『ポケット小野瀬』
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07/03(Wed) 14:39
元ネタはこちら*ポケット穂積*
小春
お陰様で開設から1年。
サイト初の毎日更新連載という試みに挑戦してみたSSです。
仕事そっちのけで大変でしたけど、小さな穂積の頑張りを書くのは楽しかったです。
読者の皆様にも連日のご愛読と応援を頂いて、とても思い出に残る物語になりました。
創作室ならではの思わせ振りなハッピーエンドにしましたので、物語の続きは、皆様が想像してくださると嬉しいです。
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07/03(Wed) 15:04
☆リレーSS*ポケット小野瀬*はじめに☆
小春
さてさて。
相変わらずのノリで始まる、行き当たりばったり掲示板リレーSS。
今回は「ポケット小野瀬」です。
ルールは以下の通りです。奮ってご参加下さいませ。
☆「ポケット穂積」とは設定が違っております。ご注意ください。
※スタート時点、ヒロインをはじめ、キャラは全員フリーです。
☆書き込みの前に、作成した文章を保護した上で、最新の情報に更新される事をおすすめします。
☆削除や修正のご希望には応えられない事があります。
☆他の参加者さんと被らない色をご使用ください。
☆初参加&短文&意外な展開大歓迎です。大丈夫、次の人が必ず何とかしてくれます。
☆合言葉は『他力本願』です。
作家の皆様、そして、読者の皆様、今回もよろしくお願いします。m(__)m
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07/03(Wed) 15:07
~リレーSS~*ポケット小野瀬*
小春
徹夜続きの、ある朝。
PCに全ての打ち込みを終え、Enterキーを押した俺は、椅子の背にもたれるようにして大きく伸びをし、立ち上がった。
後はPCが、綿密な分析と考察を含んだ鑑識結果をまとめてくれるのを待つだけだ。
俺は同じ室内で寝付いたばかりの細野や太田を起こさないようにしながら、そっとラボを出た。
いつもなら休憩スペースで缶コーヒーを飲んでラボに戻るか、あるいはそのまま仮眠室に直行して短い睡眠を得るかするのだが、今朝は、何となく人恋しくて、足を捜査室に向けていた。
この時間なら、捜査室には、出勤時間の早い室長の穂積がいるはずだ。
あいつも早朝会議まではまだ時間があるだろうし、ちょっと話し相手になってもらおう。
そんな事を考えながら、俺は、ノックもせずに扉を開けた。
小野瀬
「穂積、おはよ、う……」
俺の声は、挨拶の途中で切れた。
室内に穂積はいなかった。
いや、いた。
だが、それは、厳密には穂積ではなかった。
窓からの朝日を浴びてきらきら光る金髪はどう見ても穂積。
だが。
俺に気付いて机から飛び降り、あっという間にソファーセットのローテーブルの下に潜り込んだその姿は。
……あまりにも小さい。
自分の目が見たものを信じられず、それを確かめようとして俺は床に這いつくばった。
ローテーブルの下には、さっきちらりと見えた青いハンカチが落ちている。
腕を伸ばしてそれを掴むと、意外にも手応えがあった。
ハンカチの中に何かいる。
俺は構わず、触れたものを握り締めて、そのまま引っ張り出した。
普段、きれい好きの明智くんや櫻井さんがしっかり掃除してくれているので、ハンカチも腕もきれいなまま出てくる。
俺はソファーに腰を下ろすと、ローテーブルの上で、そろそろとハンカチを広げてみた。
小野瀬
「!」
そこに現れたのは。
小野瀬
「……穂積……」
不意に、背後から肩を掴まれた。
小野瀬
「うわっ!」
穂積
「見たな」
思わず叫んだ俺に向かって、出現した悪魔は、世にも恐ろしい笑みを浮かべた。
穂積
「見~た~な~」
小野瀬
「ご、ごめん!悪かった!」
鬼気迫る穂積に圧されて、つい謝ってしまった。
すると、穂積は俺をじっと見つめてから笑顔を消して、代わりに、はあ、と溜め息をついた。
穂積
「今朝起きたらベッドの中にいたんだ。意味がわからん」
そう言うと、俺の肩からあっさりと手を引いて、向かい合うソファーにどさりと腰を下ろした。
俺と穂積の間にある低いテーブルの上に乗っているのは、身長が20cmにも満たない小さな『穂積』。
小さいくせにちゃーんと八頭身あって、しかも、俺を見上げて睨みつける顔付きは、本人同様に生意気だ。
服を着ていないのか、青いハンカチを肩から被っている。
好奇心を抑えきれずに手を伸ばしてみると、俺の指先で、小さい穂積がガチン、と歯を鳴らした。
慌てて手を引っ込めると、穂積が笑った。
小野瀬
「お前が生んだの?」
穂積
「身に覚えが無えけどなあ」
小野瀬
「避妊具の中から生まれたとか」
穂積
「最近誰ともしてねえなあ」
穂積も俺も、現在、特定の彼女はいない。
しかも、鑑識の俺が連日徹夜するぐらいだから、刑事で、しかも管理職の穂積は超多忙なはずだ。
最近誰ともしていない、というのも本当だろう。
もっとも、していたところで、いきなり現在の穂積と同じ姿の穂積が生まれるはずはないのだが。
しかも、この小ささで。
小野瀬
「それで、どうするの、これ」
俺が指差すと、小さい穂積が、さらにムッとした顔をした。
泪
「『これ』って言うな!」
小野瀬
「うわ喋った」
穂積
「俺の家、食い物がひとかけらも無いからな。ひとまず連れて出てきた」
まあ、穂積のあの部屋に放置したら餓死するよな。
穂積
「明智が来たら相談してみるつもりなんだが」
腕時計で時間を確かめて、穂積が立ち上がった。
穂積
「ちょうどいい、お前それまで預かってくれ。俺、これから会議なんだ」
小野瀬
「噛みつかないなら、いいよ。……て言うか、お前、何でそんなに冷静なの?」
目が覚めて、隣に1/10スケールの自分がいたらビックリするだろ普通。
穂積
「あるものはある、いるものはいる」
穂積は達観したような事を言って、会議に出掛けてしまった。
07/03(Wed) 15:09
ポケット小野瀬*初期設定*続き
小春
預かったのはいいが、ラボに連れて帰ったら、細野や太田が腰を抜かすだろう。
仕方無く、小さい穂積が捜査室の中をちょこちょこ冒険するのを眺めていると、やがて扉が開いて、櫻井さんと明智くんが談笑しながら入って来た。
天の助けだ。
小野瀬
「二人とも、おはよう」
翼
「あっ、小野瀬さん。おはようございます!」
明智
「おはようございます。室長は、もう、会議に……」
そこまで言って、明智くんが固まった。
明智
「……?」
明智くんが、すぐ傍らのミーティングテーブルの上にいた小さい穂積と目が合って、ごしごしと目を擦る。
明智
「……」
泪
「……」
小野瀬
「……」
明智
「わああっ?!」
明智くんは数歩飛び退いて、後ろの壁に思い切り頭をぶつけた。
明智
「痛……!」
一言呻いてしゃがみこみ、頭を抱えてしまう。
うん、明智くん。
きみの反応は正しい。
翼
「明智さん!大丈夫ですか?どうしたんですか?!」
どうやら、櫻井さんはまだ気付かなかったらしい。
明智くんが口をぱくぱくしながら小さい穂積を指差すと、櫻井さんはゆっくりと振り返り、それからじっと佇んでいたが、やがて叫んだ。
翼
「……可愛いっ!!」
明智・小野瀬
「順応早っ!」
俺の知る限りの説明を終えると、まだ後頭部を擦りながら、明智くんが頷いた。
明智
「なるほど……そういう事でしたか」
泪
「驚かせて悪かったな、明智」
小さい穂積は明智くんの肩に乗って、頭を撫でてやっている。
お前、俺にはさっき噛みつこうとしたくせに。
明智
「ですが、分かりました。外回りで材料を買って、着る物は今日中に何とかしましょう。食事も任せて下さい」
どうやら、明智くんも順応してきた様子。
小さい穂積が明智くんに懐いているのを見て、櫻井さんは何だか羨ましそう。
二人とも、現実を受け入れるのが早いな。
この適応力の高さは、穂積の日頃の教育の賜物だろうか。
その後、次々に出勤してきた藤守くん、如月くん、小笠原くんがそれぞれ美味しいリアクションを披露してくれた頃、穂積も会議から戻ってきた。
穂積は改めて明智くんに小さい穂積の世話を頼み、明智くんも快諾した。
俺としては、櫻井さんが何となくつまらなそうにしていた様子が、やっぱり気になったのだけど。
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07/03(Wed) 16:08
ポケット小野瀬初期設定・続き
小春
その疑問は、翌日、思わぬ所から解決した。
藤守くんが、小さい穂積が寂しいだろうと言って、なんと一晩かけて、俺の1/10フィギュアを作って来たのだ。
恐ろしいほどよく出来てる。
昨日、穂積の三つ揃いをミニサイズで作ってボルテージの上がっていた明智くんが、その勢いに任せて材料を買い揃え、半日もかからずに俺のフィギュアにも服を作ってくれた。
白衣まで着せられた俺のフィギュアは、小さい穂積にプロレス技をかけられながらも、満更でもない顔をしている。
何だか変な気分になりそうだったが、それよりも俺を驚かせたのは、その日の午後の事だった。
俺はラボでの仕事に戻り、藤守くんの作ってくれたフィギュアを傍らに置いて、データを打ち込んでいた。
細野
「よく出来てますよねえ」
昨日までの大きな仕事が片付いたせいか、細野も今日は余裕があるようだ。
細野が熱いコーヒーを淹れてくれたので、汚してはいけないと思って、俺はフィギュアを引き出しにしまった。
太田
「御大はスタイルいいですからねえ。自分なら、ボディから特注品ですよ」
太田もニコニコしている。
細野
「御大、今日こそはご自宅に帰って下さいよ。今やっている作業が終われば、僕たちも一旦帰りますから」
小野瀬
「分かった、そうするよ」
そうする、と言いながら時間は流れていき、いつの間にか、ラボには俺一人が残ってしまった。
本当に帰らないと、彼らに心配かけるからな。
帰り支度を整え、後はデータの集計が終わるのを待つだけ。
眼鏡を外し、肘をついて目頭を揉みながら、俺は軽く目を閉じた。
翼
(小野瀬さん……小野瀬さん)
遠くで櫻井さんの声がする。
俺を探しているような、心配そうな優しい声。
なあに?俺はここだよ。
寝ぼけたまま返事をする俺の声は、なんだか子供の頃に戻ったよう。
小野瀬
「ここだよ、櫻井さん……」
すると、真っ暗だった世界が、突然、目の眩むような明るさで俺を呼び覚ました。
翼
「小野瀬さん……?」
夢じゃない。
櫻井さんが俺を呼んでいる。
明るくなったのは、彼女がラボの室内の電気をつけたから。
小野瀬
「あ……ごめんね、寝入っちゃったんだな……」
翼
「小野瀬さん」
……彼女、さっきから「小野瀬さん」しか言ってない。
不審に思って目を開いた俺は、けれどもう一度目を閉じ、それからごしごしと目を擦った。
改めてもう一度、目を開いてみる。
目の前に、櫻井さんの可愛らしい顔があった。
しかも、目の虹彩まで見える超至近距離だ。
小野瀬
「わっ」
思わず声を上げてしまったけど、櫻井さんの顔は真剣。
翼
「小野瀬さん……」
俺の様子を探るように、櫻井さんが囁いた。
翼
「あの……大丈夫ですか」
小野瀬
「……はい?」
翼
「……午前中と、ずいぶん……感じが変わったと言いますか……」
小野瀬
「え?」
そう言われて、俺は改めて自分の姿を見た。
姿は変わっていない。でも……
小野瀬
「ええ?」
机の縁が、遥かな頭上にある。
身を屈め、椅子を掴んでいる櫻井さんの手は俺の全身より大きくて、逆光に聳える姿はまるで巨人のよう。
小野瀬
「ええええーーっ?!」
彼女が大きくなったんじゃない。
俺が小さくなったんだ!
