『アブナイ☆恋の学園物語』
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11/13(Wed) 23:17
リレーSS専用スレ・11
小春
☆こちらはリレーSS専用スレッドです。
☆書き込みの前に作成した文章を保護した上で、最新の情報に更新する事をお勧めします。
☆お話を書きこむ時は黒では無く文字色を変えて下さい。出来るだけ他の方と被らない色でお願いします。
☆前の人の書き込みの続きを書いてるけれどまだ時間がかかりそう、また、自分の書き込みにまだ続きがある、など、他の人の書き込みをブロックしておきたい時には、そのむねメッセージを書いておきましょう。
他の人も、メッセージがあったら広い心で待っててあげて下さい。
☆逆に、フラグ(意味深な伏線)があるけれど、他の人に続きを書いてもらいたい時には、「続きはお願いします」とメッセージを書きましょう。
基本的に、自分発のエピソードは自分で片付ける事になってます(笑)ので、メッセージが無いと、他の人は広い心でフラグを素通りします。
☆初参加・短文・ぶっこみ大歓迎です。きっと誰かが何とかしてくれます。
☆合言葉は『他力本願』です。
☆☆リレーSSは他の過去スレッドにもありますので、そちらもぜひご覧くださいませ☆☆
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11/13(Wed) 23:24
☆ごあいさつ☆
小春
おかげさまでスレッドも11に突入しました。
こちらのスレッドでは、ただいまリレーSS『アブナイ☆恋の学園物語』を開催中です。
桜田門学園高校に転校してきた櫻井翼が、イケメンな先生方や個性的な生徒たちと繰り広げる、学園ラブコメディ!
皆さまふるってご参加ください(´∇`)
《ここまでのあらすじ》
学園祭『桜祭』も三日目。
晴れた秋空のもと、体育祭が幕を開けた。
緑、白、青、赤の4色のチームに分かれ、借り物競走や徒競走などで盛り上がりながらプログラムは進んで行く。
昼食の後に予定されているのは、
・徒競走100m(3年)
・棒倒し(2年)
・騎馬戦
・綱引き(PTA参加競技)
・部活対抗リレー
・色別対抗リレー
などです。(順番未定)
※あくまでも予定です。
~主なメンバーと組分け~
☆緑(A組)……穂積
1A……翼、小春
3A……アンドロメダ、パープルドラゴン、ibu
☆白(B組)……藤守アニ
1B……とも、紅花
2B……如月、ジュン
3B……藤守、千春
☆青(C組)……明智
2C……細野、太田
3C……和音
☆赤(D組)……小野瀬
2D……小笠原
3D……空間
MVPは誰の手に? 小笠原の行方も探せ!のスレッド11、スタート!
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11/14(Thu) 21:01
☆1年生徒競走☆
小春
とりあえずスタートさせてみる。
☆1年生徒競走☆
放送A
『さあ、盛り上がった借り物競走に続いての種目は、初々しい1年生による、100m走です!』
放送B
『今年の1年女子はみんな可愛いと評判ですから、楽しみですね!毎年言ってますけど!』
この種目には紅花も出場するため、実況と解説を担当する広報委員は、3年生の男子2人に代わっていた。
軽妙な会話に、会場がどっと沸く。
放送A
『この種目では、各クラスから1人ずつ、計4人が1グループになって、100mの速さを競う事になっています』
事前の体育の授業でタイムを計り、およそ同じ速さの生徒を揃える学校もあるが、2年生の徒競走で如月と小笠原が同じグループで走った事を見ても分かるように、この学校では身長順に走る。
A組の小春とB組の紅花は身長が同じで、どちらもクラスで一番小さい。
そのために、幼馴染みで仲良しの二人が、1年女子の先頭の組で、並んで走る事になってしまった。
明智は二人とも応援してやりたいが、自分は青組、小春は緑組で、紅花は白組。
どちらも違う色の組の所属だ。
どうしたものかと職員席でやきもきしていると、代わりに、スタート付近にいる、小春の担任の穂積が叫んでくれた。
穂積
「小春、転ばないように走るのよ!」
穂積のおネエ言葉と、小春の「はーい!」という元気な返事に、会場から笑いが起きた。
相変わらずの屈託の無さに、明智も、保健室から戻って来た、小野瀬と篠崎も目を細める。
そして、穂積の声に力を得て、それぞれ、自分の担当する組の生徒に声援を送るのだった。
アニ
「紅花、待ってるからな!」
ゴール係のアニも大声を出す。
生徒
「リポーター、頑張れよ!」
一方、広報委員として文化祭から頑張ってきた紅花も、連日、中継やVTRで繰り返し校内じゅうのモニターに映りまくっていた事もあって、一気に顔と名前が知れ渡ったようだ。
紅花は声援に頬を染めて、ぺこりと頭を下げた。
係員
「では、位置について、よーい!」
パァン!
スタートの合図と共に、4人が一斉に走り出した。
放送A
『いよいよ、徒競走が始まりました。第1グループ、きれいなスタートです!』
「いいぞ、小春どの!」
「そのまま行くでつ!」
「紅花ぁ、もっと飛ばせや!」
「頑張れ、紅花ちゃん!」
パープルドラゴンやアンドロメダ、藤守や如月たちからも声援が飛ぶ。
自分で運動が苦手だというだけあって、紅花はなかなかスピードに乗れないが、それでも3着でゴール出来そう。
100mの終着点は、教師たちの見守る、職員席の前。
先頭でゴールテープを切ったのは、なんと小春だった。
放送A
『1着、緑!』
本人が一番びっくりし、危うく足がもつれて転びそうになる。
しかし、小春がさらに驚く事になったのは、次の瞬間だった。
放送B
『速かったですね!さすが、走っても胸が揺れない、スプリンター体型の小春さん!』
係員に誘導され、「1」と書かれた旗の元に向かっていた小春は、大音声のマイクでそう言われ、さらに会場がどっと笑ったのを聞いて、胸を腕で押さえて真っ赤になってしまった。
小春は胸を隠したままタタタッと走って、旗の根元にしゃがみこむ。
会場はまだ笑っているが、職員席は真っ青だ。
その場にいた明智が小野瀬が篠崎が、放送席を睨み付けた。
遠くからは穂積も睨んでいる。
全員の視線で失言に気付いた広報委員はすかさず『あっ、失礼しました』と謝ったが、時すでに遅し。
乙女心の分からない彼はこの後、教師たちから、きついお叱りを受ける事になるのだった。
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11/15(Fri) 09:02
体育祭MVP、パープルドラゴンにも投票ありがとうございます(笑)
小春
おはようございます。
誰もいなかったので連投してみる。
☆1年生徒競走~小春、紅花、篠崎~☆
紅花
「小春ちゃん、元気出して」
赤い顔で丸くなっている小春の元に、同じグループで走り終えた紅花が駆け寄ってきて、一緒にしゃがんだ。
小春
「紅花ちゃん、ありがとう。大丈夫だよ」
膝を抱えたまま顔を上げた小春は、笑顔だけど少し涙目。
紅花の方が憤慨している。
紅花
「あんなの、放送で言う事じゃないよ!小春ちゃん、胸が小さいくらい、気にしなくていいからね。小春ちゃんはまーくんに似てて可愛いし、お料理も上手だし!」
小春
「ありがとう」
紅花
「だから、胸ぺったんまでお兄ちゃんに似ちゃったからって、気にする事ないんだからね!」
小春
「紅花ちゃん、もう大丈夫だから」
紅花
「小春ちゃんの胸だって、走る時には少しは揺れるよ!」
篠崎
「……紅花さん、慰めるのはそのくらいにしてあげて」
苦笑しながら近付いて来たのは、篠崎。
その手には、生徒席から持ってきた、小春のジャージ(上)が握られている。
篠崎
「小春さん、羽織っておく?」
小春
「ありがとうございます」
篠崎
「元気出してね。ほら、もうじき櫻井さんの番よ。応援してあげて?」
篠崎の言葉に、小春も紅花も揃ってスタート地点に顔を向けた。
篠崎の言う通り、あと三人ほどで翼の番になる。
傍らで、穂積が、他の生徒たちにも目を配りながら、熱心に走り方を指導していた。
実際、翼以外の生徒たちも、腕を大きく振ってみたりしている。
小春の唇に笑みが浮かんだ。
小春
「篠崎先生、私、頑張って翼ちゃんや、ともちゃんや、みんなを応援します」
ようやく戻った小春の笑顔に、篠崎も紅花も笑顔になる。
紅花
「その調子!」
篠崎
「私もここで応援しようかな」
小春
「それはだめ。お兄ちゃんが心配するから」
篠崎
「えっ?」
首を傾げる篠崎に、小春は悪戯っぽく笑った。
小春
「『小春は大丈夫』ってお兄ちゃんに伝えて下さい。それで、先生はお兄ちゃんの近くにいて下さい」
篠崎
「小春さん……?」
小春
「ここにいると、私と紅花ちゃんが、先生に意地悪しちゃうんだから!」
紅花
「そうだ!」
言うが早いか、二人が篠崎をくすぐり始めた。
篠崎
「き、ゃあっはっはっ!」
小さい頃から明智に憧れてきた二人からの可愛いやきもちに、尻餅をつかされたところで篠崎は降参した。
篠崎
「分かった、分かりました!」
小春、紅花
「分かればよろしい」
土埃を払いながら立ち上がった篠崎を見上げて、ジャージ上を着込みながら、小春が笑っている。
小春
「先生、ありがとう」
篠崎
「小春さん……」
小春
「お兄ちゃんをよろしくお願いします」
篠崎に頭を下げた小春の笑顔は、昨日より少しだけ、大人びて見えた。
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11/15(Fri) 11:31
小春さん(。>д<)偉いわ!!
ジュン
如月
「穂積先生、熱心だなぁ。俺もともちゃんに教えにいこうかな?」
穂積が翼に走り方をアドバイスしているのを見て如月がポツリと洩らす。
藤守
「あ~ほ。ともはそんな心配いらんやろ?」
ジュン
「そうだね。ともちゃんなら心配しなくても大丈夫よ。それより、さっきの小春ちゃんへの放送はひどかったね。」
借り物競争から帰ってきた二人が如月に声をかけた。
如月
「二人ともおかえりなさい。放送って胸のこと?」
ジュン
「そうだよ。女の子にとって胸のことってデリケートな問題なんだから!」
小春の気持ちを考え、涙目になりながらも憤慨しているジュンに藤守がデリカシーなしに問いかけた。
藤守
「お前胸あるやん?」
ジュン
「なっ!?」
確かにジュンは胸はある、というか巨乳である。しかし、胸が大きいのは大きいので悩みはあるのだ!
