『ポケット小野瀬』
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そう言ってもまだ戸惑った表情を浮かべる小野瀬の顔を見ながら、ミニ穂積は漠然と思った。
……俺はもしかしたら、この恋を成就させるために生まれてきたのかもな。
07/06(Sat) 10:26
ぐふふ
ジュン
昨日に引き続き、今日も調子に乗って登場してみました。
皆さま、おはようございます。
ミニ穂積くんとミニ小野瀬くん、無事に帰ってきましたね。
そして、まだまだ波乱のありそうな小春さんの予告。
グフフっとよだれ滴ながら楽しみにしています。
そして、清香さん、くちびるさん、何卒裏♪を…←是非とも読みたい(^q^)
はっ!Σ( ̄□ ̄;)
すみません。
調子に乗りました~(((・・;)
[削除]
07/06(Sat) 10:47
ジュンさん、ありがとうございます♪
小春
連日お越しいただき、ありがとうございます。
私が職場でスキップしているのが見えますでしょうか。
やっぱりリレーは波乱がないとね。
そして、本日も清香師弟に裏のリクエスト入りました(笑)
これはもうやってもらうしかないのか。
ついに作家陣がひそかに機会を狙っている黒小野瀬も降臨するのか。
翼ちゃんと両方だなんて、きゃー!
私には手に負えないわ(>_<)
はっ。すみません。
私が一番調子に乗ってるかも。
こんな管理人なんですよ。
ジュンさん皆さん、お気軽にツッコミ入れて下さい。
でも、優しくしてね(笑)
[削除]
07/06(Sat) 11:41
だってさ(´・ε・`)
清香
表:小春
裏:清香
みたいな図式が出来てません?
東進だって教科別に講師がいるんだから、ねぇ。
私を師匠と言うならば、その流れかと。
まぁ、ほどほどにしときます。
黒小野瀬以来マトモな裏を書いてないので自分のとこで荒ぶります。
ねー、くちびるさん( ´∀`)σ)д`)ツンツン
ジュンさん、今日もありがとうごさいます。
私も職場で小躍りしました。(働け)
[削除]
07/06(Sat) 14:06
裏希望ワタクシもノ
せつな
小野瀬さんと室長の三角関係?!
しかもミニ穂積くんは小野瀬さんのために存在する?!
なにやら美味しい展開になってるのに、指咥えて見てるだけしかできないこの辛さ><;
でも十分楽しませていただいてますよ~~ww
素敵なリレー応援してます!
[削除]
07/06(Sat) 14:35
せつなさん、ありがとうございます♪
小春
指を咥えて見てるだけでいいんですか?
違うモノを咥えたり咥えさせたりするチャンスありますよ?
おっと、周囲がみんな清香さんの弟子ばかりになってきたので、若干おかしな具合に。
でもよく考えたら、私が一番弟子だったかもしれない。不肖の弟子ですけどねー。
せつなさん、お忙しい中お読みいただいているとのこと、ありがとうございます。
無言も読み逃げももちろんOK。
でも、アブナイ☆ちゅーの場面が来たらよろしくおねがいしますよ。(笑)
07/06(Sat) 18:45
豪雨に(つд;*)
くちびる
帰り道豪雨に見舞われたくちびるですぅ~(;>_<;)
今電車の中の冷房でやっと乾きました~( ´△`)
ジュンさん(o^-^o)はじめまして♪
私うう裏どころか…駄文しか書いてないですよ~(;>_<;)
ここは清香さんにお願いして…←おっとこれ以上は(//∇//)
話がちょっと切なくなってきたじゃないですか~!←私の好物♪←おっとf(^_^;
このまま今度は小野瀬さんに土下座か!?(゜ロ゜)
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07/06(Sat) 20:38
くちびるさん、こんばんは
小春
豪雨の中、お仕事お疲れ様でした。
なるほど、くちびるさんは小野瀬さんに土下座するルートですね。
ふふ。
よろしくお願いします。( ̄ー ̄)
[削除]
07/06(Sat) 22:19
こんばんは☆
とも
昨晩の寝落ちから今まで全然覗けなかった(T_T)
リレーはひとまず休憩ですか。この後の展開が難しいですね。うーん(((((((・・;)
あ、ジュンさん、初めまして!ご挨拶が遅れましたともです(^-^)
小春さんのサイトで厚かましくもリレーやコメさせてもらってます。
最初はコッソリ読み逃げ派やったんですけどね(恥ずかしがりやから←ウソ)、やっぱり素敵なお話を書いてらっしゃるのに感想もなしかい!っていうのは失礼やと思ったのでちょこちょこコメさせてもらって今に至ります。
また何かあれば是非とも参加してくださいね! 無事にリレーが完成したら打ち上げありますから!←気が早い?
[削除]
07/06(Sat) 22:40
ともさん、こんばんは♪
小春
とりあえず静岡茶をどうぞ。
さすがのともさんも悩みどころ?
毎回、4、5日目はストーリーの節目が来るんですよね。
作家は書き込む時にみんな自分なりの話の流れを考えながら書いているので、この辺りにくると、それぞれの思惑がぶつかるようです。
特に今回は、みんな推したいキャラが違うようで。
面白いですね。
みんなで互いに様子見(笑)。
さあ、そろそろ進めましょうか。
皆様、引き続きよろしくお願いします。
[削除]
07/06(Sat) 23:00
えっ。
清香
今回推したいカップリングは明智×ミニ穂積ですが…お呼びですか?←呼んでない。
07/07(Sun) 06:44
おはようございます。
小春
昨日は清香さん、くちびるさん、ともさん、そしてジュンさん、せつなさん、ありがとうございました。
お陰様でスレッドも増設。
さあ、本日も腹を探りあいながら、勇者のぶっ込みを待ちながら参りましょう。
~捜査室~
午後になると、東京都の大雨注意報は警報に変わった。
翼と小笠原は引き続き鑑識の手伝いだが、捜査室の方のメンバーは、交通規制の手伝いに駆り出される事になった。
藤守と如月は、停電で信号の消えた交差点へ、交通整理に。
穂積と明智は、増水により破損した橋を渡らないよう、迂回路へ誘導する立ち番に。
官給品のレインコートやゴム長を身につけ、豪雨の中へ出て行くメンバーを、翼と小笠原は心配そうに見送る。
翼
「気をつけてくださいね」
藤守
「おう!任せとき」
如月
「行ってきまーす」
藤守と如月が元気よく出掛けて行く。
明智
「櫻井、穂積くんを頼むぞ」
穂積
「ついでに小野瀬もね」
明智と穂積が、翼の両手の上に乗せられて見送る小さい2人を、それぞれ撫でた。
泪
「俺も明智と行きたいなあ」
明智
「今日は本当にダメですよ」
小野瀬
「櫻井さんは俺に任せてね」
穂積
「俺の留守に手を出すなよ」
じゃあな、と急ぎ足で出ていった背中を見送ってしまうと、廊下は妙に静かになった。
鑑識に向かいながらも表情の冴えない翼に、小野瀬の心は複雑だ。
さっきは、周りに翼やミニ穂積、明智や小笠原もいたから、普段のノリで会話が出来たけど。
普段と同じ会話だからこそ、そこに、普段とは違う危うさが含まれているのをはっきりと感じた。
穂積は、俺の恋心に気付いている。
確信に変わった思いに耽っていると、不意に、ミニ穂積の声がした。
泪
「小野瀬お前、櫻井のブラウスの胸ポケットに入れ」
小野瀬
「ん?」
泪
「櫻井、俺、ジャケットの内ポケットに入るからな」
翼
「?……はい、どうぞ?」
小さい2人が所定の位置に入ると、ミニ穂積がさらに言った。
泪
「ジャケットのボタンを留めてみろ」
翼
「?」
翼がボタンを留める。
翼
「あっ」
そこでようやく、翼もそして小野瀬も、ミニ穂積の意図に気付いた。
泪
「ほら、巨乳完成!」
はち切れそうなジャケットの胸を見て、翼が真っ赤になる。
翼
「もう!穂積くんたら!」
泪
「あははー」
慌ててジャケットのボタンを外し、ミニ穂積に文句を言いながらも、翼が笑顔に戻った。
小野瀬
「お前それセクハラだよ」
小野瀬は調子を合わせて笑いながらも、ミニ穂積の、翼への気配りに感心し、同時に、本物の穂積と重ね合わせて、ヒヤリとするのだった。
続きお願いしまーすm(__)m
[削除]
07/07(Sun) 07:42
おはようございます♪
くちびる
翼に笑顔が戻りミニ小野瀬は少しホッとした。
彼女への恋心に気づいてから2人きりになると少し気まづい感じがあった。
だからこそミニ穂積の存在がありがたかった。
泪
「小野瀬…俺はお前の味方だぞ。」
小声でそう呟いた。
小野瀬
「穂積…俺はお前の本体の想いを知っている。だからこそ辛いんだよ…。」
穂積
「だからこそだ。本体は自分で行動を起こせる。だが今電車のお前は状況が違う。俺は本体とお前が対等の立場であって欲しいんだ。
だから俺はお前に協力したい。」
小野瀬
「穂積…。」
こんな続きにしてみました~(o^-^o)
今から出勤なんでよろしくお願いします♪
[削除]
07/07(Sun) 07:49
あちゃ~(;>_<;)
くちびる
すみません~(;>_<;)文章おかしな箇所があるので無視して読んで下さいね~!←変換ミス…(汗)
電車の…って電車に乗ってるのは小野瀬さんじゃなくて私だよ(゜ロ゜)
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07/07(Sun) 08:48
くちびるさん、ありがとうございます♪
小春
変換ミスもまた楽し。
掲示板あるあるですね。
お仕事行ってらっしゃーい。
私も9月半ばまで無休(*TーT)b
お互い頑張りましょう!