小野瀬
「……あの、櫻井さん……」
翼
「大丈夫です、小野瀬さん」
小野瀬
「え?」
翼
「とりあえず、室長には相談します。でも、私、頑張ってお世話しますから!」
決意に燃えるその瞳。
ああそうか。
俺は、昨日からの疑問が氷解してゆくのを感じた。
彼女は、小さい穂積と明智くんの関係が羨ましかったのか。
て言うか俺でもいいのか。
もしかしてお人形遊びがしたいだけなのか。
彼女の本心が分からないまま。
そして、小さくなった原因も解決法も分からないまま。
俺は抱き上げられて、捜査室に向かうのだった。
……こんな感じでどうでしょうか?
続きお願いします(´∇`)ノシ
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07/03(Wed) 16:57
はじまり、はじまり~。
清香
翼
「室長、あの…。」
捜査室に戻った翼が真っ先に穂積の室長机へ向かった。
穂積
「なぁに?ちゃんと小野瀬に分析依頼してこれた?それとも何かいかがわしいことでもされた?」
机上のパソコンに目を向けたまま話す穂積に一歩近づき、ジャケットの内側からそっとあるモノを出した。
翼
「あのですね…、実は。」
翼の手の動きに合わせるように、穂積もパソコンから目を翼へ向けた。
そしてその視線の先にいたのは。
小野瀬
「やぁ、穂積。悪いけど、今日は分析してやれないな。」
穂積
「……はぁ?」
穂積が間の抜けた返事をするのも致し方ないだろう。さっきまで書類が積まれていた机には、小さな、それは小さな小野瀬の姿があったのだから。
穂積
「何でお前まで小さくなってるんだよ!?」
小野瀬
「さぁ?それは俺が聞きたいよ。」
穂積の大きな驚き声に捜査室の奥のソファーセットで「ミニ穂積くん vs ウルトラ怪獣」ごっこをしていた藤守と如月がミニ穂積くんを連れて室長席へとやってくる。
藤守
「…えっと。」
如月
「もしかして…。」
泪
「…小野瀬?」
翼
「です!!」
何故だか得意気に胸を張る翼はさておき、皆の視線は小さな小野瀬に釘付けだ。
藤守
「なんでやの?俺が作ったフィギュアちゃうん?」
小野瀬
「うわっ、藤守くん!脱がさないで!」
確認しようと白衣を捲くろうとする藤守の手をすり抜け、翼の元へと逃げる。
如月
「本物なんですか?穂積くん。」
泪
「分からん。ちょっと確認してみる。」
机の上に乗せられたミニ穂積が、助けを求めるように翼へと寄り添う小野瀬の手を取った。
泪
「俺と全く同じだ。人間をそのまま小さくしたような…。」
小野瀬
「お、おいっ!」
流れるような手つきであっという間にコブラツイストをかけたミニ穂積に藤守と如月が声援を送る。
藤守
「おっ!今度は『ミニ穂積くん vs ミニ小野瀬くん』やな!」
如月
「これは見ものですねー!!」
まるでプロレス観戦でもしているような雰囲気の二人と、楽しそうに小野瀬を追いかけるミニ穂積に、翼が助け舟を出す。
翼
「もう!いい加減してください!小野瀬さんが可哀想です!」
逃げまどう小野瀬をヒョイっと持ち上げ、守るように翼がその胸に小野瀬を抱き抱えたのを見て、怒られた男たちは己の行動を反省するどころか小野瀬への敵対心を露わにする。
穂積
「あっ!」
如月
「ズルいっ!」
藤守
「ええなぁ…。」
泪
「コラー!降りて来い!」
抗議の声をあげる男たちをジロリと睨み、翼が腕に抱えた小野瀬の髪を撫でた。
翼
「小野瀬さん、大丈夫ですか?」
小野瀬
「ありがとう、櫻井さん。助かったよ。」
いつものようにニッコリと笑う小野瀬の姿に、翼の顔が綻ぶ。
ニコニコと笑い合う二人に外野の男達は立ちいることすらできないでいた。
その時。
明智
「ただいま戻りました。」
小笠原
「…なに、みんなで集まってるの?」
買い出しから帰ってきた明智は男達の救世主となれるのか!そして名前を何で統一すればいいか分からないでいる清香に誰か愛の手を!
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07/03(Wed) 18:08
きゅん(〃ω〃)
くちびる
ミニ小野瀬さんが翼ちゃんひとり占め…ですねえ~(*≧∀≦*)ミニ2トップお持ち帰りしたいですへ(^^へ)
明智「俺の見間違いか?小さいのが増えている気がするんだが…」
小野瀬「やあ!明智くん。見間違いじゃあないよ。小野瀬だよ。」
無理矢理入り込んでしまいました~(;>_<;)
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07/03(Wed) 22:31
今回も頑張りまっす
とも
明智
「小野瀬さんまで小さくなったのか」
小笠原
「明智さん驚かないね」
葵
「みんな穂積で免疫がついたんだよ」
藤守
「おっきい小野瀬さんはどこにいったんや?」
櫻井
「それが、私が鑑識に行った時、小野瀬さんの席にいたのは小さい小野瀬さんだけだったんです」
如月
「じゃあ本体自体が小さくなったってこと?」
小笠原
「鑑識に置いてる小野瀬さんのフィギュアはどうしたの?」
葵
「俺のデスクに入れてあるよ。コーヒー飲むとき汚れたらいけないと思って」
藤守
「俺の作ったフィギュア、どんだけ気に入っとんねん。ま、作った甲斐があったっちゅーことやけど」
明智
「じゃあ小野瀬さんの服ももう何着か用意しないといけないな」
如月
「ミニ小野瀬くんは誰がお世話するんですか?」
藤守
「ミニ穂積くんと一緒に明智さんに頼んだらどうや?」
明智
「これだけ小さかったら一人や二人くらいどうってことないぞ」
葵
「え~、俺は櫻井さんにお世話してほしいな」
櫻井
「ハイ、私頑張ってお世話しますね」
泪
「ダメ、却下。お前が世話になるくらいなら俺の方がマシだ」
小笠原
「どっちもどっち…」
穂積
「あぁ、何か言ったか?小笠原。
櫻井、小さくても小野瀬は危険だからお世話なんてダメよ」
櫻井
「ええっ、そんなぁ…」
藤守
「せ、せや、そんなに小さい小野瀬さん気に入ったんやったら、また違うの作ってきたるから!」
如月
「そうだよ、翼ちゃん!ここは明智さんにまかせようよ」
男連中が次々と反論してみせると、櫻井の目にはみるみる涙が溜まっていく。
櫻井
「……そんなに私じゃ頼りないんですか…」
藤守
「あ~イヤ、そうやなくて!男同士の方がいろいろわかることもあるしな、櫻井が頼りないんとかとちゃうで」
櫻井
「…わからない事は皆さんに聞きます!だから私にお世話させてくださいっ」
穂積
「…まいったわ」
頑固な父親にそっくりな彼女がこれ以上引き下がるわけがなく、結局小野瀬の世話は櫻井にまかせることにしたのだった。
07/04(Thu) 05:27
おはようございます
小春
清香さん、くちびるさん、ともさん、ありがとうございます。
初日から寝落ちとか先が思いやられるワタシ。
でもその間に話が進んでて、とても嬉しいです。靴屋の小人さんのお話みたいでメルヘンだわ。(←寝落ちを反省しろ)
皆さんよろしくお願いしますねホントに。
小笠原
「夜はどうするのさ」
それまで黙っていた小笠原が、ポツリと口を開いた。
全員が固まる。
小笠原
「俺、さっきから脳内でシミュレーションしていた。ミニ室長は室長だからどこでも生きていけるけど」
穂積・泪
「「オイ」」
小笠原
「小野瀬さんはどうするのさ?一人じゃ車の運転も出来ないし、もちろん電車やタクシーも使えない。たとえ帰宅出来たところで、ドアノブまで手が届かない有り様でしょ」
翼が、「はいっ」と笑顔で手を挙げた。
翼
「でしたら私が、自分の部屋に連れて帰ります」
全員
「ダメ!」
翼の提案は、光の速さで却下されてしまう。
穂積
「アンタ、人の話を聞いてないの?小野瀬と二人きりなんて許しません!部屋に連れ込むなんてもってのほかよ!」
翼
「でも」
翼は、挙げた手を半分下ろしてグーパーさせる。
明智
「でしたら俺が二人まとめて」
穂積
「アンタの家にはお姉さんたちがいらっしゃるでしょう」
明智
「……ですね」
明智の脳内に、『世田谷のゴーゴン三姉妹』と呼ばれる姉たちが、いつものように家の中を荒らし回る姿と、そこでミニサイズの穂積と小野瀬を抱えて逃げ惑う自分の姿とがありありと浮かんだ。
そして。
明智
「……すみません、守りきれませんでした」
明智ががくりと片方の膝をついた。
ミニ穂積がその明智を励ますように撫でている。
他のメンバーの自宅に連れ帰る案も出たものの、どれも帯に短し襷に長し。
最大の問題は、どこに小野瀬を泊めても、翼がついてくると言い張ってきかないところで。
翼
「やっぱり私が連れ帰ります」
穂積
「振り出しに戻すな!どうしてもと言うなら、俺と、このチビもお前の部屋に一緒に泊まるぞ!」
翼
「えー、大人二人とこの子たち二人ですか?……寝られるかなあ」
小野瀬
「ダメ!」
今度は小野瀬がダメ出しした。
小野瀬
「あのね、櫻井さん。部屋の広さの問題じゃないの。きみ、部屋に穂積を泊めても平気なの?」
翼
「室長なら寮監さんの許可が取れそうな気がします」
全員
「そこじゃない!」
翼
「え、じゃあどこが問題ですか?」
穂積
「問題無いわよねえ。大丈夫よ、櫻井。初めてでしょ?優しくしてあげるから」
穂積が翼の肩を抱く。
翼
「ハイ」
小野瀬ほか全員
「絶対ダメー!」
小笠原
「……じゃ、解決するまでは、全員でここに泊まり込みだね」
お泊まり問題は、小笠原の溜め息で締め括られた。
[削除]
07/04(Thu) 07:32
お仕事問題。
小春
小野瀬
「細野や太田には、何て説明すればいいのかな……」
