『アブナイ☆恋の学園物語』
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10/23(Wed) 10:47
楽しいな(笑)
清香
みんな大好き、サクラダモン(笑)
☆中庭☆
山田
「観客のみなさーん、危ないですからゆっくり3歩ずつ下がって下さいねー。」
校長…、というか悪役の言われるがまま下がる生徒達にニコリと笑みを浮かべながらも、校長は戦闘員達に次々と指令を下す。
山田
「戦闘員1・2!家庭科部のカレーを私に献上しなさい!!」
戦闘員1・2
「eeeeeeeeee!!」
敬礼のポーズをとりながら、戦闘員達は家庭科部の屋台へと駆け寄った。
メイド姿だった1年生たちはいつの間にかひとくくりに縛られ、取り残されたのはオープンキッチンで火の始末をしていた小春一人だ。
小春
「あっ、このカレーはダメです!!まだ召し上がっていない人が大勢いるのに!!」
いつの間にかいなくなってしまった明智の代わりに大きな寸胴を死守しようと、小春は小さな身体を張って前に立ちふさがる。
レッド
「!!!!!!!」
『逃げろ!』
そう言いたかったものの、決して声を出すなと言われた以上、助けるしか道は無い。
しかし、レッドのいた場所から小春のオープンキッチンまでは距離がありすぎた。
レッド
「ッ!!」
そしてレッドの前に立ちふさがるよう、横並びに陣を組んだのは、実はラグビー部だ。
細身のレッドよりも遥かに体重では勝っている戦闘員達に、ケガさせない程度でどう突破していくかレッドの心に一瞬の迷いが生じる。
戦闘員1・2
「eeeeeeeeeeeeee!!!」
小春
「きゃああああああ!」
その隙にスプーンとお玉を持って今にも小春へ襲いかかろうとした戦闘員の背中で、3つの影がゆらりと蠢いた。
姉1(亜衣)
「いい度胸してるじゃない?」
姉2(麻衣)
「私達の小春を襲おうって言うのね?」
姉3(未衣)
「100万年早いわよ?」
小春
「お姉ちゃん達!!!」
美人の笑顔ほど恐ろしいものは無い。
ニコリと微笑みながらも手をバキバキ鳴らす3姉妹に、逃げようとした戦闘員1・2が首根っこ掴まれているのを小春はぴょんぴょん飛び跳ねながら応援をし、レッドは安堵の溜息を吐いたのだった。
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10/23(Wed) 11:52
美しい兄姉妹愛(*TーT)b
小春
中庭に足を踏み入れた途端、空間の足が止まった。
空間
「…………何これ?!」
思わず呟いたその声は、運悪く、近くにいた戦闘員に聞きつけられてしまった。
空間は残念な性格はともかく、見た目は完璧な美少女だ。
たちまち指笛を吹かれ、集まって来た戦闘員たちに囲まれてしまった。
立ち尽くす空間に、フラフープを構えた戦闘員がじりじりと迫ってくる。
それでもハッとした空間は、後ろを振り向いて叫んだ。
空間
「櫻井さんのお父様、お逃げになって下さい!」
翼の父親は、ともの父親と違って、非体力系最高峰の人物だ。
しかも頭が堅い。
何が起こっているのか理解する前に、空間は戦闘員に捕らえられてしまった。
さっきの翼同様、二人がかりで一気に持ち上げられてしまう。
空間
「いやあっ!離して!下ろしなさい!」
その時。
ひゅるひゅるひゅる、と音がしたかと思うと、空間を抱えていた戦闘員二人の顔面に、焼きたてのクレープ生地が勢いよく張り付いていた。
戦闘員 1・2
「e、……aaaaaaaa!」
顔はマスクに覆われていてもやはり熱かったのだろう。
戦闘員二人は、咄嗟にクレープを払い除けようとする。そのため、空間の身体は、バランスを崩したまま彼らの手から離れた。
空間
「きゃ……あっ?!」
しかしその時、白い腕が、地に落ちる寸前の空間を抱き止めていた。
ふわりと過る柑橘系の香り。
空間の心臓がどきりと跳ねた。
目を開けた時、空間はもう、緑の芝生の上にそっと座らされていた……。
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10/23(Wed) 17:09
小春だけ本体狙われてない(笑)
小春
一方、中庭の端では不思議な光景が広がっていた。
戦闘員たちが七、八人、芝生に体育座りして、通路に立つゴールドとシルバーを眺めているのだ。
よく見ると、ゴールドとシルバーは、息を合わせて何かの動きを披露しているようだ。
戦闘員1
「炎●戦隊●ーオンジャー!」
戦闘員が叫ぶと、二人が『正解!』というリアクションをする。
周りの戦闘員やアニメ同好会、映研の部員からも歓声が起きた。
正解を出した戦闘員は嬉しそうだ。
続いてシルバーが、大きく両手を回した後、獣のようなポーズをビシッと決める。
戦闘員2
「仮面●イダー●マゾン!」
シルバーがパチパチと拍手をすると、また一同がわっと沸いた。
戦闘員はみんなから讃えられて、照れくさそうにぺこぺことお辞儀をしている。
シルバーもゴールドも、すらりと長身のヒーロー体型。
特にゴールドの身体は完璧な左右対称で、かつて小笠原に「骨格なら小野瀬先生の10倍イケメン」と言わしめた抜群のプロポーションだ。
戦闘員
「ドキドキ!●リキュア、●ュアダイヤモンド!」
黄金のプロポーションを惜しげもなく使ってのキュートなポーズに、観客からも戦闘員からも盛大な拍手が贈られる。
周りではまだ格闘が行われているのに、その場所だけ、なんとなく日曜日の朝の空気が流れているような、場違いな程ののどかさ。
空間
「……何が起きてるの……?」
まだぼんやりとしたまま、空間は呟くのであった。
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10/23(Wed) 17:31
参上!
ジュン
(ん?なんや、騒がしいな?)
校内のパトロール中に異変に気付いた藤守は近くにあったモニターを見る。そこには嬉しそうにヒーローに囲まれる空の姿。
藤守
「ヒーローショー?こんなん予定にあったかな?」
パンフレットを確認しようとするとモニターから悲鳴が上がった。
藤守
「本格的やなぁ。」
のんびりとモニターを見ていると……
藤守
「ジュン!空!」
緑の全身タイツが空とジュンに近づいていくのを空がミニピコピコハンマーで倒していた。次の瞬間に藤守は走り出していた。
ジュン
「きゃあ!」
空
「はなせー!」
緑の全身タイツがジュンと空をそれぞれ腕に抱え、校舎に逃げ込もうとする。
藤守
「待てや!二人は渡さへんで!!」
藤守は素早くジュンと空を自分の腕に抱き込み戦闘員から奪い返した。
空
「けんたん、ありがとー」
ジュン
「///」
藤守の腕に抱き抱えられてジュンは何も言えずに顔を真っ赤にした。しかし、そんなことには気づかない藤守は二人を離して、戦闘員と向き合った。
藤守
「なんや、面白そうなことになってきたなぁ。」
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10/23(Wed) 17:34
あはは。
清香
いやー、楽しいな。(完全に遊んでます)
☆中庭☆
藤守
「な、なんやの?コレ?」
体育館で行われた自身のクラス発表の後トイレに立ち寄り、みんなよりも中庭にたどり着くのが遅れた藤守には何が何だかサッパリ分からなかった。
そして同じように隣で「何故だか分からない」と顔をしかめているのは兄である藤守慶史だ。
藤守
「兄貴、こんなんやる予定やったっけ?」
アニ
「いや、全く聞いていないぞ。それにアレは……!?な、なんでだ!?」
巻き込まれないよう遠巻きに見つめる生徒をかき分けて前へと進んだ藤守兄弟の目に映ったのは。
ゴールド
「ネビュラストリーム!!」
戦闘員
「eeeeeee!」
新体操部から投げ入れられる競技用のリボンを受け取り、戦闘員を次々に亀甲縛りで縛り上げていくゴールドの姿と。
シルバー
「受けてみよ、我が最大の奥義!廬山昇龍覇(ろざんしょうりゅうは)!!」
廬山の大瀑布をも逆流させる勢いのアッパーカットを放ち、戦闘員の顎に綺麗にヒットさせたシルバーの姿だった。
戦闘員
「eeeeeee!!」
アニメ同好会女子生徒
「キャー!素敵ー!」
アニメ同好会男子生徒
「す、すごい!本来ならば放つ際に全身の力を込めるため、無意識に左拳のガードが一瞬下がり、心臓がガラ空きになるという弱点があるはずなのに、彼には無い!!」
まるで本物のスーツアクターのように必殺技を繰り出すゴールドとシルバーに、アニメ同好会の生徒達は興奮を隠し切れない。
藤守
「よくここまで極められるなぁ。逆に凄いで。なぁ、兄……貴!?」
藤守が隣で見ているであろう兄にそう声をかけると。
アニ
「な、な、な、何故だ!?」
目を見開いて驚く兄の様に、賢史のほうが驚いてしまう。
賢史
「ど、どないしたん?」
アニ
「何故、サクラダモンの封印が解かれているんだ!!」
賢史
「さ、サクラダモン?あの戦隊ヒーローみたいなんがサクラダモンなん?そんなんやってたっけ?」
アニメにはあまり興味がない賢史は相変わらず「よく分からない」と言った顔で首を傾げる。
アニ
「お前は小さかったから知らないのも無理は無い。あれは、俺が高校3年の時だった…」
10/23(Wed) 17:35
連投してみる
清香
~アニ・回想~
あれは、俺が桜田門学園3年の桜祭での出来事だった。
生徒会長の山田の指名の元、俺は文化祭実行委員長として陣頭指揮を取っていた。
そして前夜祭で生徒会による演目を決めることとなったのだが。
山田
「私は戦隊モノがやりたいですね。」
穂積
「でも、会長はレッドってキャラじゃないですよね。」
篠崎
「そういうルイルイもね。」
穂積
「ルイルイ言うなっつーの。」
小野瀬
「清香はピンクで色っぽく、でしょ?」
篠崎
「なら、葵はブルー?」
小野瀬
「俺たちの合体技なら、照明は紫になるのかな?」
篠崎
「あっ、そうか!」
穂積
「って、どんな技をやるんだよ!」
小野瀬
「冗談だってば。」
ケラケラ笑いながらとんでもない話をする生徒会の面々に、俺は呆れて声も出なかった。
穂積
「じゃあ、仕方ないから一年の明智をレッドにするとして……、」
どんどん進んでいく話に、俺は意を決して抗議をする。
藤守
「そんないかがわしい寸劇は却下だ!清廉で高貴な我が校に相応しくない!」
そう力強く言い切った俺に会長の山田も、下級生の穂積・小野瀬・篠崎も、一年の明智でさえも可哀想な子を見るような冷たい視線を投げかけ、ため息をつく。
藤守
「な、な、なんだ!?」
小野瀬
「清廉?高貴?」
篠崎
「少なくとも葵は違うわね。」
明智
「篠崎先輩も違うかと…。」
山田
「じゃあ、僕だけかなぁー。」
穂積
「どう見たってそんな奴いねぇよ。と言うか、生徒の代表がコレだぜ?」
穂積に指をさされた山田は、失礼な事を言われたのにも関わらずふふっと笑っている。
穂積
「こんなノリの役員を選んだ生徒が、真面目なやつをやったって喜ぶか?」
藤守
「ぐぬぬ……」
穂積
「そんなに心配なら、お前も参加しろよ。そうだな………よし、シルバー役だ!」
藤守
「お、おい、待てっ!!」
こうして強引に参加をさせられた俺だが、当日は立派にシルバー役を務め上げ、拍手喝采の元ステージを降りたのだった……。
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10/23(Wed) 17:37
連投してます。
清香
☆中庭☆
アニ
「…というわけだ。だから、あのシルバーの衣装は俺の!モノ!なのにぃぃぃぃー!!」
藤守
「…兄貴、結局は誰かに着られて悔しいだけやん。」
『情けない』と肩を落として呆れる賢史の耳に、かすかに聞き覚えのある悲鳴が届いた。
ジュン
「あっ、ダメ!やめて!」
戦闘員達が二人がかりで抱え上げようとしていたのは、いとこのジュンだった。
空
「おねえちゃ!コラっ!おねえちゃおはなせ!!」
戦闘員の足元にくっついて小さなピコピコハンマーで叩くも、ヒョイっとハンマーを取り上げられて明後日の方向へ投げられてしまう。
空
「うわぁぁーーん!」
大きな声で泣いた空と、空に手を伸ばすジュンの姿を見て、藤守が勢いよく飛びだす。
藤守
「くそっ、んなことさせてたまるかァァ!」
そのまま空の近くにいた戦闘員へタックルを決めると、空を背中に背負い、「つかまってろよ」とだけ言うと、ジュンを抱えた戦闘員の元へと走った。
藤守
「陸上部部長の脚を甘くみんなや!!」
背負っている空の重さなど感じさせない速さで追いつくと、有無を言わせずに足払いを決めた。
ジュン
「きゃあぁぁあ!」
ぐらりと傾くジュンの身体をギュッと抱きしめたのは2本の大きな手と、小さな手で。
藤守
「大丈夫か?怖い思いさせてゴメンな?」
空
「おねえちゃ!!」
ジュン
「賢史くん!空!」
藤守を挟むように抱きしめあった姉弟は、どちらも笑いながら泣いていた。
[削除]
10/23(Wed) 17:38
で。
清香
思いっきり被っとるやないかい!L(゚□゚)」
[削除]
10/23(Wed) 17:53
すげー面白いから私はいいですけど。
小春
サクラダモン声出しちゃ駄目じゃなかったっけ?(笑)
[削除]
10/23(Wed) 18:11
あっ。
小春
しかも、回想シーンで小野瀬先生と篠崎先生が名前呼びだΣ(゜ロ゜;
10/23(Wed) 18:56
あっL(゚□゚)」
清香
シルバーとゴールドは代役ということで、大目に見てくださいm(__)m
回想シーンは高校生ということで、名前呼びですよ。もちろんこの中にはルイルイも含まれております(細かい)
ヤケだ、ちくしょう(。´Д⊂) ウワァァァン!!
