『穂積←→小野瀬』
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06/17(Mon) 05:36
清香さん、ありがとうございます。
小春
~小野瀬《身体は穂積》vision~
穂積の病室。
藤守
「……」
小笠原
「……」
如月
「……」
明智
「……」
小野瀬(身体は穂積)
「……と、いうわけ」
夜中にも関わらず明智くんに緊急召集された捜査室の面々は、俺の説明が終わる頃には、すっかり目覚めて真剣な表情になっていた。
小笠原
「ありえない」
如月
「すげー」
藤守
「どうすれば室長は元に戻るんすか?」
三者三様の反応は予想通りのもので。
明智
「それをこれから考える」
小野瀬
「きみたちにも力を貸して欲しいんだ」
ガリガリくん&フトシくんに知らせるなら、当然こうなるかな?
06/17(Mon) 08:45
とも
会話ばっかり。
~小野瀬vision~
明智
「とりあえずは周りには気づかれないように注意しないとな。仕事の件はいつも通り室長に全て報告。小笠原は平行して入れ替わってしまった原因をできるだけ調べてくれ」
小笠原
「もうやってる」
藤守
「俺らもあたってみますわ」
明智
「そうしてくれ」
如月
「あの、ちょっといいですか?」
藤守
「どないした、如月?」
如月
「室長と小野瀬さんって、転落した時は二人一緒に落ちたんですよね?その時と同じ衝撃を与えるといいんじゃないですか?」
藤守
「そうか、それええな!」
小笠原
「あのねぇ。テレビやアニメならそれでもいいだろうけど、今同じことしたら室長の身体がどうなるかわからないよ。」
藤守・如月
「………」
小野瀬
「ハハっ」
こんなときに笑ってしまうのも不謹慎だけど、捜査室の連中が必死で穂積の事を心配してるのをみて少し羨ましいと思ってしまった。ラボにも太田や細野、それに頼りになる仲間はいる。でも俺はあまりその事を口にしないから、どう思われているのかわからないけど。
それよりも穗積と櫻井さんはどうしたかな?明智くんには悪いけど、今回の事で二人が上手くいってほしいな。
まーくん、ごめんなさい。やっぱり室長を幸せにしてあげたいの。
[削除]
06/17(Mon) 12:00
本当にごめんなさい
小春
~翼vision~
翌朝。
私は、出勤してきた藤守さんから、昨日の深夜、室長(中身は小野瀬さん)の病室で交わされた会話の全貌を聞いた。
一方で私は、小野瀬さん(中身は室長)のラボで聞いた限りの内容を藤守さんに報告する。
……もちろん、小野瀬さんの姿の室長に抱き締めてもらった事は、秘密。
今朝はまだ、明智さんに会っていない。
明智さんとは、昨夜、言い争うようにして別れたまま。
私の気持ちを分かってもらえなかった、気まずいままだ。
藤守
「明智さんは、当分、病院の小野瀬さんの方に居て、善後策を探すそうやで」
翼
「えっ?」
藤守
「端から見たら、捜査について、病院にいる室長から指示を受けてます、いう格好やな」
明智さんが捜査室に来ない?
翼
「じゃあ、藤守さんが室長代理ですか?」
藤守
「建前は、そやな。実際には、ラボに室長がおるやん。小野瀬さんやけど。何やややこしいな」
確かにそうだけど。
……明智さんに、嫌われちゃったかな。
ずきり、と胸が痛んだ。
明智さんが怒るのも当然だ。
行くな、と言われたのに、止める手を振り払ってしまった。
でも、あの時は夢中で、室長の事しか考えられなかった。
明智さん。
生まれて初めて、私が全てを捧げた人。
いつだって、真っ直ぐな言葉で愛情を伝えてくれた。
冷静に見えて、誰よりも熱く私を求めてくれた。
大好きだったのに。
……ごめんなさい。
[削除]
06/17(Mon) 16:59
小春さんの心の声が漏れ始めた。
清香
~翼vision~
あれから3日経ったが、明智さんとは全く会うことができなかった。
相変わらず室長の(中身は小野瀬さんだけど)お見舞いには毎日行くようにしてはいたものの、毎回すれ違ってばかりで。
…もう、ダメなのかな。
一度だけ送ったメールも、『信じてやれなくてゴメン。』としか書かれておらず、私は明智さんの心も、自分の心さえも見えなくなってしまっていた。
どうしてあの時、私は明智さんの元から室長の元へと行ってしまったんだろう。
ただ真実が知りたかっただけなんだろうか。
ならば、どうして室長の腕に、胸に飛び込んでしまったんだろうか。
自分で自分に問いかけても、答えが出てこない。
あるのは、胸の奥のもやもやとした感覚だけだ。
翼
「ハァ……。」
自動販売機を前にため息をつくと、後ろから長い腕が横を通り抜け、コインを入れる。
『ガコンッ』っと音を立てて、オレンジジュースが落ちた。
穂積(外見は小野瀬)
「どうしたの、暗い顔をしちゃって。」
翼
「しつ……、小野瀬さん…。」
穂積
「何か困った事でもあったの?俺でよければ話を聞くよ?」
ラボ以外では小野瀬さんの口調で話すようにしているのか、今の室長は本当に小野瀬さんみたい。
オレンジジュースを手渡され、休憩スペースのソファーに座るよう促されたのだが。
でも、今の気持ちを話しても…いいのかしら。
自分でもどうしたいのか、分からないのに。
言い淀んでいると、いつものように優しい手が頭を撫でてくれる。
穂積
「俺だって、お前の事ならどんな事でも受け止めてやる。不安な事があるなら、何でも言えよ?」
私にだけ聞こえるように呟かれた言葉は『室長』のもので。
思わず胸がどきりと音をたてる。
翼
「室長…。」
穂積
「ん?なんだ?」
小さく、本当に小さく、私にだけ聞こえる『室長』の言葉が心地いい。
だからこそ、『室長』の声が聞きたくなる。
翼
「…室長に会いたいです。」
穂積
「櫻井…。」
翼
「室長に…会えたら……。」
何か、答えが出るような気がしていた。
それが何かは分からないけれど、室長である小野瀬さんの瞳を見ると、何となく確信めいたものを直感で感じる。
穂積
「そうだな…。」
頭を一つ撫でると、室長も何かを決意したかのように、勢いよく立ち上がった。
そして真っ直ぐな瞳で私を見下ろしている。
穂積
「今日は早めに終わらせて、一緒に穂積の病院へ行こう。…必ずどうにかしてみせるから。」
翼
「…はい。」
そう言い残してラボへと戻る室長の背中を、私はジッと見つめていたのだった。
[削除]
06/17(Mon) 17:38
とも
~明智vision~
翼とケンカ別れしてから3日程経ったが一度も顔を合わせていない。というよりも、俺が合わせられないと言った方がいいか。
あの時、翼が哀しそうな顔で俺の腕の中から離れていった時。 きっと俺なら自分の考えに協力してくれるだろうと思っていただろう。
それなのに、俺には出来なかった。目の前の小野瀬を室長だという翼に真っ向から否定してしまった。
一言でもいいから謝りたいと思うものの、いざ彼女がこちらに来る頃になるとどうしても逃げようとしてしまう。
小野瀬(身体は穂積)
「明智くんは櫻井さんの事が嫌いになっちゃったのかな?」
明智
「………」
クスクス笑う小野瀬にイラっとしそうになるのを堪える。
小野瀬
「いい加減、彼女から逃げるように居なくなるの、やめたらどうなの?自分のせいでキミを苦しめてるの分かってるから、櫻井さん、いつも泣きそうな顔でここに来るんだよ」
突然、小野瀬の顔から笑みが消え、凄まじい程の冷たいオーラが明智に向かって放たれた。
小野瀬
「いつまでもこんなことを繰り返すなら、穂積が黙ってないよ?」
明智
「何で、室長なんですか」
小野瀬
「アイツはただの職場のお父さんじゃないってコトだよ」
[削除]
06/17(Mon) 17:51
清香さん、ともさん、ありがとうございます♪
小春
お二人ともステキ。
ワタクシは微妙に被りましたので、ここはお任せしてまた別のパート書きますわ(ゝω・´★)
06/17(Mon) 19:54
読者になってます。
桜夜
皆様素敵すぎます!!
今回は読者モードです。
でも、皆様がえがくストーリーが本当に切なくて…(>_<)
ごめんなさい、明智さん…土下座の覚悟は出来ております。
ってか、皆、室長大好きですよね(^o^)/
私も大好きです。
引き続き読者モードですが…何か提案があれば…参上します。
見逃せない展開です!
[削除]
06/17(Mon) 20:32
桜夜さん、いらっしゃーい\(~o~)/
小春
お越し頂きありがとうございます。今回は読者さま?