徐々に今後の身の振り方が決まって来ると、小野瀬は仕事の方が気になってきたようだ。
大きな案件は片付いていると言っても、元々鑑識は激務だ。
人一倍働く小野瀬が欠けたら、通常業務もたちまち滞るに違いない。
何より、小野瀬を敬愛する細野や太田が、出勤して来ない彼を心配して騒ぎ出すのは時間の問題だ。
小笠原
「姿を見せなきゃ無断欠勤になっちゃうもんね。実際は出勤してるのに」
明智
「とりあえず、インフルエンザとか?夏ですけど」
藤守
「じゃあ、食中毒?」
穂積
「ま、インフルエンザが妥当かしらね。それなら見舞いにも行かないし」
全員が簡単に話しているが、医師の証明書が必要な病欠を擬装する気満々なのが怖い。
穂積
「不在の間は、鑑識の仕事はワタシが手伝うしかないかしら」
小野瀬
「え、お前が?」
穂積
「先日、鑑識の仕事を猛勉強したような気がする」
小野瀬
「『気がする』だけだよ!掲示板リレーの話だろ。あれは結局、実際には入れ替わってなかったんだから。猛勉強したのは実は俺自身だ」
明智
「……」
藤守
「そのリレーの話、明智さんの前でしない方がいいんちゃいますか」
穂積
「ごめん」
明智
「謝らないで下さい。藤守も気を遣うな」
藤守
「すんません」
穂積が咳払いをして、続けた。
穂積
「ま、仕事が滞って、ガリガリくんやフトシが困るのは可哀想だから。鑑識には小笠原を貸し出すわ」
いいわね?と尋ねる穂積に、頷く小野瀬と嫌そうな小笠原。
小笠原
「こっちにいる方が面白そうなのに」
如月
「気持ちは分かります。室内を録画しといたらどうですか?」
穂積
「特に事件が無ければ、櫻井と小野瀬も鑑識に置くわよ。その方が小野瀬も安心でしょ?」
穂積の提案に、小野瀬も頷く。
捜査室から二名が小野瀬ラボの手伝いに貸し出されるというのは申し訳ない事態だが、状況が状況だから仕方がない。
藤守
「そしたら、小野瀬フィギュアはラボの引き出しやのおて、捜査室に置いておくほうがええんちゃうか」
明智
「そうだな。櫻井のポケットに本体がいるんだから、万が一、両方を一度に目撃されるとまずい」
泪
「賛成」
ミニ穂積は小野瀬フィギュアが捜査室に帰ってくると聞いて嬉しそう。
藤守
「ほな、すぐ持って来ますわ。小野瀬さん、どこの引き出しですか?」
小野瀬
「一緒に行くよ」
小野瀬は藤守のポケットに飛び込んだ。
数分後。
藤守
「持って来ましたー!」
藤守が、ポケットからフィギュアを取り出して、元気よくミーティングテーブルに置いた。
小野瀬
「痛い!」
藤守
「あ、すんません。こっちは本物やったか」
そう言って、反対側のポケットから、今度こそフィギュアを取り出してミーティングテーブルに置いた。
泪
「おかえりー。よし、早速新しい必殺技を試そう」
小野瀬
「俺は本物だよ!」
泪
「どっちでもいい」
小野瀬
「痛たたた!」
小笠原
「やっぱりこっちにいる方が面白そうなんだけど」
慌てて翼が止めに入り、小野瀬(本物)を抱き上げた。
翼
「穂積くん、小野瀬さんをいじめちゃダメ!」
泪
「鍛えてやってんだよ」
翼
「もう!……小野瀬さん、怪我してませんか?」
そうして、白く柔らかい指先で、小野瀬の乱れた髪を直した。
翼
「大丈夫です、小野瀬さん。私が守ってあげますからねっ!」
小野瀬
「あはは……ありがとう」
翼
「今夜は一緒のお布団で寝ましょうね!あ、シャワーが先ですね!」
全員
「オイ!」
翼の天然な発言に、全員がツッコむ。
またしても周りの男たちの嫉妬と羨望の嵐が巻き起こる中、小野瀬は翼のポケットの中で、これから始まる全員での泊まり込みを想像して、戦々恐々とするのだった。
……この続きは全員での泊まり込みの話でも、翌日以降の話でもどちらでもいいです。
[削除]
07/04(Thu) 08:47
やっぱこっちでしょ
とも
~その夜の捜査室~
小笠原
「なんでみんな川の字になって寝なくちゃいけないの?」
如月
「ちょっ、藤守さん、こっちに来すぎですよ!狭いじゃないですか!」
藤守
「お前がちっさいのが悪いんじゃ」
明智
「穂積くん、これでどうですか?」
泪
「あぁ、大丈夫だ。ありがとう」
穂積
「ホラ櫻井、もっとこっちに寄ってもいいわよ。ちっ、小野瀬が邪魔だな」
小野瀬
「いたた、こら穂積、髪を踏んでる!」
結局全員で泊まり込むことになった一同。誰もが翼の隣を狙っていたが、二人の悪魔に逆らえるハズもなく、現在に至る。
メンバーの位置
如月・藤守・明智・泪・翼・小野瀬・穂積・小笠原
櫻井
「みんなで寝るのって修学旅行みたいで楽しいですね。小野瀬さん、寒くないですか?」
小野瀬
「ありがとう。こうやって櫻井さんの寝顔を見れるなんて、小さくなって得したかな」
穂積
「やっぱり小野瀬は櫻井の隣にしておけないわ」
藤守
「ええなぁ、俺も櫻井の寝顔みたい~」
如月
「俺だって隣が図体デカイ男とかイヤですよ!」
小笠原
「zzz 」
櫻井
「皆さんも…早く…寝ないと…zzz 」
明智
「寝た…」
泪
「どんだけ無防備なんだよ」
このあと男たちは(小笠原除く)翼の寝顔を見ながら理性を総動員して朝まで過ごした。
[削除]
07/04(Thu) 09:19
おはようございます♪
くちびる
仕事前にちょっとだけ…( 〃▽〃)
朝になった。
翼と小笠原以外の面々は理性との戦いでほとんど眠れないままグッタリしていた…。
当の翼は可愛い寝顔で幸せそうにまだすやすやと眠っている。
両隣に小さい穂積と小野瀬を抱えてよっぽど嬉しかったんだろう。
小笠原もまだ寝ている。
小笠原
「Zzz …」
穂積
「全く…小笠原はいつもの事だけど…櫻井は本当にお・こ・ちゃ・まだわね。」
翼の無防備な寝顔を眺めながら深いため息をつく穂積。
時計を見ると、まだ6時前だ。
もう少し寝かせといてもいいか…。
そう思いながら翼を見つめる穂積だった。
[削除]
07/04(Thu) 09:33
ともさん、くちびるさん、ありがとうございます♪
小春
ともさん、川の字の配列が絶妙(笑)
くちびるさん、ほのぼのな朝をありがとうございます。
癒されたわ…。
というところで、リレーの続きは「ある日の創作室3rd」へ。
作家様、読者様、引き続きよろしくお願いします。
07/04(Thu) 10:38
私も寝落ち。
清香
おはようございます。
今日も元気にいってみよう!
~小野瀬ラボ~
太田
「御大が…」
細野
「インフルエンザ!?」
予想通り朝になってもやってこない小野瀬にオロオロした細野と太田は、ラボへとやってきた穂積と小笠原、そして翼からの話に驚きを隠せなかった。
太田
「こんな時期にインフルエンザにかかるなんて…。」
細野
「御大、働きすぎでしたからね…。」
穂積
「疲れも溜まっていたんでしょう。薬を飲んで安静にしておけば大丈夫だから、そんなに心配しなさんな。」
明らかにショボくれた感を表す二人に、翼のポケットの中から様子を伺っていた小野瀬の胸が痛む。
小野瀬
「ゴメンね、二人とも。」
細野
「えっ?」
太田
「今、御大の声が聞こえた気がしたんですか…。」
慌てて口に手を当て、翼のポケットの中にしゃがみこむと、翼の胸もドキドキとしているのが服越しの鼓動で伝わってくる。
小野瀬
「…ふふふっ。」
穂積
「気のせいじゃない?それか幻聴か、小野瀬の生霊でしょ。」
『それより』と手をパンッと叩いて気を逸らすと、穂積が両脇に立つ小笠原と翼の背中をそっと押して一歩前に出させた。
穂積
「小野瀬がいない間、ウチの小笠原と櫻井を貸してあげるわ。小野瀬ほどじゃないけれど、ある程度の戦力にはなるでしょう?」
小笠原
「…む。」
翼
「よろしくお願いします。」
ぺこりと頭を下げる翼に対して、『ある程度』と称されたのが気に入らないのか、小笠原が膨れる。
穂積
「アンタはうちの子だから小野瀬ほど鑑識の仕事が出来なくていいのよ。ま、頑張って恩を売っておいてね。」
小笠原の頭をぽんぽん撫でて穂積はラボを出ていってしまった。
撫でられた頭をさすりながら空いているデスクへと小笠原もつき、早速ナナコを立ち上げて作業を開始する。元々科警研から出向しているのと、いつもラボで調べ物や居眠りをしに来ているせいか、『勝手知ったる他人の家』状態だ。
細野
「では、櫻井さんは指紋の照合をお願いします。以前やった事がありますよね。」
翼
「はい、大丈夫です。」
小野瀬のデスクにつき、パソコンの画面を見ているとシャツのポケットの中から小野瀬が翼を見上げていた。
翼
「?」
小野瀬
「見・え・な・い。」
指でパソコンを示し、声に出さずに口パクだけでそう言うと、くちびるの動きで分かったのか翼がジャケットを脱いで椅子の背もたれへとかけた。
ジャケットがなくなった事によって開かれた視界に、小野瀬はニコリと微笑み、翼も笑顔をかえす。
分からない事はたくさんあるけれど、きっと小野瀬とならやっていける。
そんな確信めいた思いが翼の心に広がっていったのだった。
[削除]
07/04(Thu) 11:34
清香さん、ありがとうございます
小春
~捜査室~
退屈だ。
ミニ穂積はそう思いながら座っていた。
小野瀬と違って、穂積には本体がいる。
仕事をする必要が無いし、観客のいない人形相手のプロレスにも飽きてきた。
明智が気を遣って自分の机の上に穂積を座らせ、時々、作成中の調書への助言を求めたりしてくれるが、正直言って退屈な事この上ない。
俺は何のために生まれてきたのかなあ。
真剣な表情で仕事に取り組む明智の横顔を見つめながら、ミニ穂積はそんな事を考えていた。
[削除]
07/04(Thu) 12:05
繋がるか?
