『アブナイ☆恋の学園物語』
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11/17(Sun) 06:26
おはようございます。ともちゃんカッコ良かったよ(うっとり)
小春
~ご都合主義インフォメーション~
※修正お願いしますm(__)m
先生方は全員H2を知ってるという事で。
そして、ibuさんは最初二年生で登場してましたね。正式には三年生でお願いします。
てへ。
☆昼食☆
とも
「あ、小春来た!おーい……あれ?」
とも父
「なんや、また知らん男前連れてるやんか。小春ちゃん、なかなかやるなあ」
翼
「誰だろう。紅花ちゃん、知ってる?」
紅花
「ううん。知らない。親戚でもないし、近所の人でもない」
ともたちのチアリーディングを見終え、レジャーシートを敷きながら昼食の到着を待っていた生徒たちが、小春の後から台車を押して来る若い男性を見て、首を傾げる。
小笠原と和音は微妙な表情。
この二人は何となく彼の正体に思い当たる節があるが、二人とも、確証も無く余計な事を口にするタイプではない。
職員たちはH2を知っているが、穂積に口止めされているので、彼が穂積の弟だという事は明らかにしない。
二人は実の兄弟だが、一見、全く似ていない。穂積は金髪碧眼の超美形だが、H2はごく普通の日本人だ。
そのため、黙っていれば、肉親だとは思えない。
穂積にしてみれば、レジャーシートの上の馴染みの面々はともかく、他の人間も多い場所で、弟を好奇の目にさらしたくないのかもしれない。
H2
「こんにちは」
全員の手前で足を止めて、H2が丁寧にお辞儀をした。
「こんにちは」
全員が挨拶を返す。
小春が、両方を引き合わせた。
小春
「先生方、こちら、H2さんです。H2さん、左端から穂積先生、小野瀬先生、私の兄でもある明智先生、それから篠崎先生です」
H2
「お久し振りです」
小春
「あれ?」
笑顔を交わしあうH2と教師たちに、小春はきょとんとする。
明智
「小春、H2さんはここの卒業生だろう?彼が高校生の時、俺たちはここの大学にいたんだよ」
小春
「そうなの?……でも、顔見知りなら、良かった」
明智に説明されて、小春はにっこり笑った。
とも父
「小春ちゃん、こっちも紹介頼むで」
小春
「はい。H2さん、こちらから、和音先輩、小笠原先輩、ともちゃんのお父さん、ともちゃん、如月先輩、紅花ちゃん、翼ちゃんです」
H2
「よろしくお願いします」
小春
「あのね、みんな。H2さんは、『10分間でロミオとジュリエット』の作者さんなんだよ」
全員
「……」
小春
「あの脚本を使おうって言い出したのが私だと知って、それで、挨拶に来てくれたの」
とも父を除く全員が沈黙したのは、先ほどの小春同様、自分たちが、『10分間でロミオとジュリエット』の脚本をどう扱ったかを思い出したからで。
次の瞬間、全員が一斉に、H2に向かって頭を下げた。
全員
「すみませんでしたぁっ!」
H2
「あ、いえあの、いいんですよ……」
H2は再び説明をし、全員が改めて謝罪をし。
和解が済むと、H2も交えて、大人数での昼食会が始まったのだった。
紅花
「H2さんって、変わったお名前ですね。まあ、小春ちゃんのお友達だから驚かないけど」
翼
「アンドロメダさんやパープルドラゴンさんもいるもんね」
とも
「ペンネーム言うてはったけど、元はイニシャルやろか」
とも父
「とも、人間は名前やない。余計な詮索はせんでええ」
如月
「(ともちゃんのお父さん、カッコイイなあ)」
H2
「……恐れ入ります」
H2は別に素性を隠さなくてもいいと思っていたのだが、兄の穂積が隣で静かに笑っているだけなので、あえて本名を名乗らない事にした。
その間にも明智と小春、篠崎が、お弁当を配ったりお茶を注いだりして食事の準備を整える。
そして全員に行き渡ると、明智が「頂きます」と音頭をとった。
それに続けて、全員が「頂きます」と声を揃えた。
和気あいあいと皆が食べ始めたところで、和音は龍鬼の所へ行くからと弁当を持って席を立ち、代わりにジョーがやって来た。
先ほど、ともや和音と一緒に見事なチアを披露したジョーを、全員が拍手で迎える。
小春
「ジョーさん、ロバート先生たちは?」
ジョーは、紅花と翼の間に座り、小春に料理を勧められて、ご満悦。
ジョー
『藤守ファミリーの席に加わってるわよ。私は、女の子の数が多いからこっちに来たの』
全員の視線が藤守たちの席に向けられる。
そこではロバートとポールがアニに抱きつき、ジュンの母が楽しそうに笑い、藤守とジュンが、空を挟んで赤い顔をしていた。
翼
「何だか楽しそう」
紅花
「だね」
一方で、教師たちとH2はこそこそ話している。
H2
「(小声)兄さん、突然ごめん。お昼をごちそうになったら帰るから」
篠崎
「(小声)あら、遠慮しないで最後まで見て行けばいいのに」
明智
「(小声)そうだぞ。お兄さんとも久し振りに会ったんじゃないか?」
H2
「(小声)ありがとうございます。でも、飛行機の時間があるので」
穂積
「(小声)……そうか。まあ、どうせまた近々来るんだろ?その時は、俺のところにゆっくり泊まるつもりで来い」
H2
「(小声)ありがとう……って、あれ?どうして、また近々来るつもりだって知ってるの?」
小野瀬
「げほげほげほ!」
突然、小野瀬が噎せたのに驚いて、小春がすっ飛んできた。
小春
「小野瀬先生、大丈夫ですか?すみません、酢飯のお酢がきつかったですか?」
心配そうに背中をさする小春に、小野瀬はさらに噎せながらも、大丈夫だとアピールする。
小春がおろおろしながらタオルや麦茶を差し出すのに礼を言いながら、小野瀬は息を整えていった。
小野瀬
「大丈夫、もう大丈夫。ごめんね」
小春
「本当にすみません。何が悪かったのかな……」
小野瀬
「大丈夫、どれもこれも美味しいよ。本当に。小春さんの作ってくれた物は、何でも美味しい」
小野瀬が微笑むと、小春も笑った。
小春
「良かった」
H2
「……」
小野瀬
「……」
二人の視線が一瞬だけ火花を散らしたのを、穂積たちは見逃さなかった。
篠崎
「ご、午後からはPTA競技や、二年生の棒倒しもあるのよね?」
篠崎が気を利かせて、話題を逸らした。
[削除]
11/17(Sun) 20:26
☆昼食・明智グループ☆
小春
明智
「たしか、午後最初の競技は綱引きでしたね」
篠崎の言葉に、明智が応える。
とも父
「おう、そうやそうや。腕が鳴るなあ」
察しの良いとも父は、篠崎が、小野瀬とH2の気を逸らしたいのだとすぐに気付いてくれたようで。
とも父
「先生方のチームには、ロバートもポールもおるしな。手強いけど、娘の前では負けられへんわ」
篠崎が、うんうんと頷く。
篠崎
「でも、私たちだって負けませんよ。生徒が見てますから。ねえ、小野瀬先生?」
小野瀬
「えっ?……あ、ええ、もちろんですよ」
『生徒が見てますから』というところに力を込めた篠崎の狙いは、小野瀬に届いた。
篠崎は言外に『H2との鞘当てを生徒に気付かれないように』と小野瀬に伝えたかったのだ。
小野瀬は篠崎からのメッセージを受け取ると、何事も無かったようにH2から視線を外し、生徒たちに、いつもの笑顔を向けた。
小野瀬
「頑張るから、応援してくれる?」
翼と小春が、手を挙げて、はーい、と応える。
紅花
「私は実況ですから、中立で」
とも
「そしたら、私はおとんの応援せなあかんなあ」
如月
「じゃあ、俺も、今回はPTAを応援します!」
ジョー
「私は両方応援するわよ!」
ちゃっかりしているジョーの発言に、一同が、どっと笑った。
明智
「じゃあ、その為にも、たくさん食べてしっかり腹ごしらえしないとな」
明智の声で、再び、みんなの箸が活発に動き始める。
小春
「翼ちゃんのお母さんの玉子焼き、味見させて」
翼
「今日のは塩味だよ」
紅花
「あ、私、『突撃!隣のお弁当』撮りに行かなきゃ」
やっと場の雰囲気がほぐれて、篠崎はほっと胸を撫で下ろすのだった。
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11/18(Mon) 08:43
おはようございます
とも
小春さんをめぐってバトル勃発しますか?!
ちょっとワクワク♪←
あー、お弁当美味しいわ~♪ヽ(´▽`)/
とも
「うわ、この唐揚げめちゃ美味しい!私、これ大好きやねん!小春、今度作り方教えてくれへん?」
小春
「ありがとう。いつでも教えてあげるよ」
翼
「小春ちゃん、私もお願い」
小春
「もちろん!」
ともがいる学園寮は食事は食堂を利用することもできるが、基本的に自炊である。そのため自分で料理をしなければならないともは、小春が作ってくれたおかずの味付けやレシピを覚えるのに必死だ。
そんな1年生3人を見て、とも父はニコニコしながら如月に話しかけた。
とも父
「あの3人はホンマ仲がええなぁ。ともも地元を離れて、1人で寂しがってるんかなて思っとったけど、いらん心配やったな」
如月
「ははっ、ともちゃんなら大丈夫ですよ。お父さんみたいに誰とでも仲良くできちゃいますし」
とも父
「ま、如月くんもみたいなええ先輩もおるしな。とものこと、よろしゅう頼んどくわ」
とも父は真顔で如月に頭を下げた。その意味がわからないわけではない如月も、ともを見つめたあと、真剣な面持ちでとも父に頭をさげたのだった。
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11/18(Mon) 09:37
おはようございます(´∇`)ノシ
小春
ともちゃんもめでたくお父さん公認じゃないですかー。
みんな続々カップル成立ですわね。
基本的にH2は温厚なので、三角関係になるなら、それぞれ明智先生とだったりして(笑)
「うちの小春は、まだ誰にもやらん!」って抱き締められたいわ(妄想)
あ、それどころか、小春本人がまだ誰にも恋心を自覚してないΣ(´□`;)
おかげさまでモテモテなのに、残念な子orz
果たして、午後の競技で、まだ未成立のカップルに進展はあるのか?!
激動のノープラン!
みんなよろしく!