ジュン
「わっ、わたしにだって悩みくらいあります!」
何故か敬語で言い返すジュンに対して男たちの失言は続く。
如月
「下着が可愛いのがないとか?」
藤守
「肩こるとか?」
如月と藤守は無意識だろうが目線はジュンの胸を凝視している。
ジュン
「サイテー!」
ジュンは慌てて胸を腕で隠しながらそっぽを向いた。
胸問題波及中です(笑)
11/15(Fri) 15:25
扉|д・)ノ ただいま!
エミ
ほほぉ~ ジュンちゃんは巨乳…φ(._.*)メモメモ
ちなみに理事長は程良いサイズ。和装の時はノーブラです。←いらぬ情報
☆その頃の理事長☆
おばさまが手ぐすね引いて待ち構えているであろう理事長室は、すぐ目の前。
扉に手を掛けようとした瞬間、勢い良く扉が開き「ボヨーンッ!」と衝撃を受けて、小柄なエミは廊下に尻餅をついてしまった。
おばさま
「あらあら、エミさん。ごめんなさいね。ちょっと急用なの。今日は失礼するわ」
エミ
「イタタ……。え?あ、…」
おばさま
「ウチの娘のお見合いの日取りが決まりそうなのよ!あー、忙しい忙しい!それでは、ごきげんよう」
そういえば、おばさまに瓜二つの娘がいたっけ。お見合いがうまくいけば、ここには来なくなるかしら?
???
「……何?アレ」
エミ
「!?」
突然聞こえた声に驚いて室内を見ると、小笠原が長ソファーからこちらを見ている。
髪の一部がハネているところを見ると、寝ていたようだ。
小笠原
「……また来る確率、120%」
そう言うと、再び横になってしまう。
エミ
「やっぱり来るか……。あっ!ちょっと、小笠原くん!」
休み時間や放課後ならば、長ソファーで寝ていても大目に見るけれど、まだ午前中の競技中だ。
愚図る小笠原を引きずりながら、エミは校庭へ戻った。
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11/15(Fri) 19:53
どうも(笑)
くちびる
紅花です(笑)
しょっぱなから登場させて頂きありがとうございます(^-^)
学校中にお顔が知れ渡っちゃいましたね(^_^ゞ
紅花..小春ちゃんを必死に慰めてたけど..何気にひどくてごめんなさい..←紅花もあんまり胸無いんです...(;´д`)
スレッドがどんどん増えてますねえ~凄いなぁ♪
なかなか書き込みが出来ないけど.(;´д`)毎日見てますよ♪
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11/15(Fri) 22:48
こんばんは
とも
小春も紅花も頑張った!
小春に恥をかかせたヤツは私が後でしばいたるからな!
そして小笠原先輩は理事長室で寝てたのね。
☆徒競走・翼☆
前の組がスタートし、いよいよ翼の番がやってきた。
緊張が一気に高まり、膝がガクガク震えてきた。
徒競走が始める前、穂積先生に速く走る為のコツを教えてもらったが、やはり走るのが苦手な私にはやっぱり1位は無理なんじゃないかとうつむいていると、後ろから声がした。
とも
「翼~、穂積先生のアドバイス、ちゃんと守れば、絶対上手くいくからな~!」
翼
「ともちゃん…」
するとゴールの方からも、穂積が翼に向かって叫ぶ。
穂積
「櫻井、1位をとろうなんて考えずに、最後まで頑張って走ればいいのよ!ワタシはここで待ってるから!」
穂積の言葉に翼は顔を上げた。勝ち負けにこだわりすぎていた気持ちはいつの間にか消えていて、彼の言う通り最後まで頑張ってみようと思うのだった。
少しだけ書いたのであとはお願いします~
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11/16(Sat) 08:07
みんなありがとうΣ(ノд<)
小春
ジュン先輩、憤慨してくれてありがとう!嬉しかったです!
ともちゃんも励ましてくれてありがとう。頼もしいなあ!
小春はあの後、紅花ちゃんと、篠崎先生のブラウスのボタンについて熱く語り合っていました(笑)。
そして理事長お帰りなさい。小笠原さんはそこにいましたか。……おばさま、小笠原さんが寝てるのに、同室してたのね。もしかして寝顔が可愛くてじっくり見てたりして。小笠原さんは途中から必死で寝たふり(笑)
☆1年生徒競走~翼~☆
パァン。
スタートの合図とともに、翼は足を踏み出した。
「スタートは大事よ。タイミングと蹴り出しを意識して……」
他にも身体の芯だとか体重の移動だとか、色々説明してくれたけれど。
「……アンタの場合、頭で考えすぎてるから、理論はダメね。……そうねえ、暗い夜道で、後ろから誰かが追い掛けてくると思ってみたら?」
翼は走りながら鳥肌が立った。
「ゴールまで行けば、職員席がある。誰かが助けてくれる」
誰かって誰?
追い掛けてくる誰かより強くて、必ず助けてくれる誰かって誰?
「走る前からそんな顔しないの。……大丈夫、ワタシがいるわ。ワタシが、ゴールで、待ってるから」
だから、少しでも速く。
ゴールまで行けば。
穂積先生が。
私を。
穂積
「もう少しだ、櫻井!」
ゴールテープの先に、トラックに身を乗り出すようにしながら腕を広げている穂積の姿が見えた。
待ってる。
翼は息を止めて、最後の力を振り絞った。
すぐ横を、誰かが追い抜いていく。
だけどもう、順位なんて気にしない。
ただ、あの腕の中へ行きたい。
寸劇の時に知った、あの、心地よい腕の中へ。
穂積
「危ない!」
穂積の声と同時に、翼の身体は急にバランスを崩して、倒れる直前で誰かの腕に抱き抱えられた。
アニ
「櫻井、よく頑張ったな!」
翼
「……藤守先生……?」
翼は辺りを見回した。
どうやら、ゴール直後にバランスを崩したらしい。
翼を抱き止めて膝をついているアニ先生の肩の向こうから、穂積が笑顔を覗かせた。
穂積
「櫻井、最高の走りだったわよ!アンタ、自己ベスト出したんじゃない?」
……ええと。
息が切れてて言葉が出ない。
穂積
「2位よ!緑に30点入るわよ!」
穂積が言い方を変えた。
翼が、体育祭でみんなの役に立ちたいと言っていた事を思い出したからだ。
翼は輝くような笑顔を見せると、息を整えながら、改めて、周りを見た。
走り終えた同級生たちの先頭で、小春と紅花が笑顔でVサインを出している。
これから走る選手たちの列から、ともが手を振っている。
翼はそれらに手を振り返し、係員に連れられて、2位の列に並んだ。
爽快感に浸りながらも、翼は、走っている最中に浮かんだ、自分自身の気持ちを思い出して、戸惑っていた。
そうして、スタート地点に戻って行く穂積の姿を見つめながら、ひとり、火照る頬に手を当てるのだった。
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11/16(Sat) 09:58
次は私の番やで!
とも
☆1年生徒競走・とも☆
放送A
『さぁ、次の組がスタートラインに立ちました!』
放送B
『白組は生徒会所属のともさんですね。おっと、のこりの3人はなんと全員陸上部だ!』
放送A
『たまたまとはいえ、これはいいのか?!はたまた、ともさんが、昨日のサクラダモンでの華麗な足さばき同様に今回も見せてくれるんでしょうか?!』
広報の実況をよそにともは腕や足を曲げ伸ばししながらまっすぐ前のゴールを見据えていた。その気合いの入りように先にゴールしていた翼たちは圧倒される。
小春
「ともちゃん、すごい集中力だね」
翼
「うん、あんなに鋭い目をしてるの初めて見た」
紅花
「ともちゃんは負けず嫌いだから、何でも一生懸命頑張っちゃうんだよね」
ゴール近くの観客席のとも父はのんびりと娘の成り行きを見守っていた。
こちらの方を見ているのに気づくと、片手を挙げ、『頑張れ』の合図を送る。
一方の藤守は先程の明智の立場に立たされ、頭を抱えていた。
藤守
「うわぁ、ともは白組やから勝ってほしいけど、陸上部の後輩が負けるのは困るし、どないしたらええねん!」
如月
「藤守先輩は陸上部のコたちの応援でしょ?キャプテンなんですから~。ともちゃんはオレがしーっかり応援しますから大丈夫ですよ!」
ジュン
「私もともちゃんを応援するわ。同じ白組だし、ね?」
そう言いながら、ジュンはチラッと如月に目配せをした。
スターター
『位置について、用意』
4人がスタートの構えをとった。
同時に観客席がしーんと静まりかえる。
翼と小春は顔の前で手を組み、息をのんで見ていた。
パァン!
ピストルが鳴り響き一斉に走り出すと、わぁっと言う声があちこちで起こった。
放送A
『4人が綺麗にスタートしました!』
放送B
『横並びの状態から抜け出すのは誰だ?!』
実況席の言う通り、4人は50m地点まで横一列で走っていて、誰が1位になってもおかしくない状態だった。
とも
(皆速いな~。…ここは先に抜けんと勝たれへんな)
ともの走る斜め前の白組の観客席に如月とジュンの姿があった。
如月
「ともちゃん、いっけー!」
ジュン
「頑張れー!」
自分を応援してくれている如月やジュンの声がはっきり聞こえてきた。
ゴール横では翼、小春、紅花の3人も手をとりあいこちらを見ている。
その近くの穂積やアニ、職員席の小野瀬、明智、篠崎も見守っていた。
とも
「よし!行くで!」
残り30mでともがさらに加速し、スパートをかけた。
あとの3人は驚き遅れをとってしまったが、これ以上ともに付いていくのは限界だった。
放送A
『ゴール!一着は白組、ともさん!』
両手を挙げてゴールテープを切ると、係員に1位の旗に誘導された。
紅花
「ともちゃーん、やったぁ!」
着いたところで紅花がともに抱きついてきた。
翼
「おめでとう!」
小春
「私、感動しちゃった」
翼と小春もぎゅっとしてくる。
とも
「あ~気持ちよかった~。皆が『頑張れー』って言うてるの、めっちゃ聞こえたから足が軽くなってはよ走れたわ」
さすがに息が上がってはいるが、ともはさっきまでの鋭い目つきとは一変していつものニコニコ顔に戻っていた。
とも
「さ、あとの組のコたちも応援せなな!」
11/16(Sat) 11:08
ともちゃんカッコイイ(うっとり)
小春
☆1年生徒競走☆
1年生女子の後は1年生男子。
ストーリー的には影が薄い彼らだが、桜田門学園は文武両道。
偏差値もスポーツも課外活動でも、周辺の高校より頭ひとつ抜きん出ている。
そのため、入学から半年経った男子生徒たちの徒競走も、それはそれは見応えのある、白熱した展開だったのだが。
ここでは割愛する。
何はともあれ、その白熱した1年生の徒競走で、午前中の種目は終了。
ここまでの得点が発表された。
藤守(白)
「よっしゃ、白組リードやで!」
如月(白)
「MVPが近付きましたかね?」
1位は大会前の予想通り、白組。
その後を大接戦の緑、青、赤が追いかける展開だ。
和音(青)
「午後からは団体戦が多くなるから、私たちの組にも、充分逆転のチャンスはあるよね」
空間(赤)
「(体育祭なんかどうでもいいけど)先生方のご活躍にも期待したいわ」
様々な思いの交錯する、体育祭後半戦の行方はどうなるのか?
