『アメリカ外伝』
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05/20(Mon) 01:40
遊んでごめんなさい。
清香
ジョー
『ちょっと待ったぁぁあ!!』
穂積
『言うタイミングが違うだろう!普通、俺の前に来た時に言うんだろうが!!』
涙を堪える翼を抱きしめながら、ジョーが穂積に噛みつく。
それは胸ぐらを掴みかねない勢いだ。
ジョー
『おかしいでしょうが!どう考えたって「よろしくお願いします」ってツバサの手を取る場面でしょうが!!』
穂積
『なんでお前に決められなきゃいけないんだよ!!』
ジョー
『ハァ?何言ってくれちゃってんのよ?ワタシが決めたんじゃなくて、ツバサが勇気を出して告白したんでしょうが!』
穂積
『どう考えてもお前の差し金だろうが!』
ジョー
『教え子の雄姿を見守るのが師匠の役目でしょうが!』
にらみ合いを続ける二人をどうにか引きはがそうと、ジョーをロバートが、穂積を藤守が食い止めようとするが、お互いの口までは塞げないでいた。
翼
『あ、あの…、もう本当にいいですから…。』
告白した本人ですら置いてけぼりになるほどの剣幕で争う二人に翼の小さな声など届くはずもない。
ロバート
『ジョ、ジョー、気持ちは分かるけど、本当に飛行機に乗らないとニューヨークに帰れないわよ?』
ジョー
『いいのよ!こうなったらツバサをニューヨークに連れて行くから、乗れなくたって構わないわ!!』
翼
『えぇっ!!!』
ロバートの腕を振りほどき、ジョーは翼を再び腕の中に閉じ込めた。
ジョー
『…ツバサ、あなたの事は私が一生をかけて愛するわ。寒い思いもさせないし、枯らさない様にお水もあげる。…だから、一緒にニューヨークに来て?』
穂積
『行くわけ無いだろうが!仕事だってあるんだぞ!
」
ジョー
『そんなの関係ない。私が綺麗な洋服を着せて、綺麗な物だけ見せて生活させてあげるからいいの。』
それくらいの度量は持ち合わせてるわよ!と胸を張りながら言うジョーに、今度は穂積が噛みつく。
穂積
『本人の意思を無視した事をするな!人の役に立ちたいと警察官になった櫻井の気持ちも考えろ!』
ジョー
『なら、ルイもツバサの気持ちを考えてあげれば良かったのよ。てっきりルイもツバサのことが好きだと思ってたけど、やっぱりあの制服の女の子がいいのね!』
このロリコン!っと舌を出しながら言うジョーの言葉に穂積が固まる。
穂積
『な、なんで…、知ってんだ…、よ!』
ジョー
『ルームシェアしていた時にさんざん片付けてあげたじゃない。デスクの上にあった写真ですもの、嫌でも目に着くわよ。』
穂積
『…てめぇ……、余計なこと言うんじゃ…ねぇ!』
ジョー
『フン、余計なこと?妹だとか言ってたのに、ルイには弟しかいないらしいじゃない。経歴詐称で報告しておいても良いけど?』
穂積
『んなもん詐称になるか!』
ジョー
『じゃあ、あの子は誰なのよ?あんなに大事そうに飾っていた子は?』
穂積
『……言えるか。』
顔を赤くしたものの、言う気配すら見せない穂積にジョーが呆れた視線を投げる。
ジョー
『ツバサ、もう本当にニューヨークに来たら?こんなロリコン室長の下より快適よ?』
翼
『い、いやぁ…、せっかく仕事にも慣れてきた所ですし…。』
髪を撫でられてながらも、どうにかしないとマズイのではと思っていると、ジョーの袖のボタンに翼の髪が絡まってしまった。
ジョー
『あらやだ、ごめんなさい。』
翼
『大丈夫です…、よ?』
引っかかっていた髪をほどき、再び絡まないよう一つにまとめていると、ジョーがじっとこちらを見ているのに気がつく。
翼
『ジョー、さん?』
あまりの視線の真剣さに、翼もそのまま身動きが取れないでいた。
翼の髪の毛と、翼の顔を交互に見るジョーの眼は、どこか遠くを見ているようでもあった。
ジョー
『…ねぇ、ツバサ。』
翼
『なんですか?』
ジョー
『高校時代の制服は?』
翼
『ブレザーとチェックのスカートです。』
ジョー
『赤いリボンに、紺色のハイソックスで、いつもポニーテールだった?』
翼
『…ハイ。』
ジョー
『その格好で裁判所に行ったことは?』
翼
『ありま……すね。父にお弁当を届けたりしていました。』
なんで高校時代の姿や裁判所が関係するのか、翼にはまったくもって分からないが、とりあえず聞かれたまま答えていると、穂積の顔がだんだんバツが悪そうなものになって来る。
ジョー
『ルイ、あの大事にしていたお宝写真に映ってたのはツバサじゃない?』
穂積
『…黙秘する。』
ジョー
『OK。ケンジ、コーヘイ、東京に戻り次第、ルイの部屋を家宅捜索して。』
いきなり指名された藤守と如月が露骨に嫌な顔をする。
藤守
『えぇー、むっちゃ散らかってるのに?』
如月
『どう考えたって見つからないんじゃ…。』
ジョー
『見れば間違いないと思うけれど、念のために顔認識プログラムにかけてちょうだいね、リョウ。』
なんとなく矛先が回って来るのを感じていた小笠原がため息をつきながら頷く。
小笠原時
『まぁ、見つかればね。』
ジョー
『あまりのルイの部屋の乱雑さに、一度全体像を写真に撮った事があるの。オフィスに戻って探してみるわ。物証と、当時の部屋の様子が明らかになればこれ以上の言い逃れは出来ないと思うけど?』
あの穂積泪が何も言えずに黙ってしまった。
悔しいのか、唇をかみしめてさえいる。
05/20(Mon) 01:41
犯人は私です。自首します。
清香
小野瀬
『ジョー、タイムアップだ。これ以上続けると本気で帰れなくなるぞ。』
手をパンッと叩いて、皆の注目を集めると、ジョーの背中を押しながら小野瀬が小さく囁く。
小野瀬
『飴と鞭だ。俺が飴をやるから、ここは大人しく帰った方が良い。』
「もちろん報告するから」という言葉を付け加えるのを忘れずに小野瀬が皆を促すと、ロバートもポールも思い出したかのように己の荷物を手に取った。
ロバート
『じゃ、じゃあね!!』
ポール
『バイバイ!!』
ジョー
『報告書、待ってるわよ!』
口々に叫びながら搭乗口へと走る三人を見送ると、何だかぐったりと疲労感に襲われる。
もう帰って寝て、何もかも記憶の彼方へ忘却してしまいたいとさえ翼が思っていると、同じ事を考えた小野瀬がにこりと笑いながらとんでもない提案をしてきた。
小野瀬
「もう疲れたから、俺たち帰るね。櫻井さんは悪いけど、穂積と飛行機を見送ってきて?」
翼
「へ?ちょ、ちょっと待っ…。」
藤守
「せや、頼んだで?」
如月
「この状況を救えるのは、翼ちゃんだけだから!」
小笠原
「どうにかなるんじゃない?」
明智
「健闘を祈る。」
敬礼をしたまま走り去ってしまう5人を見送ると、取り残されたのは抜け殻になってしまったような穂積と翼だけだ。
翼
「あ、あのー…、室長?」
穂積
「…あ、あぁ。まぁ…、その、行くか。」
とりあえず声をかけてみると、返事は一応返ってきた。魂がどうにか戻って来たのだろう。
見送るために展望デッキに上ると、心地よい風が吹き抜け、穂積と翼の髪を揺らしていた。
さっきまでの喧騒が嘘のように、空は青く澄み渡っている。
とりあえず何もなかったかのように、翼が大空を飛ぶ日本航空の飛行機に大きく手を振った。
[削除]
05/20(Mon) 02:08
桜夜さん、ありがとうございます。
小春
ご参加ありがとうございました。
お陰さまでそろそろエンディングです。
どうぞ、読む専になっても最後までお付き合いくださいませ。
[削除]
05/20(Mon) 05:13
清香さん、ありがとうございます。
小春
~空港・告白~
穂積は聴力に自信がある。
だが、この時聴こえた言葉は、穂積に自分の耳を疑わせた。
…ずっと、穂積さんが好きでした。良かったら付き合って下さい!!!
そして言葉の意味を理解した瞬間、その情報は、穂積の全身を甘く痺れさせた。
櫻井が。
俺を。
好き……?
頬を羞恥で薔薇色に染めた翼が、涙を浮かべ、思い詰めた眼差しで、穂積の答えを待っていた。
震えながら。
ずっと触れたかった、白く優しい手が。
抱き締めたかった小さな身体が。
欲しかった、心が。
何もかもが、目の前にある。
周りで大勢が見ていようが。
公私混同だろうが。
構わない。
全てを失ってもいい。
この温もりが手に入るなら。
理性より先に、身体が翼を抱き締めようと一歩踏み出しかけた。
が、その瞬間。
翼の背後でほくそ笑むジョーの顔が、穂積の目に入った。
何だ?
