『アブナイ☆恋の学園物語』
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10/25(Fri) 12:23
☆渡り廊下☆
小春
……一方、こちらは、サクラダモンのテーマを演奏する軽音楽部の陰に紛れ込んでいた、和音と龍鬼。
和音
「龍鬼さん、撮れた?」
中庭に向けていたカメラを手に、龍鬼が振り返る。
龍鬼
「和音さんに言われた通り、サクラダモンのメンバー全員の写真、たくさん撮影出来ましたけど……」
和音
「そう、良かった」
龍鬼
「全員マスクマンだから、あの中に穂積先生と小野瀬先生が入っていてもわかりませんよう」
龍鬼は半泣きだが、和音は自信ありげに頷く。
和音
「大丈夫。その写真、反省会の時、きっと役に立つと思うよ」
龍鬼
「本当ですかあ……?」
龍鬼は半信半疑で、シャッターを押し続けるのであった……。
10/25(Fri) 13:32
ごあいさつ
小春
こちらのスレッドでは、ただいまリレーSS『アブナイ☆恋の学園物語』を開催中です。
ストーリーは現在、学園祭『桜祭』二日目、文化祭の真っ最中。
皆様ふるってご参加下さい。
引き続き「ミス桜祭」、「ミスター桜祭」への投票も受付中です。
≪あらすじ≫
学園祭『桜祭』二日目、文化祭。
一般の入場者による混乱を防ぐため、屋上に待機させられていた穂積と小野瀬。
だが、午後になるとやはり会場の教え子たちの様子が気にかかり、また、穂積は自分の翼への気持ちに整理がついた事で、文化祭に参加したいと思うようになる。
そこで二人は篠崎、明智、アンドロメダ瞬一、パープルドラゴン龍二、さらには校長・山田と理事長・黒柳の協力を得て、高校時代に使用した「学園戦隊サクラダモン」に扮してヒーローショーを行う。
こうして、ヒーローに仮装したまま、ばれないように声も出せない状況ではあるが、穂積と小野瀬は会場への潜入に成功したのであった……
楽しかった文化祭も後半突入!
乙女の皆様、やり残したことはないかな?
サクラダモンは終わったけれど、まだまだ続くよ学園祭!
体育祭に向けて準備運動も開始!のスレッド7、スタート!
[削除]
10/25(Fri) 16:10
脱力。
清香
とっても遊ばせていただきました。小春さん、ありがとうございます。
でも、まだまだ続くよ!←
☆中庭☆
サクラダモンの面々が歩くと、大勢の生徒も後ろをついて回った。
これではいつもの文化祭で見かける穂積と小野瀬のファンによる大名行列と同じなのだが。
男子生徒
「うぉー!ブラック!超かっけぇ!」
女子生徒
「ホワイトー!ステキ~!」
今まではどうにか話しかけようとさしてくる女子ばかりで身動きすら取れない状態だったのに、サクラダモンの姿でいると自然に花道が出来上がって行く。
『ブラックー!』『ホワイト~!』『レッド、こっち向いて!』『ゴールドとシルバー、ポーズを下さい!』
携帯のカメラで撮影されることはあるものの、思い通りに歩くことができるということだけでも大収穫だ。
生徒達
「是非展示を見て行って下さい!」
それだけでなく、見に行っても混乱を招くばかりであまり歓迎されなかった穂積と小野瀬にとって、この言葉は本当に嬉しいもので。
レッド
「……。」
『行きましょう』とブラックの背中をそっと押すレッドの手の優しさが心に沁み入った。
その頃。
☆中庭☆
篠崎
「では、櫻井さんは保健室へ行きましょうか。足を挫いてしまったのでしょう?」
サクラダモンが校舎内に入っていき、落ち着きを取り戻した中庭で篠崎が翼の父親の足を気にした。
翼
「お、お父さん、大丈夫?」
父親
「い、いや、面目ない…。」
娘に心配されて恥ずかしいのか、ぽりぽりと頭をかく翼の父親の耳がうっすら赤くなる。
やはりどこの父親も娘には敵わないのだろう。
篠崎
「翼さんはどうする?」
翼
「もちろんついて行きます!」
父親が心配なのだろう、カバンを手に持ち腕を支えようとする翼に対し、父親が慌ててカバンを取り返す。
櫻井父
「い、いや、先生について行くから大丈夫だ。お前は初めての文化祭なんだから精一杯楽しみなさい。」
翼
「で、でも…。」
父親なりの優しさなのは分かるが、やはり心配は隠せない。同じくらいの頑固さを持ち合わせているのか、互いに譲らない二人に篠崎が助け舟を出す。
篠崎
「じゃあ、翼さんも保健室までは着いて来て。で、治療している間にどこか見に行けばいいわ。終わったら連絡してあげるから、ね?」
翼・櫻井父
「…は、はい。」
決められてしまうと、おとなしく従ってしまうのは日常から翼の母親もそうしているからなのだろう。
篠崎
「そうと決まれば行きましょう。ついでに藤守くんの所の空くんも寝そうだし、保健室で預かるわ。」
茶道部へ戻ってしまったジュンの代わりにサクラダモンごっこで遊んでいた藤守と空だが、はしゃぎすぎて疲れたのか藤守の腕の中でウトウトし始めていた。
藤守
「すんません、助かります。」
篠崎
「いいのよ、気にしないで。」
空の小さな体を受け取り、篠崎と櫻井親子の3人は保健室へと足を向けたのだった。
[削除]
10/25(Fri) 17:44
あー面白かった♪ヽ(´▽`)/
とも
☆同じく中庭☆
保健室へ向かう篠崎たちを見送ったとも父がともに声をかけた。
とも父
「お、思ってたよりも時間が経ってしもてるわ。そろそろ会社に向かわなあかんから、その前に翼ちゃんの編みぐるみのとこに連れていってや」
とも
「もうそんな時間やった?ほな、いこか?」
如月
「えぇっ、せっかくなのに、もうちょっとゆっくりできないんですか?」
如月はサクラダモンの飛び入りで、すっかりとも父のファンになっていた。だから、まだまだ話したい事がたくさんあったのだが。
とも父
「悪いなぁ、如月くん。今日は出張先からそのまま会社に行くことになってたんやけど、飛行機の時間を早めてここに来たんや。また今度会ったら手合わせしようや」
如月
「はいっ、よろしくお願いします!」
男同士の約束と握手を交わしている横でともが呆れた顔でツッコんだ。
とも
「もー、何が『今度会ったら』やねん。明日の体育祭も来て、PTAの綱引き出るてはりきってたやんか?」
如月
「……え?」
とも父
「…あ~、そやったな。明日も学校来るんやったわ~。スマンスマン」
ハハハ、と笑うとも父に藤守は大爆笑。
藤守
「とものおとん、めちゃ面白いな!如月、よかったやんか!」
如月
「ははは…」
とも
「藤守先輩、ほな、見回りの続きがてらに父を展示会場に案内してきますね」
藤守
「おぅ、頼むわ。俺らも後で回るから、ゆっくり行ってきてええで」
とも
「はーい」
とも親子は藤守、如月と別れて展示会場へと向かったのだった。
どんだけとも父出すんやろ?←
[削除]
10/25(Fri) 18:29
あれ?空がいない
ジュン
藤守
「空は篠崎先生が保健室で預かってくれてるで。」
藤守と如月が茶道部の前を通るとジュンが仕事の合間にキョロキョロとしていた。藤守と空の姿が見えずに心配していたようだ。
ジュン
「そうなの?よかった。でも、先生にご迷惑じゃないかな?」
藤守
「大丈夫やろ。よく寝てたで?」
ジュン
「そっか。でも早めに起こさないと夜寝ないね。」
藤守
「かまへんやん?少しくらい。」
ジュン
「でも、明日は体育祭だから……賢史くんも早く寝ないとね。MVP狙うんでしょ。」
藤守
「おお、頑張るでぇ。んで、マネージャーにダンス申し込まなな!」
気合いを入れる藤守をよそ目に如月がジュンに耳打ちをする。
如月
「ジュンちゃん、けなげだね……」
ジュン
「いい女でしょ?」
ジュンはイタズラっぽく笑っていた。
10/25(Fri) 22:40
楽しすぎる!
くちびる
サクラダモンも無事に終わりましたね♪
紅花も取材しながら十分に楽しませてもらいましたあ♪(笑)(*^^*)
これからどんな展開になって来るんでしょうか?まだまだ続きますよね~(笑)
サクラダモン大好きです!←とう
[削除]
10/26(Sat) 08:41
みなさんおはようございます(´∇`)ノシ
小春
☆中庭☆
売店終了既定時刻の午後三時、その少し前。
家庭科部部長
『ありがとうございます。家庭科部喫茶店、全品完売です!』
拡声器を使って会場に告知する部長の声とともに、中庭には拍手と歓声が沸き起こる。
朝からほとんどオープンキッチンに立ちっぱなしだった小春も、ようやくホッと息をついた。
後片付けも終え、制服に着替え、部活から解放された小春は、「喫茶店が終わったら連絡して」と言ってくれていた翼やともに連絡しようとして携帯を取り出したものの、手を止めた。
……翼ちゃんも、ともちゃんも、お父さん来てたな。
せっかくの親子の時間を邪魔したくない。
とはいえ、自分の肉親である姉たちは、久し振りに会った同級生たちに誘われて行ってしまったし。
兄の明智はサクラダモン・レッドになって、学園の平和を守るためにパトロール中だ(←正体バレてるし。微妙に誤解してるし)。
それに……篠崎先生と仲良くしてたし。
モヤモヤしながら『完売です・ありがとうございます。家庭科部』と書かれた立て看板の周りをとぼとぼと回り始めた小春に、ふと、隣の茶道部から、声がかかった。
???
「小春さん」
小春
「はい」
振り返った先で、赤い毛氈に座っていた女性が、ぺこりと頭を下げてから、微笑んだ。
初対面の相手で、一般の来客のように見えるけれど、何か用事だろうか。
小春
「こんにちは」
小春はきちんとお辞儀を返した。この辺の行儀の良さは、明智に躾られている。
???
「お疲れ様でした。こちらで、一緒にお茶を頂かない?」
小春としては、別に断る理由もない。
小春
「はい」
席に上がるには、注文してからでないと。
小春がジュンを探すよりも早く、ジュンがお茶と和菓子をお盆に載せて現れた。
女性がすでに注文してあったとしか思えない。
ジュン
「小春さん、お疲れ様」
???
「こちらへどうぞ」
小春
「ありがとうございます」
靴を脱いで毛氈に上がり、きちんと正座した小春に、女性は微笑みを絶やさずに頷いた。
それから、小春に向かって、丁寧に手をついてお辞儀をした。
???
