『いつか大人になる日まで』番外編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
03/02(Sat) 16:35
無難に繋ぐ。
小春
穂積
「舞の様子は?」
前を見たまま穂積が問う。
小野瀬
「声は普段通りだったが、『出来ればゆっくり来てほしい』って」
穂積
「どうして」
小野瀬
「『片付けなくちゃいけない』って」
穂積
「何を」
小野瀬
「……何をだろう?」
穂積
「なぜ、肝心な事を訊かん!」
走行中でなければ、小野瀬の首根っこを掴みそうな勢いだ。
藍
「泪さん、落ち着いて」
穂積
「藍、俺は物凄く落ち着いてる。今、頭の中はとてもクールだ」
言葉の通り、助手席の藍に向けられる穂積の声は笑いを含んでいる。
そして実際、穂積の端正な美貌の口元には微笑みさえ浮かんでいる。
藍はまだ知らないようだが、穂積がこういう時に浮かべるこの笑顔の恐ろしさを、小野瀬と小笠原はよく知っている。
穂積
「小野瀬、舞はどの部屋にいる?TVの音は聴こえたか?室内の人数は?相手との距離は?」
穂積は質問を変えて来た。
静かな声音だったが、小野瀬は背筋が寒くなるのを覚えた。
穂積自身が電話で話をしたなら、あの短時間でもそれだけの事を察知したのだろうか。
小野瀬は一つも答えられなかった。
小笠原
「もう一度、掛けてみれば?」
小笠原が助け船を出してくれた。
小野瀬
「あ、ああ、そうか」
小野瀬は再びスマートフォンを操作しようとして……首を傾げた。
小野瀬
「あれ?まだ、通話中か?」
半分独り言のように言って、小野瀬はそれを耳に当てた。
03/02(Sat) 18:20
『ある日の創作室』について2nd
清香
なぜかリレーSS会場になっております。
参加者求む。
[削除]
03/02(Sat) 19:28
とりあえずコピペ
清香
*ここまでのあらすじ*
小野瀬と櫻井翼の間に生まれた一人娘、藍。
彼女は幼い頃から慕い続けた父の友人穂積泪と結ばれ、現在、中学生になったばかりの娘、舞とともに、三人で暮らしている。
掲示板限定のパラレル設定により未だに警視総監の父と、祖父になった小野瀬葵(こちらもまだ現役)は、ともに舞を溺愛している。
そんなある日、小野瀬家に遊びに来ていた舞は、『山田さんに誘われた』と言って出掛け、父と祖父を慌てさせる。
急いで穂積に連絡をとる小野瀬だが、穂積は部下の小笠原から連絡を受けて、すでに舞を尾行していた。
その後、食事を終えた舞は無事に山田と駅で別れる。
いったんは小野瀬宅に集結して穂積からの報告を聞いていた一同だったが、舞が真っ直ぐに自宅に帰らず、桜新町を経由した事を知る。
しかし、小笠原によって行動を割り出された舞の現在地は、なんと穂積の自宅であった。
さらに、駐車場の防犯カメラには、男性と同行する舞の姿が。
しかも、舞と男性がいるはずの家には、続々と得体の知れない人物が集まってくる。
ついに、居ても立ってもいられなくなった保護者一同は、気を失った小野瀬とともに穂積の自宅を目指す。
[削除]
03/02(Sat) 21:03
ここまでのあらすじ その2
小春
穂積たちの留守に舞が自宅に連れ込んだ『先生』は、明智であった。
警視総監として間もなく退官を迎える父・穂積と、女性ながらも警察キャリアとして忙しく働く母の為に、『何か、喜ぶ事をしてあげたい』と願う舞の心に打たれた明智は、彼女に料理の手ほどきをするため、穂積家を訪れたのであった。
そして、続いて現れたバイクの男性は、藤守であった。
同じように忙しく働きながらも、いつも舞を愛してくれる小野瀬家の祖父母へのプレゼントを舞に頼まれ、銀座まで買いに行っていたのだ。
……ここで一旦CM。
さらに、このささやかな思い付きのため、たくさんの花を用意してきた女装中の如月も加わって、穂積家では、サプライズパーティーの準備が着々と進んでいくのであった。
一方、小野瀬家にいた穂積、藍、小笠原は、気を失ったままの小野瀬を車に放り込んで、穂積家に向かって出発した。
車中で目を覚ました小野瀬に、穂積は、舞の携帯に電話をかけてみるよう命ずる。
小野瀬はすぐに電話をかけるが、電話に出た舞から『出来るだけゆっくり帰って来て欲しい』『片付けないといけないから』という意味深な言葉を聞いただけで、通話を切られてしまう。
舞を心配するあまり、冷静さを欠いてゆく車内の小野瀬たち4人。
穂積たちを喜ばせようと、内緒で作業を続ける、穂積家の4人。
だが実は、まだ、小野瀬と舞との通話は切れてはいなかった。
舞は、自分のポケットの中の携帯がまだ祖父と繋がっている事に、全く気付いていない。
一方、小野瀬は、さっき切れたと思い込んでいた舞との通話が、まだ繋がっていることにひとり気付く。
穂積が交通ルールを守りながらも全速力で車を走らせる中、小野瀬は、スマートフォンからの音に耳を澄ませた。
リレー小説2日目も佳境に近付いているのか?
清香と小春が待ち望む、新たな執筆者は現れてくれるのか?
ここまでの詳しいストーリーが気になる方は、まずは掲示板『ある日の創作室について』をお読みください。
そして再びここに戻ってきてね!
求む勇者!
[削除]
03/02(Sat) 22:16
こんなんでもいいのかな?
とも
祖父は自分のスマホに耳をあてた。
『、、、何だって?』
『今うちに、、、そうなんです。早く、、と、せっかくの、、が、、、になってしまいますね…』
『まずいな。時間が、、。こう、、、たら、、、して、、、』
穂積
「もうすぐうちに着くぞ。小笠原、うちのマンションの駐車場に停まってる車のナンバーはまだ割り出せないのか?」
小笠原
「気分悪いけどやってるよ。…あれ、この車のナンバーは確か…」
穂積
「着いたぞ。みんな俺の合図で突入する。藍は舞を保護、俺と小野瀬と小笠原はホシを確保だ。」
「「「了解。」」」
…短かっ!
[削除]
03/03(Sun) 06:25
寝落ち→早朝の投下(2回目)
清香
自宅駐車場に車を停め、小野瀬のスマートフォンをスピーカーモードにして微かに聞こえる室内の様子を聞き逃すことが無いよう、息を潜め突入のタイミングを計る穂積達。
一方、その頃の舞達はというと。
舞「と、とりあえず片付けなきゃ!バレたら台無しになっちゃう!皆さんは…どうされますか?」
如月「俺は洗面所にでも隠れよーっと。」
藤守「じゃあ、俺はトイレかな。…っと、どうします?」
呆れた様子で見てい明智に藤守が尋ねた。
明智「俺は引き続きキッチンにいるさ。さぁ、舞、仕上げをしてしまおう。」
舞「あっ、はい。先生、よろしくお願いします。」
明智「時間が無いから手早くいくぞ、いいな?」
舞「はいっ!」
~穂積達~
穂積「相手は3人か。洗面所・トイレ・キッチンに潜伏している模様。舞はキッチンに『先生」と呼んでいる奴と一緒だ。…人の家で好き勝手しやがって。絶対にブッ潰してやる。」
藍「…泪さん。」
小笠原「ねぇ、警視総監。あそこの車って…。」
そう言いかけた時、室内の様子を伝えていた小野瀬のスマートフォンから信じられない言葉が聞こえてきた。『静かに』と手で制され、小笠原は何も言えなくなってしまう。
「…りあえず、一回、、ってみようか。何事も…練、習、、だか…な。」
「は、はい。」
「そ、…だ、強く握らないで…、優しく…、、中に入れたら、…動かさないで。」
「…うですか?」
「あぁ、上手…だ。あっ、強く握っちゃダメだ、ぞ…、もっと優し…、そうだ、ほら、もう一回…やってみろ、…」
「ずいぶん、アツい、ですね…」
「…これば…は、仕方…な…ろう。アツい…モノだ」
「あっ、痛っ!」
「大丈…夫か…、無理しない…で良い…んだぞ。」
「無理…じゃな、…です。頑張り…ます」
「そうか、じゃあ、続けるぞ…」
「…は、…い。」
果たしてキッチンでは何が起きているのか!
そしてこの会話を聞いた保護者達はどうするのか!
待て、更新!←ここで振ってみる。
03/03(Sun) 07:22
おお
小春
勇者ともさんが現れた!ありがとおっ!
さあリレーも三日目、そろそろゴールが見えて来たか?
それとも新たな勇者によって、さらなる急展開があるのか?
そして清香さんは何を企むのか?!
腹を抱えて笑っている場合じゃないぞ!
今日も元気にいってみよう!
小笠原
「(……藍さん)」
小笠原が、藍の肩をつついた。
藍と目が合うと、唇に人差し指を当てたまま、後ろ向きの忍び足で、静かに穂積と小野瀬から離れてゆく。
藍はすぐに小笠原の意図を察して、自分も同じように後退りして、スマートフォンに聞き耳を立てている二人から離れた。
十歩ほどの距離をおいてエレベーター寄りに立つと、小笠原が小声で囁いた。
小笠原
「(小声)先に行こう」
藍
「(小声)えっ、でも」
藍は二人が気になるようだ。
小笠原
「(小声)僕には落ちが見えた。藍さんもだろう?」
藍
「(小声)私には、まだ、何も。……でも、この車は確か」
小笠原
「(小声)上出来だ。どうせもうあの二人、何も見えてないから。早く」
小笠原に導かれ、藍は一緒にエレベーターに乗った。
[削除]
03/03(Sun) 08:30
今日こそオチをつけようじゃないか。
清香
勇者ともさん、ありがとう。
引き続きご参加をお待ち申し上げております。
小春さん、最終的なオチは始めたあなたにかかってることを忘れないでー。
さぁ、ひな祭りの用意を何もしてないが、いってみよう!
~エレベーター内~
小笠原「あの車に気がついた?」
藍「ハイ。あれは確か明智さんの…。」
小笠原「そう。明智さんの車。隣にあったのは藤守さんのバイク。さっき調べたら、如月はキャバクラに潜入捜査の後、直帰してるって。」
藍「と、言うことは、今うちにいるのは…。」
小笠原「舞ちゃん・明智さん・藤守さん・如月の4人だね。」
藍「でも、何でまた…。」
小笠原「それを確認しに行こう。大丈夫、あのメンバーなら舞ちゃんに何かしたら命が無いことは分かってるから。」
藍「でも、お父さんと泪さんはどうすれば…。」
小笠原「あぁ、念のためにストッパーにも連絡しておこうか。」
藍「ストッパー…、ですか?」
小笠原「うん。君もよく知っている人だよ。さぁ、家が壊れないよう早く行こう。」
~穂積と小野瀬~
穂積「……。」
小野瀬「……。」
穂積「………(怒)。」
小野瀬「(小声)………穂積、俺の携帯を握りつぶそうとしないでくれ。」
穂積「(小声)俺の舞が………。まだ中学生だぞ!」
小野瀬「(小声)あぁ、分かってる。生きて返すつもりは無い、そうだろう?」
穂積「(小声)……もちろんだ。絶対にブッ潰してやる。」
立ち上がった二人は家に乗り込むべくエレベーターへと向かった。小笠原と藍が居ないことに気がつかないくらい怒り、我を忘れた二人だったのだ。
~穂積宅~
舞「…どうですか?」
藤守「めっちゃ上手やん!!!」
如月「本当!中学生とは思えないよ!!」
明智「手つきも悪くないしな。後は練習あるのみだ。」
舞「ハイ!頑張ります、先生!!」
明智「さぁ、そろそろ小野瀬さんや警視総監が帰って来るだろう。準備をしよう。」
平和な室内に嵐は訪れるのか!
