『アメリカ外伝』
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
05/16(Thu) 17:50
ノープロブレム
とも
こちらこそ被っちゃってすみません。
ついでにセリフもいじっていただいてうまく繋げてくださ~い( ̄∇ ̄*)ゞ
05/16(Thu) 20:47
今回は被るね(笑)それもまた良し。
清香
店外~小野瀬 vision~
立ち上がった櫻井さんを心配そうに見つめていたジョーが酔いつぶれた小笠原越しに俺へと話しかけた。
ジョー『ねぇ、アオイ。ツバサの様子がやっぱりおかしいと思うんだけど、追いかけて行っても平気かしら?』
その言葉に俺は静かに首を横に振る。
小野瀬「ジョー、君が心配する気持ちはよく分かるけど、今は君が行くのは逆効果だね。穂積に行ってもらおう。」
ジョー『ルイに?それはオトウサンだから?』
いつも口癖のように穂積が言っている『俺はコイツのお父さんだからな』という言葉がまさか一日でジョーにまで浸透するとはさすがの小野瀬も思わなかった。
いったいどれだけ言っているんだ。
そして、その言葉が櫻井さんの心をどれだけ傷つけていると思っているんだ。
あんなに震えながら俺の腕の中で声を殺して泣いていた子の心を。
娘としか見てもらえず、目の前に現れたのは容姿端麗で穂積と負けないくらいのキャリアを積んだジョーの存在が、櫻井さんの心をギリギリまで押しやってしまったんだ。
そんなに思われていながらも、いまだにポールに構われている穂積がムカついて仕方ない。
それでも可愛いお姫様の笑顔を守るのが騎士(ナイト)の役目だ。
小野瀬『ジョー、穂積に櫻井さんの様子を見に行くように伝えて。』
ジョー『オーケー、アオイ。任せて。』
穂積に張り付くポールを言葉巧みに引き剥がし、藤守の隣に座らせたジョーの交渉能力に驚きながらも、俺たちも裏口からこっそりと外へ出たのだった。
穂積と櫻井さんが微妙な距離を開けたまま話し始めたのが遠目に見えた。櫻井さんは背中を向けているが、穂積の事はどうにか見える。
ジョー『…ねぇ、アオイ。私、ずっと気になっていた事があるんだけど。』
小野瀬『ん?なぁに?』
ジョー『ルイって、本当はノーマルでしょ。もちろんアオイも。』
小野瀬『へぇ、なんで?』
二人とも警察に所属していても尾行をするような部署ではない。でも、自然と小声になり、ターゲットから視線を逸らさないでいるその姿は正に刑事のそれだ。
ジョー『ニューヨークにいた時はそんなに感じなかったけど、日本に来てツバサを見るルイの瞳が違うと思ったの。』
小野瀬『違う?』
ジョー『仕事の時は無いけれど、ふとした時にすごく優しい瞳でツバサを見ているわ。オトウサンって言っているけど、あれは違う。愛おしい者を見る男の瞳よ。』
小野瀬『……。』
ジョー『それに、アオイもあんな可愛い女の子達に囲まれて、毎日たくさんの女の子と遊んでいるらしいじゃない。ムカつくぐらい羨ましいんだけど。』
小野瀬『…ははっ、さすがだ。ジョー。確かに俺たちはノーマルだよ。穂積は都合でオカマを演じているけどね。』
ジョー『…やっぱり。で、ルイはツバサが好きなのね?』
小野瀬『まぁ、そこはご覧のとおりかな。』
離れた所で穂積が何やら考え事をする櫻井さんの顔を覗きこんだ。見る角度によってはまるでキスをしているよう。
ジョー『OH!私のツバサが…』
悲しげに手を口に当てるジョーに苦笑いを浮かべながらも、俺の胸も少しだけ痛んだ気がした。
それでも笑顔になってくれるなら、俺はいくらでも協力するから。
そんなことを考えながら二人を見ていると、穂積が櫻井さんの頭をくしゃくしゃに撫でながらこちらに視線を寄越した。
やっぱりバレてたか。
そして、その瞳は『来ても大丈夫だ』と物語っている。
小野瀬『さぁ、二人を迎えに行くよ。』
ジョー『えっ、でもルイに怒られるんじゃない?』
小野瀬『大丈夫。来いって言ってるよ。』
ジョー『そんなの聞こえなかったけど…。』
小野瀬『あぁ、正確にはアイコンタクトかな。なんとなく分かるんだよね、お互いに。』
ふふっと笑うと、ジョーが訝しげに俺を見る。
ジョー『……やっぱり二人ともデキてるんじゃ…?』
小野瀬『……いや…俺たちはキスだけだから。」
ジョー『!!!!』
小野瀬『あーっ、二人ともこんなところにいた!』
わざとらしく大きな声を出して、俺は固まるジョーを置いて穂積と櫻井さんの元へと駆け出していったのだった。
[削除]
05/16(Thu) 21:19
その頃の宴会。
小春
時は少し遡る。
ロバート
『ニューヨークにいた頃のルイ?それはもう、超可愛かったわよ!』
宴会の行われている座敷では、穂積の居ぬ間に、昔話に花が咲いていた。
実は櫻井、穂積、ジョー、小野瀬の順に出ていったのだが、酔いの回ってきた彼らは気にしていない。
唯一、小笠原だけが状況を把握しているが、大声で騒ぎ立てるようなタイプでもない。
ポール
『研修に来た初日に、ニューヨーク市警の猛者たちがルイにちょっかい出してね』
ロバート
『まあ、恒例の歓迎会みたいなものなんだけど。「日本人だからジュードー強いだろ」みたいなね。道着に着替えさせて、2m超すような巨漢ばかり並べて』
ポール
『後々言うこと聞くように、こてんぱんにしちゃうのよ』
如月
『2人も加わったの?』
ポール
『私たちは、そんな野蛮なコトに参加しないわよ。道場の隅で見てただけ』
ロバート
『青い柔道着を着たルイは、抜群にカッコよかったわ!誰かが面白がって、白いビニールテープでヒノマルを作って胸に貼ってね』
藤守
『日本代表かい』
ロバート
『本当にカッコよかったのは、そこからよ!』
ポール
『あんな細い身体なのに、倍ぐらいの体重の警官をぶん投げちゃうのよ!』
思い出しているのか、ロバートとポールは恍惚の表情。
ロバート
『お人形みたいに綺麗な男の子が、組んだ瞬間に相手を投げ飛ばすのよ。私、もう、一目惚れ!』
きゃ、と言いながら、ロバートは、真っ赤になった顔を両手で覆った。
ポール
『それで、ルイはいきなり同僚たちから一目置かれるようになったのよ。だけど普段は礼儀正しいし、頭の回転は速いし』
ロバート
『ポールはね、雨の日にルイに傘を貸してもらって、もう完全に参っちゃったのよ』
如月
『……乙女だなあ』
明智
『しかし、小野瀬さんと親しいのは何故ですか?一度、室長の部屋に遊びに行っただけでしょう?』
ロバート
『アオイは甘えんぼさんで可愛かったわよ』
藤守
『へえ?意外やなあ』
ロバート
『アオイには内緒にしてね』
ロバートは、大きな身体を縮めた。
ポール
『でも、アオイがルイのベッドで一緒に寝てたのはホントよ』
全員
『ええっ?』
ポール
『帰国してからも、アオイは時々メールをくれてね』
ロバート
『だから久し振りに会っても、あまり違和感がなかったわ』
藤守
『ほな、室長の方が久し振りな感じか』
ロバートとポールは、揃って首を横に振った。
ロバート&ポール
『ルイの写真はベッドルームに貼って、毎日キスして寝てるから』
ロバート
『私なんかパスケースにも写真入れてるわ』
ポール
『帰国する時は、あなたたちの写真もちょうだいね!』
全員
『……』
明智
『……そ、そう言えば、室長と小野瀬さん、遅いな』
如月
『ジョーと櫻井さんもいない……はっ!まさか?!』
酩酊状態の彼らの脳裏に、薔薇と百合の花が咲く。
全員
『いやいやいやいや!!』
全員の声がハモった。
如月
『……俺、ちょっと見てきます』
如月が腰を浮かせた時、襖が開いた。
[削除]
05/17(Fri) 01:44
何がしたいのか、ワタシ。
とも
穂積
「アンタたち、何話してたの?」
藤守
「うぉっ、室長?! …と櫻井」
如月
「の後ろに小野瀬さんとジョーさん。あれ?」
小野瀬
「何?なんでそんなに不思議そうな顔してるの?
それより君たちは、合コンでもしてたみたいに楽しそうだね?」
ロバート&ポール
『アオイ、合コンって何?』
明智
「知らなくていい!というか覚えて帰ろうとしないでくれ」
如月
「室長のニューヨーク時代の話をしてたら、皆さんがいないことに気が付いて探しにいこうとしてたんですよ」
穂積
「ふぅん、まあいいわ。今日はもう遅いし、ワタシは櫻井を送って帰るから、あとはヨロシクね」
如月
「えっ、室長、今日のお勘定は…?」
穂積
「あぁん?それならいつものやつやって決めろ。そこのクマ2匹もやらせたらいいだろ」
藤守
「イヤ、今日はなんかそれやったらアカン気がするんスけど…」
ロバート
『それってゲームみたいなことをするのかしら?なんだか楽しそう』
ポール
『ねー』
ジョー
『じゃあツバサ、私たちは二人でガールズトークでもしましょ』
櫻井
「えっと…」
ジョー
『あら、心配しないで。ツバサはキュートだからもっとアナタとお話したいと思っただけよ。』
(私のモノにしたいなんて言ったらオトウサンが黙ってないだろうから諦めるわ)
コッソリとジョーに耳打ちされた私は室長のいる方を見て笑った。
結局このあと捜査室メンバー、小野瀬、ロバート、ポールで恒例の最強の男決定戦をすることになり…
ロバートとポールが鼻血を出すほど興奮していたのだとか。
『キャー、イイオトコの筋肉サイコー!!』
[削除]
05/17(Fri) 05:30
おはようございます。
小春
おかげさまでリレーSSも3日目。
昨日はともさん、清香さん、くちびるさん、執筆ありがとうございました。
読者の皆様もありがとうございます。
本日は、穂積と翼を巡るジョーや小野瀬のアブナイ☆関係に進展ありか?
イケメン天国でのロバートとポールの研修はまだ続くぞ!
ここがいっぱいになったら、新設した『穂積と小野瀬について2nd』をご利用ください。
では、今日もよろしくお願いしますm(__)m
[削除]
05/17(Fri) 06:46
ともさん、ステキ!