その前に昼休みだ!
小春がお弁当を取りに行くから、みんな食べずに待っててね!
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11/16(Sat) 12:10
小春
☆校舎の外れ☆
大騒ぎの体育祭も、前半終了。
小春は昼休みに備えて、風通しの良い日陰に停めてある明智の車から、昼食を取り出していた。
明智と小春の分はもちろん、大食漢の穂積の分、小笠原にはヘルシーメニュー、小野瀬、篠崎、ともととも父、それに和音が(龍鬼の分まで)二人分……。
個々の弁当だけでも結構な量だが、さらに手鞠寿司やおにぎり、おせち料理のように多種多様なおかず、デザートの入った大きな器もあって、小さな小春が運ぶにしてはかなりのボリュームだ。
だが、小春は慣れた様子で、折り畳み式の台車に重箱やお弁当箱を載せて、軽快に運んでいく。
小春
「ふふふん、ふふん♪おまえのすべて、とりしらべたい……♪」
そこしか知らない歌を機嫌良く口ずさみながら、みんなの元に運ぼうと角を曲がりかけた時、小春は、不意に、若い男性に声を掛けられた。
男性
「こんにちは」
小春
「?」
……確か、さっき、本部席で校長先生と話をしていた人だ、と小春は思った。
構内にいるのだし、学校関係者である事は間違いないだろう。
ただ、小春にとっては、心当たりのない人物だ。
男性
「こんにちは」
小春の返事より先に、近付いた相手がもう一度、挨拶してきた。
立ち止まっていた小春は男性に向き直って、丁寧にお辞儀を返す。
小春
「こんにちは」
相手は、小春の顔を確かめると、なぜか、懐かしい相手に会った時のような、嬉しそうな表情をした。
男性
「失礼ですけど、小春さん、ですよね」
小春
「はい」
男性
「良かった。……少し、お話したい事があるのですが、今、お時間よろしいですか?」
何だろう、と小春は首を傾げたものの、時間はまだ充分あるし、どう見ても悪い人には見えない。
知らない人について行っては駄目だ、と、小春はいつも明智に注意されている。
でも、ここなら大丈夫だろうと思いながら、男性に向かって返事をした。
小春
「はい」
男性
「ありがとうございます」
柔らかい笑顔に、小春の頬も自然と緩んだ。
二十代半ば、というところだろうか。
背は高く細身で、濃いグレーのスーツを着ている。
平凡な顔立ちだけれど、物腰が柔らかく笑顔が穏やかで、何となく安心するタイプの人だ。
男性は、小春の前に立つと、静かな口調で話し始めた。
男性
「……僕、あなたにお礼を言いたくて、機会を探していたんです」
小春
「え?……何のお礼、ですか?」
男性は少し躊躇った後、実は、と切り出した。
男性
「前夜祭で皆さんが演じて下さった、『10分間でロミオとジュリエット』。……あれ、僕が書いた脚本なんです」
小春
「えっ!」
男性
「実際の所属は、文学部だったんですけどね。演劇部の友人に頼まれて書いたんですよ」
少し照れたように言った男性の笑顔を、小春は驚いて見つめた。
小春
「じゃあ、『H2』さんですか?」
何度も読んだ脚本に記されていた作者の名前を言うと、男性は、うわあ、と叫んでのけぞり、両手で顔を覆った。
H2
「……そうです」
今度は小春が、うわあ、と叫んだ。
H2は過去のペンネームが恥ずかしいのか、真っ赤になっている。
H2
「僕は、今、別の学校で教師をしている者なんですけど。こちらの学園祭のプログラムを見て、もしかして、と思って見に来たんです」
あの寸劇を原作者が見た、と知って、小春は青くなった。
H2
「そうしたら……」
小春
「すみませんでした!」
H2の言葉を遮るほど慌てて、小春は深々と頭を下げる。
小春
「無断で使わせて頂いた上に、原形をとどめないというか、男性陣がアレンジし過ぎてしまって。……特にうちの兄が」
H2
「もしかして、キャピュレットを演じてくれた人ですか?確かに台本に無いセリフ連発でしたけど、特に後半は熱演でしたよ。真に迫っていて、素晴らしかった」
小春
「……はあ……」
それは篠崎が明智に、『ジュリエットを小春だと思え』と助言した結果なのだが。
あの時の事を思い出し、恐縮して赤くなる小春に、H2は首を横に振った。
H2
「そもそも、在学中にボツになって忘れ去られたはずの僕の脚本を使ってくれただけで、嬉しかったんです。誰が見つけてくれたのか知りたくて、色々な人に尋ねていったら、それが、あなただと知ったんです。……だから、お礼を言いたくて」
小春は、おずおずとH2を見た。
小春
「私、演劇部から寄贈された脚本、図書室で全部読みました。その中でも、あのお話が好きで、だから原本を頂いたんです。……それなのに、せっかくの脚本を、台無しにしてしまって……だから、お礼なんてとんでもないです」
H2
「あなたのせいじゃない事は分かってます。それに、僕の脚本よりずっと面白かった。満足しています」
小春
「本当ですか?良かった」
小春はホッとした顔になる。
その表情を見て、H2もまた、ホッとしたような顔をした。
H2
「……文化祭で、あなたの作った編みぐるみに感動した後、中庭のオープンキッチンであなたを見つけました。お忙しそうだったから、声は掛けなかったけど。スパゲティミートソースと、サラダを頂きました。絶品でした」
脚本のアレンジを容認してもらい、さらに、自分の作った料理を食べてもらえたと知って、小春は嬉しくなる。
小春
「お口に合って良かったです」
男性
「本当に、美味しかった。僕、照り焼きバーガー5個買って帰ったんですよ。……完全に、胃袋を掴まれました」
H2は頬を染めたが、小春はその言葉に込められた、深い意味には気がつかない(篠崎かジュンがいれば良かったのだが)。
だから言葉通りに受け止めて、ニコニコ笑った。
小春
「ありがとうございます。兄のレシピのおかげですね」
H2
「それだけじゃないです!」
初めて、H2が強い声を出した。
[削除]
11/16(Sat) 12:12
小春
小春が驚いた事にハッとしたのか、H2は恐縮して長身を縮める。
H2
「いや、その……すみません。でも、作ってる姿も、本当に可愛……いやあの……でしたら……」
H2は真っ赤になって目を泳がせていたが、やがて、意を決したように言った。
H2
「でしたら今度は、小春さんのオリジナルを食べさせて頂けませんか?」
小春
「え?」
きょとんとする小春に、H2はなお赤くなって狼狽えた。
H2
「あっ!……す、すみません、いきなり変な事を言ってしまって!……それより、先に、僕が、どこかへ食事にお連れしなきゃいけないんですよね。……お礼がしたくて声を掛けたと言いながら、すみません……!」
しどろもどろになるH2に、小春は何だか胸の内が温かくなってきて、くすくす笑った。
小春
「本当に、お礼なんていいのに」
H2が、赤い顔のまま真顔になり、ごほん、と咳払いをしたので、小春も、慌てて笑いを引っ込める。
H2
「……近々お誘いしたいので、小春さんの、連絡先をお聞きしてもいいですか?」
小春は今まで、初対面の男性に自分の携帯の番号を教えた事など無い。
それどころか、「男から連絡先を聞かれた時は、俺の携帯の番号を言え」と、兄から厳命されている。
小春が正直にそれを打ち明けると、H2は笑った。
H2
「それは、お兄さんが正しい。でしたら、僕の番号を小春さんの携帯に登録してくれますか」
小春が登録画面を開くと、H2は自分の番号を読み上げた。
小春
「『H2』さん、登録」
打ち込みを終えた小春が言うと、H2は笑った。
H2
「何だか、不思議なご縁ですね」
小春
「そうですね。でも私、こういう面白いの、好きです」
小春がニコニコ笑いながら携帯をしまうと、H2は、小春に右手を差し出した。
小春
「?」
H2
「お時間が出来たら、電話を下さい。きっとですよ。お待ちしてますから、いつまででも」
真っ直ぐに見つめられて、小春の胸が、とくん、と鳴った。
小春
「はい」
H2の笑顔に頷いて、小春は、大きな手と握手を交わした。
温かい手だった。
小春
「よろしければ、これから、昼食をご一緒にいかがですか?たくさん用意して来ましたし、生徒会のみんなにも紹介したいですし」
H2
「……じゃあ、せっかくですから、お言葉に甘えて、そうさせて頂こうかな。台車、僕が押しますよ」
小春
「ありがとうございます」
[削除]
11/16(Sat) 12:15
小春
小野瀬はその一部始終を見ていた。
そして、ドリンクサーバーを提げた小春と、台車を押すH2が仲良く並んで歩き出すのを見届けた後、全力疾走で職員席に戻り、談笑しながらアニを小突いていた穂積の襟首を引っ掴んで、物陰に引っ張り込んだ。
小野瀬
「穂積、大変だ!小春さんがデートを申し込まれた!」
穂積
「えっ?」
穂積はいきなりの情報に一旦は驚いたものの、すぐに、冷静に戻った。
穂積
「……それの何が大変だ?」
小野瀬
「相手だ!」
小野瀬は肝心な事を穂積に告げていなかった事を思い出して、慌てて付け足した。
小野瀬
「俺、小春さんが昼食を運ぶのを手伝おうと思って行ったら……」
そうして、自分が今見てきた事を、穂積に報告する。
初めこそ小野瀬の勢いに押されていた穂積だが、話を聞くうち、徐々に、にやにやと薄笑いを浮かべ始めた。
小春に声を掛けてきたのは、小野瀬も穂積もよく知る人物だったからだ。
穂積
「ああ、学校関係はお互いに教師の招待枠があるからな。校長が呼んだんだろう」
小野瀬
「そんな事はどうでもいい!小春さんを食事に誘ったんだぞ!しかも、これから昼食を一緒に食べるんだぞ!」
穂積
「あのカタブツが、小春をねぇ……。あいつが女といる所なんか見た事がねえよ。さぞかし不器用に誘ったんだろうな。俺も見たかったなぁ」
呼んでくれればよかったのに、とまで言われて、小野瀬は肩を落とした。
小野瀬
「……」
何て事だ。
せっかく、少しだけ素直になってみようかと思っていた矢先だったのに……。
穂積
「……?……」
話を聞いて笑っていた穂積だったが、黙り込んでしまった小野瀬の様子を見ているうちに、段々と真顔になってきた。
穂積
「……」
穂積は、がりがりと頭を掻いた。
穂積
「地味で、普通で、不器用で、真面目しか取り柄の無いカタブツだけど。……あいつ多分、小春の好きなタイプだぞ」
小野瀬
「……」
穂積
「でも、まだ、食事に誘った、ってだけの話だろ。昼飯だって、俺たちも一緒に食うんじゃねえか」
小野瀬
「だけど……」
顔を上げ、穂積の顔を見て何か言いかけた小野瀬を、穂積はきつく睨みつけた。
穂積
「だけど、何だ?お前またそうやって逃げるのか?本気になりそうになると、いつもそうだよな」
小野瀬の眉が、ぴくりと動いた。
穂積
「先に言っておくぞ。何もしないうちから『彼に譲る』なんて気取った事を言いやがったら、ぶん殴る。ちゃんと向き合え。あいつとも、小春とも。それから、自分の気持ちとも」
指先が白くなるほどきつく拳を握り締めた小野瀬に、穂積は真っ直ぐに目を向けた。
穂積
「あいつに遠慮はいらん。悪いが、ああ見えてもお前に手加減されるほど柔な奴じゃない」
穂積が言い切った。
穂積
「俺の弟なんだからな」
小野瀬
「穂積……」
穂積
「そろそろ素直になれよ、小野瀬。そうすれば、見えてくる。本当に大切なものが、な」
穂積の視線を目で追うと、その先に、片付けをしながら明智と笑っている、篠崎の姿が見えた。
穂積
「俺は小春に、お前は篠崎に、その事を教わったじゃないか」
小野瀬
「……」
小野瀬はすぐには頷かなかった。
じっと何かを考え始めた小野瀬の肩を、ぽん、と叩いて、穂積は、「先に行くからな」と言い残して、歩き出して行った。
[削除]
11/16(Sat) 12:18
長々すみませんm(__)m
小春
ついに小春の本命登場です。
へっへっへっ(∩´∇`)
11/16(Sat) 13:02
お弁当・藤守家
ジュン
小春さんの本命登場ですか!?