優しく舞を見つめる明智の身に悲劇は起きるのか!
ストッパーとは誰なのか!
どうぞ!(。・ω・)σ ⌒*
[削除]
03/03(Sun) 09:58
どうぞ!(。・ω・)σ ⌒*じゃねーよ。
小春
清香さん、ひな祭りの準備もお願いしますよ。
藤森
「あれっ、電話や」
穂積家の室内、鳴ったのは藤森の携帯。
藤森
「小笠原やん。(電話に出る)よう。お前どこにおんねん?今な…」
小笠原
『舞ちゃんと、彼女の家にいるんでしょ。知ってる』
藤森
「え?なんで…」
小笠原
『説明は後。落ち着いて聞いてね、藤森さん。警視庁ツートップが、逆上した状態で地下駐車場まで来ている。たぶん、間もなくここまで上がってくるはずだ』
藤森が息を呑む。
長年の付き合いで、小笠原の言葉の意味はすぐに分かる。
藤森
「明智さん!まだ、時間かかりますか?」
キッチンに向かって、大声で叫んだ。
明智
「え?…ああ、今、仕上げに取りかかったところだが…」
藤森
「了解、急いで下さい。如月!外に出ろ!総監たちが来る!玄関で食い止めるで!」
如月はメイクを落とそうと洗面所にいたが、ウィッグを外しただけで飛び出してきた。
如月
「了解!」
この辺りは阿吽の呼吸。
受話器から聴こえる藤森の声を聴いていた小笠原は、静かに通話を切った。
小笠原
「これでよし」
その言葉を裏打ちするように、穂積の家の玄関が内側から開いて、慌ただしく藤森と如月が出て来た。
[削除]
03/03(Sun) 11:16
大丈夫、やればできる子だもん!(`・ω・´)シャキーン
清香
藤守「小笠原、どういうことや?」
如月「あの二人はなんで逆上してるの?勝手に家に入ったから?」
小笠原「…なんか色々と妄想し過ぎたりしているせいもあるんだけどね。」
話をしている3人の横を抜けて藍が室内に入ろうとしたその時。
デデンデンデデン
デデンデンデデン(BGM)
エレベーターが開き、無言で降りて来たのは穂積と小野瀬だった。それぞれ手には拳銃と特殊警棒を持ち、視線はただ一つ、穂積宅の玄関を見据えていた。
穂積「藍。下がってろ。」
藤守「あ、あの…。」
小野瀬「黙れ。」
如月「こ、怖い……。」
小笠原「あのさ…。」
鋭い視線で制され、何も言えなくなってしまう。
早くストッパーがやって来てくれないか。
小笠原はそう願うばかりだった。
穂積「小野瀬、一気に行くぞ。」
小野瀬「あぁ、俺が舞を助ける。」
穂積「なら、俺が相手を仕留める。」
小野瀬「まぁ、殺さない程度にな。」
穂積「もちろんだ。死んだ方がマシだと思わせないとな。」
物騒なことを言い出した二人に、慌てて藤守が間に入った。
藤守「あ、あの、何を勘違いして…、」
穂積・小野瀬「「黙れ。」」
微かに室内から聞こえてくる話し声に二人は神経を集中させていた。
「…もう、、で終わりか?」
「っ、もう…ちょっと、ダメで…か?」
「も…時間が、無いだろ…」
「これで、終わ…だから」
「仕方…、な…な。こ…が最後…、だぞ?」
二人の眼に怒りの炎が揺らめくのが分かる。顔を見合わせ、呼吸を合わせて音を立てずに玄関内へと入って行く姿は、捜査室時代を思い出すくらい息の合ったものだった。
藤守「ア、アカンっ!」
如月「明智さんっ、逃げて!!!」
叫んだ藤守と如月の声がまるで合図にでもなったかのように突入を決めた穂積と小野瀬。
穂積・小野瀬「舞っ!!!」
舞「あっ。お父さんにおじいさま、お帰りなさい。ちょうど良かった。揚げたて、味見してくれますか?」
明智「お邪魔してます…、ってなんでそんな物騒な物を持ってるんですか?何か事件ですか!?」
その眼に映ったのは、お揃いのエプロンを着けて仲良く天ぷらを揚げる舞と明智の姿だった…。
ヽ(・ω・)/ズコー
[削除]
03/03(Sun) 12:05
さあ、そろそろ締めますよ。
小春
参加者の皆様、思い残す事はありませんか?
今日じゅうに落としますよ。
03/03(Sun) 12:19
というか。
清香
何人が見てくれてるのかしら?このリレーSS。
終わらないと、あの夜に集中できません(´Д` )
[削除]
03/03(Sun) 15:58
あ、すみません。
小春
私のターンでしたか?
しばしお待ちを。
[削除]
03/03(Sun) 17:04
小春さん、被ったかも!
せつな
すみません、チンタラ悩んで書いてたら、小春さんのターンに割り込んだかもしれません!!!
ごめんなさい><
サプライズパーティに、ロクシタンのバスグッズも用意したらしいから、無理やり翼cの退院祝いをねじ込んでみました;
なんだったら削除してくださいね;;
[削除]
03/03(Sun) 17:10
せつなさん、ナイスです!
小春
おお、ミラクルに繋がるかも!
ちょっと、順番変えさせて下さいね!
[削除]
03/03(Sun) 17:14
せつなさん、ちょっとお先に。
小春
穂積
「……明智……?」
舞の隣に立つ、長年信頼してきた男の姿に、さすがの穂積の殺気も一瞬翳りを見せた。
だが、小野瀬の方は逆だ。普段は決して見せないような冷ややかな目で、二歳年下の男のエプロン姿をじっと見据える。
小野瀬
「明智くん……きみだったのか」
明智
「えっ?」
明智は戸惑いながらも、手探りで天ぷら鍋の火を止めた。
おそらく、彼の本能が、目の前の獣たちから視線を逸らしてはいけないと教えたのだろう。
穂積
「……舞。ゆっくり、こちらに来るんだ」
舞は、初めて見る父親の硬い表情に戸惑いながらも、傍らに立つ明智を見上げた。
明智は顎で、行け、と促す。
舞
「お父さん、おじいさま。私が皆さんを入れたの。勝手な事をして、ごめんなさい」
穂積
「……いいから来い」
感情を圧し殺した声で言いながら、穂積の表情が苦渋に歪む。
舞は思い切って、穂積の元に走った。
穂積は拳銃こそホルスターにしまったものの、左手に特殊警棒を握ったまま、身を屈めて舞を抱き止めた。
穂積
「舞、無事か」
いつも頼もしくて優しい父親の手が、小刻みに震えている。
舞
「お父さん、どうしたの?お願い。先生にひどい事しないで」
舞は、穂積にぎゅっとしがみついた。
穂積
「……それは、明智の返事次第だ」
穂積は、背後の藍を振り返った。
穂積
「藍。舞を頼む」
言いながら、舞の背をそちらに向けて軽く押し出す。
舞の小さな身体は、歩み寄った母、藍にしっかりと抱き締められた。
舞
「お母さん、お母さんっ」
柔らかい胸に抱かれて、堪えきれずに舞が啜り泣く。
藍
「大丈夫、大丈夫よ。舞は、何も悪くないの。お父さんとおじいさまも、すぐに、分かってくれるから」
舞
「でも……おじいさま、怖い」
言われて藍は、小野瀬の姿を見つめた。
そこにいる小野瀬は、いつもの、あの優雅で穏やかな小野瀬と同一人物とはとても思えない。
小野瀬
「明智くん……昔からムッツリだとは思っていたけど……まさか中学生に手を出すとはね」
これには、さすがの明智も顔色を変えた。
明智
「舞ちゃん本人の前で、その発言は頂けませんね。それをおっしゃるなら、小野瀬さんの過去の一端を、ここで披露してもいいんですが」
まさに、一触即発。
03/03(Sun) 17:16
もちろん見てますとも!
せつな
室長の家並みに散らかってた家の中を片付けてた せつな ですm(ToT)m
「止まりなさい!!」
そこに、鋭い静止の声が響いた。
凛として響き渡る、涼やかでいて重みのある声。
その存在感と、おそらくここにいる誰もが逆らえないであろう、唯一無二の存在。
まさに、本当の主人公は誰だったを思い出させてくれる声無き声の持ち主が、そこに現れた。
「そこの二人とも、すみやかに銃器を下ろして、投降しなさい!!」
殺気立った穂積と小野瀬は、その声のする方を振り向くことのできずに、その場に固まった。
じき永続勤務30数年になろうかというベテラン婦警、くぐった修羅場は数知れない百戦錬磨の刑事課・現役警部補の登場である。
穂積・小野瀬 「・・・翼?!」
元・捜査室の皆さん 「櫻井?! あ、いや、小野瀬・・・翼さん」
藍 「おかあさん!」
驚きを隠せないでいる面々の中で、孫娘だけが明るい笑顔を向けた。
舞 「おばあさま!!ようこそ!退院おめでとうございます」翼 「あら、舞ちゃん、どうもありがとう。心配かけたわね」
小野瀬 「つ、翼、一人で出てきたりして駄目じゃない。・・・っていうか、穂積、どさくさに紛れて人の奥さんを名前で呼び捨てにしないでくれるかな?そもそも、今は義母だろう?それを・・・」
翼 「そんなことは、今どうでもいいんです!!!」
再び、厳しい一喝。
藍 「(小声)・・・確かに・・・・あの二人にとってこれ以上のストッパーはないですね」
小笠原 「(小声)でしょ。電話したら、舞ちゃんに招待されてこっちに向かってるって言ってたから、丁度良かったよ」
翼 「だいたい、何の騒ぎです?せっかく舞ちゃんが私の退院祝いをしてくれると言うのに、携帯に連絡しても話し中で全く繋がらないし、小笠原さんから連絡もらって冷や汗が出ましたよ・・・」
病院に逆戻りになったら、あなたがたのせいですからね!? ビシッッと音がするんじゃないかと思えるほど、翼の指先は、穂積と小野瀬を指し示していて、到底逃れられるとは思えないがあった。
・・・ストッパーって聞いた時、もう、この人しかいねぇ!って思いました~~><b
あとよろしくです~~ 駄文失礼しました;
せつな
[削除]
03/03(Sun) 17:19
せつなさん、ありがとう!