~小野瀬ラボ~
小笠原
「おとなしくしててよね」
泪
「櫻井のポケットの方が居心地良かったなあ。柔らかくて」
聞こえよがしに言えば、翼が赤い顔でこちらを睨む。
小笠原
「そんな事言うから追い出されたんだろ」
そう。
巨乳事件のせいで、ミニ穂積は翼につまみ出されて、小笠原のジャケットの右ポケットに移動させられていた。
泪
「ようやく櫻井のポケットに入れたと思ったのに」
小笠原
「自業自得」
泪
「お前ももっこりさせてやろうかー?」
小笠原の毒舌にニヤリと笑うが早いかズボンに潜り込もうとするミニ穂積を、小笠原が必死で止める。
小笠原
「最低!あんた最低だよ!」
泪
「うるせえ!」
小野瀬
「二人ともやーめーろー!もうじき細野や太田が仮眠から戻って来るぞ!」
小笠原
「……」
泪
「……」
小野瀬に叱られて、それでもまだ密かに小突きあう二人。
小笠原
「付き合いきれない。もう仕事に戻る」
唇を尖らせてPCの前に戻る小笠原に、ミニ穂積が思い出したように言った。
泪
「しかしお前って、普段寝てばかりだけど、仕事を始めると真面目に働くよな」
小笠原
「…………そう?」
うん、とミニ穂積が頷く。
泪
「取り掛かりも早いし、無駄口もきかないし。出来上がりは完璧だし。こうして見てるとよく分かる」
小笠原
「…………仕事を真面目にやるのは当たり前でしょ?変な所で感心しないでよね」
小笠原の口調は冷たいが、顔を見れば、口元が緩みそうになるのを堪えているのが一目瞭然だ。
何だかんだ言っても、捜査室のメンバーは皆、穂積に褒められれば嬉しいのだ。
赤い顔でキーを叩く小笠原と、おとなしく小笠原の仕事を見守るミニ穂積。
微笑ましい二人の姿を見ながら、翼と小野瀬は顔を見合わせて笑った。
翼
「さ、私たちも仕事しましょう」
私たち。
微笑んだ翼にそう言われるだけで面映ゆく感じる自分の気持ちを、小野瀬は、新鮮な思いで受け止めていた。
さあ、そろそろまた何か起きるのか?
続きお願いしまーす。
07/07(Sun) 11:48
こんにちは~
とも
~小野瀬ラボ~
ラボで仕事を始めてしばらくすると、太田と細野が戻ってきた。
太田
「わぁぁ、すみません!応援に来ていただいてるお二人に先に仕事をさせとくなんて!」
細野
「ホントにすみません!」
ペコペコしながら入ってくる二人に翼のポケットにいた小野瀬は苦笑した。
櫻井
「いいんですよ。小野瀬さんが戻るまで大変なんですから。あ、こちらの分析終わりましたんで、見てもらえますか?」
細野
「わかりました」
櫻井
「じゃあ、私はコーヒーを淹れてきますね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翼が給湯室から戻ると、細野と太田は難しい顔をして考え込んでいた。
櫻井
「あの、何か間違ってるところでもありましたか?」
太田
「いえ、大丈夫です。むしろ完璧です。ただ…」
細野
「この書類、いつも櫻井に作ってもらってるのと少し違うような気がしまして。まるで御大が作ったような…」
櫻井・小野瀬
「!?」
そう。二人には見えていないが、そこに小野瀬はいる。もちろん翼に指示を出して作らせたのだが、こんなところで気づかれるなんて。
[削除]
07/07(Sun) 18:29
暑い(;´Д`A
清香
ベランダ掃除したら汗だくです。
「「まずい」」
翼と小野瀬だけではなく、小笠原とミニ穂積の動きが一瞬止まった。
いつの間にかポケットの中にいるのが当たり前になっていて、そこから指示を出す側も受ける側も気がつかなくなっていたのだ。
泪
「潮時だな。」
忘れ物をしたと言い、ギクシャクしながら小笠原と捜査室へと戻ると、ドッと疲れが出る。
机に突っ伏す翼の頭を撫でる小野瀬の隣に立ったミニ穂積がいつに無く真剣な顔立ちで言った。
泪
「小野瀬が小さくなってから、もう3日目だ。インフルエンザと言って休んでいるが、あと数日で出勤しなくちゃいけなくなる。」
小野瀬
「もちろん分かっているさ。」
戻らなくちゃいけない。
もちろん、元に戻りたい。
その気持ちは十分にあるつもりだ。
しかし。
元に戻れば、彼女との関係はどうなってしまうんだろう。
穂積は彼女に好意を抱いている。
同じように俺も彼女に好意を抱いている。
でも、彼女はどうなんだろう。
彼女の心が少しずつ俺に傾いてきている気はした。
でもそれは、俺が小さくなって不便をしているからこうやって世話をしてくれているんじゃないか。
ミニ穂積は明智に懐いているから、ただ単に対抗意識を持っているだけなんじゃないか。
もし、元に戻った時に、元々『捜査室の父親」として距離が近かった穂積を彼女が選んだとしたら…?
果たして自分はどんな顔をすればいいんだろう。
『桜田門の光源氏』とまで言われるくらい、数えきれないラブゲームを繰り返してきたのに、いざとなったら何も役に立たないなんて。
いっそ、このまま小さい小野瀬でいれば、彼女の側にいられるんじゃないのかな。
自分勝手な思いばかりが小野瀬の頭を駆け巡る。
翼
「…小野瀬さん?どうしました?」
翼に声をかけられて、やっと小野瀬は彼女がすぐ側まで来ていることに気がついた。
小野瀬
「ううん、何でもないよ。」
本心を隠すようにニコリと笑って首を横に振ると、隣に立つミニ穂積には真剣な眼を向ける。
小野瀬
「お前、自分がどうやって生まれたか覚えているか?」
泪
「いや、気がついたらベッドの上だった。」
小野瀬
「だよなぁ。俺も気がついたら小さくなってた。」
なんの記憶も、誰の目撃証言も無いのなら、そこから辿るのは無理だろう。
小野瀬
「小笠原、何か元に戻る手立てを見つけられないか ?」
カチカチとパソコンを操る小笠原に声をかけると、すぐにナナコを見せてくれた。
小笠原
「今やってる。でも、現実世界で小さくなった人を大きくしただなんて事案はどこにもないよ。ドラえもんの世界だけだ。」
小野瀬
「そうか…」
翼
「水をかけたら大きくなるとか?」
小野瀬
「植物や乾燥ワカメじゃないんだから。それに水をかけて大きくなるなら、昨日お風呂に入った段階で元に戻ってるよ。」
翼
「ですよね…。」
しゅんっとする翼の頭を小野瀬が撫でていると、ミニ穂積がニヤリと笑う。
泪
「じゃあ、興奮したらデカくなるとか?」
小野瀬
「あのなぁ、俺は海綿体じゃないから。膨張しないから。」
泪
「えっ、お前ならそれでもおかしくないけど。」
小野瀬
「どんなだよ。それに海綿体ならしばらくしたらまた縮むだろうが。」
泪
「あっ、そうか。」
ケラケラ笑う二人に小笠原が嫌そうな視線を投げかけた。
小笠原
「あのさぁ、下らないこと言ってないで真剣に考えてる?」
泪
「あとは打出の小槌か。」
小野瀬
「振ると大きくなるやつ?」
泪
「タコ殴りにしたらデカくなるんじゃねぇか?」
小野瀬
「デカくなる前に死ぬだろ、それ。」
小笠原
「……。」
決定的な案が出ないまま、時間だけが過ぎていったのだった。
[削除]
07/07(Sun) 20:44
ともさん、清香さん、ありがとうございます♪
小春
~終業時刻、捜査室~
細野・太田
「あの」
ノックの音の直後に扉が開いて、小野瀬と穂積のバカな会話に気をとられていた翼と小笠原は驚いて飛び上がった。
翼
「は、ははいっ?!」
細野・太田
「小笠原さん、櫻井さん、今日もお手伝いありがとうございました。お疲れ様でした」
細野と太田が、揃って丁寧に頭を下げてくれる。
その隙に、小野瀬とミニ穂積は素早く机の陰に隠れた。
細野
「御大がいなくてどうなるかと思ってましたが、お二人のお陰で、業務に支障が出ずに済んでいます」
翼
「いえ、とんでもない。鑑識作業をされているのは細野さんたちですもん」
翼が謙遜すると、太田がぶんぶんと手を振った。
太田
「でも、自分たちは作業に手一杯で、他の事に手がまわりませんから。小笠原さんが結果を報告書にしてくれたり、櫻井さんが準備や片付けをしてくれて、すごく助かるんです」
ニコニコしながら、太田はいつものように一人で汗をかいている。
細野は逆に、上着を一枚羽織った。
細野
「警報も注意報になりましたし、そろそろ捜査室の皆さんも帰ってくるでしょう?電車も動き出したし、僕たちも帰ります」
小笠原の携帯に電話がかかってきたのを機に、細野たちはもう一度丁寧にお辞儀をして、去っていった。
翼
「……あんないい人たちに隠し事だなんて、やっぱり、よくないですよね」
小野瀬
「そうだね。……一日も早く、解決しないと」
小野瀬は真顔に戻って、頷いた。
そう、何もかも、元に戻ってからだ。
細野たちの背中を見送っている翼を見ながら、小野瀬はそう思った。
穂積は、「俺の留守に手を出すなよ」と言った。
それは、穂積もまた、アンフェアな真似はしないという宣言ではないだろうか。
ミニ穂積は、「対等の立場であって欲しい」と言って、協力を申し出てくれた。
それもやはり、正々堂々と勝負したいという思いの表れに違いない。
俺が元に戻るまで、穂積は待っていてくれる。
そう信じよう。
そして、元に戻ったら。
その時は改めて、櫻井さんにも、穂積にも、きちんと向き合おう。
……俺自身の気持ちにも。
[削除]
07/08(Mon) 05:51
おはようございます。
小春
昨日はくちびるさん、ともさん、清香さん、ありがとうございました。
物語も佳境に入って参りましたね。
本日はこんな感じでスタートです。
よろしくお願いしますm(__)m
~捜査室~
小野瀬が、長い間の自問自答にひとまず終止符を打つ。
傍らでその表情の変化を見つめていたミニ穂積が、小野瀬をつついてにこりと笑った。
泪
「正直になれよ、小野瀬。俺に打ち明けてくれた、あの時みたいに」
小野瀬
「穂積……」
泪
「大丈夫、きっとうまくいく」
その時。
電話の為に少し離れた場所にいた小笠原が、青い顔をして、走って戻ってきた。
小笠原
「明智さんが病院に運ばれた。小野瀬さん、車、貸して」
翼
「えっ?!」
小野瀬
「どういう事?!」
泪
「明智!」
小野瀬が小笠原に聞き返すよりも早く、ミニ穂積は廊下に飛び出し、走り出していた。
小笠原が慌ててその後を追いかけ、ミニ穂積を捕まえて、走りながらポケットに押し込む。
小笠原
「今は俺の方が速いよ」
泪
「明智に何があったんだ?!」
小野瀬の方は、翼がポケットに入れてくれた。
翼も懸命に走って、小笠原に追い付く。
並走しながら、小笠原が説明した。
小笠原
「今の電話は、救急隊員からだった。明智さんは、上流から流れてきたお年寄りを助ける為に、咄嗟に川に飛び込んだらしい」
小笠原は息を整えながら、一気に喋った。
小笠原
「命綱もつけていて、お年寄りの救出はうまくいった。でも運悪く、岸に上がろうとした明智さんに流木が衝突して、それで溺れて」
泪
「……!」
小野瀬
「それで、容態は?」
駐車場の小野瀬の車に到着し、小笠原が運転席に乗り込んだ。
助手席に翼が滑り込む。
小笠原
「救急隊員が着くまで、室長が胸骨圧迫と人工呼吸を続けていたおかげで、命はある。でもまだ昏睡状態で、予断を許さない状況らしい」
穂積が心肺蘇生を行ったという事は、たとえ一瞬でも、心肺が停止していたという事になる。
翼
「明智さん……」
翼はもう涙目だ。
そしてそれ以上に、ミニ穂積の顔色は蒼白になっていた。
小笠原
「とにかく病院に急ごう」
車は一路、警察病院へと加速した。
[削除]
07/08(Mon) 07:15
おはようございます
ジュン
おはようございます。
ポケット小野瀬もいよいよ佳境ですね。
あ~、明智さんが~o(><;)(;><)o
今日はグフフを封印して見守ります。
~車内~
小笠原がハンドルを握りながら翼に声をかける。
「櫻井さん、藤守さんたちにも連絡入れて。」
その声になんとか反応した翼が藤守に電話をかける。
「お~、櫻井?おつかれさん。」
「ふ、藤守さん、明智さんが、明智さんが…」
「ちょっ、落ち着けって。明智さんがどないしたん?」
泣き出してしまうのを必死で堪える翼は言葉が続かない。その頬を小さな手で優しく撫でながら小野瀬が携帯に向かって叫ぶ。
「藤守くん?小野瀬だよ。明智くんが…………」
「…………わかりました。すぐに向かいます。」
通話を終え、藤守は如月を振り返る。話を聞く藤守の顔がどんどん蒼くなるのを見て、如月も心配顔だ。
「明智さんが川で溺れたらしい。」
「明智さんが溺れた?それで、明智さんは?」
「とにかく、病院に行くで。詳しい話は後や!」
「はい!」
藤守と如月はタクシーを捕まえて病院に向かった。
初めて書いてみましたが…ど、ど、ど、どうでせうか!?