[削除]
10/23(Wed) 19:09
小野瀬さんは「葵」でいいし、山田を「太郎」と呼んでもいいけど。
小春
穂積くんを「泪」と呼ぶのはいくら高校生の篠崎さんでも許しませんよ。「ルイルイ」ならいいけど←(どんなこだわりだ)
[削除]
10/23(Wed) 21:31
嬉しい\(^^)/
ジュン
楽しいですね~。
面白いですね~☆
そして、清香さんに賢史くんとのラブラブ(?)を書いてもらえて幸せです~(*´∀`*)
誰も書いてくれないから自分で書いたんだもんΣ(ノд<)
[削除]
10/24(Thu) 08:40
楽しいいなあ♪
くちびる
何だか面白すぎる展開になってますねえ~(笑)(*^^*)
キャラもどんどん増えてきて..(;´д`)←リポートが大変だけど♪
今リアルに忙しいので.(;´д`)なかなか参加出来なくて(ToT)(泣)
でものんびり絡みますねえ~(笑)(*^^*)
あぁ身体がダルいけど仕事休めない~←40代はツラいなぁ(泣)
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10/24(Thu) 08:52
おはようございます
とも
ちょっとした余興のつもりが、あちこちで面白いことになってますね(笑)
☆とも親子と如月☆
やられてもやられても起き上がってくる緑タイツたちにともはいい加減うんざりしていた。
とも
「もー、何ですんなりやられてくれへんねん。テレビやったら一回倒されたらそれで終わりやろ?それに、おとんや如月先輩よりも私のまわりの方が人数多いし!」
とも父や如月の相手は務まらないと思ったのか、はたまた別の理由があるのか。
いつの間にかともの周りには緑タイツたちの他にも男子生徒が観客として声援を送っていた。
如月
「ともちゃん、俺の後ろに来てなよ。その格好で暴れてると、あいつらの思うツボだよ///」
目線を反らしながらもともを庇おうとしてくれる如月だが、ともは今更?と首を傾げていると、とも父があっさり答えを言った。
とも父
「とも、緑タイツたちがお前に攻撃を仕掛けてくるとき、足元ばかり狙ってるやろ?」
とも
「うーん、そういえば………あっ!」
確かに自分よりも身体の大きい相手だったが、攻撃をしてくるのは足元だった。
ともは組まれるよりも得意な蹴りの方がラッキーと、何の躊躇もなく戦っていたのだが、今日はいつもの胴着ではなく、制服で、しかもスカートだというのをともはすっかり忘れていた。
とも
「……じゃあ、バッチリスカートの中見られてたっちゅうことやな…」
真っ赤な顔で下に俯くともに思わず如月が声をかけようとすると、
とも
「あー、もうちょっとマシな下着穿いとくんやったわ~。…アンタら、タダでスカートの中見れると思いなや…(怒)」
ともの後ろに真っ黒なオーラが漂い始めると、ただならぬ空気を読んだのか、緑タイツたちが後ずさる。如月も背筋にゾクっとしたものを感じていた。
とも父
「如月くん、後はともに任しといて、休憩しよ?」
如月
「え?でも…」
とも父
「大丈夫や。アイツ、すっかりスイッチ入ってしもたから、気の済むまでやらせといたらええねん」
さっき自分もとものスカートの中が見えた事は絶対言わないでおこうと心に誓った如月だった。
10/24(Thu) 10:27
もうちょい続くよ。
清香
☆中庭☆
アニ
「大丈夫か!ジュン、空!」
勢いよく飛び出して行った弟の賢史に美味しいところを持って行かれてしまった感はあるが、慶史も助け出されたジュンと空の元へと駆け寄った。
ジュン
「賢史君!!」
空
「けんたーん!」
しかし連れ去られてしまう恐怖から今だ覚めないのか、二人とも賢史に縋りついて泣くばかりだ。
アニ
「………い、いや、とにかく無事で良かった…な。」
賢史
「せやな。」
二人の頭を何度も撫でる賢史の手に、慶史は上げかけた手を下ろすことしかできなかった。
アニ
(なんでこんなに不愉快なんだ。)
モヤモヤと胸の奥で渦巻く不思議な気持ちに、なんだか心がささくれだって来る。
その時。
???
「いやぁーん!」
???
「やぁめぇてぇ~ん!」
すぐそばで悲鳴が聞こえて、慌てて振り向くと。
ロバート
「あっ、ケイジだわ!」
ポール
「ヘルプ・ミー!!」
日本での生活にも随分慣れてきたのだろう、片言の日本語で助けを求めるロバートとポールがいた。
客人とはいえ一応はニューヨーク校の教師であるため、茶道部の生徒を守ろうと体を張って戦闘員へ立ち向かったのだが、どうみても戦闘員は及び腰だ。
戦闘員
「ee?ee?ee、eeee!!」
通訳するならば「えっ?俺?違う、違う!」だろう。
手をぶんぶん振りながら降参のポーズを取る戦闘員に、ロバートとポールがジリジリと詰め寄る。
ロバート
「ケイジ!私達、この悪者に捕まりそうなの!」
ポール
「早く助けて、ケイジ!!」
アニ
「なんで俺なんだ!賢史、お前が行け!」
両手を広げて待ち構える二人に慶史はあからさまに嫌そうな顔をして賢史へと振り返るが、賢史の腕の中にはまだ泣きやまないジュンと空がいる。
賢史
「俺、無理やって。アニキが呼ばれてるんやから、行ってやりぃや。」
遠巻きに見つめる生徒や他の教師へ視線を投げかけるも、慶史と目を合わせるものは皆無だ。
戦闘員
「eeeee!eeeeeeeee!!」
マスクで隠れていて見えないが、きっと戦闘員の顔も「助けて!」と言いたくなるくらい悲壮なモノだろう。
アニ
「く、くそぅ!!戦闘員、早くあっちへ行け!!」
『とうっ!』っとポーズを決めながら戦闘員とロバート・ポールの間に飛び出ると、戦闘員は何度も頭を下げながら走り去って行った。
ロバート
「ケイジ、ステキ!!!」
ポール
「かっこいいわ!!」
両腕をロバートとポールに絡めとられ、慶史はそっと青い空を仰ぎ見る。
アニ
「何で俺はいつもこうなんだ…。」
頬に流れる一滴の涙が、キラリと光っていた。
[削除]
10/24(Thu) 10:33
ともさんのパンツはイチゴ柄だという噂。
小春
アニ……(涙)
[削除]
10/24(Thu) 13:48
もうちょい。
清香
☆中庭☆
『パンパンっ』っと手の埃を払いながら、レッドはぐるりと中庭を見渡していた。
妹の小春は、3人の姉達に囲まれ無事だった。
あのゴーゴン達が傍にいるならば危険が及ぶことは無いだろうと、シルバーやゴールド、とも親子や如月達が倒した戦闘員を監視しに行こうと振り返ると。
篠崎
「はいはい、女の子達は危ないからもう少し下がってねー。」
ホワイト
「………。」
観客達を避難させようとする篠崎とホワイトの姿が目に入った。
サクラダモンの衣装を着ている間は、決して声を出してはいけないのが今回の決まりだ。
だからこそホワイトの傍で、ホワイトの代わりに注意を促さなくてはいけないのは分かっているが。
レッド
「……。」
マスクで隠れていて見えないものの、ホワイトはきっといつものように優美な笑顔を浮かべているのだろう。
満遍なく笑顔を振りまいているその姿が、やはり自分の信条には合わないと感じ、胸が悪くなる。
それでも今はそんな事を言っている場合ではないだろうと頭を切り替えようとした、その時。
戦闘員
「eeeeeeeeee!!!」
女の子を誘導していた篠崎の元をめがけて、一人の戦闘員が拘束されていた輪から外れて駆けよってきた。
女子生徒
「きゃあぁぁああ!」
一気にパニックになる生徒達を静めようにも、声の出せないホワイトには『落ちついて』とジェスチャーで示すことしかできない。
そして「助けて!!」とどさくさに紛れてしがみついてくる生徒に、ホワイトは身動きが取れなくなってしまった。
篠崎
「みんな、早く逃げなさい!!」
両手を広げてこれ以上は行かせない!と生徒たちの前で立ちふさがる篠崎の元へ、戦闘員が両手を妖しく『わきわき』とさせながら間合いを取る。
レッド
「!!!!」
明らかに両手を広げて無防備になった篠崎の胸を揉もうとするその手つきに、レッドはいつの間にか走り出していた。
戦闘員
「eeeeeee!!」
篠崎
「っ!」
下卑た笑いを浮かべながら突進してくる戦闘員に、思わず目を瞑ってしまった篠崎だったが。
篠崎
「あ、あれ?」
いつまでたっても訪れない衝撃にゆっくりと目を開くと、目の前を真っ赤な背中が覆っていた。
篠崎
「レッド!!」
レッドは振り向くこともせず、ただジッと自分の胸元にぐりぐりと顔を埋める戦闘員を見下ろしていた。
戦闘員
「eeeeeee?(なんだ、ずいぶん硬いなぁ?)」
他の戦闘員
「eeeeeee!eeeeeee!」
気がつかないのか、ぺたぺたとレッドの胸を触り首を傾げる戦闘員に、既に捕まってしまった他の戦闘員から悲鳴にも似た声があがる。
戦闘員
「eeeeeee?(偽乳だったのかな?)」
触るのをやめ、胸元から手を下ろした瞬間にレッドが戦闘員の両腕をまとめて掴みあげた。
戦闘員
「eee、eeee、eeeeeee!」
「ご、誤解だ、ただぶつかっただけなんだ!」とジェスチャーで言い訳をするものの、レッドの背中が怒りのあまり小刻みに震えている。
レッド
「………。」
戦闘員
「eeeeeee!!」
それ以上を言わせず決められたレッドの華麗な投げ技に、戦闘員達はそっと合掌したのだった。
篠崎
「……もう。」
[削除]
10/24(Thu) 14:10
エミ
お、おもしろすぎて…お、お腹痛い…。助けて…。
ヽ(≧∀≦)ノ
[削除]
10/24(Thu) 17:09
とも
レッドの厚い胸板、いいですね!