小春
ほら、ピッタリ!
[削除]
03/03(Sun) 18:05
小春さん、ありがとうございます!
せつな
さすがです!
しかも急に翼cの退院祝いが出て、すみませんでした;;
翼cもいい御歳なので、アリかなってことで。
そのまま○投げは困りますよね;
チョイ付け足し。
翼は、藍と穂積が結婚するきっかけとなった、ニーナ女王の来日の際に、体調を崩して入院していた。
もちろん、それは完治したのだが、やはり刑事の激務からか疲労も蓄積しているのだろう。
更に原因不明の貧血を起こし、一ヶ月程警察病院に入院していたのだった。
ようやく一過性の疾患であり、治療が功を奏して退院してきたばかりだったのだ。
突発性血小板減少性紫斑病くらいでどうでしょうww
なんちゃって。
[削除]
03/03(Sun) 18:20
せつなさんへ♪
小春
さすが緻密な設定。
私は創作室の「悪魔は天使に二度恋をする」のまま、癌が再発・転移していないかの検査の為に病院に行っている線を考えていました。
ので、全く問題ないです。
ありがとうございました!
[削除]
03/03(Sun) 19:22
奇跡は信じる者の元で起きる。
清香
せつなさんナイスアシスト!!
さぁ、このリレーSSも佳境ですぞ!
小笠原「さぁ、舞ちゃん、ここからはちょっと君に聞かせたくない話になるだろうから、あっちで藤守さんと如月とゲームでもしててくれる?」
舞「えっ…。」
不安げに母親の藍と、祖母の翼の顔を見比べる舞。
いきなり突入してきた父親と祖父のいつもとは違う形相と、祖母の威厳に満ちた怒りに圧倒され、中学生の舞の心は今にも壊れてしまいそうだった。
翼「…舞。大丈夫よ。お父さんもおじいさまもちょっと勘違いしているだけだから。おばあさまがきちんとお話するから、心配しなくていいわ。」
さっきまでの重みある声とは違う、いつもの柔らかな優しい声とほほ笑みにぽろぽろと零れていた涙がとまった。
舞「…おばあさま、分かりました。待っていますね。」
翼「良い子ね、舞。ありがとう。藤守さん、如月さん、申し訳ないけれど舞をよろしくお願いします。」
丁寧に頭を下げる翼にどう反論できるだろう。藤守と如月も翼の静かな怒りに逆らうことができず、ただコクコクと頷くだけだった。
そしてゲームをしに自室へと向かった舞を見送ると、翼が警棒と拳銃を取りあげ、リビングへと誘った。
翼「葵、泪さん、そちらにお掛けになって下さい。明智さんはこちらへどうぞ。」
ソファーセットに向かい合うように座らせるものの、明智を見る穂積と小野瀬の視線は依然厳しいもので、
明智も謂れのない批判を受け、口には出さないものの表情には怒りが滲みでていた。
今にも殴りかかりそうな両者を一瞥し、翼が話し始める。
翼「…まず、何があったのか教えていただけますか?小笠原さん。」
小野瀬「何があったも何も、コイツが…!」
翼「黙らっしゃい。私は小笠原さんに聞いているんです。あなたの言い分は後で聞きますから。」
小野瀬「……。」
明智を指差す小野瀬の腕と声を制し、指名された小笠原はもう全てを白状するしかなかった。
小笠原「…最初は舞ちゃんが青山で『山田さん』という男性と食事をするということから始まったんだ。心配だからついていくって言う警視総監と小野瀬さんが来て…。」
穂積・小野瀬「「だって心配じゃ!!」」
翼「黙りなさい。」
穂積・小野瀬「「……はい。」」
小笠原「そのあと桜新町に向かったからおかしいと思ったんだ。」
明智「今日の3時に駅前で待ち合わせをしたんです。これが昨日までに連絡を取っていたメールです。」
ケータイのメール顔面をみんなに見せ、自らの身の潔白を証明していた。
翼「確かに連絡を取っていますね。それからは?」
明智「スーパーに寄って買い物をしています。碑文谷のダイエーです。」
小笠原「…確認取れました。確かに明智さんの車が入庫しています。」
明智「それからはまっすぐこちらへ来ました。ご両親がいないのに上がるわけにはいかないと思ったのですが、今日しかタイミングが合わないからと思いまして。その点については申し訳ありませんでした。」
素直に頭を下げる明智に、穂積も小野瀬も少しだけ拍子抜けしてしまった。
明智「こちらで料理を教えていると、藤守と如月がやってきました。後は、ご覧のとおりです。」
小野瀬「じゃあ、あの会話はなんだ。舞にいかがわしい事をしたのは分かっているんだぞ!!」
穂積「明智、俺はお前の口から聞きたい。舞に何かしたか?」
明智「警視庁警備部警備二課長の名にかけて、俺は何もしていません。」
たがいに言い合うも、話は平行線のままだったのだが、小笠原がノートPCを差し出してきた。
小笠原「舞ちゃんに電話をした後、切れていなくて通話状態になっていたんだ。その音声データです。」
いつの間に録音していたのだろう。
全員が息を詰めるなか、静かなリビングに聞きなれた舞の声が響く。
一旦切ります。続けるよ。
03/03(Sun) 22:22
オカンは辛いよ。
清香
お待たせしました。
続けますよ。
「…りあえず、一回、、ってみようか。何事も…練、習、、だか…な。」
「は、はい。」
「そ、…だ、強く握らないで…、優しく…、、中に入れたら、…動かさないで。」
「…うですか?」
「あぁ、上手…だ。あっ、強く握っちゃダメだ、ぞ…、もっと優し…、そうだ、ほら、もう一回…やってみろ、…」
「ずいぶん、アツい、ですね…」
「…これば…は、仕方…な…ろう。アツい…モノだ」
「あっ、痛っ!」
「大丈…夫か…、無理しない…で良い…んだぞ。」
「無理…じゃな、…です。頑張り…ます」
「そうか、じゃあ、続けるぞ…」
「…は、…い。」
さっき聞こえた舞の声。
あの声は何を意味しているのか。
いったいどう証明するのかと小野瀬は身を乗り出す様にして明智を睨みつけていた。
明智「あぁ、天ぷらですよ。今日のメニューでもありますが、家庭でもできる上手な天ぷらの揚げ方を先日『ためして○ッテン』っでやっていたので、試してみました。」
小野瀬「そんなの信じられるか!!」
明智「そんなこと言われても勘違いしているのは、そちらでしょう!」
それまで静かだった翼がため息を一つ吐いた。
翼「明智さん、本当に申し訳ありませんでした。舞の面倒を見て頂いたのにも関わらず、こんな騒ぎにまで巻き込んでしまいまして。」
明智に向かって深々と頭を下げる翼に、それまで噛みついていた小野瀬もたじろいでしまう。
翼「私もこの日の放送を病院で見ていたんですよ。衣は優しくつける、油の中に入れたら動かさない、ですよね。もしかしたら舞は少しヤケドをしたのかしら?」
明智「はい。ヤケドをさせてしまって申し訳ありませんでした。」
翼「料理をする上では仕方のないことですから。それでも教えて下さってありがとうございました。」
明智「いや、お母さんの手伝いもしたいし、まもなく退官を迎える警視総監の身体を気遣っていると聞けば、手を貸さないわけにはいきませんから。」
翼「…そう、あの子がそんな事を…。」
藍「舞ったら…。」
穂積・小野瀬「「………。」」
思いもよらない所から聞こえてきた舞の優しさに、怒りを露わにしていた穂積も小野瀬も黙りこくってしまった。藍に至っては瞳に涙さえ浮かべている。
翼「私たちが思っている以上に、あの子は私たちのことを考えてくれていたのね。良い子に育ってくれて嬉しいわ。」
明智「そう思います。本当に良い子だ。」
翼「それに比べて…、ハァ、この人たちは、ねぇ?」
大げさにため息をつき、ちろりと視線をやった先にいるのはもちろん穂積と小野瀬で。
さっきまでの勢いはどこへやら、肩をすくめる姿は大きな身体をした子どものようだった。
こんな感じどうでしょう?
[削除]
03/03(Sun) 22:35
○ッテン!
小春
ご参加頂いた執筆者の皆様、そして読者の皆様、ここまでありがとうございます。
この先は私がまとめさせて頂きます。
今夜じゅうに落としたいと思っておりますが、私が寝落ちしちゃったらゴメンナサイ。
そうは言っても誰かの飛び入り参加はあったりしないのか!
伏線は全部回収出来ているのか!
小春は睡魔に勝てるのか!
では!
待て更新!
[削除]
03/03(Sun) 22:57
フィナーレは
せつな
残すところあと1時間ですね!
清香さん、ママ業大変なのに、お疲れ様です。
正座して待ってますよ!!^^b
あ、でも、寝オチもご愛嬌です~♪
ここまで来たら小春さんも楽しんでラスト頑張ってください!
お詫び:誤字脱字だらけの飛び入りで本当に失礼しました;;一回下書きする余裕がないと駄目だなぁ=3=3
[削除]
03/03(Sun) 23:10
ゴメンねー(つД`)
清香
続きを書くって宣言した割に、私が時間かかっちゃってすみませんでした。小春さん、キミに決めた!!(ポケ○ン風)
あっ、山田さんの謎は大丈夫ですか?←今更(笑)
[削除]
03/03(Sun) 23:29
いよいよ
とも
ラストですか!?