「初めまして、翼の母でございます」
小春
「えっ!」
櫻井母
「私、着いた途端に主人とはぐれてしまいまして。サクラダモンの前から、ずっとここに座ってましたのよ」
小春
「……えっ!!」
[削除]
10/26(Sat) 14:16
いやー、よく寝ました。
清香
賢史君、目を覚ませ!ヽ(#゚Д゚)ノ┌┛Σ(ノ´ェ`)ノ
☆保健室☆
翼が保健室のドアを開けると、ちょうど数人の生徒が治療を終えて出るところだった。
篠崎
「大丈夫?」
生徒達
「はい、ちょっと擦りむいただけなので絆創膏をもらいにきました。」
篠崎
「なら良かったわ。お大事にね。」
見送って保健委員の生徒も交代をすると、篠崎は完全に寝入ってしまった空をベッドへと寝かした。
篠崎
「お父様、どうぞこちらにおかけになって下さい。」
椅子を差し出して座るよう促すと、傍らで父親のカバンを持ったまま佇む翼に声をかける。
篠崎
「櫻井さん、お父様の治療が終わったら連絡してあげるから行ってらっしゃい?」
櫻井父
「あぁ。ついて来てくれてありがとう。お前も楽しんで来い。母さんもきているから、探してやれ。」
翼
「は、はい。」
『これ以上は結構』と二人から言われてしまったようで寂しくもあるが、留まる事は許されない空気が漂う。
翼
「じゃ、あ、行ってきます。」
篠崎・櫻井父
「行ってらっしゃい。」
後ろ髪を引かれるように何度も振り返る翼に笑顔で手を振ると、翼は保健室のドアを静かに閉めて出て行った。
篠崎
「さぁ、では足の様子を拝見しますね。」
そう言いながら薬品庫の鍵を開けて湿布や包帯を出す篠崎に、櫻井父は靴を脱ぎながら口を開いた。
櫻井父
「先生、お聞きしたいことがあるのですが。」
篠崎
「なんでしょう?」
櫻井父
「娘を、翼を助けて下さったあのブラックという人をご存知ですね?」
篠崎
「……ええ。」
にこりと笑みを崩さないまま、篠崎は櫻井父の足の腫れを確認しながら湿布を貼っていく。
櫻井父
「娘を助けて下さったお礼を改めてしたい。どなたか教えていただけませんか?」
包帯を手に取りじっと見つめながらも答えようとしない篠崎に、櫻井父はなおも食い下がる。
櫻井父
「あの方は翼が攫われてすぐに気がつき追いかけて下さった。他にも囚われた生徒は大勢いたのに。」
篠崎
「……。」
櫻井父
「校舎内へ連れて行かれる翼を見て、本当に生きた心地がしませんでした。もし、万が一の事があったらと思うと今でも…。」
カタカタと震える櫻井父の手は、血の気を感じさせないくらい真っ白だった。
大事な一人娘が目の前で攫われた。
父親に取ってその事実は筆舌に尽くし難いのだろう。
櫻井父
「…お願いします。」
頭を下げた櫻井父に、包帯を巻き終わった篠崎が跪いて顔を上げさせようと肩をさする。
篠崎
「お父様、頭を上げて下さい。そんな事をなさらないで下さい。」
櫻井父
「しかし…!」
篠崎
「ブラックはお礼を求めて助けたんではありませんよ。きっと、自分が助けたいから向かったんですわ。自分の大切な『モノ』は、自分の手で護る人ですから。」
『それに』と笑みを深めて篠崎は続ける。
篠崎
「彼は、ブラックは私達を信頼してくれています。だからこそ中庭にいる生徒は任せても大丈夫だと判断し、自分は翼さんの救出へ向かったのでしょう。そして事実、ブラックは翼さんを助けた。それで充分ではありませんか?」
固く握りしめた櫻井父の拳を、篠崎は宥めるようにポンポンと優しく叩いた。
そして困ったように眉を下げると。
篠崎
「正直、ちょっとした余興がここまでの騒ぎになるとは思いませんでした。お怪我をさせてしまい、またご心配をおかけして本当に申し訳ございません。お詫び申し上げます。」
ぺこりと頭を下げた。
櫻井父
「い、いや、これは私の不注意と運動不足が原因ですから。先生こそ頭を上げて下さい。」
困ったように耳を赤らめる櫻井父に、篠崎はゆっくりと頭を上げた。
篠崎
「翼さんはいいお嬢さんですね。明るくてお友達思いで、一生懸命で。」
櫻井父
「そ、そうでしょうか?」
娘を褒められて内心嬉しいものの、顔に出さないよう『ゴホンッ』と咳払いをして誤魔化す櫻井父に篠崎はどこか遠い目をしながら続ける。
篠崎
「いいお友達にもいい先輩にも恵まれて、きっと楽しい学園生活を送ってくれると信じています。…ですから、今はそっと見守って差し上げてください。」
櫻井父
「…はい。」
立ち上がった篠崎につられるように櫻井父も靴を履いて立ち上がった。
話は終わり、空気がそう伝えている。
篠崎
「ブラックには私から申し伝えておきます。…お大事になさってください。」
ドアを開けて退室を促すと、カバンを手にして櫻井父も歩き出す。
櫻井父
「…では、よろしくお願いします。」
ドアがパタンと閉まる音が、やけに響いた。
篠崎
「はぁ。」
ため息を吐きながらメールで『お父様が保健室を出られました。』とだけ翼へ送ると、スヤスヤと眠る空の元へ椅子を引き寝顔を見つめる。
篠崎
「…これでいいんだよね。」
呟いた篠崎の声に、楽しい夢でも見ているのだろう空が『へらっ』と笑った。
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10/26(Sat) 17:37
蹴られた
ジュン
藤守
「んっ!?」
如月
「どうしたんですか?会長。」
藤守
「いや、なんか頭を蹴られたような……」
如月
「はぁ?ところで会長?ジュンちゃんのことはいいんですか?」
藤守
「はぁ?ジュンのことって?何が?」
藤守は全くわからないらしく首を傾げる。
如月
「後夜祭のダンスをマネージャーと踊るとか、ジュンちゃんの前で言っていいんですか?」
藤守
「何がアカンの?」
全く話の通じない藤守に如月は早口で捲し立てた。
如月
「ジュンちゃんは会長の従妹ですよね?妹じゃないんですよ?恋愛も結婚もできるんですよ!?」
藤守
「従姉妹と結婚できることくらい俺でも知ってるっちゅーねん。」
如月
「だったらなんでジュンちゃんの前であんな話をしたんですか?」
藤守
「なんでって、ジュンはそういうのとちゃうやん?俺のこといつも応援してくれんで?」
全く悪びれる様子もなく藤守は言い放った。そんな藤守に如月はただただ溜め息をつくしかなかった。
その頃のジュンは……
ジュン
「失礼します。篠崎先生、弟をありがとうございました。」
ジュンは茶道部の片付けをロバートとポールが引き受けてくれたため、空を迎えに保健室に来ていた。
篠崎
「あら。まだ弟さんは寝てるわよ?」
ジュン
「そうですか。でも、そろそろ起こします。今日は慶史兄さんと賢史くんが泊まりに来るから夜遅くまで起きてると迷惑かけちゃうから。」
ニッコリと笑うジュンに篠崎は少し顔を歪めた。
篠崎
「そこまで想ってて、今のままでいいの?」
ジュン
「え?」
篠崎
「少しは藤守くんに自分のこと『女だって』意識してもらってもいいんじゃない?」
無言になってしまったジュンに篠崎は慌てて言い募る。
篠崎
「ごめんなさい。余計なお世話だったかしら?」
ジュン
「いえ……でも、どうしたらいいのか……」
ジュンは泣き出しそうな哀しい笑顔を浮かべる。
篠崎
「そうね……じゃあ、こんなのはどう?」
その後しばらく、女同士の作戦会議は続いた……。
[削除]
10/26(Sat) 22:15
||・ω・` )篠崎先生が動き出した……
小春
いいですねー。
この、広い会場に散らばってる感じ(´∇`)
とも父さんは清香さんも私もファンです。
じゃんじゃん活躍させてください。
そしてジュンさん!そうよ従妹なんだから!頑張って!
篠崎先生との作戦会議の成果は果たして……(笑)
10/27(Sun) 05:04
小春
☆中庭☆
翼
「……あれ?」
保健室を出て、両親がはぐれたという正門から母親の姿を探しながら歩いてきた翼は、中庭のベンチに見覚えのある二人の姿を見つけた。
芝生の上に設えられていた茶道部の茶店も家庭科部の喫茶店もすっかり片付けられて、いつも通りの広い中庭があるだけ。
そこにいくつか設置されているベンチのひとつで、小春が、にこにこしながら翼の母親の肩を揉んでいた。
翼の母の方も、気持ち良さそうに目を細めている。
なんだか本当の親子のよう。
そういえば、と翼は思い返していた。
穂積先生が言っていたっけ。
……明智の家は、小春が生まれる少し前にお父さんが亡くなってね。お母さんは家計を支える為に忙しくて、だから、明智が一切の家事を引き受けてきたのよ……
小春には深く聞いてみた事が無いけれど、長男の明智先生が家事をしなければならないぐらいだもの、お母さんもお姉さんたちも、余程忙しく働いているのだろう。
……小春は明智が大好きだから、くっついているうちに、自然と家事をこなすようになったわけ……
翼の母親は専業主婦で、いつも家にいてくれる。
いてくれるのが当たり前だから、小春の気持ちを想像するのは難しい。
難しいけれど、翼の母に接する小春の態度を見ていると、小春が本当にくっついていたかったのは、やっぱりお母さんだったのではないかと思う。
だけど、小春には明智しかいなかった。
小春がブラコンになった理由が分かった気がする。
どうしようかためらったけれど、翼はわざと気にしないふりで、小春の背後からそっと近付いて、両手で小春の目を隠した。
翼
「だーれだ?」
小春
「あ!翼ちゃん!」
翼
「当たりー」
手を離すと笑顔で振り返った小春に、翼は思いきり抱きついた。
[削除]
10/27(Sun) 05:39
ほんの少しだけ
ジュン
小春
「きゃっ!翼ちゃん、どうしたの?」
驚いた声を出しながらも小春も翼を抱き返す。
翼
「どうもしないよ。うちのお母さんの相手しててくれてありがとうね。」
小春の体を離してニコリと微笑むと小春もニコニコと返事を返してくれる。
小春
「ううん。こちらこそお抹茶ごちそうになっちゃったし。」
翼の母
「翼の話してくれた通り、いいお嬢さんね。小春さんのようなお友達がいて安心しました。」
小春
「私も翼ちゃんとお友達になれてすごく嬉しいです!」
小春の言葉に翼と母は顔を見合わせて微笑んだ。
すこ~しだけ書いてみました(^_^;)
[削除]
10/27(Sun) 21:15
こんばんは☆
とも
☆家庭科部・展示室☆
とも父
「ここが家庭科部の展示か~、いやぁ見応えあるわ!」
とも
「スゴいやろ~?あ、小春の作ったのはこっちやで!」
あちこちを見ていると、廊下が騒がしくなった。
生徒A
「わ、サクラダモンが来たよ!」
生徒B
「かっこいい~」
とも父
「なんやなんや?」
とも
「え?サクラダモン!? 見たい見たい!」
後ろにたくさんのギャラリーを引き連れてサクラダモンが家庭科部の展示室にやってきた。
レッドは作品ひとつひとつを見て頷き、
ホワイトはウエディングドレスの前で女子生徒たちにポーズをせがまれていた。
ブラックがひとしきり見て回り、小春の作品の前に来ると、他の作品よりも多くの人だかりができていた。
ブラック
「………」
編みぐるみの翼は、小春から送られてきた写メで見たものよりもものすごく繊細だった。
顔はニッコリ笑っており、翼本人の雰囲気をよく捉えていて、本当に翼がそこにいるかのようだった。
翼の笑った顔を思いだし、ヘルメットの中で口元を緩めていると、そこへとも親子が近づいてきた。
とも父
「ブラック、今日は楽しませてもらったわ~、ありがとうな!」
とも
「あの、よかったらこの編みぐるみとツーショットの写真撮らせてもらえませんか?さっき翼を助けた時みたいに!」
ブラック
「………」
よく似た顔の二人にニコニコしながら言い寄られ、仕方なく編みぐるみの肩を抱いて写真におさまるブラックだった。
[削除]
10/27(Sun) 21:23
こんばんは(´∇`)ノシ
小春
ジュンさん、ありがとうございます(* ̄ー ̄)
そしてともさん、なるほどね。
ブラックも翼ちゃんも、そして小春も愛されてますね。
幸せ(* ̄∇ ̄*)
[削除]
10/27(Sun) 21:39
こんばんは(*^^*)
くちびる
おお!話が進んでますねえ~(笑)(*^^*)
2次元の紅花もリアルの紅花も取材疲れでグタグタですよ(ToT)
今やっと落ち着いたので2次元ワ-ルドに遊びに来ました!