07/08(Mon) 07:24
ジュンさん!
小春
おはようございます!そしてありがとうございます!(興奮気味)
内容も素晴らしいじゃないですか!
私がまだ誰もいない職場で、ガラケーを手にクルクルダンスを踊り出したのが見えますでしょうか。
うーわー嬉しい。
どうしよう。
代わりにグフフと笑ってしまおうかしら。
引き続きご参加よろしくお願いしますね!(´ 3`)ちゅー
[削除]
07/08(Mon) 08:29
ついに新しい勇者がヽ(*´▽)ノ♪
とも
みなさん、おはようございます(^-^)v
今日も暑いですが頑張りましょ!
~警察病院~
廊下に慌ただしい音が響き渡る中、集中治療室の前には室長と、先ほど連絡した藤守と如月の姿があった。
泪
「明智の容態は?!」
小笠原の胸ポケットから少しだけ顔を出したミニ穂積が真っ先に問うた。
穂積
「落ち着け。さっき運ばれたところでまだなんとも言えない」
如月
「明智さん、大丈夫ですよね…」
藤守
「お前が弱気でどうすんねん。明智さんなら絶対助かる!いや、助かってもらわな困る」
その場にいた全員が祈るような気持ちで目の前の開かない扉を見つめていた。
[削除]
07/08(Mon) 08:32
寝落ち…(((・・;)
くちびる
まさかの明智さんピンチ~(;>_<;)
小野瀬
「櫻井さん大丈夫だよ。俺がついてる。
明智くんは普段から鍛えてるんだ。きっと助かる。」
翼
「そうですよね。小野瀬さん……」
翼は何かを決意したかの様にこれまで見たことの無い表情をした。
先程の様な動揺が全く伺えず、小野瀬はある種の違和感を感じていた。
さあどうなるんでしょうか!?(゜ロ゜)(゜ロ゜)
[削除]
07/08(Mon) 08:58
ともさん、くちびるさん、ありがとうございます。
小春
朝から新たな勇者登場で、分かりやすくテンションの上がる我々作家陣(爆笑)
どうなる明智?!
そして、何を決意したんだ翼?!
続く!(←オイ)
[削除]
07/08(Mon) 09:41
皆さん、おはよーございます!
エミ
(・∀・)ノただいま!←戻ってきた
熱中症に気をつけましょうね!
胸の前で祈るように両手を固く握りしめたままの翼だが、ポケットの中の小野瀬まで苦しくなるくらい早鐘を打つように伝わっていた鼓動が落ち着きを取り戻している。
隣に座る穂積が翼の背中に手を添えているのを、ミニ穂積は小笠原の胸ポケットから見ていた。
さてさて、どうなる?
壁|д・)ノ じゃっ!
07/08(Mon) 09:50
エミさん!
小春
こんにちは、あっ!(空振り)
また逃げられた……チッ
おっと穂積フラグ(笑)
さあ、どうなる?
続く!(←オイ)
[削除]
07/08(Mon) 10:49
揺らしてみる。
小春
穂積が不意にハンカチで口を押さえ、ひとつ、くしゃみをした。
改めてよく見れば、穂積は全身ずぶ濡れだ。
元々色白な肌が蒼白になっていて、唇は紫に見えるほど。
救急隊が到着するまで、穂積が心肺蘇生措置をしていた、と電話で隊員が言っていなかったか。
「人工呼吸」と言うと、ドラマや漫画などではロマンチックに描かれる事も多いが、実際にはそんな甘いものではない。
気道を確保し、自発呼吸が回復するまで、反応の薄い相手に延々息を吹き込み続けなければならない。
胸骨圧迫と人工呼吸のセットなら、本来、心得のある成人男性が数人がかりで行う重労働だ。
穂積の方が倒れてもおかしくない。
それでも明智の病室から離れようとしない穂積に、全員の表情を見渡してから、ミニ穂積が声を張った。
泪
「おい、お前!せめてシャワーを浴びて、病院の職員から借りて濡れた服を着替えて来い。部下を心配させるな!」
ハッとした様子で、穂積が顔を上げた。
それから、隣の翼の顔を見る。
翼は頷いた。
翼
「穂積くんの言う通りです。室長のお陰で、私も落ち着いてきました。着替えて、出来たら少し休んでください」
穂積の表情が、ほんの微かに生気を取り戻す。
穂積
「……まさか、自分自身に説教されるとはね」
穂積はそう言うと、翼の背中をぽんぽん、と叩いてから立ち上がった。
穂積
「すぐに戻るわ。明智に変化があったら呼び戻してちょうだい」
全員
「はい!」
早足で去っていく穂積を見送って間もなく、扉が開いた。
へっへっ。
[削除]
07/08(Mon) 12:10
あっ!
清香
『ポケット小野瀬』なはずが、穂積寄りな空気になってる(笑)
凄まじい室長人気L(゚□゚)」オーマイガ!
~病室~
ドアが開き、明智の病室へと入って来たのは人当たりの柔らかそうな若い医師だった。
ニコニコとしたその笑顔は明智の病状とはうらはらに明るいもので、違和感すら覚える。
医師
「目はまだ覚めませんか。」
何人もの男達の視線を受けながら、医師は翼にだけ話しかけるようにそっと顔を覗き込んだ。
いきなり近づく距離に、翼も驚きを隠せない。
翼
「ま、まだのようです…!」
端正な顔を近づけられ戸惑う翼と、突然の医師の行動に動揺を隠せないでいる捜査室メンバーたち。
いつもならば「ウチの娘に近づくな」と言う穂積もいなければ、そっと背中に隠してくれる明智も倒れたままだ。
小野瀬に至っては、守ってあげなくてはいけない状況にも関わらず、表に出られない自分の歯痒さにくちびるを噛み締めていた。
医師
「…ふふっ、可愛らしい人ですね。」
翼の頬を一つ撫でると、医師は怒りの視線を向ける人々の横を素通りし、未だ眠る明智の枕元へと立った。
医師
「明智さん、起きて下さーい。」
鼻をつまんだり、目を無理矢理こじ開けようとしたり、およそ医師とは思えないような乱暴な『処置』のようなモノを施すが、明智は目を覚まさない。
医師
「まぁ、今回は僕が暗示をかけたわけじゃないからねぇ。」
なんだかよく分からないことをため息まじりに呟くと、医師は何処かへと電話をかけた。
しばらくして病室の扉が開く。
デーンデーンデーン デーデーデーン デーデーデーン
デーンデーンデーン デーデーデーン デーデーデーン
某宇宙戦争の暗黒面に堕ちた男のテーマと共に登場したのは、かの有名な看護師長だった。
藤守
「ヒッ!?」
如月
「ぎゃあ!!」
以前入院した時の仕置きを思い出したのか、叫び声を上げかける二人をジロリと一睨みし、看護師長は明智の元へと静かに近寄った。
藤守
「ア、アカン、明智さんにトドメをさすつもりや…!」
如月
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
病室を包み込むような凄まじいオーラに誰も身動きが取れず、医師と看護師長が明智の枕元に立った瞬間。
明智
「う、うわぁぁぁぁあああッ!」
明智がベッドから飛び上がらんばかりの勢いで起き上がった。
看護師長
「目が覚めたか。命拾いしたな。」
医師
「おや、残念。プリンセスのキスで王子を目覚めさせようと思ったのに。」
恐ろしい事を呟くと、二人は病室を静かに出て行ったのだった。
→
[削除]
07/08(Mon) 12:17
清香さん……
小春
ツッコミ所多過ぎるorz
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07/08(Mon) 12:41
さすがです!
ジュン
清香さん!さすがです!!
看守長…もとい看護師長!
ワタクシ今日は封印していたグフフが出てしまいました。
でも、明智さんが無事で良かったですねぇ((o(^∇^)o))
続きが楽しみですo(^o^)o
小春さんとともさんのおっしゃる勇者って私じゃありませんよね?
(((^_^;)
07/08(Mon) 13:14
ジュンさん、こんにちは♪
小春
もちろんアナタの事ですとも。
[削除]
07/08(Mon) 13:54
よっしゃ。
小春
ハイ(挙手)
この続きは私が書きますので、皆様しばらくお待ちを。
[削除]
07/08(Mon) 13:58
まままさか~(つд;*)
くちびる
若い医師は(((・・;)もしや山田さんでは(゜ロ゜)
こんな所で登場とは!