それもいいですけど、せっかくいらしたなら2、3行ぶっ込んでってくださいよ(←オイ)
飛び入り歓迎ですからね、いつでもお待ちしております(  ̄▽ ̄)
[削除]
06/17(Mon) 22:29
続けますよ。
とも
~翼vision~
その日の夜。
室長(身体は小野瀬)は約束通り仕事を切り上げてくれた。
そして、今から一緒に病院にいる小野瀬さん(身体は穂積)の元へ向かう。
だが、私の足取りは思っていた以上に重かった。
穂積
「櫻井?大丈夫か?顔色が悪いぞ」
櫻井
「…すみません、大丈夫です。いろいろ考えてたら、どうしたらいいのかわからなくなってしまって」
私達がこれから病院に向かう事は、室長から小野瀬さんに連絡済みだ。室長が一緒なら、明智さんは必ず残っているだろう。どんな顔をして会えばいいのか。
すると私の歩く隣から大きな掌が私の頭にポンと置かれた。
穂積
「明智の事が気になるのか?」
やっぱり室長には隠し事ができないな。
櫻井
「…明智さんには酷いことをしちゃいました…。人の中身が入れ替わるだなんて、…そんなこと…普通ならあり得ない事なのに…。私は、勝手に明智さんなら分かってくれると…思い込んでました…」
「…明智さんが行くな、って言ったのに…。私の気持ちが上手く伝えられなくて、彼を怒らせてしまったから…。もう私のこと、嫌いになってるかもしれません…」
そこまでやっとのことで言えたと思うと、涙がとめどなく溢れてきた。
…明智さん、本当にごめんなさい。
泣いても室長にご迷惑を掛けるだけなのに。
何か言葉を発しようとした時、私の身体は室長の腕の中にいた。
[削除]
06/18(Tue) 04:25
寝落ちからの復活。
清香
完全に土下座フラグですね。
~穂積vision~
病院へと向かう間、櫻井はずっと無言だった。
櫻井が明智と連絡を取れていないのは、病室にいる小野瀬から報告を受けていたため、知ってはい
た。
もちろん明智が櫻井から逃げるように距離を取っているということも、だ。
どうして傍にいてやらない。
信じられなかったのなら、これから信じてやればいいのに。
櫻井は、絶対に真っ直ぐに見てくれるというのに。
明智が櫻井に背を向けた以上、俺は櫻井を守ってやる。
何があっても守ってやる。
櫻井は『俺』を見つけてくれたんだから。
穂積
「明智のことが気になるのか?」
だからこそ、お前の本心が知りたい。
なぜあの時、明智の元を離れ、俺の元へと来たのか。
『室長に会いたい。』と言ってくれた言葉の意味は、どこにあるのか。
そして元に戻れた時、お前は誰の腕の中へ行くのか。
きっと今夜が全てに決着をつける時だと、不安げに泣く櫻井を抱きしめながら俺は確信していた。
~病室にて~
穂積(外見は小野瀬)
「…明智、悪かったな。」
俺は病室に入るなり、ベッド脇のパイプ椅子に座る明智へと頭を下げた。
明智
「…室長、なんですね。」
穂積
「あぁ。そうだ。」
立ち上がり、一歩前に進み出た明智の顔を真っ直ぐ見据えたまま答えると、苦しげに明智の顔が歪
んだ。
明智
「どうして…、最初から言って下さらなかったんですか……。」
穂積
「明智…。」
明智
「俺は…、室長の助けになりたかったんです…。室長の……。」
拳を固く握りしめながら俯く明智の声が、少しずつ掠れていく。
いつも真面目に俺の右腕として捜査室を取りまとめてくれた明智にこんな顔をさせるなんて、俺も
どうかしていたんだな。
心配をかけさせたくないという想いが、かえって仇になったのかもしれない。
櫻井の事は別として、素直に申し訳ないという想いが湧きあがって来る。
穂積
「明智…、本当にすまなかった。許してくれ。」
再び深々と頭を下げると、明智に肩を掴まれ、無理やり頭を上げさせられる。
明智
「室長…、もうやめて下さい。……それに俺は櫻井のように信じ切れませんでした。」
明智の瞳が、俺の後ろで小さく固まる櫻井を見つめていた。
明智
「翼は…、櫻井は最初から室長を信じていました。俺は真実を見せられてもすぐに信じる事ができ
なかった。それだけです。」
翼
「明智さん…。」
明智
「櫻井、本当にすまなかった。お前の言う事を信じてやれなくて。」
今度は明智が櫻井に頭を下げた。
微かに震える櫻井を守るように、俺は櫻井の背中に手を添えながら一歩前に出るよう促す。
大丈夫、俺がついているから。
翼
「そんな…、やめて下さ…い。」
明智
「室長と同じように俺のことも信じてくれていたのに、俺はお前に応えてやる事が出来なかった…
。お前の信頼に足る男になれなかった…な。」
そう言いながら笑う明智の瞳は、どこか寂しそうな色をしていた。
明智
「室長のように、お前の全てに応えられるような男になれたら………、また付き合ってくれ。」
翼
「明智…さん…」
櫻井が静かに涙を流しながら、震えている。
その小さな背中を守るように手を添えていると、明智が俺に向き直った。
明智
「…俺は翼の『大切なもの』にも、『どうしても失えないかけがえのないもの』にはなれませんで
した。…ですから、室長が彼女を、翼を守ってやって下さい。」
穂積
「明智…。」
『よろしくお願いします。』とだけ言い、明智は一礼をして後ろを振り返らずに病室を後にした。
[削除]
06/18(Tue) 04:28
再び連投してみる。
清香
小野瀬
「明智君はね、決して櫻井さんの事も、穂積の事も嫌いになったわけじゃないよ。」
それまで静観していた小野瀬が、静かに話し始めた。
小野瀬
「自分が嫌になったんだよ。櫻井さんも穂積も真実に向き合っているのに、逃げることしかできない後ろ向きな自分にね。」
思わず視線が明智が出て行ったドアに向けられてしまう。
小野瀬
「おっと、分かってるとは思うけど、追ったらダメだよ?。振り返らずに行ったのが明智君のプライドだからね。」
咎めるような小野瀬の言葉に、思わず怒りがこみ上げてくる。
穂積
「なぁ、小野瀬。…お前、いつから分かってた?」
ベットの上で微笑む小野瀬を見ると、外見は自分だからか余計に苛立ちが募る。
仕事と櫻井のことにばかり気がいっていて、明智が自ら身を引くと言う可能性を考えてやれなかった自分に。
小野瀬
「そんなに睨むなよ。自分の顔でもいい気分はしない。」
穂積
「うるせぇ、答えろ。」
小野瀬
「正直なところ、この1~2日だな。入れ替わりを元に戻す方法を話し合いながら、少しずつカウン
セリングをしたからね。」
穂積
「そうか…。」
小野瀬
「でも、自分できちんと穂積に向かって言えていたから、彼はきっと大丈夫だ。自分で乗り越えられるはずだよ。」
そうあってくれればいいんだが。
もう一度明智が出て行ったドアを見ると、隣で翼が唇をかみしめていた。
綺麗な桜色のくちびるに、ほんのり血の色が浮かぶ。
穂積
「…櫻井。」
震える肩を抱き寄せると、再び大きな瞳から涙がこぼれた。
翼
「明智さんは悪くないんです…。私が……。」
穂積
「いいから。自分を責めるな。」
誰が悪いんじゃない。
皆、ただ大切な人を守りたいだけなんだから。
宥めるように翼の髪を撫でてやると、小野瀬がベッドの上で盛大にため息をついた。
小野瀬
「…あのさ、見た目は自分だから決して悪い気はしないんだけど、それ一応俺の身体だからね?」
穂積
「知ってる。」
小野瀬
「そうやって好き勝手していると、元に戻った後も同じようにしなくちゃいけなくなるんじゃない?俺は一向に構わないけれど。」
穂積
「大丈夫だ。今日、元の身体に戻るぞ。」
小野瀬
「…って、どうやって?」
正直本当に元に戻れるかの勝算なんてまったく無かった。
それでも、やってみなくちゃ分からない。
というか、これ以上小野瀬の姿で翼のことを抱きしめるくらいなら、骨の1本や2本余分に折れたって構わないとさえ俺は思っていたのだった。
06/18(Tue) 04:47
私も落ちてたm(__)m
小春
ともさん、清香さん、大仕事ありがとうございます。
この続きは、ワタクシ書きかけてありますので、もう少しお待ちをm(__)m。
[削除]
06/18(Tue) 07:37
おはようございます。
小春
ともさん、清香さん、連日ありがとうございます。
リアルタイムリレーSS、いよいよ完結へ向かいます。
作家様、読者様、本日もよろしくお願いしますm(__)m
~穂積《身体は小野瀬》vision~
その時。
?
「殴っちゃダメですよ、ボス」
笑いを含んだ声がして、俺たちは一斉にそちらを振り返った。
見覚えのある男。
そして、今夜ここにいるはずのない男。
穂積
「…………山田……?」
そこにいたのは、あのキャンプ場の従業員、山田太郎だった。
小野瀬
「……面会時間は過ぎているよ」
俺が、そっと、背に庇うようにして山田から遠ざけた櫻井を、ベッドにいる小野瀬が、引き寄せるようにしてさらに守る。
俺の感じた違和感を、小野瀬も感じているらしい。
何だ?
この、得体の知れない感覚は?
山田
「審判を下しに来たんです」
山田は例の、感情の読めない笑みを浮かべた。
穂積
「……」
審判?
