。怪我せえへんかったら、それが一番や」
明智姉2
「ともちゃんのお父さん、保護者チームで唯一、一度も交代しなかったんじゃないですか?」
とも父
「そう言うたら、そうかも知れんな。夢中になってしまって、何や恥ずかしいわ」
明智姉3
「恥ずかしいだなんて。とっても素敵です」
とも父
「おおきに。けど、惚れてもろたら困るで。俺はワイフを愛してるねん」
まだ、表情に悔しさの滲んでいる三姉妹のために、とも父はわざとおどけてみせる。
明智姉1、2、3
「まあ、ごちそうさま」
三人の笑顔を確かめて、とも父はふと振り返った。
とも父
「あれ?山田校長がいてへん」
その声で辺りを見回した明智三姉妹が、苦笑いを浮かべた。
明智姉1
「あの人は昔からそうですわ」
明智姉2
「神出鬼没で、とらえどころがなくて」
明智姉3
「でも、そこが好きだったんですけどね」
三人は同じ顔を見合わせて笑い、とも父に向かって、唇に人差し指をあててみせた。
明智姉1、2、3
「みんなには内緒でお願いしますね」
とも父
「了解や」
とも父と明智三姉妹は、笑いあいながら、まだ混乱の続く教員チームを残して、保護者席へと戻って行くのだった。
11/24(Sun) 23:24
わーい♪
とも
綱引き、最後まで目が離せない展開になりましたね~(^-^)
セツ
☆綱引き・終了後☆
観客席に戻ったとも父と明智三姉妹を父兄たちが拍手で迎えるなか、ともたちも労いの言葉をかけにやってきた。
とも
「おとん、お疲れさん」
如月
「最後までいい勝負でしたね」
とも父
「いやぁ、負けたのはさすがに悔しいけど楽しかったわ」
小春
「お姉ちゃんたちもお疲れさま!」
明智姉1・2・3
「ありがとう、小春」
一方、倒れた際に足を挫いたらしい小野瀬は穂積に肩を抱かれて救護席へやってきていた。
穂積
「小野瀬、本当にすまなかったな」
小野瀬
「大丈夫だよ、そんなに大げさにしなくても」
篠崎
「小野瀬くん、足を見せて。…そんなに腫れ上がってはいないけど、念のために冷やしておいた方がいいわね」
クーラーボックスから氷の入った袋を取り出すために立ち上がった篠崎を小野瀬が制した。
小野瀬
「オレはいいから、明智くんの手当てをしてあげて?早くしないとバイ菌が入っちゃうよ?」
穂積
「小野瀬…」
小野瀬
「平気だよ。冷やすのは、後の競技の事を考えて、足首を固定してからにしたいんだ」
今の綱引きで教員が参加する競技はひとまず終わったが、後の競技というのは色別対抗リレーの事を言ってるのだろう。教員チームも参加することになっている。
篠崎
「わかったわ。ムリは禁物よ。だけど足首を固定するならテーピングをするってことよね?包帯を巻くのは慣れてるけど、上手くできるか自信がないわ」
穂積
「それなら得意な奴を知ってるから連れてくる。ちょっと待ってろ」
長い指を顎にあて、考える仕草をしていた穂積は思いあたる人物の元へと向かった。
救護席から出てきた穂積を見ようと観客や生徒らがやってくるが、その人ごみをかきわけながら大声で叫んだ。
穂積
「とも!悪いが来てくれ!」
呼ばれたともは反射的に立ち上がって穂積の元へ急ぐ。
穂積
「とも、野球部のテーピング道具は持ってきてるか?」
とも
「はい、救急箱と一緒に準備してますけど?」
穂積
「それならよかった。小野瀬がさっき足を挫いたみたいなんだ。大したことはなさそうなんだが、頼めるか?」
とも
「そんなんお安い御用ですよ。すぐに持ってきますね」
とも
「これでよし。小野瀬先生、キツいところやゆるいところはないですか?」
小野瀬
「ありがとう、さすが野球部のマネージャーだね、どこもしっかり固定されてるけど動かしやすいよ」
とも
「よかったです。けど、終わったら外して、ちゃんと冷やしてくださいね」
普段から部員のテーピングを行っているともは慣れた様子で処置を施していった。
穂積
「助かったわ、とも。ありがとう」
とも
「どういたしまして。穂積先生も人の心配もいいですけど、自分の手当てしてくださいね?」
顔、擦りむいてますよ?と指差しながら戻っていったともの行く先に心配そうにこちらを見ている翼の姿があった。
ともにいきさつを聞き、ホッとした様子の彼女に、穂積はこっそり手を振ったのだった。
セツナ先輩、小野瀬先生の足触りました、ゴメンナサイm(__)m
[削除]
11/25(Mon) 09:21
おはようございます( ̄ー ̄)ノシ
小春
~徒競走3年生、その前に~
綱引き後の混乱をようやくどうにか収拾し、職員たちは本部側に戻ってきた。
生徒たちと保護者たちの座る応援席が並ぶのと反対側、校舎に近い方のトラックの外。
本部テントには、端から救護室、放送席、来賓と理事長・校長の座る応接席、その隣に教職員たちの席、さらに、実行委員や生徒会役員の為の役員席、と並んでいる。
朝からほとんど使う事の無かった日陰に疲労困憊の教員たちが戻ってくるのを見計らって、学園祭後半の実行委員でもあるともと小春が、それぞれ、コップとおしぼり、ドリンクサーバーを提げて教職員にやって来た。
とも
「お疲れ様でしたー!特製ドリンクどうぞ♪」
穂積
「おっ、とも。さすが気が利くな」
一人一人に労いの言葉をかけながらおしぼりを手渡して行くともに、穂積が笑顔を向ける。
とも
「ありがとうございます。滋養があって早く吸収出来るものを、って考えて、小春に作って来てもろたんです」
テーブルではサーバーからコップに注いだドリンクを、小春がお盆に載せていた。
人数分を注ぐと、今度は小春が労いの言葉を添えながら、一人一人にコップを手渡して行く。
小春
「校長先生、どうぞ」
山田
「ありがとう」
綱引きの間に参加者同士が交わした会話は、生徒たちには聞こえていなかったはず。
だが、聞こえていた教員たちからすると、さっきの山田の言葉を思い出さずにはいられない。
小春に笑顔を向ける山田を見ながら、つい、色々な事を考えてしまうのだった。
一方、小春は何も知らないから、いつもと変わらない様子でロバートやポール、アニといった年配の教員から順に、ニコニコしながらドリンクを配っている。
小春
「小野瀬先生、お疲れ様でした。どうぞ」
小野瀬
「ありがとう」
たった一杯の飲み物が配られるのを、こんなに待ち遠しい気持ちで待ったのは初めてかもしれない。
小春
「お怪我は大丈夫ですか?」
小野瀬
「平気平気」
小野瀬は身体中の痛みも忘れて、コップを受け取った。
そして、受け取って一口飲んでしまってから、コップを差し出してくれた時、彼女の手に触れるチャンスを逃したな、とか思ってみたり。
小野瀬
「美味しい」
小春
「良かった!」
隣の穂積にコップを手渡していた小春が、小野瀬に笑顔を見せる。
気を利かせたともが、まだコップが載っているお盆を小春の手からさっと取り、明智や篠崎の方へ向いていった。
ともの気配りは小野瀬としてはちょっと気恥ずかしいが、それでも、自分の前に小春がいる事で、伝えたい事を逃さずに済みそうで。
小春
「大接戦でしたよね。本当に、お疲れ様でした」
穂積
「ありがとう」
小春の労いの言葉に、穂積が先に礼を言い、小野瀬が次に言いやすい雰囲気を作ってくれた。
小野瀬
「小春さんの応援のおかげだよ」
よし言えた!
小野瀬
「部活対抗リレーでも応援してくれるかな?」
小春
「はい、もちろんです」
よし!