小野瀬先生とは三角関係!?
ドキドキ(*≧∀≦*)
小春たちとは少し離れたところで藤守家はお弁当をすでに広げている。
朝からジュンとジュン母が大量に作ったお重弁当である。
藤守
「いただきます!」
アニ
「いただきます。」
空
「いただきまーす。」
ジュン&ジュン母
「はい、どうぞ。」
皆で仲良く食べ出したが、ジュンと藤守の様子がおかしい。
藤守
「ジュン~、まだ怒ってんの?」
ジュン
「怒ってない。」
藤守
「声が怖いやーん。許してぇな?」
藤守が一生懸命謝り倒すのに、いつまでも胸のことで怒っているのは馬鹿馬鹿しい。
ジュン
「わかった。もう本当に怒ってないから。」
藤守
「ホンマ?よかった~。」
藤守とジュンはお互いに顔を見合わせて微笑んでお弁当に手をつけた。
そんなジュンたちを見ていたジュン母は……
ジュン母
「あらあら~。やっと、二人はうまいこといったんやねぇ。」
どストレートなジュン母の発言に藤守はむせかえ、アニは口をパクパクさせ、ジュンは顔を真っ赤にする。
空
「何がうまくいったの~?」
ジュン母
「賢史くんが空のお兄ちゃんになるんよ~。」
アニ
「なっ!」
藤守
「ゲホっ!ゴホっ!」
ジュン
「賢史くん、大丈夫?おしぼり、おしぼり。」
突然、バタバタと慌ただしくなった藤守家。
アニ
「けっ、結婚なんてまだ早い!」
ジュン母
「あら~、賢史くんもこの間の誕生日で18歳になったし、いいんやない?」
ジュン
「お母さん!」
ジュンが暴走する母を止めようとするが母は止まりそうにない。
ジュン母
「花嫁修業頑張ってて良かったなぁ。」
藤守
「は、花嫁修業って!お茶とかお花とかか?俺のためやったんか!?」
ジュン
「そ、そうだけど!今はそこじゃないから!」
ジュン母
「とりあえず結納だけは済ませようなぁ。」
アニ
「賢史!お前、順番は守れよ!!」
藤守
「知らんわ!てか、そうやなくて!」
空
「おにーたん?」
空の一言に可愛さのあまり悶絶する賢史。
弟に先を越されると憤慨するアニ。
真っ赤になって母を諌めるジュン。
携帯片手に父や叔父たちに連絡を入れるジュン母。
ニコニコとお弁当を食べる空。
とも
「なんか、会長のとこ騒がしいですね?」
如月
「また、会長とアニ先生が何かしてるんじゃない?」
藤守家のお弁当タイムは賑やかに過ぎていくのでした。
[削除]
11/16(Sat) 14:12
なんと?!
とも
小春さんに別の本命がいたとは!(゜ロ゜ノ)ノ
しかも穂積先生の弟やから…
H2ってイニシャル?
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11/16(Sat) 16:59
小春
ジュンさん、トントン拍子じゃないですか(∩´∇`∩)
もー、カップル成立通り越してゴール間近ですね!
ともさん、そうですイニシャルです。
でも、穂積先生の弟だと知ってるのは小野瀬、穂積、明智、篠崎先生だけ。
小春はもちろん、アニ先生も他の生徒たちも知らないので内緒にしててくださいね(  ̄▽ ̄)b
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11/16(Sat) 22:51
とも
小春さん、了解です!
ご対面は後のお楽しみにしときますね。
そして文化祭終わりに言っていたナイショのアレ、やっちゃいますヽ(・∀・)ノ
小春がお弁当を取りに行っている間、ともは『これからちょっと用意せなあかん事があるから行ってくるわ』と和音と共にどこかへ行ってしまった。
そこへとも父がやってきて翼に声をかけた。
とも父
「おー、翼ちゃん、さっきは頑張っとったなぁ。しっかり見てたで!ところで、うちのとも知らんか?」
翼
「ともちゃんのお父さん!ともちゃんなら今から何か準備があるとかでここには居ないんです。小春ちゃんが今お弁当を取りに行ってるので一緒に待ちませんか?」
2人で他愛もない話をしていると、
会場にアナウンスが鳴った。
『ただいまより、女子運動部有志による、チアリーディングショーを行います!』
トラックの中央に向かってお揃いのタンクトップ、ミニスカートというチアリーダーのユニフォームに身を包んだメンバーたちが走っていく。
その中でセンターにジョー、和音、ともの姿があった。ジョーは翼ととも父を見てパチンとウインクをしてきた。ともも2人にニッコリ笑う。そのあとの最後尾に同じくユニフォームを着たNYベアーズが続いた。彼らも近くにいた穂積たちに気がつきこっそり手を振る。
穂積
「…なんでアイツらまでいるんだ?」
小野瀬
「さぁ、心は女の子だから?」
全員がそれぞれの位置につくと、音楽が鳴り出し、息の合ったダンスを披露していく。なかなかの激しさだが、そこは運動部。全く息も上がらない。
ダンスが終わると、ポジションを変えてアクロバットが始まった。
体操部が華麗にバク転を決めると、会場のあちこちから拍手と歓声がおこる。和音とともも、それに続いてバク宙を決めた。
とも父
「なんかスゴいな~。いつの間に練習してたんや?あいつがこんなんやるなんて一言も言うてなかったんやけどなぁ」
翼
「スゴい本格的!かっこいい~」
今度は何人かに別れてのアクロバット。
3人で1人を持ち上げ、上の1人がY字バランスでポーズを決める。
センターだった3人はもちろん上の方だ。
興奮して見ていると、いつの間にか隣に如月が立っていた。
如月
「ともちゃん、スゴいね!」
翼
「ホント、和音先輩も、ジョーさんも素敵!」
くるっと宙返りして降りる3人に歓声が起こる。
それぞれが次々と技やポーズを決める中、ついに最後の大技までやってきた。
NYベアーズを土台の中心に、全員で4重のタワーを作っていく。
歓声を送っていた観客たちも息をのみ、完成を待っていた。3段目に和音とともが、1番上にはジョーが上った。
ジョーが上に上がったのを見て、全員で叫ぶ。
『S・A・K・U・R・A・SAKURA!!』
その瞬間、わーっという歓声が起こり、ショーが終わり、彼女たちが退場するまで拍手が鳴りやまなかった。
[削除]
11/16(Sat) 22:52
続きます。
とも
たくさんの歓声と拍手のあと、ショーを終えた和音とともが戻ってきた。
翼
「ともちゃん、おつかれさま!スゴかったね!楽しみにしててよかったよ!いつ練習してたの?毎日部活も生徒会も顔を出してたのに」
おしぼりとお茶を差し出す翼にニコニコしながらともが話す。
とも
「ありがとう。練習は…えーと、実際全員でできたのは1週間くらいかなぁ。あとは何人かで自主練習してたわ」
如月
「そんなに短い練習期間であんなスゴいのができちゃうの?」
小野瀬
「今回のショーを企画したのはジョーなんだよね?」
如月の後ろからひょこっと小野瀬が顔を出した。
とも
「そうなんです。彼女、ハイスクールでチアをやっていたらしくて、ウチの運動部はレベルが高いから練習さえできればきっとスゴいのができるって言うて。合間を縫ってメンバーを集めて、ほとんど彼女1人で教えてくれてましたよ」
ジョーのレベル高いという意味には何が?とツッコみたくなるが、そこは誰も聞かなかった。
穂積
「ジョーがあんまり校内をうろついてなかったのはその為だったのね。でもおかげで盛り上がったわ、おつかれさま」
ポンと頭を撫でられ、ともも少し顔が赤くなったが、褒められて嬉しそうだった。
リレーSS専用スレ・11
小春
☆こちらはリレーSS専用スレッドです。
☆書き込みの前に作成した文章を保護した上で、最新の情報に更新する事をお勧めします。
☆お話を書きこむ時は黒では無く文字色を変えて下さい。出来るだけ他の方と被らない色でお願いします。
☆前の人の書き込みの続きを書いてるけれどまだ時間がかかりそう、また、自分の書き込みにまだ続きがある、など、他の人の書き込みをブロックしておきたい時には、そのむねメッセージを書いておきましょう。
他の人も、メッセージがあったら広い心で待っててあげて下さい。
☆逆に、フラグ(意味深な伏線)があるけれど、他の人に続きを書いてもらいたい時には、「続きはお願いします」とメッセージを書きましょう。
基本的に、自分発のエピソードは自分で片付ける事になってます(笑)ので、メッセージが無いと、他の人は広い心でフラグを素通りします。
☆初参加・短文・ぶっこみ大歓迎です。きっと誰かが何とかしてくれます。
☆合言葉は『他力本願』です。
☆☆リレーSSは他の過去スレッドにもありますので、そちらもぜひご覧くださいませ☆☆
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11/13(Wed) 23:24
☆ごあいさつ☆
小春
おかげさまでスレッドも11に突入しました。
こちらのスレッドでは、ただいまリレーSS『アブナイ☆恋の学園物語』を開催中です。
桜田門学園高校に転校してきた櫻井翼が、イケメンな先生方や個性的な生徒たちと繰り広げる、学園ラブコメディ!