清香
結局今回も負けたのは明智さんだった。
他のメンバーの口撃に遭いながら、ロバートとポールの熱い視線をかわすことはさすがのSAT元エース明智さんでも不可能だったのだろう。
シャツを脱いで汗を拭く男たちの姿にロバートとポールは鼻血を止められないでいた。
ポール『…サイコー』
ロバート『えぇ、もう帰りたくないわ…。』
一方で翼は顔を真っ赤にしながらみんなのジャケットをまとめている。
ジョー『ツバサ、大丈夫?顔が赤いけど。』
翼『あっ、大丈夫です。』
ジョー『そう?ならいいんだけど。それにしてもいつもこんな感じなの?この職場は。』
翼『そうですね。恒例と言いますか…。』
ジョー『ふーん、私だったら男くさくってやんなっちゃうわ。』
呆れたように言うジョーの姿がなんだかおかしくて、ついつい翼の顔にも笑顔が浮かぶ。
ジョー『あっ、やっと笑ったわね。』
ちょんっと鼻の頭を綺麗な指でつつかれると、翼の大きな瞳がより一層大きくなる。
ジョー『ツバサはそうやって笑っているほうがいいわ。あなたに悲しい顔は似合わないもの。』
翼『ジョーさん…。』
ジョー『ルイから聞いた?私がレズビアンだって。』
翼『ハイ…。』
ジョー『男なんて野蛮で乱暴で臭くってうるさくってやんなっちゃうわ。その点、女の子は柔らかくて甘くて良い匂いがするもの。…特にツバサは。』
一気に距離を縮めてくるジョー。
気がつけば背の高いジョーの腕にすっぽりと包み込まれてしまっていた。
翼『あっ、あの、ジョーさんッ!』
ジョー『ふふっ、そんなに硬くならないで。ノーマルの子に手は出さない様にしているから。それに…好きな人がいるんでしょ?』
図星をつかれて、翼の身体がより一層硬直する。
それでも耳元で囁くようにして言われると、なんだかむず痒くなってしまう。
翼『耳元で話さないで下さい…。』
ジョー『やだ、ツバサ、可愛い。耳元が弱いのね?』
真っ赤になりながらもジョーの腕から抜け出せないでいるのは、やはり生物学的に女であるという事が関わっているのかもしれない。
翼『や、やぁ…。』
ジョー『どうしよう…。可愛すぎるんだけど、この子…。』
『…おい』
スリスリと頬ずりまでされながらも腕を振りほどけないでいると、頭上から地を這うような低い声が聞こえてくる。
そしてあっという間に違う香りに包まれていた。
穂積『ジョー!!!!コイツに手を出すなと言っただろうが!!!』
ジョー『あれ、奪われちゃった。』
穂積『てめぇ…。』
ジョー『オトウサン怖い~』
小野瀬『ね、怖いでしょ?自分の着替えもそこそこにこうやってすぐやってきちゃうんだから。』
よく見てみると、穂積はいまだにシャツのままだ。ベストに袖は通したものの、ボタンは締めておらず正にシャツのまま抱きしめられている状態で。
ネクタイもしていないせいか、いつも以上に身体の熱が伝わってくるようで、翼の鼓動が一気に跳ね上がる。
穂積『お前らがコイツにちょっかいをかけるからいけないんだろうが!櫻井も櫻井だ!ジョーは見た目は女だが、中身は小野瀬と同じだと思え!!』
小野瀬『えー。』
ジョー『えー。』
『分かったか、アホの子が!』と鼻をつままれ怒られるものの、背中を包む手はどこか優しい。
穂積『ほら、明日も仕事なんだから帰るぞ。仕度しろ。』
ポンっと背中を叩かれ、温もりは離れていってしまったけれど、全身が穂積の香りに包まれているようで、自然と笑顔が浮かんでくる。
ジョー『ふふっ、そんなにルイが好きなんだ。なんか悔しいわ。』
再び耳元で囁かれたジョーの言葉に、翼の身体が飛び跳ねる。
ジョー『大丈夫。ヒミツ…よね?』
コクコクと頷くと『なら、私もナイトになってあげる♪』と呟いてジョーは未だに倒れる明智の元で汗を拭いたり水を飲ませているロバートの元へと行ってしまった。
始まったばかりのニューヨーク市警の3人による研修。
これからいったいどんなことが待ち受けているのだろう。
そして翼の恋の行方は?
リレーも4日目だが、研修はまだ初日だ!!(爆)
05/17(Fri) 08:47
おはようございます♪
くちびる
室長は車で来ていた。そういえばアルコール取ってなかったっけ…。「今日は送って行くつもりでいたからな。」私の考えていた事が分かるのか、そう言いながらドアを開けた。「全くお前はスキがあり過ぎる!危なかっしくて放っておけない!」「それってどういう意味ですか?」私は思わず口走っていた。…またまた参加しちゃってます♪今から仕事なんで続きお願いします♪
[削除]
05/17(Fri) 10:16
くちびるさんは甘い展開ご希望。φ(..)
小春
くちびるさん、ありがとうございます。
~車内・翼vision~
穂積
「……言葉通りの意味よ」
私が問うと、室長はそう言って車を発進させた。
さっき少し近付いた距離が、また、上司と部下に戻る。
それとも、父親と娘だろうか。
翼
「……す」
穂積
「え?」
運転席の室長が、声だけ私を振り返った。
私だけがやきもきして、泣いて、騒いで。
室長はいつも余裕で、遥か遠く先にいて。
穂積
「……ワタシは、狡い?」
翼
「!」
地獄耳だと忘れていた。
室長は溜め息をつくと、車を路肩に寄せ、ハザードランプをつけて停車させた。
翼
「あ、あの……」
穂積
「……待ちたいと思っていた」
室長はハンドルを握り締め、そこに額を押し付けた。
そうすると長い前髪が被って、室長の表情が見えなくなる。
穂積
「知ってしまったら、抑えきれなくなるから……」
黙り込む室長に、私の鼓動はどんどん速くなる。
何を?
何を待って、何を知って、何を抑えきれなくなるの?
それは……
パパパパーン、と、突然、後続車がクラクションを鳴らした。
ビックリして、心臓が跳ね上がる。
室長も驚いたらしく、運転席の窓から後ろを振り返っていた。
低速で近付いてきた車の運転席と助手席で、それぞれ、小野瀬さんとジョーさんが笑っている。
穂積
「あいつら!!」
室長はドアを開け、小野瀬さんの車に向かって、物凄い勢いで飛び出して行ってしまった。
[削除]
05/17(Fri) 11:52
あら、残念(´・ε・`)
清香
小野瀬
『やっほー。』
ジョー
『ハーイ!』
車内の二人は窓を開け、覗き込んできた穂積に楽しそうに挨拶をした。
その軽さが覚悟を決めようとした穂積の怒りを増幅させる。
穂積
『てめえら、俺がせっかく…』
小野瀬
『せっかく?』
ジョー
『何しようとしたの?もしかして…?』
穂積
『…………。』
「やべっ」と言いたげな表情で穂積が黙った。
小野瀬
『彼女は今日一日色々なことがあって少し混乱してるんじゃないのかな。もう少し待ってあげても良いんじゃないかと俺たちは思ったんだけど?』
ジョー
『そうね。私たちが来てバタバタしているし。』
穂積
『………。』
小野瀬
『10年以上待ったんだ。数日待つのが伸びるくらいなんでもないだろう?それとももう限界か?』
ジョー
『WOW!そんなに長いの?日本人って凄いわね!!』
穂積
『てめぇ…、余計なこと言ってんじゃねぇ!』
口を滑らした小野瀬の首を締めあげるも、小野瀬は苦笑いをしながら続ける。
小野瀬
『おいおい、感謝して欲しいくらいだな。暴走しそうなお前を止めてやったつもりだけど?』
穂積
『ハァ?』
小野瀬
『お前の車、シートがフルフラットになるだろ?こんな公道でおっ始めないかヒヤヒヤしてたんだけど。』
穂積
『こんなとこでするわけねぇだろうが!お前と一緒にすんな!!』
小野瀬
『俺だってこんなムードのないとこじゃしないって。せめて海辺まで行くよ。』
穂積
『そういう問題か!!!』
小野瀬
『冗談はさておいて、それくらいお前も彼女も今日はお前も彼女もどう見ても危うい。10年以上待ったんだから、今更数日伸びたって大差ないだろ?まさかもう限界か?』
穂積
『んなわけねぇだろ!』
小野瀬
『じゃあ、どうすればいいか、お前なら分かるだろ。』
穂積
『…ああ。分かった。じゃあな。』
小野瀬
『お休み。』
小さく「サンキュ。」と言った穂積は自分の車に戻ると助手席の翼の頭を撫でると、夜の街へと車を走らせた。
見送った小野瀬も、ため息を一つついてエンジンをかける。
ジョー
『本当にアオイとルイは仲良いのね。』
それまで黙っていたジョーが助手席でニコニコしながら小野瀬をつつく。
小野瀬
『仲良くないから!俺がどれだけ迷惑をこうむってるか、見たら分かるでしょ?』
ジョー
『でも、アオイはすごく楽しそう。』
小野瀬
『まぁ、退屈はしないけど…。』
ふふっと笑うジョーを横目に、小野瀬の車も夜の闇に消えて行ったのだった。
[削除]
05/17(Fri) 13:14
~翌日・捜査室~
小春
翌日から、本格的な研修が始まった。
ポールは小笠原とともに、新設されたばかりのサイバー攻撃特別捜査隊本部へ。
ロバートは藤守、如月ともに、日本の警察官教育の現場見学に。
ジョーは、明智、櫻井とともに公安へ。
警視庁に勤務していても、普段なかなか近寄れない部署だけに、一日研修に付き合っただけで、櫻井はヘトヘトに疲れてしまった。
明智
「櫻井、ハーブティーを淹れたぞ」
翼
「ありがとうございます……」
明智の優しさがありがたい。
藤守
「しかし、意外やったなぁ」
明智
「何がだ」
藤守
「ロバートですよ。確かにガッチリしたマッチョやけど、逮捕術も射撃も、教官たちよりずっと達者なんやから!」
ロバート
『いやーん、ケンジ。内緒にして、って言ったのに!』
イヤイヤをするロバートの傍らで、明智が興味深そうな顔をしている。
明智
『それは、俺も興味あるな』
ロバート
『えっ、ホント?ホント?はしたない、とか思わない?』
明智
『…………普通、思わないだろう。警察官なんだから』
如月がハーブティーを啜る。
如月
『ポールがハイテク犯罪に強いってのも意外ですけどね』
小笠原
『俺以上かも。アメリカはその手の犯罪の本場だし』
穂積
『アンタたち、ワタシの最初の説明聞いてた?ニューヨーク市警の敏腕刑事だと言ってあったはずだけど』
藤守
『そうなんすけど。その直後の衝撃的な情報で忘れてしまったっちゅーか……』
05/17(Fri) 14:39
小春
翼
「あのう」
穂積
「はい、櫻井くん」
翼
「私も今さらなんですけど……ジョーさんの『警察委員』ってどんなお仕事なんですか?」
穂積
「ふむ」
穂積は、全員の顔を見渡した。
穂積
「今の、櫻井の質問に答えられる人は?」
明智と、小笠原が手を挙げる。