ところが。
穂積
「あらあ、小春。ワタシは?」
小野瀬が胸を撫で下ろした途端、穂積がのんびりと言った。
小野瀬
「?!」
ぎょっとする小野瀬に、席から明智が淡々とツッコむ。
明智
「申し訳ありませんが、小春は柔道部を応援するんです」
とも
「穂積先生、野球部は私が応援しますよー」
穂積
「ありがとう、とも。お願いねー」
穂積と明智が差し出して来るコップにお代わりを注ぎながら、小野瀬に向けて小春が笑った。
小春
「私、」
瞬一
「小春たん!徒競走行って来るナリよー」
小春が何か言いかけたその時、折り悪く、徒競走に向かう三年生男子が、本部席の後ろをぞろぞろと通り始めた。
[削除]
11/25(Mon) 09:23
おっと。長かったので連投します。
小春
小春
「あ、アンドロメダさん、行ってらっしゃい!」
龍ニ
「小春どのの為に走るでござる」
小春
「ありがとう、パープルドラゴンさん!頑張って!」
生徒A
「小春ちゃーん!俺の事も応援してね!」
生徒B
「小野瀬先生なんか応援しなくていいからさ!」
生徒C
「今度は俺らにも応援頼むぜー!」
小春
「はーい」
驚く事に、ほとんどの男子たちが、小春に声を掛けてゆく。
誰かと思えば、文化祭の時のギャルソン男子たちだ。
生徒D
「ともちゃん、応援よろしくな!今度デートしようぜ!」
生徒E
「1位取ったらパンツ見せてくれるー?」
彼らは、同じように、ともにも声を掛けながら、笑い声と共に入場門へと歩き去っていく。
とも
「みんな転倒すればいいのに」
顔だけは笑顔で見送りながら小声で毒を吐くともに、小野瀬が心の中でひそかに同意していると。
藤守
「よー、小春、とも!お仕事ご苦労さん!」
B組の列から、藤守が手を振ってきた。
小春
「会長!徒競走頑張って下さいね!」
とも
「会長なら1位間違いなしや」
藤守
「ふふん、おおきに。MVP獲る為に頑張るでえ。応援よろしくな!」
とも、小春
「はい!」
和音
「小春さん、ともさーん」
小春
「あっ、和音センパイだー!」
近付いてくる和音に、小春が元気よく手を振る。
和音
「お姉さんもお兄さんも大活躍だったわね」
傍に来て微笑む和音は、ともを見つけると、そちらにも微笑んだ。
和音
「ともさんのお父さんてすごいわね」
とも
「はい!」
和音
「先生方や保護者の方々を見習って、私も一生懸命走るわ。応援してね」
小春、とも
「はい!」
話している和音の後ろを、D組の空間が静かに通る。
顔のあちこちに貼られた絆創膏が痛々しいが、美人の彼女がつけていると、それさえ何かオシャレに見えるから不思議だ。
小春、とも
「空間センパイ!」
空間
「あら、お話の邪魔をしちゃいけないと思ったのに」
空間が足を停め、笑顔を見せた。
空間と和音は普段から仲が良い。
どちらも才色兼備だが、きっと認めあっているのだろう。
とも
「空間センパイ、頑張って下さいね!」
空間
「ありがとう。でも和音さんと一緒の組で走るのよ。私は運動が苦手だし、走る前から最下位決定だわ」
小野瀬
「それはどうかな」
空間
「えっ?」
急に小野瀬の声が割り込んで、空間はビックリした様子で顔を上げた。
穂積
「何事も、最後までやってみなくちゃ分からないわ」
小野瀬
「そうだよ。借り物競走の時の頑張りを思い出して。全力で走りきってみて」
穂積と小野瀬に声を掛けられて放心ぎみの空間の耳に、ともが手を添えて囁いた。
とも
「(小声)ゴールは職員席の前ですから」
空間が、ぴくんと反応した。
離れたともの手を握り、頷く。
空間
「ともさん、ありがとう。私、頑張るわ」
和音と肩を並べて去ってゆく後ろ姿に、ともは大きく頷いた。
紅花
『それではお待たせ致しました、三年生の徒競走です!』
[削除]
11/25(Mon) 11:13
三年生入場
ジュン
徒競走のため三年が入場すると、さすが最高学年、あちこちから大きな声援があがる。
もちろん、藤守も例外ではない。
「藤守先輩、頑張って~」
「生徒会長、頑張れ~」
「キャプテン、頑張れ~」
あちこちから声援を受ける藤守に可愛い声の声援が耳に入った。
ジュン
「賢史くん、頑張って!」
空
「けんたん、がんばれー」
ジュンと空の姿を見つけ手を振る。ジュンの笑顔が、自分がジュンを見る目が昨日とは違うことに藤守は少し戸惑っていた。
藤守
(MVPとって、誰かをダンスに誘う必要がなくなったなぁ。でも、MVPは取りたいし。でも、なんや今さらジュンを誘って踊るとか気恥ずかしいなぁ。)
頭の中で自問自答していると同じ三年男子からジュンに声がかかる。
「藤守さ~ん、俺頑張るから見ててね~」
「俺がMVPとったらダンスしてね!」
三年男子から上がった声に藤守はジュンの密かな人気の高さを再確認し、改めてMVP獲得への意欲を高めることとなった。
[削除]
11/25(Mon) 21:21
続きはないです(((^^;)
ジュン
最初は三年女子からでしょうか?
楽しみにしておりますm(__)m
11/26(Tue) 07:26
おはようございます(´∇`)ノシ
小春
~徒競走3年生、女子~
紅花
『3年生徒競走、まずは学園の花、女子の100m走です!』
パァン、とピストルの音が響くたびに、わあっという歓声と、応援のアナウンス、そして、ゴールと共に沸き起こる拍手が徒競走を盛り上げる。
特に千春や、ibuのような人気者が登場すれば、なおさら。
それぞれ2位、3位と健闘し、所属する組に得点が加わる。
同じ組の千春に笑顔で声援を送る藤守と、それに応える千春の姿を見ていると、相変わらず胸がもやもやする。
はっきりしないのは、真面目で照れ屋だから。
藤守の性格は分かっているけれど、ジュンの胸のうちは複雑だった。
さっき、3年生の男子たちがジュンに向けて盛んに言っていた、「MVP獲ったら俺と踊ってね!」という言葉。
あの言葉は、そっくり、昨日までの藤守が、辺り構わず撒き散らしていた言葉だ。
あれから藤守とジュンの心に起きた変化を、周りの誰も知らない。
もしも。
もしも、藤守が本当にMVPを獲った時、
「藤守くんの方から『私と踊って』って言ったのよ?」
そう言う女子がいてもおかしくない。
いや、むしろ、懸命にアピールしまくっていた藤守の姿を思い起こせば、現れる女子は一人や二人ではない気がする。
賢史くん、分かっているのかしら。
ジュンは、徒競走の順番を待つ藤守が、周りから掛けられている声の多さを数えながら、そして、彼の周りにいる華やかな女子たちの姿を見ながら、ざわめく胸を押さえるのだった。
[削除]
11/26(Tue) 15:59
ぐへー。
清香
自宅の水道が壊れて週末から銭湯通いな清香です。たまにならいいけれど、毎日は疲れますねー。
☆徒競走・3年女子☆
紅花
「3年生徒競走・女子最終組です!」
放送席から紅花がそうアナウンスをすると、観客席からの声援が一段と大きくなる。
そして、同時にゴール前へと移動をした各組代表の教師達の後ろで、応援団も声を張り上げた。
穂積やアニ、明智や小野瀬も自身の組の最終走者を励まそうとするが、鳴り物や応援団の声に阻まれてしまう。
それでも自分達がここに、ゴール前にいるという事が少しでも走る力に繋がれば良いと、精一杯の応援を送った。
その姿を見た最終走者達は、スタートラインでハチマキを巻き直してスタンバイをする。
和音
「うーん、明智先生達の声が聞こえないわね。」
緑組走者
「そうね、せっかく穂積先生が応援して下さってるのに。」
白組走者
「藤守先生は相変わらず何かまくし立ててるわね。なんだか逆にやる気がそげるかも。」
和音
「そんなこと言わないの。ねぇ、セツナさん?」
ため息をつく白組走者にそう言いながら和音が空間へ顔を向けると、空間はじっと前を見据えていた。
空間
「…のせ、……んせ、い………、ま、………すぐ………に……。」
和音
「セツナさん?大丈夫?」
瞬きもせず、うっすら聞こえる程度の声で何やら呟く空間の肩を和音が揺らすと、空間はハッと我に返る。
空間
「…ッ!な、なぁに?和音さん!?」
和音
「い、いや、ボーッとしていたようだったから…。大丈夫?」
空間
「あ、あぁ、ご心配かけてごめんなさい。ちょっと緊張しちゃって……。」
曖昧な笑顔を浮かべながらも大丈夫だと答える空間に和音はそれ以上を問うことは出来なかった。
緑組走者
「あら、セツナさんも緊張されるのね。」
白組走者
「最後って嫌ですものね。」
笑顔を浮かべて話す二人に相槌を打ちながらも、空間の眼は真っ直ぐ前を向いたままだ。
空間
「…最……後。」
この体育祭、そして後夜祭が終われば3年生は本格的に受験モードへと入り、他の学年だけではなく受験科目以外の教員との接触もほぼ皆無となる。
ということは、小野瀬先生の笑顔を間近で見られるのも……これが最後かもしれないのだ。
空間
「………。」
ギュッと握りしめた掌に爪が食い込む。
その痛みすら感じないくらい、胸が痛かった。
空間
「……先…生。」
ゴールの先にいる小野瀬の唇が「頑張れ!」と動いている。
小野瀬の瞳が真っ直ぐに自分を見つめている。
いつもならそれだけで頭が沸騰しそうなくらい恥ずかしくなってしまうのに、不思議と心は凪いだ海のように穏やかだ。
係員
「それでは、位置について!」
目の前の白い線はただの徒競走のスタートラインなのか。
そしてゴールはどこなのか。
あのゴールに辿り着いた時にどんな意味があるのかはまだ分からないけれど、今はただ微かに聞こえる小野瀬の「頑張れ!」を信じようと空間は心に決めたのだった。
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11/26(Tue) 17:18
とも
徒競走は順調に進みますね~(^-^)
3年女子の最後は誰が1位になるんでしょう?←他力本願
清香さん、お家の水道はお風呂だけ壊れたんですか?