医師が去った後
何やら翼の様子がおかしい…。
明智が意識を取り戻し藤守や如月達が歓喜に沸く中一人だけ今度は彼女が意識を無くしたかの様にへたりこむ…。
小野瀬
「櫻井さん!どうしたの!?」
呼び掛けてみるものの全く反応が無いのだ。
まずい。まるで暗示に掛けられているかの様
な状態に小野瀬は激しい胸騒ぎを覚えるのだった…。
[削除]
07/08(Mon) 14:03
すみません~(;>_<;)
くちびる
思い付いてカキコしちゃいました~(;>_<;)
小春さんの先になってしまいました~(つд;*)
[削除]
07/08(Mon) 16:26
これだよね?
小春
小野瀬
「櫻井さん!櫻井さん、しっかりして!」
翼の肩に乗り、耳元で声を張り上げるが反応が無い。
やがて、小野瀬の小さな叫び声に気付いた皆が、翼を振り返った。
小野瀬
「櫻井さんの様子が……」
そこへ、服を着替えた穂積が、小笠原に手を引かれて現れた。
穂積
「櫻井がどうしたって?」
明智の事も気にしながら、穂積が翼に駆け寄る。
穂積
「櫻井、櫻井?」
床に膝をつき、肩を抱くようにして、穂積はもう一方の手で、ぴたぴたと翼の頬を叩いた。
すると、虚ろだった翼の目が焦点を結び、穂積を見つめた。
翼
「……室長……?」
穂積
「どうした?気分は?」
翼
「……すみません、大丈夫です」
穂積の手を借りて立ち上がった翼は、よろけるようにして壁に手をついた。
明智
「無理をするな、櫻井」
小野瀬
「櫻井さん!」
心配した明智と小野瀬が、順番に声を掛ける。
翼
「もう、大丈夫です。すみません。……安心したら、力が抜けちゃったみたいで」
そう言って穂積の手を離れた翼は、明智のベッドに静かに歩み寄ると、一度、真っ直ぐに明智を見つめた。
翼
「明智さん……」
それから、思い切ったように、明智の胸に飛び込んだ。
翼
「……明智さん!」
全員
「?!」
予想外の翼の行動に一同仰天だが、最も驚いたのは、当の明智だった。
翼
「明智さん……無事で良かった!」
自分の胸に縋りついて号泣する翼を振り払うわけにもいかず、明智は、おずおずと、小さな肩を抱き寄せる。
翼
「私、私、明智さんに何かあったらどうしようかと……」
明智
「……櫻井……」
抱き合う二人の周りから、一人、また一人と廊下に出て行く。
最後まで残ったのは穂積と、その足元に小野瀬。
そして、最初から明智のベッドの上にいた、小さな穂積。
ミニ穂積はしばらく小野瀬と見つめあった後、明智が自分の存在に気付くのを待って、声をかけた。
泪
「……良かったな、明智、櫻井……」
言葉を探していたらしいミニ穂積が、ようやく、二人に声をかけた。
明智
「穂積くん」
翼
「ありがとう、穂積くん」
翼が、ミニ穂積の髪を撫でた。
翼
「私、明智さんが穂積くんに優しいから、わざと小野瀬さんばかり可愛がったのに……」
泪
「……気にすんなよ」
ミニ穂積は明智の布団の上に乗って、翼を見上げた。
泪
「それより、お前……明智を好きだったんだな」
翼がぽっと頬を染め、けれどはっきりと頷くのを見て、ミニ穂積は微笑んだ。
泪
「そっか。……じゃあ、三人とも失恋だな」
明智
「三人……?」
明智の目が、立ち尽くす穂積と小野瀬をとらえ、それから、目の前のミニ穂積に戻った。
明智
「穂積くん……」
ミニ穂積はいつものように、ニッコリと笑った。
泪
「大好きだったぞ、明智」
不意に、明智の胸に抱きついたミニ穂積の笑顔が透けはじめたかと思うと、その小さな身体は着ていた服だけを残して、すうっと消えた。
明智
「!」
穂積と小野瀬、翼も息を飲む。
明智
「穂積くん!」
明智が、残された服を掴んでミニ穂積を探す。
明智
「穂積くん!」
けれど、もう、小さい穂積の姿はどこにもない。
明智
「……穂積くん……」
自分が手縫いした、小さな小さな三つ揃い。
それを抱き締めて、明智は、人目も憚らずに泣き続けた。
07/08(Mon) 17:12
前回のリレーの罪滅ぼし
小春
くちびるさん、小野瀬さんに土下座するルートでしたよね。
え?…もしかして違う?
あれ?
清香さんが号泣している。
…私、やっちゃいましたか?
[削除]
07/08(Mon) 21:54
おぉ?!
とも
私も予想してなかったまさかの展開!!(゜ロ゜ノ)ノ
あれ、このリレーのタイトルは『ポケット小野瀬』やったよね?
このあとどうなる?
[削除]
07/08(Mon) 23:05
ポケット小野瀬なんだから。
小春
~警察病院・休憩室~
全員
「…………はあ…………」
誰も口をきかない。
ミニ穂積が消えた。
翼は明智が好きだった。
衝撃の事実2連発で、これから自分たちはいったいどうすればいいのか。
全員
「…………はあ…………」
穂積
「ああ、鬱陶しい!」
ついに穂積が立ち上がった。
穂積
「いつまでもクヨクヨしてんじゃないわよ!」
藤守
「そんな事言うたかて……」
穂積が、口答えする藤守にデコピンをかます。
藤守
「痛゙!」
穂積
「まだ、小野瀬の問題が解決してないでしょうが!」
ビシッと穂積が指差した先では、しかし、当の小野瀬がぼんやりしている。
小野瀬
「……」
穂積
「……」
穂積のこめかみに青筋が浮かび上がる。
と同時に、小野瀬の額にもデコピンが炸裂した。
小野瀬
「痛゙ーー!」
穂積
「他人事みたいな顔してんじゃねえ!」
如月
「(小声)……荒れてますね」
小笠原
「(小声)……フラれたばかりだからね」
如月
「(小声)オカマキャラ忘れてるし」
ひそひそ話し合っていた如月と小笠原もまた、穂積のデコピンの餌食になった。
如月・小笠原
「痛゙ーーー!!」
穂積
「フラれてねえ!!」
床でのたうち回る4人に向かって、仁王立ちの穂積が怒鳴った。
穂積
「いいか、馬鹿ワンコども。『フラれる』ってのはな、『好きだと伝えて断られる事』だ!」
如月
「……そりゃ、そうですけど」
穂積
「俺も、小野瀬も、告白さえしていない。互いに、フェアな条件で告白出来るタイミングを待っていたんだ」
小笠原
「そのせいでタイミングを逃しただけなんじゃないの?」
藤守
「しっ」
穂積
「何もしないでフラれてたまるか!」
じろりと睨まれて、小笠原と藤守が肩をすくめた。
穂積
「俺はな、明智と櫻井の自由恋愛なら、邪魔するつもりは全く無い。むしろ喜んで応援してやる」
穂積は意外な事を言い始めた。
穂積
「自由恋愛ならば、だ」
その言葉に、小野瀬が反応した。
小野瀬
「……つまり、穂積は、櫻井さんの告白の直前に、怪しい医師が彼女に話し掛けてきた事を疑ってるんだね」
穂積
「その通り」
穂積が頷くのを見て、藤守たちも徐々に話に乗り始めた。
藤守
「……確かに、あれから突然、櫻井が明智さんを好きや言い出したんやけど」
如月
「そう言えばあの医者、暗示がどうとか言ってましたね」
小笠原
「生死の境をさ迷っていた明智さんが、医師と看守長の登場だけで目を覚ましたのも不自然だし」
小野瀬
「……」
小野瀬がずっと考えていたのは、実はミニ穂積の事だった。
ミニ穂積が消えた理由、だ。
ミニ穂積は、小野瀬と翼の恋を取り持つと言ってくれていた。
だから勘違いしたのではないか。
ミニ穂積の使命が、実は、小野瀬ではなく、明智と翼の仲を取り持つ事だったのだと。
だから、明智と翼の恋が成就したあのタイミングで消えたのだと。
そう思い込んでいた。
もしかしたらミニ穂積自身も、勘違いしたまま消えていったのかもしれない。
だが、そうではないとしたら?
あの時、明智を目覚めさせる事こそが、ミニ穂積の使命だったのだとしたら?
ミニ穂積が消えたのは、いや、そもそもミニ穂積が生まれてきたのは、明智の命と自分の命とを引き換えにするためだったのだとしたら?
小野瀬
「……確かめてみなくてはならないようだね」
自分が小さくなった理由を知るためにも。
その事の意味を考えるためにも。
翼の本心を。
07/09(Tue) 05:18
おはようございます。
小春
昨日はジュンさん、ともさん、くちびるさん、エミさん、清香さん、ありがとうございました。
明智入院に始まり、謎の医師&看護師長登場、ミニ穂積消滅で激震の走った昨日。
本日はどうなるのか、もはや誰にも分からない。
起承転結、まだまだ転がるリレー7日目!
小野瀬と穂積の恋の行方は?
小さくなった小野瀬は元に戻れるのか?
エアコン、パソコン、別のエアコン、冷蔵庫、テレビ、と、連日壊れてしまう、我が家の家電製品の呪いはいつ解けるのか?
本日は午前中に新しい冷蔵庫が届く!
波瀾万丈の「ポケット小野瀬」。作家様読者様、今日もよろしくお願いします!
07/09(Tue) 08:31
おはようございます♪
とも
今朝は朝メロンしてきました(頂き物やけど)
小野瀬
「善は急げ、だ。穂積、さっき来た医師の所へ行こう」
穂積
「わかった。藤守たちは看護師長の方をあたってくれ」
藤守
「やっぱその流れになるわな…」
如月
「拒否権は…」
小笠原
「あるわけないでしょ。俺は何もおこがましいことしてないから行くけど」
藤守
「何かおもしろがってへんか?」
穂積
「グダグダ言ってねーでさっさと行ってこい!」
穂積は未だにブツブツ言いながら渋る藤守と如月の背中を蹴り飛ばし、小野瀬に向き直った。
穂積
「行くぞ」
小野瀬
「あぁ。櫻井さんが何かされてるなら俺たちで守らないとね」
07/09(Tue) 08:48
まさかの展開~(`ロ´;)
くちびる
皆さんおはようございます♪
そうですよ♪翼ちゃんは何者かに操られているんですよ~( ̄▽ ̄;)
穂積
「そうと解れば、あの胡散臭い医者を探すぞ!!」
穂積のひと言で皆が動き出した。
暑い~(;>_<;)今日も水分補給しながら頑張りますね~(^〇^)
[削除]
07/09(Tue) 09:04
ともさん、おはようございます♪
小春
朝メロンですって、素敵♪小野瀬か!ヾ(^^)
SS書いてくださってありがとうございます!