ペタペタしたい~←(゜o゜)\(-_-)コラ
ホワイトは顔が見えなくてもフェロモンだだ漏れやから、女子が寄り付いちゃいますね(笑)
どさくさに紛れてひっついてる子、空間センパイが来る前に逃げて~
10/24(Thu) 19:27
みなさん、ついて来れてます?
清香
☆中庭☆
篠崎
「みんな、一緒に回っていたお友達は大丈夫?見当たらない人はいない?」
話すことのできないホワイトやレッドに代わって篠崎が安全確認を始めた。
この辺りが元ピンクの名残りなのだろうか。
呼びかける声に気づき、ほとんどの生徒が互いの無事を確認しあい抱き合っていたのだが。
とも
「先生、翼がおらへん!」
小春
「そういえば、さっき連れて行かれていました!」
篠崎
「なんですって!?」
顔を見合わせる篠崎・ホワイト・レッドの元に、一人の男性が人混みをかき分けて駆け寄って来る。
櫻井父
「む、娘は、あの緑色の奴らに抱えられて建物の中に…!黒い人が追いかけて行って下さったんですが……!!」
巻き込まれて足を挫いてしまったのだろうか。
それでも片足を引きずりながら校舎へと向かおうとする背中を、篠崎がそっと制した。
篠崎
「娘…、ということは櫻井さんのお父様ですね?大丈夫です。追いかけて行ったブラックに敵う人なんていませんわ
。」
安心させるよう柔らかく微笑んだ篠崎に、櫻井父はなおも悔しそうに顔を歪ませる。
篠崎
「今からホワイトもレッドもゴールドもシルバーも応援に向かいます。必ずやお嬢さんを無事に連れ戻しますから。
今は落ち着いて待ちましょう。」
いつの間にか集まったゴールドとシルバーも、グッと拳を握りしめていた。
篠崎
「さぁ、残りはあの校舎にいるわ!一人残らず捕獲よ!」
ホワイト・レッド・ゴールド・シルバー
「ッ!」
返事の代わりに敬礼をし、走り出した4人の背中を見送ることしかできず、櫻井父は指先が白くなるまで拳を握り続けていた。
[削除]
10/24(Thu) 20:10
どこまでも!
ジュン
ついていってますよ(^^)
いよいよ、ブラックと校長の対決でしょうか?
結果はいかに!
そして理事長はどうなるのか!?
楽しみですo(^o^)o
[削除]
10/25(Fri) 03:13
どんだけ書いてんだ、私。
清香
安定の寝オチ→復活
☆2号棟☆
翼を抱えて行った戦闘員達は、少し前まで穂積達が隠れていた2号棟へと入って行った。
絶対に見失うものかと追いかけたが、逃げ惑う生徒達に阻まれて少しずつ戦闘員と翼から距離が離れてしまう。
ブラック
「くそっ、マスクじゃ見づれぇな」
廊下を走りながらそう呟くものの、さすがにこの騒ぎの中、正体を晒すわけにはいかない。
狭まった視界に苦戦しながらも、微かに聞こえる足音を頼りに階段を登ろうとすると。
「………っと、……な。」
一つ上の階で人の話し声が聞こえる。
どこかで聞いたことのあるその話し声に、足音を忍ばせながらブラックがそっと近づいた。
戦闘員
「本当はもっとキチンとしたかったんだけど、勇気が無くってこんな形になってゴメン。」
緑色のマスクを外し、手でこねくり回しながら謝罪していたのは担任を持っている1年A組の生徒だった。
サッカー部に所属していて、明るく成績も悪くない、ごく真面目な少年に彼が何でこんな荒っぽい真似を?と思っていると。
戦闘員
「俺さ、転校してきた時から、櫻井の事ずっと気になっていたんだ。いつも笑顔で、一生懸命で、見ててなんかこっちまで嬉しくなるって言うか…。」
必死なのだろう。
懸命に気持ちを伝えようとするのが手に取るように分かるくらい、彼の声には震えが滲んでいた。
嫌なくらい分かってしまう想いと、続くであろう言葉に、ブラックの心がきしりと痛む。
戦闘員
「……、俺と付き合ってくれないかな。」
素直に言葉に出せる強さが、何だか羨ましかった。
同じような恋心を抱いていても真っ直ぐに言える彼と、色々な壁や事情がそれを阻む自分との違いを、まざまざと見せつけられたようだ。
悔しいけれどそれは現実で、今の自分には彼を止める事も、同じように気持ちを伝えること出来ない。
居た堪れなくて戻ろうとした、その時。
翼
「…ごめんなさい、お付き合いはできないです。」
小さいながらも、しっかりと話す翼の声が聞こえた。
心のどこかで望んでいた答えが翼から出た事にほんの少し嬉しくなるが。
戦闘員
「そっか……。ははっ、ごめんな、急にこんなこと言って。でも、さ、好きな人とかいないならお試しで…とか、どうか、な…?」
明るく笑いなが言うものの、縋るような彼の言葉に思わず振り返ってしまう。
翼
「す、好きな人は……、………い、」
誰もが真剣に、自分の気持ちに向き合っていた。
方法は強引だったが真面目に告白をした男子生徒も、連れ去られながらも泣かずに真っ直ぐ断った翼も。
ならば、自分も少しは素直にならないとフェアじゃない、そんな気がした。
ブラック
「っ!」
翼の言葉を遮るように足音を立てて一気に階段を駆け上ると、階段を上がりきった所にいた二人と目があった。
翼を一緒に担いでいった友人の戦闘員が「ヤバいっ!」と言うと、我に返ったのか慌ててマスクを被り、二人で立ち去っていく。
ブラック
「………。」
翼
「………。」
真っ赤に俯いた顔が、可愛くて堪らなかった。
微かに震える肩をそっと抱くと、腕の中で強張っていた翼の肩からゆるゆると力が抜けて行くのが分かる。
ブラック
「……無事でよかった。」
話してはいけない決まりだったが、無意識で出た言葉にブラックは改めて自分の気持ちを認識した。
[削除]
10/25(Fri) 03:50
そろそろ。
清香
ラストが見えてきました(サクラダモン的に)
☆2号棟☆
震えの治まった翼と共に窓の外を見てみると、校舎から出て行った戦闘員の二人が待ち構えていた賢史と如月に確保されていた。
大きく手を振る篠崎と翼の父親に手を振り返すと、観客達から『わぁっ!』っと歓声が上がる。
それと同時に、何人もの足音が階段を駆けあがって来るのが聞こえる。
振り返って見てみると、レッドを先頭にホワイト・ゴールド・シルバーの面々で。
ホワイト
「……。」
何か言いたげにコツンと拳でブラックの肩を叩くホワイトに、ブラックはマスクの下でバツが悪そうに眉を下げた。
篠崎
「後は1号棟の2階にいる理事長だけよ!!」
歓声に負けないよう大声を張る篠崎の指を指した先、中庭を挟んで反対側にある2号棟の窓から、着物の袖を振るエミと『べろべろべー』と挑発してくる山田の姿が目に入った。
ブラック
「…ッ!」
『行くぞ!』と頷き走り出す面々に、翼もギュッと拳を握りしめながら着いて来ようとする。
1号棟と2号棟を繋ぐ渡り廊下へ向かいながら、困ったように顔を見合わせるブラック・ホワイト・レッドに
翼
「私も理事長を助けたいです!お邪魔にならないようにしますから!」
と真剣な面持ちで言う翼の背中をゴールドとシルバーがそっと支えた。
ゴールド
「その心があれば、YOUも立派なサクラダモンの一員だYO!」
シルバー
「共にニュータイプとして伝説を作り、Ωになろう…!」
妙にテンションが上がってしまった二人にこれ以上かけられる言葉は無く、また山田とエミならば大丈夫だろうと翼を含む6人は1号棟へと再び走り出したのだった。
[削除]
10/25(Fri) 04:04
清香さんありがとうございますm(__)m
小春
ブラックと翼ちゃん、いいですねー。
ゴールドとシルバーのしゃべりで台無しだけど(脱力)
さあ、サクラダモン締めますよ!
この後もラブラブな皆さんは残りの文化祭を満喫して下さい。
そして体育祭だ!
