バッドエンドから始まる物語~小野瀬編~
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~翼vision~
翼
「……」
私は、返事に詰まった。
……今さら?
……それは、小野瀬さんは、いい人だと思う。
昔はどうか知らないけど、私の知る限り、周りが言うほど不真面目な人ではない気がする。
でも……。
小野瀬
「黙っちゃったね」
小野瀬さんは、何故か、楽しそうに笑った。
小野瀬
「もしかしたら、脈あり?」
翼
「……」
自分の顔が、赤くなるのが分かった。
翼
「信じられません」
小野瀬
「嘘だね」
小野瀬さんが即答したので、私はビックリした。
小野瀬
「俺を嫌いなら、悩むはずがない」
翼
「……」
それは……、そう、だけど。
小野瀬
「どうして、信じられない?」
翼
「……小野瀬さんは、誰にでも優しいから」
小野瀬
「きみだけに優しくするよ」
小野瀬さんの返事に、私は戸惑った。
翼
「そんな事言っても……女の子の方が、小野瀬さんを放っておきません」
小野瀬
「じゃあ、思わせ振りな態度もやめる」
翼
「浮気するかも」
小野瀬
「しないよ」
翼
「私に飽きちゃうかも」
小野瀬
「俺が夢中なのに?」
そんな顔で微笑まれたら、私、何て言い返せばいいんだろう。
小野瀬
「黙ったね」
翼
「……です」
小野瀬
「ん?なぁに?」
とうとう、私は根負けした。
翼
「お友達からなら、いいです」
小野瀬
「ぷ、あっはっはっはっ!」
噴き出した小野瀬さんは、そのまま、高笑いした。
小野瀬
「了解、決まり!」
小野瀬さんが右手を差し出したので、私は握手に応じた。
その手が握られた次の瞬間、近付いた小野瀬さんに、ちゅ、とキスされた。
唇に。
翼
「な、な、なな」
小野瀬
「お友達のキスだよね?」
私は手を振り払おうとしたけれど、小野瀬さんは離さない。
翼
「そういう事をするから、信じられないんです!」
小野瀬
「ふふ、真っ赤」
小野瀬さんは、にっこり笑った。
信じられないのに。
ああ。
この人には、やっぱり敵わない。
振り回されても泣かされても、私、この人から離れられない。
~END~
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