閃くような違和感は、歓喜で麻痺しかけていた穂積の頭脳を、たちまち、通常業務に引き戻した。
同時に、記憶と想像力がフル稼働を開始して、驚くべき精確さで、穂積は現在の状況を理解する。
導きだした答に愕然としながらも、そして、翼の涙に気付きながらも、穂積は頭を下げる事を選んだ。
穂積
「ごめんなさい」
告白されて頭を下げて断るのは初めてではない。
むしろ穂積は積極的にそうしてきた。
けれど、翼だけは、翼が差し出した手を拒む事だけは、断じてするまいと思っていたのだ。
それなのに。
待ち望んでいた瞬間だっただけに、穂積は深く傷ついていた。
おそらく、断られた翼よりも。
ジョー
『ちょっと待ったぁぁあ!!』
その反動は、猛烈な怒りとなってジョーに向けられた。
穂積
『なんでお前に決められなきゃいけないんだよ!!』
穂積は、ありったけの声で怒鳴った。
そこからは正直、小野瀬が手を叩いた、パン、という音を聴くまで、何を言ったか覚えていない。
けれど、せわしなく駆けていく3人の背中を見た途端、悪い事をしたと穂積は気付いた。
ジョーはともかく、ロバートとポールは純粋に、部下たちとの研修の思い出と、未来の再会についてをしみじみと語っていた。
その最後の瞬間を、口喧嘩で台無しにしてしまった事が、ましてその理由が自分の恋愛だった事が、急速に穂積の頭を冷やしていた。
小野瀬やメンバーに謝らなければならない。
そして、翼にも。
翼
「あ、あのー…、室長?」
穂積
「…あ、あぁ。まぁ…、その、行くか。」
翼がまだ自分に声を掛けてくれる事にほっとしながら、穂積は彼女を促して、展望デッキに上った。
大空を行く飛行機に大きく手を振る翼の、綺麗な髪が風になびくのを、穂積はぼんやりと見つめていた。
機影が完全に空の彼方に消えてしまうと、沈黙が下りた。
翼はまだ振り向かない。
穂積にはその理由が分かっていた。
穂積
「……櫻井」
翼
「すみませんでした、室長」
近付く穂積の声に応えた翼の声は、震えていた。
翼
「私なんかにあんな場所で、あんなタイミングで、あんな事を告白されて。迷惑に決まってますよね」
隠しきれずに、翼の頬で涙が光った。
翼
「本当に、すみませんでした」
穂積
「嬉しかった」
翼に近付けないまま打ち明けた穂積の本心に、翼は一瞬振り向いた。
けれど、すぐに顔を背けて、指先で涙を拭く。
翼
「……泣いてるから、優しくしてくれるんですよね」
穂積
「そう思うか?」
穂積が問うと、翼は少し間をおいて、首を横に振った。
翼
「……分かりません」
穂積
「恥をかかせて、悪かった」
翼が顔を上げると、自分を見つめている穂積と目が合った。
穂積
「でも、他人に、俺たちの事を決められたくなかったんだ」
翼
「……室長……」
穂積は手を伸ばして、風に翻弄される翼の髪を梳かした。
穂積
「嬉しかった。本当だ」
穂積は真っ直ぐに翼を見ている。
穂積
「ずっと前から、好きだった」
翼
「……!」
翼の大きな目から、瞬きとともに、堪えていた涙が溢れて落ちた。
穂積
「……信じてくれるなら、大きく息を吸い込め」
翼が素直に息を吸い込む。
穂積は笑って、その唇を塞いだ。
2人がキスした瞬間、展望デッキの他の客から、わあっ、と歓声が漏れた。
穂積はキスを続けたまま、胸に当てられていた翼の手を取って引き寄せた。
穂積の口づけが深くなる。
翼の呼吸が限界になるとようやく離れて、今度はきつく抱き締めた。
翼の腕は自然と穂積の背中にまわされ、背の高い穂積の胸に翼が顔をうずめるようにして、2人はしっかりと抱き合った。
[削除]
05/20(Mon) 06:50
おはようございます。
小春
~翌朝・穂積の部屋~
翼
「……ん」
目覚めて見上げると、穂積が傍らにいて、柔らかい笑顔で翼を見つめていた。
初めて見る、プライベートの……恋人の、穂積の表情。
つられて微笑んでしまうほど、優しい。
胸がときめいてしまうほど、艶かしい。
この人が、こんな、匂い立つように魅力的な大人の男性だと、翼は今まで意識した事が無かった。
それはきっと、穂積が、仕事場では自身にフィルターをかけているからで。
そして、翼自身が、それに気付かないほど子供だったからで。
穂積
「おはよう」
翼
「……おはようございます」
腕枕をしてもらっている状態で、穂積のキスが、額にそっと落とされる。
さらさらの髪が心地好い。
告白と別れの高揚感が鎮まってくるのにつれて、代わりに翼の胸に湧いてきたのは、安堵感と不安感という、相反する気持ちだった。
目の前にいる大好きな人が、ずっと自分を好きでいてくれた。
ずっと知りたいと思っていた相手の気持ち。その答えが自分が求めた以上のものだった時、それは不安に変わった。
その不安を、穂積は、翼を抱く事で埋めてくれた。
穂積
「悪いが、抑えきれない」
そう言って翼をベッドに押し倒した穂積は、けれど、驚くほど優しかった。
初めてだったけど、少しも怖くなかった。
穂積が自分を想ってくれている事が、全身から伝わってきたから。
穂積の指先が、翼の涙を拭いた。
穂積
「泣くほど良かったか?」
穂積が冗談めかして言う。
翼
「はい」
翼が頷くと、穂積は意外にも顔を赤らめた。
穂積
「……俺も」
穂積と翼は笑いあって、もう一度、唇を重ねた。
穂積
「そうだ……これ」
穂積がベッドサイドの引き出しから、小さな板のようなものを取り出した。
翼
「?」
穂積
「……どうせ、近々バレるからな」
そう言って差し出したのは、小さな写真立て。
古いけれどきれいに扱われていて、この部屋に置かれているのに埃を被っていない。
そのフレームに納められた写真を見て、翼は、あっ、と声を上げた。
穂積が、その声から逃げるように、頭まで布団を被る。
ジョーの言っていた写真だと、すぐに分かった。
そしてそれが、翼自身の高校生時代の写真だということも。
翼は、写真と、布団で丸まる穂積とを見比べているうちに、だんだん可笑しくなってきてしまった。
穂積
「笑うな!」
がばっ、と穂積が顔を出し、また布団に潜る。
翼
「泪さん」
そう呼べ、と、昨夜耳元で囁かれた名前を呼んでみる。
穂積
「……何だ」
穂積がそろりと、目の下まで布団を下げた。
翼
「私も、泪さんの写真を自分の部屋に飾っていいですか?」
穂積
「……勝手にしろ」
ふて腐れたように言い捨て、また布団を被ってしまった穂積の横で、翼はしばらく、くすくすと笑い続けていた。
昨日は清香さん、せつなさん、くちびるさん、ともさん、桜夜さん、書き込みありがとうございました。
さあ、本日はリレーSS最終日です。
この続きは、清香さんに書いて頂きます。
清香さん、ヒロインに初回から朝帰りさせた室長に、小野瀬さんの説教お願いします。
[削除]
05/20(Mon) 08:17
まさかの…
とも
だーいどーんでーんがーえし!!
昨日は清香さんのターンで落ちちゃったけど、続きが気になって朝5時起床(笑)
最後は私も読みに専念しま~すヽ(・∀・)ノ
05/20(Mon) 08:32
おおヽ( ̄▽ ̄)ノ
くちびる
スーパーはっぴぃえんど~(^〇^)ですね♪よかった♪
[削除]
05/20(Mon) 17:22
最後は真面目にやります。
清香
翌朝~捜査室~
小野瀬
「…で、何か弁明は?」
穂積
「ない。」
小野瀬
「即答か。…じゃあ俺に対して何か言う事は?」
穂積
「それもない。」
小野瀬
「そこはあるだろうが!」
穂積
「はははっ、悪かったって。」
小野瀬
「あのなぁ…。」
捜査室のソファーで盛大にため息をつくのは苦労人の小野瀬だった。
結局昨日も穂積と翼以外の捜査室メンバーを警視庁まで連れて帰り、ニューヨーク組の研修に付き合っていた間に溜まった仕事を徹夜でこなしていたのである。
荷物も人も乗せきれないからと車を出し、成田までの往復を運転し、困惑しながらも櫻井さんを心配する男達の嘆きを聞き、徹夜で仕事をした朝に見た穂積の満たされて晴れやかな顔はなんともムカつくもので。
こうやってソファーに座りながら説教の一つや二つや三つしても罰は当たらないだろうと小野瀬は考えたのだ。
言いたい事は山ほどある。
今までの恨みも含めれば、400字詰原稿用紙なら10枚は書けるくらいだ。
しかしいざ隣に座った穂積の顔を見ると、風船のように小野瀬の心の中の怒りがシュウっと萎んでいく。
怒りの風船に穴を開けたのは、迷いなど振り切り、晴れ晴れとした穂積の表情か、はたまた弁明を「ない」と言いきった声の強さなのだろうか。
穂積
「本当に悪かった。小野瀬がいてくれて、正直助かったよ。あそこでみんなと帰っていたら、きっと手に入れられなかったと思う。」
穂積の視線の先には捜査室メンバーに囲まれた翼の姿があった。
小笠原のPCの前で画面を覗きこんでは可愛らしい笑顔で手を振っている。
どうやらニューヨークについたポールやロバート達とネットを通じてやり取りをしているのだろう。
穂積
「だから…、ありがとう。」
頭を下げられてしまえば軍配は穂積に上がる。
もう、完敗だ。
小野瀬
「はぁ…、もう、いいよ。お前の永年の恋が実ったならさ。」
本当は少しだけ悔しい気持ちが小野瀬にはあった。
小野瀬は、もしかしたら翼は自分の事を理解してくれるのかもしれない女性かと感じていたから。
だからこそ、研修初日に告白をしようとした穂積を止めたんだから。
それでもジョーの発言で穂積の部屋にいつも置いてあった写真が思い出された。
グチャグチャで足の踏み場もなくて、初めて見た時は空き巣にでも入られたのかと思った穂積の家で唯一キレイに置かれていた写真立てを。
「彼女か?」とからかうと、顔を真っ赤にして取り返していた穂積の姿を。
あれ以来、穂積の家で写真が飾られていたのを見かけなくなったから忘れてしまっていたが、ニューヨークにも持って行っていたんだな。
小野瀬
「なぁ…、穂積。」
穂積
「ん?」
隣で翼達の姿を見ている穂積に話しかけると、驚くくらい優しい、男の顔で振り返られ、さすがの小野瀬もドキリと胸が跳ねる。
「幸せか?」
やっかみと冗談のハーフ&ハーフで聞こうと小野瀬は思っていたのだが、聞かなくても腹一杯だ。
顔がいやってくらい物語ってやがる。
それでも一言、物申してやりたい。
小野瀬
「…ゆうべ暴走したろ、お前?」
昨日とは明らかに違う翼の不自然な動きに気がつくのは、恐らく小野瀬か小笠原くらいだろう。
それでも小笠原は余計な事を言うタチでは無いから、あえて小野瀬がぶつけてみた。
穂積
「……まぁ、………な。」
ボリボリと頭をかきながら穂積は若干反省の色を滲ませるものの、その顔に後悔の念など微塵もない。
ならば、俺は彼女との約束どおり、騎士(ナイト)であり続けよう。