とう!←あっ
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11/18(Mon) 11:02
突撃!隣のお弁当・藤守家
ジュン
ロバート
『このお漬け物美味しいわ。』
ポール
『本当。これが有名な京都の千枚漬けなのね。』
ベアーズの参加により益々賑やかな藤守家に紅花がやってきた。
紅花
「どうも。隣のお弁当のコーナーです。こちらは藤守先生一家がいらっしゃいます。早速、お弁当を拝見しましょう。藤守先生、お弁当のお勧めは何ですか?」
アニ
「『おい、二人とも離れろ!』ご、ごほん、何といっても藤守家のお弁当と言えばだし巻き玉子だ!」
ベアーズを引き剥がし、アニが高らかに宣言する。
藤守
「まるで、兄貴が作ったみたいに言うなや。」
突っ込みを忘れないのもさすがに藤守家である。
紅花
「だし巻きですか?汁が出ちゃいそうですけど?」
ジュン母
「出し汁を入れすぎんようにして、きちんとキッチンペーパーに吸わせてからいれるから大丈夫なんよ。」
紅花の疑問にジュン母がニコニコと答える。
紅花
「なるほど~。会長のお勧めはありますか?」
藤守
「やっぱり、このおにぎりやな!」
アニ
「お前が握ったみたいに言うな!」
やはり突っ込みは忘れない藤守家。
ジュン
「しそとカリカリ梅を細かくしたのをひじきと和えて、それをご飯に混ぜて握るの。しその香りがいい感じだから良かったら食べてみて?」
ジュンは説明をすると紅花におにぎりを差し出した。
紅花
「では、一口。……ん~、しそのいい香りが食欲をそそりますね~。」
グルメリポーターのように紅花はおにぎりの感想を述べる。
紅花
「会長はこの後、徒競走に応援合戦に騎馬戦、部活対抗と盛り沢山ですが、このお弁当で頑張れそうですね。」
藤守
「おう!MVP目指して頑張るでぇ。」
紅花
「ありがとうございました。隣のお弁当・藤守家でした。次はあなたのお弁当を拝見にいきますよ~」
ということで、お弁当コーナーです(((^^;)
11/18(Mon) 15:49
振替休日ですよ、まったく。
清香
忙し過ぎてまったく絡めず、悔しいです(ザブングル風)
そして小春さん、本命登場おめでとうございます。ですが、あなたのお兄さんは自分のプライベートが充実し始めたら、きっと妹の恋路をも許してしまいそうな気がします。←
では、午後の競技を始めまーす。
☆綱引き☆
昼休憩の終わりを告げる吹奏楽部の演奏の後、放送が流れる。
『続きまして、PTAと教職員による綱引きを行います。ご参加いただけるPTAの方は、入場門へお集まり下さいませ。先生方も、よろしくお願いします。』
食事を終え、片付け始めていた所でアナウンスがかかったしまった。
明智
「しまった、もうそんな時間か。」
篠崎
「早く片付けちゃいましょう。」
穂積・小野瀬・明智はもちろん、篠崎やとも父も参加をするために移動をしなくてはならないのだが。
小春
「大丈夫ですよ、またお兄ちゃんの車に運んでおきますから。」
小野瀬
「でも…。」
重さはかなり減ったものの、ゴミも含まれている荷物の量は一人で運ぶには如何せん多い。
遅れても構わないから手伝おうと小野瀬が口を挟もうとした、その時。
H2
「ご馳走になったんですから、僕がお手伝いしますよ。運んで来たのですから場所も分かっていますし。」
小春
「いいんですか?」
H2
「もちろんです。これくらいさせて下さい。」
二人の間で会話が成立してしまった。小野瀬も何かを言おうとするが、
H2
「では、先生方もお父さんも頑張って下さいね。僕はこれを片付けたら失礼しますので。」
にこやかに言葉だけで背中を押されてしまえば、行くしかない。
言葉の代わりに奥歯を噛みながら、それでも持ち前の笑顔を崩さずに小野瀬も軽やかに手を振った。
小野瀬
「…そう、またね。H2さん。」
H2
「はい、またお会いできる日を楽しみしています。」
片手をあげ、入場門へ向かう小野瀬の背中に『頑張って下さーい!』と1年生達の無邪気な声援が送られる。
その声の中から小春の声だけを拾いあげ、小野瀬はもう一度奥歯を噛み締めた。
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11/18(Mon) 15:51
どうも(笑)(*^^*)
くちびる
紅花がヨ●スケ..彦●呂(^_^ゞみたいになってる(笑)
さすが藤守兄弟はツッコミを忘れないですわね♪(゜o゜)\(-_-)
紅花はマルチタレントでも目指そうかしら?(笑)(*^^*)
ではまたのちほ~(笑)
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11/18(Mon) 16:56
ごめんなさ~い!
ジュン
紅花を彦〇呂みたいにしてごめんなさい~m(__)m
だってグルメリポーターって他に思い付かなかったんだもん(←開き直り……)
綱引きはうちの空は出ちゃ駄目なのかしら?(*≧∀≦*)
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11/18(Mon) 17:07
とも
どさくさに紛れて如月先輩はとも父から公認してもらいましたが…お互いまだ告ってへんかった!Σ( ̄□ ̄;)
ジュンさんとこの空くん、綱引きに是非とも参加させてあげてください(^-^)
1番前でぶら下がったり、キャッキャ言うて相手の戦意を喪失させちゃうとか(笑)
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11/18(Mon) 17:41
いやーん(///▽///)♪
小春
清香さんありがとうございます。
「あなたのお兄さん」と言われて、穂積先生と明智先生を並べて思い浮かべてしまってニヤニヤが止まりません。
そして、小野瀬先生に嫉妬してもらうのがこんなに気持ちいいなんてどうしよう!o(>▽<*)(*>▽<)o←バカ
いやー、長々待った甲斐があったというものですわ・゜・(つ▽`)・゜・
しかし。
浮かれているのはリアル小春だけ!
リア充になってしまった明智は、本当に、小春の相手がたとえ小野瀬でも許してしまえるのか?
桜田門学園みんなのオモチャ、小春の恋の行方はどこへ転がってゆくのか?
さあ午後の競技が始まるよ!
紅花ちゃん、リポートよろしくです!
ジュンさん、綱引きは大人たちのマジ競技です(笑)空くんにはアブナイかもですよ!様子を見てから参加させてね♪
ともさん、そろそろ如月さんとも新展開ですかね。楽しみ(∩´∇`)
☆駐車場☆
小春
「ありがとうございました。片付けまで手伝って頂いて、すみませんでした」
荷物を積み終えた明智の車のドアを閉めてから、小春が深々と頭を下げた。
H2
「こちらこそ、思いがけずご馳走になってしまって。それに、皆さんにも紹介して頂けたし、嬉しかったです」
小春
「先生方とお知り合いだとは気が付きませんでした」
H2
「あの場にはいらっしゃいませんでしたが、藤守先輩にも可愛がって頂きましたよ。もし後でお会いする事があったら、よろしくお伝え下さいますか?」
小春
「はい」
小春が頷くと、H2は腕時計を確かめた。
H2
「炊き込みご飯のおにぎりも、唐揚げも焼き魚も和え物も、野菜の煮物もみんな美味しかった。あんな手料理はご馳走出来ませんが、僕の知ってる一番美味しい店にご招待します。ですから」
H2は、頬を染めて小春を見つめた。
H2
「お電話、待ってます」
その声に、眼差しに、小春は彼の誠意と、どこか懐かしさをも感じる。
小春
「はい」
H2がにこりと笑ってくれると、何故か自分も嬉しくなる。
また会いたい、と思った。
その時、タクシーが入って来た。
H2が手を挙げて合図をすると、ハザードを点けて、子犬のようにそろそろと近付いてくる。
H2
「楽しみに待ってます。では、帰りの飛行機の時間が迫ってますので、これで失礼します」
飛行機。
さっきもそう言ったっけ。
小春
「……あの、H2さんは、飛行機でどちらにお帰りになるんですか?」
運転手に挨拶してタクシーに乗り込んだH2は、窓越しに、小春に笑顔を向けた。
H2
「ロサンゼルスです」
小春
「ロ」
絶句する小春をよそに、タクシーが発進した。
H2が窓を開け、振り返って顔を出し、子供のように手を振る。
H2
「小春さん、待ってますからね!」
遠ざかってゆくH2の、風になびくさらさらの髪と笑顔を見送りながら、小春はしばらく、呆然としていた。
11/18(Mon) 20:39
~☆ご都合主義インフォメーション☆~
小春
藤守アニ先生は当初「この学校の卒業生ではない」という設定でしたが、サクラダモンのエピソードで、「かつてシルバーだった」事が判明しています。
そのため、桜田門学園のOBだという設定を採用します。
学年は山田校長と同級生で穂積たちの1年上になります。
H2は穂積の5歳下に設定しました。
藤守アニは兄と違って従順な穂積弟を可愛がっていたと思われます(笑)
てな感じでよろしくですー。m(__)m
[削除]
11/19(Tue) 08:45
おはようございます
とも
昨日は寝落ち。
☆観客席☆
昼食の片付けを終えてトラックに目を向けると、中央に太く長い綱が横たわっていた。
翼
「今年はどっちが勝つかな~?」
とも
「う~ん、いつもの年は大抵PTA側が勝つって言ってたけどなぁ、今年はNYベアーズが先生チームにおるし、人数的にもバランスええから結構面白い勝負になるんとちゃう?」
あれこれ話していると、近くでジュンの弟の空がぐずっているのが見えた。
とも
「ジュン先輩、空くんどうしたんですか?」
ジュン
「あ、ともちゃん、空がね、自分も綱引きに出たいってきかなくって…」
藤守
「空、あれはお前には危ないからこっちで応援しとこ、な?よっしゃ、けんたんが肩車したるから!」
空
「やだー!」
翼
「困ったね…」
とも
「あ!そや、ちょっと待ってて!」
思いついたともが何かをとりに自席にいった。
そして、ジュンたちの元へ戻ってきたその手には。
空
「うわぁ、おっきいポンポン!」
先ほどのチアリーディングショーで使ったポンポンを持ってきたのだった。
とも
「空くん、コレ貸してあげるから、お姉ちゃんたちと『みんながんばれー』って応援せーへん?」
空
「わかった!」
自分の体がほとんど隠れてしまいそうなポンポンを持ち、張り切る空を見て皆が笑う。
ジュン
「ともちゃん、ありがとう」
とも
「いえいえ。ついでにジュン先輩にもチアのユニフォーム貸してあげましょか?」
ジュン
「え?私?」
藤守
「なっ、アカンアカン!そんなん着んでええから!」
如月
「何で藤守先輩がダメって言うんですか~?あっ、ちょっと想像しちゃったんだ?」
とも
「そんなん冗談やのに~」
如月・とも
「ねー」
藤守
「冗談なんかい!」
空の機嫌が直ったところで放送がかかった。
『それでは綱引きの選手、入場です!』
[削除]
11/19(Tue) 15:46
ともさん、了解です(^-^ゞ
小春
☆綱引き~穂積~☆
自分に向けられるたくさんの応援の中から、気になる相手の声だけを拾い上げたのは、小野瀬一人ではなかった。
翼
「先生、頑張って下さい!」
思わず振り返って手を振ってやりたくなってしまうが、とりあえずその声には背を向けたまま。
まずは前方の一年生の応援席からだ。
穂積が手を振れば、誰もかれも笑顔で応えてくれる。
それなのに、そちら側にはいない、たった一人の少女の笑顔が欲しいと思ってしまうのが、我ながら欲深い。
小野瀬に偉そうな事は言えないな。
そう思いながら、穂積は振り返って、役員席の最前列で、とも達と並んで手を振ってくれている翼に手を振り返した。
翼
「穂積先生、頑張って下さい!」
緩みかけて引き締めた顔を、小野瀬に見つかってしまった。
小野瀬は赤くなる穂積を冷やかすように笑ってから、目線を移した。
さっきから、小野瀬は、H2と小春の行方が気になって仕方ないのか、二人が向かった駐車場の方ばかり見ている。
穂積としては不器用な弟の恋の応援もしてやりたいが、恋に不器用な点では、実は、小野瀬もかなりなものだ。
相手から想いを寄せられる事はたくさんあって、それを上手にかわす術には長けているが、いざ、誰かを好きになってしまうと、どうすればいいのか分からない。
そのうちに自分の中でどうにか折り合いをつけて、無かった事にしてしまう。
小野瀬の恋はいつもそんな感じだった。
小春が空間のように、一途に小野瀬を想ってくれれば話は早い。
空間が小春のように、素直に小野瀬に接してくれればなお早い。
もちろん、小野瀬が自分に正直になるのが一番の解決法なのだが。
……俺も、人の心配をしてる場合じゃないけどな。
翼を目の端にとらえながら、穂積はひとり、自嘲ぎみに笑うのだった。
[削除]
11/19(Tue) 16:20
おっと。
清香
微妙だけど、大丈夫そうかな?