清香
~捜査室~
今朝まで賑やかだったものの、藤守と如月は連続空き巣事件の聞き込みへ行ってしまい、小笠原と翼は鑑識へ手伝いにいってしまったので、捜査室には大小の穂積と明智だけとなってしまった。
静かになった室内にパソコンのキーボードを叩く音だけが響く。
泪
「つまらない。」
明智のデスクで打ち込まれる報告書を見ながら、ミニ穂積が呟く。
明智
「そう言われましても…。」
泪
「お前は捜査に行かないのか?」
明智
「刑事は単独行動禁止ですし、今抱えている事件の捜査は櫻井とペアになっていましたから。室長はこの後会議があるので、如月が藤守が戻ってきたら行きますよ。」
『仕方が無い』と言いたげに明智が微笑むと、ミニ穂積が座っていた書類の束からピョンっと飛び降りて、パソコン画面を遮るように立った。
泪
「じゃあ、俺がペアになる!」
明智
「えぇっ、穂積くんが…ですか!?」
名案だとニッコリ笑うミニ穂積に、いつの間にかやって来た大きな穂積も苦笑いをしている。
穂積
「悪いけど、面倒みてやってもらえないかしら?一応コイツがいれば、単独行動にはならないし。」
明智
「で、でも…」
すでに明智のジャケットに潜り込もうとしているミニ穂積を見ながら、明智は言葉を濁す。
穂積
「自分の事だから何となく分かるんだけど、みんなが仕事しているのに何も出来ない自分が歯がゆいのよ。」
明智
「室長…。」
穂積
「それに、自分達のせいでみんなの仕事が滞るのも嫌なのよね?」
明智のジャケットの上から少し膨らんだポケットを穂積が人差し指で突くと。
泪
「余計なことを言うな!!」
真っ赤な顔でミニ穂積か顔だけ出して抗議をする。
穂積
「くれぐれも人前に出るんじゃないわよ?」
泪
「んなもん、分かってる!これでも刑事だ!」
穂積
「あら、そうだった。」
笑いながら会議に行く大きな穂積の背中を見送りながら、明智とミニ穂積も捜査へと出かけたのだった。
[削除]
07/04(Thu) 14:49
エミさんからのリクエスト(今頃:笑)
小春
終業時間間際になって、明智が帰って来た。
藤守
「あっ、来た来た!」
如月
「お帰りなさーい!」
ミーティングテーブルを囲んで、翼の淹れてくれたお茶を飲んでいた全員の中から、藤守と如月が真っ先に迎えに出た。
藤守
「明智さん、お疲れ樣でした!」
如月
「お疲れ樣でした!」
目を輝かせて近付いてくる二人に、明智はくすくす笑った。
明智
「お前らの目当てはこっちだろ」
明智は笑顔のまま、二人に向かって、手に提げていた小振りのコンビニ袋を差し出した。
きょとんとしながら袋の中を覗き込んだ二人は、同時に噴き出した。
袋の中では、薄汚れたミニ穂積が笑っていたのだ。
藤守
「何でそんなに真っ黒なん?」
如月
「泥だらけじゃないですか!」
泪
「明智が、自販機の下に100円玉を落としたんだ」
藤守にティッシュで顔を拭いてもらいながら、ミニ穂積が笑う。
明智
「いいって言ったんだが、穂積くんが潜って拾ってきてくれたんだ」
泪
「ほかにも500円落ちてた」
なるほど、ミニ穂積の入っている袋の底には、数枚の小銭があるのが透けて見えている。
明智
「それで汚れたから、俺のポケットには入らないって言って。仕方がないから、コンビニの近くに落ちてた袋に入ってもらって、連れて帰ってきたんだよ」
07/04(Thu) 16:01
楽しい(ノ∀`)
清香
翼
「あっ、じゃあ、私お風呂の準備します!」
小笠原
「お風呂?」
翼
「はい!ちょっと待ってて下さいね!」
いつもコーヒーを淹れる時のように、ポットを抱えて翼は捜査室を飛び出して行った。
数分後。
翼
「お待たせしました。総務からタオルももらって来ましたよ。」
給湯室のタライにポットにタオルと、大荷物で戻って来た翼を如月と藤守が助ける。
如月
「そっか、お風呂ってこれか!」
翼
「はい!」
藤守
「二人にはお風呂って言うより、プールやな。」
ソファーセットの前のテーブルにタオルを敷き、タライにお湯を張ると、ミニ穂積は嬉しそうに中を覗き込んだ。
泪
「おっ、本当にプールみてぇ!小野瀬、中で泳ごうぜ!」
ジャケットを脱ぎ捨ててさっそく入る気満々な穂積が、同じようにテーブルに乗せられた小野瀬の腕を取って誘う。
小野瀬
「えっ、俺も!?」
泪
「当たり前だ!準備できたんだから、とっとと入るぞ!」
こんな衆人環視の中で入るのもなぁ…と思っていると、翼がタオルと小さな洗面器、そしてピンクのボトルを持って来た。
翼
「小野瀬さんも慣れない環境でお疲れでしょうから、お風呂に入ったらいかがですか?お好きなロクシタンのシャンプーとボディーソープがありますよ。」
小野瀬
「あれ、櫻井さんもコレ使ってるんだ。」
翼
「……はい。」
『小野瀬が使っているから』同じような髪になれたらいいなと買っておいた物だが、まさかこんな所でバレるとは。
赤くなりそうな頬を見られないよう小さな洗面器にもお湯を張り、泥だらけなミニ穂積を呼んだ。
翼
「穂積くん、先に身体を洗ってから入って下さいね。」
『どうぞ』と翼が洗面器を差し出すが、さっきまで入る気満々だったミニ穂積は何やら戸惑った様子でいる。
翼
「どうしたんですか?遠慮なさらずに、どうぞ?」
泪
「え……っと、お前が洗うのか?」
翼
「…はい。そのつもりで…」
「「「ダメー!!」」」
藤守、如月、小笠原の声が重なる。
小野瀬
「櫻井さん、気持ちは嬉しいんだけど俺たちは小さいとは言え、男だよ?」
翼
「…?……はい。」
小野瀬
「裸を見られるのは、出来れば元のサイズに戻ってからの方がいいんだけどな。」
翼
「あっ…!!すみません!!!」
やっと皆が反対する理由が分かったのか、慌てて後ずさる翼に、皆苦笑いだ。
明智
「俺がお世話をするから、櫻井は今のうちに冷たいお茶を用意しておいてくれないか。この大きさの風呂なら、きっと上がった後は喉が渇くだろうからな。」
翼
「…はい。」
明智
「ありがとう。助かるよ。」
明智が頭を撫でながら、手に持っていたシャンプーのボトルを取って行く。
明智
「さぁ、二人とも、お風呂の時間ですよ。」
泪
「おぅ!」
小野瀬
「はいはい。」
タライを囲むように立ってミニ穂積と小野瀬を楽しそうに洗う男達を、翼は肩を落としながら見つめていたのだった。
もう一個書きます。ちょいお待ちを。
[削除]
07/04(Thu) 16:49
お待たせです。
清香
如月
「さぁ、あの時のお返しだ!」
泪
「うわぁ、やめろー!」
藤守
「小野瀬さん、大雨警報ですよー!!」
小野瀬
「なんで俺までー!」
明智に洗ってもらったミニ穂積と小野瀬は、大きなタライに入れられた。
二人には温水プールのような大きさで、最初は普通に泳いだりしていたのだが、席を外した如月と藤守がコンビニ袋を手に戻って来ると、状況は一変したのだった。
如月の手には小さな水鉄砲が、藤守の手には緑色のゾウのジョウロが握られている。
数ヶ月前のキャンプの恨みか、二つの武器で襲いかかる如月と藤守を止める者はいない。
今まで助け舟を出していた翼も、ハラハラしながら遠くで様子を見ているだけだ。
如月
「ひゃははは!」
藤守
「やーい!」
いじめっ子な小学生のように攻撃をしてくる二人に、さすがのミニ穂積も小野瀬も疲れが見えてきた。
逃げるスピードが遅くなり、足がもつれ始める。
明智
「如月、藤守、そこまでだ。もうやめろ。」
凛とした声で制止したのは、やはり明智だった。
タオルを手に広げタライの近くに寄ると、ミニ穂積が手を伸ばす。
泪
「明智ぃ、助かった。」
明智
「それでも穂積くんは楽しんでたでしょう?」
泪
「でも、疲れたぁー。」
明智
「冷たい麦茶を櫻井に用意してもらったので、飲んだら一休みして下さいね。」
泪
「…んー、わかった。」
明智に頭や背中を拭いて貰いながらも、ミニ穂積は今にも寝そうだ。よほど疲れてしまったのだろう。
一人で服を着替えることも出来ず、明智に着替えさせてもらってる。
小野瀬
「おいおい、子どもじゃないんだから、起きろよ。」
泪
「…んー。」
小笠原に差し出されたタオルで身体を拭きながら、小野瀬がミニ穂積を小突くも、反応は薄い。
明智に抱えられながら連れて行かれるミニ穂積を見ていると、捜査室の片隅で背中を向ける翼の姿があった。
なんとなく、その背中が泣いているようで。
小野瀬
「ふふふっ。」
小笠原から着替えを受け取ると、邪魔にならないよう洗った後に結んでいた髪を解く。
ポタリと髪の先から垂れる雫を軽く拭くと、出せる限りの大きな声で翼を呼んだ。
小野瀬
「櫻井さん、ドライヤーってある?」
翼
「えっ、あっ、は、はい!!」
いきなり声をかけられて挙動不審になったものの、ロッカーからピンクのドライヤーを出してコンセントを繋げると、小野瀬が両手を差し出してきた。
小野瀬
「お待たせ。髪を乾かしたいんだけど、やって貰えるかな?」
翼
「私でいいんですか?」
小野瀬
「君にお願いしたいんだ。ダメかな?」
抱き上げられた腕の中で翼の頬に触れると、さっきまでの沈んでいた顔がぱぁっと嬉しそうに輝く。
翼
「ダメじゃないです!頑張ります!」
小野瀬
「ありがとう、櫻井さん。」
今までは大きな穂積による教育で「危険人物」と距離を置かれていたのに、小さな小野瀬にも手に取るように分かってきた、翼の心の中の小さな感情の芽。
幼さの残る彼女だけれど、このまま一緒にいれば、もしかしたらその芽を少しずつ成長させられるんじゃないかな、と思ったりもする。
そしてそれは、彼女が自分にとって『唯一の人』になるということに繋がることなのかもしれない。
全ては「たられば」の話だが、それでも今はお世話をする事を楽しむ彼女の脳に残るよう、たくさん構ってもらおうと思っていたのだが。
まさかこんな事になるなんて。
[削除]
07/04(Thu) 17:18
あらら
とも
翼がドライヤーのスイッチを入れ、小野瀬の髪を乾かしていく。 彼女の顔はそれはそれは嬉しそうな表情をしていた。
櫻井
「小野瀬さん、熱かったら遠慮なく言ってくださいね」
小野瀬
「ありがとう。とても気持ちいいよ。櫻井さんは髪を乾かすの上手だね」
ニッコリ笑い返すと少し頬を赤らめた。
穂積
「面白くないわね。櫻井、ちょっとドライヤー貸しなさい」
小野瀬
「俺は櫻井さんに頼んでやってもらってるの。お前は雑にやりそうだからイヤだって…うわぁ!」
穂積は翼から無理やり奪ったドライヤーを小野瀬に向け、スイッチを『強』にかえた。すると、台風並みの突風が小野瀬を軽々と吹き飛ばしてしまったのだ。
[削除]
07/04(Thu) 18:20
仕事終了(~▽~@)♪♪♪
くちびる
こんな感じでいいかな!?