銭湯もたまにはいいけど、毎日通うのは夜の貴重な時間をとられてしんどいですよね。早くなおりますように。
[削除]
11/26(Tue) 17:32
頑張れ空間センパイ
小春
この時期に銭湯通いは辛いですね。
清香さん、風邪ぶり返さないでね。
~徒競走3年生、女子~
パァン、と鳴り響いたピストルの音と共に、最終組の4人がスタートした。
真っ先に飛び出したのは和音。
長い足と綺麗なフォームで、ぐんぐんと後続を引き離してゆく。
一方、間に緑と白の選手を挟んで、最後尾をついてゆくのは空間。
運動が苦手な彼女は、それでも懸命に走って走って、とにかくゴールを目指す。
たった100m。
ゴールテープの向こうで、小野瀬が「頑張って」と叫んでいるのが見える。
空間を見つめて、両手を広げて、待っている。
いつも、遠くから見つめるだけの相手が。
きっと、小野瀬があんな風に自分を待ってくれる事は、これが最後かもしれない。
小野瀬先生……!
涙の滲んだ空間の目に、役員席の最前列から、ともと並んで声援を送っている小春の姿が映った。
本来なら、自分の組の先輩を応援するべきなのだろうに、小春は和音と、空間の名前ばかりを呼んでいる。
……バカな子。
さっきだって、担任の穂積や、自分の兄や姉ではなく、約束したからというだけの理由で、小野瀬を応援していた。
……本当に、バカな子。
でも、あのバカ正直さが羨ましい。
小野瀬が小春に惹かれるのも、きっと、あの、バカみたいな真っ直ぐさが愛しいからだ。
でも、と空間は思う。
自分はあんな風にはなれない。
でも。
でも。
でも。
これが最後かもしれないとしたら。
先頭で駆け抜けた和音に続いて、緑と白の走者が、テープを切る。
かなり遅れてゴールに辿り着いた空間が倒れ込みそうになったのを、小野瀬が支えた。
小野瀬
「空間さん、よく頑張ったね!」
空間
「……」
小野瀬
「え?」
空間は潤んだ目で小野瀬を見つめて、掠れた声を振り絞った。
空間
「……私は、ずっと前から……!」
小野瀬の腕を握り絞めた空間は、けれど、小野瀬に見つめ返された途端、急激に我にかえった。
でも、もしも。
正直に打ち明けて。
ずっと前から見ていた事を知られて、小野瀬先生に気持ち悪がられたら?
小野瀬先生が本当に、本気で、自分以外の誰かを好きになったとしたら?
拒まれるだけじゃなく、見つめる事さえ許されなくなるかもしれないとしたら?
空間
「ななな、何でもありません!」
空間は小野瀬に頭を下げて腕からすり抜けると、先ほどの和音を彷彿とさせる高速で、風のように走り去ってしまったのであった。
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11/26(Tue) 19:04
空間先輩……
ジュン
空間先輩、なんだかけなげです~(;つД`)
きっと小野瀬先生は気持ち悪がったりしないのに~
次は男子ですよね!?
カメラカメラ( ̄▽ ̄= ̄▽ ̄)
賢史くんの勇姿を撮らないとね。
11/27(Wed) 08:07
ねー。
小春
ジュンさんもそう思いますよね。
大丈夫、たぶん、小野瀬先生ストーキングに気付いてるから(笑)
そしてアナタの賢史くんは、身長183cm、おなじみパープルドラゴンと同じ組でよろしく。
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11/27(Wed) 08:40
おはようございます
とも
いよいよ3年男子ですね。会長とパープルドラゴンさんは同じ組。そしたら彼は別の組で走ってもらいましょうか。
☆徒競走・アンドロメダ☆
次にスタートラインに立ったのはアンドロメダだ。彼の姿が見えるとあちこちの女子生徒から黄色い声援がとぶ。
女子生徒A
「安藤くん、頑張って!」
女子生徒B
「カッコいい~!」
そんな声援には見向きもせず、アンドロメダはゴール前の本部席にいる小春と翼の方を見ていた。
小春・翼
「アンドロメダさん、ファイト~!」
アンドロメダも手を振り返した。
係員
「位置について、用意」
パァン。
スタートこそ出遅れたものの、生まれもった均整のとれた筋力と、普段から映画やアニメで速く、カッコよく走る方法を研究していたかいがあってぐんぐん遅れを取り戻す。
残りわずかの距離で前の二人の先にいる小春と翼を見つけると、更に加速し、追い抜きざまに見事1位でゴールテープをきった。
係員の誘導で1位の列に並ぶと、小春と翼に向かって小さくサクラダモンのポーズをしてみせながら、Vサインを送ったのだった。
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11/27(Wed) 09:00
きゃっきゃっ♪
小春
ともさんおはようございます。
カッコいい走り方を研究して練習を重ねてきたアンドロメダに笑いました(笑)
小春も翼もきっと、大喜びでポーズ返してますよ!
11/27(Wed) 10:11
最終走者
ジュン
徒競走も順調に進み、いよいよ最終走者の順番になった。藤守とパープルドラゴンが出てくると今までで一番の声援があがる。
「生徒会長、頑張って~」
「村崎くん、頑張れ~」
小春と翼は二人に声援を送る中、ジュンは両手を胸の前で組んで祈るように藤守に声援を送っていた。
ジュンにええとこを見せたい
そう思う藤守だが、ここで一位をとるとMVPに近付く。今さらジュンを誘う気恥ずかしさに気後れしてしまう。もちろん、一位になったからといってMVPをとれると決まっているわけではないが……
龍二
「お互い頑張るでござるよ。」
藤守
「あ、あ……おう。」
龍二に声をかけられ、慌てて返事を返す。自分より少し背の高い龍二。陸上部のキャプテンとして負けられないが、二人三脚で見せた龍二の脚力も軽視できない。
もう一度ジュンを見ると先程と変わらず祈るように声援を送ってくれていた。
藤守
「あんな応援されたら負けれへんな。」
笑顔でジュンに手を降りスタートラインについた。
パァンという音と共に飛び出した藤守だが龍二も素晴らしいスタートを切っていた。二人はほぼ横並びで後続を引き離す。勝負は藤守とパープルドラゴンの一騎討ちとなった。スピードにのっても二人の差は開かずほぼ同時にゴール飛び込んだ。
走り終わり、息を整える二人とざわつく応援席。結果はビデオ判定となった。
紅花
「……ビデオ判定の結果、1着藤守選手、2着村崎選手です。」
紅花の声でそう告げられ藤守はガッツポーズをとり、応援席からは二人に歓声と拍手が送られた。
視線を向ければ泣きそうなジュンの笑顔があった。
はい、賢史くんを勝たせてしまいました(^^;)
パープルドラゴンファンの皆さんすみませんm(__)m
11/27(Wed) 10:39
ビデオ判定(笑)
小春
我々は藤守賢史くんのMVPを応援しています。
☆徒競走~3年生男子終了~☆
小春、翼
「アンドロメダさん、おめでとう!パープルドラゴンさん、お疲れ様!」
瞬一
「二人の応援のおかげで1位になれたでつ」
龍ニ
「残念無念。やはり、忍者走法で走るべきでござった」
走り終えた二人は、翼と小春に労われて満足そう。
残念無念、と口では言うパープルドラゴンでさえ、満面の笑顔だ。
この二人は、もとより、体育祭より文化祭に重きをおいているので、体育祭は参加する事に意義がある。
苦しいダイエットを乗り越え、自在に動くようになった身体が嬉しいので、負けて悔しいとかいう感情とは無縁なようだ。
如月
「ともちゃーん!」
役員席の後ろを、手を振りながら如月が通った。
如月
「今度は2年の棒倒しだよ!応援してよね!」
とも
「あっ、如月先輩!了解です!」
翼
「あの二人も、すっかり仲良しだね」
小春
「うん、お似合いだよね。……えーと、ところで、小笠原先輩はどこかな?」
選手たちの列に目を凝らす翼と小春の耳に、紅花のアナウンスが聞こえてきた。
紅花
『続いては、2年生男子による棒倒しです!』