サクラダモンは結構ツボにはまりました(笑)(*^^*)
登場人物の家族も沢山出てきて賑やかになって来ましたね!
紅花みんなに取材したいわ。
とりあえずブラック&ホワイト&レッドのスリーショット撮影してもいいかしら?
10/28(Mon) 05:50
小春
小春
「翼ちゃん、お父さんは?」
翼は、篠崎が、父親の足の手当てを引き受けてくれ、それで、母親を探しに来た事を二人に告げた。
翼
「そうだ、お母さんを見つけた事を連絡しておかないと……!」
ちょうどその時、翼の携帯にメールが入った。
翼
「篠崎先生からだ。……お父さんの治療が終わったって」
翼は保健室の方角を見た。
翼
「すぐそこだから、私、迎えに行って来るね」
小春
「うん」
駆け出して行った翼を横目に、翼の母は、隣に腰掛けている小春を振り返った。
櫻井母
「足を怪我してしまったなら、展示を見て廻るのは無理かしらねえ」
小春
「校内はバリアフリーになってますし、車椅子もありますよ」
励ますように言ってから、小春は時計を確かめた。
小春
「でも、今日は人も多いし、今から終了時刻までに全部を見るのは、少し厳しいかも……」
櫻井母
「そうよねえ」
溜め息をつく翼の母より、小春の方が悲しそうな顔をしていた。
小春
「あの、全部は無理でも、特に行きたい場所があれば、私、車椅子のお手伝いします」
それに気付いて、翼の母が微笑む。
小春
「行けない場所の様子は、紅花ちゃんが準備中からずっと撮影してる映像がありますから。それをダビングしてもらえば、ご自宅でご覧になれます」
櫻井母
「ありがとう、小春さん」
翼の母に頭を下げられて、小春は恐縮してしまう。
小春
「車椅子借りてきます」
立ち上がりかけるのを、翼の母が止めた。
櫻井母
「ありがとう。でも、いいの。主人も、これ以上のご迷惑はかけたくないと思うから」
小春
「迷惑だなんて。……じゃあ、ゆっくり歩いて、1Aの教室だけでもご覧になりますか?授業風景の写真なんかが展示されてて、翼ちゃんも写ってますから」
そこへ翼と翼の父が戻って来た。
翼の父は軽く足を引きずっているが、篠崎の処置のおかげで、さっきよりはかなり楽になったようだ。
挨拶を交わした後、櫻井家の三人に小春を加えた四人は、足に負担がかからないよう、のんびりと、1Aの教室へ向かう事にした。
[削除]
10/28(Mon) 07:27
おはようございます(´∇`)ノシ
小春
紅花さん、まだまだこれから忙しくなりますよ。
そしてその三人のスリーショットは、今なら家庭科部の展示室で撮影出来ます。
ゴールドとシルバーも、喋らなければ超イケメンなのに……( ノД`)…
[削除]
10/28(Mon) 08:46
おはようございます!
くちびる
ワオ(笑)!!
早速撮影行って来るね♪
小春ちゃん~協力ありがとー♪
紅花(笑)(*^^*)
[削除]
10/28(Mon) 12:16
何やってるんだか(笑)。
小春
紅花さん、スリーショット小春にも1枚お願いね(^人^)
☆1-A教室☆
壁一面に貼られたクラスの生徒たちの写真をひとつひとつ眺めながら、翼の父が静かに呟いた。
櫻井父
「……穂積はずいぶん人気があるんだな」
翼
「うん」
小春
「みんな大好きです」
櫻井の父の両脇でそれぞれ肩を貸しながら、小春と翼が揃って頷く。
展示されている写真は、もちろん、表情豊かな生徒たちを写したものが多いのだが、クラス担任の穂積を撮った写真もたくさんある。
それらの写真の中の穂積の周りには、いつも、笑顔の生徒たちが一緒に写っていた。
櫻井母
「穂積先生が慕われてるのは、写真を見ればよく分かりますよ」
櫻井父
「……あいつの人気は見た目だけかと思ってたんだが」
翼が唇を尖らせるのを見て、小春が微笑んだ。
櫻井父
「……確かに、そうだな。好かれているだけではなく、尊敬されているのがよく分かる。……立派な教師だ」
すかさず、翼が頷く。
翼
「でしょ」
櫻井父
「どうしてお前が威張るんだ。あいつが悪ガキだったのは本当なんだぞ」
翼
「そんな昔の話知らないもん」
小春
「つ、翼ちゃん。お父さんにそんな」
何やら不穏な気配に小春が慌てるが、後ろから翼の母が小春の手を引いて、言い争いを始めた二人からそっと離れさせた。
櫻井母
「いいのよ。似た者親子なんだから、放っておきなさい」
そう言われても心配になってしまうが、慣れているのか、翼の母はにこにこしている。
櫻井母
「翼も、普段は大人しいけど、あれで、父親には言いたい事が言えるのよ。だから、やらせておきなさい」
小春
「は、はぁ……」
小春には分からないが、父と娘ってそういうものなのだろうか。
櫻井母
「それより小春さん、ここに写っている先生、小春さんにお顔がよく似てらっしゃるみたいだけど。もしかしてお兄様?」
小春が顔を上げるとそこには、確かに、教壇に立って授業をしている最中の明智の写真があった。
小春
「兄です」
櫻井母
「やっぱり。強そうで優しそうで、素敵なお兄様ね」
小春
「そうなんです!」
たちまち、小春の目が輝く。
翼
「お父さんはいつも、先入観を持って人を見るなって言うくせに」
小春
「家庭科部の喫茶店の軽食もですね、全部、兄のレシピなんですよ」
翼
「お父さんこそ、穂積先生を過去の行いや見た目だけで判断しようとしてるじゃない」
小春
「私が知らない事を、兄に聞くとするでしょ。そうすると兄は、たとえその時答えられなくても、後で調べて、必ず教えてくれるんです」
たじたじする父親と、にこにこ聞く母親の前で、翼の穂積自慢と、小春の兄自慢はしばらく続いたのであった……。
[削除]
10/28(Mon) 16:31
いや、よく寝ました。
清香
ブックオフでマンガを33冊大人買いしたら肩が痛いです←
☆校内☆
家庭科部の展示を見た後、サクラダモンのメンバー達は生徒達に呼ばれるがまま各クラスへと足を運ぶ。
授業で学んだ成果を一生懸命にアピールする姿や、楽しそうに製作物を手に紅花へ写真撮影を強請る自然な姿を見ることが出来、マスクの下では皆笑顔だ。
しかし。
『本日は桜祭・文化祭の部にお越し下さいまして、誠にありがとうございます。まもなく文化祭終了の時刻となります。お帰りの際はお忘れ物など無いよう、ご注意下さいませ。』
放送部によるアナウンスが流れると、あちこちで「えーっ!?」という不満気な声が上がりはじめる。
『もっと見て欲しかった』
『うちのクラスにも来て欲しかった』
挙句には
『帰らないで欲しい』
と腕を引っ張って引き止める始末だ。
確かにどのクラスも部活もこの日のために精一杯展示作品を作り上げてきた。
出来る限り訪れてやりたいのは山々だし、口々にのぼる生徒達の熱烈な言葉に嬉しさは募るものの、体育系の部活の顧問をしている穂積達は明日の体育祭に向けての仕事もある。
アンドロメダ瞬一もパープルドラゴン龍二もさすがに疲れの色が見えている今、どうにか屋上へと戻りたいところではあるのだが。
『サクラダモン!』
『サクラダモン!!』
手拍子とサクラダモンコールで盛り上がり始めてしまった生徒達に囲まれてしまう。
『…まいったな。』
誰しもがマスクの下でそう思っていると。
アニ
「ほら、お前達、そろそろ片付けを始めろ。終わった順に、校庭へ行って明日の設営をするぞ。」
輪になり始めた生徒をかき分けるように、藤守慶史がやってきた。
口うるさいと名高い教師の登場に、生徒達も引き下がらざるを得ない。
ブラック・ホワイト・レッドは居並ぶ生徒の頭を優しく撫でながら教室を出ると、誘導する藤守の後を追った。
教室から出ないよう藤守に言われ、渋々各教室のドアから見送る生徒に手を振りながら校舎を出ようとすると。
ブラック
「………。」
レッド
「……。」
1階の中庭に面した1-Aの教室に翼とその両親、小春がいるのが目に入った。
楽しそうに父親と話す翼の姿と、翼の母親に何か説明をする小春の姿に気を取られ、ブラックもレッドも歩みが自然と遅くなる。
ホワイト
「……。」
そんな二人の背中を『行くぞ』と叩いたホワイトの手は驚くほど優しかった。
そして、アニの声が二人を正気に戻す。
アニ
「サクラダモンの皆さん、正門は混雑しているのでこちらへどうぞ。」
裏門へと案内され、施錠されていた鍵が開けられた。
アニ
「本日はご来校下さいまして、ありがとうございました。お気をつけてお戻り下さい。」
丁寧にお辞儀をされ、握手を求められた。
ホワイト
「……。」
レッド
「…………。」
ホワイトに肘で突つかれ、レッドに促されるままブラックがアニの手を取ると。
ブラック
「……!?」
アニ
「…篠崎に言われて着替えは屋上から移動させておいた。お前達なら気づかれずに行けるだろう?」
ブラック
「…サンキュ。」
手の中に握られたのは、敷地内の端にある体育館脇のシャワー室の鍵だった。
文化祭当日は部活などない。
ましてや運動部は軒並み体育祭の設営に駆り出されいるので、確かに格好の隠れ蓑だ。
ブラック
「よし、行くぞ!」
『さよーならー』
教室の窓から見送る生徒に手を振りながら裏門を出たサクラダモン達は、その昔何度も脱走と閉門後の侵入を繰り返した懐かしの場所へと足を向けたのだった。
10/28(Mon) 17:36
男同士のヒミツ♪
とも
学校の外へと出たサクラダモンたちは、周りに人気が無いことを確認して各々がマスクを脱ぎ出した。
ブラック
「あー、暑かった~」
レッド
「なかなかの盛況ぶりでしたね」
ホワイト
「久しぶりに暴れたから、明日の体育祭、体力持つかな~。それより、ゴールドとシルバーも、君たちのおかげで今日は助かったよ。ありがとう」
ブラック、レッドと共に頭を下げるとゴールドとシルバーは慌てて首を振った。
ゴールド
「そんな、伝説のサクラダモンの一員になれただけで十分でつよ」
シルバー
「それに楽しかったし。またサクラダモンの出動の際には我々も呼んでほしいでござる」
???