……オリエンテーリングの朝、こいつは同じ事を言った。
だが……
翼
「まさか、あなたが、この二人に何かをしたの?!」
震える櫻井の声が、俺たちの声を代弁した。
山田は少し笑顔を翳らせ、首を傾げる。
山田
「言っておくけど、転落したのは事故だよ。僕は、倒れた二人に小さな魔法をかけただけ」
翼
「……魔法?」
穂積
「……櫻井、こいつと話すな」
俺は山田を見据えたまま、背後の櫻井を制した。
こいつは危険だ。
山田
「さすが、ボス」
山田は視線を戻して、俺にまたあの笑顔を向けた。
山田
「僕は、前の日からずっと、あなた方を見ていた。そして考えていた。本当に彼女に相応しいのは誰なのか、とね」
山田は、探るように俺を見た。
穂積
「……前日から見ていたなら分かっただろう。明智だ」
山田が肩をすくめた。
山田
「見ていましたよ。一時の欲望に抗えない、頼りない理性。場所も彼女の羞恥心も自分の行動の結果もわきまえない、暴走しがちな男」
穂積
「……正直なだけだ。あいつを侮辱すると許さんぞ」
緩みかけていた拳を握ると、山田はおどけた様子で軽く頭を下げた。
山田
「……片や、彼女に想いを寄せていながら、その恋人である男を窮地から救い、さらには、彼女を安心した眠りにつかせる事の出来る男」
ふふ、と笑って、山田は俺にウインクした。
山田
「どちらがより彼女に相応しいか、もう明白でしょう?」
穂積
「……それを決める権利は、お前には無い!」
山田
「その通りです。だから、彼女に決めてもらう事にした」
山田は本当に楽しそうだ。
山田
「僕は、転落したあなた方二人に近付いて、暗示をかけた。お互いを、自分だと思い込む暗示をね」
穂積
「何だと?!」
山田の言葉に衝撃を受けながらも、頭の中で、絡んだ糸が解けてゆく。
山田
「そう。入れ替わっていないんです。ただ、ボスはご自分を鑑識官殿だと、鑑識官殿はご自分をルイルイだと思い込んでいるだけ」
山田はついに、声を立てて笑った。
山田
「たったそれだけで、真実は明らかになるものなんです」
山田はそれだけ言うと、不意にベッドに数歩近付き、小野瀬に向かってパチン、と指を鳴らした。
俺の姿の小野瀬が、糸が切れたようにベッドに倒れ込む。
翼
「きゃああ!」
穂積
「てめえっ!」
振り返った山田が、俺に笑顔を向ける。
山田
「あなたは最後まで、自分ではなく相手の幸せを願った。僕はとても見たかったものを見た」
待て、と叫ぼうとした。
どこまでが真実なんだ?
山田
「僕のクエストは終わりです」
山田が指を鳴らす直前、泣きながら俺に縋ろうとする櫻井の姿が見えた。
山田
「おめでとう、ボス。再見」
パチン、という無機質な音とともに、俺の意識は暗転した。
[削除]
06/18(Tue) 08:23
おはようございます♪
くちびる
昨日は残業&寝落ちで全く絡めず…今も電車の中ですへ(^^へ)
出て来ましたね~山田太郎♪この後の展開楽しみです(⌒‐⌒)
[削除]
06/18(Tue) 08:28
やっぱり
とも
山田の仕業やったのね。
翼vision~
私は目の前で起こった出来事をなかなか理解できないでいた。
怪我をした二人に暗示をかけて、お互いを入れ替わったように見せて、あの山田って人は何がしたかったの?
彼のせいで、私はこの数日間どんなに苦しかったことか。
ずっと感じてた違和感はすっかり無くなったけど、それと共に無くしたものもあった。
でも、新たに芽生えた気持ちもある。
いつでも私の傍で時には厳しく、時には温かく見守ってくれた人。
その存在がただ安心させてくれるだけでなく、何か別の感情をも呼び起こしてくれたようで。
私はベッドまでそっと近づき、彼の手をそっと握った。
さぁ、ラストまでもう少しですよ~
[削除]
06/18(Tue) 09:01
くちびるさん、ともさん、ありがとうございます♪
小春
~翼vision~
含み笑いを続けている山田くんを振り返って、私は睨みつけた。
翼
「人の気持ちを弄んで、楽しいですか?!」
山田
「楽しいよ。すごく」
山田くんは全く悪びれない。
翼
「……あなたに聞きたい事があります」
山田
「何なりと」
山田くんは、貴婦人にするように一礼した。
翼
「……私は、小野瀬さんが思い描く室長に恋をしたんですか?」
山田
「厳密に言えば、そうだね。この数週間、きみが接したのは、鑑識官どのの中にいる、幻のルイルイだ」
翼
「……」
山田
「美しくて賢いマルガレーテ。これは、あの二人が、互いをよく知り尽くした親友だからこそ可能だった魔法なんだよ」
翼
「……考えると混乱しそうです」
山田くんは微笑んで、私の髪に触れようとした。
私はそれを拒んで、室長にしがみつく。
山田
「考える必要はないよ。きみが求めた相手、今、きみが触れたいと思う相手こそが、真実」
翼
「……」
私は、室長に視線を戻した。
山田
「いつからその相手を好きだったか、少し思い出してみれば、よく分かるはずだよ。僕の魔法は、ただのきっかけに過ぎない」
06/18(Tue) 09:43
おはようございます
エミ
壁|ョ゚д゚;)オォ…
引き込まれるように読んでしまいましたー。
完結に向かってますね。
(*´艸`)ドキドキ
そして、ワタクシ、土下座の準備万端です…
[削除]
06/18(Tue) 09:52
エミさん、いらっしゃーい\(~o~)/
小春
姿が見えないと思ったらそんな壁際に。
あっ、もう土下座の準備万端ですか?
私もそろそろ白無垢に……もとい、白装束に着替える準備をしてたんですよ。
さあ、土下座に向かってラストスパートしましょうか。
[削除]
06/18(Tue) 10:18
山田は曲者。
小春
~翼vision~
翼
「……あなたの言葉の、全てをそのまま信じる事は出来ません」
私が言うと、山田くんは首を傾げた。
山田
「?」
翼
「だって、室長の言葉も、小野瀬さんの態度も、もっと複雑でした。あなたが今説明したような、そんな単純な入れ替わりだとはとても思えません」
山田
「……きみは本当に賢いね、マルガレーテ」
山田くんは、感心したような顔をして私を見た。
山田
「もちろん、もっと複雑なトリックだよ。見舞い客なんかを装って、何度も暗示をかけ直したしね」
山田くんは、小野瀬さんと室長を、ゆっくりと交互に見た。
山田
「でもね、惑わされてはいけない。さっき言ったように、真実は明快なんだ。彼らが目覚めれば分かるよ」
私はハッとした。
翼
「いつ、目覚めるんですか?!」
山田くんは、ふふ、と笑った。
山田
「彼らは、愛する人のキスで目覚める」
翼
「えっ?!」
私は思わず室長の寝顔を確かめてしまった。
翼
「その、愛する人って……」
振り返った時、山田くんの姿はもう、どこにも無かった。
[削除]
06/18(Tue) 10:54
終わりが見えてきましたね。
清香
遺書の用意をしておくか。
~翼vision~
突然現れて、煙のように消えてしまった山田さん。
彼は本当に何者なのだろう?
どれだけ考えても答えなんてみつかりそうにないが、今は室長と小野瀬さんを目覚めさせるのが先決だ。
しがみつくように抱きしめていた室長をそっと見る。
…本当に目を覚ましてくれるのかしら。
また山田さんに騙されているんじゃ、担がれているんじゃないかしら。
不安はもちろん、ある。
でも、それ以上に室長に会いたかった。
小野瀬さんの姿じゃない、本物の室長に会いたかった。
その時、明智さんに言った言葉を思い出す。
『とっても大切なものなんです。どうしても失えないかけがえのないもの・・』
翼
「失いたくない…大切なもの……」
いつも優しく、時に厳しく守ってくれていた。
心も、体も、全部。
だから、今度は私が守る番。
翼
「室長、起きて下さい…」
溢れる涙を止められないまま、私は室長のくちびるにそっとキスをした…。
→
[削除]
06/18(Tue) 16:00
今休憩時間です(⌒‐⌒)
くちびる
私も土下座の覚悟できましたよ~゜゜(´O`)°゜隅っこで待機してますね。ドキドキする( ´△`)
06/18(Tue) 16:22
くちびるさんいらっしゃーい\(~o~)/
小春
あら、アナタも読み逃げ?Σ(´□`;)
明智さんは柔道黒帯で警視庁きっての狙撃手ですよ。隅っこにいても逃げられません。
ワタクシなんか、土下座の後は堂々と「お仕置きなら寝技でお願いします」って言うつもり。ウフフ。
それにしてもみんな見学か。
小野瀬さんとのちゅーの権利がまだあるのになあ。
勇者は現れないのかしら。
ちゅーと言えばせつなさん(※)だけど忙しいだろうなあ。
(※)アメリカ外伝参照。
[削除]
06/18(Tue) 16:55
とも
小野瀬さんとのちゅーはどなたかにお譲りしますよ~。
…私も明智さんの喜ぶスイーツを用意しようかな…。
え?まさかそれだけで許してもらえるとはこれっぽっちも思ってませんよ(゜゜;)
なんなら吊し上げられときますからっ。
あ、小春さんは寝技を頼むんかぁ…。ええな、それ。
(あれ?)