やはり私には文才が無いようであまり乱入?出来ませんでした。←きっとその方がよかった(汗)
藤守「それにしても、警視庁のツートップの黒いオーラは未だに健在やな」
如月「ホントですよ。俺、昔を思い出して背中に悪寒が走りましたもん」
藤守「俺もやわ。つーか如月、リビングがやけに静かやから、お前様子見てこい」
ちょいと入ってみました。
03/04(Mon) 03:13
大団円
小春
翼を裁判長に見立てた、即席法廷が終了した。
翼、藍、小笠原は席を立ったものの、穂積と小野瀬、そしてその向かい側に座る明智の三人は、未だに見合ったまま。
後ろ髪を引かれる藍と小笠原を促して、翼は舞と藤守たちの待つ部屋に戻って来た。
すると、ちょうど出て来ようとした如月と鉢合わせてしまった。
如月
「……っと、翼ちゃん」
翼
「如月さん、藤守さん、ありがとうございます」
舞
「おばあさまっ」
翼に押し戻されるような格好で、如月と、別室からの三人が舞の部屋に入って来た。
ゲーム機を放り出した舞を藍が抱き寄せ、小笠原が後ろ手に扉を閉める。
舞
「お母さん、先生……明智さんたちは?」
藍
「三人でもう少しお話をしているだけ。大丈夫よ。それより……」
藍が目にしたのは、舞が両親と祖父母を喜ばせようと準備して隠しておいた、たくさんのカーネーションと、プレゼントの包み。
そして、舞の小さな手に貼られた、絆創膏。
藍の目に涙が込み上げる。
藍
「舞、……あなた……」
その先は言葉にならない。
藍は改めて、自身と、祖父である小野瀬に似た赤い髪を持つ愛娘を、しっかりと抱き締めた。
「……」
リビングで向かい合っていた三人のうち、真っ先に折れたのは、なんと穂積だった。
翼たちが出て行って数分後、穂積はソファーから腰を上げると、そのまま、床に正座して手をつき、明智の足元に額を擦り付けた。
穂積
「明智、すまん!」
穂積泪、人生最初で最後の土下座。
もちろん、小野瀬も明智も、こんな穂積を見るのは初めてだ。
……やがて。
明智
「やめてください!……総監!……あなたのそんな姿、俺は見たくありません!」
明智は悲鳴のような声を上げた。
そう。
穂積にはいつでも胸を張っていて欲しい。
その為にこそ、明智は今日まで警官として生きてきたのだ。
明智
「気にしてません。気にしてませんよ。総監は、舞ちゃんとキッチンにいたのが俺だと知っても、俺を責めなかったじゃないですか。俺を信じていてくれたじゃないですか」
自分も床に膝をつき、穂積の身体を起こそうとする明智に、けれど、穂積はなおも強くかぶりを振った。
穂積
「違う、明智……」
穂積の声が震えた。
穂積
「俺が、電話で舞と会話するお前の声に気付かなかったと思うか。駐車場の車に気付かなかったと思うか。玄関先で天ぷら油の匂いに気付かなかったと思うか」
明智は、穂積が、拳を固く握り締めているのに気付いた。
穂積
「舞の相手がお前だと気付いてから、実際にお前に会って目を見るまでの間……俺は、お前を疑った。自分の娘可愛さに、半生を共にしてきたお前を疑ったんだ。俺は……俺には、お前に信頼される資格がない」
明智は声を出すことが出来ないまま、首を横に振った。
たった一瞬の事です。
あなたは何十年も、どんな時も、俺を信じてきてくれたじゃないですか。
もちろん今、この時も。
自分には、あなたを責めるつもりなんかありません。
だから、そんな風にご自分を責めないで下さい。
お願いです……泣かないで下さい。
小野瀬
「明智くん」
高い所から、今度は小野瀬の声がした。
見上げると、視界がぼやけた。
明智は、手の甲で涙を拭った。
この相手に、涙を見せたくはなかった。
明智
「……」
小野瀬
「すまなかった。許してくれ」
小野瀬にしては、ストレートな謝罪だった。
小野瀬はソファーから立ち上がっていて、指先まで真っ直ぐに伸ばした両手をぴたりと脚につけ、きっちりと頭を下げた。
これもまた、初めて見る姿だった。
明智
「……あなたのそんな殊勝な姿も、あまり見たくありませんね」
小野瀬は顔を上げた。
常に浮かべている彼特有の笑みの消えた、だから、不機嫌にさえ見える真顔だ。
小野瀬
「俺は、穂積とは逆だ。ここに来るまで、舞の相手が誰か分からなかった。そして、きみの顔を見た瞬間、感情が沸騰した」
明智
「……」
小野瀬
「舞に『先生』なんて呼ばれて、いかがわしい会話をして、仲良くキッチンにこもっていた憎むべき相手。それがきみだったと知った瞬間、どうしようもなく腹が立った」
明智
「……小野瀬さん」
小野瀬
「翼に諭されても、実はまだ腸が煮えくり返っている。何故だろうね。俺は、自分が、こんなにもきみに敵意を抱く理由が分からない」
それは明智にも分からない。
明智自身は、小野瀬が自分を嫌うから、突っかかってくるから、だから鬱陶しいと思う。
だが、逆は当てはまらない、と、思ってもみる。
明智
「……」
小野瀬
「ごめんよ、明智くん。本当に、分からなかったんだ。たった今までね」
……
明智
「……え?」
小野瀬
「穂積だよ」
名前を呼ばれた穂積が反応した。
頭を浮かせかけたのを、見逃さずに明智は引き起こした。
穂積の額が赤くなっている。
涙はもう消えていたが、代わりにその碧の目は、明智ではなく小野瀬を見据えていた。
小野瀬
「若い頃の翼との関係も、ちょっと勘に障った。でも、翼は俺を選んでくれた。だが、穂積は違う」
明智
「……?」
小野瀬
「穂積は、常にきみを選んだ。ホモセクシャルな意味ではないよ。きみに対して絶大な信頼を置き、どちらかを選ばなければならない時には、部下であるきみを優先した」
穂積が、ゆっくりと立ち上がる。
つられるようにして、明智も立ち上がった。
小野瀬
「俺は、それが気に入らなかったんだ。……さっきの穂積を見て、その事にやっと気付いた」
徐々に笑みを取り戻す小野瀬の顔を見ながら、明智は、知らず知らず苦笑した。
明智
「……俺に言わせてもらえば、お二人の方が、ずっと仲良しですけどね」
穂積・小野瀬
「仲良しじゃないから!!」
声を揃えた二人、呆れ顔の明智。
三人は、互いの顔を見つめあって笑い出し、それはやがて、舞の部屋まで響き渡るような哄笑へと変わった。
[削除]
03/04(Mon) 03:17
みんなありがとう
小春
翼
「仲直りしたようね」
微笑んで呟く翼に、他の五人は顔を見合わせた。
翼が扉を開くと、リビングにいる男たちの笑い声が大きくなる。
藍
「さ、舞。パーティーの支度をお願いね」
舞
「うん!」
藤守
「よっしゃ、やるでえ!」
飛び出していった藤守が、さっそく穂積に捕まってもみくちゃにされる。
それを見てまた明智と小野瀬が大笑いする。
小笠原は溜め息をついて、リビングを見渡した。
小笠原
「ホント、相変わらずくだらな……」
如月が、後ろから小笠原の口を手で塞いだ。
如月
「小笠原さん、今日はそのセリフ、無し、なし!」
小笠原
「ーーー!」
翼
「みんな、グラスを持った?」
舞
「あれ?1個足りない?」
藍
「大勢だから数え間違たのね。はい、持ってきたわよ」
せーの。
全員
「かんぱーい!!」
リビングルームいっぱいに飾り付けられたカーネーションと、舞の手作りペーパーチェーン。
明智と舞が腕をふるった料理の皿は、あっという間に空になってしまう。
おかげで明智は、またキッチンに逆戻りだ。
あちらこちらで乾杯、さらに乾杯。
気のおけない仲間たちの宴は、果てしなく盛り上がってゆく。
誰もが舞と話をしたがるので、舞は呼ばれる方へ行ったり来たりの大忙し。
その中で、彼女の前に、赤いバラの蕾が一輪、差し出された。
??
「こんばんは、美しいレディ」
舞
「あ、やま……」
バラの贈り主は舞の唇に指を当て、そのまま、微笑んで去った。
舞は首を傾げたけれど、この少女が、愛の告白を受けた事になど気付くはずもなく。
彼女はただ、頂き物をした時のお約束で、母親に報告にゆく。
その頃、藍も、いつの間にか自分のグラスに挿されていた黄色いバラを見つめていた。
剣道と勉強に明け暮れていた藍は、花言葉など覚えずに育った。
だから、黄色いバラの花言葉が「友情」そして「ジェラシー」だと知らない。
皆からの報告や訴えを聞くのに忙しい翼は、顔を上げた時、扉の近くに懐かしい人物を見た。
二十歳そこそこの、長い黒髪の美しい青年。
彼は翼に一礼すると、持っていた白いバラを傍らのチェストの上に置いて、玄関を出て行った。
翼はそっと席を立って、バラを手にした。
それには、カードが添えられている。
『心からの尊敬を込めて……JS』
穂積
「相変わらず、キザな奴」
不意に後ろで声がして、翼は飛び上がった。
翼の手から、カードが抜き取られる。
小野瀬
「いつまで人の奥さんに横恋慕してるのかな、全く」
穂積
「……ま、その気持ちはわからんでもない」
翼
「え?」
翼に向かってにっこり微笑んだ穂積の足の甲を、小野瀬の足が思いきり踏んだ。
穂積
「痛って!」
藍
「泪さんは、こっち!」
穂積
「痛ててて!」
穂積は、ぷんぷん怒って頬を膨らませた藍に、耳を引っ張られていった。
小野瀬と翼はそれを見送りながら、顔を見合わせて笑い合う。
舞は母親を探す途中でキッチンに立ち寄り、料理をしている明智にバラの花を見せて事情を話した。
明智は少しびっくりしたような顔をした後、くすりと笑った。
明智
「……ライバル出現、かな」
舞
「何ですか?」
明智
「ふふ、何でもない。さ、これをテーブルに運んで?」
明智の差し出す大皿の料理は、とてもいい匂い。
舞
「お待たせしましたー!」
舞はリビングルームに戻ると、全員を見渡した。
全員
「はーい!」
全員からの返事に、舞はとびきりの笑顔で応える。
みんな、大好き。
いつまでも、こうして、みんなで一緒にいられますように。
~END~
[削除]
03/04(Mon) 08:29
お疲れ様でした
とも
小春様、清香様、読者の皆様、お疲れ様でした!
結局私はほとんど読者側にいた気がします。(スミマセン)
今回は貴重な経験んさせていただきました。
ありがとうございました(〃^ー^〃)
[削除]
03/04(Mon) 08:35
お疲れ様でしたー(∩´∀`∩)
清香
小春さん、せつなさん、ともさん、龍鬼さん、そして見守っていて下さったみなさん、ありがとうございました。
いつもはコメント欄で始まるミニコントのようなやりとりがまさかここまでオチをつけられるきちんとしたお話になるとは思いもしませんでした。勇気を出して参加して下さった方々には本当に感謝ばかりです。
急展開させたり、電話ネタをいれたり、寝落ちしたりご迷惑をおかけしましたが、いやはや楽しかったわ。また機会がありましたら、やりたいですね(笑)
[削除]
03/04(Mon) 09:59
ありがとうございました!
小春
皆様、大変お疲れ様でした。
執筆に参加して下さった方々はもちろん、掲示板に足(指?)をお運び下さった読者の皆様にも、心から感謝の気持ちをお伝えしたいです。
ありがとうございました!
リレー方式ゆえ直せない誤字脱字は愛で修正し、置き去りの伏線や深夜の暴走に目をつぶり、最後までお付き合いくださった全ての方々に謝意とお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました!
まー、アレです。
毎回コメント欄が甘い香りを放ったり、新キャラが登場したり、悪ノリのつもりが結構マジになっちゃったりする辺りが、当サイトクオリティです。
今回のSSでも、藤守さんの恋の鞘当て問題とかね。
明智さんと舞ちゃんのペアのエプロン問題とかね。
もしかして後で再燃するかも、しないかもしれない火種を残しつつ、私はまた書きたい方へふらふら行ってしまうんですね。
ですから皆様、どうかのんびりお付き合いください。
気が向いたらツッコミ入れてみてください。
今回のリレーストーリーのendには、舞ちゃんの言葉を借りて、私からのメッセージを込めてみました。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
ではまた!