そう思いながら勢いよくソファーから立ち上がると、小野瀬も捜査室メンバーの元へと向かった。
小笠原のパソコン画面の向こうには、にこやかに笑う三人がいた。
小野瀬
『やぁ、ポールにロバート。ジョーも、久しぶり。元気にしてた?』
『昨日別れたばかりの相手にかける言葉じゃないわ!』と向こうでも笑い声が起きる。
小野瀬
『元気そうで良かったよ。こっちは大変でさ、昨日はあれから一日中傷心の櫻井さんを慰めたり、穂積を叱ったりして、もうグッタリだよ。』
ジョー
『なんですって!?』
わざと疲れた顔をして大きな声で言うと、ソファーから穂積が飛び上がる。
ジョーも驚き顏だし、ロバートとポールは口に手を当て、声も出ないくらいだ。
穂積
「小野瀬!!」
すると、怒りを露わにしながらやってくる穂積を除けて、捜査室のメンバー達が次々に口を開いた。
明智
『大丈夫だ、ジョー。俺は今日、櫻井のためにケーキを焼いてきた。甘い物を食べさせて、気分転換をさせるから。』
藤守
『せや、櫻井、今日仕事終わったらパァーッとカラオケでも行かへん?』
如月
『えーっ、ボーリングにしましょうよ!』
小笠原
『…それよりバドミントンがいいと思う。』
穂積
『勝手にこいつの予定を決めてんじゃねぇ!!』
アワアワする翼を囲むようにアフター5の約束を取り付けようとする捜査室メンバーを、穂積が一人、また一人と翼から引き剥がす。
そして穂積はパソコン画面の向こうに睨みをきかせた。
穂積
『あのなぁ、ジョー。俺は……。』
小野瀬
『櫻井さんとは何ともない、だろう?』
穂積
『はっ!?』
被せるように話した小野瀬の顔を穂積が慌てて覗き込んだ。
ニヤリと笑いながら小野瀬がパソコン画面の向こうだけじゃなく、捜査室にも響き渡るように話す。
小野瀬
『穂積は櫻井さんの申し出を断った。日本はアメリカと違って職場内恋愛は歓迎されないから、下手したら異動することになるけどかもな。でも、櫻井さんは断られたから二人は上司と部下のままだ。気まずいだろうけど、彼女が仕事をしやすいように俺たちがフォローしていくよ。』
小野瀬が出来る翼を守ることは、彼女を捜査室から外させないことだ。
人の口に戸は立てられない。
遠く離れたニューヨークから付き合いがバレないとは言い切れないから。
パチンッと小野瀬がウィンクをすると、察しのいいジョーがひどく大げさに首を振った。
ジョー
『ルイは部下を見る目はあったようだけど、女を見る目は無かったようね。』
小野瀬
『仕方ないよ、穂積は俺のことが大好きなんだからね。』
穂積
『小野瀬!!てめぇ、ふざけんな!!』
画面の向こうではポールとロバートが顔を赤くして『キャー!』と叫んでいる。
捜査室メンバーも気がついたのか、「そっか、公認しなきゃいいんだよね。」とまで言っていた。
穂積
「てめぇら…!」
穂積がそんな捜査室メンバーに飛びかかるのを横目に見ながら、翼が真剣な顔で画面の向こうのジョーを見つめる。
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05/20(Mon) 17:25
これで本当に終わりかな。
清香
翼
『ジョーさん…、ありがとうございました。』
多くは語らなくても、ふわりと笑った笑顔が翼が幸せだと示していた。
ジョー
『ツバサ、あなたの幸せをニューヨークの空の下で願ってるわ。』
翼
『私も、ジョーさんの、みんなの幸せを、東京から願っています。』
『ありがとう。』
二人がそう言いかけた時、捜査室に電話のベルが鳴り響いた。
藤守と如月にダブルアイアンクローをかけていた穂積が、すぐさま受話器を取る。
穂積
「特命捜査室、穂積。……はい、…はい。分かりました。ウチで引き受けます。もちろん、お任せ下さい。」
事件だ。
捜査室内に一気に緊張が走る。
画面の向こうでも、固唾を飲んで見守っているのだろう。
さっきまでのふざけた様子は微塵も感じられない。
穂積
「さぁ、仕事よ。お遊びは終わりね。」
オカマ言葉に戻った穂積の顔は、もう緊急特命捜査室室長の顔だ。
穂積
「新宿区内で引ったくり事件が起きたわ。この2時間で被害者は4名。手口が似ているから同一犯の可能性があるわね。とにかく現場へ向かってちょうだい。」
言われるまでもなく、小笠原以外の皆が上着を手に取り、いつでも出られる準備をしていた。
そんな小笠原もニューヨークに繋いでいたナナコを傍らに寄せ、デスクトップのパソコン画面に新宿区の地図を出して現場をマッピングし始めてる。
穂積
「最初の現場には藤守と如月でむかってちょうだい。その後は2件目の現場ね。明智と櫻井は3件目・4件目の現場ね。詳しい場所は追って連絡するわ。」
送られてきた資料を元にして、小笠原の地図に何ヶ所ものピンが打たれた。
ここに、今、助けを求めている人がいる、と。
藤守
「ほな、行ってきます…、わ!っととッ!」
捜査室を飛び出して行こうとした足を止め、藤守が小笠原の後ろを回り込んだ。
藤守
『行ってきまーす!』
如月
『じゃーねー!』
如月も同じようにナナコの先にいるロバートやポール、ジョーに手を振っていた。
画面の中の3人は敬礼を返してくれている。
明智
『では、行ってくる。またな。』
敬礼をする明智にロバートは涙目だ。
翼
『行ってきます!』
明智にならって敬礼をした翼にジョーは投げキッスを贈った。
駆け出していく皆を見送りながら、小笠原もキーボードを打つ手を止めてニコリと画面の向こうの三人へと微笑みかける。
小笠原
『じゃ、またね。』
『バーイ。』
その音を最後に捜査室に静寂が訪れた。
穂積と小笠原のキーボードを叩く音だけが響いている。
小野瀬だけがソファーで「うーん」と猫のように伸びをして、勢いよく立ち上がった。
小野瀬
「さぁ、ラボに戻るか。どうせあと何時間かしたら、面倒な依頼がくるんだからな。」
穂積
「あら、良く分かってるじゃない?」
にこりと笑う穂積に、「ハァー、切ない。」とだけ言い残し、小野瀬も捜査室を出て行った。
とうとう二人きりになってしまった部屋で、小笠原がポツリと呟く。
小笠原
「……良かったね。」
その言葉が示すものが、一部なのか、全てなのかは分からない。
穂積
「そうね、…良かったわ。」
それでも、穂積の笑顔が全てを物語っているような気がしたのだった。
~Fin~
[削除]
05/20(Mon) 17:56
皆様ありがとうございました!
小春
ともさん、くちびるさん、連日のコメントありがとうございます。
そして清香さん、ステキなエンディングをありがとうございました。
毎回、突然始まるにも関わらず、リレーSSを楽しみにしてくださっている皆様。
お忙しい中、執筆に参加してくださった皆様。
そして、最後までお付き合いくださった皆様。
本当にありがとうございます。
全員で1本のSSを作り上げて頂きました。
SSや作家さんたちへの感想や応援などお寄せいただけたら嬉しいです。
お陰さまで、このスレもまもなく満杯です。
書き込みは『穂積と小野瀬について・3』にぜひどうぞ。
みんな大好き!
(´ 3`)ちゅー×100♪
[削除]
05/20(Mon) 19:01
参加してくださった作家の皆様へ♪
小春
清香さん、いつも本当にありがとうございます。
もはやリレーSSには不可欠の存在です。毎回、無理難題をふっかける私を、今回も笑顔で助けてくださったお陰で、最後まで到達出来ました。
ありがとうございました。
くちびるさん、毎日忘れずに来てくれて、展開のアイディアを提供して下さいまして、ありがとうございます。
甘いお題も事件のフリも、とても刺激になります。
ありがとうございました。
桜夜さん、ご自身のサイトもお持ちなのに、私のリレーSSにまでご参加くださいまして、ありがとうございます。
せっかく出来たご縁ですし、私に出来るお返しがあればいつでもお申し付け下さいませ。
ありがとうございました。
エミさん、新参者だ、なんてご遠慮なさってましたが、ご参加頂きましてありがとうございます。
そんなご心配をなさるほど、私も大したキャリアじゃありません(笑)
また機会がありましたら、ぜひよろしくお願いします。
ありがとうございました。
ともさん、毎回関西弁のチェック&締日作品へのコメントありがとうございます。
リレーSSでは要所要所でいい仕事して下さいました。難しい場面もサラッとこなしてくださり、ひそかに拝んでおります。
ありがとうございました。
せつなさん、超多忙な時期にしかもお仕事の合間を縫ってのご参加ありがとうございました。
ジョーのちゅーへの意欲と、多忙ならではのジョーの容姿の勘違いは笑わせて頂きました。
結果オーライです(*TーT)b
ありがとうございました。
上記の作家さんたちをはじめ、全ての読者の皆様に心よりお礼申し上げます。
小春より
05/20(Mon) 19:26
本当にお騒がせしました。
清香
すみませんでしたm(_ _)m
一番ぶっこんだのは私です(;д;) やっぱり夜テンションで書いたらダメですね。
途中まで真面目にやってたんだけどなぁ(´・ω・`)
毎回ピンクちゃんで参加して下さったくちびるさんも、実は私が一番望んでいた「だーい、どーんでーんがーえし!」コールをして下さったともさんも、軽いキスにしようと思っていたのに濃厚なのを足して下さったせつなさんも、嫁ミッションの間の無茶な流れを修正して下さった桜夜さんも、ハンカチ噛む可愛いポールで悶絶させて下さったエミさんも、本当にありがとうございました。
何より無茶振りばかりして遊んだ私の軌道修正をしてくれるだけでなく、広い心で受け止めて下さった小春さんにはどう感謝すればいいか分かりません(。´Д⊂) ウワァァァン!!
とっても楽しかったです(∩´∀`∩)
実は、影でロバートをロバ子、ポールをポル美と名付けて楽しんでました(ノ∀`)てへっ。
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05/20(Mon) 21:50
達成感!!
とも
ホンマにみなさんお疲れさまでした!
次は誰がぶっこんでくるのかという手探り感はリレーSSならではで楽しかった~!
私はどちらかというとスキマばっかり埋めさせてもらってましたが、何度も手直しして、やっとアップしてみたらあれだけの駄文…というのがほとんどでした。
改めて小春さん、清香さんをはじめご自身のサイトでステキなお話を書いてらっしゃるのがどんだけスゴイことなのか実感した今回でした。
また突発的に始まっちゃうのかな~?
その時はぜひとも参加させてくださ~い(^-^)/
ありがとうございました!