穂積はその2人の頭を撫でてから、櫻井を振り返った。
穂積
「櫻井。今の質問は、手を挙げなかった方のお兄さんたちに教わりなさい」
藤守・如月
「げっ」
穂積
「ふん」
そんなやり取りを見ながら、当のジョーと小野瀬は、コーヒーサーバーの近くで笑っていた。
ジョー
『スパルタ式ね』
小野瀬
『穂積はいつもああだよ。部下には必ず、まずは自分たちで考えさせる。俺なんか、つい、先に答えを教えてしまうんだけど』
ジョー
『人に任せるより、自分でやってしまうタイプ?』
小野瀬
『そう。研究者には向いているけど、指導者向きではないかもね。その点、穂積は、部下を育てようという意識が強い』
ジョー
『普段はあんな怒りんぼさんなのに、意外と思慮深くて辛抱強いのね』
小野瀬
『恋愛もそうだよ』
次の瞬間、分厚いファイルが飛んできて、小野瀬の顔面を直撃した。
[削除]
05/17(Fri) 15:04
お邪魔します♪
くちびる
「痛って~!何だよ穂積!!事実だろうが!」小野瀬は顔面を擦りながら叫んだ。穂積「てめえはべらべら余計な事言ってんじゃねえ!」ジョー「ルイは自分の事になるとすぐムキになるのね♪」翼「室長…落ち着いて下さい。」…こんな感じで書いてみました♪
[削除]
05/17(Fri) 22:05
今日は忙しかったわ(´・ω・`)
清香
藤守
「しゃあない、警察委員ちゅーのを調べるで。如月、櫻井、こっちでやろうや。」
如月
「はぁーい。」
櫻井
「なんかすみません。私が言い出したばかりに…。」
藤守
「ええねん、ええねん。俺もなんだか分からんかったからな。」
如月
「そうだよ、翼ちゃん。一緒に調べよ?」
翼
「はいっ!」
藤守の声かけで集まった3人は口々に「へー。」「ほー。」「ふーん。」と言いながら額を付き合わせるようにパソコンの画面を覗き込んでいた。
小笠原は引き続きポールと最新のサイバー攻撃に対する対処法を話し、明智はロバートと終業後に射撃場に行こうと誘っている。
穂積
「ところでアンタ達、今日の研修の報告書は出来てるの?」
全員
「「「出来ました!!」」」
全員の声と、穂積を見る目が重なる。
穂積
「は?明智と小笠原と櫻井はまだしも、藤守と如月も?」
藤守
「ハイ!ちゃちゃっと済ませましたわ。」
如月
「俺たちもやれば出来るんですよー。」
穂積
「なら、いつもやれよ……。」
次々に出される報告書に呆れながらも、穂積の横顔はどこか楽しそうだ。
穂積
「ホント、おまえらなぁ…。」
藤守
「あっ、定時や!如月、行くで!」
穂積の声を遮るように藤守が立ち上がる。
如月
「アイアイサー!ただちに検索業務を終了致します!翼ちゃん、ゴメンね。俺たちちょっと行くから、また明日ね?」
明智
「なんだお前たち、そんなに急いでどこへ行くんだ?」
慌てるように帰り支度をする二人に明智が声を掛ける。
藤守
「柔道場っすよ。今日見たロバートの逮捕術をやってみようって如月と話してたんで。」
如月
「ふーじーもーりーさーん、早くー!」
藤守
「おぅ!行くで!」
捜査室を飛び出す二人の後姿は、まるで放課後に遊びに行く約束をした小学生のよう。
明智
「おっ、おい!二人とも!」
『お先に失礼しまーす!』と言う声が廊下からかすかに聞こえる。
ロバート
『気になる?』
明智
『いや、今日は射撃を…』
ロバート
『射撃は明日でもいいじゃない。今日はマークにも見せてあげる。…ワタシのテクニックを。特別よ?』
明智
『…いいのか?』
頬を染めながらコクンと頷くロバートは、乙女そのものだ。
それでも気がつかないのが、逆に明智らしい。
明智
『じゃあ俺たちも行こうか、ロバート。』
ロバート
『えぇ、そうしましょう。』
「お先に失礼します。」と言いながら柔道場へ向かおうとする明智をロバートが小走りで追いかける。
ドアが閉まる直前に親指をグッと立てた姿は穂積と小笠原の背筋を凍らせた。
同じように親指を立てて『Good Luck!』と言ったポールの言葉は聞かなかったことにしようと鈍感な翼さえも感じる。
小笠原
『ねぇ、ポールは明日科警研に行くんだよね?』
パソコンの画面から目を離さないまま、小笠原がポールに話しかける。
ポール
『そうよ。アオイと行く予定だけど?』
小笠原
『俺も行っていい?というか、行くから。』
普段は外に出たがらない小笠原の発言に、いつもは冷静な小野瀬すら驚いて口を挟む。
小野瀬
「おいおい、勝手に決めるなよ。自分の仕事は大丈夫なのか?」
小笠原
「あっ、そうか。」
ジッと成り行きを見ている穂積のデスクの元へ小笠原が向かった。
小笠原
「室長。」
穂積
「…何?」
小笠原
「明日ポールの研修の付き添いで科警研に行かせてください。お願いします。」
小笠原がぺこりと頭を下げる。
穂積
「今抱えてるデータ分析はどうするの?」
小笠原
「今日中に終わらせます。確実に。」
ジッと穂積の目を見つめ、離さないでいる小笠原の顔は真剣だ。
穂積
「分かったわ。気をつけて行ってらっしゃい。」
小笠原
「ありがとうございます。」
最後まで丁寧に頭を下げ、礼を言う小笠原にポールが笑顔で近づいた。
ポール
『良かったわね!よろしくね、リョウ。』
小笠原
『うん。もっと色々と教えてね。』
ポール
『も・ち・ろ・ん♪』
小笠原
『仕事の事だけでいいから!』
ポール
『もう、ツンデレなんだからッ!』
ツンツン突こうとするポールの手を小笠原は本気で叩き落す。
小笠原
『どこでそんな言葉覚えたのさ?』
ポール
『えっと、日本のアニメ。BLのやつ。』
小笠原
『バカじゃないの?ねぇ、やっぱりバカじゃないの?』
それでもパソコンに向かう小笠原の隣で分析を手伝おうとするポールを小笠原は避けない。
そして、ジョーも上着とバッグ片手に立ち上がった。
ジョー
『さぁ、ツバサ。私達も行きましょうか。』
翼
『あっ、ハイ!』
穂積
『はぁ?』
ジョー
『じゃあねー。また明日。』
翼
「すみません、室長。お先に失礼します。」
ウキウキと翼の手を引きながら帰ろうとするジョーを穂積が慌てて引き止める。
穂積
『って、どこへ行くんだ!?』
ジョー
『やあねぇ、オトウサンったら。女子会よ、じょ・し・かい!今、日本で流行ってるんでしょ?せっかく来たんだから。』
「ねー。」と翼に笑いかけるジョーの笑みの奥に何やら思惑があるのを穂積の直感が受け止める。
穂積
『ダメだ!コイツと二人きりで出かけるのは俺が許さん!』
ジョー
『横暴よ!』
穂積
『うるさい、女小野瀬がっ!』
嫌な例えに使われた小野瀬が文句を言おうと立ち上がると。
ジョー
『強行突破よ!ツバサ!!』
穂積の机にあった書類をブチまけて、ジョーが翼の手を引いて走り出した。
翼
「あっ、あの!」
風のように去ったジョーと翼を見送ることとなった穂積が深いため息を吐く。
穂積
「研修もいいんだが、悪いんだか…。」
小野瀬
「いいんじゃないの?みんないい影響を受けてるようじゃないか。」
穂積
「なら、いいんだがな。」
もちろん、その小野瀬の言葉が真実になることを、穂積も確信してたのだ。
[削除]
05/18(Sat) 05:27
おはようございます。
小春
昨日はともさん、清香さん、くちびるさん、ご参加ありがとうございました。
今日もよろしくお願いします。
小野瀬
『じゃ、今夜は俺が穂積を独占していいんだね?』
穂積
「わざわざ英語で意味ありげな誘い方をするな!ポールが赤い顔して目を潤ませてるじゃねえか」
小野瀬
「だって、みんなデートに行っちゃったし?」
穂積
「デート言うな」
小野瀬
「俺たちもデートしよ?その書類の処理が終わったらラボに寄ってね。待ってるから」
穂積
「耳元で囁くな!」
小野瀬
「俺が車出すから。いつものバーでいいよね?」
穂積
「柔道場も心配なんだがな……」
小野瀬
「穂積ぃ」
穂積
「分かったから!行くからアップで迫るな!」
小野瀬
「やった」
穂積
「抱きつくな!」
ポール
『(小声)アオイったら、私の目の前でルイを口説くなんて……!(ハンカチを噛み締める)』
小笠原
『(小声)あの人いつもあんなだけど』
ポール
『(小声)そうよね。昔から、アオイの方が積極的にアプローチしてたわ。アオイはキレイだもん、ルイとお似合いよね』
小笠原
『(小声)ポールも可愛いよ。シロクマみたいで』
ポール
『(小声)ありがとう、リョウ。それ褒めてないけど、嬉しいわ(頬にチュッ)』
小笠原
『?!』
穂積
『ポール!小笠原に仕事以外の事は教えるなと言っただろうが!!』
[削除]
05/18(Sat) 09:00
アフター5~翼とジョー~
小春
翼
『……?』
ジョー
『どうしたの、ツバサ?』
ショッピングモールの中のカフェに入りかけていた翼が不意に背後を振り返ったので、隣にいたジョーが首を傾げた。
が、当の翼も首を傾げる。
翼
『誰かの悲鳴が聴こえたような……』
けれどもすぐに、翼は意識を現実に戻した。
翼
『すみません、きっと空耳です。入りましょう』
ジョー
『ツバサは敏感だって聞いているから、私には聴こえない声も聴こえるのかもね』
ジョーは微笑んだもののそれ以上は深入りせず、カフェの末席に腰掛け、両手に提げていたたくさんの紙袋を脇に下ろした。
ジョー
『私、コーヒー。cold』
翼
『私は、アイスカフェオレ』
店員にオーダーを済ませると、ジョーはすぐに紙袋の一つを開いて、取り出した物を翼に押し付けた。
ジョー
『ホラ!言った通りでしょ?やっぱりすっごくよく似合うわ。とてもキュート!』
翼
『そ、そうですか?』
普段、自分では選ばない色のカットソー、それにカーディガン。
でもとても綺麗な色だし、形も上品。
ジョー
『これなら、ビジネスでも使えるわ。明日、着ていらっしゃい。ルイが見惚れる事請け合いよ』
翼
『……』
室長とは、送ってもらった後、お互いに何となく距離を置いたまま。
ジョー
『そんな顔しないの。大丈夫だから』
翼
『…ふふ』
ジョー
『何?』
翼
『ジョーさんって、本当に小野瀬さんみたい』
翼が笑うと、ジョーも嬉しそうに笑った。
ジョー
『そうよ。アオイと私は、翼のナイトなの。あなたの笑顔が大好き。それを守ってあげたいのよ』
ちょっと切ないけどね、という言葉は出さずに飲み込んで、ジョーは、テーブルの上に置かれた翼の手の甲を撫でた。
翼
『ジョーさん……ありがとうございます』
ジョー
『さあ!休憩したら今度は靴を見に行くわよ!』