皆さまふるってご参加ください(´∇`)
《ここまでのあらすじ》
学園祭『桜祭』も三日目。
晴れた秋空のもと、体育祭が幕を開けた。
緑、白、青、赤の4色のチームに分かれ、借り物競走や徒競走などで盛り上がりながらプログラムは進んで行く。
昼食の後に予定されているのは、
・徒競走100m(3年)
・棒倒し(2年)
・騎馬戦
・綱引き(PTA参加競技)
・部活対抗リレー
・色別対抗リレー
などです。(順番未定)
※あくまでも予定です。
~主なメンバーと組分け~
☆緑(A組)……穂積
1A……翼、小春
3A……アンドロメダ、パープルドラゴン、ibu
☆白(B組)……藤守アニ
1B……とも、紅花
2B……如月、ジュン
3B……藤守、千春
☆青(C組)……明智
2C……細野、太田
3C……和音
☆赤(D組)……小野瀬
2D……小笠原
3D……空間
MVPは誰の手に? 小笠原の行方も探せ!のスレッド11、スタート!
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11/14(Thu) 21:01
☆1年生徒競走☆
小春
とりあえずスタートさせてみる。
☆1年生徒競走☆
放送A
『さあ、盛り上がった借り物競走に続いての種目は、初々しい1年生による、100m走です!』
放送B
『今年の1年女子はみんな可愛いと評判ですから、楽しみですね!毎年言ってますけど!』
この種目には紅花も出場するため、実況と解説を担当する広報委員は、3年生の男子2人に代わっていた。
軽妙な会話に、会場がどっと沸く。
放送A
『この種目では、各クラスから1人ずつ、計4人が1グループになって、100mの速さを競う事になっています』
事前の体育の授業でタイムを計り、およそ同じ速さの生徒を揃える学校もあるが、2年生の徒競走で如月と小笠原が同じグループで走った事を見ても分かるように、この学校では身長順に走る。
A組の小春とB組の紅花は身長が同じで、どちらもクラスで一番小さい。
そのために、幼馴染みで仲良しの二人が、1年女子の先頭の組で、並んで走る事になってしまった。
明智は二人とも応援してやりたいが、自分は青組、小春は緑組で、紅花は白組。
どちらも違う色の組の所属だ。
どうしたものかと職員席でやきもきしていると、代わりに、スタート付近にいる、小春の担任の穂積が叫んでくれた。
穂積
「小春、転ばないように走るのよ!」
穂積のおネエ言葉と、小春の「はーい!」という元気な返事に、会場から笑いが起きた。
相変わらずの屈託の無さに、明智も、保健室から戻って来た、小野瀬と篠崎も目を細める。
そして、穂積の声に力を得て、それぞれ、自分の担当する組の生徒に声援を送るのだった。
アニ
「紅花、待ってるからな!」
ゴール係のアニも大声を出す。
生徒
「リポーター、頑張れよ!」
一方、広報委員として文化祭から頑張ってきた紅花も、連日、中継やVTRで繰り返し校内じゅうのモニターに映りまくっていた事もあって、一気に顔と名前が知れ渡ったようだ。
紅花は声援に頬を染めて、ぺこりと頭を下げた。
係員
「では、位置について、よーい!」
パァン!
スタートの合図と共に、4人が一斉に走り出した。
放送A
『いよいよ、徒競走が始まりました。第1グループ、きれいなスタートです!』
「いいぞ、小春どの!」
「そのまま行くでつ!」
「紅花ぁ、もっと飛ばせや!」
「頑張れ、紅花ちゃん!」
パープルドラゴンやアンドロメダ、藤守や如月たちからも声援が飛ぶ。
自分で運動が苦手だというだけあって、紅花はなかなかスピードに乗れないが、それでも3着でゴール出来そう。
100mの終着点は、教師たちの見守る、職員席の前。
先頭でゴールテープを切ったのは、なんと小春だった。
放送A
『1着、緑!』
本人が一番びっくりし、危うく足がもつれて転びそうになる。
しかし、小春がさらに驚く事になったのは、次の瞬間だった。
放送B
『速かったですね!さすが、走っても胸が揺れない、スプリンター体型の小春さん!』
係員に誘導され、「1」と書かれた旗の元に向かっていた小春は、大音声のマイクでそう言われ、さらに会場がどっと笑ったのを聞いて、胸を腕で押さえて真っ赤になってしまった。
小春は胸を隠したままタタタッと走って、旗の根元にしゃがみこむ。
会場はまだ笑っているが、職員席は真っ青だ。
その場にいた明智が小野瀬が篠崎が、放送席を睨み付けた。
遠くからは穂積も睨んでいる。
全員の視線で失言に気付いた広報委員はすかさず『あっ、失礼しました』と謝ったが、時すでに遅し。
乙女心の分からない彼はこの後、教師たちから、きついお叱りを受ける事になるのだった。
[削除]
11/15(Fri) 09:02
体育祭MVP、パープルドラゴンにも投票ありがとうございます(笑)
小春
おはようございます。
誰もいなかったので連投してみる。
☆1年生徒競走~小春、紅花、篠崎~☆
紅花
「小春ちゃん、元気出して」
赤い顔で丸くなっている小春の元に、同じグループで走り終えた紅花が駆け寄ってきて、一緒にしゃがんだ。
小春
「紅花ちゃん、ありがとう。大丈夫だよ」
膝を抱えたまま顔を上げた小春は、笑顔だけど少し涙目。
紅花の方が憤慨している。
紅花
「あんなの、放送で言う事じゃないよ!小春ちゃん、胸が小さいくらい、気にしなくていいからね。小春ちゃんはまーくんに似てて可愛いし、お料理も上手だし!」
小春
「ありがとう」
紅花
「だから、胸ぺったんまでお兄ちゃんに似ちゃったからって、気にする事ないんだからね!」
小春
「紅花ちゃん、もう大丈夫だから」
紅花
「小春ちゃんの胸だって、走る時には少しは揺れるよ!」
篠崎
「……紅花さん、慰めるのはそのくらいにしてあげて」
苦笑しながら近付いて来たのは、篠崎。
その手には、生徒席から持ってきた、小春のジャージ(上)が握られている。
篠崎
「小春さん、羽織っておく?」
小春
「ありがとうございます」
篠崎
「元気出してね。ほら、もうじき櫻井さんの番よ。応援してあげて?」
篠崎の言葉に、小春も紅花も揃ってスタート地点に顔を向けた。
篠崎の言う通り、あと三人ほどで翼の番になる。
傍らで、穂積が、他の生徒たちにも目を配りながら、熱心に走り方を指導していた。
実際、翼以外の生徒たちも、腕を大きく振ってみたりしている。
小春の唇に笑みが浮かんだ。
小春
「篠崎先生、私、頑張って翼ちゃんや、ともちゃんや、みんなを応援します」
ようやく戻った小春の笑顔に、篠崎も紅花も笑顔になる。
紅花
「その調子!」
篠崎
「私もここで応援しようかな」
小春
「それはだめ。お兄ちゃんが心配するから」
篠崎
「えっ?」
首を傾げる篠崎に、小春は悪戯っぽく笑った。
小春
「『小春は大丈夫』ってお兄ちゃんに伝えて下さい。それで、先生はお兄ちゃんの近くにいて下さい」
篠崎
「小春さん……?」
小春
「ここにいると、私と紅花ちゃんが、先生に意地悪しちゃうんだから!」
紅花
「そうだ!」
言うが早いか、二人が篠崎をくすぐり始めた。
篠崎
「き、ゃあっはっはっ!」
小さい頃から明智に憧れてきた二人からの可愛いやきもちに、尻餅をつかされたところで篠崎は降参した。
篠崎
「分かった、分かりました!」
小春、紅花
「分かればよろしい」
土埃を払いながら立ち上がった篠崎を見上げて、ジャージ上を着込みながら、小春が笑っている。
小春
「先生、ありがとう」
篠崎
「小春さん……」
小春
「お兄ちゃんをよろしくお願いします」
篠崎に頭を下げた小春の笑顔は、昨日より少しだけ、大人びて見えた。
[削除]
11/15(Fri) 11:31
小春さん(。>д<)偉いわ!!
ジュン
如月
「穂積先生、熱心だなぁ。俺もともちゃんに教えにいこうかな?」
穂積が翼に走り方をアドバイスしているのを見て如月がポツリと洩らす。
藤守
「あ~ほ。ともはそんな心配いらんやろ?」
ジュン
「そうだね。ともちゃんなら心配しなくても大丈夫よ。それより、さっきの小春ちゃんへの放送はひどかったね。」
借り物競争から帰ってきた二人が如月に声をかけた。
如月
「二人ともおかえりなさい。放送って胸のこと?」
ジュン
「そうだよ。女の子にとって胸のことってデリケートな問題なんだから!」
小春の気持ちを考え、涙目になりながらも憤慨しているジュンに藤守がデリカシーなしに問いかけた。
藤守
「お前胸あるやん?」
ジュン
「なっ!?」
確かにジュンは胸はある、というか巨乳である。しかし、胸が大きいのは大きいので悩みはあるのだ!