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05/20(Mon) 21:58
ピンク文字の…
くちびる
駄文ばかりでお恥ずかしい限りだったくちびるです( ´△`)でも楽しかったです。すごい長編になりましたね♪読み応えあります♪また最初から読みます~(^〇^)
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05/21(Tue) 09:10
お疲れ様でした。
小春
清香さん、ともさん、くちびるさん、お疲れ様でした。
さあさあ静岡の新茶をどうぞ。クラウンマスクメロンも丸ごとどうぞ。
まあ反省会というか座談会になりますけどね(よっこい、しょーいちby明智)。
ぶっ込みは歓迎ですけど、被るのはもったいないかなと今回思いました。
私は携帯ですからメールに下書きしてるし、更新されれば連絡が入るのですぐ分かるんですけど、それでもいざUPしたらともさんと同時刻で、しかもともさんのぶっ込みを潰したり(ちらり)。ここは清香さんが救ってくれましたけど(ぺこり)。
皆さんは読んで、書いて、投稿しようとして掲示板に書き込んでくれてるわけですよね。書いてる途中は更新されても気付かないわけですよね?
「投稿したら更新されててぶっ込み失敗(ちらり)」とか、「書いてて寝落ちしたら進んでた(ちらり。あ、いない)」みたいなのありましたよね。
それもリアルで面白いんですけど、やっぱり、せっかく書いてくれるのが使われないのは申し訳ない気がしてしまうんですよね。
もしもですよ。
もしも次回もリレーSSがあるならですよ。
あればの話ですよ。(←しつこい)
基本は今まで通りのスタイルですが、読んで、続きを閃いた人が「続き書きます」って先に言っておく挙手制も併用する方がいいのかなと。
それがあったら、他の人は、続きを待つか他のエピソードを書く。
と、これはまあ、次回への課題という事で。皆様のお考えもお聞かせ下さい。
さて。
今回の作品についてですが。
小野瀬さんの出番が少なくてごめんなさい(笑)
みんな、ロバ子とポル美好き過ぎ。
(*´ー`*)
ジョーと翼に反応し過ぎ。
(///ω///)
別れの空港でおみやげにサクラダモングッズを渡しそびれた。
05/21(Tue) 12:34
お疲れ様でした。
清香
さぁさぁ、横浜名物のシウマイでもどうぞ。手作りですよ(料理長の)。
あっ、小野瀬さん、メロン切って下さい。(*・∀・)つメロン
今回は二回目というのと、長かったので結構被りましたね。登場キャラとカップリングが多かったから仕方ないのかもしれませんが、もったいないですよね。
iPhoneな私はPCと同じようにネットは複数ページを開けるので、掲示板の最新ページと書き込みページを別にして、確認してから書き込んでましたが、それでも被りましたから(^_^;)
次回があるなら、挙手制もいいのかもしれませんが、寝落ちすると下手したら半日くらいスレが止まりかねないですから、怖いかも。
個人的には、ストーリーの書き込みはカラーにしていただけると振り返りやすいかなと思いました。感想は黒でもいいんですけどね。
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05/21(Tue) 12:51
本社は浜松。
小春
春華堂のうなぎパイ持ってきました。
あー、寝落ち問題があるか(←常習犯)
本文の色、今回私が最初にうっかり黒で始めちゃいましたからね。
次回は他の人と被らない色で、自分の色を決めてもらいましょうか。
小野瀬さん、メロン切り分けていただいてすみません。
しゅうまい美味しいわ。(^q^)
あと、ともさん。
お礼コメントに謎の『締日』が入っててすみませんm(__)m
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05/21(Tue) 13:55
これなら。
明智
話しながらでも食べられるだろう?
つおにぎり
つ自家製漬け物
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05/21(Tue) 15:09
明智さん!ゞ(^o^ゝ)≡(/^_^)/”
小春
穂積
「よォーしお母さんも入れー(明智を引き込む)」
小春
「あっ、室長……」
穂積
「何だ小日向。俺が来たらまずいのか?」
小春
「いやあの、私がではなく、……小野瀬さんがですね……」
穂積
「何を隠してる。見せろ!」
小春
「ああっ!」
*
~NY市警~
帰国翌日、自分のオフィスで東京、緊急特命捜査室の小笠原との通信を終えたポールは、両脇から覗き込んでいたロバートとジョーとともに、PCの前で溜め息をついた。
ジョー
『ツバサもみんなも元気そうで、安心したわ』
ロバート
『……はあ。こちらではまた、イケメン不足の日常が始まるのね』
ポール
『トーキョーでルイたちも頑張ってるんだもの。私たちも頑張りましょ。仕事も、新しい恋を探すのも、よ』
そうは言いながらも、脳裏ではまだ、今しがた見たばかりの捜査室メンバーたちの生き生きとした姿が走馬灯のように映し出されていて。
小さく溜め息をついたポールの手に、小野瀬からもらった小さな箱が触れた。
ポール
『あ』
まだ未開封だったそれを手にし、ポールがするするとラッピングを解くと、出てきたのは16GBのUSBメモリー。
ポール
『?』
普段から扱っている分野の物だけに、ポールはほとんど自動的に手を動かして、それをPCに読み込む。
ファイルを開くと、パッと画面が明るく光って、画像が動き始めた。
どうやらラボらしい風景。小野瀬が椅子に座っている。
ポールが目を見開いて見つめていると、小野瀬が、椅子を回してくるりとこちらを振り向いた。
PC画面の中で、小野瀬が、にこり、と微笑む。
ポールは思わず立ち上がっていた。
ポール
『キャー!アオイー!!(///ω///)ノシ』
ロバート・ジョー
『えっ?』
去りかけていたロバートとジョーが、ポールの声に驚いて戻ってくる。
小野瀬
《ポール、日本での研修お疲れ様。これは、俺からささやかなプレゼントだよ》
ロバート
『悔しいけど、アオイって、やっぱりキレイよねえ』
ポール
『しっ』
小野瀬
《中には、穂積、明智、藤守、如月、小笠原、櫻井さんを、それぞれ俺が隠し撮りした写真が5枚ずつ入っているよ》
ポール
『えっ!ホントっ?』
ロバート
『しっ』
小野瀬
《ポールには、さらに穂積と小笠原を5枚ずつ増量しておいたからね》
ポール
『キャー!キャー!ありがとうアオイー!』
ジョー
『しっ、てば!』
小野瀬
《ちなみにロバートやジョーへの写真とは違うから、見比べてみるといいよ》
ロバート・ジョー
『アオイー!』
ポール
『しっ!まだ続いてるわ』
小野瀬
《もうひとつのファイルには、俺の秘蔵の写真を入れておいたからお楽しみに。ただし、これはトップ・シークレット。穂積には秘密だからね》
ロバート・ジョー・ポール
『……』
3人で顔を見合わせると、ポールが頷いた。
白く太い指先が目にも止まらぬ速さで動いて、もうひとつのファイル、『報復』を開く。
次の瞬間、PC画面いっぱいに展開したのは、汗ばんだ身体でベッドに横たわり、熱っぽい眼差しでこちらを睨んでいる、半裸の穂積の画像だった。
抵抗しようとしているのか、身体を捻って、こちらに右手を弱々しく伸ばしかけている。
ロバートとポールが、ぶーっ、と鼻血を噴き出した。
ジョー
『あらあら』
ロバート
『……アオイ、good job……』
ポール
『……超、最高』
ロバート
『わ、私のには違うのが入っているのよね?!ポール、ジョー、また後でね!』
ジョー
『私のには、もちろんツバサが入ってるはずよね?ポール、ロバート、後でそっちもコピーさせてね!』
ドタバタとポールのオフィスを飛び出してゆくロバートとジョー。
鼻血をティッシュで押さえ、カチカチとキーボードを操作しながら、ポールはふと気付いた。
ポール
『……あら、アオイったら、自分の写真は入れてない』
*
穂積
「あの野郎ー!」
明智
「し、室長落ち着いて!」
穂積
「自分だけ、ちゃっかりあいつらのオカズから逃れやがって!」
明智
「……あ、まだ少しだけ続きがありますよ、ほら」
穂積
「あぁ?!」
*
ポール
『……でも、私、アオイなら声だけでもイケるわ……』
*
穂積
「ぶ、わあっはっはっはっ!」
明智
「……(穂積に背中をバシバシ叩かれながら、しゃがみこんで笑いをこらえている)」
小春
「(小野瀬さん、ごめんなさい……)」
05/21(Tue) 16:58
小春さん、ありがとう
とも
こんなところで小野瀬さんがあげたプレゼントの中身の話が出てくるとは!
さぁさぁ大阪名物のたこ焼きも食べてや~(^-^)/
京都の生八ツ橋に、鹿せんべいもあるで~!
小春さん、投稿が被っちゃったけど、潰されたなんてちっとも思ってませんよ~。確かに投稿ボタンをポチっとするまで誰かと被ってるかわからないのはネックでしたね。
タイミングが難しい…。いっそ順番決めて話を繋げる?
どうでしょう?
05/21(Tue) 17:59
こっそり。
清香
清香
『Hi!!ポール‼忙しい所に悪いんだけど、最後のルイの写真、私のアドレスに送ってくれない?』
捜査室の片隅で清香がポールへ電話をかけていた。
ポール
『あら、清香。でも、これはトップ・シークレットってアオイに言われたんだけど…。』
清香
『知ってるわよ。だからポールにお願いしてるの。お礼に前に書いたSSを英訳して送ってあげるわ。』
ポール
『それって…、もしかしてアレ?』
清香
『そう、アレ。』
『アレ』が一体何を示しているのかは、皆さんは追求しないほうがいいのかもしれない。
ポール
『(ゴクリ)…OK』
清香
『Thanks,ポール。よろしく。』
通話を切り、清香がニヤリと笑った。
すると、さっきまで腹を抱えて笑っていた、穂積が何やらぶるりと背筋を震わせている。
穂積
「なんだろう、悪寒がするな…。」
とも
「室長、大丈夫ですか?このたこ焼き、まだ温かいんで、どうぞ。」
穂積
「…あぁ、すまない。助かる。」
首を傾げながら穂積はともの差し出したたこ焼きを受け取り、頬張った。
穂積
「うん、美味いな。ありがとう、とも。」
にこりと笑いながらともの頭を撫でる穂積を、小春が羨ましそうに見つめている。
小春
「いいなぁ…。」
藤守
「どうしたん?」
そんな小春の頭を撫でたのは、藤守だった。
たこ焼き片手にニコニコと笑っている。
藤守
「ホラ、どうせ腹減ったんやろ?一緒に食べようや。」
小春
「わぁい(∩´∀`∩)」
穏やかな空気が漂う中、隅でメロンを食べる清香のポケットの中でiPhoneがメール受信した。
こっそりと確認をし、「よし、スチルGET。」と呟く。
小野瀬
「(小声)ヒミツだよ?」
清香
「ぎゃあ!」
いつの間にか清香の背後を取っていた小野瀬が、にこりと微笑んでいたのだった。
遊んでごめんなさい。
清香
ジョー
『ちょっと待ったぁぁあ!!』
穂積
『言うタイミングが違うだろう!普通、俺の前に来た時に言うんだろうが!!』
涙を堪える翼を抱きしめながら、ジョーが穂積に噛みつく。
それは胸ぐらを掴みかねない勢いだ。
ジョー
『おかしいでしょうが!どう考えたって「よろしくお願いします」ってツバサの手を取る場面でしょうが!!』
穂積
『なんでお前に決められなきゃいけないんだよ!!』
ジョー
『ハァ?何言ってくれちゃってんのよ?ワタシが決めたんじゃなくて、ツバサが勇気を出して告白したんでしょうが!』
穂積
『どう考えてもお前の差し金だろうが!』
ジョー
『教え子の雄姿を見守るのが師匠の役目でしょうが!』
にらみ合いを続ける二人をどうにか引きはがそうと、ジョーをロバートが、穂積を藤守が食い止めようとするが、お互いの口までは塞げないでいた。
翼
『あ、あの…、もう本当にいいですから…。』
告白した本人ですら置いてけぼりになるほどの剣幕で争う二人に翼の小さな声など届くはずもない。
ロバート
『ジョ、ジョー、気持ちは分かるけど、本当に飛行機に乗らないとニューヨークに帰れないわよ?』
ジョー
『いいのよ!こうなったらツバサをニューヨークに連れて行くから、乗れなくたって構わないわ!!』
翼
『えぇっ!!!』
ロバートの腕を振りほどき、ジョーは翼を再び腕の中に閉じ込めた。
ジョー
『…ツバサ、あなたの事は私が一生をかけて愛するわ。寒い思いもさせないし、枯らさない様にお水もあげる。…だから、一緒にニューヨークに来て?』
穂積
『行くわけ無いだろうが!仕事だってあるんだぞ!