「いやぁ、サクラダモンの皆さん、お疲れさんでした!」
懐かしい場所まであと少しのところで、不意に後ろから誰かが声をかけてきた。こんなところに居るなんて誰だろうと全員が後ろを振り返ると、既に帰ったはずのとも父が立っていた。
とも父
「どうも、1-Bのともの父です。娘がいつもお世話になって、ホンマにありがとうございます」
穂積
「ともさんのお父さんでしたか。野球部顧問の穂積です。彼女にはマネージャーをしていただいてますが、野球部の為に本当によくしてくれていて助かっていますよ」
とも父
「それならよかった。あの通りのじゃじゃ馬やから、もっとビシバシしごいてやってください」
ニコニコして話すとも父に小野瀬が疑問を投げ掛けた。
小野瀬
「ところで、こんな学校の裏にいらっしゃるのは、何かあったんですか?」
とも父
「お恥ずかしながら、来たときに持ってきていたスーツケースを、裏門で受付をしてもらった時に預けたままで途中まで帰ってしもてまして」
明智
「そうでしたか。今は正門しか出入りできないようになっていますから、ともさんに連絡して持ってきてもらってはどうでしょう?」
とも父
「なるほど。そうさせてもらいますわ。ほな、失礼します」
会釈して来た道を戻るとも父がクルリと振り返った。
とも父
「先生方がサクラダモンやったことは内緒にしときますから、安心しててください!」
グッと親指を立てて歩き出すとも父に、穂積たちも同じようにしながら見送った。
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10/29(Tue) 01:14
作戦1
ジュン
ブラックたちを無事に裏門から脱出させたアニの携帯が着信を知らせる。
アニ
「ん?ジュンからか……」
〈慶史兄さん、賢史くん。空を連れて先に帰ります。体育祭の準備頑張ってね。夕飯の用意をして待ってます。〉
メールを確認するとアニは顔を綻ばせた。普段は賢史と二人暮らしなため、ろくなものを食べていない。まして、今日のように遅くなる日はコンビニ弁当となる可能性が高い。
アニ
「最近は料理教室にも通っていたな。また上達したか。」
賢史のための料理教室と思うといささか虚しくもなるが、帰って温かいご飯があるのは喜ばしいことだった。
アニ
「楽しみだな。」
その頃、賢史もジュンから同じメールを受けていた。すかさず返事を返す。
賢史
〈ねぎ焼き食べたいわ。よろしく~〉
ジュンの気持ちも企みも一瞬で打ち砕く賢史のメールであった……
ジュン
「ねぎ焼きって……男は胃袋掴めって篠崎先生に言われたけど、これでいいのかな?」
だが、篠崎と立てた作戦はまだまだこれからだ。ジュンは気をとり直して空の手を引き買い物に向かうのだった……
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10/29(Tue) 09:20
へっへっへっ。
小春
☆生徒会室☆
両親とともに下校していった翼を見送った小春は、ひとり生徒会室に来ていた。
文化祭は終わったが、生徒会役員としての小春には仕事が残っている。
藤守や如月、ともたちと共に、明日からの体育祭、さらにその次の日の後夜祭の担当として、和音率いる実行委員会に協力する事になっているのだ。
とはいえ、まだ、集合時間までかなりの間があった。
小春は会議用の椅子に座って足をぶらぶらさせていたが、何気なく自分の荷物を見て、ふと、紙袋の中身を手にしてみた。
今日一日使った給食係の服の下に、まだビニール袋にいれられたままの、真新しいメイド服が入っていた。
本当なら、今日、小春が着ていたはずの、可愛い黒のワンピースとフリルのついた白いエプロン、お揃いのカチューシャ。
小春
「……」
小春はビニール袋のままそれを胸に抱えて、机にぺたんと頬をつけた。
昨日からの色々な事が走馬灯のように頭を過り、小春はしばらく真顔でいたが、やがて、微かに笑みを浮かべながら、目を閉じた。
サクラダモンから普段のスーツに着替え、明日の準備の為に生徒会室に戻って来た三人の教師は、生徒会室の会議机でただひとり、静かに寝入っている小春を見つけた。
反射的に声を掛けて起こそうとした明智を、穂積と小野瀬が両脇から制する。
明智
「……」
明智は二人に頭を下げてから小春を見つめた後、自分の上着を脱いで、小春の肩に静かに掛けた。
そうすると、小春の小さい身体は、明智の上着にすっぽりと包まれてしまう。
明智と入れ替わるようにして近付いた穂積は、長身を屈めるようにして小春の耳元に唇を寄せると、声にならないほどの声で、「ありがとうな」と囁いた。
穂積
「……」
聞こえていなくてもいい。
小春は穂積からの礼など求めていないだろうし、小春への感謝は、翼への誠意で返していけばいい。
穂積はそう思いながら、身体を起こした。
その間、小野瀬はずっと、小春の寝顔を見つめていた。
幼い顔でおっとりしているから鈍いと勘違いしがちだが、小春は感受性が強い。
思い返せば心当たりはいくつもあるのに、穂積にメールを送って来るまで、穂積も小野瀬もそれに気付かなかった。
小野瀬
「……」
バラの花をポケットに入れていた事を思い出して、小野瀬はそれを、眠る小春の前にそっと置いた。
今は閉じられている、明智家特有の、青みの強い不思議な色の目を持つ少女。
あの目を真っ直ぐに向けられるのが怖くて、つい、いつもふざけてしまっていたけれど。
この子の目に、俺はどんな風に見えているのだろうか。
もし、心の全てを正直に見せられたら。
この子は、俺を受け入れてくれるのだろうか……。
遅れて到着した天井裏で、まだ息を切らしながら、空間はノートを開いていた。
空間
(……小春さん、プラスマイナス0……)
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10/29(Tue) 09:20
キャっ
ジュン
小春ちゃんに小野瀬先生フラグが(/▽\)♪
10/29(Tue) 09:42
ジュンさん(´∇`)ノシ
小春
そして空間●スノートのカウントダウンが(笑)
しかし、小春には小野瀬ばかりかアンドロメダ、パープルドラゴン、さらには太田やギャルソン男子のフラグもあるぞ!
しかも、小春本人はひとつも気付いていない!
どうなる小春?
どうする小春!
とう!←あっ逃げた!
10/29(Tue) 17:09
あっ。
とも
もう、賢史くん、いい加減に目を覚ましなさーいι(`ロ´)ノ
いくら一途なジュンさんでも愛想つかしちゃうで!
小春さんも他人の事はよく見てらっしゃるのに…モッタイナイ(´Д`) よりどりみどりですよ~
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10/29(Tue) 18:05
うふふ♪
くちびる
空間センパイ面白いなぁ!色んな場所に潜んでいますね♪あっそうか小野瀬先生のス●●カ-だったんだ!←面白いから撮影しちゃえ(笑)
そして小春ちゃん.(;´д`)小野瀬先生の気持ちに気付いてあげて~←でもま-くんじゃなかった明智先生が知ったらどうなるのかしら?
紅花(笑)(*^^*)
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10/29(Tue) 18:10
ともさん、くちびるさん(´∇`)ノシ
小春
私としては、明智との許されざる恋というのも諦めきれないような……ああ、それならすでに両想いなのに( ノД`)…
[削除]
10/30(Wed) 05:37
作戦その2
ジュン
生徒会や実行委員、そして体育会系の部活に所属している生徒が集まって体育祭の準備が始まった。小春は寝起きのようでまだ少しボーとしているようだ。
藤守
「それはテントの方に運んでくれ!」
和音
「音響設備は本部の方にお願いします!」
如月
「向こうが手が足りてないので応援お願いします!」
さすがは体育会系、実行委員の指示にテキパキと応えあっという間に準備が進んでいく。
明智
「予定より早く終わりそうですね。」
小野瀬
「本当だね。」
篠崎
「なら、飲みに行かない?」
穂積
「おっ、いいな。」
アニ
「俺は行かないぞ。」
篠崎
「だめですよ。アニ先生は強制参加です。」
アニ
「なぜだ!?」
小野瀬
「まぁまぁ、いいじゃない?少し飲みに行くくらい。」
こうしてアニ強制参加の飲み会が決定した。
篠崎
「二人きりにしてあげないと作戦に支障が出るからね。」
小声で呟く篠崎だった。
篠崎先生の作戦その2は如何に!