11/27(Wed) 13:43
壁|д・) ちょっぴりお久しぶりでーす
エミ
☆校舎内・廊下☆
小笠原
「やめろー、離せー!馬鹿ヂカラー!」
黒柳
「はいはい、馬鹿でも阿呆でも結構です。ほら、次は棒倒し!」
小春お手製のヘルシー弁当を食べ終えた小笠原は、理事長室のソファーで長~い休憩時間を過ごしていたもよう。
黒柳は、寝ぐせでハネた髪を手櫛で直してあげながら、気になっていた事を訊いてみた。
黒柳
「ね、小笠原くん。お昼前に寝ていた時、おばさまに何かされなかった?」
おばさまは若い男の子が好きで、超有名実力派演歌歌手の大ファン。たしか、携帯の着信音は『き●しのズ●ドコ節』だったはず。
小笠原
「……別に。ブランケットに潜ってたし」
黒柳
「そう。それならいいけど」
黒柳はホッと胸をなで下ろした。理事長の親族が生徒にイタズラ、なんて大問題だ。
小笠原
「……お見合いなの?アノ人、ずーっと独りで喋ってたよ」
(回想)おばさま
「こちらの爽やかな若者は寿司屋の息子さん。こちらのメガネは検察庁にお勤めで、趣味は宇宙関連。それから、科警研で評判の鑑識技官に、将来、警視総監間違いなしの超エリート警察官。エミさんのお好みはどなたかしら…。それからそれから―――」
ウッキウキで暴走ぎみのおばさまの姿が目に浮かび、目眩がしそうになる。
紅花
『続いては、2年生男子による棒倒しです!』
黒柳
「おっと、その話はいいから。さ、校庭に戻りますよ」
小笠原
「……面倒くさいね」
自分が参加する競技に対してなのか、おばさまが持ち込んだお見合いに対してなのか。
黒柳
「そうね。でも、キミはやればできる子だから大丈夫よ」
小笠原
「……なっ、なにそれ!もう、帰る!離せー!」
なんとか競技開始ギリギリで小笠原を生徒の列に放り込み、本部テントに戻った黒柳は、銭湯で見かける人のように、立ったまま片手を腰にあててミネラルウォーターを一気に飲み干した。
[削除]
11/27(Wed) 13:49
理事長、グッジョブ( ̄▽ ̄)b
小春
あ、おばさま。リアル小春には「将来、警視総監間違いなしの超エリート警察官」をよろしくお願いします。もちろん金髪碧眼でね(∩*´∇`*∩)
4回戦終了
ジュン
4回戦が終わり教員チーム、保護者チームともに2勝ずつ。勝敗は最終5選目に持ち越された。
穂積
「ふぅ~」
とも父
「さすがにきついなぁ」
体力に自信があってもさすがに1回戦からで続けているメンバーには疲労の色が浮かぶ。
応援席ではラスト1選に向け否応なしに応援が盛り上がっていた。
とも
「おとん!頑張って~」
如月
「お父さん、ファイト!」
空
「がんばれ~!がんばれ~!」
翼
(穂積先生、頑張って)
小春
(小野瀬先生、頑張って。お兄ちゃんも、お姉ちゃんも頑張れ)
それぞれが応援席で自分を応援してくれる声に答えようと気合いを入れ直す。
最後の1選が始まろうとしていた。
[削除]
11/24(Sun) 09:23
☆綱引き☆
小春
~最終戦~
係員
「レディ」
双方、均衡を崩す策の無いままに、緊張感が最大まで高まった、その時。
???
「遅くなってごめ~ん」
まるで緊張感の無い声とともにニコニコしながら走って来たのは、校長の山田。
今までどこにいたのか。
山田
「ごめんごめん、知り合いを見送ってたら遅くなっちゃってさ」
H2の事だろうか。
何はともあれ、新戦力の加入は、疲れた教員チームには有り難い事で。
歓迎ムードの中、すかさず年配の教員が抜け、代わりに山田がロバートの前、つまり先頭に入る。
顔色の変わったのは、明智三姉妹だ。
明智姉1、2、3
「……げ、山田……」
もちろん、それを見逃す穂積たちではない。
穂積
「……校長が来たら、明智の姉ちゃんたちが怯んだぞ」
小野瀬
「……確かに」
小声で言葉を交わすと、山田が、涼しい笑顔で振り返った。
山田
「別に大した事じゃない。学生時代、お付き合いしてただけ」
明智
「えっ?!(どれと?)」
明智姉1、2、3
「きゃーーー!!!」
係員
「レディ・ゴー!」
[削除]
11/24(Sun) 13:32
щ(`皿´щ;)ギリギリ
セ☆ナ
☆いつもの木陰より☆
小春ったら
小春ったら
小春ったら!!
デ●ノートに百回名前書いたって
ゆ・る・せ・な・~~~・い!!!
はっっ!!
小野瀬先生が←
保護者チームに引っ張られてる!
大変だわ!!!
あああぁぁっっ、アブナイ!!!
そこっ! そこよっっ!!
もう少し!!
そこで一気に
穂積先生に倒れ込んじゃって!!!!
はっっ!!
ワタクシったら。
小野瀬先生は、あんなに必死に頑張っていらっしゃるというのに。
・・・
紅花さん、龍鬼さん。
シャッターチャンスはOKかしら。
小春 「な、なんか、いきなり寒気がしてきたんだけど」
翼 「小春ちゃん、風邪?大丈夫?」
ジュン 「・・・木陰に立ってる空間先輩から、ものすごーくどす黒いオーラが出てるような・・・」
とも 「応援してるのか呪ってるのかどっちやねん?」
★リアルせつな★
こんにちは♪
明智先生のお姉さんズと山田校長の関係が、とっても気になるせつなですww
気になりすぎて、傍観者(邪魔者とも)の立ち位置で楽しみに待ってます|д゚)
あ、小春はH2とのアメリカ行きを心から応援しています。←セツナが乗り移ってるらしい(-_-メ)
[削除]
11/24(Sun) 14:29
こんにちは(´∇`)ノシ
小春
~最終戦~
山田の爆弾発言が巻き起こした波紋で、両方に動揺の走る中。
それを鎮めたのは、両方のアンカーだった。
とも父
「相手方、息が乱れとる!今や、引けえっ!」
ポール
『……!』
とも父の声で、保護者チームが綱を引く。
だが、それよりも一瞬速く、力を込めたポールが、綱を運ばれるのを踏みとどまらせた。
ポール
『みんな、引いてえっ!』
教員チームが呼吸を揃えた。
教員チーム
「せーの!」
びいん、と綱が伸び、再び、力が拮抗する。
明智
「校長、あいつらと付き合ってた、って本当、ですか?!」
勝負が膠着したのを見計らって、明智が、山田に、訊きたくてたまらない事を訊いた。
山田
「本当だよ」
明智姉1
「やめて!」
懸命に綱を引きながら、亜衣が悲鳴のような声を出した。
山田
「心配無用だよ、明智くん。完全に、プラトニックな関係、だったからね」
明智姉2
「言わないでー!」
真衣の顔が真っ赤なのは、綱引きに力を込めているせいばかりではないようだ。
山田
「未衣さん、あの頃もらったラブレター、まだ取ってあるよ」
明智姉3
「いやー!」
未衣はもう半泣きだ。
山田
「三人とも、今の小春さんみたいにピュアで可愛かった」
小野瀬
「えっ」
小野瀬に続いて全員がどよめく。
明智
「嘘だ!」
アニ
「そこから今までの間に何があったんだ?」
明智姉1、2、3
「うるさいわよ!」
明智三姉妹が赤い顔で怒鳴るが、もはやさっきまでとは形勢逆転。
攻撃力は半減し、ようやく、力と力、互角の戦いになったのだった。
ジュンさんともさん、繋いで下さってありがとうございます。
そして、いらっしゃいませせ☆なさん。
お預かりしていた書き込みのタイミングをはかっていましたが、来て下さって嬉しいですわ。
そろそろ倒れ込んで頂きますわよ。
さあ、綱引き決着はどちらに?
続く!←人任せ
11/21(Thu) 16:03
☆ごあいさつ☆
小春
おかげさまでスレッドもはや12です。
こちらのスレッドでは、ただいまリレーSS『アブナイ☆恋の学園物語』を開催中です。
桜田門学園高校に転校してきた櫻井翼が、イケメンな先生方や個性的な生徒たちと繰り広げる、参加型学園ラブコメディ!
皆さまふるってご参加ください(´∇`)
《ここまでのあらすじ》
学園祭『桜祭』。体育祭も午後の部に突入。
緑、白、青、赤の4色のチームに分かれ、借り物競走や徒競走などで盛り上がりながらプログラムは進んで行く。
午後は団体競技が目白押し。さらに白熱する競技と、後夜祭にむけて、それぞれの恋の行方はどうなる?