ジュン
「わっ、わたしにだって悩みくらいあります!」
何故か敬語で言い返すジュンに対して男たちの失言は続く。
如月
「下着が可愛いのがないとか?」
藤守
「肩こるとか?」
如月と藤守は無意識だろうが目線はジュンの胸を凝視している。
ジュン
「サイテー!」
ジュンは慌てて胸を腕で隠しながらそっぽを向いた。
胸問題波及中です(笑)
11/15(Fri) 15:25
扉|д・)ノ ただいま!
エミ
ほほぉ~ ジュンちゃんは巨乳…φ(._.*)メモメモ
ちなみに理事長は程良いサイズ。和装の時はノーブラです。←いらぬ情報
☆その頃の理事長☆
おばさまが手ぐすね引いて待ち構えているであろう理事長室は、すぐ目の前。
扉に手を掛けようとした瞬間、勢い良く扉が開き「ボヨーンッ!」と衝撃を受けて、小柄なエミは廊下に尻餅をついてしまった。
おばさま
「あらあら、エミさん。ごめんなさいね。ちょっと急用なの。今日は失礼するわ」
エミ
「イタタ……。え?あ、…」
おばさま
「ウチの娘のお見合いの日取りが決まりそうなのよ!あー、忙しい忙しい!それでは、ごきげんよう」
そういえば、おばさまに瓜二つの娘がいたっけ。お見合いがうまくいけば、ここには来なくなるかしら?
???
「……何?アレ」
エミ
「!?」
突然聞こえた声に驚いて室内を見ると、小笠原が長ソファーからこちらを見ている。
髪の一部がハネているところを見ると、寝ていたようだ。
小笠原
「……また来る確率、120%」
そう言うと、再び横になってしまう。
エミ
「やっぱり来るか……。あっ!ちょっと、小笠原くん!」
休み時間や放課後ならば、長ソファーで寝ていても大目に見るけれど、まだ午前中の競技中だ。
愚図る小笠原を引きずりながら、エミは校庭へ戻った。
[削除]
11/15(Fri) 19:53
どうも(笑)
くちびる
紅花です(笑)
しょっぱなから登場させて頂きありがとうございます(^-^)
学校中にお顔が知れ渡っちゃいましたね(^_^ゞ
紅花..小春ちゃんを必死に慰めてたけど..何気にひどくてごめんなさい..←紅花もあんまり胸無いんです...(;´д`)
スレッドがどんどん増えてますねえ~凄いなぁ♪
なかなか書き込みが出来ないけど.(;´д`)毎日見てますよ♪
[削除]
11/15(Fri) 22:48
こんばんは
とも
小春も紅花も頑張った!
小春に恥をかかせたヤツは私が後でしばいたるからな!
そして小笠原先輩は理事長室で寝てたのね。
☆徒競走・翼☆
前の組がスタートし、いよいよ翼の番がやってきた。
緊張が一気に高まり、膝がガクガク震えてきた。
徒競走が始める前、穂積先生に速く走る為のコツを教えてもらったが、やはり走るのが苦手な私にはやっぱり1位は無理なんじゃないかとうつむいていると、後ろから声がした。
とも
「翼~、穂積先生のアドバイス、ちゃんと守れば、絶対上手くいくからな~!」
翼
「ともちゃん…」
するとゴールの方からも、穂積が翼に向かって叫ぶ。
穂積
「櫻井、1位をとろうなんて考えずに、最後まで頑張って走ればいいのよ!ワタシはここで待ってるから!」
穂積の言葉に翼は顔を上げた。勝ち負けにこだわりすぎていた気持ちはいつの間にか消えていて、彼の言う通り最後まで頑張ってみようと思うのだった。
少しだけ書いたのであとはお願いします~
[削除]
11/16(Sat) 08:07
みんなありがとうΣ(ノд<)
小春
ジュン先輩、憤慨してくれてありがとう!嬉しかったです!
ともちゃんも励ましてくれてありがとう。頼もしいなあ!
小春はあの後、紅花ちゃんと、篠崎先生のブラウスのボタンについて熱く語り合っていました(笑)。
そして理事長お帰りなさい。小笠原さんはそこにいましたか。……おばさま、小笠原さんが寝てるのに、同室してたのね。もしかして寝顔が可愛くてじっくり見てたりして。小笠原さんは途中から必死で寝たふり(笑)
☆1年生徒競走~翼~☆
パァン。
スタートの合図とともに、翼は足を踏み出した。
「スタートは大事よ。タイミングと蹴り出しを意識して……」
他にも身体の芯だとか体重の移動だとか、色々説明してくれたけれど。
「……アンタの場合、頭で考えすぎてるから、理論はダメね。……そうねえ、暗い夜道で、後ろから誰かが追い掛けてくると思ってみたら?」
翼は走りながら鳥肌が立った。
「ゴールまで行けば、職員席がある。誰かが助けてくれる」
誰かって誰?
追い掛けてくる誰かより強くて、必ず助けてくれる誰かって誰?
「走る前からそんな顔しないの。……大丈夫、ワタシがいるわ。ワタシが、ゴールで、待ってるから」
だから、少しでも速く。
ゴールまで行けば。
穂積先生が。
私を。
穂積
「もう少しだ、櫻井!」
ゴールテープの先に、トラックに身を乗り出すようにしながら腕を広げている穂積の姿が見えた。
待ってる。
翼は息を止めて、最後の力を振り絞った。
すぐ横を、誰かが追い抜いていく。
だけどもう、順位なんて気にしない。
ただ、あの腕の中へ行きたい。
寸劇の時に知った、あの、心地よい腕の中へ。
穂積
「危ない!」
穂積の声と同時に、翼の身体は急にバランスを崩して、倒れる直前で誰かの腕に抱き抱えられた。
アニ
「櫻井、よく頑張ったな!」
翼
「……藤守先生……?」
翼は辺りを見回した。
どうやら、ゴール直後にバランスを崩したらしい。
翼を抱き止めて膝をついているアニ先生の肩の向こうから、穂積が笑顔を覗かせた。
穂積
「櫻井、最高の走りだったわよ!アンタ、自己ベスト出したんじゃない?」
……ええと。
息が切れてて言葉が出ない。
穂積
「2位よ!緑に30点入るわよ!」
穂積が言い方を変えた。
翼が、体育祭でみんなの役に立ちたいと言っていた事を思い出したからだ。
翼は輝くような笑顔を見せると、息を整えながら、改めて、周りを見た。
走り終えた同級生たちの先頭で、小春と紅花が笑顔でVサインを出している。
これから走る選手たちの列から、ともが手を振っている。
翼はそれらに手を振り返し、係員に連れられて、2位の列に並んだ。
爽快感に浸りながらも、翼は、走っている最中に浮かんだ、自分自身の気持ちを思い出して、戸惑っていた。
そうして、スタート地点に戻って行く穂積の姿を見つめながら、ひとり、火照る頬に手を当てるのだった。
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11/16(Sat) 09:58
次は私の番やで!
とも
☆1年生徒競走・とも☆
放送A
『さぁ、次の組がスタートラインに立ちました!』
放送B
『白組は生徒会所属のともさんですね。おっと、のこりの3人はなんと全員陸上部だ!』
放送A
『たまたまとはいえ、これはいいのか?!はたまた、ともさんが、昨日のサクラダモンでの華麗な足さばき同様に今回も見せてくれるんでしょうか?!』
広報の実況をよそにともは腕や足を曲げ伸ばししながらまっすぐ前のゴールを見据えていた。その気合いの入りように先にゴールしていた翼たちは圧倒される。
小春
「ともちゃん、すごい集中力だね」
翼
「うん、あんなに鋭い目をしてるの初めて見た」
紅花
「ともちゃんは負けず嫌いだから、何でも一生懸命頑張っちゃうんだよね」
ゴール近くの観客席のとも父はのんびりと娘の成り行きを見守っていた。
こちらの方を見ているのに気づくと、片手を挙げ、『頑張れ』の合図を送る。
一方の藤守は先程の明智の立場に立たされ、頭を抱えていた。
藤守
「うわぁ、ともは白組やから勝ってほしいけど、陸上部の後輩が負けるのは困るし、どないしたらええねん!」
如月
「藤守先輩は陸上部のコたちの応援でしょ?キャプテンなんですから~。ともちゃんはオレがしーっかり応援しますから大丈夫ですよ!」
ジュン
「私もともちゃんを応援するわ。同じ白組だし、ね?」
そう言いながら、ジュンはチラッと如月に目配せをした。
スターター
『位置について、用意』
4人がスタートの構えをとった。
同時に観客席がしーんと静まりかえる。
翼と小春は顔の前で手を組み、息をのんで見ていた。
パァン!
ピストルが鳴り響き一斉に走り出すと、わぁっと言う声があちこちで起こった。
放送A
『4人が綺麗にスタートしました!』
放送B
『横並びの状態から抜け出すのは誰だ?!』
実況席の言う通り、4人は50m地点まで横一列で走っていて、誰が1位になってもおかしくない状態だった。
とも
(皆速いな~。…ここは先に抜けんと勝たれへんな)
ともの走る斜め前の白組の観客席に如月とジュンの姿があった。
如月
「ともちゃん、いっけー!」
ジュン
「頑張れー!」
自分を応援してくれている如月やジュンの声がはっきり聞こえてきた。
ゴール横では翼、小春、紅花の3人も手をとりあいこちらを見ている。
その近くの穂積やアニ、職員席の小野瀬、明智、篠崎も見守っていた。
とも
「よし!行くで!」
残り30mでともがさらに加速し、スパートをかけた。
あとの3人は驚き遅れをとってしまったが、これ以上ともに付いていくのは限界だった。
放送A
『ゴール!一着は白組、ともさん!』
両手を挙げてゴールテープを切ると、係員に1位の旗に誘導された。
紅花
「ともちゃーん、やったぁ!」
着いたところで紅花がともに抱きついてきた。
翼
「おめでとう!」
小春
「私、感動しちゃった」
翼と小春もぎゅっとしてくる。
とも
「あ~気持ちよかった~。皆が『頑張れー』って言うてるの、めっちゃ聞こえたから足が軽くなってはよ走れたわ」
さすがに息が上がってはいるが、ともはさっきまでの鋭い目つきとは一変していつものニコニコ顔に戻っていた。
とも
「さ、あとの組のコたちも応援せなな!」
11/16(Sat) 11:08
ともちゃんカッコイイ(うっとり)
小春
☆1年生徒競走☆
1年生女子の後は1年生男子。
ストーリー的には影が薄い彼らだが、桜田門学園は文武両道。
偏差値もスポーツも課外活動でも、周辺の高校より頭ひとつ抜きん出ている。
そのため、入学から半年経った男子生徒たちの徒競走も、それはそれは見応えのある、白熱した展開だったのだが。
ここでは割愛する。
何はともあれ、その白熱した1年生の徒競走で、午前中の種目は終了。
ここまでの得点が発表された。
藤守(白)
「よっしゃ、白組リードやで!」
如月(白)
「MVPが近付きましたかね?」
1位は大会前の予想通り、白組。
その後を大接戦の緑、青、赤が追いかける展開だ。
和音(青)
「午後からは団体戦が多くなるから、私たちの組にも、充分逆転のチャンスはあるよね」
空間(赤)
「(体育祭なんかどうでもいいけど)先生方のご活躍にも期待したいわ」
様々な思いの交錯する、体育祭後半戦の行方はどうなるのか?