10/25(Fri) 04:30
余興ではなく作戦ですから(笑)
小春
1号棟二階、窓から中庭を見下ろしている校長・山田と、理事長・黒柳。
山田が黒柳を人質にしたのはもちろん芝居で、だから、二人は仲良く並んで、目下のサクラダモンVS戦闘員の戦いを眺めていた。
いつの間にか(面白そうだからと自主的に)三十人を超えた戦闘員のうち、ほぼ半分に当たる人数は、とも、とも父、如月のチームに討ち取られていた。
ともたち三人が、互いにハイタッチをしている姿が見える。
さらに、レッドに投げ飛ばされて伸びてしまったのが五人。
仲間たちから、やかんの水をかけられているのは何かの魔法だろうか。
明智の姉たちに縛りあげられているのが二人。
傍らで小春が、お持ち帰り容器にカレーを入れている。
なぜかすっかり意気投合し、アニメ同好会&映画研究会とともにアニメソングを歌いまくっている集団の中に、六人。
空間やジュン、ロバートやポールたちが、捕らえられた女の子たちを縛るフラフープを外してまわっている。
エミ
「そろそろ大団円ですわね」
山田
「そうですね。主役たちがやって来ますよ」
黒柳と山田は、顔を見合わせてニッコリ笑った。
彼らの振り向いた先には階段と廊下、そして、その全てを納められる場所に、紅花と広報委員会のマイクとカメラがスタンバイしている。
山田
「小笠原くん、理事長室のモニターで見えてるね?」
小笠原
『OK』
ナレーションの準備も万全。
階下から、階段を駆け昇ってくるブーツの靴音が聞こえてきた。
山田は、ピンマイクのスイッチを入れた。
山田
『来たね、サクラダモン!!』
ナレーション
『ついに決着の時は来た』
ついに決着の時は来た。
窓際から一歩離れ、廊下で黒柳を抱え直した山田の前に、戦闘員たちを全滅させたサクラダモンたちが駆け昇って来たのだ!
ナレーション
『ここまでだ、山田!観念して改心し、理事長を解放するんだ!』
ふふん、と鼻で笑った山田が黒柳を振り返り、自分の胸ポケットを飾っていたコスモスの花を、彼女の髪にそっと挿す。
山田
『……嫌だ、と言ったら?』
ざっ、と、サクラダモンの戦士たちの靴音が廊下に響いた。
ナレーション
『「家庭に笑顔を、サクラダモン・レッド!」』
唐突に振られたナレーションに戸惑ったレッドだったが、聞き覚えのあるフレーズに、過去の記憶を再現して綺麗にポーズを決めた。
ナレーション
『「生徒を守る、サクラダモン・ブラック!」』
同じくブラック。
やるからにはとことんやるタイプの彼だが、近くに翼がいるのが分かっているので、何となくやりづらい。
それでも、力強いポーズをぴたりと決めるのはさすがだ。
ナレーション
『「女性の味方、サクラダモン・ホワイト!」』
彼は元々この手のノリは苦手だ。
しかし、ホワイトは優雅な仕草で、手にしていた赤いバラを、ブラックの傍らで祈るように手を組み合わせていた翼の前に差し出した。
ちなみにこの花はさっき園芸部の売店から、1本50円で買ってきたものだ。
翼は戸惑いながらも受け取ったが、気のせいか、天井裏からもシャッター音が聴こえたような。
ナレーション
『「通学路の友、サクラダモン・ゴールド!」』
華麗なチェーン捌きとともにポーズを決めたゴールドに、中庭から歓声が上がった。
どうやら、すっかり観衆を味方につけたようだ。
ナレーション
『「オタクにも愛の手を、サクラダモン・シルバー!」』
中庭はさらに盛り上がる。
シルバーはその場で鮮やかなバック宙を繰り出し、見事な着地とともに、アッパーカットの決めポーズで締めた。
ゴールドもシルバーも、さっき役をもらったばかりなのに、このクオリティの高さは何だろうか。
ナレーション
『学園戦隊、サクラダモン!』
中庭から空たちの声
「どーん!!」
ナレーション
『一撃必中!《デコピン・クラーッシュ》!』
レッドを先頭に隊列を組み直した五人が、山田に向けて一斉にデコピンを撃つ!
ポーズだけのはずなのだが、広報委員の凝ったカメラワークが功を奏して、それはまるで衝撃波を放ったよう。
撃たれた山田は衝撃に弾き飛ばされてよろめき、窓際まで後退する。
そして、黒柳を突き離したかと思うと、窓から身を乗り出して、そのまま躊躇なく飛び降りた。
ナレーション
『あっ!!』
全員が叫んだ。
サクラダモンたちも急いで窓に駆け寄り、下を覗き込む。
窓の下の中庭にいた藤守兄弟が素早く駆けつけ、山田の消えた植え込みの中を掻き回しているが、そこには、山田の羽織っていた黒いマントが残るばかり。
その時、どこからともなく山田の高笑いが聞こえてきた。
ピンマイクを通した山田の声は、さらに周りの校舎に反響して、どこにいるのか分からない。
山田(声)
『あっはっはっはっはっ!今日はこのあたりで引き下がるとするよ!ご来場の皆様、引き続き文化祭をお楽しみ下さい!では、再見!』
山田の声はまた笑い声に変わり、そして、遠ざかっていった。
静かになる会場に、小笠原のナレーションが響く。
ナレーション
『こうして、学園の危機はひとまず去った。
だが、いつまた新たな敵が現れないとも限らないのだ』
渡り廊下で待機していた軽音楽部が、エンディングテーマ(!)の演奏を始めた。
ナレーション
『学園戦隊サクラダモン!
桜田門学園高校の治安を守る為、特命を帯びて日夜戦う正義のヒーロー!
彼らの活躍は人知れず続く!
次回のサクラダモンの登場がいつになるのか、誰も知らない!
今回のナレーションは、こういう仕事は嫌いじゃないかも。生徒会、小笠原諒でした。
またいつかお会いする日まで!
それでは皆様ご一緒に!
《学園戦隊!サクラダモン!!》』
会場・全員
「とう!!」
紅花
『以上、中庭から生中継でお送りしました!』
10/25(Fri) 05:15
終わっちゃった
ジュン
鳴りやまないのではないかと思われた拍手も歓声も少しずつ落ち着き、もとの文化祭の雰囲気を取り戻しつつあった。
ジュン
「賢史くん、さっきはありがとう。」
藤守
「当たり前やん。」
そう言って藤守はジュンと空の頭を撫でる。
空
「おねーたん、けんたん、ぼくおおきくなったらさくらだもんなる!」
空はすっかりサクラダモンのファンになったらしく、決めポーズの真似をしている。
マネージャー
「先輩!さっき格好よかったですよ~」
藤守に声をかけたのは陸上部のマネージャーたちだった。
藤守
「ホンマに?だったら、後夜祭は僕と踊ってくれるかな?」
マネージャー
「考えておいてあげますよ~」
藤守
「マジで!やった!」
そんなやり取りを苦笑いで見ているジュンの隣にアニが立った。頬にはロバートとポールに浸けられたリップのあとがうっすらと残っている。
アニ
「アイツは相変わらずだな。」
ジュン
「慶史兄さん?」
アニ
「お前が小さな頃から誰のために花嫁修行をしているのか、わかってないのはアイツくらいだ。」
ジュン
「私が勝手にしてるだけだよ?それに……そういうところが好きなんだから。」
ジュンがニコリと微笑む。アニが勝てない可愛い「妹」の笑顔だ。
アニ
「俺は愚弟などとは認めないぞ?お前にはもっといい男がいるばすだ。」
ジュン
「ふふ、ありがとう。」
空とサクラダモンごっこをしている藤守は二人がそんな会話をしているとは全く気づいていなかった。
ジュン
「さあ、茶道部に戻らなくちゃ。」
10/25(Fri) 05:40
んもう、藤守くんたら。ジュンさんいじらしいわ……・゜・(つД`)・゜・
小春
☆撮影終了☆
紅花
「お疲れ様でした!」
紅花が言い、広報委員会の撮影クルーたちからも、サクラダモンに惜しみない拍手が贈られた。
サクラダモンたちは軽くそれに一礼してから、解散してめいめいに動き始める。
ブラックとホワイトは、声を出すと穂積と小野瀬だという事がすぐにバレてしまうので、無言のままだ。
レッド、ゴールド、シルバーもまた、無言。
彼らは、ブラックとホワイトが喋らない事を正当化するために、自分たちも喋らない。
さらには、身長や整ったプロポーションも、穂積ら二人に近い三人である。
サクラダモンの扮装は、この後も穂積と小野瀬が会場の中を歩けるよう、篠崎を含めて彼らが相談した結果の苦肉の策だった。
翼
「理事長、お怪我はありませんか?」
駆け寄る翼に、黒柳はにっこり笑った。
エミ
「ええ大丈夫よ。ありがとう」
黒柳は時計を見ると、そこにいる全員に頭を下げてお礼を言った。
エミ
「皆さんもありがとう。お疲れ様でした」
顔を上げた黒柳の髪で、コスモスの花が揺れた。
エミ
「そろそろ三時よ。中庭の売店も終わりだし、私も理事長室に戻ります」
まだ心配そうな翼に、黒柳は微笑んだ。
エミ
「あの人にお茶を入れてあげないと……ね」
理事長を見送った翼が振り返ると、撮影クルーも引き上げ、人影もまばらになった廊下に残っていた、ブラックとホワイトが近付いて来た。
ブラック
「……」
ブラックは無言で翼の手からバラの花を抜き取ると、押し付けるようにして、ホワイトの手に返した。
ホワイトも肩を竦めただけで、素直に受け取る。
ブラックが、翼の手を握って歩き出した。
大きな温かい手に引かれて建物の外へ出ていくと、拍手で出迎えてくれた大勢の観客の中に紛れて、父親の顔が見えた。
そこに行きたいが、人垣が出来てしまって行けない。
すると、翼の身体は、いきなりブラックに抱き上げられた。
翼
「きゃ」
翼も驚いたが、周りも驚く。
人垣が崩れたところでブラックは歩き出し、翼の父親の前まで来ると、そこに翼を下ろした。
父親は涙を流さんばかりの顔をして娘の身体を抱き締め、それから、ブラックに向かって何度も頭を下げた。
櫻井父
「ありがとう、本当にありがとう!」
ブラックも丁寧にお辞儀を返した。
そして、そこに翼を残すと、追い付いてきたホワイトとともに、中庭へ歩き出していった。
10/25(Fri) 08:35
おはようございます
とも
サクラダモン、終わっちゃいましたね~。
ともは散々暴れてスッキリしました。
☆中庭☆
さっきまでの大騒ぎの余韻が残るなか、翼親子の元へともたちがやってきた。
とも
「翼~!大丈夫やったか?ごめんな、途中で翼が捕まったの、全然気づかへんかった」
翼
「ううん、そんな酷いことはされてないし、すぐにブラックが助けに来てくれたから」
翼父ととも父が軽い挨拶をしている間、翼は先程の出来事を思い返していた。
自分を連れ去った相手が実はクラスメートで、付き合ってほしいと告白されたとき、頭の中には穂積の顔が思い浮かんでいた。
勇気を出して告白してくれたことに申し訳ないと感じつつ、断る事を伝えた時、サクラダモンブラックが助けに来てくれた。フルフェイスのヘルメットで表情はわからなかったけれど、私の無事を安堵してくれているようだった。
そして中庭に戻るとき。
しっかりと繋いでくれた大きな手から伝わってくる温かさに、昨日の事が頭をよぎった。
暗闇の中で私をやさしく抱きしめてくれた、あの時の温もりと同じだった。
楽しいな(笑)
清香
みんな大好き、サクラダモン(笑)
☆中庭☆
山田
「観客のみなさーん、危ないですからゆっくり3歩ずつ下がって下さいねー。」
校長…、というか悪役の言われるがまま下がる生徒達にニコリと笑みを浮かべながらも、校長は戦闘員達に次々と指令を下す。
山田
「戦闘員1・2!家庭科部のカレーを私に献上しなさい!!」
戦闘員1・2
「eeeeeeeeee!!」
敬礼のポーズをとりながら、戦闘員達は家庭科部の屋台へと駆け寄った。
メイド姿だった1年生たちはいつの間にかひとくくりに縛られ、取り残されたのはオープンキッチンで火の始末をしていた小春一人だ。
小春
「あっ、このカレーはダメです!!まだ召し上がっていない人が大勢いるのに!!」
いつの間にかいなくなってしまった明智の代わりに大きな寸胴を死守しようと、小春は小さな身体を張って前に立ちふさがる。
レッド
「!!!!!!!」
『逃げろ!』
そう言いたかったものの、決して声を出すなと言われた以上、助けるしか道は無い。