そして小春さんはいつかロサンゼルスに行ってしまうんでしょうか?英語が苦手なのに!←
『相手が誰であろうと、とりあえず文通からだな。』(明智)
古風なお兄様からの伝言でした。
☆綱引き☆
アナウンスと共に、教員チームと保護者チームが一列になって入場をした。
それだけで生徒の席から一斉に歓声が上がる。
『がんばってー!!!』
『小野瀬せんせーい!!』
『お父さーん!!』
『穂積せんせーい!!!』
皆の声に答えるよう、にこやかに手を振りながら教員チームの先頭を歩くのはロバートで。
ロバート
『頑張るわよ!ケイジ!』
アニ
『分かったから、そうはしゃぐな!』
後ろに並ぶ藤守アニに声をかけながらずんずんと進んでいく。
その後を穂積・小野瀬・明智・篠崎・ジョーが続き、何人かの教員を挟んで最後尾を任されたのはポールだ。
これは背の高さ・体重・力の有無を鑑みた、穂積と明智の判断だった。
対して、保護者チームの先頭を歩くのはとも父。
昨日・今日と来校して顔馴染みになった父兄達一人一人に声をかけながら士気を高めている。
さっきまで朗らかに話しをしていた人だとは思えないくらい真剣な表情に、応援をするともや如月の声にも力が入るのだが。
とも
「おとん、完全に自分の世界に入ってるわ…。」
如月
「ともちゃんのお父さん、 すごい気迫だね。」
とも
「怪我せんかったらええんやけど。」
そんな心配をよそに、グラウンドの中心へと辿り着いたとも父は綱の先にいるロバートへ挑戦的な視線を投げかける。
とも父
『さっきはさっき、コレはコレやからな?』
ロバート
『ダディこそ、思いっきり引っ張って私の胸にダイブさせてア・ゲ・ル♪』
ニヤリと口の端に笑みを浮かべながら二人が握手をすると、全員が一斉に臨戦態勢へと入った。
係員の生徒が綱の中心を確認し、足で固定すると、グラウンドを取り巻く空気が一気に引き締まる。
係員
「それでは…、レディ・ゴー!!」
大きく発せられた開始の合図に、両チームが己の手にありったけの力を込めた。
[削除]
11/20(Wed) 01:10
☆綱引き☆
小春
お兄ちゃん、小春、H2さんの住所聞いてないよ(涙)
~☆綱引き、一回目☆~
グラウンドから聞こえてきたピストルの音と歓声に、ぼんやりしていた小春はハッとして走り出した。
始まっちゃった。
小野瀬
「頑張るから、応援してくれる?」
翼、小春
「はーい!」
応援するって約束したのに。
急いでグラウンドに駆け戻ると、綱引きはすでに一進一退。
いや、心なしか教員チームがじりじりと引かれているような。
元気いっぱいの保護者たちに比べ、朝から会場の設営や障害物リレー、借り物競走に生徒たちの応援と、休みなく働いてくれている教員たちに疲れが見えるのも当然で。
それでも、やるからには全力でやるのが桜田門学園の教員たちだ。
懸命に綱を引く教員たちの真剣な表情に、胸が痛くなる。
グラウンドに到着した小春は、ともや翼のいる場所まで一気に走り、そこから、皆に混じって大きな声を出した。
小春
「穂積先生、お兄ちゃん、しっかり!」
翼
「小春ちゃん」
小春
「小野瀬先生!頑張ってえっ!」
けれど小春の願いに反して、まさにその瞬間、教員チームは大きく揺さぶられた。
11/20(Wed) 08:40
これも作戦
とも
☆綱引き・一回戦の勝負が決まるその少し前☆
一進一退の攻防の中、チームの一番前で綱を引いていたとも父とロバートの間でこんなやりとりがあった。
とも父
『ロバート、そろそろ限界とちゃうか?』
ロバート
『答えはノーよ、ダディ!ケイジと頑張るって言ったんだから!ダディこそホントはもうムリなんでしょ?』
とも父
『あほ言え、オレかてまだまだや。しゃあないな、こんな手を使うのは邪道やけど…これも勝負に勝つためや』
とも父の真剣な顔に見とれながらも必死で綱を引くロバートに、とも父はいつものニコニコ顔でロバートに話しかけた。
とも父
『そういやロバートはNYにおるんやったな。オレも仕事でしょっちゅう行ってんねんで』
ロバート
『そうだったの?ダディみたいなイケメンならすぐに見つけられそうなのに』
とも父
『でな、向こうにも友達はぎょうさんおるんやけど、よかったら2人に紹介したろうと思うんやけど、どうや?』
アニ
『おい、ロバート、何を話してるんだ?!ちゃんと綱を引け!』
とも父
『そやな~、リチャードあたりがええかな?』
ロバート
『なんですって?!ダディは彼と知り合いなの?!』
とも父の誘惑にまんまとハマったロバートは彼の言葉に綱を持つ手を緩めてしまった。
とも父
『よし、この勝負もらった!』
[削除]
11/20(Wed) 17:01
と、みせかけて……
ジュン
アニ
『力を緩めるなロバート!』
アニの一言でロバートは再び力を入れて引き、何とか踏みとどまったが敗北ラインはすぐそこである。
ロバート
『ごめんなさ~い!どうしましょう!?』
責任を感じるロバートに
アニ
『諦めるな!これに勝てたら賢史がハグしてやる!』
ロバート
『まぁ!本当はケイジがいいけれど、ケンジもイケメンよね!』
そう言ったと同時にロバートの腕の筋肉が更に大きくなり、父兄側が引きずられる。
藤守
「こら~!兄貴!俺を巻き込むな~!」
英語がわからない藤守はジュンの通訳を聞いてワンテンポ遅れて突っ込みを入れた。
アニ
「うるさいわ!我々が負ければ生徒に示しがつかん!!」
アニの作戦勝ちか一回戦は教員チームに軍配が上がった。
[削除]
11/21(Thu) 07:57
藤守賢史(高3)の英語力が心配(笑)
小春
☆綱引き~1回戦終了後~☆
とも父
「みんな、大丈夫やったか?」
保護者A
「痛たたた……」
保護者B
「いい勝負だと思ったのにな……」
1回戦目が終わり、負けてしまった父兄たちからは、目に見えてやる気が減退していた。
思いがけない教員たちの粘りにあい、普段運動不足のお父さんたちはすでに息が乱れている。
しかも、早くも腕や腰の痛みを訴える参加者続出だ。
途中交代自由なのを良いことに、とも父や他のメンバーに謝りながら戦線離脱したり、あるいはいつの間にかいなくなっていたりして、保護者チームはたちまち人数不足に陥ってしまった。
とも父
「誰か、参加してくれませんか?!」
だが、すぐに応える声はない。
とも父が、ぎりりと歯を食い縛った。
とも父
「……なんの、疲れてるのは相手も同じや。残ったメンバーだけでも戦うたる!」
その時!
???