何も考えてません!!Σ(ノд<)
10/30(Wed) 06:26
おっと。
清香
回想する感じでサクラダモンの衣装を脱いでシャワーを浴びる3人を書いていたら!L(゚□゚)」←また寝落ちした人
飲みに行っちゃうの?いいのかしら?ぐふふ。
☆渡り廊下☆
小春
……一方、こちらは、サクラダモンのテーマを演奏する軽音楽部の陰に紛れ込んでいた、和音と龍鬼。
和音
「龍鬼さん、撮れた?」
中庭に向けていたカメラを手に、龍鬼が振り返る。
龍鬼
「和音さんに言われた通り、サクラダモンのメンバー全員の写真、たくさん撮影出来ましたけど……」
和音
「そう、良かった」
龍鬼
「全員マスクマンだから、あの中に穂積先生と小野瀬先生が入っていてもわかりませんよう」
龍鬼は半泣きだが、和音は自信ありげに頷く。
和音
「大丈夫。その写真、反省会の時、きっと役に立つと思うよ」
龍鬼
「本当ですかあ……?」
龍鬼は半信半疑で、シャッターを押し続けるのであった……。
10/25(Fri) 13:32
ごあいさつ
小春
こちらのスレッドでは、ただいまリレーSS『アブナイ☆恋の学園物語』を開催中です。
ストーリーは現在、学園祭『桜祭』二日目、文化祭の真っ最中。
皆様ふるってご参加下さい。
引き続き「ミス桜祭」、「ミスター桜祭」への投票も受付中です。
≪あらすじ≫
学園祭『桜祭』二日目、文化祭。
一般の入場者による混乱を防ぐため、屋上に待機させられていた穂積と小野瀬。
だが、午後になるとやはり会場の教え子たちの様子が気にかかり、また、穂積は自分の翼への気持ちに整理がついた事で、文化祭に参加したいと思うようになる。
そこで二人は篠崎、明智、アンドロメダ瞬一、パープルドラゴン龍二、さらには校長・山田と理事長・黒柳の協力を得て、高校時代に使用した「学園戦隊サクラダモン」に扮してヒーローショーを行う。
こうして、ヒーローに仮装したまま、ばれないように声も出せない状況ではあるが、穂積と小野瀬は会場への潜入に成功したのであった……
楽しかった文化祭も後半突入!
乙女の皆様、やり残したことはないかな?
サクラダモンは終わったけれど、まだまだ続くよ学園祭!
体育祭に向けて準備運動も開始!のスレッド7、スタート!
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10/25(Fri) 16:10
脱力。
清香
とっても遊ばせていただきました。小春さん、ありがとうございます。
でも、まだまだ続くよ!←
☆中庭☆
サクラダモンの面々が歩くと、大勢の生徒も後ろをついて回った。
これではいつもの文化祭で見かける穂積と小野瀬のファンによる大名行列と同じなのだが。
男子生徒
「うぉー!ブラック!超かっけぇ!」
女子生徒
「ホワイトー!ステキ~!」
今まではどうにか話しかけようとさしてくる女子ばかりで身動きすら取れない状態だったのに、サクラダモンの姿でいると自然に花道が出来上がって行く。
『ブラックー!』『ホワイト~!』『レッド、こっち向いて!』『ゴールドとシルバー、ポーズを下さい!』
携帯のカメラで撮影されることはあるものの、思い通りに歩くことができるということだけでも大収穫だ。
生徒達
「是非展示を見て行って下さい!」
それだけでなく、見に行っても混乱を招くばかりであまり歓迎されなかった穂積と小野瀬にとって、この言葉は本当に嬉しいもので。
レッド
「……。」
『行きましょう』とブラックの背中をそっと押すレッドの手の優しさが心に沁み入った。
その頃。
☆中庭☆
篠崎
「では、櫻井さんは保健室へ行きましょうか。足を挫いてしまったのでしょう?」
サクラダモンが校舎内に入っていき、落ち着きを取り戻した中庭で篠崎が翼の父親の足を気にした。
翼
「お、お父さん、大丈夫?」
父親
「い、いや、面目ない…。」
娘に心配されて恥ずかしいのか、ぽりぽりと頭をかく翼の父親の耳がうっすら赤くなる。
やはりどこの父親も娘には敵わないのだろう。
篠崎
「翼さんはどうする?」
翼
「もちろんついて行きます!」
父親が心配なのだろう、カバンを手に持ち腕を支えようとする翼に対し、父親が慌ててカバンを取り返す。
櫻井父
「い、いや、先生について行くから大丈夫だ。お前は初めての文化祭なんだから精一杯楽しみなさい。」
翼
「で、でも…。」
父親なりの優しさなのは分かるが、やはり心配は隠せない。同じくらいの頑固さを持ち合わせているのか、互いに譲らない二人に篠崎が助け舟を出す。
篠崎
「じゃあ、翼さんも保健室までは着いて来て。で、治療している間にどこか見に行けばいいわ。終わったら連絡してあげるから、ね?」
翼・櫻井父
「…は、はい。」
決められてしまうと、おとなしく従ってしまうのは日常から翼の母親もそうしているからなのだろう。
篠崎
「そうと決まれば行きましょう。ついでに藤守くんの所の空くんも寝そうだし、保健室で預かるわ。」
茶道部へ戻ってしまったジュンの代わりにサクラダモンごっこで遊んでいた藤守と空だが、はしゃぎすぎて疲れたのか藤守の腕の中でウトウトし始めていた。
藤守
「すんません、助かります。」
篠崎
「いいのよ、気にしないで。」
空の小さな体を受け取り、篠崎と櫻井親子の3人は保健室へと足を向けたのだった。
[削除]
10/25(Fri) 17:44
あー面白かった♪ヽ(´▽`)/
とも
☆同じく中庭☆
保健室へ向かう篠崎たちを見送ったとも父がともに声をかけた。
とも父
「お、思ってたよりも時間が経ってしもてるわ。そろそろ会社に向かわなあかんから、その前に翼ちゃんの編みぐるみのとこに連れていってや」
とも
「もうそんな時間やった?ほな、いこか?」
如月
「えぇっ、せっかくなのに、もうちょっとゆっくりできないんですか?」
如月はサクラダモンの飛び入りで、すっかりとも父のファンになっていた。だから、まだまだ話したい事がたくさんあったのだが。
とも父
「悪いなぁ、如月くん。今日は出張先からそのまま会社に行くことになってたんやけど、飛行機の時間を早めてここに来たんや。また今度会ったら手合わせしようや」
如月
「はいっ、よろしくお願いします!」
男同士の約束と握手を交わしている横でともが呆れた顔でツッコんだ。
とも
「もー、何が『今度会ったら』やねん。明日の体育祭も来て、PTAの綱引き出るてはりきってたやんか?」
如月
「……え?」
とも父
「…あ~、そやったな。明日も学校来るんやったわ~。スマンスマン」
ハハハ、と笑うとも父に藤守は大爆笑。
藤守
「とものおとん、めちゃ面白いな!如月、よかったやんか!」
如月
「ははは…」
とも
「藤守先輩、ほな、見回りの続きがてらに父を展示会場に案内してきますね」
藤守
「おぅ、頼むわ。俺らも後で回るから、ゆっくり行ってきてええで」
とも
「はーい」
とも親子は藤守、如月と別れて展示会場へと向かったのだった。
どんだけとも父出すんやろ?←
[削除]
10/25(Fri) 18:29
あれ?空がいない
ジュン
藤守
「空は篠崎先生が保健室で預かってくれてるで。」
藤守と如月が茶道部の前を通るとジュンが仕事の合間にキョロキョロとしていた。藤守と空の姿が見えずに心配していたようだ。
ジュン
「そうなの?よかった。でも、先生にご迷惑じゃないかな?」
藤守
「大丈夫やろ。よく寝てたで?」
ジュン
「そっか。でも早めに起こさないと夜寝ないね。」
藤守
「かまへんやん?少しくらい。」
ジュン
「でも、明日は体育祭だから……賢史くんも早く寝ないとね。MVP狙うんでしょ。」
藤守
「おお、頑張るでぇ。んで、マネージャーにダンス申し込まなな!」
気合いを入れる藤守をよそ目に如月がジュンに耳打ちをする。
如月
「ジュンちゃん、けなげだね……」
ジュン
「いい女でしょ?」
ジュンはイタズラっぽく笑っていた。
10/25(Fri) 22:40
楽しすぎる!
くちびる
サクラダモンも無事に終わりましたね♪
紅花も取材しながら十分に楽しませてもらいましたあ♪(笑)(*^^*)
これからどんな展開になって来るんでしょうか?まだまだ続きますよね~(笑)
サクラダモン大好きです!←とう
[削除]
10/26(Sat) 08:41
みなさんおはようございます(´∇`)ノシ
小春
☆中庭☆
売店終了既定時刻の午後三時、その少し前。
家庭科部部長
『ありがとうございます。家庭科部喫茶店、全品完売です!』
拡声器を使って会場に告知する部長の声とともに、中庭には拍手と歓声が沸き起こる。
朝からほとんどオープンキッチンに立ちっぱなしだった小春も、ようやくホッと息をついた。
後片付けも終え、制服に着替え、部活から解放された小春は、「喫茶店が終わったら連絡して」と言ってくれていた翼やともに連絡しようとして携帯を取り出したものの、手を止めた。
……翼ちゃんも、ともちゃんも、お父さん来てたな。
せっかくの親子の時間を邪魔したくない。
とはいえ、自分の肉親である姉たちは、久し振りに会った同級生たちに誘われて行ってしまったし。
兄の明智はサクラダモン・レッドになって、学園の平和を守るためにパトロール中だ(←正体バレてるし。微妙に誤解してるし)。
それに……篠崎先生と仲良くしてたし。
モヤモヤしながら『完売です・ありがとうございます。家庭科部』と書かれた立て看板の周りをとぼとぼと回り始めた小春に、ふと、隣の茶道部から、声がかかった。
???
「小春さん」
小春
「はい」
振り返った先で、赤い毛氈に座っていた女性が、ぺこりと頭を下げてから、微笑んだ。
初対面の相手で、一般の来客のように見えるけれど、何か用事だろうか。
小春
「こんにちは」
小春はきちんとお辞儀を返した。この辺の行儀の良さは、明智に躾られている。
???
「お疲れ様でした。こちらで、一緒にお茶を頂かない?」
小春としては、別に断る理由もない。
小春
「はい」
席に上がるには、注文してからでないと。
小春がジュンを探すよりも早く、ジュンがお茶と和菓子をお盆に載せて現れた。
女性がすでに注文してあったとしか思えない。
ジュン
「小春さん、お疲れ様」
???
「こちらへどうぞ」
小春
「ありがとうございます」
靴を脱いで毛氈に上がり、きちんと正座した小春に、女性は微笑みを絶やさずに頷いた。
それから、小春に向かって、丁寧に手をついてお辞儀をした。
???