私は今、壊れた冷蔵庫の掃除をしています。
新しい冷蔵庫と交換したら頑張って私も続き書きますから、皆様よろしくです!
……俺はもしかしたら、この恋を成就させるために生まれてきたのかもな。
07/06(Sat) 10:26
ぐふふ
ジュン
昨日に引き続き、今日も調子に乗って登場してみました。
皆さま、おはようございます。
ミニ穂積くんとミニ小野瀬くん、無事に帰ってきましたね。
そして、まだまだ波乱のありそうな小春さんの予告。
グフフっとよだれ滴ながら楽しみにしています。
そして、清香さん、くちびるさん、何卒裏♪を…←是非とも読みたい(^q^)
はっ!Σ( ̄□ ̄;)
すみません。
調子に乗りました~(((・・;)
[削除]
07/06(Sat) 10:47
ジュンさん、ありがとうございます♪
小春
連日お越しいただき、ありがとうございます。
私が職場でスキップしているのが見えますでしょうか。
やっぱりリレーは波乱がないとね。
そして、本日も清香師弟に裏のリクエスト入りました(笑)
これはもうやってもらうしかないのか。
ついに作家陣がひそかに機会を狙っている黒小野瀬も降臨するのか。
翼ちゃんと両方だなんて、きゃー!
私には手に負えないわ(>_<)
はっ。すみません。
私が一番調子に乗ってるかも。
こんな管理人なんですよ。
ジュンさん皆さん、お気軽にツッコミ入れて下さい。
でも、優しくしてね(笑)
[削除]
07/06(Sat) 11:41
だってさ(´・ε・`)
清香
表:小春
裏:清香
みたいな図式が出来てません?
東進だって教科別に講師がいるんだから、ねぇ。
私を師匠と言うならば、その流れかと。
まぁ、ほどほどにしときます。
黒小野瀬以来マトモな裏を書いてないので自分のとこで荒ぶります。
ねー、くちびるさん( ´∀`)σ)д`)ツンツン
ジュンさん、今日もありがとうごさいます。
私も職場で小躍りしました。(働け)
[削除]
07/06(Sat) 14:06
裏希望ワタクシもノ
せつな
小野瀬さんと室長の三角関係?!
しかもミニ穂積くんは小野瀬さんのために存在する?!
なにやら美味しい展開になってるのに、指咥えて見てるだけしかできないこの辛さ><;
でも十分楽しませていただいてますよ~~ww
素敵なリレー応援してます!
[削除]
07/06(Sat) 14:35
せつなさん、ありがとうございます♪
小春
指を咥えて見てるだけでいいんですか?
違うモノを咥えたり咥えさせたりするチャンスありますよ?
おっと、周囲がみんな清香さんの弟子ばかりになってきたので、若干おかしな具合に。
でもよく考えたら、私が一番弟子だったかもしれない。不肖の弟子ですけどねー。
せつなさん、お忙しい中お読みいただいているとのこと、ありがとうございます。
無言も読み逃げももちろんOK。
でも、アブナイ☆ちゅーの場面が来たらよろしくおねがいしますよ。(笑)
07/06(Sat) 18:45
豪雨に(つд;*)
くちびる
帰り道豪雨に見舞われたくちびるですぅ~(;>_<;)
今電車の中の冷房でやっと乾きました~( ´△`)
ジュンさん(o^-^o)はじめまして♪
私うう裏どころか…駄文しか書いてないですよ~(;>_<;)
ここは清香さんにお願いして…←おっとこれ以上は(//∇//)
話がちょっと切なくなってきたじゃないですか~!←私の好物♪←おっとf(^_^;
このまま今度は小野瀬さんに土下座か!?(゜ロ゜)
[削除]
07/06(Sat) 20:38
くちびるさん、こんばんは
小春
豪雨の中、お仕事お疲れ様でした。
なるほど、くちびるさんは小野瀬さんに土下座するルートですね。
ふふ。
よろしくお願いします。( ̄ー ̄)
[削除]
07/06(Sat) 22:19
こんばんは☆
とも
昨晩の寝落ちから今まで全然覗けなかった(T_T)
リレーはひとまず休憩ですか。この後の展開が難しいですね。うーん(((((((・・;)
あ、ジュンさん、初めまして!ご挨拶が遅れましたともです(^-^)
小春さんのサイトで厚かましくもリレーやコメさせてもらってます。
最初はコッソリ読み逃げ派やったんですけどね(恥ずかしがりやから←ウソ)、やっぱり素敵なお話を書いてらっしゃるのに感想もなしかい!っていうのは失礼やと思ったのでちょこちょこコメさせてもらって今に至ります。
また何かあれば是非とも参加してくださいね! 無事にリレーが完成したら打ち上げありますから!←気が早い?
[削除]
07/06(Sat) 22:40
ともさん、こんばんは♪
小春
とりあえず静岡茶をどうぞ。
さすがのともさんも悩みどころ?
毎回、4、5日目はストーリーの節目が来るんですよね。
作家は書き込む時にみんな自分なりの話の流れを考えながら書いているので、この辺りにくると、それぞれの思惑がぶつかるようです。
特に今回は、みんな推したいキャラが違うようで。
面白いですね。
みんなで互いに様子見(笑)。
さあ、そろそろ進めましょうか。
皆様、引き続きよろしくお願いします。
[削除]
07/06(Sat) 23:00
えっ。
清香
今回推したいカップリングは明智×ミニ穂積ですが…お呼びですか?←呼んでない。
07/07(Sun) 06:44
おはようございます。
小春
昨日は清香さん、くちびるさん、ともさん、そしてジュンさん、せつなさん、ありがとうございました。
お陰様でスレッドも増設。
さあ、本日も腹を探りあいながら、勇者のぶっ込みを待ちながら参りましょう。
~捜査室~
午後になると、東京都の大雨注意報は警報に変わった。
翼と小笠原は引き続き鑑識の手伝いだが、捜査室の方のメンバーは、交通規制の手伝いに駆り出される事になった。
藤守と如月は、停電で信号の消えた交差点へ、交通整理に。
穂積と明智は、増水により破損した橋を渡らないよう、迂回路へ誘導する立ち番に。
官給品のレインコートやゴム長を身につけ、豪雨の中へ出て行くメンバーを、翼と小笠原は心配そうに見送る。
翼
「気をつけてくださいね」
藤守
「おう!任せとき」
如月
「行ってきまーす」
藤守と如月が元気よく出掛けて行く。
明智
「櫻井、穂積くんを頼むぞ」
穂積
「ついでに小野瀬もね」
明智と穂積が、翼の両手の上に乗せられて見送る小さい2人を、それぞれ撫でた。
泪
「俺も明智と行きたいなあ」
明智
「今日は本当にダメですよ」
小野瀬
「櫻井さんは俺に任せてね」
穂積
「俺の留守に手を出すなよ」
じゃあな、と急ぎ足で出ていった背中を見送ってしまうと、廊下は妙に静かになった。
鑑識に向かいながらも表情の冴えない翼に、小野瀬の心は複雑だ。
さっきは、周りに翼やミニ穂積、明智や小笠原もいたから、普段のノリで会話が出来たけど。
普段と同じ会話だからこそ、そこに、普段とは違う危うさが含まれているのをはっきりと感じた。
穂積は、俺の恋心に気付いている。
確信に変わった思いに耽っていると、不意に、ミニ穂積の声がした。
泪
「小野瀬お前、櫻井のブラウスの胸ポケットに入れ」
小野瀬
「ん?」
泪
「櫻井、俺、ジャケットの内ポケットに入るからな」
翼
「?……はい、どうぞ?」
小さい2人が所定の位置に入ると、ミニ穂積がさらに言った。
泪
「ジャケットのボタンを留めてみろ」
翼
「?」
翼がボタンを留める。
翼
「あっ」
そこでようやく、翼もそして小野瀬も、ミニ穂積の意図に気付いた。
泪
「ほら、巨乳完成!」
はち切れそうなジャケットの胸を見て、翼が真っ赤になる。
翼
「もう!穂積くんたら!」
泪
「あははー」
慌ててジャケットのボタンを外し、ミニ穂積に文句を言いながらも、翼が笑顔に戻った。
小野瀬
「お前それセクハラだよ」
小野瀬は調子を合わせて笑いながらも、ミニ穂積の、翼への気配りに感心し、同時に、本物の穂積と重ね合わせて、ヒヤリとするのだった。
続きお願いしまーすm(__)m
[削除]
07/07(Sun) 07:42
おはようございます♪
くちびる
翼に笑顔が戻りミニ小野瀬は少しホッとした。
彼女への恋心に気づいてから2人きりになると少し気まづい感じがあった。
だからこそミニ穂積の存在がありがたかった。
泪
「小野瀬…俺はお前の味方だぞ。」
小声でそう呟いた。
小野瀬
「穂積…俺はお前の本体の想いを知っている。だからこそ辛いんだよ…。」
穂積
「だからこそだ。本体は自分で行動を起こせる。だが今電車のお前は状況が違う。俺は本体とお前が対等の立場であって欲しいんだ。
だから俺はお前に協力したい。」
小野瀬
「穂積…。」
こんな続きにしてみました~(o^-^o)
今から出勤なんでよろしくお願いします♪
[削除]
07/07(Sun) 07:49
あちゃ~(;>_<;)
くちびる
すみません~(;>_<;)文章おかしな箇所があるので無視して読んで下さいね~!←変換ミス…(汗)
電車の…って電車に乗ってるのは小野瀬さんじゃなくて私だよ(゜ロ゜)
[削除]
07/07(Sun) 08:48
くちびるさん、ありがとうございます♪
小春
変換ミスもまた楽し。
掲示板あるあるですね。
お仕事行ってらっしゃーい。
私も9月半ばまで無休(*TーT)b
お互い頑張りましょう!