グラスを手に明るく言うジョーに、翼はようやく、心を開こうとしていた。
05/18(Sat) 09:12
おはようございます♪今日も仕事前にちょびっと…
くちびる
ジョーさんの優しさに暖かな気持ちになり、席を立とうとしたその時…「助けて…」聞こえる…周りを見渡すが特に変化はない。ジョー「ツバサ?どうかした?」私は首を横に振り「行きましょう。」とジョーさんに笑顔を向けた。きっと私の思い過ごしだ。ここ数日色々あったから…。
[削除]
05/18(Sat) 15:31
くちびるさん、ありがとうございます。
小春
清香さん失礼します、ちょっとお先に。
~アフター5・翼とジョー~
翼
『すみません、ジョーさん』
ジョー
『いいのよ』
翼とジョーは、さっきまでに買った大量の荷物をコインロッカーに預け、カフェの周辺を歩きまわっていた。
空耳かもしれないと思いながらも、翼には、数分前に聞こえた幼い悲鳴が耳から離れなかったのだ。
最初に聞こえた「あっ」という声。
その後に聞こえた「助けて……」という声。
すると、通路の反対側から、翼たちと同じように、何かを探しているような様子で、中年の女性が歩いてきた。
蒼い顔をして辺りを見回し、時々身を屈めて物陰を覗き込む。
翼とジョーは顔を見合わせた。
翼
「あの、どうかなさいましたか?」
声を掛けると、小柄なその女性は、泣き出しそうな顔で翼を見上げた。
翼の母親より、少し年上だろうか。
女性
「2歳の孫が、私が悪いんです。レジで、ほんの少し目を離した隙に。足が悪いんです。この階にいると思うんです」
堰を切ったように、女性が喋り始めた。
翼にしがみついて、涙をぽろぽろと零し始める。
すると、ジョーが、二人を抱えるようにして歩くよう促し、翼と女性を、ともに通路のベンチに座らせた。
ジョー
『ツバサ、私は日本語が話せないから、この人についていてあげて。迷子でしょう?私が探してくるわ』
翼が女性から聞き出した迷子の特徴を伝えると、ジョーは頷いて、あっという間に駆け出して行った。
待つ事数分。
次に現れた時、なんと、ジョーはもう、子供を背負っていた。
翼の隣から女性が飛び出して行って、ジョーに縋り付く。
興奮と涙で何を言っているのか支離滅裂だが、ジョーが屈むと、その背中から孫娘を引き寄せ、抱き締めた。
女性
「ありがとうございます、ありがとうございます」
抱き合って喜ぶ祖母と孫娘に、翼は思わずもらい泣きしてしまう。
けれど、礼を言いながら去っていこうとする祖母の前に回り込んだジョーは、びっくりするほど冷たい表情をしていた。
ジョー
『ツバサ、自分のバッグの中を調べてみて』
翼
『え?』
戸惑いながらも、翼は自分のトートバッグのファスナーを開けてみて……顔色を失った。
翼
『……財布が、ありません』
舌打ちが聞こえたと同時に、さっきまで丸くなってぺこぺこしていた中年女性が、いきなり逃げ出した。
しかも、孫娘を置き去りにして。
翼
「あっ!」
一瞬、追おうか、孫娘を保護しようか、翼に迷いが生じた。
その間に、ジョーが女性に追い付いて腕を捉える。
抵抗して暴れる女性だが、ジョーの手は緩まない。
女性
「ちくしょう!」
ジョー
『ツバサ!現行犯逮捕よ!』
翼の傍らで、孫娘が、わっと泣き出した。
ショッピングモールを通して、窃盗の現行犯で捕らえられた女性は、孫娘とともに、警察に連れられて行った。
事情説明を終えた後、翼は、モールの事務所の椅子から立ち上がれずにいた。
ジョー
『元気出して、ツバサ』
ジョーはずっと、翼を励まし続けていた。
ジョー
『よくある事よ。あの祖母が、悪い考えに囚われただけ』
翼
『……子供の声は……』
ジョー
『あの子供は、何も知らないの。足が悪いのも本当よ。車椅子が必要なのに、祖母に、階段に置き去りにされた。だから、助けを呼んでいた』
翼
『……』
翼は唇を噛んだ。
いわゆる介抱詐欺の一種だ。
それを、見抜けなかった。
ジョー
『ニューヨークでは、日常茶飯事よ。相手が、刃物を持ってなくて良かったわ。元気出して、翼』
翼
『……』
ジョー
『ルイたちを呼んだから。すぐに来てくれるはずだから』
翼
『……』
翼はジョーが掛けてくれる言葉に、ただ頷いていた。
何か言えば泣き出してしまいそうで。
悔しくて悲しくて、それをどう治めたらいいのか分からなくて。
その時。
小野瀬
『2人とも、大丈夫?』
事務所の扉を開けて入ってきたのは、小野瀬。
ジョーにつられて、翼も反射的に立ち上がる。
けれど、小野瀬の後に入ってきた穂積の姿を見た途端、膝から力が抜けそうになった。
穂積は真っ直ぐに歩いて来て、翼の前に立つ。
小野瀬が、心配そうに訊いてきた。
小野瀬
『大変だったね。怪我は?』
ジョー
『ありがとう、怪我はしてないわ。ね、ツバサ』
翼
『はい』
翼は3人を心配させないように、出来るだけ明るい声を出した。
翼
『大丈夫です』
小野瀬
『そう、良かった』
穂積
「嘘をつくな」
穂積の低い声に、翼はびくりとした。
顔を上げると、穂積と目が合う。
穂積は翼を見つめて、眉をひそめた。
穂積
「……お前、傷だらけじゃないか」
翼
「……あ」
穂積の言葉に、堪えてきた涙が溢れる。
穂積
「こんなに我慢して」
ふわり、と、穂積の腕に包まれた。
穂積
「馬鹿だな」
穂積が、腕に力をこめた。
翼
「う……う、わぁあああん!」
穂積が抱き締めてくれる。
温かい胸が、涙を吸いとってくれる。
穂積
「お前は悪くない。何も悪くない」
翼
「……っく、えっ、えええん」
ジョーと小野瀬に見守られ、穂積の腕に抱かれて、翼はいつまでも泣き続けた。
[削除]
05/18(Sat) 15:33
くちびるさんの出勤時間は9時前後ですね( ..)φメモメモ
清香
アフター5 ~柔道場~
ロバート
『アメリカ、特にニューヨークは治安維持が警察の最重要任務と言っても過言じゃないわ。銃を持つことも許されているから、未だに私たちでも危険だと思う地域もあるの。』
柔道着に着替え、柔軟体操をしながらロバートが現状を説明する。
明智
『それだけ守る側も命懸けだという事か。』
ロバート
『そうね、悲しいことだけれど。だから、逮捕術や射撃の腕前が上がるのも、必然かもしれないの。』
藤守
『それでも圧巻やったけどなぁ。』
如月
『そうですよー。本気でビックリしましたもん!』
今まで当たり前だと思ってやってきた事を手放しで褒められ、ロバートの頬が赤く染まる。
ロバート
『やだ、もう。恥ずかしい。』
両手で顔を覆うロバートの肩に、明智がそっと手を乗せる。
ロバート
『…マーサ?』
明智
『ロバートは素晴らしい考えと実力を持ってる。なんら恥じることなんてないぞ。俺が保証するから。』
真剣な明智の顔に、ロバートも花のようにほほ笑む。
そう、まるでラフレシアのように。
ロバート
『…ありがとう、マーサ。』
明智
『どういたしまして。さぁ、稽古をつけてもらおうかな。』
ロバート
『任せて!NY式はちょっと荒いから、怪我しないでね?』
立ち上がった明智に手を引かれながらロバートもやる気を見せる。
藤守
「なんやろ、凄い邪魔してる気がしてしゃあないんやけど。」
如月
「藤守さん、シー。ターゲットは明智さんに絞られたようですから、俺たちの身は安全です。大事なことだけ学びましょう。」
ひそひそと話す二人に、明智が不思議そうに声をかけた。
明智
「どうした、二人とも?」
藤守・如月
「「いや、なんでも!!!」」
それから始まったロバートの逮捕術講義は正に本場・アメリカの問題を体現するかのように力強く、時に荒いものだった。
如月
「いででででえ!!!!」
ロバート
『車上荒らしが起きた時は、こうして腕をねじ伏せて車や駐車場の壁に押し付けるのよ。』
明智
『こうか?』
藤守
「いだだだあぁぁぁ!!明智さん、ストップ、ストップ!!」
手本を見せるロバートと同じように、明智が藤守をねじ伏せる。
明智
「藤守、もう少し我慢してくれ。なんか形が少し違う気がするんだが…、フンッ!」
藤守
「ぎぃやぁぁあああ!」
ロバート
『うん、マーサはやっぱり飲み込みが早いわ。いつでもニューヨーク市警で一緒に働けるわよ。』
明智
『そ、そうか?』
ロバート
『えぇ、もちろん。私が保証するわ。』
さっきの明智と同じように言うロバートに、明智も笑みを浮かべる。
明智
『ははっ。』
ロバート
『うふふっ。』
にこやかに笑う二人とは対照的に、藤守と如月は柔道場の床で生ける屍として転がっていたのだった…。
05/18(Sat) 19:10
小春
~アフター5・ショッピングモール~
翼は化粧室の洗面台で、じゃぶじゃぶと顔を洗っていた。
タオルで水分を拭き取ると、ジョーが基礎化粧から始めて、涙の跡を隠してくれる。
ジョー
『ツバサは肌が綺麗ね』
翼
『ジョーさんのお化粧が上手なんですよ』
穂積の腕の中で、子供のように泣きじゃくってしまった事が恥ずかしい。
「職場で泣く時は、小野瀬じゃなく、ワタシの胸にしてほしいんだけど」
昨日、そう、言われたばかり。
でも、ここは職場ではないし、勤務中でもない。
それなのに、……室長は、胸を貸してくれた。
ジョー
『ツバサ、嬉しそう』
翼
『えっ』
ジョー
『やっぱり、ツバサを元気にさせられるのは、ルイが一番なのかしらね』
穂積の事を考えていたのを見抜かれて、翼は真っ赤になった。
ジョー
『あら、チークはいらないみたいよ』
翼
『もう!』
化粧直しを済ませて事務所に戻ると、穂積と小野瀬が談笑していた。
彼らも、呼び出されてから到着するまで、ジョーと翼の様子が心配だったのだろう。
それから解放されて、ようやく笑顔が戻ったようだった。
小野瀬
『あれ、櫻井さん。メイクが変わったね?』
さすがは小野瀬。
穂積の方は「ふーん?」と首を傾げただけ。
翼はおずおずと穂積の前に行き、頭を下げた。
翼
「室長、ご迷惑をおかけして、すみませんでした」
穂積
「ホントよねー。全く世話のやけるコだわ」
穂積は長い指でつん、と翼の額をつついた。
翼
「うう、すみません」
穂積
「お人好しの上にぼーっとしてるから、詐欺なんかに引っ掛かるのよ、ア・ン・タ・は!」
翼
「……さっきは、『私は悪くない』って言ってくれたのに……」
さらにつんつんとつつかれながら、翼がささやかな反抗を試みる。
穂積
「アンタが泣いてたからでしょうが、アホの子」
翼
「……泣いてなかったもん」
