バッドエンドから始まる物語~穂積編~
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~翼vision~
翼
「私、……私、穂積さんと、ずっと一緒にいたいです」
言った後で、顔が熱くなる。
穂積さんは微かに頬を緩めたけど、軽く首を傾げた。
私は心の中で、今の自分の言葉を反芻してみる。
もっと、はっきり言わなくちゃ駄目?
翼
「私は、もう、穂積さんと離れたくないです」
自然と、涙が込み上げてきてしまう。
翼
「捜査室から外されて、毎日、自問自答を繰り返して来ました。どうすれば良かったんだろう、どこで間違えたんだろう、って……。でも、そんな日々は、もう、嫌なんです」
私は思い切って口に出した。
翼
「捜査室に戻りたいです。穂積さんの傍にいたいです」
穂積
「欲張りだな」
翼
「う」
叱られたのかな。
穂積
「俺にそっくりだ」
翼
「……え」
穂積
「だが、大事な時にはっきりしないのは、悪い癖だぞ。まあ、今のは俺も悪かったな」
穂積さんはそう言うと、改めて、真顔になった。
穂積
「結婚しようか、櫻井」
この人らしい、真っ直ぐな問い掛け。
穂積
「二人で、一緒に暮らそう」
私の頭の中で、今までの彼の言動が、全て繋がってゆく。
俺はもう、お前の上司じゃない。
今なら考えてもいい。
お前を誘うのは、穂積泪としてだ。……それでいいか?
俺たち、いつまでも、このままじゃいけないよな。
お前はどうしたい?
翼
「……あ」
穂積
「やっと伝わったか?」
穂積さんは少し頬を染めて、微笑んだ。
穂積
「結婚しよう、翼」
それは思いがけない、けれど、ずっと、夢見ていた言葉。
私は込み上げてくるものを抑えて、頷いた。
翼
「はい」
それしか言えない。
翼
「はい、喜んで」
答えた瞬間に、穂積さんが立ち上がった。
と同時に両脇に手が差し込まれ、私の身体は、穂積さんに高々と持ち上げられていた。
穂積
「はい、確保!」
「よし!」
「おおーっ!」
「おめでとう」
「やったーっ!」
「おめでとう!!」
周りから、一斉に拍手と歓声が起こった。
ビックリしているうちに、一瞬落ちるような感覚があって、私は、穂積さんにしっかりと抱き締められた。
穂積
「一生守って、幸せにする。約束する」
力強い腕の中で、私は確かに、穂積さんの声を聞いた。
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