「ちょおっと待ったあ!」
真上から照りつける太陽の光を浴びて、人垣から歩み出た三つの影。
聞き覚えのある声とともに、現れたその姿を見定めた教員たちに、戦慄が走った。
真っ先に反応したのは、味方を迎えた保護者チームではなく、教員チームの明智、そして、応援席の小春。
特に明智の動揺は尋常ではない。
明智
「お前ら……!」
思わずよろめき、篠崎に支えられる明智。
そう。
現れたのは、世田谷のゴーゴン三姉妹こと、明智と小春の、三人の姉たちだった。
長女(亜衣)、次女(真衣)、三女(未衣)
「私たちが保護者チームに加わるわ!」
とも父
「おお!」
美しい笑顔で綱に近付いてくる助っ人三人の姿に、とも父が歓喜の声を上げた。
穂積
「……まずいな」
穂積が舌打ちをする。
明智
「ご丁寧にジャージ着てスニーカー履いて来やがって……」
篠崎
「明智くん、気を確かに」
明らかに明智のモチベーションが下がっている。
しかも、
ジョー
『WOW!マーサとコハルのお姉さまたちじゃない!今日もおキレイね!』
ジョーのモチベーションもおかしい。
これはヤバイかな、穂積がそう思った時。
小春
「お姉ちゃーーーん!」
応援席から、小春の声が響いた。
明智姉1、2、3
「あ、小春ー!お姉ちゃんたち、頑張るわよー!」
手を振る姉たち。
小春はそれに手を振り返してから、けれど、すぐに続けて叫んだ。
小春
「うん、頑張って!……でも、ごめんね!私、今は、先生たちのチームを応援する!」
小春からの意外な言葉に、姉たちに動揺が走る。
明智姉1
「えっ、どうして?!」
明智姉2
「せっかく来たのに!」
明智姉3
「小春ー?!」
小春
「だって!」
小春が声を振り絞った。
小春
「小野瀬先生と約束したんだもん!」
やり取りを聞いていた人々から、グラウンドの注目が一斉に小野瀬に集まる。
穂積も明智も振り返る。
そこでは小野瀬が、見た事の無い表情で立っていた。
係員
『双方、準備して下さい!では、綱引き二回戦、開始!』
[削除]
11/21(Thu) 08:48
おはようございます
とも
あーあ、おとんが姑息な手を使うから負けてしもた
( ̄□ ̄;)
小春の口から自分の名前が呼ばれた。
俺との約束。
小野瀬
『頑張るから、応援してくれる?』
小春
『はーい!』
軽い挨拶みたいな約束を、守って応援しようとしてくれている。
それだけで、今までに味わったことのない、心が満たされていくような、そんな気持ちになった。
穂積
「小野瀬、次が始まるぞ。早く準備しろ」
前から穂積が小野瀬に声をかけた。
穂積
「約束したんだから、さっきよりも頑張ってもらわないとな」
ニヤリと笑う穂積に小野瀬も言葉を返す。
小野瀬
「もちろんだよ、応援に負けないくらいにね」
[削除]
11/22(Fri) 08:49
姑息な作戦第2弾。
小春
☆綱引き~2回戦~☆
係員
「……レディ・ゴー!」
教員チーム
「せえのっ!」
保護者チーム
「わあっ?!」
2回戦は、瞬時に決着した。
開始の合図と共に一気に全力で綱を引いた、教員チームが圧勝したのだ。
応援していた生徒たちは大喜び。
飛び上がって喜んでいる翼と小春に向かって、穂積と小野瀬は、揃って小さくガッツポーズを見せた。
おさまらないのは保護者チーム。
教員チームと綱の位置を入れ替わる為に歩きながら、反省会、いや、対策会議だ。
とも父
「今のは完全にタイミングが遅れてしもたな」
明智姉1
「チームワークの差が出てしまいましたね」
明智姉2
「先に3勝した方が勝ち、でしたわよね?」
とも父
「そうや」
そんな話をしていると、どこからか、三女の未衣が戻ってきた。
明智姉1
「未衣ちゃん、スカウトして来られた?」
明智姉3
「うふん、任せて。この3回戦を乗り切れば、4回戦からは助っ人倍増よ」
見れば、保護者席では何人もの父兄が立ち上がって、準備運動に余念がない。
明智姉2
「さすが未衣ちゃん」
とも父
「べっぴんさんに頼まれたら断れんか。なるほどなあ。けど、まずは3回戦目に勝たな、もう後が無いで」
唸るとも父に、今度は、次女の真衣が微笑んだ。
明智姉2
「秘密兵器を出すしかないですわね」
とも父
「秘密兵器?」
その言葉に閃いたとも父と、明智三姉妹の視線の先には、ジュンと一緒にポンポンを振っていた、空の姿。
明智姉1
「空くん、綱引きやりたいー?」
空
「やりたいー!」
ポンポンを放り投げて、空が走って来た。
11/22(Fri) 15:55
最強の明智3姉妹。
清香
お手柔らかにお願いします。(ぺこり)
☆綱引き☆
『あぁっ!』
先頭のロバートの後ろで藤守アニが悲痛な叫びをあげた。
アニ
「空!危ないから戻れ!」
空
「ヤダ!ぼく、おとこのこだからきんにくあるもん!だいじょうぶ!」
そう言いながら腕まくりをしてみせた空に、見守る生徒達から拍手が沸き起こる。
それに応えるよう空が綱の先頭、とも父の前でギュッと綱をつかんでしまえばアニには追い返す事など出来ない。
大勢を味方につけた保護者チームは、『早くやろう』と中心に立つ係員を急かす。
係員
「では、レディ・ゴー!」
パンッと鳴ったピストルの音に一瞬怯むものの、空は懸命に綱にしがみついた。
ぷらーんと浮いた足をバタバタさせながらも、『がんばれー!』『ゔーん!』と声をあげる姿の可愛らしさについロバートとアニの手が緩んでしまう。
穂積
「馬鹿っ、手を緩めるな!」
一度力の均衡が崩れてしまうと立て直すのは難しいない。
小野瀬
「くそっ。穂積、ここは素直に負けよう。」
穂積
「だな。緩めるぞ。」
無理に足掻いて余計な体力を使うより、一旦リセットして立て直すほうが得策だと踏んだ小野瀬に頷き、穂積も力を徐々に抜いた。
中心にいる空に怪我をさせないようゆっくり引っ張られていくと、決着を決めるピストルの音が2回『パン、パンッ」と鳴る。
係員
「保護者チームの勝ち!」
空
「やったぁー!ぼく、かったよー!」
座り込む大人の中心で両手をあげてぴょんぴょん飛び跳ねる空を、ある者は慈しみながら、そしてある者は困り果てた眼で見つめていた。
→
空くんって何歳設定でしたっけ?(汗)
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11/22(Fri) 16:03
作戦成功か?(←鬼)
小春
清香さん、空くんは2歳ですよ、たしか。
アブナイから参加は1回だけでよろしくね(笑)。
11/22(Fri) 17:11
綱引き出れて良かったねぇ
ジュン
空は2歳設定ですが、時々これは2歳じゃないよな……という、しっかりさなので限りなく3歳に近い2歳ということで!(^^;)
綱引きももうすぐ終盤ですね(*≧∀≦*)
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11/23(Sat) 06:24
☆綱引き~4回戦~☆
小春
自分が参加した綱引きで、保護者チームに貴重な一勝をもたらした事に満足して、空は、迎えに来たジュンと共に、意気揚々と応援席に帰ってゆく。
教員チームはひとまずほっとしたものの、ひそひそ声の作戦会議は続いていた。
明智
「すみません、うちの姉たちが卑怯な手を使って……」
明智ががっくりと肩を落とす。
篠崎
「空くんも喜んでくれてたし、3戦目の事は、もう忘れましょ」
小野瀬
「そうだね。とにかくあと1回勝てばいいんだ。まだ、こちらが有利だよ」
穂積
「向こうはかなり新しいメンバーと入れ替わった。4戦目は力勝負になるぞ。気合いを入れていこう」
ロバート
『頑張るわ!』
ポール
『私も、しっかりアンカー務めるから!』
アニ
『ジョー、明智の姉たちに惑わされるなよ!』
ジョー
『はーい』
係員
「双方、位置についてください!」
11/23(Sat) 22:30
こんばんは☆
とも
☆綱引き・保護者チーム☆
3戦連敗の危機から脱出した保護者チームには、さっき明智三女がスカウトしてきた父兄たちが加わった。
とも父
「ここが正念場やな。小春ちゃんの姉ちゃんたち、オレは今からアンカー行くから、先頭は任したで!」
明智姉123
「もちろん!」
とも父はメンバーとハイタッチしながら後ろへ行き、アンカーの位置へついた。
そして気合いを入れるように両手で顔を叩いた。
とも
「あっ、今度はおとんがアンカーやるんや!これは次の勝負楽しみや!」
如月
「え?ともちゃんのお父さんがアンカーになったら、何か変わるの?」
とも
「うちのおとんがアンカーやると、その時の勝負に一度も負けたことがないんです」
如月
「うわぁ、それホント?!さすがともちゃんのお父さんだね!」
如月がとも父に一生懸命手を振ると、それに気づいたとも父はさらに身ぶり手ぶりで如月に応えていた。
11/24(Sun) 01:31
☆綱引き☆
小春
~4回戦~
保護者チーム、教員チームは4回目の対戦を迎えた。
体力の消耗の著しい教員チームからすれば、一気に3勝して決着をつけたかったところだが、無念にも、参入した明智三姉妹の作戦に敗れてしまった。
しかも、保護者チームはさらに新メンバーを加え、気力も充実している。
平均年齢が若いのは教員チームの方だが、果たして、この対決で勝敗を決する事が出来るのであろうか。
アンカーに代わったとも父が、最後尾から檄を飛ばす。
とも父
「まだまだこれからやで!」
保護者チーム
「おーっ!」
ロバート
『ここで決めるわよぉっ!』
教員チーム
「おーっ!」
係員
「では、レディ……ゴー!」
係員が綱から離れると同時に、双方の選手たちが、一気に、綱を引く手に力を込めた。
力は拮抗し、選手たちは歯を食い縛る。
明智姉1
「まーくん!ちょっとは手加減しなさいよ!」
明智
「『まーくん』言うな!」
明智姉2
「篠崎さん、誠臣とはいつから?」
篠崎
「え、えっ?」
小野瀬
「篠崎さん!集中して!」
明智姉3
「小野瀬先生、うちの小春とどういう関係?」
小野瀬
「え、えっ?」
穂積
「小野瀬!集中しろー!」
大歓声に紛れて、選手たちのやり取りは客席までは聞こえない。
それを良いことに、前方の選手同士の間では、メンタル面に揺さぶりをかける言葉の応酬が続く。
アニ
「みんな、しっかりしろ!勝つ為になら2歳児まで巻き込むような、卑劣な奴らに負けるな!」
アニの声に、三姉妹が、ロバートの巨体の後ろをひょいと覗き込んだ。
明智姉1
「あら」
明智姉2
「よく見たら藤守くんじゃない?」
明智姉3
「魔法使いになったって本当?」
いきなり、アニが、綱から手を離して立ち上がった。
アニ
「誰が魔法使いだ!」
穂積
「うわ!」
突然の事に、真後ろの穂積がぐらつく。
瞬時にバランスを取り直したものの、肝心のアニがまだ綱引きに戻らない。
穂積
「アニ!早く戻れ!」
穂積の声に、ようやく、アニが戦列に復帰するが。
小野瀬
「穂積、引かれてるぞ!」
小野瀬の言う通り、一瞬の間に20cmほども引かれてしまった。
さらに、引かれた分を取り戻そうにも、アンカーが効いていてびくともしない。