[削除]
06/18(Tue) 17:11
ともさん、いらっしゃーい\(~o~)/
小春
ともさんたら、吊し上げられて明智さんと吊るされ仲間になるつもりだなんて、上級者?!(///∇///)(何の)
反省会には明智さんの為に地元スイーツを持参する事に決定ですね(;´д`)
[削除]
06/18(Tue) 17:14
あらまぁ。
清香
皆さんぶっこまないんですか(´・ω・`)
小野瀬のチューですよ?
オイシイですよ?(色んな意味で。)
[削除]
06/18(Tue) 17:36
清香さん、いらっしゃーい\(~o~)/
小春
さすがお姉様、やる気満々ですねっ。
私もまだスイーツ検索してる場合じゃないわね(゜ロ゜)
06/18(Tue) 19:09
せつな
小野瀬さんのちゅーだと?
いやあああああああああああ(; ・`д・´)
なんて展開になってるんですかああああああああああ;;
ちょっと小野瀬さんのちゅーに絡めないと死んでも死に切れません~~~
数度読み返しますので、ちょっとワタクシにちゅーする時間をくださいませ( ;∀;)
[削除]
06/18(Tue) 19:22
せつなさんいらっしゃーい\(~o~)/
小春
間に合った(*´∀`)♪
さすがせつなさん(笑)
皆様、小野瀬さんのちゅーはせつなさんに譲ってあげてくださいませね♪
せつなさん、みんなが待ってるアレでお願いしますよ(´ 3`)
[削除]
06/18(Tue) 21:31
やっぱり
とも
小野瀬さんのちゅーといえばせつなさんやね。
いやん、期待しちゃう♪
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06/18(Tue) 22:17
まさかの3ぴーキス@@?
せつな
小さな・・・触れるだけのキス。
だけど、ありったけの勇気を振り絞って・・・今の正直な想いを込めた、精一杯のキス。
なのに、どうしてか祈りは届かない。
室長の瞼は閉ざされたままで、あの透き通った碧い瞳は私を映してはくれない。
翼
「室長・・・起きてください・・・。どうか、眼を開けて、私を見てください」
ポタポタと涙が室長の頬に零れる。
何がいけないんだろう?
私じゃ、何かが足りなくて室長を目覚めさせることができないのかしら?
山田さんは、あの時何と言ったの?
たしか・・・、『彼ら』と言った。
もしかして、二人ともが同時でなければ目覚めないとしたら?
小野瀬さん・・・
いつも私を励ましてくれる優しい貴方ならどうしたらいいのか知っているはずですよね・・・?
翼
「小野瀬さん?聞こえますか?お願いします。私に力を貸してください。室長を助けてください。そして、室長・・・一緒に小野瀬さんを救ってください」
・・・神様。
私は、隣り合って眠る小野瀬さんの左手をとり、室長の右手にそっと重ねた。
そして、その上から二人の手をぎゅっと握りしめて、額ずくようにその手に唇を寄せる。
・・・彼らは愛する人のキスで目覚める・・・
そんな魔法があるなら一度だけでいいから私に使わせて・・・!
『大丈夫だよ』
翼
「え?」
誰の声?と思って顔を上げようとしたらそっと手を掴まれる。
そして手を引き寄せられて吸い込まれるように小野瀬さんに口付けられた。
翼
「お・・のせさん!?」
慌てて離れようとしたら、
その拍子に、握ったままの二人の手を引いてしまって。
次の瞬間、小野瀬さんと室長の唇が重なった。
翼
「あっっ!!」
同時に二人の眼が開く。
私の目の前で、口付けながら見つめあう二人。
「「・・・・・・・。」」
穂積
「・・・なに・・・しやがるんだ、てめえ!!!」
地獄の底から響くような口調は、確かに室長のもの。
小野瀬
「えー、なんか役得みたいだから、もうちょっとこのままがいいんだけど」
軽く受け流すウィットに富んだ口調は、いつもの小野瀬さんのもので。
穂積
「ふざけてないでこの手をとっとと離せ!しかも、どさくさに紛れていつまでも櫻井の手まで握ってるんじゃねぇ!!」
その声も姿も、本来の二人のもの。
ずっと、ずっと待っていた二人の本来の姿。
翼
「室長・・・!小野瀬さん!!・・・良かった・・・!!!」
思わずそのまま二人に抱き付くと。
穂積
「・・・っってえええええええ!!!」
小野瀬
「おや、痛みが消えちゃったよ。何ともない」
軽やかにその身を起こした小野瀬さんとは対照的に、
私の身体を受け止めた室長は、本来の痛みに思いっきり呻くはめになってしまった。
ごめんなさい、室長。
ありがとうございます、小野瀬さん。
そして、身勝手な私を、どうか許してください・・・明智さん。
こんなに時間かけてこれか????
ご期待の展開に近づいてるでしょうか???
土下座だあああああ;;
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06/18(Tue) 22:39
せつなさん、ありがとうございます♪
小春
面白過ぎます(笑)
06/18(Tue) 23:14
可笑しい( ̄▽ ̄;)
くちびる
まさか2トップのちゅ~(〃ω〃)展開とは!最高ですね♪ナイスです(⌒‐⌒)
やっと本来の2人に戻れましたね~(*≧∀≦*)
でもまさかまたちゅ~する事になるとは…。
反省会に持って行く明智さんへの手土産用意しなくっちゃ♪地元のスウィーツ調達します~ヽ(・∀・)ノ
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06/18(Tue) 23:24
くちびるさん、ありがとうございます♪
小春
~いつもの居酒屋~
明智
「では、室長と小野瀬さんの退院を祝って、乾杯!」
全員
「乾杯!」
数日後、いつもの居酒屋。
室長の退院に併せ、先に退院していた小野瀬さんの退院祝いも兼ねた、ささやかな宴会が開かれた。
室長の職場復帰は明日から。
穂積
「何か、納得がいかねえんだけどな」
室長にしてみれば、事故から数日で「小野瀬さん」として鑑識に復帰しているわけだから、その気持ちは分からないでもない。
ぶつぶつ言いながら焼酎の瓶を持ち上げ、透明な液体をコップに注ごうとした室長の手から、両方を取り上げたのは明智さん。
明智
「室長、まだ完治したわけではないんですから、アルコールは控えて下さい」
真顔で言って、明智さんは一升瓶を藤守さんの方に押しやってしまう。
穂積
「堅い事を言うなよ、明智ぃ」
室長が猫撫で声を出すけれど、明智さんは知らんぷりで、代わりにウーロン茶のペットボトルを室長の手に握らせる。
明智
「これならいくら飲んでも構いません」
室長は泣きそうだ。
穂積
「俺に、ウーロン茶で刺身を食えと言うのか……」
明智
「一昨日まで小野瀬さんだったんですから大丈夫です」
明智さんは、あくまでもクールだ。
明智
「この際、健康の為に禁酒とまではいかなくても、酒量を減らしたらいかがですか?」
穂積
「……じゃあ、せめてウーロン割りにして」
明智
「ウーロン茶の水割りならいいですよ」
穂積
「一瞬喜んじゃったじゃねえか!」
明智
「ウーロン茶をロックにしますか」
とりつく島の無い明智さんに、室長がついに両手を合わせた。
穂積
「明智ぃ、頼む。愛してるから。一杯だけ。なっ」
明智
「俺も愛してますよ。室長は、俺にとっても大切で、かけがえの無い人なんですから。ずっと元気でいてほしいんです。今回のような事は、もう、ごめんです」
穂積
「明智……」
明智
「ですから、今日はウーロン茶で」
穂積
「明智……(涙)」
室長はがっくりと肩を落とした。
小野瀬
「ははは、穂積。両想いで良かったじゃないか」
ひょいと二人の間に入ったのは小野瀬。
小野瀬
「でもね、明智くん。穂積は俺のだから」
顔を上げた明智と小野瀬の間で、火花が散った。
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06/18(Tue) 23:46
このまま。
清香
小春さんが締めて下さるのかしら。
なら、私は反省会の準備に取り掛かろう( ゚Д゚)ゞ
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06/18(Tue) 23:51
こんな感じで締めちゃっていいのかしら。
小春
最後に明智さんを書いておきたかったの。
サラッと締めますわ。
清香さん、明日は土下座会ですよ。
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06/19(Wed) 00:29
皆様ありがとうございました!
小春
明智
「櫻井」
翼
「はっ、はい?」
急に呼ばれて、私は飛び上がってしまった。
明智
「注いでくれ」
小野瀬さんと睨み合いを続けたままの明智さんから差し出されたのは、ビールジョッキ。
逆らえる雰囲気ではないので、とくとくとビールを注ぐ。
翼
「明智さん、どうぞ」
明智
「悪いな」
一瞬だけ振り向いた明智さんが、笑顔を見せてくれた。
久し振りに見る、懐かしい笑顔。
涙ぐみそうになっていると、明智さんの横顔越しに、室長と目が合った。
室長は微笑んで頷き、私も小さく頷き返した。
ゆっくりと、少しずつでいい。
室長の眼差しがそう言っている。
明智を好きなままでいい。
明智を好きなお前ごと、俺はお前を愛するから。
ゆっくり、俺を好きになれ。
あの日、目覚めた室長は、そう言って私を抱き締めてくれた。
真実の室長の身体と声と。
そして、心で。
~END~
清香さん、ありがとうございます。
小春
~小野瀬《身体は穂積》vision~
穂積の病室。
藤守
「……」
小笠原
「……」
如月
「……」
明智
「……」
小野瀬(身体は穂積)
「……と、いうわけ」
夜中にも関わらず明智くんに緊急召集された捜査室の面々は、俺の説明が終わる頃には、すっかり目覚めて真剣な表情になっていた。
小笠原
「ありえない」
如月
「すげー」
藤守
「どうすれば室長は元に戻るんすか?」
三者三様の反応は予想通りのもので。
明智
「それをこれから考える」
小野瀬
「きみたちにも力を貸して欲しいんだ」
ガリガリくん&フトシくんに知らせるなら、当然こうなるかな?