その前に昼休みだ!
小春がお弁当を取りに行くから、みんな食べずに待っててね!
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11/16(Sat) 12:10
小春
☆校舎の外れ☆
大騒ぎの体育祭も、前半終了。
小春は昼休みに備えて、風通しの良い日陰に停めてある明智の車から、昼食を取り出していた。
明智と小春の分はもちろん、大食漢の穂積の分、小笠原にはヘルシーメニュー、小野瀬、篠崎、ともととも父、それに和音が(龍鬼の分まで)二人分……。
個々の弁当だけでも結構な量だが、さらに手鞠寿司やおにぎり、おせち料理のように多種多様なおかず、デザートの入った大きな器もあって、小さな小春が運ぶにしてはかなりのボリュームだ。
だが、小春は慣れた様子で、折り畳み式の台車に重箱やお弁当箱を載せて、軽快に運んでいく。
小春
「ふふふん、ふふん♪おまえのすべて、とりしらべたい……♪」
そこしか知らない歌を機嫌良く口ずさみながら、みんなの元に運ぼうと角を曲がりかけた時、小春は、不意に、若い男性に声を掛けられた。
男性
「こんにちは」
小春
「?」
……確か、さっき、本部席で校長先生と話をしていた人だ、と小春は思った。
構内にいるのだし、学校関係者である事は間違いないだろう。
ただ、小春にとっては、心当たりのない人物だ。
男性
「こんにちは」
小春の返事より先に、近付いた相手がもう一度、挨拶してきた。
立ち止まっていた小春は男性に向き直って、丁寧にお辞儀を返す。
小春
「こんにちは」
相手は、小春の顔を確かめると、なぜか、懐かしい相手に会った時のような、嬉しそうな表情をした。
男性
「失礼ですけど、小春さん、ですよね」
小春
「はい」
男性
「良かった。……少し、お話したい事があるのですが、今、お時間よろしいですか?」
何だろう、と小春は首を傾げたものの、時間はまだ充分あるし、どう見ても悪い人には見えない。
知らない人について行っては駄目だ、と、小春はいつも明智に注意されている。
でも、ここなら大丈夫だろうと思いながら、男性に向かって返事をした。
小春
「はい」
男性
「ありがとうございます」
柔らかい笑顔に、小春の頬も自然と緩んだ。
二十代半ば、というところだろうか。
背は高く細身で、濃いグレーのスーツを着ている。
平凡な顔立ちだけれど、物腰が柔らかく笑顔が穏やかで、何となく安心するタイプの人だ。
男性は、小春の前に立つと、静かな口調で話し始めた。
男性
「……僕、あなたにお礼を言いたくて、機会を探していたんです」
小春
「え?……何のお礼、ですか?」
男性は少し躊躇った後、実は、と切り出した。
男性
「前夜祭で皆さんが演じて下さった、『10分間でロミオとジュリエット』。……あれ、僕が書いた脚本なんです」
小春
「えっ!」
男性
「実際の所属は、文学部だったんですけどね。演劇部の友人に頼まれて書いたんですよ」
少し照れたように言った男性の笑顔を、小春は驚いて見つめた。
小春
「じゃあ、『H2』さんですか?」
何度も読んだ脚本に記されていた作者の名前を言うと、男性は、うわあ、と叫んでのけぞり、両手で顔を覆った。
H2
「……そうです」
今度は小春が、うわあ、と叫んだ。
H2は過去のペンネームが恥ずかしいのか、真っ赤になっている。
H2
「僕は、今、別の学校で教師をしている者なんですけど。こちらの学園祭のプログラムを見て、もしかして、と思って見に来たんです」
あの寸劇を原作者が見た、と知って、小春は青くなった。
H2
「そうしたら……」
小春
「すみませんでした!」
H2の言葉を遮るほど慌てて、小春は深々と頭を下げる。
小春
「無断で使わせて頂いた上に、原形をとどめないというか、男性陣がアレンジし過ぎてしまって。……特にうちの兄が」
H2
「もしかして、キャピュレットを演じてくれた人ですか?確かに台本に無いセリフ連発でしたけど、特に後半は熱演でしたよ。真に迫っていて、素晴らしかった」
小春
「……はあ……」
それは篠崎が明智に、『ジュリエットを小春だと思え』と助言した結果なのだが。
あの時の事を思い出し、恐縮して赤くなる小春に、H2は首を横に振った。
H2
「そもそも、在学中にボツになって忘れ去られたはずの僕の脚本を使ってくれただけで、嬉しかったんです。誰が見つけてくれたのか知りたくて、色々な人に尋ねていったら、それが、あなただと知ったんです。……だから、お礼を言いたくて」
小春は、おずおずとH2を見た。
小春
「私、演劇部から寄贈された脚本、図書室で全部読みました。その中でも、あのお話が好きで、だから原本を頂いたんです。……それなのに、せっかくの脚本を、台無しにしてしまって……だから、お礼なんてとんでもないです」
H2
「あなたのせいじゃない事は分かってます。それに、僕の脚本よりずっと面白かった。満足しています」
小春
「本当ですか?良かった」
小春はホッとした顔になる。
その表情を見て、H2もまた、ホッとしたような顔をした。
H2
「……文化祭で、あなたの作った編みぐるみに感動した後、中庭のオープンキッチンであなたを見つけました。お忙しそうだったから、声は掛けなかったけど。スパゲティミートソースと、サラダを頂きました。絶品でした」
脚本のアレンジを容認してもらい、さらに、自分の作った料理を食べてもらえたと知って、小春は嬉しくなる。
小春
「お口に合って良かったです」
男性
「本当に、美味しかった。僕、照り焼きバーガー5個買って帰ったんですよ。……完全に、胃袋を掴まれました」
H2は頬を染めたが、小春はその言葉に込められた、深い意味には気がつかない(篠崎かジュンがいれば良かったのだが)。
だから言葉通りに受け止めて、ニコニコ笑った。
小春
「ありがとうございます。兄のレシピのおかげですね」
H2
「それだけじゃないです!」
初めて、H2が強い声を出した。
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11/16(Sat) 12:12
小春
小春が驚いた事にハッとしたのか、H2は恐縮して長身を縮める。
H2
「いや、その……すみません。でも、作ってる姿も、本当に可愛……いやあの……でしたら……」
H2は真っ赤になって目を泳がせていたが、やがて、意を決したように言った。
H2
「でしたら今度は、小春さんのオリジナルを食べさせて頂けませんか?」
小春
「え?」
きょとんとする小春に、H2はなお赤くなって狼狽えた。
H2
「あっ!……す、すみません、いきなり変な事を言ってしまって!……それより、先に、僕が、どこかへ食事にお連れしなきゃいけないんですよね。……お礼がしたくて声を掛けたと言いながら、すみません……!」
しどろもどろになるH2に、小春は何だか胸の内が温かくなってきて、くすくす笑った。
小春
「本当に、お礼なんていいのに」
H2が、赤い顔のまま真顔になり、ごほん、と咳払いをしたので、小春も、慌てて笑いを引っ込める。
H2
「……近々お誘いしたいので、小春さんの、連絡先をお聞きしてもいいですか?」
小春は今まで、初対面の男性に自分の携帯の番号を教えた事など無い。
それどころか、「男から連絡先を聞かれた時は、俺の携帯の番号を言え」と、兄から厳命されている。
小春が正直にそれを打ち明けると、H2は笑った。
H2
「それは、お兄さんが正しい。でしたら、僕の番号を小春さんの携帯に登録してくれますか」
小春が登録画面を開くと、H2は自分の番号を読み上げた。
小春
「『H2』さん、登録」
打ち込みを終えた小春が言うと、H2は笑った。
H2
「何だか、不思議なご縁ですね」
小春
「そうですね。でも私、こういう面白いの、好きです」
小春がニコニコ笑いながら携帯をしまうと、H2は、小春に右手を差し出した。
小春
「?」
H2
「お時間が出来たら、電話を下さい。きっとですよ。お待ちしてますから、いつまででも」
真っ直ぐに見つめられて、小春の胸が、とくん、と鳴った。
小春
「はい」
H2の笑顔に頷いて、小春は、大きな手と握手を交わした。
温かい手だった。
小春
「よろしければ、これから、昼食をご一緒にいかがですか?たくさん用意して来ましたし、生徒会のみんなにも紹介したいですし」
H2
「……じゃあ、せっかくですから、お言葉に甘えて、そうさせて頂こうかな。台車、僕が押しますよ」
小春
「ありがとうございます」
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11/16(Sat) 12:15
小春
小野瀬はその一部始終を見ていた。
そして、ドリンクサーバーを提げた小春と、台車を押すH2が仲良く並んで歩き出すのを見届けた後、全力疾走で職員席に戻り、談笑しながらアニを小突いていた穂積の襟首を引っ掴んで、物陰に引っ張り込んだ。
小野瀬
「穂積、大変だ!小春さんがデートを申し込まれた!」
穂積
「えっ?」
穂積はいきなりの情報に一旦は驚いたものの、すぐに、冷静に戻った。
穂積
「……それの何が大変だ?」
小野瀬
「相手だ!」
小野瀬は肝心な事を穂積に告げていなかった事を思い出して、慌てて付け足した。
小野瀬
「俺、小春さんが昼食を運ぶのを手伝おうと思って行ったら……」
そうして、自分が今見てきた事を、穂積に報告する。
初めこそ小野瀬の勢いに押されていた穂積だが、話を聞くうち、徐々に、にやにやと薄笑いを浮かべ始めた。
小春に声を掛けてきたのは、小野瀬も穂積もよく知る人物だったからだ。
穂積
「ああ、学校関係はお互いに教師の招待枠があるからな。校長が呼んだんだろう」
小野瀬
「そんな事はどうでもいい!小春さんを食事に誘ったんだぞ!しかも、これから昼食を一緒に食べるんだぞ!」
穂積
「あのカタブツが、小春をねぇ……。あいつが女といる所なんか見た事がねえよ。さぞかし不器用に誘ったんだろうな。俺も見たかったなぁ」
呼んでくれればよかったのに、とまで言われて、小野瀬は肩を落とした。
小野瀬
「……」
何て事だ。
せっかく、少しだけ素直になってみようかと思っていた矢先だったのに……。
穂積
「……?……」
話を聞いて笑っていた穂積だったが、黙り込んでしまった小野瀬の様子を見ているうちに、段々と真顔になってきた。
穂積
「……」
穂積は、がりがりと頭を掻いた。
穂積
「地味で、普通で、不器用で、真面目しか取り柄の無いカタブツだけど。……あいつ多分、小春の好きなタイプだぞ」
小野瀬
「……」
穂積
「でも、まだ、食事に誘った、ってだけの話だろ。昼飯だって、俺たちも一緒に食うんじゃねえか」
小野瀬
「だけど……」
顔を上げ、穂積の顔を見て何か言いかけた小野瀬を、穂積はきつく睨みつけた。
穂積
「だけど、何だ?お前またそうやって逃げるのか?本気になりそうになると、いつもそうだよな」
小野瀬の眉が、ぴくりと動いた。
穂積
「先に言っておくぞ。何もしないうちから『彼に譲る』なんて気取った事を言いやがったら、ぶん殴る。ちゃんと向き合え。あいつとも、小春とも。それから、自分の気持ちとも」
指先が白くなるほどきつく拳を握り締めた小野瀬に、穂積は真っ直ぐに目を向けた。
穂積
「あいつに遠慮はいらん。悪いが、ああ見えてもお前に手加減されるほど柔な奴じゃない」
穂積が言い切った。
穂積
「俺の弟なんだからな」
小野瀬
「穂積……」
穂積
「そろそろ素直になれよ、小野瀬。そうすれば、見えてくる。本当に大切なものが、な」
穂積の視線を目で追うと、その先に、片付けをしながら明智と笑っている、篠崎の姿が見えた。
穂積
「俺は小春に、お前は篠崎に、その事を教わったじゃないか」
小野瀬
「……」
小野瀬はすぐには頷かなかった。
じっと何かを考え始めた小野瀬の肩を、ぽん、と叩いて、穂積は、「先に行くからな」と言い残して、歩き出して行った。
[削除]
11/16(Sat) 12:18
長々すみませんm(__)m
小春
ついに小春の本命登場です。
へっへっへっ(∩´∇`)
11/16(Sat) 13:02
お弁当・藤守家
ジュン
小春さんの本命登場ですか!?