「初めまして、翼の母でございます」
小春
「えっ!」
櫻井母
「私、着いた途端に主人とはぐれてしまいまして。サクラダモンの前から、ずっとここに座ってましたのよ」
小春
「……えっ!!」
[削除]
10/26(Sat) 14:16
いやー、よく寝ました。
清香
賢史君、目を覚ませ!ヽ(#゚Д゚)ノ┌┛Σ(ノ´ェ`)ノ
☆保健室☆
翼が保健室のドアを開けると、ちょうど数人の生徒が治療を終えて出るところだった。
篠崎
「大丈夫?」
生徒達
「はい、ちょっと擦りむいただけなので絆創膏をもらいにきました。」
篠崎
「なら良かったわ。お大事にね。」
見送って保健委員の生徒も交代をすると、篠崎は完全に寝入ってしまった空をベッドへと寝かした。
篠崎
「お父様、どうぞこちらにおかけになって下さい。」
椅子を差し出して座るよう促すと、傍らで父親のカバンを持ったまま佇む翼に声をかける。
篠崎
「櫻井さん、お父様の治療が終わったら連絡してあげるから行ってらっしゃい?」
櫻井父
「あぁ。ついて来てくれてありがとう。お前も楽しんで来い。母さんもきているから、探してやれ。」
翼
「は、はい。」
『これ以上は結構』と二人から言われてしまったようで寂しくもあるが、留まる事は許されない空気が漂う。
翼
「じゃ、あ、行ってきます。」
篠崎・櫻井父
「行ってらっしゃい。」
後ろ髪を引かれるように何度も振り返る翼に笑顔で手を振ると、翼は保健室のドアを静かに閉めて出て行った。
篠崎
「さぁ、では足の様子を拝見しますね。」
そう言いながら薬品庫の鍵を開けて湿布や包帯を出す篠崎に、櫻井父は靴を脱ぎながら口を開いた。
櫻井父
「先生、お聞きしたいことがあるのですが。」
篠崎
「なんでしょう?」
櫻井父
「娘を、翼を助けて下さったあのブラックという人をご存知ですね?」
篠崎
「……ええ。」
にこりと笑みを崩さないまま、篠崎は櫻井父の足の腫れを確認しながら湿布を貼っていく。
櫻井父
「娘を助けて下さったお礼を改めてしたい。どなたか教えていただけませんか?」
包帯を手に取りじっと見つめながらも答えようとしない篠崎に、櫻井父はなおも食い下がる。
櫻井父
「あの方は翼が攫われてすぐに気がつき追いかけて下さった。他にも囚われた生徒は大勢いたのに。」
篠崎
「……。」
櫻井父
「校舎内へ連れて行かれる翼を見て、本当に生きた心地がしませんでした。もし、万が一の事があったらと思うと今でも…。」
カタカタと震える櫻井父の手は、血の気を感じさせないくらい真っ白だった。
大事な一人娘が目の前で攫われた。
父親に取ってその事実は筆舌に尽くし難いのだろう。
櫻井父
「…お願いします。」
頭を下げた櫻井父に、包帯を巻き終わった篠崎が跪いて顔を上げさせようと肩をさする。
篠崎
「お父様、頭を上げて下さい。そんな事をなさらないで下さい。」
櫻井父
「しかし…!」
篠崎
「ブラックはお礼を求めて助けたんではありませんよ。きっと、自分が助けたいから向かったんですわ。自分の大切な『モノ』は、自分の手で護る人ですから。」
『それに』と笑みを深めて篠崎は続ける。
篠崎
「彼は、ブラックは私達を信頼してくれています。だからこそ中庭にいる生徒は任せても大丈夫だと判断し、自分は翼さんの救出へ向かったのでしょう。そして事実、ブラックは翼さんを助けた。それで充分ではありませんか?」
固く握りしめた櫻井父の拳を、篠崎は宥めるようにポンポンと優しく叩いた。
そして困ったように眉を下げると。
篠崎
「正直、ちょっとした余興がここまでの騒ぎになるとは思いませんでした。お怪我をさせてしまい、またご心配をおかけして本当に申し訳ございません。お詫び申し上げます。」
ぺこりと頭を下げた。
櫻井父
「い、いや、これは私の不注意と運動不足が原因ですから。先生こそ頭を上げて下さい。」
困ったように耳を赤らめる櫻井父に、篠崎はゆっくりと頭を上げた。
篠崎
「翼さんはいいお嬢さんですね。明るくてお友達思いで、一生懸命で。」
櫻井父
「そ、そうでしょうか?」
娘を褒められて内心嬉しいものの、顔に出さないよう『ゴホンッ』と咳払いをして誤魔化す櫻井父に篠崎はどこか遠い目をしながら続ける。
篠崎
「いいお友達にもいい先輩にも恵まれて、きっと楽しい学園生活を送ってくれると信じています。…ですから、今はそっと見守って差し上げてください。」
櫻井父
「…はい。」
立ち上がった篠崎につられるように櫻井父も靴を履いて立ち上がった。
話は終わり、空気がそう伝えている。
篠崎
「ブラックには私から申し伝えておきます。…お大事になさってください。」
ドアを開けて退室を促すと、カバンを手にして櫻井父も歩き出す。
櫻井父
「…では、よろしくお願いします。」
ドアがパタンと閉まる音が、やけに響いた。
篠崎
「はぁ。」
ため息を吐きながらメールで『お父様が保健室を出られました。』とだけ翼へ送ると、スヤスヤと眠る空の元へ椅子を引き寝顔を見つめる。
篠崎
「…これでいいんだよね。」
呟いた篠崎の声に、楽しい夢でも見ているのだろう空が『へらっ』と笑った。
[削除]
10/26(Sat) 17:37
蹴られた
ジュン
藤守
「んっ!?」
如月
「どうしたんですか?会長。」
藤守
「いや、なんか頭を蹴られたような……」
如月
「はぁ?ところで会長?ジュンちゃんのことはいいんですか?」
藤守
「はぁ?ジュンのことって?何が?」
藤守は全くわからないらしく首を傾げる。
如月
「後夜祭のダンスをマネージャーと踊るとか、ジュンちゃんの前で言っていいんですか?」
藤守
「何がアカンの?」
全く話の通じない藤守に如月は早口で捲し立てた。
如月
「ジュンちゃんは会長の従妹ですよね?妹じゃないんですよ?恋愛も結婚もできるんですよ!?」
藤守
「従姉妹と結婚できることくらい俺でも知ってるっちゅーねん。」
如月
「だったらなんでジュンちゃんの前であんな話をしたんですか?」
藤守
「なんでって、ジュンはそういうのとちゃうやん?俺のこといつも応援してくれんで?」
全く悪びれる様子もなく藤守は言い放った。そんな藤守に如月はただただ溜め息をつくしかなかった。
その頃のジュンは……
ジュン
「失礼します。篠崎先生、弟をありがとうございました。」
ジュンは茶道部の片付けをロバートとポールが引き受けてくれたため、空を迎えに保健室に来ていた。
篠崎
「あら。まだ弟さんは寝てるわよ?」
ジュン
「そうですか。でも、そろそろ起こします。今日は慶史兄さんと賢史くんが泊まりに来るから夜遅くまで起きてると迷惑かけちゃうから。」
ニッコリと笑うジュンに篠崎は少し顔を歪めた。
篠崎
「そこまで想ってて、今のままでいいの?」
ジュン
「え?」
篠崎
「少しは藤守くんに自分のこと『女だって』意識してもらってもいいんじゃない?」
無言になってしまったジュンに篠崎は慌てて言い募る。
篠崎
「ごめんなさい。余計なお世話だったかしら?」
ジュン
「いえ……でも、どうしたらいいのか……」
ジュンは泣き出しそうな哀しい笑顔を浮かべる。
篠崎
「そうね……じゃあ、こんなのはどう?」
その後しばらく、女同士の作戦会議は続いた……。
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10/26(Sat) 22:15
||・ω・` )篠崎先生が動き出した……
小春
いいですねー。
この、広い会場に散らばってる感じ(´∇`)
とも父さんは清香さんも私もファンです。
じゃんじゃん活躍させてください。
そしてジュンさん!そうよ従妹なんだから!頑張って!
篠崎先生との作戦会議の成果は果たして……(笑)
10/27(Sun) 05:04
小春
☆中庭☆
翼
「……あれ?」
保健室を出て、両親がはぐれたという正門から母親の姿を探しながら歩いてきた翼は、中庭のベンチに見覚えのある二人の姿を見つけた。
芝生の上に設えられていた茶道部の茶店も家庭科部の喫茶店もすっかり片付けられて、いつも通りの広い中庭があるだけ。
そこにいくつか設置されているベンチのひとつで、小春が、にこにこしながら翼の母親の肩を揉んでいた。
翼の母の方も、気持ち良さそうに目を細めている。
なんだか本当の親子のよう。
そういえば、と翼は思い返していた。
穂積先生が言っていたっけ。
……明智の家は、小春が生まれる少し前にお父さんが亡くなってね。お母さんは家計を支える為に忙しくて、だから、明智が一切の家事を引き受けてきたのよ……
小春には深く聞いてみた事が無いけれど、長男の明智先生が家事をしなければならないぐらいだもの、お母さんもお姉さんたちも、余程忙しく働いているのだろう。
……小春は明智が大好きだから、くっついているうちに、自然と家事をこなすようになったわけ……
翼の母親は専業主婦で、いつも家にいてくれる。
いてくれるのが当たり前だから、小春の気持ちを想像するのは難しい。
難しいけれど、翼の母に接する小春の態度を見ていると、小春が本当にくっついていたかったのは、やっぱりお母さんだったのではないかと思う。
だけど、小春には明智しかいなかった。
小春がブラコンになった理由が分かった気がする。
どうしようかためらったけれど、翼はわざと気にしないふりで、小春の背後からそっと近付いて、両手で小春の目を隠した。
翼
「だーれだ?」
小春
「あ!翼ちゃん!」
翼
「当たりー」
手を離すと笑顔で振り返った小春に、翼は思いきり抱きついた。
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10/27(Sun) 05:39
ほんの少しだけ
ジュン
小春
「きゃっ!翼ちゃん、どうしたの?」
驚いた声を出しながらも小春も翼を抱き返す。
翼
「どうもしないよ。うちのお母さんの相手しててくれてありがとうね。」
小春の体を離してニコリと微笑むと小春もニコニコと返事を返してくれる。
小春
「ううん。こちらこそお抹茶ごちそうになっちゃったし。」
翼の母
「翼の話してくれた通り、いいお嬢さんね。小春さんのようなお友達がいて安心しました。」
小春
「私も翼ちゃんとお友達になれてすごく嬉しいです!」
小春の言葉に翼と母は顔を見合わせて微笑んだ。
すこ~しだけ書いてみました(^_^;)
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10/27(Sun) 21:15
こんばんは☆
とも
☆家庭科部・展示室☆
とも父
「ここが家庭科部の展示か~、いやぁ見応えあるわ!」
とも
「スゴいやろ~?あ、小春の作ったのはこっちやで!」
あちこちを見ていると、廊下が騒がしくなった。
生徒A
「わ、サクラダモンが来たよ!」
生徒B
「かっこいい~」
とも父
「なんやなんや?」
とも
「え?サクラダモン!? 見たい見たい!」
後ろにたくさんのギャラリーを引き連れてサクラダモンが家庭科部の展示室にやってきた。
レッドは作品ひとつひとつを見て頷き、
ホワイトはウエディングドレスの前で女子生徒たちにポーズをせがまれていた。
ブラックがひとしきり見て回り、小春の作品の前に来ると、他の作品よりも多くの人だかりができていた。
ブラック
「………」
編みぐるみの翼は、小春から送られてきた写メで見たものよりもものすごく繊細だった。
顔はニッコリ笑っており、翼本人の雰囲気をよく捉えていて、本当に翼がそこにいるかのようだった。
翼の笑った顔を思いだし、ヘルメットの中で口元を緩めていると、そこへとも親子が近づいてきた。
とも父
「ブラック、今日は楽しませてもらったわ~、ありがとうな!」
とも
「あの、よかったらこの編みぐるみとツーショットの写真撮らせてもらえませんか?さっき翼を助けた時みたいに!」
ブラック
「………」
よく似た顔の二人にニコニコしながら言い寄られ、仕方なく編みぐるみの肩を抱いて写真におさまるブラックだった。
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10/27(Sun) 21:23
こんばんは(´∇`)ノシ
小春
ジュンさん、ありがとうございます(* ̄ー ̄)
そしてともさん、なるほどね。
ブラックも翼ちゃんも、そして小春も愛されてますね。
幸せ(* ̄∇ ̄*)
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10/27(Sun) 21:39
こんばんは(*^^*)
くちびる
おお!話が進んでますねえ~(笑)(*^^*)
2次元の紅花もリアルの紅花も取材疲れでグタグタですよ(ToT)
今やっと落ち着いたので2次元ワ-ルドに遊びに来ました!