06/17(Mon) 08:45
とも
会話ばっかり。
~小野瀬vision~
明智
「とりあえずは周りには気づかれないように注意しないとな。仕事の件はいつも通り室長に全て報告。小笠原は平行して入れ替わってしまった原因をできるだけ調べてくれ」
小笠原
「もうやってる」
藤守
「俺らもあたってみますわ」
明智
「そうしてくれ」
如月
「あの、ちょっといいですか?」
藤守
「どないした、如月?」
如月
「室長と小野瀬さんって、転落した時は二人一緒に落ちたんですよね?その時と同じ衝撃を与えるといいんじゃないですか?」
藤守
「そうか、それええな!」
小笠原
「あのねぇ。テレビやアニメならそれでもいいだろうけど、今同じことしたら室長の身体がどうなるかわからないよ。」
藤守・如月
「………」
小野瀬
「ハハっ」
こんなときに笑ってしまうのも不謹慎だけど、捜査室の連中が必死で穂積の事を心配してるのをみて少し羨ましいと思ってしまった。ラボにも太田や細野、それに頼りになる仲間はいる。でも俺はあまりその事を口にしないから、どう思われているのかわからないけど。
それよりも穗積と櫻井さんはどうしたかな?明智くんには悪いけど、今回の事で二人が上手くいってほしいな。
まーくん、ごめんなさい。やっぱり室長を幸せにしてあげたいの。
[削除]
06/17(Mon) 12:00
本当にごめんなさい
小春
~翼vision~
翌朝。
私は、出勤してきた藤守さんから、昨日の深夜、室長(中身は小野瀬さん)の病室で交わされた会話の全貌を聞いた。
一方で私は、小野瀬さん(中身は室長)のラボで聞いた限りの内容を藤守さんに報告する。
……もちろん、小野瀬さんの姿の室長に抱き締めてもらった事は、秘密。
今朝はまだ、明智さんに会っていない。
明智さんとは、昨夜、言い争うようにして別れたまま。
私の気持ちを分かってもらえなかった、気まずいままだ。
藤守
「明智さんは、当分、病院の小野瀬さんの方に居て、善後策を探すそうやで」
翼
「えっ?」
藤守
「端から見たら、捜査について、病院にいる室長から指示を受けてます、いう格好やな」
明智さんが捜査室に来ない?
翼
「じゃあ、藤守さんが室長代理ですか?」
藤守
「建前は、そやな。実際には、ラボに室長がおるやん。小野瀬さんやけど。何やややこしいな」
確かにそうだけど。
……明智さんに、嫌われちゃったかな。
ずきり、と胸が痛んだ。
明智さんが怒るのも当然だ。
行くな、と言われたのに、止める手を振り払ってしまった。
でも、あの時は夢中で、室長の事しか考えられなかった。
明智さん。
生まれて初めて、私が全てを捧げた人。
いつだって、真っ直ぐな言葉で愛情を伝えてくれた。
冷静に見えて、誰よりも熱く私を求めてくれた。
大好きだったのに。
……ごめんなさい。
[削除]
06/17(Mon) 16:59
小春さんの心の声が漏れ始めた。
清香
~翼vision~
あれから3日経ったが、明智さんとは全く会うことができなかった。
相変わらず室長の(中身は小野瀬さんだけど)お見舞いには毎日行くようにしてはいたものの、毎回すれ違ってばかりで。
…もう、ダメなのかな。
一度だけ送ったメールも、『信じてやれなくてゴメン。』としか書かれておらず、私は明智さんの心も、自分の心さえも見えなくなってしまっていた。
どうしてあの時、私は明智さんの元から室長の元へと行ってしまったんだろう。
ただ真実が知りたかっただけなんだろうか。
ならば、どうして室長の腕に、胸に飛び込んでしまったんだろうか。
自分で自分に問いかけても、答えが出てこない。
あるのは、胸の奥のもやもやとした感覚だけだ。
翼
「ハァ……。」
自動販売機を前にため息をつくと、後ろから長い腕が横を通り抜け、コインを入れる。
『ガコンッ』っと音を立てて、オレンジジュースが落ちた。
穂積(外見は小野瀬)
「どうしたの、暗い顔をしちゃって。」
翼
「しつ……、小野瀬さん…。」
穂積
「何か困った事でもあったの?俺でよければ話を聞くよ?」
ラボ以外では小野瀬さんの口調で話すようにしているのか、今の室長は本当に小野瀬さんみたい。
オレンジジュースを手渡され、休憩スペースのソファーに座るよう促されたのだが。
でも、今の気持ちを話しても…いいのかしら。
自分でもどうしたいのか、分からないのに。
言い淀んでいると、いつものように優しい手が頭を撫でてくれる。
穂積
「俺だって、お前の事ならどんな事でも受け止めてやる。不安な事があるなら、何でも言えよ?」
私にだけ聞こえるように呟かれた言葉は『室長』のもので。
思わず胸がどきりと音をたてる。
翼
「室長…。」
穂積
「ん?なんだ?」
小さく、本当に小さく、私にだけ聞こえる『室長』の言葉が心地いい。
だからこそ、『室長』の声が聞きたくなる。
翼
「…室長に会いたいです。」
穂積
「櫻井…。」
翼
「室長に…会えたら……。」
何か、答えが出るような気がしていた。
それが何かは分からないけれど、室長である小野瀬さんの瞳を見ると、何となく確信めいたものを直感で感じる。
穂積
「そうだな…。」
頭を一つ撫でると、室長も何かを決意したかのように、勢いよく立ち上がった。
そして真っ直ぐな瞳で私を見下ろしている。
穂積
「今日は早めに終わらせて、一緒に穂積の病院へ行こう。…必ずどうにかしてみせるから。」
翼
「…はい。」
そう言い残してラボへと戻る室長の背中を、私はジッと見つめていたのだった。
[削除]
06/17(Mon) 17:38
とも
~明智vision~
翼とケンカ別れしてから3日程経ったが一度も顔を合わせていない。というよりも、俺が合わせられないと言った方がいいか。
あの時、翼が哀しそうな顔で俺の腕の中から離れていった時。 きっと俺なら自分の考えに協力してくれるだろうと思っていただろう。
それなのに、俺には出来なかった。目の前の小野瀬を室長だという翼に真っ向から否定してしまった。
一言でもいいから謝りたいと思うものの、いざ彼女がこちらに来る頃になるとどうしても逃げようとしてしまう。
小野瀬(身体は穂積)
「明智くんは櫻井さんの事が嫌いになっちゃったのかな?」
明智
「………」
クスクス笑う小野瀬にイラっとしそうになるのを堪える。
小野瀬
「いい加減、彼女から逃げるように居なくなるの、やめたらどうなの?自分のせいでキミを苦しめてるの分かってるから、櫻井さん、いつも泣きそうな顔でここに来るんだよ」
突然、小野瀬の顔から笑みが消え、凄まじい程の冷たいオーラが明智に向かって放たれた。
小野瀬
「いつまでもこんなことを繰り返すなら、穂積が黙ってないよ?」
明智
「何で、室長なんですか」
小野瀬
「アイツはただの職場のお父さんじゃないってコトだよ」
[削除]
06/17(Mon) 17:51
清香さん、ともさん、ありがとうございます♪
小春
お二人ともステキ。
ワタクシは微妙に被りましたので、ここはお任せしてまた別のパート書きますわ(ゝω・´★)
06/17(Mon) 19:54
読者になってます。
桜夜
皆様素敵すぎます!!
今回は読者モードです。
でも、皆様がえがくストーリーが本当に切なくて…(>_<)
ごめんなさい、明智さん…土下座の覚悟は出来ております。
ってか、皆、室長大好きですよね(^o^)/
私も大好きです。
引き続き読者モードですが…何か提案があれば…参上します。
見逃せない展開です!
[削除]
06/17(Mon) 20:32
桜夜さん、いらっしゃーい\(~o~)/
小春
お越し頂きありがとうございます。今回は読者さま?