~小野瀬ラボ~
小笠原
「おとなしくしててよね」
泪
「櫻井のポケットの方が居心地良かったなあ。柔らかくて」
聞こえよがしに言えば、翼が赤い顔でこちらを睨む。
小笠原
「そんな事言うから追い出されたんだろ」
そう。
巨乳事件のせいで、ミニ穂積は翼につまみ出されて、小笠原のジャケットの右ポケットに移動させられていた。
泪
「ようやく櫻井のポケットに入れたと思ったのに」
小笠原
「自業自得」
泪
「お前ももっこりさせてやろうかー?」
小笠原の毒舌にニヤリと笑うが早いかズボンに潜り込もうとするミニ穂積を、小笠原が必死で止める。
小笠原
「最低!あんた最低だよ!」
泪
「うるせえ!」
小野瀬
「二人ともやーめーろー!もうじき細野や太田が仮眠から戻って来るぞ!」
小笠原
「……」
泪
「……」
小野瀬に叱られて、それでもまだ密かに小突きあう二人。
小笠原
「付き合いきれない。もう仕事に戻る」
唇を尖らせてPCの前に戻る小笠原に、ミニ穂積が思い出したように言った。
泪
「しかしお前って、普段寝てばかりだけど、仕事を始めると真面目に働くよな」
小笠原
「…………そう?」
うん、とミニ穂積が頷く。
泪
「取り掛かりも早いし、無駄口もきかないし。出来上がりは完璧だし。こうして見てるとよく分かる」
小笠原
「…………仕事を真面目にやるのは当たり前でしょ?変な所で感心しないでよね」
小笠原の口調は冷たいが、顔を見れば、口元が緩みそうになるのを堪えているのが一目瞭然だ。
何だかんだ言っても、捜査室のメンバーは皆、穂積に褒められれば嬉しいのだ。
赤い顔でキーを叩く小笠原と、おとなしく小笠原の仕事を見守るミニ穂積。
微笑ましい二人の姿を見ながら、翼と小野瀬は顔を見合わせて笑った。
翼
「さ、私たちも仕事しましょう」
私たち。
微笑んだ翼にそう言われるだけで面映ゆく感じる自分の気持ちを、小野瀬は、新鮮な思いで受け止めていた。
さあ、そろそろまた何か起きるのか?
続きお願いしまーす。
07/07(Sun) 11:48
こんにちは~
とも
~小野瀬ラボ~
ラボで仕事を始めてしばらくすると、太田と細野が戻ってきた。
太田
「わぁぁ、すみません!応援に来ていただいてるお二人に先に仕事をさせとくなんて!」
細野
「ホントにすみません!」
ペコペコしながら入ってくる二人に翼のポケットにいた小野瀬は苦笑した。
櫻井
「いいんですよ。小野瀬さんが戻るまで大変なんですから。あ、こちらの分析終わりましたんで、見てもらえますか?」
細野
「わかりました」
櫻井
「じゃあ、私はコーヒーを淹れてきますね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翼が給湯室から戻ると、細野と太田は難しい顔をして考え込んでいた。
櫻井
「あの、何か間違ってるところでもありましたか?」
太田
「いえ、大丈夫です。むしろ完璧です。ただ…」
細野
「この書類、いつも櫻井に作ってもらってるのと少し違うような気がしまして。まるで御大が作ったような…」
櫻井・小野瀬
「!?」
そう。二人には見えていないが、そこに小野瀬はいる。もちろん翼に指示を出して作らせたのだが、こんなところで気づかれるなんて。
[削除]
07/07(Sun) 18:29
暑い(;´Д`A
清香
ベランダ掃除したら汗だくです。
「「まずい」」
翼と小野瀬だけではなく、小笠原とミニ穂積の動きが一瞬止まった。
いつの間にかポケットの中にいるのが当たり前になっていて、そこから指示を出す側も受ける側も気がつかなくなっていたのだ。
泪
「潮時だな。」
忘れ物をしたと言い、ギクシャクしながら小笠原と捜査室へと戻ると、ドッと疲れが出る。
机に突っ伏す翼の頭を撫でる小野瀬の隣に立ったミニ穂積がいつに無く真剣な顔立ちで言った。
泪
「小野瀬が小さくなってから、もう3日目だ。インフルエンザと言って休んでいるが、あと数日で出勤しなくちゃいけなくなる。」
小野瀬
「もちろん分かっているさ。」
戻らなくちゃいけない。
もちろん、元に戻りたい。
その気持ちは十分にあるつもりだ。
しかし。
元に戻れば、彼女との関係はどうなってしまうんだろう。
穂積は彼女に好意を抱いている。
同じように俺も彼女に好意を抱いている。
でも、彼女はどうなんだろう。
彼女の心が少しずつ俺に傾いてきている気はした。
でもそれは、俺が小さくなって不便をしているからこうやって世話をしてくれているんじゃないか。
ミニ穂積は明智に懐いているから、ただ単に対抗意識を持っているだけなんじゃないか。
もし、元に戻った時に、元々『捜査室の父親」として距離が近かった穂積を彼女が選んだとしたら…?
果たして自分はどんな顔をすればいいんだろう。
『桜田門の光源氏』とまで言われるくらい、数えきれないラブゲームを繰り返してきたのに、いざとなったら何も役に立たないなんて。
いっそ、このまま小さい小野瀬でいれば、彼女の側にいられるんじゃないのかな。
自分勝手な思いばかりが小野瀬の頭を駆け巡る。
翼
「…小野瀬さん?どうしました?」
翼に声をかけられて、やっと小野瀬は彼女がすぐ側まで来ていることに気がついた。
小野瀬
「ううん、何でもないよ。」
本心を隠すようにニコリと笑って首を横に振ると、隣に立つミニ穂積には真剣な眼を向ける。
小野瀬
「お前、自分がどうやって生まれたか覚えているか?」
泪
「いや、気がついたらベッドの上だった。」
小野瀬
「だよなぁ。俺も気がついたら小さくなってた。」
なんの記憶も、誰の目撃証言も無いのなら、そこから辿るのは無理だろう。
小野瀬
「小笠原、何か元に戻る手立てを見つけられないか ?」
カチカチとパソコンを操る小笠原に声をかけると、すぐにナナコを見せてくれた。
小笠原
「今やってる。でも、現実世界で小さくなった人を大きくしただなんて事案はどこにもないよ。ドラえもんの世界だけだ。」
小野瀬
「そうか…」
翼
「水をかけたら大きくなるとか?」
小野瀬
「植物や乾燥ワカメじゃないんだから。それに水をかけて大きくなるなら、昨日お風呂に入った段階で元に戻ってるよ。」
翼
「ですよね…。」
しゅんっとする翼の頭を小野瀬が撫でていると、ミニ穂積がニヤリと笑う。
泪
「じゃあ、興奮したらデカくなるとか?」
小野瀬
「あのなぁ、俺は海綿体じゃないから。膨張しないから。」
泪
「えっ、お前ならそれでもおかしくないけど。」
小野瀬
「どんなだよ。それに海綿体ならしばらくしたらまた縮むだろうが。」
泪
「あっ、そうか。」
ケラケラ笑う二人に小笠原が嫌そうな視線を投げかけた。
小笠原
「あのさぁ、下らないこと言ってないで真剣に考えてる?」
泪
「あとは打出の小槌か。」
小野瀬
「振ると大きくなるやつ?」
泪
「タコ殴りにしたらデカくなるんじゃねぇか?」
小野瀬
「デカくなる前に死ぬだろ、それ。」
小笠原
「……。」
決定的な案が出ないまま、時間だけが過ぎていったのだった。
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07/07(Sun) 20:44
ともさん、清香さん、ありがとうございます♪
小春
~終業時刻、捜査室~
細野・太田
「あの」
ノックの音の直後に扉が開いて、小野瀬と穂積のバカな会話に気をとられていた翼と小笠原は驚いて飛び上がった。
翼
「は、ははいっ?!」
細野・太田
「小笠原さん、櫻井さん、今日もお手伝いありがとうございました。お疲れ様でした」
細野と太田が、揃って丁寧に頭を下げてくれる。
その隙に、小野瀬とミニ穂積は素早く机の陰に隠れた。
細野
「御大がいなくてどうなるかと思ってましたが、お二人のお陰で、業務に支障が出ずに済んでいます」
翼
「いえ、とんでもない。鑑識作業をされているのは細野さんたちですもん」
翼が謙遜すると、太田がぶんぶんと手を振った。
太田
「でも、自分たちは作業に手一杯で、他の事に手がまわりませんから。小笠原さんが結果を報告書にしてくれたり、櫻井さんが準備や片付けをしてくれて、すごく助かるんです」
ニコニコしながら、太田はいつものように一人で汗をかいている。
細野は逆に、上着を一枚羽織った。
細野
「警報も注意報になりましたし、そろそろ捜査室の皆さんも帰ってくるでしょう?電車も動き出したし、僕たちも帰ります」
小笠原の携帯に電話がかかってきたのを機に、細野たちはもう一度丁寧にお辞儀をして、去っていった。
翼
「……あんないい人たちに隠し事だなんて、やっぱり、よくないですよね」
小野瀬
「そうだね。……一日も早く、解決しないと」
小野瀬は真顔に戻って、頷いた。
そう、何もかも、元に戻ってからだ。
細野たちの背中を見送っている翼を見ながら、小野瀬はそう思った。
穂積は、「俺の留守に手を出すなよ」と言った。
それは、穂積もまた、アンフェアな真似はしないという宣言ではないだろうか。
ミニ穂積は、「対等の立場であって欲しい」と言って、協力を申し出てくれた。
それもやはり、正々堂々と勝負したいという思いの表れに違いない。
俺が元に戻るまで、穂積は待っていてくれる。
そう信じよう。
そして、元に戻ったら。
その時は改めて、櫻井さんにも、穂積にも、きちんと向き合おう。
……俺自身の気持ちにも。
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07/08(Mon) 05:51
おはようございます。
小春
昨日はくちびるさん、ともさん、清香さん、ありがとうございました。
物語も佳境に入って参りましたね。
本日はこんな感じでスタートです。
よろしくお願いしますm(__)m
~捜査室~
小野瀬が、長い間の自問自答にひとまず終止符を打つ。
傍らでその表情の変化を見つめていたミニ穂積が、小野瀬をつついてにこりと笑った。
泪
「正直になれよ、小野瀬。俺に打ち明けてくれた、あの時みたいに」
小野瀬
「穂積……」
泪
「大丈夫、きっとうまくいく」
その時。
電話の為に少し離れた場所にいた小笠原が、青い顔をして、走って戻ってきた。
小笠原
「明智さんが病院に運ばれた。小野瀬さん、車、貸して」
翼
「えっ?!」
小野瀬
「どういう事?!」
泪
「明智!」
小野瀬が小笠原に聞き返すよりも早く、ミニ穂積は廊下に飛び出し、走り出していた。
小笠原が慌ててその後を追いかけ、ミニ穂積を捕まえて、走りながらポケットに押し込む。
小笠原
「今は俺の方が速いよ」
泪
「明智に何があったんだ?!」
小野瀬の方は、翼がポケットに入れてくれた。
翼も懸命に走って、小笠原に追い付く。
並走しながら、小笠原が説明した。
小笠原
「今の電話は、救急隊員からだった。明智さんは、上流から流れてきたお年寄りを助ける為に、咄嗟に川に飛び込んだらしい」
小笠原は息を整えながら、一気に喋った。
小笠原
「命綱もつけていて、お年寄りの救出はうまくいった。でも運悪く、岸に上がろうとした明智さんに流木が衝突して、それで溺れて」
泪
「……!」
小野瀬
「それで、容態は?」
駐車場の小野瀬の車に到着し、小笠原が運転席に乗り込んだ。
助手席に翼が滑り込む。
小笠原
「救急隊員が着くまで、室長が胸骨圧迫と人工呼吸を続けていたおかげで、命はある。でもまだ昏睡状態で、予断を許さない状況らしい」
穂積が心肺蘇生を行ったという事は、たとえ一瞬でも、心肺が停止していたという事になる。
翼
「明智さん……」
翼はもう涙目だ。
そしてそれ以上に、ミニ穂積の顔色は蒼白になっていた。
小笠原
「とにかく病院に急ごう」
車は一路、警察病院へと加速した。
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07/08(Mon) 07:15
おはようございます
ジュン
おはようございます。
ポケット小野瀬もいよいよ佳境ですね。
あ~、明智さんが~o(><;)(;><)o
今日はグフフを封印して見守ります。
~車内~
小笠原がハンドルを握りながら翼に声をかける。
「櫻井さん、藤守さんたちにも連絡入れて。」
その声になんとか反応した翼が藤守に電話をかける。
「お~、櫻井?おつかれさん。」
「ふ、藤守さん、明智さんが、明智さんが…」
「ちょっ、落ち着けって。明智さんがどないしたん?」
泣き出してしまうのを必死で堪える翼は言葉が続かない。その頬を小さな手で優しく撫でながら小野瀬が携帯に向かって叫ぶ。
「藤守くん?小野瀬だよ。明智くんが…………」
「…………わかりました。すぐに向かいます。」
通話を終え、藤守は如月を振り返る。話を聞く藤守の顔がどんどん蒼くなるのを見て、如月も心配顔だ。
「明智さんが川で溺れたらしい。」
「明智さんが溺れた?それで、明智さんは?」
「とにかく、病院に行くで。詳しい話は後や!」
「はい!」
藤守と如月はタクシーを捕まえて病院に向かった。
初めて書いてみましたが…ど、ど、ど、どうでせうか!?