☆午後の種目(予定、順序未定)☆
・綱引き(PTA参加競技)
・徒競走100m(3年)
・棒倒し(2年)
・騎馬戦
・部活対抗リレー
・色別対抗リレー
などです。
※あくまでも予定です。
~主なメンバーと組分け~
☆緑(A組)……穂積
1A……翼、小春
3A……アンドロメダ、パープルドラゴン、ibu
☆白(B組)……藤守アニ
1B……とも、紅花
2B……如月、ジュン
3B……藤守、千春
☆青(C組)……明智
2C……細野、太田
3C……和音
☆赤(D組)……小野瀬
2D……小笠原
3D……空間
体育祭もいよいよ佳境?のスレッド12、スタート!
[削除]
11/24(Sun) 16:12
☆綱引き☆
小春
~最終戦~
時間が長引くにつれて、徐々に選手たちが無言になってゆく。
体力の消耗を最小限にし、そして、集中力を高めるために。
明智三姉妹も、山田の登場以来すっかり黙り込んでしまった。
その張りつめた雰囲気が伝染して、観客たちも、生徒たちも声を押し殺し、息を詰めて見守っている。
息遣いと、滲んで滴り落ちてゆく汗。
係員がちらりと時計を見た。
もうあと数秒この状態が続けば、両チーム全員が一旦手を離し、場所を交代し、仕切り直しとなる。
全員がそれを覚悟し、係員の動きに気をとられた、その時。
穂積
「今だ!!」
とも父
「今や!!」
それまで、じっと黙っていた穂積ととも父が、ほぼ同時に叫んだ。
一瞬速かったのは穂積。
その声に、教員チームが素早く反応した。
渾身の力を込めて、一気に綱を引き寄せる。
グラウンドじゅうの注目が、一本の綱に集中した時。
出遅れた保護者チームが大きく前方によろめくのと時を同じくして、勢い余った教員チームが、後方になだれをうって倒れ込んだ。
[削除]
11/24(Sun) 16:15
綱引き決着!
小春(せつな)
『小野瀬先生~~~!!!
キャーーーーーーー!!!
いやああーーーーーーーーーーん!!
ステキーーーーー!!!
穂積先生ーーー!!』
辺りは女子高生のみならず観客席からも黄色い嬌声が響き渡り、阿鼻叫喚の様相を呈していた。
二人が倒れた所に駆け寄ろうとする女子生徒を抑えようと、篠崎先生と明智先生を中心に救護担当の保健係がバリケードを作っている。
あまりの興奮ぶりに競技が進行できず、周囲は一時騒然となった。
(穂積先生ったら!!
穂積先生ったら!!
穂積先生ったら!!
私の小野瀬先生と密着して、まるで重なるように倒れ込んじゃうなんて!!!
・・・素敵すぎるのは何故?!
いいなぁ・・・
おのせせんせい・・・・クスン
はっっ!!
イケナイ。涎が出てたわ。
ワタクシとしたことが;; フキフキ( ̄ノA ̄)
龍鬼さん&紅花さん
写真!!
ちゃんと撮れてるでしょうね?!
商売させるわけにはいかないわ。
おいしくいただくのは、ワタクシ一人!!
・・・そうじゃなくて。
風紀が乱れては大変なことになるでしょう?
早速、手を打たないと。)
校舎はグラウンドより高い位置にあるので、校舎横のクスノキの木陰に立っていると、グラウンド全体が良く見渡せるのだ。
空間の本日の定位置。
・・・しかし、見渡せるということは、向こうからも丸見えということに本人は気付いていなかった・・・。
ジュン
「あーーーーーっっ!空間センパイ、あんなとこにいた!さっきから、次の3年生徒競走に出る選手の集合かけてるのに」
翼
「なんだか、魂がどこか飛んじゃってるみたいな顔してるよね・・・?大丈夫かな?」
小笠原
「障害物リレーで使ったボール、2,3こぶつけちゃえば元に戻るんじゃない?」
とも
「小笠原先輩、デ●ノートに名前書かれるで?」
[削除]
11/24(Sun) 18:49
色々オイシイ……か?
小春
篠崎
「痛たた……きゃあっ、明智先生!大丈夫ですか?」
明智
「大丈夫、このぐらい平気です」
篠崎
「でも血が!」
後方に倒れた勢いで後ろにひっくり返ってしまった篠崎が顔を上げると、間近に明智の端正な顔があってビックリした。
けれど、すぐに、自分の後頭部と地面の間にある感触に気付いて、青ざめる。
倒れかけた瞬間、明智が、篠崎の頭を守る為に、咄嗟に左手で庇ったのだ。
その為に、明智は不自然な体勢で倒れ、左肩から落ちるような形で、手の甲と肘をしたたかに擦りむいていた。
篠崎
「すぐ、洗って手当てしないと!」
明智
「大丈夫。それより、観客が興奮し過ぎてます」
明智は篠崎を押し返すようにして制すると、立ち上がって、グラウンドに詰め掛けようとしている観客たちを防ぎ始めた。
篠崎もそれに気付いて、急いで後を追った。
穂積
「くっそう……勝負はどうなった?」
ずきずき痛む頭を振りながら身体を起こそうとして、穂積は、自分の身体を包む感触にぎくりとした。
穂積
「小野瀬!」
小野瀬
「……穂積……」
地面に寝そべったまま、小野瀬が頭を押さえている。
その姿に、穂積は、自分が倒れた弾みで、後ろにいた小野瀬と頭がぶつかり、しかも、今の体勢は、小野瀬の身体の上に半ば重なるように乗っかってしまっているのだと気付く。
小野瀬
「……」
穂積
「すまん、小野瀬!大丈夫か?」
膝をついたまま小野瀬の上半身を抱き起こせば、痛みに顔を歪めながら、小野瀬が微笑んでくれた。
小野瀬
「……お互い石頭で良かったな」
笑顔の小野瀬だが、生理的なものなのか、目には涙が浮かんでいる。
思わず、赤く腫れ始めた小野瀬の額に手を当てると、期せずして、周りから悲鳴のような声が上がった。
アニ
『ロバート!重い!重い!!』
ロバート
『あーん、ケイジ、ワタシったらよろめいちゃってごめんなさーい!』
アニ
『いいから早く俺の上から下りろ!そもそも、何故、お前は俺と向かい合って抱きついているのだ?!』
ロバート
『何故なのかしらー?』
アニ
『痛い痛い!ヒゲが痛い!顔を擦り付けるな!』
ポール
『ロバート!抜け駆けはずるいわよ!』
アニ
『ぎゃー!またこのパターンかー!(涙)』
とも父
「小春ちゃんのお姉ちゃんたち、大丈夫かいな?」
明智姉1
「大丈夫、でも、すみません。力及ばず……」
とも父
「構へん構へん。怪我せえへんかったら、それが一番や」
明智姉2
「ともちゃんのお父さん、保護者チームで唯一、一度も交代しなかったんじゃないですか?」
とも父
「そう言うたら、そうかも知れんな。夢中になってしまって、何や恥ずかしいわ」
明智姉3
「恥ずかしいだなんて。とっても素敵です」
とも父
「おおきに。けど、惚れてもろたら困るで。俺はワイフを愛してるねん」
まだ、表情に悔しさの滲んでいる三姉妹のために、とも父はわざとおどけてみせる。
明智姉1、2、3
「まあ、ごちそうさま」
三人の笑顔を確かめて、とも父はふと振り返った。
とも父
「あれ?山田校長がいてへん」
その声で辺りを見回した明智三姉妹が、苦笑いを浮かべた。
明智姉1
「あの人は昔からそうですわ」
明智姉2
「神出鬼没で、とらえどころがなくて」
明智姉3
「でも、そこが好きだったんですけどね」
三人は同じ顔を見合わせて笑い、とも父に向かって、唇に人差し指をあててみせた。
明智姉1、2、3
「みんなには内緒でお願いしますね」
とも父
「了解や」
とも父と明智三姉妹は、笑いあいながら、まだ混乱の続く教員チームを残して、保護者席へと戻って行くのだった。
11/24(Sun) 23:24
わーい♪
とも
綱引き、最後まで目が離せない展開になりましたね~(^-^)
セツ
☆綱引き・終了後☆
観客席に戻ったとも父と明智三姉妹を父兄たちが拍手で迎えるなか、ともたちも労いの言葉をかけにやってきた。
とも
「おとん、お疲れさん」
如月
「最後までいい勝負でしたね」
とも父
「いやぁ、負けたのはさすがに悔しいけど楽しかったわ」
小春
「お姉ちゃんたちもお疲れさま!」
明智姉1・2・3
「ありがとう、小春」
一方、倒れた際に足を挫いたらしい小野瀬は穂積に肩を抱かれて救護席へやってきていた。
穂積
「小野瀬、本当にすまなかったな」
小野瀬
「大丈夫だよ、そんなに大げさにしなくても」
篠崎
「小野瀬くん、足を見せて。…そんなに腫れ上がってはいないけど、念のために冷やしておいた方がいいわね」
クーラーボックスから氷の入った袋を取り出すために立ち上がった篠崎を小野瀬が制した。
小野瀬
「オレはいいから、明智くんの手当てをしてあげて?早くしないとバイ菌が入っちゃうよ?」
穂積
「小野瀬…」
小野瀬
「平気だよ。冷やすのは、後の競技の事を考えて、足首を固定してからにしたいんだ」
今の綱引きで教員が参加する競技はひとまず終わったが、後の競技というのは色別対抗リレーの事を言ってるのだろう。教員チームも参加することになっている。
篠崎
「わかったわ。ムリは禁物よ。だけど足首を固定するならテーピングをするってことよね?包帯を巻くのは慣れてるけど、上手くできるか自信がないわ」
穂積
「それなら得意な奴を知ってるから連れてくる。ちょっと待ってろ」
長い指を顎にあて、考える仕草をしていた穂積は思いあたる人物の元へと向かった。
救護席から出てきた穂積を見ようと観客や生徒らがやってくるが、その人ごみをかきわけながら大声で叫んだ。
穂積
「とも!悪いが来てくれ!」
呼ばれたともは反射的に立ち上がって穂積の元へ急ぐ。
穂積
「とも、野球部のテーピング道具は持ってきてるか?」
とも
「はい、救急箱と一緒に準備してますけど?」
穂積