サクラダモンは結構ツボにはまりました(笑)(*^^*)
登場人物の家族も沢山出てきて賑やかになって来ましたね!
紅花みんなに取材したいわ。
とりあえずブラック&ホワイト&レッドのスリーショット撮影してもいいかしら?
10/28(Mon) 05:50
小春
小春
「翼ちゃん、お父さんは?」
翼は、篠崎が、父親の足の手当てを引き受けてくれ、それで、母親を探しに来た事を二人に告げた。
翼
「そうだ、お母さんを見つけた事を連絡しておかないと……!」
ちょうどその時、翼の携帯にメールが入った。
翼
「篠崎先生からだ。……お父さんの治療が終わったって」
翼は保健室の方角を見た。
翼
「すぐそこだから、私、迎えに行って来るね」
小春
「うん」
駆け出して行った翼を横目に、翼の母は、隣に腰掛けている小春を振り返った。
櫻井母
「足を怪我してしまったなら、展示を見て廻るのは無理かしらねえ」
小春
「校内はバリアフリーになってますし、車椅子もありますよ」
励ますように言ってから、小春は時計を確かめた。
小春
「でも、今日は人も多いし、今から終了時刻までに全部を見るのは、少し厳しいかも……」
櫻井母
「そうよねえ」
溜め息をつく翼の母より、小春の方が悲しそうな顔をしていた。
小春
「あの、全部は無理でも、特に行きたい場所があれば、私、車椅子のお手伝いします」
それに気付いて、翼の母が微笑む。
小春
「行けない場所の様子は、紅花ちゃんが準備中からずっと撮影してる映像がありますから。それをダビングしてもらえば、ご自宅でご覧になれます」
櫻井母
「ありがとう、小春さん」
翼の母に頭を下げられて、小春は恐縮してしまう。
小春
「車椅子借りてきます」
立ち上がりかけるのを、翼の母が止めた。
櫻井母
「ありがとう。でも、いいの。主人も、これ以上のご迷惑はかけたくないと思うから」
小春
「迷惑だなんて。……じゃあ、ゆっくり歩いて、1Aの教室だけでもご覧になりますか?授業風景の写真なんかが展示されてて、翼ちゃんも写ってますから」
そこへ翼と翼の父が戻って来た。
翼の父は軽く足を引きずっているが、篠崎の処置のおかげで、さっきよりはかなり楽になったようだ。
挨拶を交わした後、櫻井家の三人に小春を加えた四人は、足に負担がかからないよう、のんびりと、1Aの教室へ向かう事にした。
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10/28(Mon) 07:27
おはようございます(´∇`)ノシ
小春
紅花さん、まだまだこれから忙しくなりますよ。
そしてその三人のスリーショットは、今なら家庭科部の展示室で撮影出来ます。
ゴールドとシルバーも、喋らなければ超イケメンなのに……( ノД`)…
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10/28(Mon) 08:46
おはようございます!
くちびる
ワオ(笑)!!
早速撮影行って来るね♪
小春ちゃん~協力ありがとー♪
紅花(笑)(*^^*)
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10/28(Mon) 12:16
何やってるんだか(笑)。
小春
紅花さん、スリーショット小春にも1枚お願いね(^人^)
☆1-A教室☆
壁一面に貼られたクラスの生徒たちの写真をひとつひとつ眺めながら、翼の父が静かに呟いた。
櫻井父
「……穂積はずいぶん人気があるんだな」
翼
「うん」
小春
「みんな大好きです」
櫻井の父の両脇でそれぞれ肩を貸しながら、小春と翼が揃って頷く。
展示されている写真は、もちろん、表情豊かな生徒たちを写したものが多いのだが、クラス担任の穂積を撮った写真もたくさんある。
それらの写真の中の穂積の周りには、いつも、笑顔の生徒たちが一緒に写っていた。
櫻井母
「穂積先生が慕われてるのは、写真を見ればよく分かりますよ」
櫻井父
「……あいつの人気は見た目だけかと思ってたんだが」
翼が唇を尖らせるのを見て、小春が微笑んだ。
櫻井父
「……確かに、そうだな。好かれているだけではなく、尊敬されているのがよく分かる。……立派な教師だ」
すかさず、翼が頷く。
翼
「でしょ」
櫻井父
「どうしてお前が威張るんだ。あいつが悪ガキだったのは本当なんだぞ」
翼
「そんな昔の話知らないもん」
小春
「つ、翼ちゃん。お父さんにそんな」
何やら不穏な気配に小春が慌てるが、後ろから翼の母が小春の手を引いて、言い争いを始めた二人からそっと離れさせた。
櫻井母
「いいのよ。似た者親子なんだから、放っておきなさい」
そう言われても心配になってしまうが、慣れているのか、翼の母はにこにこしている。
櫻井母
「翼も、普段は大人しいけど、あれで、父親には言いたい事が言えるのよ。だから、やらせておきなさい」
小春
「は、はぁ……」
小春には分からないが、父と娘ってそういうものなのだろうか。
櫻井母
「それより小春さん、ここに写っている先生、小春さんにお顔がよく似てらっしゃるみたいだけど。もしかしてお兄様?」
小春が顔を上げるとそこには、確かに、教壇に立って授業をしている最中の明智の写真があった。
小春
「兄です」
櫻井母
「やっぱり。強そうで優しそうで、素敵なお兄様ね」
小春
「そうなんです!」
たちまち、小春の目が輝く。
翼
「お父さんはいつも、先入観を持って人を見るなって言うくせに」
小春
「家庭科部の喫茶店の軽食もですね、全部、兄のレシピなんですよ」
翼
「お父さんこそ、穂積先生を過去の行いや見た目だけで判断しようとしてるじゃない」
小春
「私が知らない事を、兄に聞くとするでしょ。そうすると兄は、たとえその時答えられなくても、後で調べて、必ず教えてくれるんです」
たじたじする父親と、にこにこ聞く母親の前で、翼の穂積自慢と、小春の兄自慢はしばらく続いたのであった……。
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10/28(Mon) 16:31
いや、よく寝ました。
清香
ブックオフでマンガを33冊大人買いしたら肩が痛いです←
☆校内☆
家庭科部の展示を見た後、サクラダモンのメンバー達は生徒達に呼ばれるがまま各クラスへと足を運ぶ。
授業で学んだ成果を一生懸命にアピールする姿や、楽しそうに製作物を手に紅花へ写真撮影を強請る自然な姿を見ることが出来、マスクの下では皆笑顔だ。
しかし。
『本日は桜祭・文化祭の部にお越し下さいまして、誠にありがとうございます。まもなく文化祭終了の時刻となります。お帰りの際はお忘れ物など無いよう、ご注意下さいませ。』
放送部によるアナウンスが流れると、あちこちで「えーっ!?」という不満気な声が上がりはじめる。
『もっと見て欲しかった』
『うちのクラスにも来て欲しかった』
挙句には
『帰らないで欲しい』
と腕を引っ張って引き止める始末だ。
確かにどのクラスも部活もこの日のために精一杯展示作品を作り上げてきた。
出来る限り訪れてやりたいのは山々だし、口々にのぼる生徒達の熱烈な言葉に嬉しさは募るものの、体育系の部活の顧問をしている穂積達は明日の体育祭に向けての仕事もある。
アンドロメダ瞬一もパープルドラゴン龍二もさすがに疲れの色が見えている今、どうにか屋上へと戻りたいところではあるのだが。
『サクラダモン!』
『サクラダモン!!』
手拍子とサクラダモンコールで盛り上がり始めてしまった生徒達に囲まれてしまう。
『…まいったな。』
誰しもがマスクの下でそう思っていると。
アニ
「ほら、お前達、そろそろ片付けを始めろ。終わった順に、校庭へ行って明日の設営をするぞ。」
輪になり始めた生徒をかき分けるように、藤守慶史がやってきた。
口うるさいと名高い教師の登場に、生徒達も引き下がらざるを得ない。
ブラック・ホワイト・レッドは居並ぶ生徒の頭を優しく撫でながら教室を出ると、誘導する藤守の後を追った。
教室から出ないよう藤守に言われ、渋々各教室のドアから見送る生徒に手を振りながら校舎を出ようとすると。
ブラック
「………。」
レッド
「……。」
1階の中庭に面した1-Aの教室に翼とその両親、小春がいるのが目に入った。
楽しそうに父親と話す翼の姿と、翼の母親に何か説明をする小春の姿に気を取られ、ブラックもレッドも歩みが自然と遅くなる。
ホワイト
「……。」
そんな二人の背中を『行くぞ』と叩いたホワイトの手は驚くほど優しかった。
そして、アニの声が二人を正気に戻す。
アニ
「サクラダモンの皆さん、正門は混雑しているのでこちらへどうぞ。」
裏門へと案内され、施錠されていた鍵が開けられた。
アニ
「本日はご来校下さいまして、ありがとうございました。お気をつけてお戻り下さい。」
丁寧にお辞儀をされ、握手を求められた。
ホワイト
「……。」
レッド
「…………。」
ホワイトに肘で突つかれ、レッドに促されるままブラックがアニの手を取ると。
ブラック
「……!?」
アニ
「…篠崎に言われて着替えは屋上から移動させておいた。お前達なら気づかれずに行けるだろう?」
ブラック
「…サンキュ。」
手の中に握られたのは、敷地内の端にある体育館脇のシャワー室の鍵だった。
文化祭当日は部活などない。
ましてや運動部は軒並み体育祭の設営に駆り出されいるので、確かに格好の隠れ蓑だ。
ブラック
「よし、行くぞ!」
『さよーならー』
教室の窓から見送る生徒に手を振りながら裏門を出たサクラダモン達は、その昔何度も脱走と閉門後の侵入を繰り返した懐かしの場所へと足を向けたのだった。
10/28(Mon) 17:36
男同士のヒミツ♪
とも
学校の外へと出たサクラダモンたちは、周りに人気が無いことを確認して各々がマスクを脱ぎ出した。
ブラック
「あー、暑かった~」
レッド
「なかなかの盛況ぶりでしたね」
ホワイト
「久しぶりに暴れたから、明日の体育祭、体力持つかな~。それより、ゴールドとシルバーも、君たちのおかげで今日は助かったよ。ありがとう」
ブラック、レッドと共に頭を下げるとゴールドとシルバーは慌てて首を振った。
ゴールド
「そんな、伝説のサクラダモンの一員になれただけで十分でつよ」
シルバー
「それに楽しかったし。またサクラダモンの出動の際には我々も呼んでほしいでござる」
???