さらにじりじりと引かれ、気づけば、教員チームは相手のラインまで綱を持ち込まれてしまった。
ピストルの音が二度鳴るのを聞き、全員が脱力する。
アニ
「くそう、涙で前がよく見えない」
穂積
「しっかりしろアニ!卑劣な攻撃に負けるなと言ったのはお前だろう!」
アニ
「向こうの方が先輩だから、つい声を聞いてしまったのだ」
穂積とアニが振り返る先で、明智三姉妹はアンカーのとも父とハイタッチしている。
穂積
「とにかく、だ。あと1戦、絶対に勝つからな」
穂積は応援席を見た。
胸の前で、両方の手を拳の形にぎゅっと握り締めている翼と目が合った。
俺を、見てくれている。
あの目に、無様な姿は見せられない。
その隣に、少し俯いて目を閉じ、小さな両手を合わせて、おそらく小野瀬の為に祈っている小春がいる。
視線を移せば、その小春を見つめている小野瀬の真剣な眼差しがあった。
小野瀬もまた、あの祈りに応えたいと思っているに違いない。
係員
「5回戦開始します。レディ」
穂積は綱を握り締めた。
たかが綱引き。
だが、されど綱引き。
ともの父はアンカーで負けた事がないらしい。
けれど、もしもH2がまだこの場にいたとしたら、きっと言っただろう。
僕の兄も、本気になったら誰にも負けた事はありませんよ、と。
おはようございます。ともちゃんカッコ良かったよ(うっとり)
小春
~ご都合主義インフォメーション~
※修正お願いしますm(__)m
先生方は全員H2を知ってるという事で。
そして、ibuさんは最初二年生で登場してましたね。正式には三年生でお願いします。
てへ。
☆昼食☆
とも
「あ、小春来た!おーい……あれ?」
とも父
「なんや、また知らん男前連れてるやんか。小春ちゃん、なかなかやるなあ」
翼
「誰だろう。紅花ちゃん、知ってる?」
紅花
「ううん。知らない。親戚でもないし、近所の人でもない」
ともたちのチアリーディングを見終え、レジャーシートを敷きながら昼食の到着を待っていた生徒たちが、小春の後から台車を押して来る若い男性を見て、首を傾げる。
小笠原と和音は微妙な表情。
この二人は何となく彼の正体に思い当たる節があるが、二人とも、確証も無く余計な事を口にするタイプではない。
職員たちはH2を知っているが、穂積に口止めされているので、彼が穂積の弟だという事は明らかにしない。
二人は実の兄弟だが、一見、全く似ていない。穂積は金髪碧眼の超美形だが、H2はごく普通の日本人だ。
そのため、黙っていれば、肉親だとは思えない。
穂積にしてみれば、レジャーシートの上の馴染みの面々はともかく、他の人間も多い場所で、弟を好奇の目にさらしたくないのかもしれない。
H2
「こんにちは」
全員の手前で足を止めて、H2が丁寧にお辞儀をした。
「こんにちは」
全員が挨拶を返す。
小春が、両方を引き合わせた。
小春
「先生方、こちら、H2さんです。H2さん、左端から穂積先生、小野瀬先生、私の兄でもある明智先生、それから篠崎先生です」
H2
「お久し振りです」
小春
「あれ?」
笑顔を交わしあうH2と教師たちに、小春はきょとんとする。
明智
「小春、H2さんはここの卒業生だろう?彼が高校生の時、俺たちはここの大学にいたんだよ」
小春
「そうなの?……でも、顔見知りなら、良かった」
明智に説明されて、小春はにっこり笑った。
とも父
「小春ちゃん、こっちも紹介頼むで」
小春
「はい。H2さん、こちらから、和音先輩、小笠原先輩、ともちゃんのお父さん、ともちゃん、如月先輩、紅花ちゃん、翼ちゃんです」
H2
「よろしくお願いします」
小春
「あのね、みんな。H2さんは、『10分間でロミオとジュリエット』の作者さんなんだよ」
全員
「……」
小春
「あの脚本を使おうって言い出したのが私だと知って、それで、挨拶に来てくれたの」
とも父を除く全員が沈黙したのは、先ほどの小春同様、自分たちが、『10分間でロミオとジュリエット』の脚本をどう扱ったかを思い出したからで。
次の瞬間、全員が一斉に、H2に向かって頭を下げた。
全員
「すみませんでしたぁっ!」
H2
「あ、いえあの、いいんですよ……」
H2は再び説明をし、全員が改めて謝罪をし。
和解が済むと、H2も交えて、大人数での昼食会が始まったのだった。
紅花
「H2さんって、変わったお名前ですね。まあ、小春ちゃんのお友達だから驚かないけど」
翼
「アンドロメダさんやパープルドラゴンさんもいるもんね」
とも
「ペンネーム言うてはったけど、元はイニシャルやろか」
とも父
「とも、人間は名前やない。余計な詮索はせんでええ」
如月
「(ともちゃんのお父さん、カッコイイなあ)」
H2
「……恐れ入ります」
H2は別に素性を隠さなくてもいいと思っていたのだが、兄の穂積が隣で静かに笑っているだけなので、あえて本名を名乗らない事にした。
その間にも明智と小春、篠崎が、お弁当を配ったりお茶を注いだりして食事の準備を整える。
そして全員に行き渡ると、明智が「頂きます」と音頭をとった。
それに続けて、全員が「頂きます」と声を揃えた。
和気あいあいと皆が食べ始めたところで、和音は龍鬼の所へ行くからと弁当を持って席を立ち、代わりにジョーがやって来た。
先ほど、ともや和音と一緒に見事なチアを披露したジョーを、全員が拍手で迎える。
小春
「ジョーさん、ロバート先生たちは?」
ジョーは、紅花と翼の間に座り、小春に料理を勧められて、ご満悦。
ジョー
『藤守ファミリーの席に加わってるわよ。私は、女の子の数が多いからこっちに来たの』
全員の視線が藤守たちの席に向けられる。
そこではロバートとポールがアニに抱きつき、ジュンの母が楽しそうに笑い、藤守とジュンが、空を挟んで赤い顔をしていた。
翼
「何だか楽しそう」
紅花
「だね」
一方で、教師たちとH2はこそこそ話している。
H2
「(小声)兄さん、突然ごめん。お昼をごちそうになったら帰るから」
篠崎
「(小声)あら、遠慮しないで最後まで見て行けばいいのに」
明智
「(小声)そうだぞ。お兄さんとも久し振りに会ったんじゃないか?」
H2
「(小声)ありがとうございます。でも、飛行機の時間があるので」
穂積
「(小声)……そうか。まあ、どうせまた近々来るんだろ?その時は、俺のところにゆっくり泊まるつもりで来い」
H2
「(小声)ありがとう……って、あれ?どうして、また近々来るつもりだって知ってるの?」
小野瀬
「げほげほげほ!」
突然、小野瀬が噎せたのに驚いて、小春がすっ飛んできた。
小春
「小野瀬先生、大丈夫ですか?すみません、酢飯のお酢がきつかったですか?」
心配そうに背中をさする小春に、小野瀬はさらに噎せながらも、大丈夫だとアピールする。
小春がおろおろしながらタオルや麦茶を差し出すのに礼を言いながら、小野瀬は息を整えていった。
小野瀬
「大丈夫、もう大丈夫。ごめんね」
小春
「本当にすみません。何が悪かったのかな……」
小野瀬
「大丈夫、どれもこれも美味しいよ。本当に。小春さんの作ってくれた物は、何でも美味しい」
小野瀬が微笑むと、小春も笑った。
小春
「良かった」
H2
「……」
小野瀬
「……」
二人の視線が一瞬だけ火花を散らしたのを、穂積たちは見逃さなかった。
篠崎
「ご、午後からはPTA競技や、二年生の棒倒しもあるのよね?」
篠崎が気を利かせて、話題を逸らした。
[削除]
11/17(Sun) 20:26
☆昼食・明智グループ☆
小春
明智
「たしか、午後最初の競技は綱引きでしたね」
篠崎の言葉に、明智が応える。
とも父
「おう、そうやそうや。腕が鳴るなあ」
察しの良いとも父は、篠崎が、小野瀬とH2の気を逸らしたいのだとすぐに気付いてくれたようで。
とも父
「先生方のチームには、ロバートもポールもおるしな。手強いけど、娘の前では負けられへんわ」
篠崎が、うんうんと頷く。
篠崎
「でも、私たちだって負けませんよ。生徒が見てますから。ねえ、小野瀬先生?」
小野瀬
「えっ?……あ、ええ、もちろんですよ」
『生徒が見てますから』というところに力を込めた篠崎の狙いは、小野瀬に届いた。
篠崎は言外に『H2との鞘当てを生徒に気付かれないように』と小野瀬に伝えたかったのだ。
小野瀬は篠崎からのメッセージを受け取ると、何事も無かったようにH2から視線を外し、生徒たちに、いつもの笑顔を向けた。
小野瀬
「頑張るから、応援してくれる?」
翼と小春が、手を挙げて、はーい、と応える。
紅花
「私は実況ですから、中立で」
とも
「そしたら、私はおとんの応援せなあかんなあ」
如月
「じゃあ、俺も、今回はPTAを応援します!」
ジョー
「私は両方応援するわよ!」
ちゃっかりしているジョーの発言に、一同が、どっと笑った。
明智
「じゃあ、その為にも、たくさん食べてしっかり腹ごしらえしないとな」
明智の声で、再び、みんなの箸が活発に動き始める。
小春
「翼ちゃんのお母さんの玉子焼き、味見させて」
翼
「今日のは塩味だよ」
紅花
「あ、私、『突撃!隣のお弁当』撮りに行かなきゃ」
やっと場の雰囲気がほぐれて、篠崎はほっと胸を撫で下ろすのだった。
[削除]
11/18(Mon) 08:43
おはようございます
とも
小春さんをめぐってバトル勃発しますか?!
ちょっとワクワク♪←
あー、お弁当美味しいわ~♪ヽ(´▽`)/
とも
「うわ、この唐揚げめちゃ美味しい!私、これ大好きやねん!小春、今度作り方教えてくれへん?」
小春
「ありがとう。いつでも教えてあげるよ」
翼
「小春ちゃん、私もお願い」
小春
「もちろん!」
ともがいる学園寮は食事は食堂を利用することもできるが、基本的に自炊である。そのため自分で料理をしなければならないともは、小春が作ってくれたおかずの味付けやレシピを覚えるのに必死だ。
そんな1年生3人を見て、とも父はニコニコしながら如月に話しかけた。
とも父
「あの3人はホンマ仲がええなぁ。ともも地元を離れて、1人で寂しがってるんかなて思っとったけど、いらん心配やったな」
如月
「ははっ、ともちゃんなら大丈夫ですよ。お父さんみたいに誰とでも仲良くできちゃいますし」
とも父
「ま、如月くんもみたいなええ先輩もおるしな。とものこと、よろしゅう頼んどくわ」
とも父は真顔で如月に頭を下げた。その意味がわからないわけではない如月も、ともを見つめたあと、真剣な面持ちでとも父に頭をさげたのだった。
[削除]
11/18(Mon) 09:37
おはようございます(´∇`)ノシ
小春
ともちゃんもめでたくお父さん公認じゃないですかー。
みんな続々カップル成立ですわね。
基本的にH2は温厚なので、三角関係になるなら、それぞれ明智先生とだったりして(笑)
「うちの小春は、まだ誰にもやらん!」って抱き締められたいわ(妄想)
あ、それどころか、小春本人がまだ誰にも恋心を自覚してないΣ(´□`;)
おかげさまでモテモテなのに、残念な子orz
果たして、午後の競技で、まだ未成立のカップルに進展はあるのか?!
激動のノープラン!
みんなよろしく!