小野瀬
「ウワアアア~!」穂積からの強烈な風で小野瀬は一回転してしまった。
翼
「小野瀬さんっ!」
慌てて小野瀬の元に駆け寄る翼。そして穂積をきっと睨みます、「室長っ!私が乾かすって言ったじゃないですか!!強風にするなんて…ひどいっ!」
翼にふんっとそっぽを向かれて、穂積のダメージはMAXに。
[削除]
07/04(Thu) 18:55
くちびるさん、すみません。
小春
お待たせしました。
大丈夫、繋がります。
元ネタはこちら*ポケット穂積*
小春
お陰様で開設から1年。
サイト初の毎日更新連載という試みに挑戦してみたSSです。
仕事そっちのけで大変でしたけど、小さな穂積の頑張りを書くのは楽しかったです。
読者の皆様にも連日のご愛読と応援を頂いて、とても思い出に残る物語になりました。
創作室ならではの思わせ振りなハッピーエンドにしましたので、物語の続きは、皆様が想像してくださると嬉しいです。
[削除]
07/03(Wed) 15:04
☆リレーSS*ポケット小野瀬*はじめに☆
小春
さてさて。
相変わらずのノリで始まる、行き当たりばったり掲示板リレーSS。
今回は「ポケット小野瀬」です。
ルールは以下の通りです。奮ってご参加下さいませ。
☆「ポケット穂積」とは設定が違っております。ご注意ください。
※スタート時点、ヒロインをはじめ、キャラは全員フリーです。
☆書き込みの前に、作成した文章を保護した上で、最新の情報に更新される事をおすすめします。
☆削除や修正のご希望には応えられない事があります。
☆他の参加者さんと被らない色をご使用ください。
☆初参加&短文&意外な展開大歓迎です。大丈夫、次の人が必ず何とかしてくれます。
☆合言葉は『他力本願』です。
作家の皆様、そして、読者の皆様、今回もよろしくお願いします。m(__)m
[削除]
07/03(Wed) 15:07
~リレーSS~*ポケット小野瀬*
小春
徹夜続きの、ある朝。
PCに全ての打ち込みを終え、Enterキーを押した俺は、椅子の背にもたれるようにして大きく伸びをし、立ち上がった。
後はPCが、綿密な分析と考察を含んだ鑑識結果をまとめてくれるのを待つだけだ。
俺は同じ室内で寝付いたばかりの細野や太田を起こさないようにしながら、そっとラボを出た。
いつもなら休憩スペースで缶コーヒーを飲んでラボに戻るか、あるいはそのまま仮眠室に直行して短い睡眠を得るかするのだが、今朝は、何となく人恋しくて、足を捜査室に向けていた。
この時間なら、捜査室には、出勤時間の早い室長の穂積がいるはずだ。
あいつも早朝会議まではまだ時間があるだろうし、ちょっと話し相手になってもらおう。
そんな事を考えながら、俺は、ノックもせずに扉を開けた。
小野瀬
「穂積、おはよ、う……」
俺の声は、挨拶の途中で切れた。
室内に穂積はいなかった。
いや、いた。
だが、それは、厳密には穂積ではなかった。
窓からの朝日を浴びてきらきら光る金髪はどう見ても穂積。
だが。
俺に気付いて机から飛び降り、あっという間にソファーセットのローテーブルの下に潜り込んだその姿は。
……あまりにも小さい。
自分の目が見たものを信じられず、それを確かめようとして俺は床に這いつくばった。
ローテーブルの下には、さっきちらりと見えた青いハンカチが落ちている。
腕を伸ばしてそれを掴むと、意外にも手応えがあった。
ハンカチの中に何かいる。
俺は構わず、触れたものを握り締めて、そのまま引っ張り出した。
普段、きれい好きの明智くんや櫻井さんがしっかり掃除してくれているので、ハンカチも腕もきれいなまま出てくる。
俺はソファーに腰を下ろすと、ローテーブルの上で、そろそろとハンカチを広げてみた。
小野瀬
「!」
そこに現れたのは。
小野瀬
「……穂積……」
不意に、背後から肩を掴まれた。
小野瀬
「うわっ!」
穂積
「見たな」
思わず叫んだ俺に向かって、出現した悪魔は、世にも恐ろしい笑みを浮かべた。
穂積
「見~た~な~」
小野瀬
「ご、ごめん!悪かった!」
鬼気迫る穂積に圧されて、つい謝ってしまった。
すると、穂積は俺をじっと見つめてから笑顔を消して、代わりに、はあ、と溜め息をついた。
穂積
「今朝起きたらベッドの中にいたんだ。意味がわからん」
そう言うと、俺の肩からあっさりと手を引いて、向かい合うソファーにどさりと腰を下ろした。
俺と穂積の間にある低いテーブルの上に乗っているのは、身長が20cmにも満たない小さな『穂積』。
小さいくせにちゃーんと八頭身あって、しかも、俺を見上げて睨みつける顔付きは、本人同様に生意気だ。
服を着ていないのか、青いハンカチを肩から被っている。
好奇心を抑えきれずに手を伸ばしてみると、俺の指先で、小さい穂積がガチン、と歯を鳴らした。
慌てて手を引っ込めると、穂積が笑った。
小野瀬
「お前が生んだの?」
穂積
「身に覚えが無えけどなあ」
小野瀬
「避妊具の中から生まれたとか」
穂積
「最近誰ともしてねえなあ」
穂積も俺も、現在、特定の彼女はいない。
しかも、鑑識の俺が連日徹夜するぐらいだから、刑事で、しかも管理職の穂積は超多忙なはずだ。
最近誰ともしていない、というのも本当だろう。
もっとも、していたところで、いきなり現在の穂積と同じ姿の穂積が生まれるはずはないのだが。
しかも、この小ささで。
小野瀬
「それで、どうするの、これ」
俺が指差すと、小さい穂積が、さらにムッとした顔をした。
泪
「『これ』って言うな!」
小野瀬
「うわ喋った」
穂積
「俺の家、食い物がひとかけらも無いからな。ひとまず連れて出てきた」
まあ、穂積のあの部屋に放置したら餓死するよな。
穂積
「明智が来たら相談してみるつもりなんだが」
腕時計で時間を確かめて、穂積が立ち上がった。
穂積
「ちょうどいい、お前それまで預かってくれ。俺、これから会議なんだ」
小野瀬
「噛みつかないなら、いいよ。……て言うか、お前、何でそんなに冷静なの?」
目が覚めて、隣に1/10スケールの自分がいたらビックリするだろ普通。
穂積
「あるものはある、いるものはいる」
穂積は達観したような事を言って、会議に出掛けてしまった。
07/03(Wed) 15:09
ポケット小野瀬*初期設定*続き
小春
預かったのはいいが、ラボに連れて帰ったら、細野や太田が腰を抜かすだろう。
仕方無く、小さい穂積が捜査室の中をちょこちょこ冒険するのを眺めていると、やがて扉が開いて、櫻井さんと明智くんが談笑しながら入って来た。
天の助けだ。
小野瀬
「二人とも、おはよう」
翼
「あっ、小野瀬さん。おはようございます!」
明智
「おはようございます。室長は、もう、会議に……」
そこまで言って、明智くんが固まった。
明智
「……?」
明智くんが、すぐ傍らのミーティングテーブルの上にいた小さい穂積と目が合って、ごしごしと目を擦る。
明智
「……」
泪
「……」
小野瀬
「……」
明智
「わああっ?!」
明智くんは数歩飛び退いて、後ろの壁に思い切り頭をぶつけた。
明智
「痛……!」
一言呻いてしゃがみこみ、頭を抱えてしまう。
うん、明智くん。
きみの反応は正しい。
翼
「明智さん!大丈夫ですか?どうしたんですか?!」
どうやら、櫻井さんはまだ気付かなかったらしい。
明智くんが口をぱくぱくしながら小さい穂積を指差すと、櫻井さんはゆっくりと振り返り、それからじっと佇んでいたが、やがて叫んだ。
翼
「……可愛いっ!!」
明智・小野瀬
「順応早っ!」
俺の知る限りの説明を終えると、まだ後頭部を擦りながら、明智くんが頷いた。
明智
「なるほど……そういう事でしたか」
泪
「驚かせて悪かったな、明智」
小さい穂積は明智くんの肩に乗って、頭を撫でてやっている。
お前、俺にはさっき噛みつこうとしたくせに。
明智
「ですが、分かりました。外回りで材料を買って、着る物は今日中に何とかしましょう。食事も任せて下さい」
どうやら、明智くんも順応してきた様子。
小さい穂積が明智くんに懐いているのを見て、櫻井さんは何だか羨ましそう。
二人とも、現実を受け入れるのが早いな。
この適応力の高さは、穂積の日頃の教育の賜物だろうか。
その後、次々に出勤してきた藤守くん、如月くん、小笠原くんがそれぞれ美味しいリアクションを披露してくれた頃、穂積も会議から戻ってきた。
穂積は改めて明智くんに小さい穂積の世話を頼み、明智くんも快諾した。
俺としては、櫻井さんが何となくつまらなそうにしていた様子が、やっぱり気になったのだけど。
[削除]
07/03(Wed) 16:08
ポケット小野瀬初期設定・続き
小春
その疑問は、翌日、思わぬ所から解決した。
藤守くんが、小さい穂積が寂しいだろうと言って、なんと一晩かけて、俺の1/10フィギュアを作って来たのだ。
恐ろしいほどよく出来てる。
昨日、穂積の三つ揃いをミニサイズで作ってボルテージの上がっていた明智くんが、その勢いに任せて材料を買い揃え、半日もかからずに俺のフィギュアにも服を作ってくれた。
白衣まで着せられた俺のフィギュアは、小さい穂積にプロレス技をかけられながらも、満更でもない顔をしている。
何だか変な気分になりそうだったが、それよりも俺を驚かせたのは、その日の午後の事だった。
俺はラボでの仕事に戻り、藤守くんの作ってくれたフィギュアを傍らに置いて、データを打ち込んでいた。
細野
「よく出来てますよねえ」
昨日までの大きな仕事が片付いたせいか、細野も今日は余裕があるようだ。
細野が熱いコーヒーを淹れてくれたので、汚してはいけないと思って、俺はフィギュアを引き出しにしまった。
太田
「御大はスタイルいいですからねえ。自分なら、ボディから特注品ですよ」
太田もニコニコしている。
細野
「御大、今日こそはご自宅に帰って下さいよ。今やっている作業が終われば、僕たちも一旦帰りますから」
小野瀬
「分かった、そうするよ」
そうする、と言いながら時間は流れていき、いつの間にか、ラボには俺一人が残ってしまった。
本当に帰らないと、彼らに心配かけるからな。
帰り支度を整え、後はデータの集計が終わるのを待つだけ。
眼鏡を外し、肘をついて目頭を揉みながら、俺は軽く目を閉じた。
翼
(小野瀬さん……小野瀬さん)
遠くで櫻井さんの声がする。
俺を探しているような、心配そうな優しい声。
なあに?俺はここだよ。
寝ぼけたまま返事をする俺の声は、なんだか子供の頃に戻ったよう。
小野瀬
「ここだよ、櫻井さん……」
すると、真っ暗だった世界が、突然、目の眩むような明るさで俺を呼び覚ました。
翼
「小野瀬さん……?」
夢じゃない。
櫻井さんが俺を呼んでいる。
明るくなったのは、彼女がラボの室内の電気をつけたから。
小野瀬
「あ……ごめんね、寝入っちゃったんだな……」
翼
「小野瀬さん」
……彼女、さっきから「小野瀬さん」しか言ってない。
不審に思って目を開いた俺は、けれどもう一度目を閉じ、それからごしごしと目を擦った。
改めてもう一度、目を開いてみる。
目の前に、櫻井さんの可愛らしい顔があった。
しかも、目の虹彩まで見える超至近距離だ。
小野瀬
「わっ」
思わず声を上げてしまったけど、櫻井さんの顔は真剣。
翼
「小野瀬さん……」
俺の様子を探るように、櫻井さんが囁いた。
翼
「あの……大丈夫ですか」
小野瀬
「……はい?」
翼
「……午前中と、ずいぶん……感じが変わったと言いますか……」
小野瀬
「え?」
そう言われて、俺は改めて自分の姿を見た。
姿は変わっていない。でも……
小野瀬
「ええ?」
机の縁が、遥かな頭上にある。
身を屈め、椅子を掴んでいる櫻井さんの手は俺の全身より大きくて、逆光に聳える姿はまるで巨人のよう。
小野瀬
「ええええーーっ?!」
彼女が大きくなったんじゃない。
俺が小さくなったんだ!