「いやぁ、サクラダモンの皆さん、お疲れさんでした!」
懐かしい場所まであと少しのところで、不意に後ろから誰かが声をかけてきた。こんなところに居るなんて誰だろうと全員が後ろを振り返ると、既に帰ったはずのとも父が立っていた。
とも父
「どうも、1-Bのともの父です。娘がいつもお世話になって、ホンマにありがとうございます」
穂積
「ともさんのお父さんでしたか。野球部顧問の穂積です。彼女にはマネージャーをしていただいてますが、野球部の為に本当によくしてくれていて助かっていますよ」
とも父
「それならよかった。あの通りのじゃじゃ馬やから、もっとビシバシしごいてやってください」
ニコニコして話すとも父に小野瀬が疑問を投げ掛けた。
小野瀬
「ところで、こんな学校の裏にいらっしゃるのは、何かあったんですか?」
とも父
「お恥ずかしながら、来たときに持ってきていたスーツケースを、裏門で受付をしてもらった時に預けたままで途中まで帰ってしもてまして」
明智
「そうでしたか。今は正門しか出入りできないようになっていますから、ともさんに連絡して持ってきてもらってはどうでしょう?」
とも父
「なるほど。そうさせてもらいますわ。ほな、失礼します」
会釈して来た道を戻るとも父がクルリと振り返った。
とも父
「先生方がサクラダモンやったことは内緒にしときますから、安心しててください!」
グッと親指を立てて歩き出すとも父に、穂積たちも同じようにしながら見送った。
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10/29(Tue) 01:14
作戦1
ジュン
ブラックたちを無事に裏門から脱出させたアニの携帯が着信を知らせる。
アニ
「ん?ジュンからか……」
〈慶史兄さん、賢史くん。空を連れて先に帰ります。体育祭の準備頑張ってね。夕飯の用意をして待ってます。〉
メールを確認するとアニは顔を綻ばせた。普段は賢史と二人暮らしなため、ろくなものを食べていない。まして、今日のように遅くなる日はコンビニ弁当となる可能性が高い。
アニ
「最近は料理教室にも通っていたな。また上達したか。」
賢史のための料理教室と思うといささか虚しくもなるが、帰って温かいご飯があるのは喜ばしいことだった。
アニ
「楽しみだな。」
その頃、賢史もジュンから同じメールを受けていた。すかさず返事を返す。
賢史
〈ねぎ焼き食べたいわ。よろしく~〉
ジュンの気持ちも企みも一瞬で打ち砕く賢史のメールであった……
ジュン
「ねぎ焼きって……男は胃袋掴めって篠崎先生に言われたけど、これでいいのかな?」
だが、篠崎と立てた作戦はまだまだこれからだ。ジュンは気をとり直して空の手を引き買い物に向かうのだった……
[削除]
10/29(Tue) 09:20
へっへっへっ。
小春
☆生徒会室☆
両親とともに下校していった翼を見送った小春は、ひとり生徒会室に来ていた。
文化祭は終わったが、生徒会役員としての小春には仕事が残っている。
藤守や如月、ともたちと共に、明日からの体育祭、さらにその次の日の後夜祭の担当として、和音率いる実行委員会に協力する事になっているのだ。
とはいえ、まだ、集合時間までかなりの間があった。
小春は会議用の椅子に座って足をぶらぶらさせていたが、何気なく自分の荷物を見て、ふと、紙袋の中身を手にしてみた。
今日一日使った給食係の服の下に、まだビニール袋にいれられたままの、真新しいメイド服が入っていた。
本当なら、今日、小春が着ていたはずの、可愛い黒のワンピースとフリルのついた白いエプロン、お揃いのカチューシャ。
小春
「……」
小春はビニール袋のままそれを胸に抱えて、机にぺたんと頬をつけた。
昨日からの色々な事が走馬灯のように頭を過り、小春はしばらく真顔でいたが、やがて、微かに笑みを浮かべながら、目を閉じた。
サクラダモンから普段のスーツに着替え、明日の準備の為に生徒会室に戻って来た三人の教師は、生徒会室の会議机でただひとり、静かに寝入っている小春を見つけた。
反射的に声を掛けて起こそうとした明智を、穂積と小野瀬が両脇から制する。
明智
「……」
明智は二人に頭を下げてから小春を見つめた後、自分の上着を脱いで、小春の肩に静かに掛けた。
そうすると、小春の小さい身体は、明智の上着にすっぽりと包まれてしまう。
明智と入れ替わるようにして近付いた穂積は、長身を屈めるようにして小春の耳元に唇を寄せると、声にならないほどの声で、「ありがとうな」と囁いた。
穂積
「……」
聞こえていなくてもいい。
小春は穂積からの礼など求めていないだろうし、小春への感謝は、翼への誠意で返していけばいい。
穂積はそう思いながら、身体を起こした。
その間、小野瀬はずっと、小春の寝顔を見つめていた。
幼い顔でおっとりしているから鈍いと勘違いしがちだが、小春は感受性が強い。
思い返せば心当たりはいくつもあるのに、穂積にメールを送って来るまで、穂積も小野瀬もそれに気付かなかった。
小野瀬
「……」
バラの花をポケットに入れていた事を思い出して、小野瀬はそれを、眠る小春の前にそっと置いた。
今は閉じられている、明智家特有の、青みの強い不思議な色の目を持つ少女。
あの目を真っ直ぐに向けられるのが怖くて、つい、いつもふざけてしまっていたけれど。
この子の目に、俺はどんな風に見えているのだろうか。
もし、心の全てを正直に見せられたら。
この子は、俺を受け入れてくれるのだろうか……。
遅れて到着した天井裏で、まだ息を切らしながら、空間はノートを開いていた。
空間
(……小春さん、プラスマイナス0……)
[削除]
10/29(Tue) 09:20
キャっ
ジュン
小春ちゃんに小野瀬先生フラグが(/▽\)♪
10/29(Tue) 09:42
ジュンさん(´∇`)ノシ
小春
そして空間●スノートのカウントダウンが(笑)
しかし、小春には小野瀬ばかりかアンドロメダ、パープルドラゴン、さらには太田やギャルソン男子のフラグもあるぞ!
しかも、小春本人はひとつも気付いていない!
どうなる小春?
どうする小春!
とう!←あっ逃げた!
10/29(Tue) 17:09
あっ。
とも
もう、賢史くん、いい加減に目を覚ましなさーいι(`ロ´)ノ
いくら一途なジュンさんでも愛想つかしちゃうで!
小春さんも他人の事はよく見てらっしゃるのに…モッタイナイ(´Д`) よりどりみどりですよ~
[削除]
10/29(Tue) 18:05
うふふ♪
くちびる
空間センパイ面白いなぁ!色んな場所に潜んでいますね♪あっそうか小野瀬先生のス●●カ-だったんだ!←面白いから撮影しちゃえ(笑)
そして小春ちゃん.(;´д`)小野瀬先生の気持ちに気付いてあげて~←でもま-くんじゃなかった明智先生が知ったらどうなるのかしら?
紅花(笑)(*^^*)
[削除]
10/29(Tue) 18:10
ともさん、くちびるさん(´∇`)ノシ
小春
私としては、明智との許されざる恋というのも諦めきれないような……ああ、それならすでに両想いなのに( ノД`)…
[削除]
10/30(Wed) 05:37
作戦その2
ジュン
生徒会や実行委員、そして体育会系の部活に所属している生徒が集まって体育祭の準備が始まった。小春は寝起きのようでまだ少しボーとしているようだ。
藤守
「それはテントの方に運んでくれ!」
和音
「音響設備は本部の方にお願いします!」
如月
「向こうが手が足りてないので応援お願いします!」
さすがは体育会系、実行委員の指示にテキパキと応えあっという間に準備が進んでいく。
明智
「予定より早く終わりそうですね。」
小野瀬
「本当だね。」
篠崎
「なら、飲みに行かない?」
穂積
「おっ、いいな。」
アニ
「俺は行かないぞ。」
篠崎
「だめですよ。アニ先生は強制参加です。」
アニ
「なぜだ!?」
小野瀬
「まぁまぁ、いいじゃない?少し飲みに行くくらい。」
こうしてアニ強制参加の飲み会が決定した。
篠崎
「二人きりにしてあげないと作戦に支障が出るからね。」
小声で呟く篠崎だった。
篠崎先生の作戦その2は如何に!
何も考えてません!!Σ(ノд<)
10/30(Wed) 06:26
おっと。
清香
回想する感じでサクラダモンの衣装を脱いでシャワーを浴びる3人を書いていたら!L(゚□゚)」←また寝落ちした人
飲みに行っちゃうの?いいのかしら?ぐふふ。