しかし、レッドのいた場所から小春のオープンキッチンまでは距離がありすぎた。
レッド
「ッ!!」
そしてレッドの前に立ちふさがるよう、横並びに陣を組んだのは、実はラグビー部だ。
細身のレッドよりも遥かに体重では勝っている戦闘員達に、ケガさせない程度でどう突破していくかレッドの心に一瞬の迷いが生じる。
戦闘員1・2
「eeeeeeeeeeeeee!!!」
小春
「きゃああああああ!」
その隙にスプーンとお玉を持って今にも小春へ襲いかかろうとした戦闘員の背中で、3つの影がゆらりと蠢いた。
姉1(亜衣)
「いい度胸してるじゃない?」
姉2(麻衣)
「私達の小春を襲おうって言うのね?」
姉3(未衣)
「100万年早いわよ?」
小春
「お姉ちゃん達!!!」
美人の笑顔ほど恐ろしいものは無い。
ニコリと微笑みながらも手をバキバキ鳴らす3姉妹に、逃げようとした戦闘員1・2が首根っこ掴まれているのを小春はぴょんぴょん飛び跳ねながら応援をし、レッドは安堵の溜息を吐いたのだった。
[削除]
10/23(Wed) 11:52
美しい兄姉妹愛(*TーT)b
小春
中庭に足を踏み入れた途端、空間の足が止まった。
空間
「…………何これ?!」
思わず呟いたその声は、運悪く、近くにいた戦闘員に聞きつけられてしまった。
空間は残念な性格はともかく、見た目は完璧な美少女だ。
たちまち指笛を吹かれ、集まって来た戦闘員たちに囲まれてしまった。
立ち尽くす空間に、フラフープを構えた戦闘員がじりじりと迫ってくる。
それでもハッとした空間は、後ろを振り向いて叫んだ。
空間
「櫻井さんのお父様、お逃げになって下さい!」
翼の父親は、ともの父親と違って、非体力系最高峰の人物だ。
しかも頭が堅い。
何が起こっているのか理解する前に、空間は戦闘員に捕らえられてしまった。
さっきの翼同様、二人がかりで一気に持ち上げられてしまう。
空間
「いやあっ!離して!下ろしなさい!」
その時。
ひゅるひゅるひゅる、と音がしたかと思うと、空間を抱えていた戦闘員二人の顔面に、焼きたてのクレープ生地が勢いよく張り付いていた。
戦闘員 1・2
「e、……aaaaaaaa!」
顔はマスクに覆われていてもやはり熱かったのだろう。
戦闘員二人は、咄嗟にクレープを払い除けようとする。そのため、空間の身体は、バランスを崩したまま彼らの手から離れた。
空間
「きゃ……あっ?!」
しかしその時、白い腕が、地に落ちる寸前の空間を抱き止めていた。
ふわりと過る柑橘系の香り。
空間の心臓がどきりと跳ねた。
目を開けた時、空間はもう、緑の芝生の上にそっと座らされていた……。
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10/23(Wed) 17:09
小春だけ本体狙われてない(笑)
小春
一方、中庭の端では不思議な光景が広がっていた。
戦闘員たちが七、八人、芝生に体育座りして、通路に立つゴールドとシルバーを眺めているのだ。
よく見ると、ゴールドとシルバーは、息を合わせて何かの動きを披露しているようだ。
戦闘員1
「炎●戦隊●ーオンジャー!」
戦闘員が叫ぶと、二人が『正解!』というリアクションをする。
周りの戦闘員やアニメ同好会、映研の部員からも歓声が起きた。
正解を出した戦闘員は嬉しそうだ。
続いてシルバーが、大きく両手を回した後、獣のようなポーズをビシッと決める。
戦闘員2
「仮面●イダー●マゾン!」
シルバーがパチパチと拍手をすると、また一同がわっと沸いた。
戦闘員はみんなから讃えられて、照れくさそうにぺこぺことお辞儀をしている。
シルバーもゴールドも、すらりと長身のヒーロー体型。
特にゴールドの身体は完璧な左右対称で、かつて小笠原に「骨格なら小野瀬先生の10倍イケメン」と言わしめた抜群のプロポーションだ。
戦闘員
「ドキドキ!●リキュア、●ュアダイヤモンド!」
黄金のプロポーションを惜しげもなく使ってのキュートなポーズに、観客からも戦闘員からも盛大な拍手が贈られる。
周りではまだ格闘が行われているのに、その場所だけ、なんとなく日曜日の朝の空気が流れているような、場違いな程ののどかさ。
空間
「……何が起きてるの……?」
まだぼんやりとしたまま、空間は呟くのであった。
[削除]
10/23(Wed) 17:31
参上!
ジュン
(ん?なんや、騒がしいな?)
校内のパトロール中に異変に気付いた藤守は近くにあったモニターを見る。そこには嬉しそうにヒーローに囲まれる空の姿。
藤守
「ヒーローショー?こんなん予定にあったかな?」
パンフレットを確認しようとするとモニターから悲鳴が上がった。
藤守
「本格的やなぁ。」
のんびりとモニターを見ていると……
藤守
「ジュン!空!」
緑の全身タイツが空とジュンに近づいていくのを空がミニピコピコハンマーで倒していた。次の瞬間に藤守は走り出していた。
ジュン
「きゃあ!」
空
「はなせー!」
緑の全身タイツがジュンと空をそれぞれ腕に抱え、校舎に逃げ込もうとする。
藤守
「待てや!二人は渡さへんで!!」
藤守は素早くジュンと空を自分の腕に抱き込み戦闘員から奪い返した。
空
「けんたん、ありがとー」
ジュン
「///」
藤守の腕に抱き抱えられてジュンは何も言えずに顔を真っ赤にした。しかし、そんなことには気づかない藤守は二人を離して、戦闘員と向き合った。
藤守
「なんや、面白そうなことになってきたなぁ。」
[削除]
10/23(Wed) 17:34
あはは。
清香
いやー、楽しいな。(完全に遊んでます)
☆中庭☆
藤守
「な、なんやの?コレ?」
体育館で行われた自身のクラス発表の後トイレに立ち寄り、みんなよりも中庭にたどり着くのが遅れた藤守には何が何だかサッパリ分からなかった。
そして同じように隣で「何故だか分からない」と顔をしかめているのは兄である藤守慶史だ。
藤守
「兄貴、こんなんやる予定やったっけ?」
アニ
「いや、全く聞いていないぞ。それにアレは……!?な、なんでだ!?」
巻き込まれないよう遠巻きに見つめる生徒をかき分けて前へと進んだ藤守兄弟の目に映ったのは。
ゴールド
「ネビュラストリーム!!」
戦闘員
「eeeeeee!」
新体操部から投げ入れられる競技用のリボンを受け取り、戦闘員を次々に亀甲縛りで縛り上げていくゴールドの姿と。
シルバー
「受けてみよ、我が最大の奥義!廬山昇龍覇(ろざんしょうりゅうは)!!」
廬山の大瀑布をも逆流させる勢いのアッパーカットを放ち、戦闘員の顎に綺麗にヒットさせたシルバーの姿だった。
戦闘員
「eeeeeee!!」
アニメ同好会女子生徒
「キャー!素敵ー!」
アニメ同好会男子生徒
「す、すごい!本来ならば放つ際に全身の力を込めるため、無意識に左拳のガードが一瞬下がり、心臓がガラ空きになるという弱点があるはずなのに、彼には無い!!」
まるで本物のスーツアクターのように必殺技を繰り出すゴールドとシルバーに、アニメ同好会の生徒達は興奮を隠し切れない。
藤守
「よくここまで極められるなぁ。逆に凄いで。なぁ、兄……貴!?」
藤守が隣で見ているであろう兄にそう声をかけると。
アニ
「な、な、な、何故だ!?」
目を見開いて驚く兄の様に、賢史のほうが驚いてしまう。
賢史
「ど、どないしたん?」
アニ
「何故、サクラダモンの封印が解かれているんだ!!」
賢史
「さ、サクラダモン?あの戦隊ヒーローみたいなんがサクラダモンなん?そんなんやってたっけ?」
アニメにはあまり興味がない賢史は相変わらず「よく分からない」と言った顔で首を傾げる。
アニ
「お前は小さかったから知らないのも無理は無い。あれは、俺が高校3年の時だった…」
10/23(Wed) 17:35
連投してみる
清香
~アニ・回想~
あれは、俺が桜田門学園3年の桜祭での出来事だった。
生徒会長の山田の指名の元、俺は文化祭実行委員長として陣頭指揮を取っていた。
そして前夜祭で生徒会による演目を決めることとなったのだが。
山田
「私は戦隊モノがやりたいですね。」
穂積
「でも、会長はレッドってキャラじゃないですよね。」
篠崎
「そういうルイルイもね。」
穂積
「ルイルイ言うなっつーの。」
小野瀬
「清香はピンクで色っぽく、でしょ?」
篠崎
「なら、葵はブルー?」
小野瀬
「俺たちの合体技なら、照明は紫になるのかな?」
篠崎
「あっ、そうか!」
穂積
「って、どんな技をやるんだよ!」
小野瀬
「冗談だってば。」
ケラケラ笑いながらとんでもない話をする生徒会の面々に、俺は呆れて声も出なかった。
穂積
「じゃあ、仕方ないから一年の明智をレッドにするとして……、」
どんどん進んでいく話に、俺は意を決して抗議をする。
藤守
「そんないかがわしい寸劇は却下だ!清廉で高貴な我が校に相応しくない!」
そう力強く言い切った俺に会長の山田も、下級生の穂積・小野瀬・篠崎も、一年の明智でさえも可哀想な子を見るような冷たい視線を投げかけ、ため息をつく。
藤守
「な、な、なんだ!?」
小野瀬
「清廉?高貴?」
篠崎
「少なくとも葵は違うわね。」
明智
「篠崎先輩も違うかと…。」
山田
「じゃあ、僕だけかなぁー。」
穂積
「どう見たってそんな奴いねぇよ。と言うか、生徒の代表がコレだぜ?」
穂積に指をさされた山田は、失礼な事を言われたのにも関わらずふふっと笑っている。
穂積
「こんなノリの役員を選んだ生徒が、真面目なやつをやったって喜ぶか?」
藤守
「ぐぬぬ……」
穂積
「そんなに心配なら、お前も参加しろよ。そうだな………よし、シルバー役だ!」
藤守
「お、おい、待てっ!!」
こうして強引に参加をさせられた俺だが、当日は立派にシルバー役を務め上げ、拍手喝采の元ステージを降りたのだった……。
[削除]
10/23(Wed) 17:37
連投してます。
清香
☆中庭☆
アニ
「…というわけだ。だから、あのシルバーの衣装は俺の!モノ!なのにぃぃぃぃー!!」
藤守
「…兄貴、結局は誰かに着られて悔しいだけやん。」
『情けない』と肩を落として呆れる賢史の耳に、かすかに聞き覚えのある悲鳴が届いた。
ジュン
「あっ、ダメ!やめて!」
戦闘員達が二人がかりで抱え上げようとしていたのは、いとこのジュンだった。
空
「おねえちゃ!コラっ!おねえちゃおはなせ!!」
戦闘員の足元にくっついて小さなピコピコハンマーで叩くも、ヒョイっとハンマーを取り上げられて明後日の方向へ投げられてしまう。
空
「うわぁぁーーん!」
大きな声で泣いた空と、空に手を伸ばすジュンの姿を見て、藤守が勢いよく飛びだす。
藤守
「くそっ、んなことさせてたまるかァァ!」
そのまま空の近くにいた戦闘員へタックルを決めると、空を背中に背負い、「つかまってろよ」とだけ言うと、ジュンを抱えた戦闘員の元へと走った。
藤守
「陸上部部長の脚を甘くみんなや!!」
背負っている空の重さなど感じさせない速さで追いつくと、有無を言わせずに足払いを決めた。
ジュン
「きゃあぁぁあ!」
ぐらりと傾くジュンの身体をギュッと抱きしめたのは2本の大きな手と、小さな手で。
藤守
「大丈夫か?怖い思いさせてゴメンな?」
空
「おねえちゃ!!」
ジュン
「賢史くん!空!」
藤守を挟むように抱きしめあった姉弟は、どちらも笑いながら泣いていた。
[削除]
10/23(Wed) 17:38
で。
清香
思いっきり被っとるやないかい!L(゚□゚)」
[削除]
10/23(Wed) 17:53
すげー面白いから私はいいですけど。
小春
サクラダモン声出しちゃ駄目じゃなかったっけ?(笑)
[削除]
10/23(Wed) 18:11
あっ。
小春
しかも、回想シーンで小野瀬先生と篠崎先生が名前呼びだΣ(゜ロ゜;
10/23(Wed) 18:56
あっL(゚□゚)」
清香
シルバーとゴールドは代役ということで、大目に見てくださいm(__)m
回想シーンは高校生ということで、名前呼びですよ。もちろんこの中にはルイルイも含まれております(細かい)
ヤケだ、ちくしょう(。´Д⊂) ウワァァァン!!