それもいいですけど、せっかくいらしたなら2、3行ぶっ込んでってくださいよ(←オイ)
飛び入り歓迎ですからね、いつでもお待ちしております(  ̄▽ ̄)
[削除]
06/17(Mon) 22:29
続けますよ。
とも
~翼vision~
その日の夜。
室長(身体は小野瀬)は約束通り仕事を切り上げてくれた。
そして、今から一緒に病院にいる小野瀬さん(身体は穂積)の元へ向かう。
だが、私の足取りは思っていた以上に重かった。
穂積
「櫻井?大丈夫か?顔色が悪いぞ」
櫻井
「…すみません、大丈夫です。いろいろ考えてたら、どうしたらいいのかわからなくなってしまって」
私達がこれから病院に向かう事は、室長から小野瀬さんに連絡済みだ。室長が一緒なら、明智さんは必ず残っているだろう。どんな顔をして会えばいいのか。
すると私の歩く隣から大きな掌が私の頭にポンと置かれた。
穂積
「明智の事が気になるのか?」
やっぱり室長には隠し事ができないな。
櫻井
「…明智さんには酷いことをしちゃいました…。人の中身が入れ替わるだなんて、…そんなこと…普通ならあり得ない事なのに…。私は、勝手に明智さんなら分かってくれると…思い込んでました…」
「…明智さんが行くな、って言ったのに…。私の気持ちが上手く伝えられなくて、彼を怒らせてしまったから…。もう私のこと、嫌いになってるかもしれません…」
そこまでやっとのことで言えたと思うと、涙がとめどなく溢れてきた。
…明智さん、本当にごめんなさい。
泣いても室長にご迷惑を掛けるだけなのに。
何か言葉を発しようとした時、私の身体は室長の腕の中にいた。
[削除]
06/18(Tue) 04:25
寝落ちからの復活。
清香
完全に土下座フラグですね。
~穂積vision~
病院へと向かう間、櫻井はずっと無言だった。
櫻井が明智と連絡を取れていないのは、病室にいる小野瀬から報告を受けていたため、知ってはい
た。
もちろん明智が櫻井から逃げるように距離を取っているということも、だ。
どうして傍にいてやらない。
信じられなかったのなら、これから信じてやればいいのに。
櫻井は、絶対に真っ直ぐに見てくれるというのに。
明智が櫻井に背を向けた以上、俺は櫻井を守ってやる。
何があっても守ってやる。
櫻井は『俺』を見つけてくれたんだから。
穂積
「明智のことが気になるのか?」
だからこそ、お前の本心が知りたい。
なぜあの時、明智の元を離れ、俺の元へと来たのか。
『室長に会いたい。』と言ってくれた言葉の意味は、どこにあるのか。
そして元に戻れた時、お前は誰の腕の中へ行くのか。
きっと今夜が全てに決着をつける時だと、不安げに泣く櫻井を抱きしめながら俺は確信していた。
~病室にて~
穂積(外見は小野瀬)
「…明智、悪かったな。」
俺は病室に入るなり、ベッド脇のパイプ椅子に座る明智へと頭を下げた。
明智
「…室長、なんですね。」
穂積
「あぁ。そうだ。」
立ち上がり、一歩前に進み出た明智の顔を真っ直ぐ見据えたまま答えると、苦しげに明智の顔が歪
んだ。
明智
「どうして…、最初から言って下さらなかったんですか……。」
穂積
「明智…。」
明智
「俺は…、室長の助けになりたかったんです…。室長の……。」
拳を固く握りしめながら俯く明智の声が、少しずつ掠れていく。
いつも真面目に俺の右腕として捜査室を取りまとめてくれた明智にこんな顔をさせるなんて、俺も
どうかしていたんだな。
心配をかけさせたくないという想いが、かえって仇になったのかもしれない。
櫻井の事は別として、素直に申し訳ないという想いが湧きあがって来る。
穂積
「明智…、本当にすまなかった。許してくれ。」
再び深々と頭を下げると、明智に肩を掴まれ、無理やり頭を上げさせられる。
明智
「室長…、もうやめて下さい。……それに俺は櫻井のように信じ切れませんでした。」
明智の瞳が、俺の後ろで小さく固まる櫻井を見つめていた。
明智
「翼は…、櫻井は最初から室長を信じていました。俺は真実を見せられてもすぐに信じる事ができ
なかった。それだけです。」
翼
「明智さん…。」
明智
「櫻井、本当にすまなかった。お前の言う事を信じてやれなくて。」
今度は明智が櫻井に頭を下げた。
微かに震える櫻井を守るように、俺は櫻井の背中に手を添えながら一歩前に出るよう促す。
大丈夫、俺がついているから。
翼
「そんな…、やめて下さ…い。」
明智
「室長と同じように俺のことも信じてくれていたのに、俺はお前に応えてやる事が出来なかった…
。お前の信頼に足る男になれなかった…な。」
そう言いながら笑う明智の瞳は、どこか寂しそうな色をしていた。
明智
「室長のように、お前の全てに応えられるような男になれたら………、また付き合ってくれ。」
翼
「明智…さん…」
櫻井が静かに涙を流しながら、震えている。
その小さな背中を守るように手を添えていると、明智が俺に向き直った。
明智
「…俺は翼の『大切なもの』にも、『どうしても失えないかけがえのないもの』にはなれませんで
した。…ですから、室長が彼女を、翼を守ってやって下さい。」
穂積
「明智…。」
『よろしくお願いします。』とだけ言い、明智は一礼をして後ろを振り返らずに病室を後にした。
[削除]
06/18(Tue) 04:28
再び連投してみる。
清香
小野瀬
「明智君はね、決して櫻井さんの事も、穂積の事も嫌いになったわけじゃないよ。」
それまで静観していた小野瀬が、静かに話し始めた。
小野瀬
「自分が嫌になったんだよ。櫻井さんも穂積も真実に向き合っているのに、逃げることしかできない後ろ向きな自分にね。」
思わず視線が明智が出て行ったドアに向けられてしまう。
小野瀬
「おっと、分かってるとは思うけど、追ったらダメだよ?。振り返らずに行ったのが明智君のプライドだからね。」
咎めるような小野瀬の言葉に、思わず怒りがこみ上げてくる。
穂積
「なぁ、小野瀬。…お前、いつから分かってた?」
ベットの上で微笑む小野瀬を見ると、外見は自分だからか余計に苛立ちが募る。
仕事と櫻井のことにばかり気がいっていて、明智が自ら身を引くと言う可能性を考えてやれなかった自分に。
小野瀬
「そんなに睨むなよ。自分の顔でもいい気分はしない。」
穂積
「うるせぇ、答えろ。」
小野瀬
「正直なところ、この1~2日だな。入れ替わりを元に戻す方法を話し合いながら、少しずつカウン
セリングをしたからね。」
穂積
「そうか…。」
小野瀬
「でも、自分できちんと穂積に向かって言えていたから、彼はきっと大丈夫だ。自分で乗り越えられるはずだよ。」
そうあってくれればいいんだが。
もう一度明智が出て行ったドアを見ると、隣で翼が唇をかみしめていた。
綺麗な桜色のくちびるに、ほんのり血の色が浮かぶ。
穂積
「…櫻井。」
震える肩を抱き寄せると、再び大きな瞳から涙がこぼれた。
翼
「明智さんは悪くないんです…。私が……。」
穂積
「いいから。自分を責めるな。」
誰が悪いんじゃない。
皆、ただ大切な人を守りたいだけなんだから。
宥めるように翼の髪を撫でてやると、小野瀬がベッドの上で盛大にため息をついた。
小野瀬
「…あのさ、見た目は自分だから決して悪い気はしないんだけど、それ一応俺の身体だからね?」
穂積
「知ってる。」
小野瀬
「そうやって好き勝手していると、元に戻った後も同じようにしなくちゃいけなくなるんじゃない?俺は一向に構わないけれど。」
穂積
「大丈夫だ。今日、元の身体に戻るぞ。」
小野瀬
「…って、どうやって?」
正直本当に元に戻れるかの勝算なんてまったく無かった。
それでも、やってみなくちゃ分からない。
というか、これ以上小野瀬の姿で翼のことを抱きしめるくらいなら、骨の1本や2本余分に折れたって構わないとさえ俺は思っていたのだった。
06/18(Tue) 04:47
私も落ちてたm(__)m
小春
ともさん、清香さん、大仕事ありがとうございます。
この続きは、ワタクシ書きかけてありますので、もう少しお待ちをm(__)m。
[削除]
06/18(Tue) 07:37
おはようございます。
小春
ともさん、清香さん、連日ありがとうございます。
リアルタイムリレーSS、いよいよ完結へ向かいます。
作家様、読者様、本日もよろしくお願いしますm(__)m
~穂積《身体は小野瀬》vision~
その時。
?
「殴っちゃダメですよ、ボス」
笑いを含んだ声がして、俺たちは一斉にそちらを振り返った。
見覚えのある男。
そして、今夜ここにいるはずのない男。
穂積
「…………山田……?」
そこにいたのは、あのキャンプ場の従業員、山田太郎だった。
小野瀬
「……面会時間は過ぎているよ」
俺が、そっと、背に庇うようにして山田から遠ざけた櫻井を、ベッドにいる小野瀬が、引き寄せるようにしてさらに守る。
俺の感じた違和感を、小野瀬も感じているらしい。
何だ?
この、得体の知れない感覚は?
山田
「審判を下しに来たんです」
山田は例の、感情の読めない笑みを浮かべた。
穂積
「……」
審判?