とう!←あっ
[削除]
11/18(Mon) 11:02
突撃!隣のお弁当・藤守家
ジュン
ロバート
『このお漬け物美味しいわ。』
ポール
『本当。これが有名な京都の千枚漬けなのね。』
ベアーズの参加により益々賑やかな藤守家に紅花がやってきた。
紅花
「どうも。隣のお弁当のコーナーです。こちらは藤守先生一家がいらっしゃいます。早速、お弁当を拝見しましょう。藤守先生、お弁当のお勧めは何ですか?」
アニ
「『おい、二人とも離れろ!』ご、ごほん、何といっても藤守家のお弁当と言えばだし巻き玉子だ!」
ベアーズを引き剥がし、アニが高らかに宣言する。
藤守
「まるで、兄貴が作ったみたいに言うなや。」
突っ込みを忘れないのもさすがに藤守家である。
紅花
「だし巻きですか?汁が出ちゃいそうですけど?」
ジュン母
「出し汁を入れすぎんようにして、きちんとキッチンペーパーに吸わせてからいれるから大丈夫なんよ。」
紅花の疑問にジュン母がニコニコと答える。
紅花
「なるほど~。会長のお勧めはありますか?」
藤守
「やっぱり、このおにぎりやな!」
アニ
「お前が握ったみたいに言うな!」
やはり突っ込みは忘れない藤守家。
ジュン
「しそとカリカリ梅を細かくしたのをひじきと和えて、それをご飯に混ぜて握るの。しその香りがいい感じだから良かったら食べてみて?」
ジュンは説明をすると紅花におにぎりを差し出した。
紅花
「では、一口。……ん~、しそのいい香りが食欲をそそりますね~。」
グルメリポーターのように紅花はおにぎりの感想を述べる。
紅花
「会長はこの後、徒競走に応援合戦に騎馬戦、部活対抗と盛り沢山ですが、このお弁当で頑張れそうですね。」
藤守
「おう!MVP目指して頑張るでぇ。」
紅花
「ありがとうございました。隣のお弁当・藤守家でした。次はあなたのお弁当を拝見にいきますよ~」
ということで、お弁当コーナーです(((^^;)
11/18(Mon) 15:49
振替休日ですよ、まったく。
清香
忙し過ぎてまったく絡めず、悔しいです(ザブングル風)
そして小春さん、本命登場おめでとうございます。ですが、あなたのお兄さんは自分のプライベートが充実し始めたら、きっと妹の恋路をも許してしまいそうな気がします。←
では、午後の競技を始めまーす。
☆綱引き☆
昼休憩の終わりを告げる吹奏楽部の演奏の後、放送が流れる。
『続きまして、PTAと教職員による綱引きを行います。ご参加いただけるPTAの方は、入場門へお集まり下さいませ。先生方も、よろしくお願いします。』
食事を終え、片付け始めていた所でアナウンスがかかったしまった。
明智
「しまった、もうそんな時間か。」
篠崎
「早く片付けちゃいましょう。」
穂積・小野瀬・明智はもちろん、篠崎やとも父も参加をするために移動をしなくてはならないのだが。
小春
「大丈夫ですよ、またお兄ちゃんの車に運んでおきますから。」
小野瀬
「でも…。」
重さはかなり減ったものの、ゴミも含まれている荷物の量は一人で運ぶには如何せん多い。
遅れても構わないから手伝おうと小野瀬が口を挟もうとした、その時。
H2
「ご馳走になったんですから、僕がお手伝いしますよ。運んで来たのですから場所も分かっていますし。」
小春
「いいんですか?」
H2
「もちろんです。これくらいさせて下さい。」
二人の間で会話が成立してしまった。小野瀬も何かを言おうとするが、
H2
「では、先生方もお父さんも頑張って下さいね。僕はこれを片付けたら失礼しますので。」
にこやかに言葉だけで背中を押されてしまえば、行くしかない。
言葉の代わりに奥歯を噛みながら、それでも持ち前の笑顔を崩さずに小野瀬も軽やかに手を振った。
小野瀬
「…そう、またね。H2さん。」
H2
「はい、またお会いできる日を楽しみしています。」
片手をあげ、入場門へ向かう小野瀬の背中に『頑張って下さーい!』と1年生達の無邪気な声援が送られる。
その声の中から小春の声だけを拾いあげ、小野瀬はもう一度奥歯を噛み締めた。
[削除]
11/18(Mon) 15:51
どうも(笑)(*^^*)
くちびる
紅花がヨ●スケ..彦●呂(^_^ゞみたいになってる(笑)
さすが藤守兄弟はツッコミを忘れないですわね♪(゜o゜)\(-_-)
紅花はマルチタレントでも目指そうかしら?(笑)(*^^*)
ではまたのちほ~(笑)
[削除]
11/18(Mon) 16:56
ごめんなさ~い!
ジュン
紅花を彦〇呂みたいにしてごめんなさい~m(__)m
だってグルメリポーターって他に思い付かなかったんだもん(←開き直り……)
綱引きはうちの空は出ちゃ駄目なのかしら?(*≧∀≦*)
[削除]
11/18(Mon) 17:07
とも
どさくさに紛れて如月先輩はとも父から公認してもらいましたが…お互いまだ告ってへんかった!Σ( ̄□ ̄;)
ジュンさんとこの空くん、綱引きに是非とも参加させてあげてください(^-^)
1番前でぶら下がったり、キャッキャ言うて相手の戦意を喪失させちゃうとか(笑)
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11/18(Mon) 17:41
いやーん(///▽///)♪
小春
清香さんありがとうございます。
「あなたのお兄さん」と言われて、穂積先生と明智先生を並べて思い浮かべてしまってニヤニヤが止まりません。
そして、小野瀬先生に嫉妬してもらうのがこんなに気持ちいいなんてどうしよう!o(>▽<*)(*>▽<)o←バカ
いやー、長々待った甲斐があったというものですわ・゜・(つ▽`)・゜・
しかし。
浮かれているのはリアル小春だけ!
リア充になってしまった明智は、本当に、小春の相手がたとえ小野瀬でも許してしまえるのか?
桜田門学園みんなのオモチャ、小春の恋の行方はどこへ転がってゆくのか?
さあ午後の競技が始まるよ!
紅花ちゃん、リポートよろしくです!
ジュンさん、綱引きは大人たちのマジ競技です(笑)空くんにはアブナイかもですよ!様子を見てから参加させてね♪
ともさん、そろそろ如月さんとも新展開ですかね。楽しみ(∩´∇`)
☆駐車場☆
小春
「ありがとうございました。片付けまで手伝って頂いて、すみませんでした」
荷物を積み終えた明智の車のドアを閉めてから、小春が深々と頭を下げた。
H2
「こちらこそ、思いがけずご馳走になってしまって。それに、皆さんにも紹介して頂けたし、嬉しかったです」
小春
「先生方とお知り合いだとは気が付きませんでした」
H2
「あの場にはいらっしゃいませんでしたが、藤守先輩にも可愛がって頂きましたよ。もし後でお会いする事があったら、よろしくお伝え下さいますか?」
小春
「はい」
小春が頷くと、H2は腕時計を確かめた。
H2
「炊き込みご飯のおにぎりも、唐揚げも焼き魚も和え物も、野菜の煮物もみんな美味しかった。あんな手料理はご馳走出来ませんが、僕の知ってる一番美味しい店にご招待します。ですから」
H2は、頬を染めて小春を見つめた。
H2
「お電話、待ってます」
その声に、眼差しに、小春は彼の誠意と、どこか懐かしさをも感じる。
小春
「はい」
H2がにこりと笑ってくれると、何故か自分も嬉しくなる。
また会いたい、と思った。
その時、タクシーが入って来た。
H2が手を挙げて合図をすると、ハザードを点けて、子犬のようにそろそろと近付いてくる。
H2
「楽しみに待ってます。では、帰りの飛行機の時間が迫ってますので、これで失礼します」
飛行機。
さっきもそう言ったっけ。
小春
「……あの、H2さんは、飛行機でどちらにお帰りになるんですか?」
運転手に挨拶してタクシーに乗り込んだH2は、窓越しに、小春に笑顔を向けた。
H2
「ロサンゼルスです」
小春
「ロ」
絶句する小春をよそに、タクシーが発進した。
H2が窓を開け、振り返って顔を出し、子供のように手を振る。
H2
「小春さん、待ってますからね!」
遠ざかってゆくH2の、風になびくさらさらの髪と笑顔を見送りながら、小春はしばらく、呆然としていた。
11/18(Mon) 20:39
~☆ご都合主義インフォメーション☆~
小春
藤守アニ先生は当初「この学校の卒業生ではない」という設定でしたが、サクラダモンのエピソードで、「かつてシルバーだった」事が判明しています。
そのため、桜田門学園のOBだという設定を採用します。
学年は山田校長と同級生で穂積たちの1年上になります。
H2は穂積の5歳下に設定しました。
藤守アニは兄と違って従順な穂積弟を可愛がっていたと思われます(笑)
てな感じでよろしくですー。m(__)m
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11/19(Tue) 08:45
おはようございます
とも
昨日は寝落ち。
☆観客席☆
昼食の片付けを終えてトラックに目を向けると、中央に太く長い綱が横たわっていた。
翼
「今年はどっちが勝つかな~?」
とも
「う~ん、いつもの年は大抵PTA側が勝つって言ってたけどなぁ、今年はNYベアーズが先生チームにおるし、人数的にもバランスええから結構面白い勝負になるんとちゃう?」
あれこれ話していると、近くでジュンの弟の空がぐずっているのが見えた。
とも
「ジュン先輩、空くんどうしたんですか?」
ジュン
「あ、ともちゃん、空がね、自分も綱引きに出たいってきかなくって…」
藤守
「空、あれはお前には危ないからこっちで応援しとこ、な?よっしゃ、けんたんが肩車したるから!」
空
「やだー!」
翼
「困ったね…」
とも
「あ!そや、ちょっと待ってて!」
思いついたともが何かをとりに自席にいった。
そして、ジュンたちの元へ戻ってきたその手には。
空
「うわぁ、おっきいポンポン!」
先ほどのチアリーディングショーで使ったポンポンを持ってきたのだった。
とも
「空くん、コレ貸してあげるから、お姉ちゃんたちと『みんながんばれー』って応援せーへん?」
空
「わかった!」
自分の体がほとんど隠れてしまいそうなポンポンを持ち、張り切る空を見て皆が笑う。
ジュン
「ともちゃん、ありがとう」
とも
「いえいえ。ついでにジュン先輩にもチアのユニフォーム貸してあげましょか?」
ジュン
「え?私?」
藤守
「なっ、アカンアカン!そんなん着んでええから!」
如月
「何で藤守先輩がダメって言うんですか~?あっ、ちょっと想像しちゃったんだ?」
とも
「そんなん冗談やのに~」
如月・とも
「ねー」
藤守
「冗談なんかい!」
空の機嫌が直ったところで放送がかかった。
『それでは綱引きの選手、入場です!』
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11/19(Tue) 15:46
ともさん、了解です(^-^ゞ
小春
☆綱引き~穂積~☆
自分に向けられるたくさんの応援の中から、気になる相手の声だけを拾い上げたのは、小野瀬一人ではなかった。
翼
「先生、頑張って下さい!」
思わず振り返って手を振ってやりたくなってしまうが、とりあえずその声には背を向けたまま。
まずは前方の一年生の応援席からだ。
穂積が手を振れば、誰もかれも笑顔で応えてくれる。
それなのに、そちら側にはいない、たった一人の少女の笑顔が欲しいと思ってしまうのが、我ながら欲深い。
小野瀬に偉そうな事は言えないな。
そう思いながら、穂積は振り返って、役員席の最前列で、とも達と並んで手を振ってくれている翼に手を振り返した。
翼
「穂積先生、頑張って下さい!」
緩みかけて引き締めた顔を、小野瀬に見つかってしまった。
小野瀬は赤くなる穂積を冷やかすように笑ってから、目線を移した。
さっきから、小野瀬は、H2と小春の行方が気になって仕方ないのか、二人が向かった駐車場の方ばかり見ている。
穂積としては不器用な弟の恋の応援もしてやりたいが、恋に不器用な点では、実は、小野瀬もかなりなものだ。
相手から想いを寄せられる事はたくさんあって、それを上手にかわす術には長けているが、いざ、誰かを好きになってしまうと、どうすればいいのか分からない。
そのうちに自分の中でどうにか折り合いをつけて、無かった事にしてしまう。
小野瀬の恋はいつもそんな感じだった。
小春が空間のように、一途に小野瀬を想ってくれれば話は早い。
空間が小春のように、素直に小野瀬に接してくれればなお早い。
もちろん、小野瀬が自分に正直になるのが一番の解決法なのだが。
……俺も、人の心配をしてる場合じゃないけどな。
翼を目の端にとらえながら、穂積はひとり、自嘲ぎみに笑うのだった。
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11/19(Tue) 16:20
おっと。
清香
微妙だけど、大丈夫そうかな?