[削除]
10/23(Wed) 19:09
小野瀬さんは「葵」でいいし、山田を「太郎」と呼んでもいいけど。
小春
穂積くんを「泪」と呼ぶのはいくら高校生の篠崎さんでも許しませんよ。「ルイルイ」ならいいけど←(どんなこだわりだ)
[削除]
10/23(Wed) 21:31
嬉しい\(^^)/
ジュン
楽しいですね~。
面白いですね~☆
そして、清香さんに賢史くんとのラブラブ(?)を書いてもらえて幸せです~(*´∀`*)
誰も書いてくれないから自分で書いたんだもんΣ(ノд<)
[削除]
10/24(Thu) 08:40
楽しいいなあ♪
くちびる
何だか面白すぎる展開になってますねえ~(笑)(*^^*)
キャラもどんどん増えてきて..(;´д`)←リポートが大変だけど♪
今リアルに忙しいので.(;´д`)なかなか参加出来なくて(ToT)(泣)
でものんびり絡みますねえ~(笑)(*^^*)
あぁ身体がダルいけど仕事休めない~←40代はツラいなぁ(泣)
[削除]
10/24(Thu) 08:52
おはようございます
とも
ちょっとした余興のつもりが、あちこちで面白いことになってますね(笑)
☆とも親子と如月☆
やられてもやられても起き上がってくる緑タイツたちにともはいい加減うんざりしていた。
とも
「もー、何ですんなりやられてくれへんねん。テレビやったら一回倒されたらそれで終わりやろ?それに、おとんや如月先輩よりも私のまわりの方が人数多いし!」
とも父や如月の相手は務まらないと思ったのか、はたまた別の理由があるのか。
いつの間にかともの周りには緑タイツたちの他にも男子生徒が観客として声援を送っていた。
如月
「ともちゃん、俺の後ろに来てなよ。その格好で暴れてると、あいつらの思うツボだよ///」
目線を反らしながらもともを庇おうとしてくれる如月だが、ともは今更?と首を傾げていると、とも父があっさり答えを言った。
とも父
「とも、緑タイツたちがお前に攻撃を仕掛けてくるとき、足元ばかり狙ってるやろ?」
とも
「うーん、そういえば………あっ!」
確かに自分よりも身体の大きい相手だったが、攻撃をしてくるのは足元だった。
ともは組まれるよりも得意な蹴りの方がラッキーと、何の躊躇もなく戦っていたのだが、今日はいつもの胴着ではなく、制服で、しかもスカートだというのをともはすっかり忘れていた。
とも
「……じゃあ、バッチリスカートの中見られてたっちゅうことやな…」
真っ赤な顔で下に俯くともに思わず如月が声をかけようとすると、
とも
「あー、もうちょっとマシな下着穿いとくんやったわ~。…アンタら、タダでスカートの中見れると思いなや…(怒)」
ともの後ろに真っ黒なオーラが漂い始めると、ただならぬ空気を読んだのか、緑タイツたちが後ずさる。如月も背筋にゾクっとしたものを感じていた。
とも父
「如月くん、後はともに任しといて、休憩しよ?」
如月
「え?でも…」
とも父
「大丈夫や。アイツ、すっかりスイッチ入ってしもたから、気の済むまでやらせといたらええねん」
さっき自分もとものスカートの中が見えた事は絶対言わないでおこうと心に誓った如月だった。
10/24(Thu) 10:27
もうちょい続くよ。
清香
☆中庭☆
アニ
「大丈夫か!ジュン、空!」
勢いよく飛び出して行った弟の賢史に美味しいところを持って行かれてしまった感はあるが、慶史も助け出されたジュンと空の元へと駆け寄った。
ジュン
「賢史君!!」
空
「けんたーん!」
しかし連れ去られてしまう恐怖から今だ覚めないのか、二人とも賢史に縋りついて泣くばかりだ。
アニ
「………い、いや、とにかく無事で良かった…な。」
賢史
「せやな。」
二人の頭を何度も撫でる賢史の手に、慶史は上げかけた手を下ろすことしかできなかった。
アニ
(なんでこんなに不愉快なんだ。)
モヤモヤと胸の奥で渦巻く不思議な気持ちに、なんだか心がささくれだって来る。
その時。
???
「いやぁーん!」
???
「やぁめぇてぇ~ん!」
すぐそばで悲鳴が聞こえて、慌てて振り向くと。
ロバート
「あっ、ケイジだわ!」
ポール
「ヘルプ・ミー!!」
日本での生活にも随分慣れてきたのだろう、片言の日本語で助けを求めるロバートとポールがいた。
客人とはいえ一応はニューヨーク校の教師であるため、茶道部の生徒を守ろうと体を張って戦闘員へ立ち向かったのだが、どうみても戦闘員は及び腰だ。
戦闘員
「ee?ee?ee、eeee!!」
通訳するならば「えっ?俺?違う、違う!」だろう。
手をぶんぶん振りながら降参のポーズを取る戦闘員に、ロバートとポールがジリジリと詰め寄る。
ロバート
「ケイジ!私達、この悪者に捕まりそうなの!」
ポール
「早く助けて、ケイジ!!」
アニ
「なんで俺なんだ!賢史、お前が行け!」
両手を広げて待ち構える二人に慶史はあからさまに嫌そうな顔をして賢史へと振り返るが、賢史の腕の中にはまだ泣きやまないジュンと空がいる。
賢史
「俺、無理やって。アニキが呼ばれてるんやから、行ってやりぃや。」
遠巻きに見つめる生徒や他の教師へ視線を投げかけるも、慶史と目を合わせるものは皆無だ。
戦闘員
「eeeee!eeeeeeeee!!」
マスクで隠れていて見えないが、きっと戦闘員の顔も「助けて!」と言いたくなるくらい悲壮なモノだろう。
アニ
「く、くそぅ!!戦闘員、早くあっちへ行け!!」
『とうっ!』っとポーズを決めながら戦闘員とロバート・ポールの間に飛び出ると、戦闘員は何度も頭を下げながら走り去って行った。
ロバート
「ケイジ、ステキ!!!」
ポール
「かっこいいわ!!」
両腕をロバートとポールに絡めとられ、慶史はそっと青い空を仰ぎ見る。
アニ
「何で俺はいつもこうなんだ…。」
頬に流れる一滴の涙が、キラリと光っていた。
[削除]
10/24(Thu) 10:33
ともさんのパンツはイチゴ柄だという噂。
小春
アニ……(涙)
[削除]
10/24(Thu) 13:48
もうちょい。
清香
☆中庭☆
『パンパンっ』っと手の埃を払いながら、レッドはぐるりと中庭を見渡していた。
妹の小春は、3人の姉達に囲まれ無事だった。
あのゴーゴン達が傍にいるならば危険が及ぶことは無いだろうと、シルバーやゴールド、とも親子や如月達が倒した戦闘員を監視しに行こうと振り返ると。
篠崎
「はいはい、女の子達は危ないからもう少し下がってねー。」
ホワイト
「………。」
観客達を避難させようとする篠崎とホワイトの姿が目に入った。
サクラダモンの衣装を着ている間は、決して声を出してはいけないのが今回の決まりだ。
だからこそホワイトの傍で、ホワイトの代わりに注意を促さなくてはいけないのは分かっているが。
レッド
「……。」
マスクで隠れていて見えないものの、ホワイトはきっといつものように優美な笑顔を浮かべているのだろう。
満遍なく笑顔を振りまいているその姿が、やはり自分の信条には合わないと感じ、胸が悪くなる。
それでも今はそんな事を言っている場合ではないだろうと頭を切り替えようとした、その時。
戦闘員
「eeeeeeeeee!!!」
女の子を誘導していた篠崎の元をめがけて、一人の戦闘員が拘束されていた輪から外れて駆けよってきた。
女子生徒
「きゃあぁぁああ!」
一気にパニックになる生徒達を静めようにも、声の出せないホワイトには『落ちついて』とジェスチャーで示すことしかできない。
そして「助けて!!」とどさくさに紛れてしがみついてくる生徒に、ホワイトは身動きが取れなくなってしまった。
篠崎
「みんな、早く逃げなさい!!」
両手を広げてこれ以上は行かせない!と生徒たちの前で立ちふさがる篠崎の元へ、戦闘員が両手を妖しく『わきわき』とさせながら間合いを取る。
レッド
「!!!!」
明らかに両手を広げて無防備になった篠崎の胸を揉もうとするその手つきに、レッドはいつの間にか走り出していた。
戦闘員
「eeeeeee!!」
篠崎
「っ!」
下卑た笑いを浮かべながら突進してくる戦闘員に、思わず目を瞑ってしまった篠崎だったが。
篠崎
「あ、あれ?」
いつまでたっても訪れない衝撃にゆっくりと目を開くと、目の前を真っ赤な背中が覆っていた。
篠崎
「レッド!!」
レッドは振り向くこともせず、ただジッと自分の胸元にぐりぐりと顔を埋める戦闘員を見下ろしていた。
戦闘員
「eeeeeee?(なんだ、ずいぶん硬いなぁ?)」
他の戦闘員
「eeeeeee!eeeeeee!」
気がつかないのか、ぺたぺたとレッドの胸を触り首を傾げる戦闘員に、既に捕まってしまった他の戦闘員から悲鳴にも似た声があがる。
戦闘員
「eeeeeee?(偽乳だったのかな?)」
触るのをやめ、胸元から手を下ろした瞬間にレッドが戦闘員の両腕をまとめて掴みあげた。
戦闘員
「eee、eeee、eeeeeee!」
「ご、誤解だ、ただぶつかっただけなんだ!」とジェスチャーで言い訳をするものの、レッドの背中が怒りのあまり小刻みに震えている。
レッド
「………。」
戦闘員
「eeeeeee!!」
それ以上を言わせず決められたレッドの華麗な投げ技に、戦闘員達はそっと合掌したのだった。
篠崎
「……もう。」
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10/24(Thu) 14:10
エミ
お、おもしろすぎて…お、お腹痛い…。助けて…。
ヽ(≧∀≦)ノ
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10/24(Thu) 17:09
とも
レッドの厚い胸板、いいですね!