小野瀬
「……あの、櫻井さん……」
翼
「大丈夫です、小野瀬さん」
小野瀬
「え?」
翼
「とりあえず、室長には相談します。でも、私、頑張ってお世話しますから!」
決意に燃えるその瞳。
ああそうか。
俺は、昨日からの疑問が氷解してゆくのを感じた。
彼女は、小さい穂積と明智くんの関係が羨ましかったのか。
て言うか俺でもいいのか。
もしかしてお人形遊びがしたいだけなのか。
彼女の本心が分からないまま。
そして、小さくなった原因も解決法も分からないまま。
俺は抱き上げられて、捜査室に向かうのだった。
……こんな感じでどうでしょうか?
続きお願いします(´∇`)ノシ
[削除]
07/03(Wed) 16:57
はじまり、はじまり~。
清香
翼
「室長、あの…。」
捜査室に戻った翼が真っ先に穂積の室長机へ向かった。
穂積
「なぁに?ちゃんと小野瀬に分析依頼してこれた?それとも何かいかがわしいことでもされた?」
机上のパソコンに目を向けたまま話す穂積に一歩近づき、ジャケットの内側からそっとあるモノを出した。
翼
「あのですね…、実は。」
翼の手の動きに合わせるように、穂積もパソコンから目を翼へ向けた。
そしてその視線の先にいたのは。
小野瀬
「やぁ、穂積。悪いけど、今日は分析してやれないな。」
穂積
「……はぁ?」
穂積が間の抜けた返事をするのも致し方ないだろう。さっきまで書類が積まれていた机には、小さな、それは小さな小野瀬の姿があったのだから。
穂積
「何でお前まで小さくなってるんだよ!?」
小野瀬
「さぁ?それは俺が聞きたいよ。」
穂積の大きな驚き声に捜査室の奥のソファーセットで「ミニ穂積くん vs ウルトラ怪獣」ごっこをしていた藤守と如月がミニ穂積くんを連れて室長席へとやってくる。
藤守
「…えっと。」
如月
「もしかして…。」
泪
「…小野瀬?」
翼
「です!!」
何故だか得意気に胸を張る翼はさておき、皆の視線は小さな小野瀬に釘付けだ。
藤守
「なんでやの?俺が作ったフィギュアちゃうん?」
小野瀬
「うわっ、藤守くん!脱がさないで!」
確認しようと白衣を捲くろうとする藤守の手をすり抜け、翼の元へと逃げる。
如月
「本物なんですか?穂積くん。」
泪
「分からん。ちょっと確認してみる。」
机の上に乗せられたミニ穂積が、助けを求めるように翼へと寄り添う小野瀬の手を取った。
泪
「俺と全く同じだ。人間をそのまま小さくしたような…。」
小野瀬
「お、おいっ!」
流れるような手つきであっという間にコブラツイストをかけたミニ穂積に藤守と如月が声援を送る。
藤守
「おっ!今度は『ミニ穂積くん vs ミニ小野瀬くん』やな!」
如月
「これは見ものですねー!!」
まるでプロレス観戦でもしているような雰囲気の二人と、楽しそうに小野瀬を追いかけるミニ穂積に、翼が助け舟を出す。
翼
「もう!いい加減してください!小野瀬さんが可哀想です!」
逃げまどう小野瀬をヒョイっと持ち上げ、守るように翼がその胸に小野瀬を抱き抱えたのを見て、怒られた男たちは己の行動を反省するどころか小野瀬への敵対心を露わにする。
穂積
「あっ!」
如月
「ズルいっ!」
藤守
「ええなぁ…。」
泪
「コラー!降りて来い!」
抗議の声をあげる男たちをジロリと睨み、翼が腕に抱えた小野瀬の髪を撫でた。
翼
「小野瀬さん、大丈夫ですか?」
小野瀬
「ありがとう、櫻井さん。助かったよ。」
いつものようにニッコリと笑う小野瀬の姿に、翼の顔が綻ぶ。
ニコニコと笑い合う二人に外野の男達は立ちいることすらできないでいた。
その時。
明智
「ただいま戻りました。」
小笠原
「…なに、みんなで集まってるの?」
買い出しから帰ってきた明智は男達の救世主となれるのか!そして名前を何で統一すればいいか分からないでいる清香に誰か愛の手を!
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07/03(Wed) 18:08
きゅん(〃ω〃)
くちびる
ミニ小野瀬さんが翼ちゃんひとり占め…ですねえ~(*≧∀≦*)ミニ2トップお持ち帰りしたいですへ(^^へ)
明智「俺の見間違いか?小さいのが増えている気がするんだが…」
小野瀬「やあ!明智くん。見間違いじゃあないよ。小野瀬だよ。」
無理矢理入り込んでしまいました~(;>_<;)
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07/03(Wed) 22:31
今回も頑張りまっす
とも
明智
「小野瀬さんまで小さくなったのか」
小笠原
「明智さん驚かないね」
葵
「みんな穂積で免疫がついたんだよ」
藤守
「おっきい小野瀬さんはどこにいったんや?」
櫻井
「それが、私が鑑識に行った時、小野瀬さんの席にいたのは小さい小野瀬さんだけだったんです」
如月
「じゃあ本体自体が小さくなったってこと?」
小笠原
「鑑識に置いてる小野瀬さんのフィギュアはどうしたの?」
葵
「俺のデスクに入れてあるよ。コーヒー飲むとき汚れたらいけないと思って」
藤守
「俺の作ったフィギュア、どんだけ気に入っとんねん。ま、作った甲斐があったっちゅーことやけど」
明智
「じゃあ小野瀬さんの服ももう何着か用意しないといけないな」
如月
「ミニ小野瀬くんは誰がお世話するんですか?」
藤守
「ミニ穂積くんと一緒に明智さんに頼んだらどうや?」
明智
「これだけ小さかったら一人や二人くらいどうってことないぞ」
葵
「え~、俺は櫻井さんにお世話してほしいな」
櫻井
「ハイ、私頑張ってお世話しますね」
泪
「ダメ、却下。お前が世話になるくらいなら俺の方がマシだ」
小笠原
「どっちもどっち…」
穂積
「あぁ、何か言ったか?小笠原。
櫻井、小さくても小野瀬は危険だからお世話なんてダメよ」
櫻井
「ええっ、そんなぁ…」
藤守
「せ、せや、そんなに小さい小野瀬さん気に入ったんやったら、また違うの作ってきたるから!」
如月
「そうだよ、翼ちゃん!ここは明智さんにまかせようよ」
男連中が次々と反論してみせると、櫻井の目にはみるみる涙が溜まっていく。
櫻井
「……そんなに私じゃ頼りないんですか…」
藤守
「あ~イヤ、そうやなくて!男同士の方がいろいろわかることもあるしな、櫻井が頼りないんとかとちゃうで」
櫻井
「…わからない事は皆さんに聞きます!だから私にお世話させてくださいっ」
穂積
「…まいったわ」
頑固な父親にそっくりな彼女がこれ以上引き下がるわけがなく、結局小野瀬の世話は櫻井にまかせることにしたのだった。
07/04(Thu) 05:27
おはようございます
小春
清香さん、くちびるさん、ともさん、ありがとうございます。
初日から寝落ちとか先が思いやられるワタシ。
でもその間に話が進んでて、とても嬉しいです。靴屋の小人さんのお話みたいでメルヘンだわ。(←寝落ちを反省しろ)
皆さんよろしくお願いしますねホントに。
小笠原
「夜はどうするのさ」
それまで黙っていた小笠原が、ポツリと口を開いた。
全員が固まる。
小笠原
「俺、さっきから脳内でシミュレーションしていた。ミニ室長は室長だからどこでも生きていけるけど」
穂積・泪
「「オイ」」
小笠原
「小野瀬さんはどうするのさ?一人じゃ車の運転も出来ないし、もちろん電車やタクシーも使えない。たとえ帰宅出来たところで、ドアノブまで手が届かない有り様でしょ」
翼が、「はいっ」と笑顔で手を挙げた。
翼
「でしたら私が、自分の部屋に連れて帰ります」
全員
「ダメ!」
翼の提案は、光の速さで却下されてしまう。
穂積
「アンタ、人の話を聞いてないの?小野瀬と二人きりなんて許しません!部屋に連れ込むなんてもってのほかよ!」
翼
「でも」
翼は、挙げた手を半分下ろしてグーパーさせる。
明智
「でしたら俺が二人まとめて」
穂積
「アンタの家にはお姉さんたちがいらっしゃるでしょう」
明智
「……ですね」
明智の脳内に、『世田谷のゴーゴン三姉妹』と呼ばれる姉たちが、いつものように家の中を荒らし回る姿と、そこでミニサイズの穂積と小野瀬を抱えて逃げ惑う自分の姿とがありありと浮かんだ。
そして。
明智
「……すみません、守りきれませんでした」
明智ががくりと片方の膝をついた。
ミニ穂積がその明智を励ますように撫でている。
他のメンバーの自宅に連れ帰る案も出たものの、どれも帯に短し襷に長し。
最大の問題は、どこに小野瀬を泊めても、翼がついてくると言い張ってきかないところで。
翼
「やっぱり私が連れ帰ります」
穂積
「振り出しに戻すな!どうしてもと言うなら、俺と、このチビもお前の部屋に一緒に泊まるぞ!」
翼
「えー、大人二人とこの子たち二人ですか?……寝られるかなあ」
小野瀬
「ダメ!」
今度は小野瀬がダメ出しした。
小野瀬
「あのね、櫻井さん。部屋の広さの問題じゃないの。きみ、部屋に穂積を泊めても平気なの?」
翼
「室長なら寮監さんの許可が取れそうな気がします」
全員
「そこじゃない!」
翼
「え、じゃあどこが問題ですか?」
穂積
「問題無いわよねえ。大丈夫よ、櫻井。初めてでしょ?優しくしてあげるから」
穂積が翼の肩を抱く。
翼
「ハイ」
小野瀬ほか全員
「絶対ダメー!」
小笠原
「……じゃ、解決するまでは、全員でここに泊まり込みだね」
お泊まり問題は、小笠原の溜め息で締め括られた。
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07/04(Thu) 07:32
お仕事問題。
小春
小野瀬
「細野や太田には、何て説明すればいいのかな……」
徐々に今後の身の振り方が決まって来ると、小野瀬は仕事の方が気になってきたようだ。
大きな案件は片付いていると言っても、元々鑑識は激務だ。