03/05(Tue) 10:40
そういえば。
清香
アニ「俺の出番は無いんかいっ!!」
忘れてました(ノ∀`)
~END~
無難に繋ぐ。
小春
穂積
「舞の様子は?」
前を見たまま穂積が問う。
小野瀬
「声は普段通りだったが、『出来ればゆっくり来てほしい』って」
穂積
「どうして」
小野瀬
「『片付けなくちゃいけない』って」
穂積
「何を」
小野瀬
「……何をだろう?」
穂積
「なぜ、肝心な事を訊かん!」
走行中でなければ、小野瀬の首根っこを掴みそうな勢いだ。
藍
「泪さん、落ち着いて」
穂積
「藍、俺は物凄く落ち着いてる。今、頭の中はとてもクールだ」
言葉の通り、助手席の藍に向けられる穂積の声は笑いを含んでいる。
そして実際、穂積の端正な美貌の口元には微笑みさえ浮かんでいる。
藍はまだ知らないようだが、穂積がこういう時に浮かべるこの笑顔の恐ろしさを、小野瀬と小笠原はよく知っている。
穂積
「小野瀬、舞はどの部屋にいる?TVの音は聴こえたか?室内の人数は?相手との距離は?」
穂積は質問を変えて来た。
静かな声音だったが、小野瀬は背筋が寒くなるのを覚えた。
穂積自身が電話で話をしたなら、あの短時間でもそれだけの事を察知したのだろうか。
小野瀬は一つも答えられなかった。
小笠原
「もう一度、掛けてみれば?」
小笠原が助け船を出してくれた。
小野瀬
「あ、ああ、そうか」
小野瀬は再びスマートフォンを操作しようとして……首を傾げた。
小野瀬
「あれ?まだ、通話中か?」
半分独り言のように言って、小野瀬はそれを耳に当てた。
03/02(Sat) 18:20
『ある日の創作室』について2nd
清香
なぜかリレーSS会場になっております。
参加者求む。
[削除]
03/02(Sat) 19:28
とりあえずコピペ
清香
*ここまでのあらすじ*
小野瀬と櫻井翼の間に生まれた一人娘、藍。
彼女は幼い頃から慕い続けた父の友人穂積泪と結ばれ、現在、中学生になったばかりの娘、舞とともに、三人で暮らしている。
掲示板限定のパラレル設定により未だに警視総監の父と、祖父になった小野瀬葵(こちらもまだ現役)は、ともに舞を溺愛している。
そんなある日、小野瀬家に遊びに来ていた舞は、『山田さんに誘われた』と言って出掛け、父と祖父を慌てさせる。
急いで穂積に連絡をとる小野瀬だが、穂積は部下の小笠原から連絡を受けて、すでに舞を尾行していた。
その後、食事を終えた舞は無事に山田と駅で別れる。
いったんは小野瀬宅に集結して穂積からの報告を聞いていた一同だったが、舞が真っ直ぐに自宅に帰らず、桜新町を経由した事を知る。
しかし、小笠原によって行動を割り出された舞の現在地は、なんと穂積の自宅であった。
さらに、駐車場の防犯カメラには、男性と同行する舞の姿が。
しかも、舞と男性がいるはずの家には、続々と得体の知れない人物が集まってくる。
ついに、居ても立ってもいられなくなった保護者一同は、気を失った小野瀬とともに穂積の自宅を目指す。
[削除]
03/02(Sat) 21:03
ここまでのあらすじ その2
小春
穂積たちの留守に舞が自宅に連れ込んだ『先生』は、明智であった。
警視総監として間もなく退官を迎える父・穂積と、女性ながらも警察キャリアとして忙しく働く母の為に、『何か、喜ぶ事をしてあげたい』と願う舞の心に打たれた明智は、彼女に料理の手ほどきをするため、穂積家を訪れたのであった。
そして、続いて現れたバイクの男性は、藤守であった。
同じように忙しく働きながらも、いつも舞を愛してくれる小野瀬家の祖父母へのプレゼントを舞に頼まれ、銀座まで買いに行っていたのだ。
……ここで一旦CM。
さらに、このささやかな思い付きのため、たくさんの花を用意してきた女装中の如月も加わって、穂積家では、サプライズパーティーの準備が着々と進んでいくのであった。
一方、小野瀬家にいた穂積、藍、小笠原は、気を失ったままの小野瀬を車に放り込んで、穂積家に向かって出発した。
車中で目を覚ました小野瀬に、穂積は、舞の携帯に電話をかけてみるよう命ずる。
小野瀬はすぐに電話をかけるが、電話に出た舞から『出来るだけゆっくり帰って来て欲しい』『片付けないといけないから』という意味深な言葉を聞いただけで、通話を切られてしまう。
舞を心配するあまり、冷静さを欠いてゆく車内の小野瀬たち4人。
穂積たちを喜ばせようと、内緒で作業を続ける、穂積家の4人。
だが実は、まだ、小野瀬と舞との通話は切れてはいなかった。
舞は、自分のポケットの中の携帯がまだ祖父と繋がっている事に、全く気付いていない。
一方、小野瀬は、さっき切れたと思い込んでいた舞との通話が、まだ繋がっていることにひとり気付く。
穂積が交通ルールを守りながらも全速力で車を走らせる中、小野瀬は、スマートフォンからの音に耳を澄ませた。
リレー小説2日目も佳境に近付いているのか?
清香と小春が待ち望む、新たな執筆者は現れてくれるのか?
ここまでの詳しいストーリーが気になる方は、まずは掲示板『ある日の創作室について』をお読みください。
そして再びここに戻ってきてね!
求む勇者!
[削除]
03/02(Sat) 22:16
こんなんでもいいのかな?
とも
祖父は自分のスマホに耳をあてた。
『、、、何だって?』
『今うちに、、、そうなんです。早く、、と、せっかくの、、が、、、になってしまいますね…』
『まずいな。時間が、、。こう、、、たら、、、して、、、』
穂積
「もうすぐうちに着くぞ。小笠原、うちのマンションの駐車場に停まってる車のナンバーはまだ割り出せないのか?」
小笠原
「気分悪いけどやってるよ。…あれ、この車のナンバーは確か…」
穂積
「着いたぞ。みんな俺の合図で突入する。藍は舞を保護、俺と小野瀬と小笠原はホシを確保だ。」
「「「了解。」」」
…短かっ!
[削除]
03/03(Sun) 06:25
寝落ち→早朝の投下(2回目)
清香
自宅駐車場に車を停め、小野瀬のスマートフォンをスピーカーモードにして微かに聞こえる室内の様子を聞き逃すことが無いよう、息を潜め突入のタイミングを計る穂積達。
一方、その頃の舞達はというと。
舞「と、とりあえず片付けなきゃ!バレたら台無しになっちゃう!皆さんは…どうされますか?」
如月「俺は洗面所にでも隠れよーっと。」
藤守「じゃあ、俺はトイレかな。…っと、どうします?」
呆れた様子で見てい明智に藤守が尋ねた。
明智「俺は引き続きキッチンにいるさ。さぁ、舞、仕上げをしてしまおう。」
舞「あっ、はい。先生、よろしくお願いします。」
明智「時間が無いから手早くいくぞ、いいな?」
舞「はいっ!」
~穂積達~
穂積「相手は3人か。洗面所・トイレ・キッチンに潜伏している模様。舞はキッチンに『先生」と呼んでいる奴と一緒だ。…人の家で好き勝手しやがって。絶対にブッ潰してやる。」
藍「…泪さん。」
小笠原「ねぇ、警視総監。あそこの車って…。」
そう言いかけた時、室内の様子を伝えていた小野瀬のスマートフォンから信じられない言葉が聞こえてきた。『静かに』と手で制され、小笠原は何も言えなくなってしまう。
「…りあえず、一回、、ってみようか。何事も…練、習、、だか…な。」
「は、はい。」
「そ、…だ、強く握らないで…、優しく…、、中に入れたら、…動かさないで。」
「…うですか?」
「あぁ、上手…だ。あっ、強く握っちゃダメだ、ぞ…、もっと優し…、そうだ、ほら、もう一回…やってみろ、…」
「ずいぶん、アツい、ですね…」
「…これば…は、仕方…な…ろう。アツい…モノだ」
「あっ、痛っ!」
「大丈…夫か…、無理しない…で良い…んだぞ。」
「無理…じゃな、…です。頑張り…ます」
「そうか、じゃあ、続けるぞ…」
「…は、…い。」
果たしてキッチンでは何が起きているのか!
そしてこの会話を聞いた保護者達はどうするのか!
待て、更新!←ここで振ってみる。
03/03(Sun) 07:22
おお
小春
勇者ともさんが現れた!ありがとおっ!
さあリレーも三日目、そろそろゴールが見えて来たか?
それとも新たな勇者によって、さらなる急展開があるのか?
そして清香さんは何を企むのか?!
腹を抱えて笑っている場合じゃないぞ!
今日も元気にいってみよう!
小笠原
「(……藍さん)」
小笠原が、藍の肩をつついた。
藍と目が合うと、唇に人差し指を当てたまま、後ろ向きの忍び足で、静かに穂積と小野瀬から離れてゆく。
藍はすぐに小笠原の意図を察して、自分も同じように後退りして、スマートフォンに聞き耳を立てている二人から離れた。
十歩ほどの距離をおいてエレベーター寄りに立つと、小笠原が小声で囁いた。
小笠原
「(小声)先に行こう」
藍
「(小声)えっ、でも」
藍は二人が気になるようだ。
小笠原
「(小声)僕には落ちが見えた。藍さんもだろう?」
藍
「(小声)私には、まだ、何も。……でも、この車は確か」
小笠原
「(小声)上出来だ。どうせもうあの二人、何も見えてないから。早く」
小笠原に導かれ、藍は一緒にエレベーターに乗った。
[削除]
03/03(Sun) 08:30
今日こそオチをつけようじゃないか。
清香
勇者ともさん、ありがとう。
引き続きご参加をお待ち申し上げております。
小春さん、最終的なオチは始めたあなたにかかってることを忘れないでー。
さぁ、ひな祭りの用意を何もしてないが、いってみよう!
~エレベーター内~
小笠原「あの車に気がついた?」
藍「ハイ。あれは確か明智さんの…。」
小笠原「そう。明智さんの車。隣にあったのは藤守さんのバイク。さっき調べたら、如月はキャバクラに潜入捜査の後、直帰してるって。」
藍「と、言うことは、今うちにいるのは…。」
小笠原「舞ちゃん・明智さん・藤守さん・如月の4人だね。」
藍「でも、何でまた…。」
小笠原「それを確認しに行こう。大丈夫、あのメンバーなら舞ちゃんに何かしたら命が無いことは分かってるから。」
藍「でも、お父さんと泪さんはどうすれば…。」
小笠原「あぁ、念のためにストッパーにも連絡しておこうか。」
藍「ストッパー…、ですか?」
小笠原「うん。君もよく知っている人だよ。さぁ、家が壊れないよう早く行こう。」
~穂積と小野瀬~
穂積「……。」
小野瀬「……。」
穂積「………(怒)。」
小野瀬「(小声)………穂積、俺の携帯を握りつぶそうとしないでくれ。」
穂積「(小声)俺の舞が………。まだ中学生だぞ!」
小野瀬「(小声)あぁ、分かってる。生きて返すつもりは無い、そうだろう?」
穂積「(小声)……もちろんだ。絶対にブッ潰してやる。」
立ち上がった二人は家に乗り込むべくエレベーターへと向かった。小笠原と藍が居ないことに気がつかないくらい怒り、我を忘れた二人だったのだ。
~穂積宅~
舞「…どうですか?」
藤守「めっちゃ上手やん!!!」
如月「本当!中学生とは思えないよ!!」
明智「手つきも悪くないしな。後は練習あるのみだ。」
舞「ハイ!頑張ります、先生!!」
明智「さぁ、そろそろ小野瀬さんや警視総監が帰って来るだろう。準備をしよう。」
平和な室内に嵐は訪れるのか!