ペタペタしたい~←(゜o゜)\(-_-)コラ
ホワイトは顔が見えなくてもフェロモンだだ漏れやから、女子が寄り付いちゃいますね(笑)
どさくさに紛れてひっついてる子、空間センパイが来る前に逃げて~
10/24(Thu) 19:27
みなさん、ついて来れてます?
清香
☆中庭☆
篠崎
「みんな、一緒に回っていたお友達は大丈夫?見当たらない人はいない?」
話すことのできないホワイトやレッドに代わって篠崎が安全確認を始めた。
この辺りが元ピンクの名残りなのだろうか。
呼びかける声に気づき、ほとんどの生徒が互いの無事を確認しあい抱き合っていたのだが。
とも
「先生、翼がおらへん!」
小春
「そういえば、さっき連れて行かれていました!」
篠崎
「なんですって!?」
顔を見合わせる篠崎・ホワイト・レッドの元に、一人の男性が人混みをかき分けて駆け寄って来る。
櫻井父
「む、娘は、あの緑色の奴らに抱えられて建物の中に…!黒い人が追いかけて行って下さったんですが……!!」
巻き込まれて足を挫いてしまったのだろうか。
それでも片足を引きずりながら校舎へと向かおうとする背中を、篠崎がそっと制した。
篠崎
「娘…、ということは櫻井さんのお父様ですね?大丈夫です。追いかけて行ったブラックに敵う人なんていませんわ
。」
安心させるよう柔らかく微笑んだ篠崎に、櫻井父はなおも悔しそうに顔を歪ませる。
篠崎
「今からホワイトもレッドもゴールドもシルバーも応援に向かいます。必ずやお嬢さんを無事に連れ戻しますから。
今は落ち着いて待ちましょう。」
いつの間にか集まったゴールドとシルバーも、グッと拳を握りしめていた。
篠崎
「さぁ、残りはあの校舎にいるわ!一人残らず捕獲よ!」
ホワイト・レッド・ゴールド・シルバー
「ッ!」
返事の代わりに敬礼をし、走り出した4人の背中を見送ることしかできず、櫻井父は指先が白くなるまで拳を握り続けていた。
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10/24(Thu) 20:10
どこまでも!
ジュン
ついていってますよ(^^)
いよいよ、ブラックと校長の対決でしょうか?
結果はいかに!
そして理事長はどうなるのか!?
楽しみですo(^o^)o
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10/25(Fri) 03:13
どんだけ書いてんだ、私。
清香
安定の寝オチ→復活
☆2号棟☆
翼を抱えて行った戦闘員達は、少し前まで穂積達が隠れていた2号棟へと入って行った。
絶対に見失うものかと追いかけたが、逃げ惑う生徒達に阻まれて少しずつ戦闘員と翼から距離が離れてしまう。
ブラック
「くそっ、マスクじゃ見づれぇな」
廊下を走りながらそう呟くものの、さすがにこの騒ぎの中、正体を晒すわけにはいかない。
狭まった視界に苦戦しながらも、微かに聞こえる足音を頼りに階段を登ろうとすると。
「………っと、……な。」
一つ上の階で人の話し声が聞こえる。
どこかで聞いたことのあるその話し声に、足音を忍ばせながらブラックがそっと近づいた。
戦闘員
「本当はもっとキチンとしたかったんだけど、勇気が無くってこんな形になってゴメン。」
緑色のマスクを外し、手でこねくり回しながら謝罪していたのは担任を持っている1年A組の生徒だった。
サッカー部に所属していて、明るく成績も悪くない、ごく真面目な少年に彼が何でこんな荒っぽい真似を?と思っていると。
戦闘員
「俺さ、転校してきた時から、櫻井の事ずっと気になっていたんだ。いつも笑顔で、一生懸命で、見ててなんかこっちまで嬉しくなるって言うか…。」
必死なのだろう。
懸命に気持ちを伝えようとするのが手に取るように分かるくらい、彼の声には震えが滲んでいた。
嫌なくらい分かってしまう想いと、続くであろう言葉に、ブラックの心がきしりと痛む。
戦闘員
「……、俺と付き合ってくれないかな。」
素直に言葉に出せる強さが、何だか羨ましかった。
同じような恋心を抱いていても真っ直ぐに言える彼と、色々な壁や事情がそれを阻む自分との違いを、まざまざと見せつけられたようだ。
悔しいけれどそれは現実で、今の自分には彼を止める事も、同じように気持ちを伝えること出来ない。
居た堪れなくて戻ろうとした、その時。
翼
「…ごめんなさい、お付き合いはできないです。」
小さいながらも、しっかりと話す翼の声が聞こえた。
心のどこかで望んでいた答えが翼から出た事にほんの少し嬉しくなるが。
戦闘員
「そっか……。ははっ、ごめんな、急にこんなこと言って。でも、さ、好きな人とかいないならお試しで…とか、どうか、な…?」
明るく笑いなが言うものの、縋るような彼の言葉に思わず振り返ってしまう。
翼
「す、好きな人は……、………い、」
誰もが真剣に、自分の気持ちに向き合っていた。
方法は強引だったが真面目に告白をした男子生徒も、連れ去られながらも泣かずに真っ直ぐ断った翼も。
ならば、自分も少しは素直にならないとフェアじゃない、そんな気がした。
ブラック
「っ!」
翼の言葉を遮るように足音を立てて一気に階段を駆け上ると、階段を上がりきった所にいた二人と目があった。
翼を一緒に担いでいった友人の戦闘員が「ヤバいっ!」と言うと、我に返ったのか慌ててマスクを被り、二人で立ち去っていく。
ブラック
「………。」
翼
「………。」
真っ赤に俯いた顔が、可愛くて堪らなかった。
微かに震える肩をそっと抱くと、腕の中で強張っていた翼の肩からゆるゆると力が抜けて行くのが分かる。
ブラック
「……無事でよかった。」
話してはいけない決まりだったが、無意識で出た言葉にブラックは改めて自分の気持ちを認識した。
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10/25(Fri) 03:50
そろそろ。
清香
ラストが見えてきました(サクラダモン的に)
☆2号棟☆
震えの治まった翼と共に窓の外を見てみると、校舎から出て行った戦闘員の二人が待ち構えていた賢史と如月に確保されていた。
大きく手を振る篠崎と翼の父親に手を振り返すと、観客達から『わぁっ!』っと歓声が上がる。
それと同時に、何人もの足音が階段を駆けあがって来るのが聞こえる。
振り返って見てみると、レッドを先頭にホワイト・ゴールド・シルバーの面々で。
ホワイト
「……。」
何か言いたげにコツンと拳でブラックの肩を叩くホワイトに、ブラックはマスクの下でバツが悪そうに眉を下げた。
篠崎
「後は1号棟の2階にいる理事長だけよ!!」
歓声に負けないよう大声を張る篠崎の指を指した先、中庭を挟んで反対側にある2号棟の窓から、着物の袖を振るエミと『べろべろべー』と挑発してくる山田の姿が目に入った。
ブラック
「…ッ!」
『行くぞ!』と頷き走り出す面々に、翼もギュッと拳を握りしめながら着いて来ようとする。
1号棟と2号棟を繋ぐ渡り廊下へ向かいながら、困ったように顔を見合わせるブラック・ホワイト・レッドに
翼
「私も理事長を助けたいです!お邪魔にならないようにしますから!」
と真剣な面持ちで言う翼の背中をゴールドとシルバーがそっと支えた。
ゴールド
「その心があれば、YOUも立派なサクラダモンの一員だYO!」
シルバー
「共にニュータイプとして伝説を作り、Ωになろう…!」
妙にテンションが上がってしまった二人にこれ以上かけられる言葉は無く、また山田とエミならば大丈夫だろうと翼を含む6人は1号棟へと再び走り出したのだった。
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10/25(Fri) 04:04
清香さんありがとうございますm(__)m
小春
ブラックと翼ちゃん、いいですねー。
ゴールドとシルバーのしゃべりで台無しだけど(脱力)
さあ、サクラダモン締めますよ!
この後もラブラブな皆さんは残りの文化祭を満喫して下さい。
そして体育祭だ!