07/08(Mon) 07:24
ジュンさん!
小春
おはようございます!そしてありがとうございます!(興奮気味)
内容も素晴らしいじゃないですか!
私がまだ誰もいない職場で、ガラケーを手にクルクルダンスを踊り出したのが見えますでしょうか。
うーわー嬉しい。
どうしよう。
代わりにグフフと笑ってしまおうかしら。
引き続きご参加よろしくお願いしますね!(´ 3`)ちゅー
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07/08(Mon) 08:29
ついに新しい勇者がヽ(*´▽)ノ♪
とも
みなさん、おはようございます(^-^)v
今日も暑いですが頑張りましょ!
~警察病院~
廊下に慌ただしい音が響き渡る中、集中治療室の前には室長と、先ほど連絡した藤守と如月の姿があった。
泪
「明智の容態は?!」
小笠原の胸ポケットから少しだけ顔を出したミニ穂積が真っ先に問うた。
穂積
「落ち着け。さっき運ばれたところでまだなんとも言えない」
如月
「明智さん、大丈夫ですよね…」
藤守
「お前が弱気でどうすんねん。明智さんなら絶対助かる!いや、助かってもらわな困る」
その場にいた全員が祈るような気持ちで目の前の開かない扉を見つめていた。
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07/08(Mon) 08:32
寝落ち…(((・・;)
くちびる
まさかの明智さんピンチ~(;>_<;)
小野瀬
「櫻井さん大丈夫だよ。俺がついてる。
明智くんは普段から鍛えてるんだ。きっと助かる。」
翼
「そうですよね。小野瀬さん……」
翼は何かを決意したかの様にこれまで見たことの無い表情をした。
先程の様な動揺が全く伺えず、小野瀬はある種の違和感を感じていた。
さあどうなるんでしょうか!?(゜ロ゜)(゜ロ゜)
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07/08(Mon) 08:58
ともさん、くちびるさん、ありがとうございます。
小春
朝から新たな勇者登場で、分かりやすくテンションの上がる我々作家陣(爆笑)
どうなる明智?!
そして、何を決意したんだ翼?!
続く!(←オイ)
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07/08(Mon) 09:41
皆さん、おはよーございます!
エミ
(・∀・)ノただいま!←戻ってきた
熱中症に気をつけましょうね!
胸の前で祈るように両手を固く握りしめたままの翼だが、ポケットの中の小野瀬まで苦しくなるくらい早鐘を打つように伝わっていた鼓動が落ち着きを取り戻している。
隣に座る穂積が翼の背中に手を添えているのを、ミニ穂積は小笠原の胸ポケットから見ていた。
さてさて、どうなる?
壁|д・)ノ じゃっ!
07/08(Mon) 09:50
エミさん!
小春
こんにちは、あっ!(空振り)
また逃げられた……チッ
おっと穂積フラグ(笑)
さあ、どうなる?
続く!(←オイ)
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07/08(Mon) 10:49
揺らしてみる。
小春
穂積が不意にハンカチで口を押さえ、ひとつ、くしゃみをした。
改めてよく見れば、穂積は全身ずぶ濡れだ。
元々色白な肌が蒼白になっていて、唇は紫に見えるほど。
救急隊が到着するまで、穂積が心肺蘇生措置をしていた、と電話で隊員が言っていなかったか。
「人工呼吸」と言うと、ドラマや漫画などではロマンチックに描かれる事も多いが、実際にはそんな甘いものではない。
気道を確保し、自発呼吸が回復するまで、反応の薄い相手に延々息を吹き込み続けなければならない。
胸骨圧迫と人工呼吸のセットなら、本来、心得のある成人男性が数人がかりで行う重労働だ。
穂積の方が倒れてもおかしくない。
それでも明智の病室から離れようとしない穂積に、全員の表情を見渡してから、ミニ穂積が声を張った。
泪
「おい、お前!せめてシャワーを浴びて、病院の職員から借りて濡れた服を着替えて来い。部下を心配させるな!」
ハッとした様子で、穂積が顔を上げた。
それから、隣の翼の顔を見る。
翼は頷いた。
翼
「穂積くんの言う通りです。室長のお陰で、私も落ち着いてきました。着替えて、出来たら少し休んでください」
穂積の表情が、ほんの微かに生気を取り戻す。
穂積
「……まさか、自分自身に説教されるとはね」
穂積はそう言うと、翼の背中をぽんぽん、と叩いてから立ち上がった。
穂積
「すぐに戻るわ。明智に変化があったら呼び戻してちょうだい」
全員
「はい!」
早足で去っていく穂積を見送って間もなく、扉が開いた。
へっへっ。
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07/08(Mon) 12:10
あっ!
清香
『ポケット小野瀬』なはずが、穂積寄りな空気になってる(笑)
凄まじい室長人気L(゚□゚)」オーマイガ!
~病室~
ドアが開き、明智の病室へと入って来たのは人当たりの柔らかそうな若い医師だった。
ニコニコとしたその笑顔は明智の病状とはうらはらに明るいもので、違和感すら覚える。
医師
「目はまだ覚めませんか。」
何人もの男達の視線を受けながら、医師は翼にだけ話しかけるようにそっと顔を覗き込んだ。
いきなり近づく距離に、翼も驚きを隠せない。
翼
「ま、まだのようです…!」
端正な顔を近づけられ戸惑う翼と、突然の医師の行動に動揺を隠せないでいる捜査室メンバーたち。
いつもならば「ウチの娘に近づくな」と言う穂積もいなければ、そっと背中に隠してくれる明智も倒れたままだ。
小野瀬に至っては、守ってあげなくてはいけない状況にも関わらず、表に出られない自分の歯痒さにくちびるを噛み締めていた。
医師
「…ふふっ、可愛らしい人ですね。」
翼の頬を一つ撫でると、医師は怒りの視線を向ける人々の横を素通りし、未だ眠る明智の枕元へと立った。
医師
「明智さん、起きて下さーい。」
鼻をつまんだり、目を無理矢理こじ開けようとしたり、およそ医師とは思えないような乱暴な『処置』のようなモノを施すが、明智は目を覚まさない。
医師
「まぁ、今回は僕が暗示をかけたわけじゃないからねぇ。」
なんだかよく分からないことをため息まじりに呟くと、医師は何処かへと電話をかけた。
しばらくして病室の扉が開く。
デーンデーンデーン デーデーデーン デーデーデーン
デーンデーンデーン デーデーデーン デーデーデーン
某宇宙戦争の暗黒面に堕ちた男のテーマと共に登場したのは、かの有名な看護師長だった。
藤守
「ヒッ!?」
如月
「ぎゃあ!!」
以前入院した時の仕置きを思い出したのか、叫び声を上げかける二人をジロリと一睨みし、看護師長は明智の元へと静かに近寄った。
藤守
「ア、アカン、明智さんにトドメをさすつもりや…!」
如月
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
病室を包み込むような凄まじいオーラに誰も身動きが取れず、医師と看護師長が明智の枕元に立った瞬間。
明智
「う、うわぁぁぁぁあああッ!」
明智がベッドから飛び上がらんばかりの勢いで起き上がった。
看護師長
「目が覚めたか。命拾いしたな。」
医師
「おや、残念。プリンセスのキスで王子を目覚めさせようと思ったのに。」
恐ろしい事を呟くと、二人は病室を静かに出て行ったのだった。
→
[削除]
07/08(Mon) 12:17
清香さん……
小春
ツッコミ所多過ぎるorz
[削除]
07/08(Mon) 12:41
さすがです!
ジュン
清香さん!さすがです!!
看守長…もとい看護師長!
ワタクシ今日は封印していたグフフが出てしまいました。
でも、明智さんが無事で良かったですねぇ((o(^∇^)o))
続きが楽しみですo(^o^)o
小春さんとともさんのおっしゃる勇者って私じゃありませんよね?
(((^_^;)
07/08(Mon) 13:14
ジュンさん、こんにちは♪
小春
もちろんアナタの事ですとも。
[削除]
07/08(Mon) 13:54
よっしゃ。
小春
ハイ(挙手)
この続きは私が書きますので、皆様しばらくお待ちを。
[削除]
07/08(Mon) 13:58
まままさか~(つд;*)
くちびる
若い医師は(((・・;)もしや山田さんでは(゜ロ゜)
こんな所で登場とは!
医師が去った後
何やら翼の様子がおかしい…。
明智が意識を取り戻し藤守や如月達が歓喜に沸く中一人だけ今度は彼女が意識を無くしたかの様にへたりこむ…。
小野瀬
「櫻井さん!どうしたの!?」
呼び掛けてみるものの全く反応が無いのだ。
まずい。まるで暗示に掛けられているかの様
な状態に小野瀬は激しい胸騒ぎを覚えるのだった…。
[削除]
07/08(Mon) 14:03
すみません~(;>_<;)
くちびる
思い付いてカキコしちゃいました~(;>_<;)
小春さんの先になってしまいました~(つд;*)
[削除]
07/08(Mon) 16:26
これだよね?