「それならよかった。小野瀬がさっき足を挫いたみたいなんだ。大したことはなさそうなんだが、頼めるか?」
とも
「そんなんお安い御用ですよ。すぐに持ってきますね」
とも
「これでよし。小野瀬先生、キツいところやゆるいところはないですか?」
小野瀬
「ありがとう、さすが野球部のマネージャーだね、どこもしっかり固定されてるけど動かしやすいよ」
とも
「よかったです。けど、終わったら外して、ちゃんと冷やしてくださいね」
普段から部員のテーピングを行っているともは慣れた様子で処置を施していった。
穂積
「助かったわ、とも。ありがとう」
とも
「どういたしまして。穂積先生も人の心配もいいですけど、自分の手当てしてくださいね?」
顔、擦りむいてますよ?と指差しながら戻っていったともの行く先に心配そうにこちらを見ている翼の姿があった。
ともにいきさつを聞き、ホッとした様子の彼女に、穂積はこっそり手を振ったのだった。
セツナ先輩、小野瀬先生の足触りました、ゴメンナサイm(__)m
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11/25(Mon) 09:21
おはようございます( ̄ー ̄)ノシ
小春
~徒競走3年生、その前に~
綱引き後の混乱をようやくどうにか収拾し、職員たちは本部側に戻ってきた。
生徒たちと保護者たちの座る応援席が並ぶのと反対側、校舎に近い方のトラックの外。
本部テントには、端から救護室、放送席、来賓と理事長・校長の座る応接席、その隣に教職員たちの席、さらに、実行委員や生徒会役員の為の役員席、と並んでいる。
朝からほとんど使う事の無かった日陰に疲労困憊の教員たちが戻ってくるのを見計らって、学園祭後半の実行委員でもあるともと小春が、それぞれ、コップとおしぼり、ドリンクサーバーを提げて教職員にやって来た。
とも
「お疲れ様でしたー!特製ドリンクどうぞ♪」
穂積
「おっ、とも。さすが気が利くな」
一人一人に労いの言葉をかけながらおしぼりを手渡して行くともに、穂積が笑顔を向ける。
とも
「ありがとうございます。滋養があって早く吸収出来るものを、って考えて、小春に作って来てもろたんです」
テーブルではサーバーからコップに注いだドリンクを、小春がお盆に載せていた。
人数分を注ぐと、今度は小春が労いの言葉を添えながら、一人一人にコップを手渡して行く。
小春
「校長先生、どうぞ」
山田
「ありがとう」
綱引きの間に参加者同士が交わした会話は、生徒たちには聞こえていなかったはず。
だが、聞こえていた教員たちからすると、さっきの山田の言葉を思い出さずにはいられない。
小春に笑顔を向ける山田を見ながら、つい、色々な事を考えてしまうのだった。
一方、小春は何も知らないから、いつもと変わらない様子でロバートやポール、アニといった年配の教員から順に、ニコニコしながらドリンクを配っている。
小春
「小野瀬先生、お疲れ様でした。どうぞ」
小野瀬
「ありがとう」
たった一杯の飲み物が配られるのを、こんなに待ち遠しい気持ちで待ったのは初めてかもしれない。
小春
「お怪我は大丈夫ですか?」
小野瀬
「平気平気」
小野瀬は身体中の痛みも忘れて、コップを受け取った。
そして、受け取って一口飲んでしまってから、コップを差し出してくれた時、彼女の手に触れるチャンスを逃したな、とか思ってみたり。
小野瀬
「美味しい」
小春
「良かった!」
隣の穂積にコップを手渡していた小春が、小野瀬に笑顔を見せる。
気を利かせたともが、まだコップが載っているお盆を小春の手からさっと取り、明智や篠崎の方へ向いていった。
ともの気配りは小野瀬としてはちょっと気恥ずかしいが、それでも、自分の前に小春がいる事で、伝えたい事を逃さずに済みそうで。
小春
「大接戦でしたよね。本当に、お疲れ様でした」
穂積
「ありがとう」
小春の労いの言葉に、穂積が先に礼を言い、小野瀬が次に言いやすい雰囲気を作ってくれた。
小野瀬
「小春さんの応援のおかげだよ」
よし言えた!
小野瀬
「部活対抗リレーでも応援してくれるかな?」
小春
「はい、もちろんです」
よし!
ところが。
穂積
「あらあ、小春。ワタシは?」
小野瀬が胸を撫で下ろした途端、穂積がのんびりと言った。
小野瀬
「?!」
ぎょっとする小野瀬に、席から明智が淡々とツッコむ。
明智
「申し訳ありませんが、小春は柔道部を応援するんです」
とも
「穂積先生、野球部は私が応援しますよー」
穂積
「ありがとう、とも。お願いねー」
穂積と明智が差し出して来るコップにお代わりを注ぎながら、小野瀬に向けて小春が笑った。
小春
「私、」
瞬一
「小春たん!徒競走行って来るナリよー」
小春が何か言いかけたその時、折り悪く、徒競走に向かう三年生男子が、本部席の後ろをぞろぞろと通り始めた。
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11/25(Mon) 09:23
おっと。長かったので連投します。
小春
小春
「あ、アンドロメダさん、行ってらっしゃい!」
龍ニ
「小春どのの為に走るでござる」
小春
「ありがとう、パープルドラゴンさん!頑張って!」
生徒A
「小春ちゃーん!俺の事も応援してね!」
生徒B
「小野瀬先生なんか応援しなくていいからさ!」
生徒C
「今度は俺らにも応援頼むぜー!」
小春
「はーい」
驚く事に、ほとんどの男子たちが、小春に声を掛けてゆく。
誰かと思えば、文化祭の時のギャルソン男子たちだ。
生徒D
「ともちゃん、応援よろしくな!今度デートしようぜ!」
生徒E
「1位取ったらパンツ見せてくれるー?」
彼らは、同じように、ともにも声を掛けながら、笑い声と共に入場門へと歩き去っていく。
とも
「みんな転倒すればいいのに」
顔だけは笑顔で見送りながら小声で毒を吐くともに、小野瀬が心の中でひそかに同意していると。
藤守
「よー、小春、とも!お仕事ご苦労さん!」
B組の列から、藤守が手を振ってきた。
小春
「会長!徒競走頑張って下さいね!」
とも
「会長なら1位間違いなしや」
藤守
「ふふん、おおきに。MVP獲る為に頑張るでえ。応援よろしくな!」
とも、小春
「はい!」
和音
「小春さん、ともさーん」
小春
「あっ、和音センパイだー!」
近付いてくる和音に、小春が元気よく手を振る。
和音
「お姉さんもお兄さんも大活躍だったわね」
傍に来て微笑む和音は、ともを見つけると、そちらにも微笑んだ。
和音
「ともさんのお父さんてすごいわね」
とも
「はい!」
和音
「先生方や保護者の方々を見習って、私も一生懸命走るわ。応援してね」
小春、とも
「はい!」
話している和音の後ろを、D組の空間が静かに通る。
顔のあちこちに貼られた絆創膏が痛々しいが、美人の彼女がつけていると、それさえ何かオシャレに見えるから不思議だ。
小春、とも
「空間センパイ!」
空間
「あら、お話の邪魔をしちゃいけないと思ったのに」
空間が足を停め、笑顔を見せた。
空間と和音は普段から仲が良い。
どちらも才色兼備だが、きっと認めあっているのだろう。
とも
「空間センパイ、頑張って下さいね!」
空間
「ありがとう。でも和音さんと一緒の組で走るのよ。私は運動が苦手だし、走る前から最下位決定だわ」
小野瀬
「それはどうかな」
空間
「えっ?」
急に小野瀬の声が割り込んで、空間はビックリした様子で顔を上げた。
穂積
「何事も、最後までやってみなくちゃ分からないわ」
小野瀬
「そうだよ。借り物競走の時の頑張りを思い出して。全力で走りきってみて」
穂積と小野瀬に声を掛けられて放心ぎみの空間の耳に、ともが手を添えて囁いた。
とも
「(小声)ゴールは職員席の前ですから」
空間が、ぴくんと反応した。
離れたともの手を握り、頷く。
空間
「ともさん、ありがとう。私、頑張るわ」
和音と肩を並べて去ってゆく後ろ姿に、ともは大きく頷いた。
紅花
『それではお待たせ致しました、三年生の徒競走です!』
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11/25(Mon) 11:13
三年生入場
ジュン
徒競走のため三年が入場すると、さすが最高学年、あちこちから大きな声援があがる。
もちろん、藤守も例外ではない。
「藤守先輩、頑張って~」
「生徒会長、頑張れ~」
「キャプテン、頑張れ~」
あちこちから声援を受ける藤守に可愛い声の声援が耳に入った。
ジュン
「賢史くん、頑張って!」
空
「けんたん、がんばれー」
ジュンと空の姿を見つけ手を振る。ジュンの笑顔が、自分がジュンを見る目が昨日とは違うことに藤守は少し戸惑っていた。
藤守
(MVPとって、誰かをダンスに誘う必要がなくなったなぁ。でも、MVPは取りたいし。でも、なんや今さらジュンを誘って踊るとか気恥ずかしいなぁ。)
頭の中で自問自答していると同じ三年男子からジュンに声がかかる。
「藤守さ~ん、俺頑張るから見ててね~」
「俺がMVPとったらダンスしてね!」
三年男子から上がった声に藤守はジュンの密かな人気の高さを再確認し、改めてMVP獲得への意欲を高めることとなった。
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11/25(Mon) 21:21
続きはないです(((^^;)
ジュン
最初は三年女子からでしょうか?