そして小春さんはいつかロサンゼルスに行ってしまうんでしょうか?英語が苦手なのに!←
『相手が誰であろうと、とりあえず文通からだな。』(明智)
古風なお兄様からの伝言でした。
☆綱引き☆
アナウンスと共に、教員チームと保護者チームが一列になって入場をした。
それだけで生徒の席から一斉に歓声が上がる。
『がんばってー!!!』
『小野瀬せんせーい!!』
『お父さーん!!』
『穂積せんせーい!!!』
皆の声に答えるよう、にこやかに手を振りながら教員チームの先頭を歩くのはロバートで。
ロバート
『頑張るわよ!ケイジ!』
アニ
『分かったから、そうはしゃぐな!』
後ろに並ぶ藤守アニに声をかけながらずんずんと進んでいく。
その後を穂積・小野瀬・明智・篠崎・ジョーが続き、何人かの教員を挟んで最後尾を任されたのはポールだ。
これは背の高さ・体重・力の有無を鑑みた、穂積と明智の判断だった。
対して、保護者チームの先頭を歩くのはとも父。
昨日・今日と来校して顔馴染みになった父兄達一人一人に声をかけながら士気を高めている。
さっきまで朗らかに話しをしていた人だとは思えないくらい真剣な表情に、応援をするともや如月の声にも力が入るのだが。
とも
「おとん、完全に自分の世界に入ってるわ…。」
如月
「ともちゃんのお父さん、 すごい気迫だね。」
とも
「怪我せんかったらええんやけど。」
そんな心配をよそに、グラウンドの中心へと辿り着いたとも父は綱の先にいるロバートへ挑戦的な視線を投げかける。
とも父
『さっきはさっき、コレはコレやからな?』
ロバート
『ダディこそ、思いっきり引っ張って私の胸にダイブさせてア・ゲ・ル♪』
ニヤリと口の端に笑みを浮かべながら二人が握手をすると、全員が一斉に臨戦態勢へと入った。
係員の生徒が綱の中心を確認し、足で固定すると、グラウンドを取り巻く空気が一気に引き締まる。
係員
「それでは…、レディ・ゴー!!」
大きく発せられた開始の合図に、両チームが己の手にありったけの力を込めた。
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11/20(Wed) 01:10
☆綱引き☆
小春
お兄ちゃん、小春、H2さんの住所聞いてないよ(涙)
~☆綱引き、一回目☆~
グラウンドから聞こえてきたピストルの音と歓声に、ぼんやりしていた小春はハッとして走り出した。
始まっちゃった。
小野瀬
「頑張るから、応援してくれる?」
翼、小春
「はーい!」
応援するって約束したのに。
急いでグラウンドに駆け戻ると、綱引きはすでに一進一退。
いや、心なしか教員チームがじりじりと引かれているような。
元気いっぱいの保護者たちに比べ、朝から会場の設営や障害物リレー、借り物競走に生徒たちの応援と、休みなく働いてくれている教員たちに疲れが見えるのも当然で。
それでも、やるからには全力でやるのが桜田門学園の教員たちだ。
懸命に綱を引く教員たちの真剣な表情に、胸が痛くなる。
グラウンドに到着した小春は、ともや翼のいる場所まで一気に走り、そこから、皆に混じって大きな声を出した。
小春
「穂積先生、お兄ちゃん、しっかり!」
翼
「小春ちゃん」
小春
「小野瀬先生!頑張ってえっ!」
けれど小春の願いに反して、まさにその瞬間、教員チームは大きく揺さぶられた。
11/20(Wed) 08:40
これも作戦
とも
☆綱引き・一回戦の勝負が決まるその少し前☆
一進一退の攻防の中、チームの一番前で綱を引いていたとも父とロバートの間でこんなやりとりがあった。
とも父
『ロバート、そろそろ限界とちゃうか?』
ロバート
『答えはノーよ、ダディ!ケイジと頑張るって言ったんだから!ダディこそホントはもうムリなんでしょ?』
とも父
『あほ言え、オレかてまだまだや。しゃあないな、こんな手を使うのは邪道やけど…これも勝負に勝つためや』
とも父の真剣な顔に見とれながらも必死で綱を引くロバートに、とも父はいつものニコニコ顔でロバートに話しかけた。
とも父
『そういやロバートはNYにおるんやったな。オレも仕事でしょっちゅう行ってんねんで』
ロバート
『そうだったの?ダディみたいなイケメンならすぐに見つけられそうなのに』
とも父
『でな、向こうにも友達はぎょうさんおるんやけど、よかったら2人に紹介したろうと思うんやけど、どうや?』
アニ
『おい、ロバート、何を話してるんだ?!ちゃんと綱を引け!』
とも父
『そやな~、リチャードあたりがええかな?』
ロバート
『なんですって?!ダディは彼と知り合いなの?!』
とも父の誘惑にまんまとハマったロバートは彼の言葉に綱を持つ手を緩めてしまった。
とも父
『よし、この勝負もらった!』
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11/20(Wed) 17:01
と、みせかけて……
ジュン
アニ
『力を緩めるなロバート!』
アニの一言でロバートは再び力を入れて引き、何とか踏みとどまったが敗北ラインはすぐそこである。
ロバート
『ごめんなさ~い!どうしましょう!?』
責任を感じるロバートに
アニ
『諦めるな!これに勝てたら賢史がハグしてやる!』
ロバート
『まぁ!本当はケイジがいいけれど、ケンジもイケメンよね!』
そう言ったと同時にロバートの腕の筋肉が更に大きくなり、父兄側が引きずられる。
藤守
「こら~!兄貴!俺を巻き込むな~!」
英語がわからない藤守はジュンの通訳を聞いてワンテンポ遅れて突っ込みを入れた。
アニ
「うるさいわ!我々が負ければ生徒に示しがつかん!!」
アニの作戦勝ちか一回戦は教員チームに軍配が上がった。
[削除]
11/21(Thu) 07:57
藤守賢史(高3)の英語力が心配(笑)
小春
☆綱引き~1回戦終了後~☆
とも父
「みんな、大丈夫やったか?」
保護者A
「痛たたた……」
保護者B
「いい勝負だと思ったのにな……」
1回戦目が終わり、負けてしまった父兄たちからは、目に見えてやる気が減退していた。
思いがけない教員たちの粘りにあい、普段運動不足のお父さんたちはすでに息が乱れている。
しかも、早くも腕や腰の痛みを訴える参加者続出だ。
途中交代自由なのを良いことに、とも父や他のメンバーに謝りながら戦線離脱したり、あるいはいつの間にかいなくなっていたりして、保護者チームはたちまち人数不足に陥ってしまった。
とも父
「誰か、参加してくれませんか?!」
だが、すぐに応える声はない。
とも父が、ぎりりと歯を食い縛った。
とも父
「……なんの、疲れてるのは相手も同じや。残ったメンバーだけでも戦うたる!」
その時!
???