優しく舞を見つめる明智の身に悲劇は起きるのか!
ストッパーとは誰なのか!
どうぞ!(。・ω・)σ ⌒*
[削除]
03/03(Sun) 09:58
どうぞ!(。・ω・)σ ⌒*じゃねーよ。
小春
清香さん、ひな祭りの準備もお願いしますよ。
藤森
「あれっ、電話や」
穂積家の室内、鳴ったのは藤森の携帯。
藤森
「小笠原やん。(電話に出る)よう。お前どこにおんねん?今な…」
小笠原
『舞ちゃんと、彼女の家にいるんでしょ。知ってる』
藤森
「え?なんで…」
小笠原
『説明は後。落ち着いて聞いてね、藤森さん。警視庁ツートップが、逆上した状態で地下駐車場まで来ている。たぶん、間もなくここまで上がってくるはずだ』
藤森が息を呑む。
長年の付き合いで、小笠原の言葉の意味はすぐに分かる。
藤森
「明智さん!まだ、時間かかりますか?」
キッチンに向かって、大声で叫んだ。
明智
「え?…ああ、今、仕上げに取りかかったところだが…」
藤森
「了解、急いで下さい。如月!外に出ろ!総監たちが来る!玄関で食い止めるで!」
如月はメイクを落とそうと洗面所にいたが、ウィッグを外しただけで飛び出してきた。
如月
「了解!」
この辺りは阿吽の呼吸。
受話器から聴こえる藤森の声を聴いていた小笠原は、静かに通話を切った。
小笠原
「これでよし」
その言葉を裏打ちするように、穂積の家の玄関が内側から開いて、慌ただしく藤森と如月が出て来た。
[削除]
03/03(Sun) 11:16
大丈夫、やればできる子だもん!(`・ω・´)シャキーン
清香
藤守「小笠原、どういうことや?」
如月「あの二人はなんで逆上してるの?勝手に家に入ったから?」
小笠原「…なんか色々と妄想し過ぎたりしているせいもあるんだけどね。」
話をしている3人の横を抜けて藍が室内に入ろうとしたその時。
デデンデンデデン
デデンデンデデン(BGM)
エレベーターが開き、無言で降りて来たのは穂積と小野瀬だった。それぞれ手には拳銃と特殊警棒を持ち、視線はただ一つ、穂積宅の玄関を見据えていた。
穂積「藍。下がってろ。」
藤守「あ、あの…。」
小野瀬「黙れ。」
如月「こ、怖い……。」
小笠原「あのさ…。」
鋭い視線で制され、何も言えなくなってしまう。
早くストッパーがやって来てくれないか。
小笠原はそう願うばかりだった。
穂積「小野瀬、一気に行くぞ。」
小野瀬「あぁ、俺が舞を助ける。」
穂積「なら、俺が相手を仕留める。」
小野瀬「まぁ、殺さない程度にな。」
穂積「もちろんだ。死んだ方がマシだと思わせないとな。」
物騒なことを言い出した二人に、慌てて藤守が間に入った。
藤守「あ、あの、何を勘違いして…、」
穂積・小野瀬「「黙れ。」」
微かに室内から聞こえてくる話し声に二人は神経を集中させていた。
「…もう、、で終わりか?」
「っ、もう…ちょっと、ダメで…か?」
「も…時間が、無いだろ…」
「これで、終わ…だから」
「仕方…、な…な。こ…が最後…、だぞ?」
二人の眼に怒りの炎が揺らめくのが分かる。顔を見合わせ、呼吸を合わせて音を立てずに玄関内へと入って行く姿は、捜査室時代を思い出すくらい息の合ったものだった。
藤守「ア、アカンっ!」
如月「明智さんっ、逃げて!!!」
叫んだ藤守と如月の声がまるで合図にでもなったかのように突入を決めた穂積と小野瀬。
穂積・小野瀬「舞っ!!!」
舞「あっ。お父さんにおじいさま、お帰りなさい。ちょうど良かった。揚げたて、味見してくれますか?」
明智「お邪魔してます…、ってなんでそんな物騒な物を持ってるんですか?何か事件ですか!?」
その眼に映ったのは、お揃いのエプロンを着けて仲良く天ぷらを揚げる舞と明智の姿だった…。
ヽ(・ω・)/ズコー
[削除]
03/03(Sun) 12:05
さあ、そろそろ締めますよ。
小春
参加者の皆様、思い残す事はありませんか?
今日じゅうに落としますよ。
03/03(Sun) 12:19
というか。
清香
何人が見てくれてるのかしら?このリレーSS。
終わらないと、あの夜に集中できません(´Д` )
[削除]
03/03(Sun) 15:58
あ、すみません。
小春
私のターンでしたか?
しばしお待ちを。
[削除]
03/03(Sun) 17:04
小春さん、被ったかも!
せつな
すみません、チンタラ悩んで書いてたら、小春さんのターンに割り込んだかもしれません!!!
ごめんなさい><
サプライズパーティに、ロクシタンのバスグッズも用意したらしいから、無理やり翼cの退院祝いをねじ込んでみました;
なんだったら削除してくださいね;;
[削除]
03/03(Sun) 17:10
せつなさん、ナイスです!
小春
おお、ミラクルに繋がるかも!
ちょっと、順番変えさせて下さいね!
[削除]
03/03(Sun) 17:14
せつなさん、ちょっとお先に。
小春
穂積
「……明智……?」
舞の隣に立つ、長年信頼してきた男の姿に、さすがの穂積の殺気も一瞬翳りを見せた。
だが、小野瀬の方は逆だ。普段は決して見せないような冷ややかな目で、二歳年下の男のエプロン姿をじっと見据える。
小野瀬
「明智くん……きみだったのか」
明智
「えっ?」
明智は戸惑いながらも、手探りで天ぷら鍋の火を止めた。
おそらく、彼の本能が、目の前の獣たちから視線を逸らしてはいけないと教えたのだろう。
穂積
「……舞。ゆっくり、こちらに来るんだ」
舞は、初めて見る父親の硬い表情に戸惑いながらも、傍らに立つ明智を見上げた。
明智は顎で、行け、と促す。
舞
「お父さん、おじいさま。私が皆さんを入れたの。勝手な事をして、ごめんなさい」
穂積
「……いいから来い」
感情を圧し殺した声で言いながら、穂積の表情が苦渋に歪む。
舞は思い切って、穂積の元に走った。
穂積は拳銃こそホルスターにしまったものの、左手に特殊警棒を握ったまま、身を屈めて舞を抱き止めた。
穂積
「舞、無事か」
いつも頼もしくて優しい父親の手が、小刻みに震えている。
舞
「お父さん、どうしたの?お願い。先生にひどい事しないで」
舞は、穂積にぎゅっとしがみついた。
穂積
「……それは、明智の返事次第だ」
穂積は、背後の藍を振り返った。
穂積
「藍。舞を頼む」
言いながら、舞の背をそちらに向けて軽く押し出す。
舞の小さな身体は、歩み寄った母、藍にしっかりと抱き締められた。
舞
「お母さん、お母さんっ」
柔らかい胸に抱かれて、堪えきれずに舞が啜り泣く。
藍
「大丈夫、大丈夫よ。舞は、何も悪くないの。お父さんとおじいさまも、すぐに、分かってくれるから」
舞
「でも……おじいさま、怖い」
言われて藍は、小野瀬の姿を見つめた。
そこにいる小野瀬は、いつもの、あの優雅で穏やかな小野瀬と同一人物とはとても思えない。
小野瀬
「明智くん……昔からムッツリだとは思っていたけど……まさか中学生に手を出すとはね」
これには、さすがの明智も顔色を変えた。
明智
「舞ちゃん本人の前で、その発言は頂けませんね。それをおっしゃるなら、小野瀬さんの過去の一端を、ここで披露してもいいんですが」
まさに、一触即発。
03/03(Sun) 17:16
もちろん見てますとも!
せつな
室長の家並みに散らかってた家の中を片付けてた せつな ですm(ToT)m
「止まりなさい!!」
そこに、鋭い静止の声が響いた。
凛として響き渡る、涼やかでいて重みのある声。
その存在感と、おそらくここにいる誰もが逆らえないであろう、唯一無二の存在。
まさに、本当の主人公は誰だったを思い出させてくれる声無き声の持ち主が、そこに現れた。
「そこの二人とも、すみやかに銃器を下ろして、投降しなさい!!」
殺気立った穂積と小野瀬は、その声のする方を振り向くことのできずに、その場に固まった。
じき永続勤務30数年になろうかというベテラン婦警、くぐった修羅場は数知れない百戦錬磨の刑事課・現役警部補の登場である。
穂積・小野瀬 「・・・翼?!」
元・捜査室の皆さん 「櫻井?! あ、いや、小野瀬・・・翼さん」
藍 「おかあさん!」
驚きを隠せないでいる面々の中で、孫娘だけが明るい笑顔を向けた。
舞 「おばあさま!!ようこそ!退院おめでとうございます」翼 「あら、舞ちゃん、どうもありがとう。心配かけたわね」
小野瀬 「つ、翼、一人で出てきたりして駄目じゃない。・・・っていうか、穂積、どさくさに紛れて人の奥さんを名前で呼び捨てにしないでくれるかな?そもそも、今は義母だろう?それを・・・」
翼 「そんなことは、今どうでもいいんです!!!」
再び、厳しい一喝。
藍 「(小声)・・・確かに・・・・あの二人にとってこれ以上のストッパーはないですね」
小笠原 「(小声)でしょ。電話したら、舞ちゃんに招待されてこっちに向かってるって言ってたから、丁度良かったよ」
翼 「だいたい、何の騒ぎです?せっかく舞ちゃんが私の退院祝いをしてくれると言うのに、携帯に連絡しても話し中で全く繋がらないし、小笠原さんから連絡もらって冷や汗が出ましたよ・・・」
病院に逆戻りになったら、あなたがたのせいですからね!? ビシッッと音がするんじゃないかと思えるほど、翼の指先は、穂積と小野瀬を指し示していて、到底逃れられるとは思えないがあった。
・・・ストッパーって聞いた時、もう、この人しかいねぇ!って思いました~~><b
あとよろしくです~~ 駄文失礼しました;
せつな
[削除]
03/03(Sun) 17:19
せつなさん、ありがとう!