人一倍働く小野瀬が欠けたら、通常業務もたちまち滞るに違いない。
何より、小野瀬を敬愛する細野や太田が、出勤して来ない彼を心配して騒ぎ出すのは時間の問題だ。
小笠原
「姿を見せなきゃ無断欠勤になっちゃうもんね。実際は出勤してるのに」
明智
「とりあえず、インフルエンザとか?夏ですけど」
藤守
「じゃあ、食中毒?」
穂積
「ま、インフルエンザが妥当かしらね。それなら見舞いにも行かないし」
全員が簡単に話しているが、医師の証明書が必要な病欠を擬装する気満々なのが怖い。
穂積
「不在の間は、鑑識の仕事はワタシが手伝うしかないかしら」
小野瀬
「え、お前が?」
穂積
「先日、鑑識の仕事を猛勉強したような気がする」
小野瀬
「『気がする』だけだよ!掲示板リレーの話だろ。あれは結局、実際には入れ替わってなかったんだから。猛勉強したのは実は俺自身だ」
明智
「……」
藤守
「そのリレーの話、明智さんの前でしない方がいいんちゃいますか」
穂積
「ごめん」
明智
「謝らないで下さい。藤守も気を遣うな」
藤守
「すんません」
穂積が咳払いをして、続けた。
穂積
「ま、仕事が滞って、ガリガリくんやフトシが困るのは可哀想だから。鑑識には小笠原を貸し出すわ」
いいわね?と尋ねる穂積に、頷く小野瀬と嫌そうな小笠原。
小笠原
「こっちにいる方が面白そうなのに」
如月
「気持ちは分かります。室内を録画しといたらどうですか?」
穂積
「特に事件が無ければ、櫻井と小野瀬も鑑識に置くわよ。その方が小野瀬も安心でしょ?」
穂積の提案に、小野瀬も頷く。
捜査室から二名が小野瀬ラボの手伝いに貸し出されるというのは申し訳ない事態だが、状況が状況だから仕方がない。
藤守
「そしたら、小野瀬フィギュアはラボの引き出しやのおて、捜査室に置いておくほうがええんちゃうか」
明智
「そうだな。櫻井のポケットに本体がいるんだから、万が一、両方を一度に目撃されるとまずい」
泪
「賛成」
ミニ穂積は小野瀬フィギュアが捜査室に帰ってくると聞いて嬉しそう。
藤守
「ほな、すぐ持って来ますわ。小野瀬さん、どこの引き出しですか?」
小野瀬
「一緒に行くよ」
小野瀬は藤守のポケットに飛び込んだ。
数分後。
藤守
「持って来ましたー!」
藤守が、ポケットからフィギュアを取り出して、元気よくミーティングテーブルに置いた。
小野瀬
「痛い!」
藤守
「あ、すんません。こっちは本物やったか」
そう言って、反対側のポケットから、今度こそフィギュアを取り出してミーティングテーブルに置いた。
泪
「おかえりー。よし、早速新しい必殺技を試そう」
小野瀬
「俺は本物だよ!」
泪
「どっちでもいい」
小野瀬
「痛たたた!」
小笠原
「やっぱりこっちにいる方が面白そうなんだけど」
慌てて翼が止めに入り、小野瀬(本物)を抱き上げた。
翼
「穂積くん、小野瀬さんをいじめちゃダメ!」
泪
「鍛えてやってんだよ」
翼
「もう!……小野瀬さん、怪我してませんか?」
そうして、白く柔らかい指先で、小野瀬の乱れた髪を直した。
翼
「大丈夫です、小野瀬さん。私が守ってあげますからねっ!」
小野瀬
「あはは……ありがとう」
翼
「今夜は一緒のお布団で寝ましょうね!あ、シャワーが先ですね!」
全員
「オイ!」
翼の天然な発言に、全員がツッコむ。
またしても周りの男たちの嫉妬と羨望の嵐が巻き起こる中、小野瀬は翼のポケットの中で、これから始まる全員での泊まり込みを想像して、戦々恐々とするのだった。
……この続きは全員での泊まり込みの話でも、翌日以降の話でもどちらでもいいです。
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07/04(Thu) 08:47
やっぱこっちでしょ
とも
~その夜の捜査室~
小笠原
「なんでみんな川の字になって寝なくちゃいけないの?」
如月
「ちょっ、藤守さん、こっちに来すぎですよ!狭いじゃないですか!」
藤守
「お前がちっさいのが悪いんじゃ」
明智
「穂積くん、これでどうですか?」
泪
「あぁ、大丈夫だ。ありがとう」
穂積
「ホラ櫻井、もっとこっちに寄ってもいいわよ。ちっ、小野瀬が邪魔だな」
小野瀬
「いたた、こら穂積、髪を踏んでる!」
結局全員で泊まり込むことになった一同。誰もが翼の隣を狙っていたが、二人の悪魔に逆らえるハズもなく、現在に至る。
メンバーの位置
如月・藤守・明智・泪・翼・小野瀬・穂積・小笠原
櫻井
「みんなで寝るのって修学旅行みたいで楽しいですね。小野瀬さん、寒くないですか?」
小野瀬
「ありがとう。こうやって櫻井さんの寝顔を見れるなんて、小さくなって得したかな」
穂積
「やっぱり小野瀬は櫻井の隣にしておけないわ」
藤守
「ええなぁ、俺も櫻井の寝顔みたい~」
如月
「俺だって隣が図体デカイ男とかイヤですよ!」
小笠原
「zzz 」
櫻井
「皆さんも…早く…寝ないと…zzz 」
明智
「寝た…」
泪
「どんだけ無防備なんだよ」
このあと男たちは(小笠原除く)翼の寝顔を見ながら理性を総動員して朝まで過ごした。
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07/04(Thu) 09:19
おはようございます♪
くちびる
仕事前にちょっとだけ…( 〃▽〃)
朝になった。
翼と小笠原以外の面々は理性との戦いでほとんど眠れないままグッタリしていた…。
当の翼は可愛い寝顔で幸せそうにまだすやすやと眠っている。
両隣に小さい穂積と小野瀬を抱えてよっぽど嬉しかったんだろう。
小笠原もまだ寝ている。
小笠原
「Zzz …」
穂積
「全く…小笠原はいつもの事だけど…櫻井は本当にお・こ・ちゃ・まだわね。」
翼の無防備な寝顔を眺めながら深いため息をつく穂積。
時計を見ると、まだ6時前だ。
もう少し寝かせといてもいいか…。
そう思いながら翼を見つめる穂積だった。
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07/04(Thu) 09:33
ともさん、くちびるさん、ありがとうございます♪
小春
ともさん、川の字の配列が絶妙(笑)
くちびるさん、ほのぼのな朝をありがとうございます。
癒されたわ…。
というところで、リレーの続きは「ある日の創作室3rd」へ。
作家様、読者様、引き続きよろしくお願いします。
07/04(Thu) 10:38
私も寝落ち。
清香
おはようございます。
今日も元気にいってみよう!
~小野瀬ラボ~
太田
「御大が…」
細野
「インフルエンザ!?」
予想通り朝になってもやってこない小野瀬にオロオロした細野と太田は、ラボへとやってきた穂積と小笠原、そして翼からの話に驚きを隠せなかった。
太田
「こんな時期にインフルエンザにかかるなんて…。」
細野
「御大、働きすぎでしたからね…。」
穂積
「疲れも溜まっていたんでしょう。薬を飲んで安静にしておけば大丈夫だから、そんなに心配しなさんな。」
明らかにショボくれた感を表す二人に、翼のポケットの中から様子を伺っていた小野瀬の胸が痛む。
小野瀬
「ゴメンね、二人とも。」
細野
「えっ?」
太田
「今、御大の声が聞こえた気がしたんですか…。」
慌てて口に手を当て、翼のポケットの中にしゃがみこむと、翼の胸もドキドキとしているのが服越しの鼓動で伝わってくる。
小野瀬
「…ふふふっ。」
穂積
「気のせいじゃない?それか幻聴か、小野瀬の生霊でしょ。」
『それより』と手をパンッと叩いて気を逸らすと、穂積が両脇に立つ小笠原と翼の背中をそっと押して一歩前に出させた。
穂積
「小野瀬がいない間、ウチの小笠原と櫻井を貸してあげるわ。小野瀬ほどじゃないけれど、ある程度の戦力にはなるでしょう?」
小笠原
「…む。」
翼
「よろしくお願いします。」
ぺこりと頭を下げる翼に対して、『ある程度』と称されたのが気に入らないのか、小笠原が膨れる。
穂積
「アンタはうちの子だから小野瀬ほど鑑識の仕事が出来なくていいのよ。ま、頑張って恩を売っておいてね。」
小笠原の頭をぽんぽん撫でて穂積はラボを出ていってしまった。
撫でられた頭をさすりながら空いているデスクへと小笠原もつき、早速ナナコを立ち上げて作業を開始する。元々科警研から出向しているのと、いつもラボで調べ物や居眠りをしに来ているせいか、『勝手知ったる他人の家』状態だ。
細野
「では、櫻井さんは指紋の照合をお願いします。以前やった事がありますよね。」
翼
「はい、大丈夫です。」
小野瀬のデスクにつき、パソコンの画面を見ているとシャツのポケットの中から小野瀬が翼を見上げていた。
翼
「?」
小野瀬
「見・え・な・い。」
指でパソコンを示し、声に出さずに口パクだけでそう言うと、くちびるの動きで分かったのか翼がジャケットを脱いで椅子の背もたれへとかけた。
ジャケットがなくなった事によって開かれた視界に、小野瀬はニコリと微笑み、翼も笑顔をかえす。
分からない事はたくさんあるけれど、きっと小野瀬とならやっていける。
そんな確信めいた思いが翼の心に広がっていったのだった。
[削除]
07/04(Thu) 11:34
清香さん、ありがとうございます
小春
~捜査室~
退屈だ。
ミニ穂積はそう思いながら座っていた。
小野瀬と違って、穂積には本体がいる。
仕事をする必要が無いし、観客のいない人形相手のプロレスにも飽きてきた。
明智が気を遣って自分の机の上に穂積を座らせ、時々、作成中の調書への助言を求めたりしてくれるが、正直言って退屈な事この上ない。
俺は何のために生まれてきたのかなあ。
真剣な表情で仕事に取り組む明智の横顔を見つめながら、ミニ穂積はそんな事を考えていた。
[削除]
07/04(Thu) 12:05
繋がるか?