10/25(Fri) 04:30
余興ではなく作戦ですから(笑)
小春
1号棟二階、窓から中庭を見下ろしている校長・山田と、理事長・黒柳。
山田が黒柳を人質にしたのはもちろん芝居で、だから、二人は仲良く並んで、目下のサクラダモンVS戦闘員の戦いを眺めていた。
いつの間にか(面白そうだからと自主的に)三十人を超えた戦闘員のうち、ほぼ半分に当たる人数は、とも、とも父、如月のチームに討ち取られていた。
ともたち三人が、互いにハイタッチをしている姿が見える。
さらに、レッドに投げ飛ばされて伸びてしまったのが五人。
仲間たちから、やかんの水をかけられているのは何かの魔法だろうか。
明智の姉たちに縛りあげられているのが二人。
傍らで小春が、お持ち帰り容器にカレーを入れている。
なぜかすっかり意気投合し、アニメ同好会&映画研究会とともにアニメソングを歌いまくっている集団の中に、六人。
空間やジュン、ロバートやポールたちが、捕らえられた女の子たちを縛るフラフープを外してまわっている。
エミ
「そろそろ大団円ですわね」
山田
「そうですね。主役たちがやって来ますよ」
黒柳と山田は、顔を見合わせてニッコリ笑った。
彼らの振り向いた先には階段と廊下、そして、その全てを納められる場所に、紅花と広報委員会のマイクとカメラがスタンバイしている。
山田
「小笠原くん、理事長室のモニターで見えてるね?」
小笠原
『OK』
ナレーションの準備も万全。
階下から、階段を駆け昇ってくるブーツの靴音が聞こえてきた。
山田は、ピンマイクのスイッチを入れた。
山田
『来たね、サクラダモン!!』
ナレーション
『ついに決着の時は来た』
ついに決着の時は来た。
窓際から一歩離れ、廊下で黒柳を抱え直した山田の前に、戦闘員たちを全滅させたサクラダモンたちが駆け昇って来たのだ!
ナレーション
『ここまでだ、山田!観念して改心し、理事長を解放するんだ!』
ふふん、と鼻で笑った山田が黒柳を振り返り、自分の胸ポケットを飾っていたコスモスの花を、彼女の髪にそっと挿す。
山田
『……嫌だ、と言ったら?』
ざっ、と、サクラダモンの戦士たちの靴音が廊下に響いた。
ナレーション
『「家庭に笑顔を、サクラダモン・レッド!」』
唐突に振られたナレーションに戸惑ったレッドだったが、聞き覚えのあるフレーズに、過去の記憶を再現して綺麗にポーズを決めた。
ナレーション
『「生徒を守る、サクラダモン・ブラック!」』
同じくブラック。
やるからにはとことんやるタイプの彼だが、近くに翼がいるのが分かっているので、何となくやりづらい。
それでも、力強いポーズをぴたりと決めるのはさすがだ。
ナレーション
『「女性の味方、サクラダモン・ホワイト!」』
彼は元々この手のノリは苦手だ。
しかし、ホワイトは優雅な仕草で、手にしていた赤いバラを、ブラックの傍らで祈るように手を組み合わせていた翼の前に差し出した。
ちなみにこの花はさっき園芸部の売店から、1本50円で買ってきたものだ。
翼は戸惑いながらも受け取ったが、気のせいか、天井裏からもシャッター音が聴こえたような。
ナレーション
『「通学路の友、サクラダモン・ゴールド!」』
華麗なチェーン捌きとともにポーズを決めたゴールドに、中庭から歓声が上がった。
どうやら、すっかり観衆を味方につけたようだ。
ナレーション
『「オタクにも愛の手を、サクラダモン・シルバー!」』
中庭はさらに盛り上がる。
シルバーはその場で鮮やかなバック宙を繰り出し、見事な着地とともに、アッパーカットの決めポーズで締めた。
ゴールドもシルバーも、さっき役をもらったばかりなのに、このクオリティの高さは何だろうか。
ナレーション
『学園戦隊、サクラダモン!』
中庭から空たちの声
「どーん!!」
ナレーション
『一撃必中!《デコピン・クラーッシュ》!』
レッドを先頭に隊列を組み直した五人が、山田に向けて一斉にデコピンを撃つ!
ポーズだけのはずなのだが、広報委員の凝ったカメラワークが功を奏して、それはまるで衝撃波を放ったよう。
撃たれた山田は衝撃に弾き飛ばされてよろめき、窓際まで後退する。
そして、黒柳を突き離したかと思うと、窓から身を乗り出して、そのまま躊躇なく飛び降りた。
ナレーション
『あっ!!』
全員が叫んだ。
サクラダモンたちも急いで窓に駆け寄り、下を覗き込む。
窓の下の中庭にいた藤守兄弟が素早く駆けつけ、山田の消えた植え込みの中を掻き回しているが、そこには、山田の羽織っていた黒いマントが残るばかり。
その時、どこからともなく山田の高笑いが聞こえてきた。
ピンマイクを通した山田の声は、さらに周りの校舎に反響して、どこにいるのか分からない。
山田(声)
『あっはっはっはっはっ!今日はこのあたりで引き下がるとするよ!ご来場の皆様、引き続き文化祭をお楽しみ下さい!では、再見!』
山田の声はまた笑い声に変わり、そして、遠ざかっていった。
静かになる会場に、小笠原のナレーションが響く。
ナレーション
『こうして、学園の危機はひとまず去った。
だが、いつまた新たな敵が現れないとも限らないのだ』
渡り廊下で待機していた軽音楽部が、エンディングテーマ(!)の演奏を始めた。
ナレーション
『学園戦隊サクラダモン!
桜田門学園高校の治安を守る為、特命を帯びて日夜戦う正義のヒーロー!
彼らの活躍は人知れず続く!
次回のサクラダモンの登場がいつになるのか、誰も知らない!
今回のナレーションは、こういう仕事は嫌いじゃないかも。生徒会、小笠原諒でした。
またいつかお会いする日まで!
それでは皆様ご一緒に!
《学園戦隊!サクラダモン!!》』
会場・全員
「とう!!」
紅花
『以上、中庭から生中継でお送りしました!』
10/25(Fri) 05:15
終わっちゃった
ジュン
鳴りやまないのではないかと思われた拍手も歓声も少しずつ落ち着き、もとの文化祭の雰囲気を取り戻しつつあった。
ジュン
「賢史くん、さっきはありがとう。」
藤守
「当たり前やん。」
そう言って藤守はジュンと空の頭を撫でる。
空
「おねーたん、けんたん、ぼくおおきくなったらさくらだもんなる!」
空はすっかりサクラダモンのファンになったらしく、決めポーズの真似をしている。
マネージャー
「先輩!さっき格好よかったですよ~」
藤守に声をかけたのは陸上部のマネージャーたちだった。
藤守
「ホンマに?だったら、後夜祭は僕と踊ってくれるかな?」
マネージャー
「考えておいてあげますよ~」
藤守
「マジで!やった!」
そんなやり取りを苦笑いで見ているジュンの隣にアニが立った。頬にはロバートとポールに浸けられたリップのあとがうっすらと残っている。
アニ
「アイツは相変わらずだな。」
ジュン
「慶史兄さん?」
アニ
「お前が小さな頃から誰のために花嫁修行をしているのか、わかってないのはアイツくらいだ。」
ジュン
「私が勝手にしてるだけだよ?それに……そういうところが好きなんだから。」
ジュンがニコリと微笑む。アニが勝てない可愛い「妹」の笑顔だ。
アニ
「俺は愚弟などとは認めないぞ?お前にはもっといい男がいるばすだ。」
ジュン
「ふふ、ありがとう。」
空とサクラダモンごっこをしている藤守は二人がそんな会話をしているとは全く気づいていなかった。
ジュン
「さあ、茶道部に戻らなくちゃ。」
10/25(Fri) 05:40
んもう、藤守くんたら。ジュンさんいじらしいわ……・゜・(つД`)・゜・
小春
☆撮影終了☆
紅花
「お疲れ様でした!」
紅花が言い、広報委員会の撮影クルーたちからも、サクラダモンに惜しみない拍手が贈られた。
サクラダモンたちは軽くそれに一礼してから、解散してめいめいに動き始める。
ブラックとホワイトは、声を出すと穂積と小野瀬だという事がすぐにバレてしまうので、無言のままだ。
レッド、ゴールド、シルバーもまた、無言。
彼らは、ブラックとホワイトが喋らない事を正当化するために、自分たちも喋らない。
さらには、身長や整ったプロポーションも、穂積ら二人に近い三人である。
サクラダモンの扮装は、この後も穂積と小野瀬が会場の中を歩けるよう、篠崎を含めて彼らが相談した結果の苦肉の策だった。
翼
「理事長、お怪我はありませんか?」
駆け寄る翼に、黒柳はにっこり笑った。
エミ
「ええ大丈夫よ。ありがとう」
黒柳は時計を見ると、そこにいる全員に頭を下げてお礼を言った。
エミ
「皆さんもありがとう。お疲れ様でした」
顔を上げた黒柳の髪で、コスモスの花が揺れた。
エミ
「そろそろ三時よ。中庭の売店も終わりだし、私も理事長室に戻ります」
まだ心配そうな翼に、黒柳は微笑んだ。
エミ
「あの人にお茶を入れてあげないと……ね」
理事長を見送った翼が振り返ると、撮影クルーも引き上げ、人影もまばらになった廊下に残っていた、ブラックとホワイトが近付いて来た。
ブラック
「……」
ブラックは無言で翼の手からバラの花を抜き取ると、押し付けるようにして、ホワイトの手に返した。
ホワイトも肩を竦めただけで、素直に受け取る。
ブラックが、翼の手を握って歩き出した。
大きな温かい手に引かれて建物の外へ出ていくと、拍手で出迎えてくれた大勢の観客の中に紛れて、父親の顔が見えた。
そこに行きたいが、人垣が出来てしまって行けない。
すると、翼の身体は、いきなりブラックに抱き上げられた。
翼
「きゃ」
翼も驚いたが、周りも驚く。
人垣が崩れたところでブラックは歩き出し、翼の父親の前まで来ると、そこに翼を下ろした。
父親は涙を流さんばかりの顔をして娘の身体を抱き締め、それから、ブラックに向かって何度も頭を下げた。
櫻井父
「ありがとう、本当にありがとう!」
ブラックも丁寧にお辞儀を返した。
そして、そこに翼を残すと、追い付いてきたホワイトとともに、中庭へ歩き出していった。
10/25(Fri) 08:35
おはようございます
とも
サクラダモン、終わっちゃいましたね~。
ともは散々暴れてスッキリしました。
☆中庭☆
さっきまでの大騒ぎの余韻が残るなか、翼親子の元へともたちがやってきた。
とも
「翼~!大丈夫やったか?ごめんな、途中で翼が捕まったの、全然気づかへんかった」
翼
「ううん、そんな酷いことはされてないし、すぐにブラックが助けに来てくれたから」
翼父ととも父が軽い挨拶をしている間、翼は先程の出来事を思い返していた。
自分を連れ去った相手が実はクラスメートで、付き合ってほしいと告白されたとき、頭の中には穂積の顔が思い浮かんでいた。
勇気を出して告白してくれたことに申し訳ないと感じつつ、断る事を伝えた時、サクラダモンブラックが助けに来てくれた。フルフェイスのヘルメットで表情はわからなかったけれど、私の無事を安堵してくれているようだった。
そして中庭に戻るとき。
しっかりと繋いでくれた大きな手から伝わってくる温かさに、昨日の事が頭をよぎった。
暗闇の中で私をやさしく抱きしめてくれた、あの時の温もりと同じだった。