言いながらもう泣きそうな表情で、それでも唇を尖らせて上目遣いで穂積を睨む。
穂積
「あぁ?泣いてたから、優しくしてやったに決まってるでしょ?!」
翼
「室長が優しくしてくれたから泣いちゃったんだもん!」
精一杯の口答えは、語尾がもう涙声だ。
穂積
「アンタ言い掛かりつける気?!」
小野瀬
「まあまあ、穂積」
ジョー
『ツバサも、もうやめなさい。また、お化粧崩れちゃうわよ』
さすがに小野瀬とジョーが割って入った。
小野瀬
「仲直りして食事に行こう、ねっ、櫻井さん!」
ジョー
『私、今日は焼肉が食べたいわ!ね!ルイ、お願い!』
こうして、まだ睨み合う穂積と翼を引っ張って、小野瀬とジョーは一路、焼肉屋に向かったのであった。
ノープロブレム
とも
こちらこそ被っちゃってすみません。
ついでにセリフもいじっていただいてうまく繋げてくださ~い( ̄∇ ̄*)ゞ
05/16(Thu) 20:47
今回は被るね(笑)それもまた良し。
清香
店外~小野瀬 vision~
立ち上がった櫻井さんを心配そうに見つめていたジョーが酔いつぶれた小笠原越しに俺へと話しかけた。
ジョー『ねぇ、アオイ。ツバサの様子がやっぱりおかしいと思うんだけど、追いかけて行っても平気かしら?』
その言葉に俺は静かに首を横に振る。
小野瀬「ジョー、君が心配する気持ちはよく分かるけど、今は君が行くのは逆効果だね。穂積に行ってもらおう。」
ジョー『ルイに?それはオトウサンだから?』
いつも口癖のように穂積が言っている『俺はコイツのお父さんだからな』という言葉がまさか一日でジョーにまで浸透するとはさすがの小野瀬も思わなかった。
いったいどれだけ言っているんだ。
そして、その言葉が櫻井さんの心をどれだけ傷つけていると思っているんだ。
あんなに震えながら俺の腕の中で声を殺して泣いていた子の心を。
娘としか見てもらえず、目の前に現れたのは容姿端麗で穂積と負けないくらいのキャリアを積んだジョーの存在が、櫻井さんの心をギリギリまで押しやってしまったんだ。
そんなに思われていながらも、いまだにポールに構われている穂積がムカついて仕方ない。
それでも可愛いお姫様の笑顔を守るのが騎士(ナイト)の役目だ。
小野瀬『ジョー、穂積に櫻井さんの様子を見に行くように伝えて。』
ジョー『オーケー、アオイ。任せて。』
穂積に張り付くポールを言葉巧みに引き剥がし、藤守の隣に座らせたジョーの交渉能力に驚きながらも、俺たちも裏口からこっそりと外へ出たのだった。
穂積と櫻井さんが微妙な距離を開けたまま話し始めたのが遠目に見えた。櫻井さんは背中を向けているが、穂積の事はどうにか見える。
ジョー『…ねぇ、アオイ。私、ずっと気になっていた事があるんだけど。』
小野瀬『ん?なぁに?』
ジョー『ルイって、本当はノーマルでしょ。もちろんアオイも。』
小野瀬『へぇ、なんで?』
二人とも警察に所属していても尾行をするような部署ではない。でも、自然と小声になり、ターゲットから視線を逸らさないでいるその姿は正に刑事のそれだ。
ジョー『ニューヨークにいた時はそんなに感じなかったけど、日本に来てツバサを見るルイの瞳が違うと思ったの。』
小野瀬『違う?』
ジョー『仕事の時は無いけれど、ふとした時にすごく優しい瞳でツバサを見ているわ。オトウサンって言っているけど、あれは違う。愛おしい者を見る男の瞳よ。』
小野瀬『……。』
ジョー『それに、アオイもあんな可愛い女の子達に囲まれて、毎日たくさんの女の子と遊んでいるらしいじゃない。ムカつくぐらい羨ましいんだけど。』
小野瀬『…ははっ、さすがだ。ジョー。確かに俺たちはノーマルだよ。穂積は都合でオカマを演じているけどね。』
ジョー『…やっぱり。で、ルイはツバサが好きなのね?』
小野瀬『まぁ、そこはご覧のとおりかな。』
離れた所で穂積が何やら考え事をする櫻井さんの顔を覗きこんだ。見る角度によってはまるでキスをしているよう。
ジョー『OH!私のツバサが…』
悲しげに手を口に当てるジョーに苦笑いを浮かべながらも、俺の胸も少しだけ痛んだ気がした。
それでも笑顔になってくれるなら、俺はいくらでも協力するから。
そんなことを考えながら二人を見ていると、穂積が櫻井さんの頭をくしゃくしゃに撫でながらこちらに視線を寄越した。
やっぱりバレてたか。
そして、その瞳は『来ても大丈夫だ』と物語っている。
小野瀬『さぁ、二人を迎えに行くよ。』
ジョー『えっ、でもルイに怒られるんじゃない?』
小野瀬『大丈夫。来いって言ってるよ。』
ジョー『そんなの聞こえなかったけど…。』
小野瀬『あぁ、正確にはアイコンタクトかな。なんとなく分かるんだよね、お互いに。』
ふふっと笑うと、ジョーが訝しげに俺を見る。
ジョー『……やっぱり二人ともデキてるんじゃ…?』
小野瀬『……いや…俺たちはキスだけだから。」
ジョー『!!!!』
小野瀬『あーっ、二人ともこんなところにいた!』
わざとらしく大きな声を出して、俺は固まるジョーを置いて穂積と櫻井さんの元へと駆け出していったのだった。
[削除]
05/16(Thu) 21:19
その頃の宴会。
小春
時は少し遡る。
ロバート
『ニューヨークにいた頃のルイ?それはもう、超可愛かったわよ!』
宴会の行われている座敷では、穂積の居ぬ間に、昔話に花が咲いていた。
実は櫻井、穂積、ジョー、小野瀬の順に出ていったのだが、酔いの回ってきた彼らは気にしていない。
唯一、小笠原だけが状況を把握しているが、大声で騒ぎ立てるようなタイプでもない。
ポール
『研修に来た初日に、ニューヨーク市警の猛者たちがルイにちょっかい出してね』
ロバート
『まあ、恒例の歓迎会みたいなものなんだけど。「日本人だからジュードー強いだろ」みたいなね。道着に着替えさせて、2m超すような巨漢ばかり並べて』
ポール
『後々言うこと聞くように、こてんぱんにしちゃうのよ』
如月
『2人も加わったの?』
ポール
『私たちは、そんな野蛮なコトに参加しないわよ。道場の隅で見てただけ』
ロバート
『青い柔道着を着たルイは、抜群にカッコよかったわ!誰かが面白がって、白いビニールテープでヒノマルを作って胸に貼ってね』
藤守
『日本代表かい』
ロバート
『本当にカッコよかったのは、そこからよ!』
ポール
『あんな細い身体なのに、倍ぐらいの体重の警官をぶん投げちゃうのよ!』
思い出しているのか、ロバートとポールは恍惚の表情。
ロバート
『お人形みたいに綺麗な男の子が、組んだ瞬間に相手を投げ飛ばすのよ。私、もう、一目惚れ!』
きゃ、と言いながら、ロバートは、真っ赤になった顔を両手で覆った。
ポール
『それで、ルイはいきなり同僚たちから一目置かれるようになったのよ。だけど普段は礼儀正しいし、頭の回転は速いし』
ロバート
『ポールはね、雨の日にルイに傘を貸してもらって、もう完全に参っちゃったのよ』
如月
『……乙女だなあ』
明智
『しかし、小野瀬さんと親しいのは何故ですか?一度、室長の部屋に遊びに行っただけでしょう?』
ロバート
『アオイは甘えんぼさんで可愛かったわよ』
藤守
『へえ?意外やなあ』
ロバート
『アオイには内緒にしてね』
ロバートは、大きな身体を縮めた。
ポール
『でも、アオイがルイのベッドで一緒に寝てたのはホントよ』
全員
『ええっ?』
ポール
『帰国してからも、アオイは時々メールをくれてね』
ロバート
『だから久し振りに会っても、あまり違和感がなかったわ』
藤守
『ほな、室長の方が久し振りな感じか』
ロバートとポールは、揃って首を横に振った。
ロバート&ポール
『ルイの写真はベッドルームに貼って、毎日キスして寝てるから』
ロバート
『私なんかパスケースにも写真入れてるわ』
ポール
『帰国する時は、あなたたちの写真もちょうだいね!』
全員
『……』
明智
『……そ、そう言えば、室長と小野瀬さん、遅いな』
如月
『ジョーと櫻井さんもいない……はっ!まさか?!』
酩酊状態の彼らの脳裏に、薔薇と百合の花が咲く。
全員
『いやいやいやいや!!』
全員の声がハモった。
如月
『……俺、ちょっと見てきます』
如月が腰を浮かせた時、襖が開いた。
[削除]
05/17(Fri) 01:44
何がしたいのか、ワタシ。
とも
穂積
「アンタたち、何話してたの?」
藤守
「うぉっ、室長?! …と櫻井」
如月
「の後ろに小野瀬さんとジョーさん。あれ?」
小野瀬
「何?なんでそんなに不思議そうな顔してるの?
それより君たちは、合コンでもしてたみたいに楽しそうだね?」
ロバート&ポール
『アオイ、合コンって何?』
明智
「知らなくていい!というか覚えて帰ろうとしないでくれ」
如月
「室長のニューヨーク時代の話をしてたら、皆さんがいないことに気が付いて探しにいこうとしてたんですよ」
穂積
「ふぅん、まあいいわ。今日はもう遅いし、ワタシは櫻井を送って帰るから、あとはヨロシクね」
如月
「えっ、室長、今日のお勘定は…?」
穂積
「あぁん?それならいつものやつやって決めろ。そこのクマ2匹もやらせたらいいだろ」
藤守
「イヤ、今日はなんかそれやったらアカン気がするんスけど…」
ロバート
『それってゲームみたいなことをするのかしら?なんだか楽しそう』
ポール
『ねー』
ジョー
『じゃあツバサ、私たちは二人でガールズトークでもしましょ』
櫻井
「えっと…」
ジョー
『あら、心配しないで。ツバサはキュートだからもっとアナタとお話したいと思っただけよ。』
(私のモノにしたいなんて言ったらオトウサンが黙ってないだろうから諦めるわ)
コッソリとジョーに耳打ちされた私は室長のいる方を見て笑った。
結局このあと捜査室メンバー、小野瀬、ロバート、ポールで恒例の最強の男決定戦をすることになり…
ロバートとポールが鼻血を出すほど興奮していたのだとか。
『キャー、イイオトコの筋肉サイコー!!』
[削除]
05/17(Fri) 05:30
おはようございます。
小春
おかげさまでリレーSSも3日目。
昨日はともさん、清香さん、くちびるさん、執筆ありがとうございました。
読者の皆様もありがとうございます。
本日は、穂積と翼を巡るジョーや小野瀬のアブナイ☆関係に進展ありか?
イケメン天国でのロバートとポールの研修はまだ続くぞ!
ここがいっぱいになったら、新設した『穂積と小野瀬について2nd』をご利用ください。
では、今日もよろしくお願いしますm(__)m
[削除]
05/17(Fri) 06:46
ともさん、ステキ!