楽しみにしておりますm(__)m
11/26(Tue) 07:26
おはようございます(´∇`)ノシ
小春
~徒競走3年生、女子~
紅花
『3年生徒競走、まずは学園の花、女子の100m走です!』
パァン、とピストルの音が響くたびに、わあっという歓声と、応援のアナウンス、そして、ゴールと共に沸き起こる拍手が徒競走を盛り上げる。
特に千春や、ibuのような人気者が登場すれば、なおさら。
それぞれ2位、3位と健闘し、所属する組に得点が加わる。
同じ組の千春に笑顔で声援を送る藤守と、それに応える千春の姿を見ていると、相変わらず胸がもやもやする。
はっきりしないのは、真面目で照れ屋だから。
藤守の性格は分かっているけれど、ジュンの胸のうちは複雑だった。
さっき、3年生の男子たちがジュンに向けて盛んに言っていた、「MVP獲ったら俺と踊ってね!」という言葉。
あの言葉は、そっくり、昨日までの藤守が、辺り構わず撒き散らしていた言葉だ。
あれから藤守とジュンの心に起きた変化を、周りの誰も知らない。
もしも。
もしも、藤守が本当にMVPを獲った時、
「藤守くんの方から『私と踊って』って言ったのよ?」
そう言う女子がいてもおかしくない。
いや、むしろ、懸命にアピールしまくっていた藤守の姿を思い起こせば、現れる女子は一人や二人ではない気がする。
賢史くん、分かっているのかしら。
ジュンは、徒競走の順番を待つ藤守が、周りから掛けられている声の多さを数えながら、そして、彼の周りにいる華やかな女子たちの姿を見ながら、ざわめく胸を押さえるのだった。
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11/26(Tue) 15:59
ぐへー。
清香
自宅の水道が壊れて週末から銭湯通いな清香です。たまにならいいけれど、毎日は疲れますねー。
☆徒競走・3年女子☆
紅花
「3年生徒競走・女子最終組です!」
放送席から紅花がそうアナウンスをすると、観客席からの声援が一段と大きくなる。
そして、同時にゴール前へと移動をした各組代表の教師達の後ろで、応援団も声を張り上げた。
穂積やアニ、明智や小野瀬も自身の組の最終走者を励まそうとするが、鳴り物や応援団の声に阻まれてしまう。
それでも自分達がここに、ゴール前にいるという事が少しでも走る力に繋がれば良いと、精一杯の応援を送った。
その姿を見た最終走者達は、スタートラインでハチマキを巻き直してスタンバイをする。
和音
「うーん、明智先生達の声が聞こえないわね。」
緑組走者
「そうね、せっかく穂積先生が応援して下さってるのに。」
白組走者
「藤守先生は相変わらず何かまくし立ててるわね。なんだか逆にやる気がそげるかも。」
和音
「そんなこと言わないの。ねぇ、セツナさん?」
ため息をつく白組走者にそう言いながら和音が空間へ顔を向けると、空間はじっと前を見据えていた。
空間
「…のせ、……んせ、い………、ま、………すぐ………に……。」
和音
「セツナさん?大丈夫?」
瞬きもせず、うっすら聞こえる程度の声で何やら呟く空間の肩を和音が揺らすと、空間はハッと我に返る。
空間
「…ッ!な、なぁに?和音さん!?」
和音
「い、いや、ボーッとしていたようだったから…。大丈夫?」
空間
「あ、あぁ、ご心配かけてごめんなさい。ちょっと緊張しちゃって……。」
曖昧な笑顔を浮かべながらも大丈夫だと答える空間に和音はそれ以上を問うことは出来なかった。
緑組走者
「あら、セツナさんも緊張されるのね。」
白組走者
「最後って嫌ですものね。」
笑顔を浮かべて話す二人に相槌を打ちながらも、空間の眼は真っ直ぐ前を向いたままだ。
空間
「…最……後。」
この体育祭、そして後夜祭が終われば3年生は本格的に受験モードへと入り、他の学年だけではなく受験科目以外の教員との接触もほぼ皆無となる。
ということは、小野瀬先生の笑顔を間近で見られるのも……これが最後かもしれないのだ。
空間
「………。」
ギュッと握りしめた掌に爪が食い込む。
その痛みすら感じないくらい、胸が痛かった。
空間
「……先…生。」
ゴールの先にいる小野瀬の唇が「頑張れ!」と動いている。
小野瀬の瞳が真っ直ぐに自分を見つめている。
いつもならそれだけで頭が沸騰しそうなくらい恥ずかしくなってしまうのに、不思議と心は凪いだ海のように穏やかだ。
係員
「それでは、位置について!」
目の前の白い線はただの徒競走のスタートラインなのか。
そしてゴールはどこなのか。
あのゴールに辿り着いた時にどんな意味があるのかはまだ分からないけれど、今はただ微かに聞こえる小野瀬の「頑張れ!」を信じようと空間は心に決めたのだった。
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11/26(Tue) 17:18
とも
徒競走は順調に進みますね~(^-^)
3年女子の最後は誰が1位になるんでしょう?←他力本願
清香さん、お家の水道はお風呂だけ壊れたんですか?
銭湯もたまにはいいけど、毎日通うのは夜の貴重な時間をとられてしんどいですよね。早くなおりますように。
[削除]
11/26(Tue) 17:32
頑張れ空間センパイ
小春
この時期に銭湯通いは辛いですね。
清香さん、風邪ぶり返さないでね。
~徒競走3年生、女子~
パァン、と鳴り響いたピストルの音と共に、最終組の4人がスタートした。
真っ先に飛び出したのは和音。
長い足と綺麗なフォームで、ぐんぐんと後続を引き離してゆく。
一方、間に緑と白の選手を挟んで、最後尾をついてゆくのは空間。
運動が苦手な彼女は、それでも懸命に走って走って、とにかくゴールを目指す。
たった100m。
ゴールテープの向こうで、小野瀬が「頑張って」と叫んでいるのが見える。
空間を見つめて、両手を広げて、待っている。
いつも、遠くから見つめるだけの相手が。
きっと、小野瀬があんな風に自分を待ってくれる事は、これが最後かもしれない。
小野瀬先生……!