……オリエンテーリングの朝、こいつは同じ事を言った。
だが……
翼
「まさか、あなたが、この二人に何かをしたの?!」
震える櫻井の声が、俺たちの声を代弁した。
山田は少し笑顔を翳らせ、首を傾げる。
山田
「言っておくけど、転落したのは事故だよ。僕は、倒れた二人に小さな魔法をかけただけ」
翼
「……魔法?」
穂積
「……櫻井、こいつと話すな」
俺は山田を見据えたまま、背後の櫻井を制した。
こいつは危険だ。
山田
「さすが、ボス」
山田は視線を戻して、俺にまたあの笑顔を向けた。
山田
「僕は、前の日からずっと、あなた方を見ていた。そして考えていた。本当に彼女に相応しいのは誰なのか、とね」
山田は、探るように俺を見た。
穂積
「……前日から見ていたなら分かっただろう。明智だ」
山田が肩をすくめた。
山田
「見ていましたよ。一時の欲望に抗えない、頼りない理性。場所も彼女の羞恥心も自分の行動の結果もわきまえない、暴走しがちな男」
穂積
「……正直なだけだ。あいつを侮辱すると許さんぞ」
緩みかけていた拳を握ると、山田はおどけた様子で軽く頭を下げた。
山田
「……片や、彼女に想いを寄せていながら、その恋人である男を窮地から救い、さらには、彼女を安心した眠りにつかせる事の出来る男」
ふふ、と笑って、山田は俺にウインクした。
山田
「どちらがより彼女に相応しいか、もう明白でしょう?」
穂積
「……それを決める権利は、お前には無い!」
山田
「その通りです。だから、彼女に決めてもらう事にした」
山田は本当に楽しそうだ。
山田
「僕は、転落したあなた方二人に近付いて、暗示をかけた。お互いを、自分だと思い込む暗示をね」
穂積
「何だと?!」
山田の言葉に衝撃を受けながらも、頭の中で、絡んだ糸が解けてゆく。
山田
「そう。入れ替わっていないんです。ただ、ボスはご自分を鑑識官殿だと、鑑識官殿はご自分をルイルイだと思い込んでいるだけ」
山田はついに、声を立てて笑った。
山田
「たったそれだけで、真実は明らかになるものなんです」
山田はそれだけ言うと、不意にベッドに数歩近付き、小野瀬に向かってパチン、と指を鳴らした。
俺の姿の小野瀬が、糸が切れたようにベッドに倒れ込む。
翼
「きゃああ!」
穂積
「てめえっ!」
振り返った山田が、俺に笑顔を向ける。
山田
「あなたは最後まで、自分ではなく相手の幸せを願った。僕はとても見たかったものを見た」
待て、と叫ぼうとした。
どこまでが真実なんだ?
山田
「僕のクエストは終わりです」
山田が指を鳴らす直前、泣きながら俺に縋ろうとする櫻井の姿が見えた。
山田
「おめでとう、ボス。再見」
パチン、という無機質な音とともに、俺の意識は暗転した。
[削除]
06/18(Tue) 08:23
おはようございます♪
くちびる
昨日は残業&寝落ちで全く絡めず…今も電車の中ですへ(^^へ)
出て来ましたね~山田太郎♪この後の展開楽しみです(⌒‐⌒)
[削除]
06/18(Tue) 08:28
やっぱり
とも
山田の仕業やったのね。
翼vision~
私は目の前で起こった出来事をなかなか理解できないでいた。
怪我をした二人に暗示をかけて、お互いを入れ替わったように見せて、あの山田って人は何がしたかったの?
彼のせいで、私はこの数日間どんなに苦しかったことか。
ずっと感じてた違和感はすっかり無くなったけど、それと共に無くしたものもあった。
でも、新たに芽生えた気持ちもある。
いつでも私の傍で時には厳しく、時には温かく見守ってくれた人。
その存在がただ安心させてくれるだけでなく、何か別の感情をも呼び起こしてくれたようで。
私はベッドまでそっと近づき、彼の手をそっと握った。
さぁ、ラストまでもう少しですよ~
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06/18(Tue) 09:01
くちびるさん、ともさん、ありがとうございます♪
小春
~翼vision~
含み笑いを続けている山田くんを振り返って、私は睨みつけた。
翼
「人の気持ちを弄んで、楽しいですか?!」
山田
「楽しいよ。すごく」
山田くんは全く悪びれない。
翼
「……あなたに聞きたい事があります」
山田
「何なりと」
山田くんは、貴婦人にするように一礼した。
翼
「……私は、小野瀬さんが思い描く室長に恋をしたんですか?」
山田
「厳密に言えば、そうだね。この数週間、きみが接したのは、鑑識官どのの中にいる、幻のルイルイだ」
翼
「……」
山田
「美しくて賢いマルガレーテ。これは、あの二人が、互いをよく知り尽くした親友だからこそ可能だった魔法なんだよ」
翼
「……考えると混乱しそうです」
山田くんは微笑んで、私の髪に触れようとした。
私はそれを拒んで、室長にしがみつく。
山田
「考える必要はないよ。きみが求めた相手、今、きみが触れたいと思う相手こそが、真実」
翼
「……」
私は、室長に視線を戻した。
山田
「いつからその相手を好きだったか、少し思い出してみれば、よく分かるはずだよ。僕の魔法は、ただのきっかけに過ぎない」
06/18(Tue) 09:43
おはようございます
エミ
壁|ョ゚д゚;)オォ…
引き込まれるように読んでしまいましたー。
完結に向かってますね。
(*´艸`)ドキドキ
そして、ワタクシ、土下座の準備万端です…
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06/18(Tue) 09:52
エミさん、いらっしゃーい\(~o~)/
小春
姿が見えないと思ったらそんな壁際に。
あっ、もう土下座の準備万端ですか?
私もそろそろ白無垢に……もとい、白装束に着替える準備をしてたんですよ。
さあ、土下座に向かってラストスパートしましょうか。
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06/18(Tue) 10:18
山田は曲者。
小春
~翼vision~
翼
「……あなたの言葉の、全てをそのまま信じる事は出来ません」
私が言うと、山田くんは首を傾げた。
山田
「?」
翼
「だって、室長の言葉も、小野瀬さんの態度も、もっと複雑でした。あなたが今説明したような、そんな単純な入れ替わりだとはとても思えません」
山田
「……きみは本当に賢いね、マルガレーテ」
山田くんは、感心したような顔をして私を見た。
山田
「もちろん、もっと複雑なトリックだよ。見舞い客なんかを装って、何度も暗示をかけ直したしね」
山田くんは、小野瀬さんと室長を、ゆっくりと交互に見た。
山田
「でもね、惑わされてはいけない。さっき言ったように、真実は明快なんだ。彼らが目覚めれば分かるよ」
私はハッとした。
翼
「いつ、目覚めるんですか?!」
山田くんは、ふふ、と笑った。
山田
「彼らは、愛する人のキスで目覚める」
翼
「えっ?!」
私は思わず室長の寝顔を確かめてしまった。
翼
「その、愛する人って……」
振り返った時、山田くんの姿はもう、どこにも無かった。
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06/18(Tue) 10:54
終わりが見えてきましたね。
清香
遺書の用意をしておくか。
~翼vision~
突然現れて、煙のように消えてしまった山田さん。
彼は本当に何者なのだろう?
どれだけ考えても答えなんてみつかりそうにないが、今は室長と小野瀬さんを目覚めさせるのが先決だ。
しがみつくように抱きしめていた室長をそっと見る。
…本当に目を覚ましてくれるのかしら。
また山田さんに騙されているんじゃ、担がれているんじゃないかしら。
不安はもちろん、ある。
でも、それ以上に室長に会いたかった。
小野瀬さんの姿じゃない、本物の室長に会いたかった。
その時、明智さんに言った言葉を思い出す。
『とっても大切なものなんです。どうしても失えないかけがえのないもの・・』
翼
「失いたくない…大切なもの……」
いつも優しく、時に厳しく守ってくれていた。
心も、体も、全部。
だから、今度は私が守る番。
翼
「室長、起きて下さい…」
溢れる涙を止められないまま、私は室長のくちびるにそっとキスをした…。
→
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06/18(Tue) 16:00
今休憩時間です(⌒‐⌒)
くちびる
私も土下座の覚悟できましたよ~゜゜(´O`)°゜隅っこで待機してますね。ドキドキする( ´△`)
06/18(Tue) 16:22
くちびるさんいらっしゃーい\(~o~)/
小春
あら、アナタも読み逃げ?Σ(´□`;)
明智さんは柔道黒帯で警視庁きっての狙撃手ですよ。隅っこにいても逃げられません。
ワタクシなんか、土下座の後は堂々と「お仕置きなら寝技でお願いします」って言うつもり。ウフフ。
それにしてもみんな見学か。
小野瀬さんとのちゅーの権利がまだあるのになあ。
勇者は現れないのかしら。
ちゅーと言えばせつなさん(※)だけど忙しいだろうなあ。
(※)アメリカ外伝参照。
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06/18(Tue) 16:55
とも
小野瀬さんとのちゅーはどなたかにお譲りしますよ~。
…私も明智さんの喜ぶスイーツを用意しようかな…。
え?まさかそれだけで許してもらえるとはこれっぽっちも思ってませんよ(゜゜;)
なんなら吊し上げられときますからっ。
あ、小春さんは寝技を頼むんかぁ…。ええな、それ。
(あれ?)