「ちょおっと待ったあ!」
真上から照りつける太陽の光を浴びて、人垣から歩み出た三つの影。
聞き覚えのある声とともに、現れたその姿を見定めた教員たちに、戦慄が走った。
真っ先に反応したのは、味方を迎えた保護者チームではなく、教員チームの明智、そして、応援席の小春。
特に明智の動揺は尋常ではない。
明智
「お前ら……!」
思わずよろめき、篠崎に支えられる明智。
そう。
現れたのは、世田谷のゴーゴン三姉妹こと、明智と小春の、三人の姉たちだった。
長女(亜衣)、次女(真衣)、三女(未衣)
「私たちが保護者チームに加わるわ!」
とも父
「おお!」
美しい笑顔で綱に近付いてくる助っ人三人の姿に、とも父が歓喜の声を上げた。
穂積
「……まずいな」
穂積が舌打ちをする。
明智
「ご丁寧にジャージ着てスニーカー履いて来やがって……」
篠崎
「明智くん、気を確かに」
明らかに明智のモチベーションが下がっている。
しかも、
ジョー
『WOW!マーサとコハルのお姉さまたちじゃない!今日もおキレイね!』
ジョーのモチベーションもおかしい。
これはヤバイかな、穂積がそう思った時。
小春
「お姉ちゃーーーん!」
応援席から、小春の声が響いた。
明智姉1、2、3
「あ、小春ー!お姉ちゃんたち、頑張るわよー!」
手を振る姉たち。
小春はそれに手を振り返してから、けれど、すぐに続けて叫んだ。
小春
「うん、頑張って!……でも、ごめんね!私、今は、先生たちのチームを応援する!」
小春からの意外な言葉に、姉たちに動揺が走る。
明智姉1
「えっ、どうして?!」
明智姉2
「せっかく来たのに!」
明智姉3
「小春ー?!」
小春
「だって!」
小春が声を振り絞った。
小春
「小野瀬先生と約束したんだもん!」
やり取りを聞いていた人々から、グラウンドの注目が一斉に小野瀬に集まる。
穂積も明智も振り返る。
そこでは小野瀬が、見た事の無い表情で立っていた。
係員
『双方、準備して下さい!では、綱引き二回戦、開始!』
[削除]
11/21(Thu) 08:48
おはようございます
とも
あーあ、おとんが姑息な手を使うから負けてしもた
( ̄□ ̄;)
小春の口から自分の名前が呼ばれた。
俺との約束。
小野瀬
『頑張るから、応援してくれる?』
小春
『はーい!』
軽い挨拶みたいな約束を、守って応援しようとしてくれている。
それだけで、今までに味わったことのない、心が満たされていくような、そんな気持ちになった。
穂積
「小野瀬、次が始まるぞ。早く準備しろ」
前から穂積が小野瀬に声をかけた。
穂積
「約束したんだから、さっきよりも頑張ってもらわないとな」
ニヤリと笑う穂積に小野瀬も言葉を返す。
小野瀬
「もちろんだよ、応援に負けないくらいにね」
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11/22(Fri) 08:49
姑息な作戦第2弾。
小春
☆綱引き~2回戦~☆
係員
「……レディ・ゴー!」
教員チーム
「せえのっ!」
保護者チーム
「わあっ?!」
2回戦は、瞬時に決着した。
開始の合図と共に一気に全力で綱を引いた、教員チームが圧勝したのだ。
応援していた生徒たちは大喜び。
飛び上がって喜んでいる翼と小春に向かって、穂積と小野瀬は、揃って小さくガッツポーズを見せた。
おさまらないのは保護者チーム。
教員チームと綱の位置を入れ替わる為に歩きながら、反省会、いや、対策会議だ。
とも父
「今のは完全にタイミングが遅れてしもたな」
明智姉1
「チームワークの差が出てしまいましたね」
明智姉2
「先に3勝した方が勝ち、でしたわよね?」
とも父
「そうや」
そんな話をしていると、どこからか、三女の未衣が戻ってきた。
明智姉1
「未衣ちゃん、スカウトして来られた?」
明智姉3
「うふん、任せて。この3回戦を乗り切れば、4回戦からは助っ人倍増よ」
見れば、保護者席では何人もの父兄が立ち上がって、準備運動に余念がない。
明智姉2
「さすが未衣ちゃん」
とも父
「べっぴんさんに頼まれたら断れんか。なるほどなあ。けど、まずは3回戦目に勝たな、もう後が無いで」
唸るとも父に、今度は、次女の真衣が微笑んだ。
明智姉2
「秘密兵器を出すしかないですわね」
とも父
「秘密兵器?」
その言葉に閃いたとも父と、明智三姉妹の視線の先には、ジュンと一緒にポンポンを振っていた、空の姿。
明智姉1
「空くん、綱引きやりたいー?」
空
「やりたいー!」
ポンポンを放り投げて、空が走って来た。
11/22(Fri) 15:55
最強の明智3姉妹。
清香
お手柔らかにお願いします。(ぺこり)
☆綱引き☆
『あぁっ!』
先頭のロバートの後ろで藤守アニが悲痛な叫びをあげた。
アニ
「空!危ないから戻れ!」
空
「ヤダ!ぼく、おとこのこだからきんにくあるもん!だいじょうぶ!」
そう言いながら腕まくりをしてみせた空に、見守る生徒達から拍手が沸き起こる。
それに応えるよう空が綱の先頭、とも父の前でギュッと綱をつかんでしまえばアニには追い返す事など出来ない。
大勢を味方につけた保護者チームは、『早くやろう』と中心に立つ係員を急かす。
係員
「では、レディ・ゴー!」
パンッと鳴ったピストルの音に一瞬怯むものの、空は懸命に綱にしがみついた。
ぷらーんと浮いた足をバタバタさせながらも、『がんばれー!』『ゔーん!』と声をあげる姿の可愛らしさについロバートとアニの手が緩んでしまう。
穂積
「馬鹿っ、手を緩めるな!」
一度力の均衡が崩れてしまうと立て直すのは難しいない。
小野瀬
「くそっ。穂積、ここは素直に負けよう。」
穂積
「だな。緩めるぞ。」
無理に足掻いて余計な体力を使うより、一旦リセットして立て直すほうが得策だと踏んだ小野瀬に頷き、穂積も力を徐々に抜いた。
中心にいる空に怪我をさせないようゆっくり引っ張られていくと、決着を決めるピストルの音が2回『パン、パンッ」と鳴る。
係員
「保護者チームの勝ち!」
空
「やったぁー!ぼく、かったよー!」
座り込む大人の中心で両手をあげてぴょんぴょん飛び跳ねる空を、ある者は慈しみながら、そしてある者は困り果てた眼で見つめていた。
→
空くんって何歳設定でしたっけ?(汗)
[削除]
11/22(Fri) 16:03
作戦成功か?(←鬼)
小春
清香さん、空くんは2歳ですよ、たしか。
アブナイから参加は1回だけでよろしくね(笑)。
11/22(Fri) 17:11
綱引き出れて良かったねぇ
ジュン
空は2歳設定ですが、時々これは2歳じゃないよな……という、しっかりさなので限りなく3歳に近い2歳ということで!(^^;)
綱引きももうすぐ終盤ですね(*≧∀≦*)
[削除]
11/23(Sat) 06:24
☆綱引き~4回戦~☆
小春
自分が参加した綱引きで、保護者チームに貴重な一勝をもたらした事に満足して、空は、迎えに来たジュンと共に、意気揚々と応援席に帰ってゆく。
教員チームはひとまずほっとしたものの、ひそひそ声の作戦会議は続いていた。
明智
「すみません、うちの姉たちが卑怯な手を使って……」
明智ががっくりと肩を落とす。
篠崎
「空くんも喜んでくれてたし、3戦目の事は、もう忘れましょ」
小野瀬
「そうだね。とにかくあと1回勝てばいいんだ。まだ、こちらが有利だよ」
穂積
「向こうはかなり新しいメンバーと入れ替わった。4戦目は力勝負になるぞ。気合いを入れていこう」
ロバート
『頑張るわ!』
ポール
『私も、しっかりアンカー務めるから!』
アニ
『ジョー、明智の姉たちに惑わされるなよ!』
ジョー
『はーい』
係員
「双方、位置についてください!」
11/23(Sat) 22:30
こんばんは☆
とも
☆綱引き・保護者チーム☆
3戦連敗の危機から脱出した保護者チームには、さっき明智三女がスカウトしてきた父兄たちが加わった。
とも父
「ここが正念場やな。小春ちゃんの姉ちゃんたち、オレは今からアンカー行くから、先頭は任したで!」
明智姉123
「もちろん!」
とも父はメンバーとハイタッチしながら後ろへ行き、アンカーの位置へついた。
そして気合いを入れるように両手で顔を叩いた。
とも
「あっ、今度はおとんがアンカーやるんや!これは次の勝負楽しみや!」
如月
「え?ともちゃんのお父さんがアンカーになったら、何か変わるの?」
とも
「うちのおとんがアンカーやると、その時の勝負に一度も負けたことがないんです」
如月
「うわぁ、それホント?!さすがともちゃんのお父さんだね!」
如月がとも父に一生懸命手を振ると、それに気づいたとも父はさらに身ぶり手ぶりで如月に応えていた。
11/24(Sun) 01:31
☆綱引き☆
小春
~4回戦~
保護者チーム、教員チームは4回目の対戦を迎えた。
体力の消耗の著しい教員チームからすれば、一気に3勝して決着をつけたかったところだが、無念にも、参入した明智三姉妹の作戦に敗れてしまった。
しかも、保護者チームはさらに新メンバーを加え、気力も充実している。
平均年齢が若いのは教員チームの方だが、果たして、この対決で勝敗を決する事が出来るのであろうか。
アンカーに代わったとも父が、最後尾から檄を飛ばす。
とも父
「まだまだこれからやで!」
保護者チーム
「おーっ!」
ロバート
『ここで決めるわよぉっ!』
教員チーム
「おーっ!」
係員
「では、レディ……ゴー!」
係員が綱から離れると同時に、双方の選手たちが、一気に、綱を引く手に力を込めた。
力は拮抗し、選手たちは歯を食い縛る。
明智姉1
「まーくん!ちょっとは手加減しなさいよ!」
明智
「『まーくん』言うな!」
明智姉2
「篠崎さん、誠臣とはいつから?」
篠崎
「え、えっ?」
小野瀬
「篠崎さん!集中して!」
明智姉3
「小野瀬先生、うちの小春とどういう関係?」
小野瀬
「え、えっ?」
穂積
「小野瀬!集中しろー!」
大歓声に紛れて、選手たちのやり取りは客席までは聞こえない。
それを良いことに、前方の選手同士の間では、メンタル面に揺さぶりをかける言葉の応酬が続く。
アニ
「みんな、しっかりしろ!勝つ為になら2歳児まで巻き込むような、卑劣な奴らに負けるな!」
アニの声に、三姉妹が、ロバートの巨体の後ろをひょいと覗き込んだ。
明智姉1
「あら」
明智姉2
「よく見たら藤守くんじゃない?」
明智姉3
「魔法使いになったって本当?」
いきなり、アニが、綱から手を離して立ち上がった。
アニ
「誰が魔法使いだ!」
穂積
「うわ!」
突然の事に、真後ろの穂積がぐらつく。
瞬時にバランスを取り直したものの、肝心のアニがまだ綱引きに戻らない。
穂積
「アニ!早く戻れ!」
穂積の声に、ようやく、アニが戦列に復帰するが。
小野瀬
「穂積、引かれてるぞ!」
小野瀬の言う通り、一瞬の間に20cmほども引かれてしまった。
さらに、引かれた分を取り戻そうにも、アンカーが効いていてびくともしない。
さらにじりじりと引かれ、気づけば、教員チームは相手のラインまで綱を持ち込まれてしまった。
ピストルの音が二度鳴るのを聞き、全員が脱力する。
アニ
「くそう、涙で前がよく見えない」
穂積
「しっかりしろアニ!卑劣な攻撃に負けるなと言ったのはお前だろう!」
アニ
「向こうの方が先輩だから、つい声を聞いてしまったのだ」
穂積とアニが振り返る先で、明智三姉妹はアンカーのとも父とハイタッチしている。
穂積
「とにかく、だ。あと1戦、絶対に勝つからな」
穂積は応援席を見た。
胸の前で、両方の手を拳の形にぎゅっと握り締めている翼と目が合った。
俺を、見てくれている。
あの目に、無様な姿は見せられない。
その隣に、少し俯いて目を閉じ、小さな両手を合わせて、おそらく小野瀬の為に祈っている小春がいる。
視線を移せば、その小春を見つめている小野瀬の真剣な眼差しがあった。
小野瀬もまた、あの祈りに応えたいと思っているに違いない。
係員
「5回戦開始します。レディ」
穂積は綱を握り締めた。
たかが綱引き。
だが、されど綱引き。
ともの父はアンカーで負けた事がないらしい。
けれど、もしもH2がまだこの場にいたとしたら、きっと言っただろう。
僕の兄も、本気になったら誰にも負けた事はありませんよ、と。