涙の滲んだ空間の目に、役員席の最前列から、ともと並んで声援を送っている小春の姿が映った。
本来なら、自分の組の先輩を応援するべきなのだろうに、小春は和音と、空間の名前ばかりを呼んでいる。
……バカな子。
さっきだって、担任の穂積や、自分の兄や姉ではなく、約束したからというだけの理由で、小野瀬を応援していた。
……本当に、バカな子。
でも、あのバカ正直さが羨ましい。
小野瀬が小春に惹かれるのも、きっと、あの、バカみたいな真っ直ぐさが愛しいからだ。
でも、と空間は思う。
自分はあんな風にはなれない。
でも。
でも。
でも。
これが最後かもしれないとしたら。
先頭で駆け抜けた和音に続いて、緑と白の走者が、テープを切る。
かなり遅れてゴールに辿り着いた空間が倒れ込みそうになったのを、小野瀬が支えた。
小野瀬
「空間さん、よく頑張ったね!」
空間
「……」
小野瀬
「え?」
空間は潤んだ目で小野瀬を見つめて、掠れた声を振り絞った。
空間
「……私は、ずっと前から……!」
小野瀬の腕を握り絞めた空間は、けれど、小野瀬に見つめ返された途端、急激に我にかえった。
でも、もしも。
正直に打ち明けて。
ずっと前から見ていた事を知られて、小野瀬先生に気持ち悪がられたら?
小野瀬先生が本当に、本気で、自分以外の誰かを好きになったとしたら?
拒まれるだけじゃなく、見つめる事さえ許されなくなるかもしれないとしたら?
空間
「ななな、何でもありません!」
空間は小野瀬に頭を下げて腕からすり抜けると、先ほどの和音を彷彿とさせる高速で、風のように走り去ってしまったのであった。
[削除]
11/26(Tue) 19:04
空間先輩……
ジュン
空間先輩、なんだかけなげです~(;つД`)
きっと小野瀬先生は気持ち悪がったりしないのに~
次は男子ですよね!?
カメラカメラ( ̄▽ ̄= ̄▽ ̄)
賢史くんの勇姿を撮らないとね。
11/27(Wed) 08:07
ねー。
小春
ジュンさんもそう思いますよね。
大丈夫、たぶん、小野瀬先生ストーキングに気付いてるから(笑)
そしてアナタの賢史くんは、身長183cm、おなじみパープルドラゴンと同じ組でよろしく。
[削除]
11/27(Wed) 08:40
おはようございます
とも
いよいよ3年男子ですね。会長とパープルドラゴンさんは同じ組。そしたら彼は別の組で走ってもらいましょうか。
☆徒競走・アンドロメダ☆
次にスタートラインに立ったのはアンドロメダだ。彼の姿が見えるとあちこちの女子生徒から黄色い声援がとぶ。
女子生徒A
「安藤くん、頑張って!」
女子生徒B
「カッコいい~!」
そんな声援には見向きもせず、アンドロメダはゴール前の本部席にいる小春と翼の方を見ていた。
小春・翼
「アンドロメダさん、ファイト~!」
アンドロメダも手を振り返した。
係員
「位置について、用意」
パァン。
スタートこそ出遅れたものの、生まれもった均整のとれた筋力と、普段から映画やアニメで速く、カッコよく走る方法を研究していたかいがあってぐんぐん遅れを取り戻す。
残りわずかの距離で前の二人の先にいる小春と翼を見つけると、更に加速し、追い抜きざまに見事1位でゴールテープをきった。
係員の誘導で1位の列に並ぶと、小春と翼に向かって小さくサクラダモンのポーズをしてみせながら、Vサインを送ったのだった。
[削除]
11/27(Wed) 09:00
きゃっきゃっ♪
小春
ともさんおはようございます。
カッコいい走り方を研究して練習を重ねてきたアンドロメダに笑いました(笑)
小春も翼もきっと、大喜びでポーズ返してますよ!
11/27(Wed) 10:11
最終走者
ジュン
徒競走も順調に進み、いよいよ最終走者の順番になった。藤守とパープルドラゴンが出てくると今までで一番の声援があがる。
「生徒会長、頑張って~」
「村崎くん、頑張れ~」
小春と翼は二人に声援を送る中、ジュンは両手を胸の前で組んで祈るように藤守に声援を送っていた。
ジュンにええとこを見せたい
そう思う藤守だが、ここで一位をとるとMVPに近付く。今さらジュンを誘う気恥ずかしさに気後れしてしまう。もちろん、一位になったからといってMVPをとれると決まっているわけではないが……
龍二
「お互い頑張るでござるよ。」
藤守
「あ、あ……おう。」
龍二に声をかけられ、慌てて返事を返す。自分より少し背の高い龍二。陸上部のキャプテンとして負けられないが、二人三脚で見せた龍二の脚力も軽視できない。
もう一度ジュンを見ると先程と変わらず祈るように声援を送ってくれていた。
藤守
「あんな応援されたら負けれへんな。」
笑顔でジュンに手を降りスタートラインについた。
パァンという音と共に飛び出した藤守だが龍二も素晴らしいスタートを切っていた。二人はほぼ横並びで後続を引き離す。勝負は藤守とパープルドラゴンの一騎討ちとなった。スピードにのっても二人の差は開かずほぼ同時にゴール飛び込んだ。
走り終わり、息を整える二人とざわつく応援席。結果はビデオ判定となった。
紅花
「……ビデオ判定の結果、1着藤守選手、2着村崎選手です。」
紅花の声でそう告げられ藤守はガッツポーズをとり、応援席からは二人に歓声と拍手が送られた。
視線を向ければ泣きそうなジュンの笑顔があった。
はい、賢史くんを勝たせてしまいました(^^;)
パープルドラゴンファンの皆さんすみませんm(__)m
11/27(Wed) 10:39
ビデオ判定(笑)
小春
我々は藤守賢史くんのMVPを応援しています。
☆徒競走~3年生男子終了~☆
小春、翼
「アンドロメダさん、おめでとう!パープルドラゴンさん、お疲れ様!」
瞬一
「二人の応援のおかげで1位になれたでつ」
龍ニ
「残念無念。やはり、忍者走法で走るべきでござった」
走り終えた二人は、翼と小春に労われて満足そう。
残念無念、と口では言うパープルドラゴンでさえ、満面の笑顔だ。
この二人は、もとより、体育祭より文化祭に重きをおいているので、体育祭は参加する事に意義がある。
苦しいダイエットを乗り越え、自在に動くようになった身体が嬉しいので、負けて悔しいとかいう感情とは無縁なようだ。
如月
「ともちゃーん!」
役員席の後ろを、手を振りながら如月が通った。
如月
「今度は2年の棒倒しだよ!応援してよね!」
とも
「あっ、如月先輩!了解です!」
翼
「あの二人も、すっかり仲良しだね」
小春
「うん、お似合いだよね。……えーと、ところで、小笠原先輩はどこかな?」
選手たちの列に目を凝らす翼と小春の耳に、紅花のアナウンスが聞こえてきた。
紅花
『続いては、2年生男子による棒倒しです!』
11/27(Wed) 13:43
壁|д・) ちょっぴりお久しぶりでーす
エミ
☆校舎内・廊下☆
小笠原
「やめろー、離せー!馬鹿ヂカラー!」
黒柳
「はいはい、馬鹿でも阿呆でも結構です。ほら、次は棒倒し!」
小春お手製のヘルシー弁当を食べ終えた小笠原は、理事長室のソファーで長~い休憩時間を過ごしていたもよう。
黒柳は、寝ぐせでハネた髪を手櫛で直してあげながら、気になっていた事を訊いてみた。
黒柳
「ね、小笠原くん。お昼前に寝ていた時、おばさまに何かされなかった?」
おばさまは若い男の子が好きで、超有名実力派演歌歌手の大ファン。たしか、携帯の着信音は『き●しのズ●ドコ節』だったはず。
小笠原
「……別に。ブランケットに潜ってたし」
黒柳
「そう。それならいいけど」
黒柳はホッと胸をなで下ろした。理事長の親族が生徒にイタズラ、なんて大問題だ。
小笠原
「……お見合いなの?アノ人、ずーっと独りで喋ってたよ」
(回想)おばさま
「こちらの爽やかな若者は寿司屋の息子さん。こちらのメガネは検察庁にお勤めで、趣味は宇宙関連。それから、科警研で評判の鑑識技官に、将来、警視総監間違いなしの超エリート警察官。エミさんのお好みはどなたかしら…。それからそれから―――」
ウッキウキで暴走ぎみのおばさまの姿が目に浮かび、目眩がしそうになる。
紅花
『続いては、2年生男子による棒倒しです!』
黒柳
「おっと、その話はいいから。さ、校庭に戻りますよ」
小笠原
「……面倒くさいね」
自分が参加する競技に対してなのか、おばさまが持ち込んだお見合いに対してなのか。
黒柳
「そうね。でも、キミはやればできる子だから大丈夫よ」
小笠原
「……なっ、なにそれ!もう、帰る!離せー!」
なんとか競技開始ギリギリで小笠原を生徒の列に放り込み、本部テントに戻った黒柳は、銭湯で見かける人のように、立ったまま片手を腰にあててミネラルウォーターを一気に飲み干した。
[削除]
11/27(Wed) 13:49
理事長、グッジョブ( ̄▽ ̄)b
小春
あ、おばさま。リアル小春には「将来、警視総監間違いなしの超エリート警察官」をよろしくお願いします。もちろん金髪碧眼でね(∩*´∇`*∩)