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06/18(Tue) 17:11
ともさん、いらっしゃーい\(~o~)/
小春
ともさんたら、吊し上げられて明智さんと吊るされ仲間になるつもりだなんて、上級者?!(///∇///)(何の)
反省会には明智さんの為に地元スイーツを持参する事に決定ですね(;´д`)
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06/18(Tue) 17:14
あらまぁ。
清香
皆さんぶっこまないんですか(´・ω・`)
小野瀬のチューですよ?
オイシイですよ?(色んな意味で。)
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06/18(Tue) 17:36
清香さん、いらっしゃーい\(~o~)/
小春
さすがお姉様、やる気満々ですねっ。
私もまだスイーツ検索してる場合じゃないわね(゜ロ゜)
06/18(Tue) 19:09
せつな
小野瀬さんのちゅーだと?
いやあああああああああああ(; ・`д・´)
なんて展開になってるんですかああああああああああ;;
ちょっと小野瀬さんのちゅーに絡めないと死んでも死に切れません~~~
数度読み返しますので、ちょっとワタクシにちゅーする時間をくださいませ( ;∀;)
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06/18(Tue) 19:22
せつなさんいらっしゃーい\(~o~)/
小春
間に合った(*´∀`)♪
さすがせつなさん(笑)
皆様、小野瀬さんのちゅーはせつなさんに譲ってあげてくださいませね♪
せつなさん、みんなが待ってるアレでお願いしますよ(´ 3`)
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06/18(Tue) 21:31
やっぱり
とも
小野瀬さんのちゅーといえばせつなさんやね。
いやん、期待しちゃう♪
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06/18(Tue) 22:17
まさかの3ぴーキス@@?
せつな
小さな・・・触れるだけのキス。
だけど、ありったけの勇気を振り絞って・・・今の正直な想いを込めた、精一杯のキス。
なのに、どうしてか祈りは届かない。
室長の瞼は閉ざされたままで、あの透き通った碧い瞳は私を映してはくれない。
翼
「室長・・・起きてください・・・。どうか、眼を開けて、私を見てください」
ポタポタと涙が室長の頬に零れる。
何がいけないんだろう?
私じゃ、何かが足りなくて室長を目覚めさせることができないのかしら?
山田さんは、あの時何と言ったの?
たしか・・・、『彼ら』と言った。
もしかして、二人ともが同時でなければ目覚めないとしたら?
小野瀬さん・・・
いつも私を励ましてくれる優しい貴方ならどうしたらいいのか知っているはずですよね・・・?
翼
「小野瀬さん?聞こえますか?お願いします。私に力を貸してください。室長を助けてください。そして、室長・・・一緒に小野瀬さんを救ってください」
・・・神様。
私は、隣り合って眠る小野瀬さんの左手をとり、室長の右手にそっと重ねた。
そして、その上から二人の手をぎゅっと握りしめて、額ずくようにその手に唇を寄せる。
・・・彼らは愛する人のキスで目覚める・・・
そんな魔法があるなら一度だけでいいから私に使わせて・・・!
『大丈夫だよ』
翼
「え?」
誰の声?と思って顔を上げようとしたらそっと手を掴まれる。
そして手を引き寄せられて吸い込まれるように小野瀬さんに口付けられた。
翼
「お・・のせさん!?」
慌てて離れようとしたら、
その拍子に、握ったままの二人の手を引いてしまって。
次の瞬間、小野瀬さんと室長の唇が重なった。
翼
「あっっ!!」
同時に二人の眼が開く。
私の目の前で、口付けながら見つめあう二人。
「「・・・・・・・。」」
穂積
「・・・なに・・・しやがるんだ、てめえ!!!」
地獄の底から響くような口調は、確かに室長のもの。
小野瀬
「えー、なんか役得みたいだから、もうちょっとこのままがいいんだけど」
軽く受け流すウィットに富んだ口調は、いつもの小野瀬さんのもので。
穂積
「ふざけてないでこの手をとっとと離せ!しかも、どさくさに紛れていつまでも櫻井の手まで握ってるんじゃねぇ!!」
その声も姿も、本来の二人のもの。
ずっと、ずっと待っていた二人の本来の姿。
翼
「室長・・・!小野瀬さん!!・・・良かった・・・!!!」
思わずそのまま二人に抱き付くと。
穂積
「・・・っってえええええええ!!!」
小野瀬
「おや、痛みが消えちゃったよ。何ともない」
軽やかにその身を起こした小野瀬さんとは対照的に、
私の身体を受け止めた室長は、本来の痛みに思いっきり呻くはめになってしまった。
ごめんなさい、室長。
ありがとうございます、小野瀬さん。
そして、身勝手な私を、どうか許してください・・・明智さん。
こんなに時間かけてこれか????
ご期待の展開に近づいてるでしょうか???
土下座だあああああ;;
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06/18(Tue) 22:39
せつなさん、ありがとうございます♪
小春
面白過ぎます(笑)
06/18(Tue) 23:14
可笑しい( ̄▽ ̄;)
くちびる
まさか2トップのちゅ~(〃ω〃)展開とは!最高ですね♪ナイスです(⌒‐⌒)
やっと本来の2人に戻れましたね~(*≧∀≦*)
でもまさかまたちゅ~する事になるとは…。
反省会に持って行く明智さんへの手土産用意しなくっちゃ♪地元のスウィーツ調達します~ヽ(・∀・)ノ
[削除]
06/18(Tue) 23:24
くちびるさん、ありがとうございます♪
小春
~いつもの居酒屋~
明智
「では、室長と小野瀬さんの退院を祝って、乾杯!」
全員
「乾杯!」
数日後、いつもの居酒屋。
室長の退院に併せ、先に退院していた小野瀬さんの退院祝いも兼ねた、ささやかな宴会が開かれた。
室長の職場復帰は明日から。
穂積
「何か、納得がいかねえんだけどな」
室長にしてみれば、事故から数日で「小野瀬さん」として鑑識に復帰しているわけだから、その気持ちは分からないでもない。
ぶつぶつ言いながら焼酎の瓶を持ち上げ、透明な液体をコップに注ごうとした室長の手から、両方を取り上げたのは明智さん。
明智
「室長、まだ完治したわけではないんですから、アルコールは控えて下さい」
真顔で言って、明智さんは一升瓶を藤守さんの方に押しやってしまう。
穂積
「堅い事を言うなよ、明智ぃ」
室長が猫撫で声を出すけれど、明智さんは知らんぷりで、代わりにウーロン茶のペットボトルを室長の手に握らせる。
明智
「これならいくら飲んでも構いません」
室長は泣きそうだ。
穂積
「俺に、ウーロン茶で刺身を食えと言うのか……」
明智
「一昨日まで小野瀬さんだったんですから大丈夫です」
明智さんは、あくまでもクールだ。
明智
「この際、健康の為に禁酒とまではいかなくても、酒量を減らしたらいかがですか?」
穂積
「……じゃあ、せめてウーロン割りにして」
明智
「ウーロン茶の水割りならいいですよ」
穂積
「一瞬喜んじゃったじゃねえか!」
明智
「ウーロン茶をロックにしますか」
とりつく島の無い明智さんに、室長がついに両手を合わせた。
穂積
「明智ぃ、頼む。愛してるから。一杯だけ。なっ」
明智
「俺も愛してますよ。室長は、俺にとっても大切で、かけがえの無い人なんですから。ずっと元気でいてほしいんです。今回のような事は、もう、ごめんです」
穂積
「明智……」
明智
「ですから、今日はウーロン茶で」
穂積
「明智……(涙)」
室長はがっくりと肩を落とした。
小野瀬
「ははは、穂積。両想いで良かったじゃないか」
ひょいと二人の間に入ったのは小野瀬。
小野瀬
「でもね、明智くん。穂積は俺のだから」
顔を上げた明智と小野瀬の間で、火花が散った。
[削除]
06/18(Tue) 23:46
このまま。
清香
小春さんが締めて下さるのかしら。
なら、私は反省会の準備に取り掛かろう( ゚Д゚)ゞ
[削除]
06/18(Tue) 23:51
こんな感じで締めちゃっていいのかしら。
小春
最後に明智さんを書いておきたかったの。
サラッと締めますわ。
清香さん、明日は土下座会ですよ。
[削除]
06/19(Wed) 00:29
皆様ありがとうございました!
小春
明智
「櫻井」
翼
「はっ、はい?」
急に呼ばれて、私は飛び上がってしまった。
明智
「注いでくれ」
小野瀬さんと睨み合いを続けたままの明智さんから差し出されたのは、ビールジョッキ。
逆らえる雰囲気ではないので、とくとくとビールを注ぐ。
翼
「明智さん、どうぞ」
明智
「悪いな」
一瞬だけ振り向いた明智さんが、笑顔を見せてくれた。
久し振りに見る、懐かしい笑顔。
涙ぐみそうになっていると、明智さんの横顔越しに、室長と目が合った。
室長は微笑んで頷き、私も小さく頷き返した。
ゆっくりと、少しずつでいい。
室長の眼差しがそう言っている。
明智を好きなままでいい。
明智を好きなお前ごと、俺はお前を愛するから。
ゆっくり、俺を好きになれ。
あの日、目覚めた室長は、そう言って私を抱き締めてくれた。
真実の室長の身体と声と。
そして、心で。
~END~