清香
結局今回も負けたのは明智さんだった。
他のメンバーの口撃に遭いながら、ロバートとポールの熱い視線をかわすことはさすがのSAT元エース明智さんでも不可能だったのだろう。
シャツを脱いで汗を拭く男たちの姿にロバートとポールは鼻血を止められないでいた。
ポール『…サイコー』
ロバート『えぇ、もう帰りたくないわ…。』
一方で翼は顔を真っ赤にしながらみんなのジャケットをまとめている。
ジョー『ツバサ、大丈夫?顔が赤いけど。』
翼『あっ、大丈夫です。』
ジョー『そう?ならいいんだけど。それにしてもいつもこんな感じなの?この職場は。』
翼『そうですね。恒例と言いますか…。』
ジョー『ふーん、私だったら男くさくってやんなっちゃうわ。』
呆れたように言うジョーの姿がなんだかおかしくて、ついつい翼の顔にも笑顔が浮かぶ。
ジョー『あっ、やっと笑ったわね。』
ちょんっと鼻の頭を綺麗な指でつつかれると、翼の大きな瞳がより一層大きくなる。
ジョー『ツバサはそうやって笑っているほうがいいわ。あなたに悲しい顔は似合わないもの。』
翼『ジョーさん…。』
ジョー『ルイから聞いた?私がレズビアンだって。』
翼『ハイ…。』
ジョー『男なんて野蛮で乱暴で臭くってうるさくってやんなっちゃうわ。その点、女の子は柔らかくて甘くて良い匂いがするもの。…特にツバサは。』
一気に距離を縮めてくるジョー。
気がつけば背の高いジョーの腕にすっぽりと包み込まれてしまっていた。
翼『あっ、あの、ジョーさんッ!』
ジョー『ふふっ、そんなに硬くならないで。ノーマルの子に手は出さない様にしているから。それに…好きな人がいるんでしょ?』
図星をつかれて、翼の身体がより一層硬直する。
それでも耳元で囁くようにして言われると、なんだかむず痒くなってしまう。
翼『耳元で話さないで下さい…。』
ジョー『やだ、ツバサ、可愛い。耳元が弱いのね?』
真っ赤になりながらもジョーの腕から抜け出せないでいるのは、やはり生物学的に女であるという事が関わっているのかもしれない。
翼『や、やぁ…。』
ジョー『どうしよう…。可愛すぎるんだけど、この子…。』
『…おい』
スリスリと頬ずりまでされながらも腕を振りほどけないでいると、頭上から地を這うような低い声が聞こえてくる。
そしてあっという間に違う香りに包まれていた。
穂積『ジョー!!!!コイツに手を出すなと言っただろうが!!!』
ジョー『あれ、奪われちゃった。』
穂積『てめぇ…。』
ジョー『オトウサン怖い~』
小野瀬『ね、怖いでしょ?自分の着替えもそこそこにこうやってすぐやってきちゃうんだから。』
よく見てみると、穂積はいまだにシャツのままだ。ベストに袖は通したものの、ボタンは締めておらず正にシャツのまま抱きしめられている状態で。
ネクタイもしていないせいか、いつも以上に身体の熱が伝わってくるようで、翼の鼓動が一気に跳ね上がる。
穂積『お前らがコイツにちょっかいをかけるからいけないんだろうが!櫻井も櫻井だ!ジョーは見た目は女だが、中身は小野瀬と同じだと思え!!』
小野瀬『えー。』
ジョー『えー。』
『分かったか、アホの子が!』と鼻をつままれ怒られるものの、背中を包む手はどこか優しい。
穂積『ほら、明日も仕事なんだから帰るぞ。仕度しろ。』
ポンっと背中を叩かれ、温もりは離れていってしまったけれど、全身が穂積の香りに包まれているようで、自然と笑顔が浮かんでくる。
ジョー『ふふっ、そんなにルイが好きなんだ。なんか悔しいわ。』
再び耳元で囁かれたジョーの言葉に、翼の身体が飛び跳ねる。
ジョー『大丈夫。ヒミツ…よね?』
コクコクと頷くと『なら、私もナイトになってあげる♪』と呟いてジョーは未だに倒れる明智の元で汗を拭いたり水を飲ませているロバートの元へと行ってしまった。
始まったばかりのニューヨーク市警の3人による研修。
これからいったいどんなことが待ち受けているのだろう。
そして翼の恋の行方は?
リレーも4日目だが、研修はまだ初日だ!!(爆)
05/17(Fri) 08:47
おはようございます♪
くちびる
室長は車で来ていた。そういえばアルコール取ってなかったっけ…。「今日は送って行くつもりでいたからな。」私の考えていた事が分かるのか、そう言いながらドアを開けた。「全くお前はスキがあり過ぎる!危なかっしくて放っておけない!」「それってどういう意味ですか?」私は思わず口走っていた。…またまた参加しちゃってます♪今から仕事なんで続きお願いします♪
[削除]
05/17(Fri) 10:16
くちびるさんは甘い展開ご希望。φ(..)
小春
くちびるさん、ありがとうございます。
~車内・翼vision~
穂積
「……言葉通りの意味よ」
私が問うと、室長はそう言って車を発進させた。
さっき少し近付いた距離が、また、上司と部下に戻る。
それとも、父親と娘だろうか。
翼
「……す」
穂積
「え?」
運転席の室長が、声だけ私を振り返った。
私だけがやきもきして、泣いて、騒いで。
室長はいつも余裕で、遥か遠く先にいて。
穂積
「……ワタシは、狡い?」
翼
「!」
地獄耳だと忘れていた。
室長は溜め息をつくと、車を路肩に寄せ、ハザードランプをつけて停車させた。
翼
「あ、あの……」
穂積
「……待ちたいと思っていた」
室長はハンドルを握り締め、そこに額を押し付けた。
そうすると長い前髪が被って、室長の表情が見えなくなる。
穂積
「知ってしまったら、抑えきれなくなるから……」
黙り込む室長に、私の鼓動はどんどん速くなる。
何を?
何を待って、何を知って、何を抑えきれなくなるの?
それは……
パパパパーン、と、突然、後続車がクラクションを鳴らした。
ビックリして、心臓が跳ね上がる。
室長も驚いたらしく、運転席の窓から後ろを振り返っていた。
低速で近付いてきた車の運転席と助手席で、それぞれ、小野瀬さんとジョーさんが笑っている。
穂積
「あいつら!!」
室長はドアを開け、小野瀬さんの車に向かって、物凄い勢いで飛び出して行ってしまった。
[削除]
05/17(Fri) 11:52
あら、残念(´・ε・`)
清香
小野瀬
『やっほー。』
ジョー
『ハーイ!』
車内の二人は窓を開け、覗き込んできた穂積に楽しそうに挨拶をした。
その軽さが覚悟を決めようとした穂積の怒りを増幅させる。
穂積
『てめえら、俺がせっかく…』
小野瀬
『せっかく?』
ジョー
『何しようとしたの?もしかして…?』
穂積
『…………。』
「やべっ」と言いたげな表情で穂積が黙った。
小野瀬
『彼女は今日一日色々なことがあって少し混乱してるんじゃないのかな。もう少し待ってあげても良いんじゃないかと俺たちは思ったんだけど?』
ジョー
『そうね。私たちが来てバタバタしているし。』
穂積
『………。』
小野瀬
『10年以上待ったんだ。数日待つのが伸びるくらいなんでもないだろう?それとももう限界か?』
ジョー
『WOW!そんなに長いの?日本人って凄いわね!!』
穂積
『てめぇ…、余計なこと言ってんじゃねぇ!』
口を滑らした小野瀬の首を締めあげるも、小野瀬は苦笑いをしながら続ける。
小野瀬
『おいおい、感謝して欲しいくらいだな。暴走しそうなお前を止めてやったつもりだけど?』
穂積
『ハァ?』
小野瀬
『お前の車、シートがフルフラットになるだろ?こんな公道でおっ始めないかヒヤヒヤしてたんだけど。』
穂積
『こんなとこでするわけねぇだろうが!お前と一緒にすんな!!』
小野瀬
『俺だってこんなムードのないとこじゃしないって。せめて海辺まで行くよ。』
穂積
『そういう問題か!!!』
小野瀬
『冗談はさておいて、それくらいお前も彼女も今日はお前も彼女もどう見ても危うい。10年以上待ったんだから、今更数日伸びたって大差ないだろ?まさかもう限界か?』
穂積
『んなわけねぇだろ!』
小野瀬
『じゃあ、どうすればいいか、お前なら分かるだろ。』
穂積
『…ああ。分かった。じゃあな。』
小野瀬
『お休み。』
小さく「サンキュ。」と言った穂積は自分の車に戻ると助手席の翼の頭を撫でると、夜の街へと車を走らせた。
見送った小野瀬も、ため息を一つついてエンジンをかける。
ジョー
『本当にアオイとルイは仲良いのね。』
それまで黙っていたジョーが助手席でニコニコしながら小野瀬をつつく。
小野瀬
『仲良くないから!俺がどれだけ迷惑をこうむってるか、見たら分かるでしょ?』
ジョー
『でも、アオイはすごく楽しそう。』
小野瀬
『まぁ、退屈はしないけど…。』
ふふっと笑うジョーを横目に、小野瀬の車も夜の闇に消えて行ったのだった。
[削除]
05/17(Fri) 13:14
~翌日・捜査室~
小春
翌日から、本格的な研修が始まった。
ポールは小笠原とともに、新設されたばかりのサイバー攻撃特別捜査隊本部へ。
ロバートは藤守、如月ともに、日本の警察官教育の現場見学に。
ジョーは、明智、櫻井とともに公安へ。
警視庁に勤務していても、普段なかなか近寄れない部署だけに、一日研修に付き合っただけで、櫻井はヘトヘトに疲れてしまった。
明智
「櫻井、ハーブティーを淹れたぞ」
翼
「ありがとうございます……」
明智の優しさがありがたい。
藤守
「しかし、意外やったなぁ」
明智
「何がだ」
藤守
「ロバートですよ。確かにガッチリしたマッチョやけど、逮捕術も射撃も、教官たちよりずっと達者なんやから!」
ロバート
『いやーん、ケンジ。内緒にして、って言ったのに!』
イヤイヤをするロバートの傍らで、明智が興味深そうな顔をしている。
明智
『それは、俺も興味あるな』
ロバート
『えっ、ホント?ホント?はしたない、とか思わない?』
明智
『…………普通、思わないだろう。警察官なんだから』
如月がハーブティーを啜る。
如月
『ポールがハイテク犯罪に強いってのも意外ですけどね』
小笠原
『俺以上かも。アメリカはその手の犯罪の本場だし』
穂積
『アンタたち、ワタシの最初の説明聞いてた?ニューヨーク市警の敏腕刑事だと言ってあったはずだけど』
藤守
『そうなんすけど。その直後の衝撃的な情報で忘れてしまったっちゅーか……』
05/17(Fri) 14:39
小春
翼
「あのう」
穂積
「はい、櫻井くん」
翼
「私も今さらなんですけど……ジョーさんの『警察委員』ってどんなお仕事なんですか?」
穂積
「ふむ」
穂積は、全員の顔を見渡した。
穂積
「今の、櫻井の質問に答えられる人は?」
明智と、小笠原が手を挙げる。
穂積はその2人の頭を撫でてから、櫻井を振り返った。
穂積
「櫻井。今の質問は、手を挙げなかった方のお兄さんたちに教わりなさい」
藤守・如月
「げっ」
穂積
「ふん」