」
ジョー
『そんなの関係ない。私が綺麗な洋服を着せて、綺麗な物だけ見せて生活させてあげるからいいの。』
それくらいの度量は持ち合わせてるわよ!と胸を張りながら言うジョーに、今度は穂積が噛みつく。
穂積
『本人の意思を無視した事をするな!人の役に立ちたいと警察官になった櫻井の気持ちも考えろ!』
ジョー
『なら、ルイもツバサの気持ちを考えてあげれば良かったのよ。てっきりルイもツバサのことが好きだと思ってたけど、やっぱりあの制服の女の子がいいのね!』
このロリコン!っと舌を出しながら言うジョーの言葉に穂積が固まる。
穂積
『な、なんで…、知ってんだ…、よ!』
ジョー
『ルームシェアしていた時にさんざん片付けてあげたじゃない。デスクの上にあった写真ですもの、嫌でも目に着くわよ。』
穂積
『…てめぇ……、余計なこと言うんじゃ…ねぇ!』
ジョー
『フン、余計なこと?妹だとか言ってたのに、ルイには弟しかいないらしいじゃない。経歴詐称で報告しておいても良いけど?』
穂積
『んなもん詐称になるか!』
ジョー
『じゃあ、あの子は誰なのよ?あんなに大事そうに飾っていた子は?』
穂積
『……言えるか。』
顔を赤くしたものの、言う気配すら見せない穂積にジョーが呆れた視線を投げる。
ジョー
『ツバサ、もう本当にニューヨークに来たら?こんなロリコン室長の下より快適よ?』
翼
『い、いやぁ…、せっかく仕事にも慣れてきた所ですし…。』
髪を撫でられてながらも、どうにかしないとマズイのではと思っていると、ジョーの袖のボタンに翼の髪が絡まってしまった。
ジョー
『あらやだ、ごめんなさい。』
翼
『大丈夫です…、よ?』
引っかかっていた髪をほどき、再び絡まないよう一つにまとめていると、ジョーがじっとこちらを見ているのに気がつく。
翼
『ジョー、さん?』
あまりの視線の真剣さに、翼もそのまま身動きが取れないでいた。
翼の髪の毛と、翼の顔を交互に見るジョーの眼は、どこか遠くを見ているようでもあった。
ジョー
『…ねぇ、ツバサ。』
翼
『なんですか?』
ジョー
『高校時代の制服は?』
翼
『ブレザーとチェックのスカートです。』
ジョー
『赤いリボンに、紺色のハイソックスで、いつもポニーテールだった?』
翼
『…ハイ。』
ジョー
『その格好で裁判所に行ったことは?』
翼
『ありま……すね。父にお弁当を届けたりしていました。』
なんで高校時代の姿や裁判所が関係するのか、翼にはまったくもって分からないが、とりあえず聞かれたまま答えていると、穂積の顔がだんだんバツが悪そうなものになって来る。
ジョー
『ルイ、あの大事にしていたお宝写真に映ってたのはツバサじゃない?』
穂積
『…黙秘する。』
ジョー
『OK。ケンジ、コーヘイ、東京に戻り次第、ルイの部屋を家宅捜索して。』
いきなり指名された藤守と如月が露骨に嫌な顔をする。
藤守
『えぇー、むっちゃ散らかってるのに?』
如月
『どう考えたって見つからないんじゃ…。』
ジョー
『見れば間違いないと思うけれど、念のために顔認識プログラムにかけてちょうだいね、リョウ。』
なんとなく矛先が回って来るのを感じていた小笠原がため息をつきながら頷く。
小笠原時
『まぁ、見つかればね。』
ジョー
『あまりのルイの部屋の乱雑さに、一度全体像を写真に撮った事があるの。オフィスに戻って探してみるわ。物証と、当時の部屋の様子が明らかになればこれ以上の言い逃れは出来ないと思うけど?』
あの穂積泪が何も言えずに黙ってしまった。
悔しいのか、唇をかみしめてさえいる。
05/20(Mon) 01:41
犯人は私です。自首します。
清香
小野瀬
『ジョー、タイムアップだ。これ以上続けると本気で帰れなくなるぞ。』
手をパンッと叩いて、皆の注目を集めると、ジョーの背中を押しながら小野瀬が小さく囁く。
小野瀬
『飴と鞭だ。俺が飴をやるから、ここは大人しく帰った方が良い。』
「もちろん報告するから」という言葉を付け加えるのを忘れずに小野瀬が皆を促すと、ロバートもポールも思い出したかのように己の荷物を手に取った。
ロバート
『じゃ、じゃあね!!』
ポール
『バイバイ!!』
ジョー
『報告書、待ってるわよ!』
口々に叫びながら搭乗口へと走る三人を見送ると、何だかぐったりと疲労感に襲われる。
もう帰って寝て、何もかも記憶の彼方へ忘却してしまいたいとさえ翼が思っていると、同じ事を考えた小野瀬がにこりと笑いながらとんでもない提案をしてきた。
小野瀬
「もう疲れたから、俺たち帰るね。櫻井さんは悪いけど、穂積と飛行機を見送ってきて?」
翼
「へ?ちょ、ちょっと待っ…。」
藤守
「せや、頼んだで?」
如月
「この状況を救えるのは、翼ちゃんだけだから!」
小笠原
「どうにかなるんじゃない?」
明智
「健闘を祈る。」
敬礼をしたまま走り去ってしまう5人を見送ると、取り残されたのは抜け殻になってしまったような穂積と翼だけだ。
翼
「あ、あのー…、室長?」
穂積
「…あ、あぁ。まぁ…、その、行くか。」
とりあえず声をかけてみると、返事は一応返ってきた。魂がどうにか戻って来たのだろう。
見送るために展望デッキに上ると、心地よい風が吹き抜け、穂積と翼の髪を揺らしていた。
さっきまでの喧騒が嘘のように、空は青く澄み渡っている。
とりあえず何もなかったかのように、翼が大空を飛ぶ日本航空の飛行機に大きく手を振った。
[削除]
05/20(Mon) 02:08
桜夜さん、ありがとうございます。
小春
ご参加ありがとうございました。
お陰さまでそろそろエンディングです。
どうぞ、読む専になっても最後までお付き合いくださいませ。
[削除]
05/20(Mon) 05:13
清香さん、ありがとうございます。
小春
~空港・告白~
穂積は聴力に自信がある。
だが、この時聴こえた言葉は、穂積に自分の耳を疑わせた。
…ずっと、穂積さんが好きでした。良かったら付き合って下さい!!!
そして言葉の意味を理解した瞬間、その情報は、穂積の全身を甘く痺れさせた。
櫻井が。
俺を。
好き……?
頬を羞恥で薔薇色に染めた翼が、涙を浮かべ、思い詰めた眼差しで、穂積の答えを待っていた。
震えながら。
ずっと触れたかった、白く優しい手が。
抱き締めたかった小さな身体が。
欲しかった、心が。
何もかもが、目の前にある。
周りで大勢が見ていようが。
公私混同だろうが。
構わない。
全てを失ってもいい。
この温もりが手に入るなら。
理性より先に、身体が翼を抱き締めようと一歩踏み出しかけた。
が、その瞬間。
翼の背後でほくそ笑むジョーの顔が、穂積の目に入った。
何だ?