小野瀬先生とは三角関係!?
ドキドキ(*≧∀≦*)
小春たちとは少し離れたところで藤守家はお弁当をすでに広げている。
朝からジュンとジュン母が大量に作ったお重弁当である。
藤守
「いただきます!」
アニ
「いただきます。」
空
「いただきまーす。」
ジュン&ジュン母
「はい、どうぞ。」
皆で仲良く食べ出したが、ジュンと藤守の様子がおかしい。
藤守
「ジュン~、まだ怒ってんの?」
ジュン
「怒ってない。」
藤守
「声が怖いやーん。許してぇな?」
藤守が一生懸命謝り倒すのに、いつまでも胸のことで怒っているのは馬鹿馬鹿しい。
ジュン
「わかった。もう本当に怒ってないから。」
藤守
「ホンマ?よかった~。」
藤守とジュンはお互いに顔を見合わせて微笑んでお弁当に手をつけた。
そんなジュンたちを見ていたジュン母は……
ジュン母
「あらあら~。やっと、二人はうまいこといったんやねぇ。」
どストレートなジュン母の発言に藤守はむせかえ、アニは口をパクパクさせ、ジュンは顔を真っ赤にする。
空
「何がうまくいったの~?」
ジュン母
「賢史くんが空のお兄ちゃんになるんよ~。」
アニ
「なっ!」
藤守
「ゲホっ!ゴホっ!」
ジュン
「賢史くん、大丈夫?おしぼり、おしぼり。」
突然、バタバタと慌ただしくなった藤守家。
アニ
「けっ、結婚なんてまだ早い!」
ジュン母
「あら~、賢史くんもこの間の誕生日で18歳になったし、いいんやない?」
ジュン
「お母さん!」
ジュンが暴走する母を止めようとするが母は止まりそうにない。
ジュン母
「花嫁修業頑張ってて良かったなぁ。」
藤守
「は、花嫁修業って!お茶とかお花とかか?俺のためやったんか!?」
ジュン
「そ、そうだけど!今はそこじゃないから!」
ジュン母
「とりあえず結納だけは済ませようなぁ。」
アニ
「賢史!お前、順番は守れよ!!」
藤守
「知らんわ!てか、そうやなくて!」
空
「おにーたん?」
空の一言に可愛さのあまり悶絶する賢史。
弟に先を越されると憤慨するアニ。
真っ赤になって母を諌めるジュン。
携帯片手に父や叔父たちに連絡を入れるジュン母。
ニコニコとお弁当を食べる空。
とも
「なんか、会長のとこ騒がしいですね?」
如月
「また、会長とアニ先生が何かしてるんじゃない?」
藤守家のお弁当タイムは賑やかに過ぎていくのでした。
[削除]
11/16(Sat) 14:12
なんと?!
とも
小春さんに別の本命がいたとは!(゜ロ゜ノ)ノ
しかも穂積先生の弟やから…
H2ってイニシャル?
[削除]
11/16(Sat) 16:59
小春
ジュンさん、トントン拍子じゃないですか(∩´∇`∩)
もー、カップル成立通り越してゴール間近ですね!
ともさん、そうですイニシャルです。
でも、穂積先生の弟だと知ってるのは小野瀬、穂積、明智、篠崎先生だけ。
小春はもちろん、アニ先生も他の生徒たちも知らないので内緒にしててくださいね(  ̄▽ ̄)b
[削除]
11/16(Sat) 22:51
とも
小春さん、了解です!
ご対面は後のお楽しみにしときますね。
そして文化祭終わりに言っていたナイショのアレ、やっちゃいますヽ(・∀・)ノ
小春がお弁当を取りに行っている間、ともは『これからちょっと用意せなあかん事があるから行ってくるわ』と和音と共にどこかへ行ってしまった。
そこへとも父がやってきて翼に声をかけた。
とも父
「おー、翼ちゃん、さっきは頑張っとったなぁ。しっかり見てたで!ところで、うちのとも知らんか?」
翼
「ともちゃんのお父さん!ともちゃんなら今から何か準備があるとかでここには居ないんです。小春ちゃんが今お弁当を取りに行ってるので一緒に待ちませんか?」
2人で他愛もない話をしていると、
会場にアナウンスが鳴った。
『ただいまより、女子運動部有志による、チアリーディングショーを行います!』
トラックの中央に向かってお揃いのタンクトップ、ミニスカートというチアリーダーのユニフォームに身を包んだメンバーたちが走っていく。
その中でセンターにジョー、和音、ともの姿があった。ジョーは翼ととも父を見てパチンとウインクをしてきた。ともも2人にニッコリ笑う。そのあとの最後尾に同じくユニフォームを着たNYベアーズが続いた。彼らも近くにいた穂積たちに気がつきこっそり手を振る。
穂積
「…なんでアイツらまでいるんだ?」
小野瀬
「さぁ、心は女の子だから?」
全員がそれぞれの位置につくと、音楽が鳴り出し、息の合ったダンスを披露していく。なかなかの激しさだが、そこは運動部。全く息も上がらない。
ダンスが終わると、ポジションを変えてアクロバットが始まった。
体操部が華麗にバク転を決めると、会場のあちこちから拍手と歓声がおこる。和音とともも、それに続いてバク宙を決めた。
とも父
「なんかスゴいな~。いつの間に練習してたんや?あいつがこんなんやるなんて一言も言うてなかったんやけどなぁ」
翼
「スゴい本格的!かっこいい~」
今度は何人かに別れてのアクロバット。
3人で1人を持ち上げ、上の1人がY字バランスでポーズを決める。
センターだった3人はもちろん上の方だ。
興奮して見ていると、いつの間にか隣に如月が立っていた。
如月
「ともちゃん、スゴいね!」
翼
「ホント、和音先輩も、ジョーさんも素敵!」
くるっと宙返りして降りる3人に歓声が起こる。
それぞれが次々と技やポーズを決める中、ついに最後の大技までやってきた。
NYベアーズを土台の中心に、全員で4重のタワーを作っていく。
歓声を送っていた観客たちも息をのみ、完成を待っていた。3段目に和音とともが、1番上にはジョーが上った。
ジョーが上に上がったのを見て、全員で叫ぶ。
『S・A・K・U・R・A・SAKURA!!』
その瞬間、わーっという歓声が起こり、ショーが終わり、彼女たちが退場するまで拍手が鳴りやまなかった。
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11/16(Sat) 22:52
続きます。
とも
たくさんの歓声と拍手のあと、ショーを終えた和音とともが戻ってきた。
翼
「ともちゃん、おつかれさま!スゴかったね!楽しみにしててよかったよ!いつ練習してたの?毎日部活も生徒会も顔を出してたのに」
おしぼりとお茶を差し出す翼にニコニコしながらともが話す。
とも
「ありがとう。練習は…えーと、実際全員でできたのは1週間くらいかなぁ。あとは何人かで自主練習してたわ」
如月
「そんなに短い練習期間であんなスゴいのができちゃうの?」
小野瀬
「今回のショーを企画したのはジョーなんだよね?」
如月の後ろからひょこっと小野瀬が顔を出した。
とも
「そうなんです。彼女、ハイスクールでチアをやっていたらしくて、ウチの運動部はレベルが高いから練習さえできればきっとスゴいのができるって言うて。合間を縫ってメンバーを集めて、ほとんど彼女1人で教えてくれてましたよ」
ジョーのレベル高いという意味には何が?とツッコみたくなるが、そこは誰も聞かなかった。
穂積
「ジョーがあんまり校内をうろついてなかったのはその為だったのね。でもおかげで盛り上がったわ、おつかれさま」
ポンと頭を撫でられ、ともも少し顔が赤くなったが、褒められて嬉しそうだった。