そんなやり取りを見ながら、当のジョーと小野瀬は、コーヒーサーバーの近くで笑っていた。
ジョー
『スパルタ式ね』
小野瀬
『穂積はいつもああだよ。部下には必ず、まずは自分たちで考えさせる。俺なんか、つい、先に答えを教えてしまうんだけど』
ジョー
『人に任せるより、自分でやってしまうタイプ?』
小野瀬
『そう。研究者には向いているけど、指導者向きではないかもね。その点、穂積は、部下を育てようという意識が強い』
ジョー
『普段はあんな怒りんぼさんなのに、意外と思慮深くて辛抱強いのね』
小野瀬
『恋愛もそうだよ』
次の瞬間、分厚いファイルが飛んできて、小野瀬の顔面を直撃した。
[削除]
05/17(Fri) 15:04
お邪魔します♪
くちびる
「痛って~!何だよ穂積!!事実だろうが!」小野瀬は顔面を擦りながら叫んだ。穂積「てめえはべらべら余計な事言ってんじゃねえ!」ジョー「ルイは自分の事になるとすぐムキになるのね♪」翼「室長…落ち着いて下さい。」…こんな感じで書いてみました♪
[削除]
05/17(Fri) 22:05
今日は忙しかったわ(´・ω・`)
清香
藤守
「しゃあない、警察委員ちゅーのを調べるで。如月、櫻井、こっちでやろうや。」
如月
「はぁーい。」
櫻井
「なんかすみません。私が言い出したばかりに…。」
藤守
「ええねん、ええねん。俺もなんだか分からんかったからな。」
如月
「そうだよ、翼ちゃん。一緒に調べよ?」
翼
「はいっ!」
藤守の声かけで集まった3人は口々に「へー。」「ほー。」「ふーん。」と言いながら額を付き合わせるようにパソコンの画面を覗き込んでいた。
小笠原は引き続きポールと最新のサイバー攻撃に対する対処法を話し、明智はロバートと終業後に射撃場に行こうと誘っている。
穂積
「ところでアンタ達、今日の研修の報告書は出来てるの?」
全員
「「「出来ました!!」」」
全員の声と、穂積を見る目が重なる。
穂積
「は?明智と小笠原と櫻井はまだしも、藤守と如月も?」
藤守
「ハイ!ちゃちゃっと済ませましたわ。」
如月
「俺たちもやれば出来るんですよー。」
穂積
「なら、いつもやれよ……。」
次々に出される報告書に呆れながらも、穂積の横顔はどこか楽しそうだ。
穂積
「ホント、おまえらなぁ…。」
藤守
「あっ、定時や!如月、行くで!」
穂積の声を遮るように藤守が立ち上がる。
如月
「アイアイサー!ただちに検索業務を終了致します!翼ちゃん、ゴメンね。俺たちちょっと行くから、また明日ね?」
明智
「なんだお前たち、そんなに急いでどこへ行くんだ?」
慌てるように帰り支度をする二人に明智が声を掛ける。
藤守
「柔道場っすよ。今日見たロバートの逮捕術をやってみようって如月と話してたんで。」
如月
「ふーじーもーりーさーん、早くー!」
藤守
「おぅ!行くで!」
捜査室を飛び出す二人の後姿は、まるで放課後に遊びに行く約束をした小学生のよう。
明智
「おっ、おい!二人とも!」
『お先に失礼しまーす!』と言う声が廊下からかすかに聞こえる。
ロバート
『気になる?』
明智
『いや、今日は射撃を…』
ロバート
『射撃は明日でもいいじゃない。今日はマークにも見せてあげる。…ワタシのテクニックを。特別よ?』
明智
『…いいのか?』
頬を染めながらコクンと頷くロバートは、乙女そのものだ。
それでも気がつかないのが、逆に明智らしい。
明智
『じゃあ俺たちも行こうか、ロバート。』
ロバート
『えぇ、そうしましょう。』
「お先に失礼します。」と言いながら柔道場へ向かおうとする明智をロバートが小走りで追いかける。
ドアが閉まる直前に親指をグッと立てた姿は穂積と小笠原の背筋を凍らせた。
同じように親指を立てて『Good Luck!』と言ったポールの言葉は聞かなかったことにしようと鈍感な翼さえも感じる。
小笠原
『ねぇ、ポールは明日科警研に行くんだよね?』
パソコンの画面から目を離さないまま、小笠原がポールに話しかける。
ポール
『そうよ。アオイと行く予定だけど?』
小笠原
『俺も行っていい?というか、行くから。』
普段は外に出たがらない小笠原の発言に、いつもは冷静な小野瀬すら驚いて口を挟む。
小野瀬
「おいおい、勝手に決めるなよ。自分の仕事は大丈夫なのか?」
小笠原
「あっ、そうか。」
ジッと成り行きを見ている穂積のデスクの元へ小笠原が向かった。
小笠原
「室長。」
穂積
「…何?」
小笠原
「明日ポールの研修の付き添いで科警研に行かせてください。お願いします。」
小笠原がぺこりと頭を下げる。
穂積
「今抱えてるデータ分析はどうするの?」
小笠原
「今日中に終わらせます。確実に。」
ジッと穂積の目を見つめ、離さないでいる小笠原の顔は真剣だ。
穂積
「分かったわ。気をつけて行ってらっしゃい。」
小笠原
「ありがとうございます。」
最後まで丁寧に頭を下げ、礼を言う小笠原にポールが笑顔で近づいた。
ポール
『良かったわね!よろしくね、リョウ。』
小笠原
『うん。もっと色々と教えてね。』
ポール
『も・ち・ろ・ん♪』
小笠原
『仕事の事だけでいいから!』
ポール
『もう、ツンデレなんだからッ!』
ツンツン突こうとするポールの手を小笠原は本気で叩き落す。
小笠原
『どこでそんな言葉覚えたのさ?』
ポール
『えっと、日本のアニメ。BLのやつ。』
小笠原
『バカじゃないの?ねぇ、やっぱりバカじゃないの?』
それでもパソコンに向かう小笠原の隣で分析を手伝おうとするポールを小笠原は避けない。
そして、ジョーも上着とバッグ片手に立ち上がった。
ジョー
『さぁ、ツバサ。私達も行きましょうか。』
翼
『あっ、ハイ!』
穂積
『はぁ?』
ジョー
『じゃあねー。また明日。』
翼
「すみません、室長。お先に失礼します。」
ウキウキと翼の手を引きながら帰ろうとするジョーを穂積が慌てて引き止める。
穂積
『って、どこへ行くんだ!?』
ジョー
『やあねぇ、オトウサンったら。女子会よ、じょ・し・かい!今、日本で流行ってるんでしょ?せっかく来たんだから。』
「ねー。」と翼に笑いかけるジョーの笑みの奥に何やら思惑があるのを穂積の直感が受け止める。
穂積
『ダメだ!コイツと二人きりで出かけるのは俺が許さん!』
ジョー
『横暴よ!』
穂積
『うるさい、女小野瀬がっ!』
嫌な例えに使われた小野瀬が文句を言おうと立ち上がると。
ジョー
『強行突破よ!ツバサ!!』
穂積の机にあった書類をブチまけて、ジョーが翼の手を引いて走り出した。
翼
「あっ、あの!」
風のように去ったジョーと翼を見送ることとなった穂積が深いため息を吐く。
穂積
「研修もいいんだが、悪いんだか…。」
小野瀬
「いいんじゃないの?みんないい影響を受けてるようじゃないか。」
穂積
「なら、いいんだがな。」
もちろん、その小野瀬の言葉が真実になることを、穂積も確信してたのだ。
[削除]
05/18(Sat) 05:27
おはようございます。
小春
昨日はともさん、清香さん、くちびるさん、ご参加ありがとうございました。
今日もよろしくお願いします。
小野瀬
『じゃ、今夜は俺が穂積を独占していいんだね?』
穂積
「わざわざ英語で意味ありげな誘い方をするな!ポールが赤い顔して目を潤ませてるじゃねえか」
小野瀬
「だって、みんなデートに行っちゃったし?」
穂積
「デート言うな」
小野瀬
「俺たちもデートしよ?その書類の処理が終わったらラボに寄ってね。待ってるから」
穂積
「耳元で囁くな!」
小野瀬
「俺が車出すから。いつものバーでいいよね?」
穂積
「柔道場も心配なんだがな……」
小野瀬
「穂積ぃ」
穂積
「分かったから!行くからアップで迫るな!」
小野瀬
「やった」
穂積
「抱きつくな!」
ポール
『(小声)アオイったら、私の目の前でルイを口説くなんて……!(ハンカチを噛み締める)』
小笠原
『(小声)あの人いつもあんなだけど』
ポール
『(小声)そうよね。昔から、アオイの方が積極的にアプローチしてたわ。アオイはキレイだもん、ルイとお似合いよね』
小笠原
『(小声)ポールも可愛いよ。シロクマみたいで』
ポール
『(小声)ありがとう、リョウ。それ褒めてないけど、嬉しいわ(頬にチュッ)』
小笠原
『?!』
穂積
『ポール!小笠原に仕事以外の事は教えるなと言っただろうが!!』
[削除]
05/18(Sat) 09:00
アフター5~翼とジョー~
小春
翼
『……?』
ジョー
『どうしたの、ツバサ?』
ショッピングモールの中のカフェに入りかけていた翼が不意に背後を振り返ったので、隣にいたジョーが首を傾げた。
が、当の翼も首を傾げる。
翼
『誰かの悲鳴が聴こえたような……』
けれどもすぐに、翼は意識を現実に戻した。
翼
『すみません、きっと空耳です。入りましょう』
ジョー
『ツバサは敏感だって聞いているから、私には聴こえない声も聴こえるのかもね』
ジョーは微笑んだもののそれ以上は深入りせず、カフェの末席に腰掛け、両手に提げていたたくさんの紙袋を脇に下ろした。
ジョー
『私、コーヒー。cold』
翼
『私は、アイスカフェオレ』
店員にオーダーを済ませると、ジョーはすぐに紙袋の一つを開いて、取り出した物を翼に押し付けた。
ジョー
『ホラ!言った通りでしょ?やっぱりすっごくよく似合うわ。とてもキュート!』
翼
『そ、そうですか?』
普段、自分では選ばない色のカットソー、それにカーディガン。
でもとても綺麗な色だし、形も上品。
ジョー
『これなら、ビジネスでも使えるわ。明日、着ていらっしゃい。ルイが見惚れる事請け合いよ』
翼
『……』
室長とは、送ってもらった後、お互いに何となく距離を置いたまま。
ジョー
『そんな顔しないの。大丈夫だから』
翼
『…ふふ』
ジョー
『何?』
翼
『ジョーさんって、本当に小野瀬さんみたい』
翼が笑うと、ジョーも嬉しそうに笑った。
ジョー
『そうよ。アオイと私は、翼のナイトなの。あなたの笑顔が大好き。それを守ってあげたいのよ』
ちょっと切ないけどね、という言葉は出さずに飲み込んで、ジョーは、テーブルの上に置かれた翼の手の甲を撫でた。
翼
『ジョーさん……ありがとうございます』
ジョー
『さあ!休憩したら今度は靴を見に行くわよ!』
グラスを手に明るく言うジョーに、翼はようやく、心を開こうとしていた。
05/18(Sat) 09:12
おはようございます♪今日も仕事前にちょびっと…
くちびる
ジョーさんの優しさに暖かな気持ちになり、席を立とうとしたその時…「助けて…」聞こえる…周りを見渡すが特に変化はない。ジョー「ツバサ?どうかした?」私は首を横に振り「行きましょう。」とジョーさんに笑顔を向けた。きっと私の思い過ごしだ。ここ数日色々あったから…。