閃くような違和感は、歓喜で麻痺しかけていた穂積の頭脳を、たちまち、通常業務に引き戻した。
同時に、記憶と想像力がフル稼働を開始して、驚くべき精確さで、穂積は現在の状況を理解する。
導きだした答に愕然としながらも、そして、翼の涙に気付きながらも、穂積は頭を下げる事を選んだ。
穂積
「ごめんなさい」
告白されて頭を下げて断るのは初めてではない。
むしろ穂積は積極的にそうしてきた。
けれど、翼だけは、翼が差し出した手を拒む事だけは、断じてするまいと思っていたのだ。
それなのに。
待ち望んでいた瞬間だっただけに、穂積は深く傷ついていた。
おそらく、断られた翼よりも。
ジョー
『ちょっと待ったぁぁあ!!』
その反動は、猛烈な怒りとなってジョーに向けられた。
穂積
『なんでお前に決められなきゃいけないんだよ!!』
穂積は、ありったけの声で怒鳴った。
そこからは正直、小野瀬が手を叩いた、パン、という音を聴くまで、何を言ったか覚えていない。
けれど、せわしなく駆けていく3人の背中を見た途端、悪い事をしたと穂積は気付いた。
ジョーはともかく、ロバートとポールは純粋に、部下たちとの研修の思い出と、未来の再会についてをしみじみと語っていた。
その最後の瞬間を、口喧嘩で台無しにしてしまった事が、ましてその理由が自分の恋愛だった事が、急速に穂積の頭を冷やしていた。
小野瀬やメンバーに謝らなければならない。
そして、翼にも。
翼
「あ、あのー…、室長?」
穂積
「…あ、あぁ。まぁ…、その、行くか。」
翼がまだ自分に声を掛けてくれる事にほっとしながら、穂積は彼女を促して、展望デッキに上った。
大空を行く飛行機に大きく手を振る翼の、綺麗な髪が風になびくのを、穂積はぼんやりと見つめていた。
機影が完全に空の彼方に消えてしまうと、沈黙が下りた。
翼はまだ振り向かない。
穂積にはその理由が分かっていた。
穂積
「……櫻井」
翼
「すみませんでした、室長」
近付く穂積の声に応えた翼の声は、震えていた。
翼
「私なんかにあんな場所で、あんなタイミングで、あんな事を告白されて。迷惑に決まってますよね」
隠しきれずに、翼の頬で涙が光った。
翼
「本当に、すみませんでした」
穂積
「嬉しかった」
翼に近付けないまま打ち明けた穂積の本心に、翼は一瞬振り向いた。
けれど、すぐに顔を背けて、指先で涙を拭く。
翼
「……泣いてるから、優しくしてくれるんですよね」
穂積
「そう思うか?」
穂積が問うと、翼は少し間をおいて、首を横に振った。
翼
「……分かりません」
穂積
「恥をかかせて、悪かった」
翼が顔を上げると、自分を見つめている穂積と目が合った。
穂積
「でも、他人に、俺たちの事を決められたくなかったんだ」
翼
「……室長……」
穂積は手を伸ばして、風に翻弄される翼の髪を梳かした。
穂積
「嬉しかった。本当だ」
穂積は真っ直ぐに翼を見ている。
穂積
「ずっと前から、好きだった」
翼
「……!」
翼の大きな目から、瞬きとともに、堪えていた涙が溢れて落ちた。
穂積
「……信じてくれるなら、大きく息を吸い込め」
翼が素直に息を吸い込む。
穂積は笑って、その唇を塞いだ。
2人がキスした瞬間、展望デッキの他の客から、わあっ、と歓声が漏れた。
穂積はキスを続けたまま、胸に当てられていた翼の手を取って引き寄せた。
穂積の口づけが深くなる。
翼の呼吸が限界になるとようやく離れて、今度はきつく抱き締めた。
翼の腕は自然と穂積の背中にまわされ、背の高い穂積の胸に翼が顔をうずめるようにして、2人はしっかりと抱き合った。
[削除]
05/20(Mon) 06:50
おはようございます。
小春
~翌朝・穂積の部屋~
翼
「……ん」
目覚めて見上げると、穂積が傍らにいて、柔らかい笑顔で翼を見つめていた。
初めて見る、プライベートの……恋人の、穂積の表情。
つられて微笑んでしまうほど、優しい。
胸がときめいてしまうほど、艶かしい。
この人が、こんな、匂い立つように魅力的な大人の男性だと、翼は今まで意識した事が無かった。
それはきっと、穂積が、仕事場では自身にフィルターをかけているからで。
そして、翼自身が、それに気付かないほど子供だったからで。
穂積
「おはよう」
翼
「……おはようございます」
腕枕をしてもらっている状態で、穂積のキスが、額にそっと落とされる。
さらさらの髪が心地好い。
告白と別れの高揚感が鎮まってくるのにつれて、代わりに翼の胸に湧いてきたのは、安堵感と不安感という、相反する気持ちだった。
目の前にいる大好きな人が、ずっと自分を好きでいてくれた。
ずっと知りたいと思っていた相手の気持ち。その答えが自分が求めた以上のものだった時、それは不安に変わった。
その不安を、穂積は、翼を抱く事で埋めてくれた。
穂積
「悪いが、抑えきれない」
そう言って翼をベッドに押し倒した穂積は、けれど、驚くほど優しかった。
初めてだったけど、少しも怖くなかった。
穂積が自分を想ってくれている事が、全身から伝わってきたから。
穂積の指先が、翼の涙を拭いた。
穂積
「泣くほど良かったか?」
穂積が冗談めかして言う。
翼
「はい」
翼が頷くと、穂積は意外にも顔を赤らめた。
穂積
「……俺も」
穂積と翼は笑いあって、もう一度、唇を重ねた。
穂積
「そうだ……これ」
穂積がベッドサイドの引き出しから、小さな板のようなものを取り出した。
翼
「?」
穂積
「……どうせ、近々バレるからな」
そう言って差し出したのは、小さな写真立て。
古いけれどきれいに扱われていて、この部屋に置かれているのに埃を被っていない。
そのフレームに納められた写真を見て、翼は、あっ、と声を上げた。
穂積が、その声から逃げるように、頭まで布団を被る。
ジョーの言っていた写真だと、すぐに分かった。
そしてそれが、翼自身の高校生時代の写真だということも。
翼は、写真と、布団で丸まる穂積とを見比べているうちに、だんだん可笑しくなってきてしまった。
穂積
「笑うな!」
がばっ、と穂積が顔を出し、また布団に潜る。
翼
「泪さん」
そう呼べ、と、昨夜耳元で囁かれた名前を呼んでみる。
穂積
「……何だ」
穂積がそろりと、目の下まで布団を下げた。
翼
「私も、泪さんの写真を自分の部屋に飾っていいですか?」
穂積
「……勝手にしろ」
ふて腐れたように言い捨て、また布団を被ってしまった穂積の横で、翼はしばらく、くすくすと笑い続けていた。
昨日は清香さん、せつなさん、くちびるさん、ともさん、桜夜さん、書き込みありがとうございました。
さあ、本日はリレーSS最終日です。
この続きは、清香さんに書いて頂きます。
清香さん、ヒロインに初回から朝帰りさせた室長に、小野瀬さんの説教お願いします。
[削除]
05/20(Mon) 08:17
まさかの…
とも
だーいどーんでーんがーえし!!
昨日は清香さんのターンで落ちちゃったけど、続きが気になって朝5時起床(笑)
最後は私も読みに専念しま~すヽ(・∀・)ノ
05/20(Mon) 08:32
おおヽ( ̄▽ ̄)ノ
くちびる
スーパーはっぴぃえんど~(^〇^)ですね♪よかった♪
[削除]
05/20(Mon) 17:22
最後は真面目にやります。
清香
翌朝~捜査室~
小野瀬
「…で、何か弁明は?」
穂積
「ない。」
小野瀬
「即答か。…じゃあ俺に対して何か言う事は?」
穂積
「それもない。」
小野瀬
「そこはあるだろうが!」
穂積
「はははっ、悪かったって。」
小野瀬
「あのなぁ…。」
捜査室のソファーで盛大にため息をつくのは苦労人の小野瀬だった。
結局昨日も穂積と翼以外の捜査室メンバーを警視庁まで連れて帰り、ニューヨーク組の研修に付き合っていた間に溜まった仕事を徹夜でこなしていたのである。
荷物も人も乗せきれないからと車を出し、成田までの往復を運転し、困惑しながらも櫻井さんを心配する男達の嘆きを聞き、徹夜で仕事をした朝に見た穂積の満たされて晴れやかな顔はなんともムカつくもので。
こうやってソファーに座りながら説教の一つや二つや三つしても罰は当たらないだろうと小野瀬は考えたのだ。
言いたい事は山ほどある。
今までの恨みも含めれば、400字詰原稿用紙なら10枚は書けるくらいだ。
しかしいざ隣に座った穂積の顔を見ると、風船のように小野瀬の心の中の怒りがシュウっと萎んでいく。
怒りの風船に穴を開けたのは、迷いなど振り切り、晴れ晴れとした穂積の表情か、はたまた弁明を「ない」と言いきった声の強さなのだろうか。
穂積
「本当に悪かった。小野瀬がいてくれて、正直助かったよ。あそこでみんなと帰っていたら、きっと手に入れられなかったと思う。」
穂積の視線の先には捜査室メンバーに囲まれた翼の姿があった。
小笠原のPCの前で画面を覗きこんでは可愛らしい笑顔で手を振っている。
どうやらニューヨークについたポールやロバート達とネットを通じてやり取りをしているのだろう。
穂積
「だから…、ありがとう。」
頭を下げられてしまえば軍配は穂積に上がる。
もう、完敗だ。
小野瀬
「はぁ…、もう、いいよ。お前の永年の恋が実ったならさ。」
本当は少しだけ悔しい気持ちが小野瀬にはあった。
小野瀬は、もしかしたら翼は自分の事を理解してくれるのかもしれない女性かと感じていたから。
だからこそ、研修初日に告白をしようとした穂積を止めたんだから。
それでもジョーの発言で穂積の部屋にいつも置いてあった写真が思い出された。
グチャグチャで足の踏み場もなくて、初めて見た時は空き巣にでも入られたのかと思った穂積の家で唯一キレイに置かれていた写真立てを。
「彼女か?」とからかうと、顔を真っ赤にして取り返していた穂積の姿を。
あれ以来、穂積の家で写真が飾られていたのを見かけなくなったから忘れてしまっていたが、ニューヨークにも持って行っていたんだな。
小野瀬
「なぁ…、穂積。」
穂積
「ん?」
隣で翼達の姿を見ている穂積に話しかけると、驚くくらい優しい、男の顔で振り返られ、さすがの小野瀬もドキリと胸が跳ねる。
「幸せか?」
やっかみと冗談のハーフ&ハーフで聞こうと小野瀬は思っていたのだが、聞かなくても腹一杯だ。
顔がいやってくらい物語ってやがる。
それでも一言、物申してやりたい。
小野瀬
「…ゆうべ暴走したろ、お前?」
昨日とは明らかに違う翼の不自然な動きに気がつくのは、恐らく小野瀬か小笠原くらいだろう。
それでも小笠原は余計な事を言うタチでは無いから、あえて小野瀬がぶつけてみた。
穂積
「……まぁ、………な。」
ボリボリと頭をかきながら穂積は若干反省の色を滲ませるものの、その顔に後悔の念など微塵もない。
ならば、俺は彼女との約束どおり、騎士(ナイト)であり続けよう。
そう思いながら勢いよくソファーから立ち上がると、小野瀬も捜査室メンバーの元へと向かった。