小春
ほら、ピッタリ!
[削除]
03/03(Sun) 18:05
小春さん、ありがとうございます!
せつな
さすがです!
しかも急に翼cの退院祝いが出て、すみませんでした;;
翼cもいい御歳なので、アリかなってことで。
そのまま○投げは困りますよね;
チョイ付け足し。
翼は、藍と穂積が結婚するきっかけとなった、ニーナ女王の来日の際に、体調を崩して入院していた。
もちろん、それは完治したのだが、やはり刑事の激務からか疲労も蓄積しているのだろう。
更に原因不明の貧血を起こし、一ヶ月程警察病院に入院していたのだった。
ようやく一過性の疾患であり、治療が功を奏して退院してきたばかりだったのだ。
突発性血小板減少性紫斑病くらいでどうでしょうww
なんちゃって。
[削除]
03/03(Sun) 18:20
せつなさんへ♪
小春
さすが緻密な設定。
私は創作室の「悪魔は天使に二度恋をする」のまま、癌が再発・転移していないかの検査の為に病院に行っている線を考えていました。
ので、全く問題ないです。
ありがとうございました!
[削除]
03/03(Sun) 19:22
奇跡は信じる者の元で起きる。
清香
せつなさんナイスアシスト!!
さぁ、このリレーSSも佳境ですぞ!
小笠原「さぁ、舞ちゃん、ここからはちょっと君に聞かせたくない話になるだろうから、あっちで藤守さんと如月とゲームでもしててくれる?」
舞「えっ…。」
不安げに母親の藍と、祖母の翼の顔を見比べる舞。
いきなり突入してきた父親と祖父のいつもとは違う形相と、祖母の威厳に満ちた怒りに圧倒され、中学生の舞の心は今にも壊れてしまいそうだった。
翼「…舞。大丈夫よ。お父さんもおじいさまもちょっと勘違いしているだけだから。おばあさまがきちんとお話するから、心配しなくていいわ。」
さっきまでの重みある声とは違う、いつもの柔らかな優しい声とほほ笑みにぽろぽろと零れていた涙がとまった。
舞「…おばあさま、分かりました。待っていますね。」
翼「良い子ね、舞。ありがとう。藤守さん、如月さん、申し訳ないけれど舞をよろしくお願いします。」
丁寧に頭を下げる翼にどう反論できるだろう。藤守と如月も翼の静かな怒りに逆らうことができず、ただコクコクと頷くだけだった。
そしてゲームをしに自室へと向かった舞を見送ると、翼が警棒と拳銃を取りあげ、リビングへと誘った。
翼「葵、泪さん、そちらにお掛けになって下さい。明智さんはこちらへどうぞ。」
ソファーセットに向かい合うように座らせるものの、明智を見る穂積と小野瀬の視線は依然厳しいもので、
明智も謂れのない批判を受け、口には出さないものの表情には怒りが滲みでていた。
今にも殴りかかりそうな両者を一瞥し、翼が話し始める。
翼「…まず、何があったのか教えていただけますか?小笠原さん。」
小野瀬「何があったも何も、コイツが…!」
翼「黙らっしゃい。私は小笠原さんに聞いているんです。あなたの言い分は後で聞きますから。」
小野瀬「……。」
明智を指差す小野瀬の腕と声を制し、指名された小笠原はもう全てを白状するしかなかった。
小笠原「…最初は舞ちゃんが青山で『山田さん』という男性と食事をするということから始まったんだ。心配だからついていくって言う警視総監と小野瀬さんが来て…。」
穂積・小野瀬「「だって心配じゃ!!」」
翼「黙りなさい。」
穂積・小野瀬「「……はい。」」
小笠原「そのあと桜新町に向かったからおかしいと思ったんだ。」
明智「今日の3時に駅前で待ち合わせをしたんです。これが昨日までに連絡を取っていたメールです。」
ケータイのメール顔面をみんなに見せ、自らの身の潔白を証明していた。
翼「確かに連絡を取っていますね。それからは?」
明智「スーパーに寄って買い物をしています。碑文谷のダイエーです。」
小笠原「…確認取れました。確かに明智さんの車が入庫しています。」
明智「それからはまっすぐこちらへ来ました。ご両親がいないのに上がるわけにはいかないと思ったのですが、今日しかタイミングが合わないからと思いまして。その点については申し訳ありませんでした。」
素直に頭を下げる明智に、穂積も小野瀬も少しだけ拍子抜けしてしまった。
明智「こちらで料理を教えていると、藤守と如月がやってきました。後は、ご覧のとおりです。」
小野瀬「じゃあ、あの会話はなんだ。舞にいかがわしい事をしたのは分かっているんだぞ!!」
穂積「明智、俺はお前の口から聞きたい。舞に何かしたか?」
明智「警視庁警備部警備二課長の名にかけて、俺は何もしていません。」
たがいに言い合うも、話は平行線のままだったのだが、小笠原がノートPCを差し出してきた。
小笠原「舞ちゃんに電話をした後、切れていなくて通話状態になっていたんだ。その音声データです。」
いつの間に録音していたのだろう。
全員が息を詰めるなか、静かなリビングに聞きなれた舞の声が響く。
一旦切ります。続けるよ。
03/03(Sun) 22:22
オカンは辛いよ。
清香
お待たせしました。
続けますよ。
「…りあえず、一回、、ってみようか。何事も…練、習、、だか…な。」
「は、はい。」
「そ、…だ、強く握らないで…、優しく…、、中に入れたら、…動かさないで。」
「…うですか?」
「あぁ、上手…だ。あっ、強く握っちゃダメだ、ぞ…、もっと優し…、そうだ、ほら、もう一回…やってみろ、…」
「ずいぶん、アツい、ですね…」
「…これば…は、仕方…な…ろう。アツい…モノだ」
「あっ、痛っ!」
「大丈…夫か…、無理しない…で良い…んだぞ。」
「無理…じゃな、…です。頑張り…ます」
「そうか、じゃあ、続けるぞ…」
「…は、…い。」
さっき聞こえた舞の声。
あの声は何を意味しているのか。
いったいどう証明するのかと小野瀬は身を乗り出す様にして明智を睨みつけていた。
明智「あぁ、天ぷらですよ。今日のメニューでもありますが、家庭でもできる上手な天ぷらの揚げ方を先日『ためして○ッテン』っでやっていたので、試してみました。」
小野瀬「そんなの信じられるか!!」
明智「そんなこと言われても勘違いしているのは、そちらでしょう!」
それまで静かだった翼がため息を一つ吐いた。
翼「明智さん、本当に申し訳ありませんでした。舞の面倒を見て頂いたのにも関わらず、こんな騒ぎにまで巻き込んでしまいまして。」
明智に向かって深々と頭を下げる翼に、それまで噛みついていた小野瀬もたじろいでしまう。
翼「私もこの日の放送を病院で見ていたんですよ。衣は優しくつける、油の中に入れたら動かさない、ですよね。もしかしたら舞は少しヤケドをしたのかしら?」
明智「はい。ヤケドをさせてしまって申し訳ありませんでした。」
翼「料理をする上では仕方のないことですから。それでも教えて下さってありがとうございました。」
明智「いや、お母さんの手伝いもしたいし、まもなく退官を迎える警視総監の身体を気遣っていると聞けば、手を貸さないわけにはいきませんから。」
翼「…そう、あの子がそんな事を…。」
藍「舞ったら…。」
穂積・小野瀬「「………。」」
思いもよらない所から聞こえてきた舞の優しさに、怒りを露わにしていた穂積も小野瀬も黙りこくってしまった。藍に至っては瞳に涙さえ浮かべている。
翼「私たちが思っている以上に、あの子は私たちのことを考えてくれていたのね。良い子に育ってくれて嬉しいわ。」
明智「そう思います。本当に良い子だ。」
翼「それに比べて…、ハァ、この人たちは、ねぇ?」
大げさにため息をつき、ちろりと視線をやった先にいるのはもちろん穂積と小野瀬で。
さっきまでの勢いはどこへやら、肩をすくめる姿は大きな身体をした子どものようだった。
こんな感じどうでしょう?
[削除]
03/03(Sun) 22:35
○ッテン!
小春
ご参加頂いた執筆者の皆様、そして読者の皆様、ここまでありがとうございます。
この先は私がまとめさせて頂きます。
今夜じゅうに落としたいと思っておりますが、私が寝落ちしちゃったらゴメンナサイ。
そうは言っても誰かの飛び入り参加はあったりしないのか!
伏線は全部回収出来ているのか!
小春は睡魔に勝てるのか!
では!
待て更新!
[削除]
03/03(Sun) 22:57
フィナーレは
せつな
残すところあと1時間ですね!
清香さん、ママ業大変なのに、お疲れ様です。
正座して待ってますよ!!^^b
あ、でも、寝オチもご愛嬌です~♪
ここまで来たら小春さんも楽しんでラスト頑張ってください!
お詫び:誤字脱字だらけの飛び入りで本当に失礼しました;;一回下書きする余裕がないと駄目だなぁ=3=3
[削除]
03/03(Sun) 23:10
ゴメンねー(つД`)
清香
続きを書くって宣言した割に、私が時間かかっちゃってすみませんでした。小春さん、キミに決めた!!(ポケ○ン風)
あっ、山田さんの謎は大丈夫ですか?←今更(笑)
[削除]
03/03(Sun) 23:29
いよいよ
とも
ラストですか!?