小春
小野瀬
「櫻井さん!櫻井さん、しっかりして!」
翼の肩に乗り、耳元で声を張り上げるが反応が無い。
やがて、小野瀬の小さな叫び声に気付いた皆が、翼を振り返った。
小野瀬
「櫻井さんの様子が……」
そこへ、服を着替えた穂積が、小笠原に手を引かれて現れた。
穂積
「櫻井がどうしたって?」
明智の事も気にしながら、穂積が翼に駆け寄る。
穂積
「櫻井、櫻井?」
床に膝をつき、肩を抱くようにして、穂積はもう一方の手で、ぴたぴたと翼の頬を叩いた。
すると、虚ろだった翼の目が焦点を結び、穂積を見つめた。
翼
「……室長……?」
穂積
「どうした?気分は?」
翼
「……すみません、大丈夫です」
穂積の手を借りて立ち上がった翼は、よろけるようにして壁に手をついた。
明智
「無理をするな、櫻井」
小野瀬
「櫻井さん!」
心配した明智と小野瀬が、順番に声を掛ける。
翼
「もう、大丈夫です。すみません。……安心したら、力が抜けちゃったみたいで」
そう言って穂積の手を離れた翼は、明智のベッドに静かに歩み寄ると、一度、真っ直ぐに明智を見つめた。
翼
「明智さん……」
それから、思い切ったように、明智の胸に飛び込んだ。
翼
「……明智さん!」
全員
「?!」
予想外の翼の行動に一同仰天だが、最も驚いたのは、当の明智だった。
翼
「明智さん……無事で良かった!」
自分の胸に縋りついて号泣する翼を振り払うわけにもいかず、明智は、おずおずと、小さな肩を抱き寄せる。
翼
「私、私、明智さんに何かあったらどうしようかと……」
明智
「……櫻井……」
抱き合う二人の周りから、一人、また一人と廊下に出て行く。
最後まで残ったのは穂積と、その足元に小野瀬。
そして、最初から明智のベッドの上にいた、小さな穂積。
ミニ穂積はしばらく小野瀬と見つめあった後、明智が自分の存在に気付くのを待って、声をかけた。
泪
「……良かったな、明智、櫻井……」
言葉を探していたらしいミニ穂積が、ようやく、二人に声をかけた。
明智
「穂積くん」
翼
「ありがとう、穂積くん」
翼が、ミニ穂積の髪を撫でた。
翼
「私、明智さんが穂積くんに優しいから、わざと小野瀬さんばかり可愛がったのに……」
泪
「……気にすんなよ」
ミニ穂積は明智の布団の上に乗って、翼を見上げた。
泪
「それより、お前……明智を好きだったんだな」
翼がぽっと頬を染め、けれどはっきりと頷くのを見て、ミニ穂積は微笑んだ。
泪
「そっか。……じゃあ、三人とも失恋だな」
明智
「三人……?」
明智の目が、立ち尽くす穂積と小野瀬をとらえ、それから、目の前のミニ穂積に戻った。
明智
「穂積くん……」
ミニ穂積はいつものように、ニッコリと笑った。
泪
「大好きだったぞ、明智」
不意に、明智の胸に抱きついたミニ穂積の笑顔が透けはじめたかと思うと、その小さな身体は着ていた服だけを残して、すうっと消えた。
明智
「!」
穂積と小野瀬、翼も息を飲む。
明智
「穂積くん!」
明智が、残された服を掴んでミニ穂積を探す。
明智
「穂積くん!」
けれど、もう、小さい穂積の姿はどこにもない。
明智
「……穂積くん……」
自分が手縫いした、小さな小さな三つ揃い。
それを抱き締めて、明智は、人目も憚らずに泣き続けた。
07/08(Mon) 17:12
前回のリレーの罪滅ぼし
小春
くちびるさん、小野瀬さんに土下座するルートでしたよね。
え?…もしかして違う?
あれ?
清香さんが号泣している。
…私、やっちゃいましたか?
[削除]
07/08(Mon) 21:54
おぉ?!
とも
私も予想してなかったまさかの展開!!(゜ロ゜ノ)ノ
あれ、このリレーのタイトルは『ポケット小野瀬』やったよね?
このあとどうなる?
[削除]
07/08(Mon) 23:05
ポケット小野瀬なんだから。
小春
~警察病院・休憩室~
全員
「…………はあ…………」
誰も口をきかない。
ミニ穂積が消えた。
翼は明智が好きだった。
衝撃の事実2連発で、これから自分たちはいったいどうすればいいのか。
全員
「…………はあ…………」
穂積
「ああ、鬱陶しい!」
ついに穂積が立ち上がった。
穂積
「いつまでもクヨクヨしてんじゃないわよ!」
藤守
「そんな事言うたかて……」
穂積が、口答えする藤守にデコピンをかます。
藤守
「痛゙!」
穂積
「まだ、小野瀬の問題が解決してないでしょうが!」
ビシッと穂積が指差した先では、しかし、当の小野瀬がぼんやりしている。
小野瀬
「……」
穂積
「……」
穂積のこめかみに青筋が浮かび上がる。
と同時に、小野瀬の額にもデコピンが炸裂した。
小野瀬
「痛゙ーー!」
穂積
「他人事みたいな顔してんじゃねえ!」
如月
「(小声)……荒れてますね」
小笠原
「(小声)……フラれたばかりだからね」
如月
「(小声)オカマキャラ忘れてるし」
ひそひそ話し合っていた如月と小笠原もまた、穂積のデコピンの餌食になった。
如月・小笠原
「痛゙ーーー!!」
穂積
「フラれてねえ!!」
床でのたうち回る4人に向かって、仁王立ちの穂積が怒鳴った。
穂積
「いいか、馬鹿ワンコども。『フラれる』ってのはな、『好きだと伝えて断られる事』だ!」
如月
「……そりゃ、そうですけど」
穂積
「俺も、小野瀬も、告白さえしていない。互いに、フェアな条件で告白出来るタイミングを待っていたんだ」
小笠原
「そのせいでタイミングを逃しただけなんじゃないの?」
藤守
「しっ」
穂積
「何もしないでフラれてたまるか!」
じろりと睨まれて、小笠原と藤守が肩をすくめた。
穂積
「俺はな、明智と櫻井の自由恋愛なら、邪魔するつもりは全く無い。むしろ喜んで応援してやる」
穂積は意外な事を言い始めた。
穂積
「自由恋愛ならば、だ」
その言葉に、小野瀬が反応した。
小野瀬
「……つまり、穂積は、櫻井さんの告白の直前に、怪しい医師が彼女に話し掛けてきた事を疑ってるんだね」
穂積
「その通り」
穂積が頷くのを見て、藤守たちも徐々に話に乗り始めた。
藤守
「……確かに、あれから突然、櫻井が明智さんを好きや言い出したんやけど」
如月
「そう言えばあの医者、暗示がどうとか言ってましたね」
小笠原
「生死の境をさ迷っていた明智さんが、医師と看守長の登場だけで目を覚ましたのも不自然だし」
小野瀬
「……」
小野瀬がずっと考えていたのは、実はミニ穂積の事だった。
ミニ穂積が消えた理由、だ。
ミニ穂積は、小野瀬と翼の恋を取り持つと言ってくれていた。
だから勘違いしたのではないか。
ミニ穂積の使命が、実は、小野瀬ではなく、明智と翼の仲を取り持つ事だったのだと。
だから、明智と翼の恋が成就したあのタイミングで消えたのだと。
そう思い込んでいた。
もしかしたらミニ穂積自身も、勘違いしたまま消えていったのかもしれない。
だが、そうではないとしたら?
あの時、明智を目覚めさせる事こそが、ミニ穂積の使命だったのだとしたら?
ミニ穂積が消えたのは、いや、そもそもミニ穂積が生まれてきたのは、明智の命と自分の命とを引き換えにするためだったのだとしたら?
小野瀬
「……確かめてみなくてはならないようだね」
自分が小さくなった理由を知るためにも。
その事の意味を考えるためにも。
翼の本心を。
07/09(Tue) 05:18
おはようございます。
小春
昨日はジュンさん、ともさん、くちびるさん、エミさん、清香さん、ありがとうございました。
明智入院に始まり、謎の医師&看護師長登場、ミニ穂積消滅で激震の走った昨日。
本日はどうなるのか、もはや誰にも分からない。
起承転結、まだまだ転がるリレー7日目!
小野瀬と穂積の恋の行方は?
小さくなった小野瀬は元に戻れるのか?
エアコン、パソコン、別のエアコン、冷蔵庫、テレビ、と、連日壊れてしまう、我が家の家電製品の呪いはいつ解けるのか?
本日は午前中に新しい冷蔵庫が届く!
波瀾万丈の「ポケット小野瀬」。作家様読者様、今日もよろしくお願いします!
07/09(Tue) 08:31
おはようございます♪
とも
今朝は朝メロンしてきました(頂き物やけど)
小野瀬
「善は急げ、だ。穂積、さっき来た医師の所へ行こう」
穂積
「わかった。藤守たちは看護師長の方をあたってくれ」
藤守
「やっぱその流れになるわな…」
如月
「拒否権は…」
小笠原
「あるわけないでしょ。俺は何もおこがましいことしてないから行くけど」
藤守
「何かおもしろがってへんか?」
穂積
「グダグダ言ってねーでさっさと行ってこい!」
穂積は未だにブツブツ言いながら渋る藤守と如月の背中を蹴り飛ばし、小野瀬に向き直った。
穂積
「行くぞ」
小野瀬
「あぁ。櫻井さんが何かされてるなら俺たちで守らないとね」
07/09(Tue) 08:48
まさかの展開~(`ロ´;)
くちびる
皆さんおはようございます♪
そうですよ♪翼ちゃんは何者かに操られているんですよ~( ̄▽ ̄;)
穂積
「そうと解れば、あの胡散臭い医者を探すぞ!!」
穂積のひと言で皆が動き出した。
暑い~(;>_<;)今日も水分補給しながら頑張りますね~(^〇^)
[削除]
07/09(Tue) 09:04
ともさん、おはようございます♪
小春
朝メロンですって、素敵♪小野瀬か!ヾ(^^)
SS書いてくださってありがとうございます!
私は今、壊れた冷蔵庫の掃除をしています。
新しい冷蔵庫と交換したら頑張って私も続き書きますから、皆様よろしくです!