小笠原のパソコン画面の向こうには、にこやかに笑う三人がいた。
小野瀬
『やぁ、ポールにロバート。ジョーも、久しぶり。元気にしてた?』
『昨日別れたばかりの相手にかける言葉じゃないわ!』と向こうでも笑い声が起きる。
小野瀬
『元気そうで良かったよ。こっちは大変でさ、昨日はあれから一日中傷心の櫻井さんを慰めたり、穂積を叱ったりして、もうグッタリだよ。』
ジョー
『なんですって!?』
わざと疲れた顔をして大きな声で言うと、ソファーから穂積が飛び上がる。
ジョーも驚き顏だし、ロバートとポールは口に手を当て、声も出ないくらいだ。
穂積
「小野瀬!!」
すると、怒りを露わにしながらやってくる穂積を除けて、捜査室のメンバー達が次々に口を開いた。
明智
『大丈夫だ、ジョー。俺は今日、櫻井のためにケーキを焼いてきた。甘い物を食べさせて、気分転換をさせるから。』
藤守
『せや、櫻井、今日仕事終わったらパァーッとカラオケでも行かへん?』
如月
『えーっ、ボーリングにしましょうよ!』
小笠原
『…それよりバドミントンがいいと思う。』
穂積
『勝手にこいつの予定を決めてんじゃねぇ!!』
アワアワする翼を囲むようにアフター5の約束を取り付けようとする捜査室メンバーを、穂積が一人、また一人と翼から引き剥がす。
そして穂積はパソコン画面の向こうに睨みをきかせた。
穂積
『あのなぁ、ジョー。俺は……。』
小野瀬
『櫻井さんとは何ともない、だろう?』
穂積
『はっ!?』
被せるように話した小野瀬の顔を穂積が慌てて覗き込んだ。
ニヤリと笑いながら小野瀬がパソコン画面の向こうだけじゃなく、捜査室にも響き渡るように話す。
小野瀬
『穂積は櫻井さんの申し出を断った。日本はアメリカと違って職場内恋愛は歓迎されないから、下手したら異動することになるけどかもな。でも、櫻井さんは断られたから二人は上司と部下のままだ。気まずいだろうけど、彼女が仕事をしやすいように俺たちがフォローしていくよ。』
小野瀬が出来る翼を守ることは、彼女を捜査室から外させないことだ。
人の口に戸は立てられない。
遠く離れたニューヨークから付き合いがバレないとは言い切れないから。
パチンッと小野瀬がウィンクをすると、察しのいいジョーがひどく大げさに首を振った。
ジョー
『ルイは部下を見る目はあったようだけど、女を見る目は無かったようね。』
小野瀬
『仕方ないよ、穂積は俺のことが大好きなんだからね。』
穂積
『小野瀬!!てめぇ、ふざけんな!!』
画面の向こうではポールとロバートが顔を赤くして『キャー!』と叫んでいる。
捜査室メンバーも気がついたのか、「そっか、公認しなきゃいいんだよね。」とまで言っていた。
穂積
「てめぇら…!」
穂積がそんな捜査室メンバーに飛びかかるのを横目に見ながら、翼が真剣な顔で画面の向こうのジョーを見つめる。
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05/20(Mon) 17:25
これで本当に終わりかな。
清香
翼
『ジョーさん…、ありがとうございました。』
多くは語らなくても、ふわりと笑った笑顔が翼が幸せだと示していた。
ジョー
『ツバサ、あなたの幸せをニューヨークの空の下で願ってるわ。』
翼
『私も、ジョーさんの、みんなの幸せを、東京から願っています。』
『ありがとう。』
二人がそう言いかけた時、捜査室に電話のベルが鳴り響いた。
藤守と如月にダブルアイアンクローをかけていた穂積が、すぐさま受話器を取る。
穂積
「特命捜査室、穂積。……はい、…はい。分かりました。ウチで引き受けます。もちろん、お任せ下さい。」
事件だ。
捜査室内に一気に緊張が走る。
画面の向こうでも、固唾を飲んで見守っているのだろう。
さっきまでのふざけた様子は微塵も感じられない。
穂積
「さぁ、仕事よ。お遊びは終わりね。」
オカマ言葉に戻った穂積の顔は、もう緊急特命捜査室室長の顔だ。
穂積
「新宿区内で引ったくり事件が起きたわ。この2時間で被害者は4名。手口が似ているから同一犯の可能性があるわね。とにかく現場へ向かってちょうだい。」
言われるまでもなく、小笠原以外の皆が上着を手に取り、いつでも出られる準備をしていた。
そんな小笠原もニューヨークに繋いでいたナナコを傍らに寄せ、デスクトップのパソコン画面に新宿区の地図を出して現場をマッピングし始めてる。
穂積
「最初の現場には藤守と如月でむかってちょうだい。その後は2件目の現場ね。明智と櫻井は3件目・4件目の現場ね。詳しい場所は追って連絡するわ。」
送られてきた資料を元にして、小笠原の地図に何ヶ所ものピンが打たれた。
ここに、今、助けを求めている人がいる、と。
藤守
「ほな、行ってきます…、わ!っととッ!」
捜査室を飛び出して行こうとした足を止め、藤守が小笠原の後ろを回り込んだ。
藤守
『行ってきまーす!』
如月
『じゃーねー!』
如月も同じようにナナコの先にいるロバートやポール、ジョーに手を振っていた。
画面の中の3人は敬礼を返してくれている。
明智
『では、行ってくる。またな。』
敬礼をする明智にロバートは涙目だ。
翼
『行ってきます!』
明智にならって敬礼をした翼にジョーは投げキッスを贈った。
駆け出していく皆を見送りながら、小笠原もキーボードを打つ手を止めてニコリと画面の向こうの三人へと微笑みかける。
小笠原
『じゃ、またね。』
『バーイ。』
その音を最後に捜査室に静寂が訪れた。
穂積と小笠原のキーボードを叩く音だけが響いている。
小野瀬だけがソファーで「うーん」と猫のように伸びをして、勢いよく立ち上がった。
小野瀬
「さぁ、ラボに戻るか。どうせあと何時間かしたら、面倒な依頼がくるんだからな。」
穂積
「あら、良く分かってるじゃない?」
にこりと笑う穂積に、「ハァー、切ない。」とだけ言い残し、小野瀬も捜査室を出て行った。
とうとう二人きりになってしまった部屋で、小笠原がポツリと呟く。
小笠原
「……良かったね。」
その言葉が示すものが、一部なのか、全てなのかは分からない。
穂積
「そうね、…良かったわ。」
それでも、穂積の笑顔が全てを物語っているような気がしたのだった。
~Fin~
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05/20(Mon) 17:56
皆様ありがとうございました!
小春
ともさん、くちびるさん、連日のコメントありがとうございます。
そして清香さん、ステキなエンディングをありがとうございました。
毎回、突然始まるにも関わらず、リレーSSを楽しみにしてくださっている皆様。
お忙しい中、執筆に参加してくださった皆様。
そして、最後までお付き合いくださった皆様。
本当にありがとうございます。
全員で1本のSSを作り上げて頂きました。
SSや作家さんたちへの感想や応援などお寄せいただけたら嬉しいです。
お陰さまで、このスレもまもなく満杯です。
書き込みは『穂積と小野瀬について・3』にぜひどうぞ。
みんな大好き!
(´ 3`)ちゅー×100♪
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05/20(Mon) 19:01
参加してくださった作家の皆様へ♪
小春
清香さん、いつも本当にありがとうございます。
もはやリレーSSには不可欠の存在です。毎回、無理難題をふっかける私を、今回も笑顔で助けてくださったお陰で、最後まで到達出来ました。
ありがとうございました。
くちびるさん、毎日忘れずに来てくれて、展開のアイディアを提供して下さいまして、ありがとうございます。
甘いお題も事件のフリも、とても刺激になります。
ありがとうございました。
桜夜さん、ご自身のサイトもお持ちなのに、私のリレーSSにまでご参加くださいまして、ありがとうございます。
せっかく出来たご縁ですし、私に出来るお返しがあればいつでもお申し付け下さいませ。
ありがとうございました。
エミさん、新参者だ、なんてご遠慮なさってましたが、ご参加頂きましてありがとうございます。
そんなご心配をなさるほど、私も大したキャリアじゃありません(笑)
また機会がありましたら、ぜひよろしくお願いします。
ありがとうございました。
ともさん、毎回関西弁のチェック&締日作品へのコメントありがとうございます。
リレーSSでは要所要所でいい仕事して下さいました。難しい場面もサラッとこなしてくださり、ひそかに拝んでおります。
ありがとうございました。
せつなさん、超多忙な時期にしかもお仕事の合間を縫ってのご参加ありがとうございました。
ジョーのちゅーへの意欲と、多忙ならではのジョーの容姿の勘違いは笑わせて頂きました。
結果オーライです(*TーT)b
ありがとうございました。
上記の作家さんたちをはじめ、全ての読者の皆様に心よりお礼申し上げます。
小春より
05/20(Mon) 19:26
本当にお騒がせしました。
清香
すみませんでしたm(_ _)m
一番ぶっこんだのは私です(;д;) やっぱり夜テンションで書いたらダメですね。
途中まで真面目にやってたんだけどなぁ(´・ω・`)
毎回ピンクちゃんで参加して下さったくちびるさんも、実は私が一番望んでいた「だーい、どーんでーんがーえし!」コールをして下さったともさんも、軽いキスにしようと思っていたのに濃厚なのを足して下さったせつなさんも、嫁ミッションの間の無茶な流れを修正して下さった桜夜さんも、ハンカチ噛む可愛いポールで悶絶させて下さったエミさんも、本当にありがとうございました。
何より無茶振りばかりして遊んだ私の軌道修正をしてくれるだけでなく、広い心で受け止めて下さった小春さんにはどう感謝すればいいか分かりません(。´Д⊂) ウワァァァン!!
とっても楽しかったです(∩´∀`∩)
実は、影でロバートをロバ子、ポールをポル美と名付けて楽しんでました(ノ∀`)てへっ。
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05/20(Mon) 21:50
達成感!!
とも
ホンマにみなさんお疲れさまでした!
次は誰がぶっこんでくるのかという手探り感はリレーSSならではで楽しかった~!
私はどちらかというとスキマばっかり埋めさせてもらってましたが、何度も手直しして、やっとアップしてみたらあれだけの駄文…というのがほとんどでした。
改めて小春さん、清香さんをはじめご自身のサイトでステキなお話を書いてらっしゃるのがどんだけスゴイことなのか実感した今回でした。
また突発的に始まっちゃうのかな~?
その時はぜひとも参加させてくださ~い(^-^)/
ありがとうございました!