清香
~捜査室~
今朝まで賑やかだったものの、藤守と如月は連続空き巣事件の聞き込みへ行ってしまい、小笠原と翼は鑑識へ手伝いにいってしまったので、捜査室には大小の穂積と明智だけとなってしまった。
静かになった室内にパソコンのキーボードを叩く音だけが響く。
泪
「つまらない。」
明智のデスクで打ち込まれる報告書を見ながら、ミニ穂積が呟く。
明智
「そう言われましても…。」
泪
「お前は捜査に行かないのか?」
明智
「刑事は単独行動禁止ですし、今抱えている事件の捜査は櫻井とペアになっていましたから。室長はこの後会議があるので、如月が藤守が戻ってきたら行きますよ。」
『仕方が無い』と言いたげに明智が微笑むと、ミニ穂積が座っていた書類の束からピョンっと飛び降りて、パソコン画面を遮るように立った。
泪
「じゃあ、俺がペアになる!」
明智
「えぇっ、穂積くんが…ですか!?」
名案だとニッコリ笑うミニ穂積に、いつの間にかやって来た大きな穂積も苦笑いをしている。
穂積
「悪いけど、面倒みてやってもらえないかしら?一応コイツがいれば、単独行動にはならないし。」
明智
「で、でも…」
すでに明智のジャケットに潜り込もうとしているミニ穂積を見ながら、明智は言葉を濁す。
穂積
「自分の事だから何となく分かるんだけど、みんなが仕事しているのに何も出来ない自分が歯がゆいのよ。」
明智
「室長…。」
穂積
「それに、自分達のせいでみんなの仕事が滞るのも嫌なのよね?」
明智のジャケットの上から少し膨らんだポケットを穂積が人差し指で突くと。
泪
「余計なことを言うな!!」
真っ赤な顔でミニ穂積か顔だけ出して抗議をする。
穂積
「くれぐれも人前に出るんじゃないわよ?」
泪
「んなもん、分かってる!これでも刑事だ!」
穂積
「あら、そうだった。」
笑いながら会議に行く大きな穂積の背中を見送りながら、明智とミニ穂積も捜査へと出かけたのだった。
[削除]
07/04(Thu) 14:49
エミさんからのリクエスト(今頃:笑)
小春
終業時間間際になって、明智が帰って来た。
藤守
「あっ、来た来た!」
如月
「お帰りなさーい!」
ミーティングテーブルを囲んで、翼の淹れてくれたお茶を飲んでいた全員の中から、藤守と如月が真っ先に迎えに出た。
藤守
「明智さん、お疲れ樣でした!」
如月
「お疲れ樣でした!」
目を輝かせて近付いてくる二人に、明智はくすくす笑った。
明智
「お前らの目当てはこっちだろ」
明智は笑顔のまま、二人に向かって、手に提げていた小振りのコンビニ袋を差し出した。
きょとんとしながら袋の中を覗き込んだ二人は、同時に噴き出した。
袋の中では、薄汚れたミニ穂積が笑っていたのだ。
藤守
「何でそんなに真っ黒なん?」
如月
「泥だらけじゃないですか!」
泪
「明智が、自販機の下に100円玉を落としたんだ」
藤守にティッシュで顔を拭いてもらいながら、ミニ穂積が笑う。
明智
「いいって言ったんだが、穂積くんが潜って拾ってきてくれたんだ」
泪
「ほかにも500円落ちてた」
なるほど、ミニ穂積の入っている袋の底には、数枚の小銭があるのが透けて見えている。
明智
「それで汚れたから、俺のポケットには入らないって言って。仕方がないから、コンビニの近くに落ちてた袋に入ってもらって、連れて帰ってきたんだよ」
07/04(Thu) 16:01
楽しい(ノ∀`)
清香
翼
「あっ、じゃあ、私お風呂の準備します!」
小笠原
「お風呂?」
翼
「はい!ちょっと待ってて下さいね!」
いつもコーヒーを淹れる時のように、ポットを抱えて翼は捜査室を飛び出して行った。
数分後。
翼
「お待たせしました。総務からタオルももらって来ましたよ。」
給湯室のタライにポットにタオルと、大荷物で戻って来た翼を如月と藤守が助ける。
如月
「そっか、お風呂ってこれか!」
翼
「はい!」
藤守
「二人にはお風呂って言うより、プールやな。」
ソファーセットの前のテーブルにタオルを敷き、タライにお湯を張ると、ミニ穂積は嬉しそうに中を覗き込んだ。
泪
「おっ、本当にプールみてぇ!小野瀬、中で泳ごうぜ!」
ジャケットを脱ぎ捨ててさっそく入る気満々な穂積が、同じようにテーブルに乗せられた小野瀬の腕を取って誘う。
小野瀬
「えっ、俺も!?」
泪
「当たり前だ!準備できたんだから、とっとと入るぞ!」
こんな衆人環視の中で入るのもなぁ…と思っていると、翼がタオルと小さな洗面器、そしてピンクのボトルを持って来た。
翼
「小野瀬さんも慣れない環境でお疲れでしょうから、お風呂に入ったらいかがですか?お好きなロクシタンのシャンプーとボディーソープがありますよ。」
小野瀬
「あれ、櫻井さんもコレ使ってるんだ。」
翼
「……はい。」
『小野瀬が使っているから』同じような髪になれたらいいなと買っておいた物だが、まさかこんな所でバレるとは。
赤くなりそうな頬を見られないよう小さな洗面器にもお湯を張り、泥だらけなミニ穂積を呼んだ。
翼
「穂積くん、先に身体を洗ってから入って下さいね。」
『どうぞ』と翼が洗面器を差し出すが、さっきまで入る気満々だったミニ穂積は何やら戸惑った様子でいる。
翼
「どうしたんですか?遠慮なさらずに、どうぞ?」
泪
「え……っと、お前が洗うのか?」
翼
「…はい。そのつもりで…」
「「「ダメー!!」」」
藤守、如月、小笠原の声が重なる。
小野瀬
「櫻井さん、気持ちは嬉しいんだけど俺たちは小さいとは言え、男だよ?」
翼
「…?……はい。」
小野瀬
「裸を見られるのは、出来れば元のサイズに戻ってからの方がいいんだけどな。」
翼
「あっ…!!すみません!!!」
やっと皆が反対する理由が分かったのか、慌てて後ずさる翼に、皆苦笑いだ。
明智
「俺がお世話をするから、櫻井は今のうちに冷たいお茶を用意しておいてくれないか。この大きさの風呂なら、きっと上がった後は喉が渇くだろうからな。」
翼
「…はい。」
明智
「ありがとう。助かるよ。」
明智が頭を撫でながら、手に持っていたシャンプーのボトルを取って行く。
明智
「さぁ、二人とも、お風呂の時間ですよ。」
泪
「おぅ!」
小野瀬
「はいはい。」
タライを囲むように立ってミニ穂積と小野瀬を楽しそうに洗う男達を、翼は肩を落としながら見つめていたのだった。
もう一個書きます。ちょいお待ちを。
[削除]
07/04(Thu) 16:49
お待たせです。
清香
如月
「さぁ、あの時のお返しだ!」
泪
「うわぁ、やめろー!」
藤守
「小野瀬さん、大雨警報ですよー!!」
小野瀬
「なんで俺までー!」
明智に洗ってもらったミニ穂積と小野瀬は、大きなタライに入れられた。
二人には温水プールのような大きさで、最初は普通に泳いだりしていたのだが、席を外した如月と藤守がコンビニ袋を手に戻って来ると、状況は一変したのだった。
如月の手には小さな水鉄砲が、藤守の手には緑色のゾウのジョウロが握られている。
数ヶ月前のキャンプの恨みか、二つの武器で襲いかかる如月と藤守を止める者はいない。
今まで助け舟を出していた翼も、ハラハラしながら遠くで様子を見ているだけだ。
如月
「ひゃははは!」
藤守
「やーい!」
いじめっ子な小学生のように攻撃をしてくる二人に、さすがのミニ穂積も小野瀬も疲れが見えてきた。
逃げるスピードが遅くなり、足がもつれ始める。
明智
「如月、藤守、そこまでだ。もうやめろ。」
凛とした声で制止したのは、やはり明智だった。
タオルを手に広げタライの近くに寄ると、ミニ穂積が手を伸ばす。
泪
「明智ぃ、助かった。」
明智
「それでも穂積くんは楽しんでたでしょう?」
泪
「でも、疲れたぁー。」
明智
「冷たい麦茶を櫻井に用意してもらったので、飲んだら一休みして下さいね。」
泪
「…んー、わかった。」
明智に頭や背中を拭いて貰いながらも、ミニ穂積は今にも寝そうだ。よほど疲れてしまったのだろう。
一人で服を着替えることも出来ず、明智に着替えさせてもらってる。
小野瀬
「おいおい、子どもじゃないんだから、起きろよ。」
泪
「…んー。」
小笠原に差し出されたタオルで身体を拭きながら、小野瀬がミニ穂積を小突くも、反応は薄い。
明智に抱えられながら連れて行かれるミニ穂積を見ていると、捜査室の片隅で背中を向ける翼の姿があった。
なんとなく、その背中が泣いているようで。
小野瀬
「ふふふっ。」
小笠原から着替えを受け取ると、邪魔にならないよう洗った後に結んでいた髪を解く。
ポタリと髪の先から垂れる雫を軽く拭くと、出せる限りの大きな声で翼を呼んだ。
小野瀬
「櫻井さん、ドライヤーってある?」
翼
「えっ、あっ、は、はい!!」
いきなり声をかけられて挙動不審になったものの、ロッカーからピンクのドライヤーを出してコンセントを繋げると、小野瀬が両手を差し出してきた。
小野瀬
「お待たせ。髪を乾かしたいんだけど、やって貰えるかな?」
翼
「私でいいんですか?」
小野瀬
「君にお願いしたいんだ。ダメかな?」
抱き上げられた腕の中で翼の頬に触れると、さっきまでの沈んでいた顔がぱぁっと嬉しそうに輝く。
翼
「ダメじゃないです!頑張ります!」
小野瀬
「ありがとう、櫻井さん。」
今までは大きな穂積による教育で「危険人物」と距離を置かれていたのに、小さな小野瀬にも手に取るように分かってきた、翼の心の中の小さな感情の芽。
幼さの残る彼女だけれど、このまま一緒にいれば、もしかしたらその芽を少しずつ成長させられるんじゃないかな、と思ったりもする。
そしてそれは、彼女が自分にとって『唯一の人』になるということに繋がることなのかもしれない。
全ては「たられば」の話だが、それでも今はお世話をする事を楽しむ彼女の脳に残るよう、たくさん構ってもらおうと思っていたのだが。
まさかこんな事になるなんて。
[削除]
07/04(Thu) 17:18
あらら
とも
翼がドライヤーのスイッチを入れ、小野瀬の髪を乾かしていく。 彼女の顔はそれはそれは嬉しそうな表情をしていた。
櫻井
「小野瀬さん、熱かったら遠慮なく言ってくださいね」
小野瀬
「ありがとう。とても気持ちいいよ。櫻井さんは髪を乾かすの上手だね」
ニッコリ笑い返すと少し頬を赤らめた。
穂積
「面白くないわね。櫻井、ちょっとドライヤー貸しなさい」
小野瀬
「俺は櫻井さんに頼んでやってもらってるの。お前は雑にやりそうだからイヤだって…うわぁ!」
穂積は翼から無理やり奪ったドライヤーを小野瀬に向け、スイッチを『強』にかえた。すると、台風並みの突風が小野瀬を軽々と吹き飛ばしてしまったのだ。
[削除]
07/04(Thu) 18:20
仕事終了(~▽~@)♪♪♪
くちびる
こんな感じでいいかな!?
小野瀬
「ウワアアア~!」穂積からの強烈な風で小野瀬は一回転してしまった。
翼
「小野瀬さんっ!」
慌てて小野瀬の元に駆け寄る翼。そして穂積をきっと睨みます、「室長っ!私が乾かすって言ったじゃないですか!!強風にするなんて…ひどいっ!」
翼にふんっとそっぽを向かれて、穂積のダメージはMAXに。
[削除]
07/04(Thu) 18:55
くちびるさん、すみません。
小春
お待たせしました。
大丈夫、繋がります。
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