[削除]
05/18(Sat) 15:31
くちびるさん、ありがとうございます。
小春
清香さん失礼します、ちょっとお先に。
~アフター5・翼とジョー~
翼
『すみません、ジョーさん』
ジョー
『いいのよ』
翼とジョーは、さっきまでに買った大量の荷物をコインロッカーに預け、カフェの周辺を歩きまわっていた。
空耳かもしれないと思いながらも、翼には、数分前に聞こえた幼い悲鳴が耳から離れなかったのだ。
最初に聞こえた「あっ」という声。
その後に聞こえた「助けて……」という声。
すると、通路の反対側から、翼たちと同じように、何かを探しているような様子で、中年の女性が歩いてきた。
蒼い顔をして辺りを見回し、時々身を屈めて物陰を覗き込む。
翼とジョーは顔を見合わせた。
翼
「あの、どうかなさいましたか?」
声を掛けると、小柄なその女性は、泣き出しそうな顔で翼を見上げた。
翼の母親より、少し年上だろうか。
女性
「2歳の孫が、私が悪いんです。レジで、ほんの少し目を離した隙に。足が悪いんです。この階にいると思うんです」
堰を切ったように、女性が喋り始めた。
翼にしがみついて、涙をぽろぽろと零し始める。
すると、ジョーが、二人を抱えるようにして歩くよう促し、翼と女性を、ともに通路のベンチに座らせた。
ジョー
『ツバサ、私は日本語が話せないから、この人についていてあげて。迷子でしょう?私が探してくるわ』
翼が女性から聞き出した迷子の特徴を伝えると、ジョーは頷いて、あっという間に駆け出して行った。
待つ事数分。
次に現れた時、なんと、ジョーはもう、子供を背負っていた。
翼の隣から女性が飛び出して行って、ジョーに縋り付く。
興奮と涙で何を言っているのか支離滅裂だが、ジョーが屈むと、その背中から孫娘を引き寄せ、抱き締めた。
女性
「ありがとうございます、ありがとうございます」
抱き合って喜ぶ祖母と孫娘に、翼は思わずもらい泣きしてしまう。
けれど、礼を言いながら去っていこうとする祖母の前に回り込んだジョーは、びっくりするほど冷たい表情をしていた。
ジョー
『ツバサ、自分のバッグの中を調べてみて』
翼
『え?』
戸惑いながらも、翼は自分のトートバッグのファスナーを開けてみて……顔色を失った。
翼
『……財布が、ありません』
舌打ちが聞こえたと同時に、さっきまで丸くなってぺこぺこしていた中年女性が、いきなり逃げ出した。
しかも、孫娘を置き去りにして。
翼
「あっ!」
一瞬、追おうか、孫娘を保護しようか、翼に迷いが生じた。
その間に、ジョーが女性に追い付いて腕を捉える。
抵抗して暴れる女性だが、ジョーの手は緩まない。
女性
「ちくしょう!」
ジョー
『ツバサ!現行犯逮捕よ!』
翼の傍らで、孫娘が、わっと泣き出した。
ショッピングモールを通して、窃盗の現行犯で捕らえられた女性は、孫娘とともに、警察に連れられて行った。
事情説明を終えた後、翼は、モールの事務所の椅子から立ち上がれずにいた。
ジョー
『元気出して、ツバサ』
ジョーはずっと、翼を励まし続けていた。
ジョー
『よくある事よ。あの祖母が、悪い考えに囚われただけ』
翼
『……子供の声は……』
ジョー
『あの子供は、何も知らないの。足が悪いのも本当よ。車椅子が必要なのに、祖母に、階段に置き去りにされた。だから、助けを呼んでいた』
翼
『……』
翼は唇を噛んだ。
いわゆる介抱詐欺の一種だ。
それを、見抜けなかった。
ジョー
『ニューヨークでは、日常茶飯事よ。相手が、刃物を持ってなくて良かったわ。元気出して、翼』
翼
『……』
ジョー
『ルイたちを呼んだから。すぐに来てくれるはずだから』
翼
『……』
翼はジョーが掛けてくれる言葉に、ただ頷いていた。
何か言えば泣き出してしまいそうで。
悔しくて悲しくて、それをどう治めたらいいのか分からなくて。
その時。
小野瀬
『2人とも、大丈夫?』
事務所の扉を開けて入ってきたのは、小野瀬。
ジョーにつられて、翼も反射的に立ち上がる。
けれど、小野瀬の後に入ってきた穂積の姿を見た途端、膝から力が抜けそうになった。
穂積は真っ直ぐに歩いて来て、翼の前に立つ。
小野瀬が、心配そうに訊いてきた。
小野瀬
『大変だったね。怪我は?』
ジョー
『ありがとう、怪我はしてないわ。ね、ツバサ』
翼
『はい』
翼は3人を心配させないように、出来るだけ明るい声を出した。
翼
『大丈夫です』
小野瀬
『そう、良かった』
穂積
「嘘をつくな」
穂積の低い声に、翼はびくりとした。
顔を上げると、穂積と目が合う。
穂積は翼を見つめて、眉をひそめた。
穂積
「……お前、傷だらけじゃないか」
翼
「……あ」
穂積の言葉に、堪えてきた涙が溢れる。
穂積
「こんなに我慢して」
ふわり、と、穂積の腕に包まれた。
穂積
「馬鹿だな」
穂積が、腕に力をこめた。
翼
「う……う、わぁあああん!」
穂積が抱き締めてくれる。
温かい胸が、涙を吸いとってくれる。
穂積
「お前は悪くない。何も悪くない」
翼
「……っく、えっ、えええん」
ジョーと小野瀬に見守られ、穂積の腕に抱かれて、翼はいつまでも泣き続けた。
[削除]
05/18(Sat) 15:33
くちびるさんの出勤時間は9時前後ですね( ..)φメモメモ
清香
アフター5 ~柔道場~
ロバート
『アメリカ、特にニューヨークは治安維持が警察の最重要任務と言っても過言じゃないわ。銃を持つことも許されているから、未だに私たちでも危険だと思う地域もあるの。』
柔道着に着替え、柔軟体操をしながらロバートが現状を説明する。
明智
『それだけ守る側も命懸けだという事か。』
ロバート
『そうね、悲しいことだけれど。だから、逮捕術や射撃の腕前が上がるのも、必然かもしれないの。』
藤守
『それでも圧巻やったけどなぁ。』
如月
『そうですよー。本気でビックリしましたもん!』
今まで当たり前だと思ってやってきた事を手放しで褒められ、ロバートの頬が赤く染まる。
ロバート
『やだ、もう。恥ずかしい。』
両手で顔を覆うロバートの肩に、明智がそっと手を乗せる。
ロバート
『…マーサ?』
明智
『ロバートは素晴らしい考えと実力を持ってる。なんら恥じることなんてないぞ。俺が保証するから。』
真剣な明智の顔に、ロバートも花のようにほほ笑む。
そう、まるでラフレシアのように。
ロバート
『…ありがとう、マーサ。』
明智
『どういたしまして。さぁ、稽古をつけてもらおうかな。』
ロバート
『任せて!NY式はちょっと荒いから、怪我しないでね?』
立ち上がった明智に手を引かれながらロバートもやる気を見せる。
藤守
「なんやろ、凄い邪魔してる気がしてしゃあないんやけど。」
如月
「藤守さん、シー。ターゲットは明智さんに絞られたようですから、俺たちの身は安全です。大事なことだけ学びましょう。」
ひそひそと話す二人に、明智が不思議そうに声をかけた。
明智
「どうした、二人とも?」
藤守・如月
「「いや、なんでも!!!」」
それから始まったロバートの逮捕術講義は正に本場・アメリカの問題を体現するかのように力強く、時に荒いものだった。
如月
「いででででえ!!!!」
ロバート
『車上荒らしが起きた時は、こうして腕をねじ伏せて車や駐車場の壁に押し付けるのよ。』
明智
『こうか?』
藤守
「いだだだあぁぁぁ!!明智さん、ストップ、ストップ!!」
手本を見せるロバートと同じように、明智が藤守をねじ伏せる。
明智
「藤守、もう少し我慢してくれ。なんか形が少し違う気がするんだが…、フンッ!」
藤守
「ぎぃやぁぁあああ!」
ロバート
『うん、マーサはやっぱり飲み込みが早いわ。いつでもニューヨーク市警で一緒に働けるわよ。』
明智
『そ、そうか?』
ロバート
『えぇ、もちろん。私が保証するわ。』
さっきの明智と同じように言うロバートに、明智も笑みを浮かべる。
明智
『ははっ。』
ロバート
『うふふっ。』
にこやかに笑う二人とは対照的に、藤守と如月は柔道場の床で生ける屍として転がっていたのだった…。
05/18(Sat) 19:10
小春
~アフター5・ショッピングモール~
翼は化粧室の洗面台で、じゃぶじゃぶと顔を洗っていた。
タオルで水分を拭き取ると、ジョーが基礎化粧から始めて、涙の跡を隠してくれる。
ジョー
『ツバサは肌が綺麗ね』
翼
『ジョーさんのお化粧が上手なんですよ』
穂積の腕の中で、子供のように泣きじゃくってしまった事が恥ずかしい。
「職場で泣く時は、小野瀬じゃなく、ワタシの胸にしてほしいんだけど」
昨日、そう、言われたばかり。
でも、ここは職場ではないし、勤務中でもない。
それなのに、……室長は、胸を貸してくれた。
ジョー
『ツバサ、嬉しそう』
翼
『えっ』
ジョー
『やっぱり、ツバサを元気にさせられるのは、ルイが一番なのかしらね』
穂積の事を考えていたのを見抜かれて、翼は真っ赤になった。
ジョー
『あら、チークはいらないみたいよ』
翼
『もう!』
化粧直しを済ませて事務所に戻ると、穂積と小野瀬が談笑していた。
彼らも、呼び出されてから到着するまで、ジョーと翼の様子が心配だったのだろう。
それから解放されて、ようやく笑顔が戻ったようだった。
小野瀬
『あれ、櫻井さん。メイクが変わったね?』
さすがは小野瀬。
穂積の方は「ふーん?」と首を傾げただけ。
翼はおずおずと穂積の前に行き、頭を下げた。
翼
「室長、ご迷惑をおかけして、すみませんでした」
穂積
「ホントよねー。全く世話のやけるコだわ」
穂積は長い指でつん、と翼の額をつついた。
翼
「うう、すみません」
穂積
「お人好しの上にぼーっとしてるから、詐欺なんかに引っ掛かるのよ、ア・ン・タ・は!」
翼
「……さっきは、『私は悪くない』って言ってくれたのに……」
さらにつんつんとつつかれながら、翼がささやかな反抗を試みる。
穂積
「アンタが泣いてたからでしょうが、アホの子」
翼
「……泣いてなかったもん」
言いながらもう泣きそうな表情で、それでも唇を尖らせて上目遣いで穂積を睨む。
穂積
「あぁ?泣いてたから、優しくしてやったに決まってるでしょ?!」
翼
「室長が優しくしてくれたから泣いちゃったんだもん!」
精一杯の口答えは、語尾がもう涙声だ。
穂積
「アンタ言い掛かりつける気?!」
小野瀬
「まあまあ、穂積」
ジョー
『ツバサも、もうやめなさい。また、お化粧崩れちゃうわよ』
さすがに小野瀬とジョーが割って入った。
小野瀬
「仲直りして食事に行こう、ねっ、櫻井さん!」
ジョー
『私、今日は焼肉が食べたいわ!ね!ルイ、お願い!』
こうして、まだ睨み合う穂積と翼を引っ張って、小野瀬とジョーは一路、焼肉屋に向かったのであった。