やはり私には文才が無いようであまり乱入?出来ませんでした。←きっとその方がよかった(汗)
藤守「それにしても、警視庁のツートップの黒いオーラは未だに健在やな」
如月「ホントですよ。俺、昔を思い出して背中に悪寒が走りましたもん」
藤守「俺もやわ。つーか如月、リビングがやけに静かやから、お前様子見てこい」
ちょいと入ってみました。
03/04(Mon) 03:13
大団円
小春
翼を裁判長に見立てた、即席法廷が終了した。
翼、藍、小笠原は席を立ったものの、穂積と小野瀬、そしてその向かい側に座る明智の三人は、未だに見合ったまま。
後ろ髪を引かれる藍と小笠原を促して、翼は舞と藤守たちの待つ部屋に戻って来た。
すると、ちょうど出て来ようとした如月と鉢合わせてしまった。
如月
「……っと、翼ちゃん」
翼
「如月さん、藤守さん、ありがとうございます」
舞
「おばあさまっ」
翼に押し戻されるような格好で、如月と、別室からの三人が舞の部屋に入って来た。
ゲーム機を放り出した舞を藍が抱き寄せ、小笠原が後ろ手に扉を閉める。
舞
「お母さん、先生……明智さんたちは?」
藍
「三人でもう少しお話をしているだけ。大丈夫よ。それより……」
藍が目にしたのは、舞が両親と祖父母を喜ばせようと準備して隠しておいた、たくさんのカーネーションと、プレゼントの包み。
そして、舞の小さな手に貼られた、絆創膏。
藍の目に涙が込み上げる。
藍
「舞、……あなた……」
その先は言葉にならない。
藍は改めて、自身と、祖父である小野瀬に似た赤い髪を持つ愛娘を、しっかりと抱き締めた。
「……」
リビングで向かい合っていた三人のうち、真っ先に折れたのは、なんと穂積だった。
翼たちが出て行って数分後、穂積はソファーから腰を上げると、そのまま、床に正座して手をつき、明智の足元に額を擦り付けた。
穂積
「明智、すまん!」
穂積泪、人生最初で最後の土下座。
もちろん、小野瀬も明智も、こんな穂積を見るのは初めてだ。
……やがて。
明智
「やめてください!……総監!……あなたのそんな姿、俺は見たくありません!」
明智は悲鳴のような声を上げた。
そう。
穂積にはいつでも胸を張っていて欲しい。
その為にこそ、明智は今日まで警官として生きてきたのだ。
明智
「気にしてません。気にしてませんよ。総監は、舞ちゃんとキッチンにいたのが俺だと知っても、俺を責めなかったじゃないですか。俺を信じていてくれたじゃないですか」
自分も床に膝をつき、穂積の身体を起こそうとする明智に、けれど、穂積はなおも強くかぶりを振った。
穂積
「違う、明智……」
穂積の声が震えた。
穂積
「俺が、電話で舞と会話するお前の声に気付かなかったと思うか。駐車場の車に気付かなかったと思うか。玄関先で天ぷら油の匂いに気付かなかったと思うか」
明智は、穂積が、拳を固く握り締めているのに気付いた。
穂積
「舞の相手がお前だと気付いてから、実際にお前に会って目を見るまでの間……俺は、お前を疑った。自分の娘可愛さに、半生を共にしてきたお前を疑ったんだ。俺は……俺には、お前に信頼される資格がない」
明智は声を出すことが出来ないまま、首を横に振った。
たった一瞬の事です。
あなたは何十年も、どんな時も、俺を信じてきてくれたじゃないですか。
もちろん今、この時も。
自分には、あなたを責めるつもりなんかありません。
だから、そんな風にご自分を責めないで下さい。
お願いです……泣かないで下さい。
小野瀬
「明智くん」
高い所から、今度は小野瀬の声がした。
見上げると、視界がぼやけた。
明智は、手の甲で涙を拭った。
この相手に、涙を見せたくはなかった。
明智
「……」
小野瀬
「すまなかった。許してくれ」
小野瀬にしては、ストレートな謝罪だった。
小野瀬はソファーから立ち上がっていて、指先まで真っ直ぐに伸ばした両手をぴたりと脚につけ、きっちりと頭を下げた。
これもまた、初めて見る姿だった。
明智
「……あなたのそんな殊勝な姿も、あまり見たくありませんね」
小野瀬は顔を上げた。
常に浮かべている彼特有の笑みの消えた、だから、不機嫌にさえ見える真顔だ。
小野瀬
「俺は、穂積とは逆だ。ここに来るまで、舞の相手が誰か分からなかった。そして、きみの顔を見た瞬間、感情が沸騰した」
明智
「……」
小野瀬
「舞に『先生』なんて呼ばれて、いかがわしい会話をして、仲良くキッチンにこもっていた憎むべき相手。それがきみだったと知った瞬間、どうしようもなく腹が立った」
明智
「……小野瀬さん」
小野瀬
「翼に諭されても、実はまだ腸が煮えくり返っている。何故だろうね。俺は、自分が、こんなにもきみに敵意を抱く理由が分からない」
それは明智にも分からない。
明智自身は、小野瀬が自分を嫌うから、突っかかってくるから、だから鬱陶しいと思う。
だが、逆は当てはまらない、と、思ってもみる。
明智
「……」
小野瀬
「ごめんよ、明智くん。本当に、分からなかったんだ。たった今までね」
……
明智
「……え?」
小野瀬
「穂積だよ」
名前を呼ばれた穂積が反応した。
頭を浮かせかけたのを、見逃さずに明智は引き起こした。
穂積の額が赤くなっている。
涙はもう消えていたが、代わりにその碧の目は、明智ではなく小野瀬を見据えていた。
小野瀬
「若い頃の翼との関係も、ちょっと勘に障った。でも、翼は俺を選んでくれた。だが、穂積は違う」
明智
「……?」
小野瀬
「穂積は、常にきみを選んだ。ホモセクシャルな意味ではないよ。きみに対して絶大な信頼を置き、どちらかを選ばなければならない時には、部下であるきみを優先した」
穂積が、ゆっくりと立ち上がる。
つられるようにして、明智も立ち上がった。
小野瀬
「俺は、それが気に入らなかったんだ。……さっきの穂積を見て、その事にやっと気付いた」
徐々に笑みを取り戻す小野瀬の顔を見ながら、明智は、知らず知らず苦笑した。
明智
「……俺に言わせてもらえば、お二人の方が、ずっと仲良しですけどね」
穂積・小野瀬
「仲良しじゃないから!!」
声を揃えた二人、呆れ顔の明智。
三人は、互いの顔を見つめあって笑い出し、それはやがて、舞の部屋まで響き渡るような哄笑へと変わった。
[削除]
03/04(Mon) 03:17
みんなありがとう
小春
翼
「仲直りしたようね」
微笑んで呟く翼に、他の五人は顔を見合わせた。
翼が扉を開くと、リビングにいる男たちの笑い声が大きくなる。
藍
「さ、舞。パーティーの支度をお願いね」
舞
「うん!」
藤守
「よっしゃ、やるでえ!」
飛び出していった藤守が、さっそく穂積に捕まってもみくちゃにされる。
それを見てまた明智と小野瀬が大笑いする。
小笠原は溜め息をついて、リビングを見渡した。
小笠原
「ホント、相変わらずくだらな……」
如月が、後ろから小笠原の口を手で塞いだ。
如月
「小笠原さん、今日はそのセリフ、無し、なし!」
小笠原
「ーーー!」
翼
「みんな、グラスを持った?」
舞
「あれ?1個足りない?」
藍
「大勢だから数え間違たのね。はい、持ってきたわよ」
せーの。
全員
「かんぱーい!!」
リビングルームいっぱいに飾り付けられたカーネーションと、舞の手作りペーパーチェーン。
明智と舞が腕をふるった料理の皿は、あっという間に空になってしまう。
おかげで明智は、またキッチンに逆戻りだ。
あちらこちらで乾杯、さらに乾杯。
気のおけない仲間たちの宴は、果てしなく盛り上がってゆく。
誰もが舞と話をしたがるので、舞は呼ばれる方へ行ったり来たりの大忙し。
その中で、彼女の前に、赤いバラの蕾が一輪、差し出された。
??
「こんばんは、美しいレディ」
舞
「あ、やま……」
バラの贈り主は舞の唇に指を当て、そのまま、微笑んで去った。
舞は首を傾げたけれど、この少女が、愛の告白を受けた事になど気付くはずもなく。
彼女はただ、頂き物をした時のお約束で、母親に報告にゆく。
その頃、藍も、いつの間にか自分のグラスに挿されていた黄色いバラを見つめていた。
剣道と勉強に明け暮れていた藍は、花言葉など覚えずに育った。
だから、黄色いバラの花言葉が「友情」そして「ジェラシー」だと知らない。
皆からの報告や訴えを聞くのに忙しい翼は、顔を上げた時、扉の近くに懐かしい人物を見た。
二十歳そこそこの、長い黒髪の美しい青年。
彼は翼に一礼すると、持っていた白いバラを傍らのチェストの上に置いて、玄関を出て行った。
翼はそっと席を立って、バラを手にした。
それには、カードが添えられている。
『心からの尊敬を込めて……JS』
穂積
「相変わらず、キザな奴」
不意に後ろで声がして、翼は飛び上がった。
翼の手から、カードが抜き取られる。
小野瀬
「いつまで人の奥さんに横恋慕してるのかな、全く」
穂積
「……ま、その気持ちはわからんでもない」
翼
「え?」
翼に向かってにっこり微笑んだ穂積の足の甲を、小野瀬の足が思いきり踏んだ。
穂積
「痛って!」
藍
「泪さんは、こっち!」
穂積
「痛ててて!」
穂積は、ぷんぷん怒って頬を膨らませた藍に、耳を引っ張られていった。
小野瀬と翼はそれを見送りながら、顔を見合わせて笑い合う。
舞は母親を探す途中でキッチンに立ち寄り、料理をしている明智にバラの花を見せて事情を話した。
明智は少しびっくりしたような顔をした後、くすりと笑った。
明智
「……ライバル出現、かな」
舞
「何ですか?」
明智
「ふふ、何でもない。さ、これをテーブルに運んで?」
明智の差し出す大皿の料理は、とてもいい匂い。
舞
「お待たせしましたー!」
舞はリビングルームに戻ると、全員を見渡した。
全員
「はーい!」
全員からの返事に、舞はとびきりの笑顔で応える。
みんな、大好き。
いつまでも、こうして、みんなで一緒にいられますように。
~END~
[削除]
03/04(Mon) 08:29
お疲れ様でした
とも
小春様、清香様、読者の皆様、お疲れ様でした!
結局私はほとんど読者側にいた気がします。(スミマセン)
今回は貴重な経験んさせていただきました。
ありがとうございました(〃^ー^〃)
[削除]
03/04(Mon) 08:35
お疲れ様でしたー(∩´∀`∩)
清香
小春さん、せつなさん、ともさん、龍鬼さん、そして見守っていて下さったみなさん、ありがとうございました。
いつもはコメント欄で始まるミニコントのようなやりとりがまさかここまでオチをつけられるきちんとしたお話になるとは思いもしませんでした。勇気を出して参加して下さった方々には本当に感謝ばかりです。
急展開させたり、電話ネタをいれたり、寝落ちしたりご迷惑をおかけしましたが、いやはや楽しかったわ。また機会がありましたら、やりたいですね(笑)
[削除]
03/04(Mon) 09:59
ありがとうございました!
小春
皆様、大変お疲れ様でした。
執筆に参加して下さった方々はもちろん、掲示板に足(指?)をお運び下さった読者の皆様にも、心から感謝の気持ちをお伝えしたいです。
ありがとうございました!
リレー方式ゆえ直せない誤字脱字は愛で修正し、置き去りの伏線や深夜の暴走に目をつぶり、最後までお付き合いくださった全ての方々に謝意とお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました!
まー、アレです。
毎回コメント欄が甘い香りを放ったり、新キャラが登場したり、悪ノリのつもりが結構マジになっちゃったりする辺りが、当サイトクオリティです。
今回のSSでも、藤守さんの恋の鞘当て問題とかね。
明智さんと舞ちゃんのペアのエプロン問題とかね。
もしかして後で再燃するかも、しないかもしれない火種を残しつつ、私はまた書きたい方へふらふら行ってしまうんですね。
ですから皆様、どうかのんびりお付き合いください。
気が向いたらツッコミ入れてみてください。
今回のリレーストーリーのendには、舞ちゃんの言葉を借りて、私からのメッセージを込めてみました。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
ではまた!
03/05(Tue) 10:40
そういえば。
清香
アニ「俺の出番は無いんかいっ!!」
忘れてました(ノ∀`)
~END~
2/2ページ