バッドエンドから始まる物語~小野瀬編~
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~小野瀬vision~
約束より三十分ほど遅れてバーに到着すると、カウンターから、穂積がグラスを上げて、合図を送って来た。
穂積の手前のスツールには、櫻井さん。
俺を見ると、笑顔でぺこりと頭を下げた。
ああ、懐かしい。
以前はよく、こんな風に三人で集まったっけ。
俺が彼女を拒んで以来、それきり途絶えていたけれど。
小野瀬
「お待たせ」
穂積
「おう」
マスター
「お久し振りですね、小野瀬くん」
小野瀬
「ご無沙汰しています、マスター。いつもの」
マスターは静かに下がって、俺にノンアルコールのカクテルを作ってくれた。
完成して差し出してから、俺の目の前で、ブランデーをぽつりと一滴。
小野瀬
「ありがとう」
マスターは微笑んで、カウンターの端へと離れて行った。
穂積
「予定は一週間だったな」
小野瀬
「うん、まあ、こちらでの情報精査が終わり次第帰るけどね。向こうにも仕事を残して来てるし」
俺と穂積の間の席で、彼女のグラスが、カランと音を立てた。
小野瀬
「あ、何か頼もうか」
櫻井さんが微笑むと、計ったように、マスターがお代わりを持って来た。
今度の彼女のカクテルは、澄んだ美しい緑色。
メロンのような甘い香り。
マスター
「グリーンミモザです。弱くしてありますからね」
翼
「ありがとうございます」
彼女と笑顔を交わして、マスターは、また、遠くでグラスを拭き始めた。
突然、胸騒ぎがした。