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05/20(Mon) 21:58
ピンク文字の…
くちびる
駄文ばかりでお恥ずかしい限りだったくちびるです( ´△`)でも楽しかったです。すごい長編になりましたね♪読み応えあります♪また最初から読みます~(^〇^)
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05/21(Tue) 09:10
お疲れ様でした。
小春
清香さん、ともさん、くちびるさん、お疲れ様でした。
さあさあ静岡の新茶をどうぞ。クラウンマスクメロンも丸ごとどうぞ。
まあ反省会というか座談会になりますけどね(よっこい、しょーいちby明智)。
ぶっ込みは歓迎ですけど、被るのはもったいないかなと今回思いました。
私は携帯ですからメールに下書きしてるし、更新されれば連絡が入るのですぐ分かるんですけど、それでもいざUPしたらともさんと同時刻で、しかもともさんのぶっ込みを潰したり(ちらり)。ここは清香さんが救ってくれましたけど(ぺこり)。
皆さんは読んで、書いて、投稿しようとして掲示板に書き込んでくれてるわけですよね。書いてる途中は更新されても気付かないわけですよね?
「投稿したら更新されててぶっ込み失敗(ちらり)」とか、「書いてて寝落ちしたら進んでた(ちらり。あ、いない)」みたいなのありましたよね。
それもリアルで面白いんですけど、やっぱり、せっかく書いてくれるのが使われないのは申し訳ない気がしてしまうんですよね。
もしもですよ。
もしも次回もリレーSSがあるならですよ。
あればの話ですよ。(←しつこい)
基本は今まで通りのスタイルですが、読んで、続きを閃いた人が「続き書きます」って先に言っておく挙手制も併用する方がいいのかなと。
それがあったら、他の人は、続きを待つか他のエピソードを書く。
と、これはまあ、次回への課題という事で。皆様のお考えもお聞かせ下さい。
さて。
今回の作品についてですが。
小野瀬さんの出番が少なくてごめんなさい(笑)
みんな、ロバ子とポル美好き過ぎ。
(*´ー`*)
ジョーと翼に反応し過ぎ。
(///ω///)
別れの空港でおみやげにサクラダモングッズを渡しそびれた。
05/21(Tue) 12:34
お疲れ様でした。
清香
さぁさぁ、横浜名物のシウマイでもどうぞ。手作りですよ(料理長の)。
あっ、小野瀬さん、メロン切って下さい。(*・∀・)つメロン
今回は二回目というのと、長かったので結構被りましたね。登場キャラとカップリングが多かったから仕方ないのかもしれませんが、もったいないですよね。
iPhoneな私はPCと同じようにネットは複数ページを開けるので、掲示板の最新ページと書き込みページを別にして、確認してから書き込んでましたが、それでも被りましたから(^_^;)
次回があるなら、挙手制もいいのかもしれませんが、寝落ちすると下手したら半日くらいスレが止まりかねないですから、怖いかも。
個人的には、ストーリーの書き込みはカラーにしていただけると振り返りやすいかなと思いました。感想は黒でもいいんですけどね。
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05/21(Tue) 12:51
本社は浜松。
小春
春華堂のうなぎパイ持ってきました。
あー、寝落ち問題があるか(←常習犯)
本文の色、今回私が最初にうっかり黒で始めちゃいましたからね。
次回は他の人と被らない色で、自分の色を決めてもらいましょうか。
小野瀬さん、メロン切り分けていただいてすみません。
しゅうまい美味しいわ。(^q^)
あと、ともさん。
お礼コメントに謎の『締日』が入っててすみませんm(__)m
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05/21(Tue) 13:55
これなら。
明智
話しながらでも食べられるだろう?
つおにぎり
つ自家製漬け物
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05/21(Tue) 15:09
明智さん!ゞ(^o^ゝ)≡(/^_^)/”
小春
穂積
「よォーしお母さんも入れー(明智を引き込む)」
小春
「あっ、室長……」
穂積
「何だ小日向。俺が来たらまずいのか?」
小春
「いやあの、私がではなく、……小野瀬さんがですね……」
穂積
「何を隠してる。見せろ!」
小春
「ああっ!」
*
~NY市警~
帰国翌日、自分のオフィスで東京、緊急特命捜査室の小笠原との通信を終えたポールは、両脇から覗き込んでいたロバートとジョーとともに、PCの前で溜め息をついた。
ジョー
『ツバサもみんなも元気そうで、安心したわ』
ロバート
『……はあ。こちらではまた、イケメン不足の日常が始まるのね』
ポール
『トーキョーでルイたちも頑張ってるんだもの。私たちも頑張りましょ。仕事も、新しい恋を探すのも、よ』
そうは言いながらも、脳裏ではまだ、今しがた見たばかりの捜査室メンバーたちの生き生きとした姿が走馬灯のように映し出されていて。
小さく溜め息をついたポールの手に、小野瀬からもらった小さな箱が触れた。
ポール
『あ』
まだ未開封だったそれを手にし、ポールがするするとラッピングを解くと、出てきたのは16GBのUSBメモリー。
ポール
『?』
普段から扱っている分野の物だけに、ポールはほとんど自動的に手を動かして、それをPCに読み込む。
ファイルを開くと、パッと画面が明るく光って、画像が動き始めた。
どうやらラボらしい風景。小野瀬が椅子に座っている。
ポールが目を見開いて見つめていると、小野瀬が、椅子を回してくるりとこちらを振り向いた。
PC画面の中で、小野瀬が、にこり、と微笑む。
ポールは思わず立ち上がっていた。
ポール
『キャー!アオイー!!(///ω///)ノシ』
ロバート・ジョー
『えっ?』
去りかけていたロバートとジョーが、ポールの声に驚いて戻ってくる。
小野瀬
《ポール、日本での研修お疲れ様。これは、俺からささやかなプレゼントだよ》
ロバート
『悔しいけど、アオイって、やっぱりキレイよねえ』
ポール
『しっ』
小野瀬
《中には、穂積、明智、藤守、如月、小笠原、櫻井さんを、それぞれ俺が隠し撮りした写真が5枚ずつ入っているよ》
ポール
『えっ!ホントっ?』
ロバート
『しっ』
小野瀬
《ポールには、さらに穂積と小笠原を5枚ずつ増量しておいたからね》
ポール
『キャー!キャー!ありがとうアオイー!』
ジョー
『しっ、てば!』
小野瀬
《ちなみにロバートやジョーへの写真とは違うから、見比べてみるといいよ》
ロバート・ジョー
『アオイー!』
ポール
『しっ!まだ続いてるわ』
小野瀬
《もうひとつのファイルには、俺の秘蔵の写真を入れておいたからお楽しみに。ただし、これはトップ・シークレット。穂積には秘密だからね》
ロバート・ジョー・ポール
『……』
3人で顔を見合わせると、ポールが頷いた。
白く太い指先が目にも止まらぬ速さで動いて、もうひとつのファイル、『報復』を開く。
次の瞬間、PC画面いっぱいに展開したのは、汗ばんだ身体でベッドに横たわり、熱っぽい眼差しでこちらを睨んでいる、半裸の穂積の画像だった。
抵抗しようとしているのか、身体を捻って、こちらに右手を弱々しく伸ばしかけている。
ロバートとポールが、ぶーっ、と鼻血を噴き出した。
ジョー
『あらあら』
ロバート
『……アオイ、good job……』
ポール
『……超、最高』
ロバート
『わ、私のには違うのが入っているのよね?!ポール、ジョー、また後でね!』
ジョー
『私のには、もちろんツバサが入ってるはずよね?ポール、ロバート、後でそっちもコピーさせてね!』
ドタバタとポールのオフィスを飛び出してゆくロバートとジョー。
鼻血をティッシュで押さえ、カチカチとキーボードを操作しながら、ポールはふと気付いた。
ポール
『……あら、アオイったら、自分の写真は入れてない』
*
穂積
「あの野郎ー!」
明智
「し、室長落ち着いて!」
穂積
「自分だけ、ちゃっかりあいつらのオカズから逃れやがって!」
明智
「……あ、まだ少しだけ続きがありますよ、ほら」
穂積
「あぁ?!」
*
ポール
『……でも、私、アオイなら声だけでもイケるわ……』
*
穂積
「ぶ、わあっはっはっはっ!」
明智
「……(穂積に背中をバシバシ叩かれながら、しゃがみこんで笑いをこらえている)」
小春
「(小野瀬さん、ごめんなさい……)」
05/21(Tue) 16:58
小春さん、ありがとう
とも
こんなところで小野瀬さんがあげたプレゼントの中身の話が出てくるとは!
さぁさぁ大阪名物のたこ焼きも食べてや~(^-^)/
京都の生八ツ橋に、鹿せんべいもあるで~!
小春さん、投稿が被っちゃったけど、潰されたなんてちっとも思ってませんよ~。確かに投稿ボタンをポチっとするまで誰かと被ってるかわからないのはネックでしたね。
タイミングが難しい…。いっそ順番決めて話を繋げる?
どうでしょう?
05/21(Tue) 17:59
こっそり。
清香
清香
『Hi!!ポール‼忙しい所に悪いんだけど、最後のルイの写真、私のアドレスに送ってくれない?』
捜査室の片隅で清香がポールへ電話をかけていた。
ポール
『あら、清香。でも、これはトップ・シークレットってアオイに言われたんだけど…。』
清香
『知ってるわよ。だからポールにお願いしてるの。お礼に前に書いたSSを英訳して送ってあげるわ。』
ポール
『それって…、もしかしてアレ?』
清香
『そう、アレ。』
『アレ』が一体何を示しているのかは、皆さんは追求しないほうがいいのかもしれない。
ポール
『(ゴクリ)…OK』
清香
『Thanks,ポール。よろしく。』
通話を切り、清香がニヤリと笑った。
すると、さっきまで腹を抱えて笑っていた、穂積が何やらぶるりと背筋を震わせている。
穂積
「なんだろう、悪寒がするな…。」
とも
「室長、大丈夫ですか?このたこ焼き、まだ温かいんで、どうぞ。」
穂積
「…あぁ、すまない。助かる。」
首を傾げながら穂積はともの差し出したたこ焼きを受け取り、頬張った。
穂積
「うん、美味いな。ありがとう、とも。」
にこりと笑いながらともの頭を撫でる穂積を、小春が羨ましそうに見つめている。
小春
「いいなぁ…。」
藤守
「どうしたん?」
そんな小春の頭を撫でたのは、藤守だった。
たこ焼き片手にニコニコと笑っている。
藤守
「ホラ、どうせ腹減ったんやろ?一緒に食べようや。」
小春
「わぁい(∩´∀`∩)」
穏やかな空気が漂う中、隅でメロンを食べる清香のポケットの中でiPhoneがメール受信した。
こっそりと確認をし、「よし、スチルGET。」と呟く。
小野瀬
「(小声)ヒミツだよ?」
清香
「ぎゃあ!」
いつの間にか清香の背後を取っていた小野瀬が、にこりと微笑んでいたのだった。